JP2001084616A - 対物レンズ支持装置 - Google Patents

対物レンズ支持装置

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JP2001084616A
JP2001084616A JP26183799A JP26183799A JP2001084616A JP 2001084616 A JP2001084616 A JP 2001084616A JP 26183799 A JP26183799 A JP 26183799A JP 26183799 A JP26183799 A JP 26183799A JP 2001084616 A JP2001084616 A JP 2001084616A
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objective lens
axis direction
elastic support
fixed substrate
support member
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Kokichi Terajima
厚吉 寺嶋
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Akai Electric Co Ltd
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Akai Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピッチング共振に対して適切な柔軟性を備
え、対物レンズの光軸方向の変位による変形を抑制可能
な固定基板を実現し、制振効果が高くダイナミックタン
ジェンシャルチルトの小さい対物レンズ支持装置を提供
する。 【解決手段】 弾性支持部材3のそれぞれの他端側に接
続される固定基板13を、可動部にZ軸方向への移動力
が作用した際に、該移動力の固定基板13までの距離に
応じて弾性支持部材3の他端側との接続部に加わる回転
モーメントMと、移動力により弾性支持部材3に生じ
る引張力もしくは圧縮力に基づいて弾性支持部材3の他
端側との接続部に加わる回転モーメントMとの方向が
相互に逆になるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンパクトディ
スク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DV
D)等の光ディスクや、ミニディスク(MD)等の光磁
気ディスクのような記録媒体に対して情報の記録や再生
を行う光ヘッドにおいて、対物レンズを所望の方向に駆
動するために、その駆動方向に対物レンズを変位可能に
支持する対物レンズ支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の対物レンズ支持装置を有する対物
レンズ駆動装置としては、例えば、図11に斜視図で示
すようなものがある。この対物レンズ駆動装置は、可動
部としてZ軸をフォーカス方向とする対物レンズ5の他
に、レンズホルダ4、トラッキングコイル6、フォーカ
シングコイル7、ボビン11等を含んでいる。基台1a
側には、支持部材9や駆動用永久磁石2a、2bが配設
され、さらに例えば、Cu−Be合金、Cu−P合金等
よりなり、Z軸方向に対をなしY軸方向に隣接する例え
ば長方形の頂点の如く所定の間隔を隔ててX軸方向に向
けて延在する二対の弾性支持部材3が、一方の端部近傍
において可動部の一要素であるレンズホルダ4のY軸方
向側面に、他方の端部近傍において支持部材9のX軸方
向側面に設けられた固定基板1bに、それぞれ半田等に
より接続されてレンズホルダ4が懸架支持され、これに
より可動部の対物レンズ5をZ軸方向とY軸方向とにそ
れぞれ移動可能に支持している。
【0003】支持部材9には、X軸方向に開口したダン
パケース9aが形成され、その内部には例えばシリコー
ンゲルのような粘弾性を有する緩衝部材10が弾性支持
部材3を取り囲むように充填されて、対物レンズ5を主
体とするレンズホルダ4等の可動部の不要な変位や回転
を誘発する弾性支持部材3の撓み振動を抑制するように
している。
【0004】レンズホルダ4の駆動手段としては、駆動
用永久磁石2a、2bとトラッキングコイル6およびフ
ォーカシングコイル7とが用いられている。すなわち、
図12に要部の分解斜視図を示すように、2つの駆動用
永久磁石2a、2bは、空隙を介して相互に異なる磁極
が対向しており、それぞれの背面側の磁極は、例えば鉄
(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)あるい
はこれらを含む合金、もしくはフェライト等よりなり、
両端部の側面が対向して底部をリターンパス部8rとす
る概略U字形状の磁性ヨーク8aにより連結されてい
る。さらに、この磁性ヨーク8aの両端部は、概略I字
形状をなす磁性カバー8bにより接続されて、これら磁
性ヨーク8a、磁性カバー8bおよび駆動用永久磁石2
a,2bにより、駆動用永久磁石2a、2b間の空隙お
よびリターンパス部8rを通る閉磁路と、駆動用永久磁
石2a、2b間の空隙および磁性カバー8bを通る閉磁
路とを有する磁気回路を形成している。
【0005】また、対物レンズ5をY軸方向に駆動して
不図示の記録媒体の所定情報ビットの中心線上に光軸を
位置させることを目的とするトラッキングコイル6、お
よび対物レンズ5をZ軸方向に駆動して記録媒体の情報
ピット面に合焦させることを目的とするフォーカシング
コイル7は、樹脂等からなるボビン11にそれぞれX軸
と平行な軸周り、およびZ軸と平行な軸周りに巻回さ
れ、それぞれが二つの駆動用永久磁石2a、2bの対向
する磁極の間に位置するように、ボビン11がレンズホ
ルダ4に嵌合固定されている。
【0006】ここで、トラッキングコイル6に通電する
と、Z軸方向に流れる電流と駆動用永久磁石2a、2b
によるX軸方向を向いた磁束との相互作用により、トラ
ッキングコイル6にはY軸方向の力が作用するようにな
る。その結果、可動部ひいては対物レンズ5をY軸方向
すなわちトラッキング方向に平行に変位させることがで
きる。
【0007】同様にして、フォーカシングコイル7に通
電すると、Y軸方向に流れる電流と駆動用永久磁石2
a、2bによるX軸方向を向いた磁束との相互作用によ
り、フォーカシングコイル7にはZ軸方向の力が作用す
るようになるので、可動部ひいては対物レンズ5をZ軸
方向すなわちフォーカス方向に平行に変位させることが
できる。
【0008】ところで、この対物レンズ駆動装置は、上
述したように弾性支持部材3による懸架支持構造がとら
れているので、例えば他の代表的な支持構造である軸摺
動型の対物レンズ支持装置のように、可動部の変位に際
して軸部分との摩擦を生じることがなく、滑らかで分解
能の高い駆動が可能となる。しかしながら、4本の弾性
支持部材3で懸架支持された可動部は、撓み形状がS字
状となって横振動を生じる滑動梁とその先に固定された
先端付加質量とに相当する振動系として構成されてい
る。このため、上述のような利点がある反面、外部から
の振動や衝撃によって、弾性支持部材3がY軸方向やZ
軸方向あるいはYZ合成方向への撓み振動、さらにはX
軸方向を向いた軸周りのねじれ振動として、例えば数1
0Hzの帯域で共振し易い構造となっている。
【0009】このため、このような対物レンズ駆動装置
においては、通常は、例えば支持部材9に設けられたダ
ンパケース9aの内部に、X軸方向に延在する弾性支持
部材3を包むように例えばシリコンゲル等の損失弾性率
の大きい緩衝部材10を注入充填して制振手段を構成
し、これにより弾性支持部材3の撓みやねじれによって
緩衝部材10を剪断変形させて振動エネルギーを吸収
し、これを熱に変換することにより共振を抑制してい
る。
【0010】しかしながら、弾性支持部材3に生じる共
振は、上述した撓みやねじれによるものに限らず、伸縮
によって生じるものもあり、これを無視することはでき
ない。すなわち、可動部の重心G(+字印で示す)を通
り、Y軸と平行な軸を回転軸とする回転振動(ピッチン
グ共振)が、Y軸と平行な軸周りの可動部の慣性モーメ
ントと弾性支持部材3の長手方向への伸縮に関わるばね
定数とにより、例えば数100Hz〜数kHzの周波数
帯域において発生して、対物レンズ5にタンジェンシャ
ル方向への交番的な光軸傾斜を発生させ、光ヘッドの性
能を損なうことになる。
【0011】そこで、本発明者は、このようなピッチン
グ共振を抑制するために、特願平11−196542号
において、図13(a)および(b)に要部の平面図お
よび分解斜視図を示すように、ダンパケース9a部にお
いて、支持部材9をX軸方向に後退させて固定基板9a
から離間させ、緩衝部材10をダンパケース9aの内部
および固定基板1bの板面に接触するように注入充填し
た対物レンズ支持装置を既に提案している。かかる構成
によると、ピッチング共振時に固定基板1bが図14に
示すようにY軸周りのねじれ変形を生じるようになり、
変形する固定基板1bと固定されたダンパケース9aと
の間に挟持された緩衝部材10の剪断変形によって、ピ
ッチング共振に伴って生じる振動エネルギーを効率よく
吸収することができるようになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、緩衝部材1
0による制振効果を得るためには、固定基板1bが十分
に柔軟で、図14に示すようにピッチング共振において
固定基板1bが可動部の回転に追随して矢印で示すよう
に自由に弾性変形することが必要であり、固定基板1b
が弾性的に柔軟なほど緩衝部材10が有効に作用し、制
振目的としては効果的となる。
【0013】しかしながら、図15に示すように、フォ
ーカシングコイル7により可動部にZ軸方向の移動力
(駆動力)Pを印加した場合、固定基板1bの弾性支持
部材3との接続部には、駆動力Pの固定基板1bまでの
距離に応じた回転モーメントM と、駆動力Pによって
対を成すそれぞれの弾性支持部材3に生じる引張力もし
くは圧縮力に基づく回転モーメントMとが共に同一方
向を向いて加わるため、可動部のZ軸方向への移動とと
もに、回転モーメントMとMとが加算されて固定基
板1bがY軸と平行な軸周りに大きくねじれ変形し、レ
ンズホルダ4に保持された対物レンズ5が不所望なダイ
ナミックタンジェンシャルチルトを発生するようにな
る。
【0014】このため、適切な制振効果を得ようとする
と、対物レンズ5のダイナミックタンジェンシャルチル
トが増大して光軸の傾斜を招き、図示せぬ記録媒体に照
射されたレーザ光スポットに種々の収差が生じるように
なり、これがため反射強度が低下して情報読み取り信号
レベルが下がったり、ジッタが生じたりする等の現象が
生じて、光ヘッドの性能としてのS/Nが低下する問題
が発生し易くなり、光ヘッドとしての性能の著しい劣化
を招くことが懸念される。
【0015】この発明の目的は、このような従来の問題
点に着目してなされたもので、ピッチング共振に対して
適切な柔軟性を備え、対物レンズの光軸方向の変位によ
る変形を抑制可能な固定基板を実現し、制振効果が高く
ダイナミックタンジェンシャルチルトの小さい対物レン
ズ支持装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、XYZ直交座標系におい
て、Z軸方向を光軸とする対物レンズを有する可動部
に、Z軸方向に隣接して概略X軸方向に延在する対構成
の弾性支持部材のそれぞれの一端側を接続し、これら弾
性支持部材のそれぞれの他端側を基台側に保持される固
定基板に接続して、前記可動部を前記弾性支持部材を介
して少なくともZ軸方向に移動可能に懸架支持する対物
レンズ支持装置において、上記固定基板を、上記可動部
にZ軸方向への移動力が作用した際に、該移動力の固定
基板までの距離に応じて上記弾性支持部材の他端側との
接続部に加わる回転モーメントMと、前記移動力によ
り弾性支持部材に生じる引張力もしくは圧縮力に基づい
て該弾性支持部材の他端側との接続部に加わる回転モー
メントMとの方向が相互に逆になるように構成したこ
とを特徴とするものである。
【0017】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
対物レンズ支持装置において、上記固定基板を、少なく
とも弾性支持部材の他端側との接続部近傍において異な
る固定端を有するように分離すると共に、これら固定端
の間隔を弾性支持部材の他端側との接続部間隔よりも相
互にZ軸方向に離間させたことを特徴とするものであ
る。
【0018】請求項3に係る発明は、請求項1に記載の
対物レンズ支持装置において、上記固定基板をZ軸方向
に分離し、これら固定基板を、ZX面による横断面がZ
軸方向に対をなす概略等脚の台形状の閉リンクの上底も
しくは下底に相当するZX面内で変位可能なステージに
それぞれ接続したことを特徴とするものである。
【0019】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の対物レンズ支持装置において、上記固定
基板の弾性支持部材の他端側との接続部と基台側との間
に緩衝部材を挟持したことを特徴とするものである。
【0020】請求項5に係る発明は、請求項3に記載の
対物レンズ支持装置において、閉リンクの内周に緩衝部
材を充填したことを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する
実施の形態では、従来例と同様の部材には同一の符号を
付し、またそれらの配置や向きは従来例と同一の座標系
に基づいて統一して示す。
【0022】図1(a)および(b)は、この発明の第
1実施の形態の要部の構成を示す平面図および分解斜視
図であり、図2および図3はその動作を説明するための
側面図である。この実施の形態では、例えば可動部側を
従来例と同様に構成した対物レンズ駆動装置の対物レン
ズ支持装置において、例えばCu−Be合金、Cu−P
合金等よりなり、Z軸方向に対をなしY軸方向に隣接す
る例えば長方形の頂点の如く所定の間隔を隔ててX軸方
向に向けて延在する二対の弾性支持部材3が、一方の端
部近傍において可動部の一要素であるレンズホルダ4の
Y軸方向側面に、他方の端部近傍において支持部材9の
X軸方向側面に形成された固定基板13に、それぞれ半
田等により接続されている。
【0023】固定基板13は、弾性支持部材3との各々
の接続部近傍において概略H字形状に抜孔加工されて、
それぞれが別個に固定端および自由端を有するように分
離されており、それぞれの固定端の間隔が弾性支持部材
3との接続部よりも相互にZ軸方向に離間するように形
成されている。この固定基板13は、弾性支持部材3を
囲むようにX軸方向に削孔形成されたダンパケース9a
を備えた支持部材9の側面12に固定され、さらに支持
部材9は基台1aに固定される。このようにして、固定
基板13の弾性支持部材3との接続部の自由端側は、ダ
ンパケース1bの内側において概略Y軸周りに回転して
撓み変形することが可能となっている。
【0024】したがって、不図示のフォーカシングコイ
ル7により、可動部にZ軸方向への移動力(駆動力)P
が例えば下方に印加されると、可動部は図2に示すよう
にZ軸方向下方に平行移動することになる。このとき、
固定基板13の弾性支持部材3との接続部には、それぞ
れの固定端Qを概略中心としたY軸左回りの回転モーメ
ントMが加わり、また、この駆動力Pにより上側の弾
性支持部材3には引張力が、下側の弾性支持部材3には
圧縮力がそれぞれ作用して、固定基板13の弾性支持部
材3との接続部にはそれぞれの固定端Qを概略中心とし
たY軸右回りの回転モーメントMが加わるようになっ
て、それぞれの回転モーメントM、M が逆周りであ
るため相殺され、固定基板13の弾性支持部材3との接
続部の撓み角が低く抑えられて可動部のY軸周りの回転
が効果的に低減される。
【0025】そして、固定基板13の片持ち梁部分およ
びダンパケースの内壁に囲まれた空間、すなわちダンパ
ケース9a内には、緩衝部材10が注入充填される。な
お、図1(b)においては表示を簡単にするため緩衝部
材10は省略している。このため、緩衝部材10は、弾
性支持部材3を取り囲むと共に、固定基板13側と基台
1a側との間に扶持された構造となっている。
【0026】このように構成された制振手段は、従来例
と同様に弾性支持部材3の撓みによる振動エネルギーを
効率よく吸収するのに加え、図3に示すようにレンズホ
ルダ4や対物レンズ5等よりなる可動部が矢印で示すよ
うにピッチング共振した場合には、上下の弾性支持部材
3のそれぞれには交互にX軸方向の圧縮力と引張力が加
わり、これに応じて固定基板13の弾性支持部材3との
接続部は、それぞれがX軸方向に引張られたり押された
りしてY軸周りに自由に撓み変形するようになる。この
ため、固定基板13の弾性支持部材3との接続部により
緩衝部材10が剪断変形を生じ、ピッチングに伴って発
生する振動エネルギーを効率よく吸収できるようにな
る。
【0027】かくして、回転モーメントM、Mが相
互に相殺されて可動部のY軸周りの回転が効果的に低減
され、さらにピッチング振動を効率よく抑制することが
可能となるので、対物レンズ5の光軸の傾斜を抑制でき
ると共に、、記録や再生用の光線の焦点位置が変動しに
くくなって、記録媒体の情報記録面に照射されたスポッ
トの大きさや密度が安定し、高S/Nな記録再生や安定
した駆動制御などが可能となる。
【0028】なお、上記の対物レンズ支持装置では、Y
軸方向に二対の線条の弾性支持部材3を用いたが、弾性
支持部材3の対の数は何対であってもよい。また、線条
の弾性支持部材3に替え、それぞれ板面がZ軸に直交し
てZ軸方向に対を成す、例えば一対の板状の弾性支持部
材を用いて、可動部をZ軸方向にのみ移動可動に懸架支
持するようにした構成の対物レンズ支持装置としてもよ
い。
【0029】図4(a)および(b)は、この発明の第
2実施の形態の要部の構成を示す平面図および分解斜視
図である。この実施の形態は、固定基板13が、上下そ
れぞれY軸方向に隣接する弾性支持部材3との接続部を
それぞれ一組として、それらの近傍において概略H字形
状に抜孔加工されて、上下一片ずつの片持ち梁状に分離
されており、それぞれの固定端の間隔が弾性支持部材3
との接続部よりも相互にZ軸方向に離間するように形成
されている点で第1実施の形態と異なる。この場合も、
駆動力Pにより固定基板13の弾性支持部材3との接続
部に加わる回転モーメントM、Mが相互に相殺され
て可動部のY軸周りの回転が効果的に低減され、さらに
ピッチング振動を効率よく抑制することが可能となるの
で、光軸の傾斜を抑制できると共に、記録や再生用の光
線の焦点位置が変動しにくくなって、記録媒体の情報記
録面に照射されたスポットの大きさや密度が安定し、高
S/Nな記録再生や安定した駆動制御などが可能であ
る。
【0030】図5は、この発明の第3実施の形態の要部
の構成を示す分解斜視図である。この実施の形態は、固
定基板13がZ軸方向に完全に上下分離されて、上側の
固定基板13の上端部および下側固定基板13の下端部
がそれぞれ支持部材9に固定されることにより、それぞ
れの固定端の間隔が弾性支持部材3との接続部よりも相
互にZ軸方向に離間するように形成されている点で上記
実施の形態と異なる。この場合も、駆動力Pにより固定
基板13の弾性支持部材3との接続部に加わる回転モー
メントM、Mが相互に相殺されて可動部のY軸周り
の回転が効果的に低減され、さらにピッチング振動を効
率よく抑制することが可能となるので、光軸の傾斜を抑
制できると共に、記録や再生用の光線の焦点位置が変動
しにくくなって、記録媒体の情報記録面に照射されたス
ポットの大きさや密度が安定し、高S/Nな記録再生や
安定した駆動制御などが可能となる。
【0031】図6は、この発明の第4実施の形態の要部
の構成を示す分解斜視図である。この実施の形態では、
固定基板13が、弾性支持部材3との各々の接続部近傍
において抜孔加工されてYZ合成の斜め方向にそれぞれ
別個に固定端および自由端を有するように分離されてお
り、それぞれの固定端の間隔が弾性支持部材3との接続
部よりも相互にZ軸方向に離間するように形成されてい
る。弾性支持部材3は、それぞれ固定基板13の接続部
においてその側面に半田等により接続される。この固定
基板13は、弾性支持部材3を囲むようにX軸方向に削
孔されY軸方向に開放形成されてなるダンパケース9a
を備えた支持部材9の側面12に固定され、さらに支持
部材9は基台1aに固定される。このようにして固定基
板13の弾性支持部材3との接続部の自由端側は、ダン
パケース9aの内側においてYZ合成方向を向いたu軸
と平行な軸周りに回転して撓み変形することが可能であ
る。
【0032】したがって、駆動力PによるZ方向駆動時
に弾性支持部材3の伸縮に応じて加わる回転モーメント
には、回転モーメントMに対して逆向きとなるモ
ーメント成分を有するようになるので、回転モーメント
の一部により回転モーメントMが相殺されて可動
部のY軸周りの回転が低減され、さらにピッチング振動
を効率よく抑制することが可能となるので、光軸の傾斜
を抑制できると共に、記録や再生用の光線の焦点位置が
変動しにくくなって、記録媒体の情報記録面に照射され
たスポットの大きさや密度が安定し、高S/Nな記録再
生や安定した駆動制御などが可能となる。このように、
固定基板13の弾性支持部材3との接続部における固定
端および自由端は、必ずしもY軸と平行に形成する必要
はなく、固定端間隔が接続部間隔よりも相互に離間して
いれば接続部をいかなる形状に抜孔加工しようとも回転
モーメントM、Mを相殺できるので、必要に応じた
固定基板13の変形が可能である。
【0033】図7は、この発明の第5実施の形態の要部
の構成を示す分解斜視図であり、図8および図9はその
動作を説明するための側面図である。この実施の形態で
は、Z軸方向に上下完全分離された固定基板13が、閉
リンクLのZ軸方向に離間したステージSにそれぞれ接
続された構造となっている。すなわち、閉リンクLは、
ZX面に関する断面形状が概略等脚台形状をなしてお
り、Z軸方向に隣接し、XY面に関して対称形状をなす
一対構造となっている。固定基板13は、それぞれの閉
リンクLの短辺側の上底および下底に相当するZX面内
で移動可能なステージSに接続されており、閉リンクL
は中央部の共通ステージKにおいて基台1a側に固定さ
れる。したがって、固定基板13の弾性支持部材3との
接続部は、閉リンクLのステージSとともに概略Y軸周
りに回転することが可能である。
【0034】そして、例えばCu−Be合金、Cu−P
合金等よりなり、Z軸方向に対をなしY軸方向に隣接す
る例えば長方形の頂点の如く所定の間隔を隔ててX軸方
向に向けて延在する二対の弾性支持部材3が、一方の端
部近傍において可動部の一要素であるレンズホルダ4の
Y軸方向側面に、他方の端部近傍において上下に分離さ
れた固定基板13に、それぞれ半田等により接続されて
いる。
【0035】このため、不図示のフォーカシングコイル
7により、可動部にZ軸方向への駆動力Pが例えば下方
に印加されると、可動部は図8に示すようにZ軸方向下
方に平行移動する。このとき、固定基板13の弾性支持
部材3との接続部には、それぞれステージSのZ軸方向
外側に位置するQ2を概略中心としたY軸左回りの回転
モーメントMが加わり、また、この駆動力Pにより上
側の弾性支持部材3には引張力が、下側の弾性支持部材
3には圧縮力がそれぞれ作用して、固定基板13の弾性
支持部材3との接続部には、それぞれの固定端Q2を概
略中心としたY軸右回りの回転モーメントMが加わる
ようになって、それぞれの回転モーメントM、M
逆周りであるため相殺され、固定基板13の弾性支持部
材3との接続部の撓み角が低く抑えられて可動部のY軸
周りの回転が効果的に低減される。
【0036】そして閉リンクLとは非接触となるように
ダンパケース9aが基台1a側に形成されて、その内部
に緩衝部材10が注入充填される。さらに閉リンクLの
内周にも緩衝部材10aが注入充填される。
【0037】このように構成された制振手段は、緩衝部
材10aにより弾性支持部材3の撓みによる振動エネル
ギーを効率よく吸収するのに加え、図9に示すようにレ
ンズホルダ4や対物レンズ5等よりなる可動部が矢印で
示すようにピッチング共振した場合には、上下の弾性支
持部材3のそれぞれには交互にX軸方向の圧縮力と引張
力が加わり、これに応じて閉リンクLのステージSは固
定基板13の弾性支持部材3との接続部とともにそれぞ
れがX軸方向に引張られたり押されたりしてY軸周りに
回転しつつX軸方向にスライドするようになる。このた
め、緩衝部材10が閉リンクLの内壁により剪断変形を
生じ、ピッチングに伴って発生する振動エネルギーを効
率よく吸収できるようになる。
【0038】かくして、回転モーメントM、Mが相
互に相殺されて可動部のY軸周りの回転が効果的に低減
され、さらにピッチング振動を効率よく抑制することが
可能となるので、光軸の傾斜を抑制できると共に、記録
や再生用の光線の焦点位置が変動しにくくなって、記録
媒体の情報記録面に照射されたスポットの大きさや密度
が安定し、高S/Nの記録再生や安定した駆動制御など
が可能となる。
【0039】図10は、この発明の第6実施の形態の構
成を示す側面図である。この実施の形態では、Z軸方向
に上下完全分離された固定基板13が、閉リンクLのZ
軸方向に接近したステージSに接続された構造となって
いる。すなわち、閉リンクLは、ZX面に関する断面形
状が概略等脚台形状をなしており、Z軸方向に隣接し、
XY面に関して対称形状をなす一対構造となっている。
固定基板13は、それぞれの閉リンクLの長辺側の上底
および下底に相当するZX面内で移動可能なステージS
に接続されており、閉リンクLは上下端のステージKに
おいて基台1a側に固定される。したがって、固定基板
13の弾性支持部材3との接続部は、閉リンクLのステ
ージSとともに概略Y軸周りに回転することが可能であ
る。
【0040】この場合も、駆動力Pにより固定基板13
の弾性支持部材3との接続部に加わる回転モーメントM
、Mが相互に相殺されて可動部のY軸周りの回転が
効果的に低減され、さらにピッチング振動を効率よく抑
制することが可能となるので、光軸の傾斜を抑制できる
と共に、記録や再生用の光線の焦点位置が変動しにくく
なって、記録媒体の情報記録面に照射されたスポットの
大きさや密度が安定し、高S/Nな記録再生や安定した
駆動制御などが可能である。
【0041】なお、この発明は、駆動用コイルを可動側
に配設したムービングコイル方式を採用する上述した対
物レンズ駆動装置の対物レンズ支持装置に限らず、駆動
用永久磁石を可動側に配設したムービングマグネット方
式を採用する対物レンズ駆動装置の対物レンズ支持装置
にも有効に適用できることは言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】この発明によれば、弾性支持部材のそれ
ぞれの他端側に接続される固定基板を、可動部にZ軸方
向への移動力が作用した際に、該移動力の固定基板まで
の距離に応じて弾性支持部材の他端側との接続部に加わ
る回転モーメントMと、移動力により弾性支持部材に
生じる引張力もしくは圧縮力に基づいて弾性支持部材の
他端側との接続部に加わる回転モーメントMとの方向
が相互に逆になるように構成したので、回転モーメント
、M が相互に相殺されて可動部のY軸周りの回
転が効果的に低減され、特に、請求項4あるいは5にお
けるように、固定基板の弾性支持部材の他端側との接続
部と固定基板を保持する基台側との間に緩衝部材を挟持
したり、あるいは閉リンク内周に緩衝部材を充填するこ
とで、ピッチング振動を効率よく抑制され、光軸の傾斜
を効果的に抑制できると共に、記録や再生用の光線の焦
点位置が変動しにくくなって、記録媒体の情報記録面に
照射されたスポットの大きさや密度が安定し、高S/N
な記録再生や安定した駆動制御などが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施の形態の要部の構成を示す
平面図および分解斜視図である。
【図2】第1実施の形態の動作を説明するための側面図
である。
【図3】同じく、第1実施の形態の動作を説明するため
の側面図である。
【図4】この発明の第2実施の形態の要部の構成を示す
平面図および分解斜視図である。
【図5】同じく、第3実施の形態の要部の構成を示す分
解斜視図である。
【図6】同じく、第4実施の形態の要部の構成を示す分
解斜視図である。
【図7】同じく、第5実施の形態の要部の構成を示す分
解斜視図である。
【図8】第5実施の形態の動作を説明するための側面図
である。
【図9】同じく、第5実施の形態の動作を説明するため
の側面図である。
【図10】この発明の第6実施の形態の構成を示す側面
図である。
【図11】従来の対物レンズ支持装置を有する対物レン
ズ駆動装置の構成を示す斜視図である。
【図12】図11の部分分解斜視図である。
【図13】本出願人が先に提案した対物レンズ支持装置
の要部の構成を示す平面図および分解斜視図である。
【図14】図13に示す対物レンズ支持装置の動作を説
明するための側面図である。
【図15】同じく、図13に示す対物レンズ支持装置の
動作を説明するための側面図である。
【符号の説明】
3 弾性支持部材 9 支持部材 9a ダンパケース 10 緩衝部材 10a 緩衝部材 13 固定基板 L 閉リンク S ステージ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 XYZ直交座標系において、Z軸方向を
    光軸とする対物レンズを有する可動部に、Z軸方向に隣
    接して概略X軸方向に延在する対構成の弾性支持部材の
    それぞれの一端側を接続し、これら弾性支持部材のそれ
    ぞれの他端側を基台側に保持させる固定基板に接続し
    て、前記可動部を前記弾性支持部材を介して少なくとも
    Z軸方向に移動可能に懸架支持する対物レンズ支持装置
    において、 上記固定基板を、上記可動部にZ軸方向への移動力が作
    用した際に、該移動力の固定基板までの距離に応じて上
    記弾性支持部材の他端側との接続部に加わる回転モーメ
    ントMと、前記移動力により弾性支持部材に生じる引
    張力もしくは圧縮力に基づいて、弾性支持部材の他端側
    との接続部に加わる回転モーメントMとの方向が相互
    に逆になるように構成したことを特徴とする対物レンズ
    支持装置。
  2. 【請求項2】 上記固定基板を、少なくとも上記弾性支
    持部材の他端側との接続部近傍において異なる固定端を
    有するように分離すると共に、これら固定端の間隔を弾
    性支持部材の他端側との接続部間隔よりも相互にZ軸方
    向に離間させたことを特徴とする請求項1に記載の対物
    レンズ支持装置。
  3. 【請求項3】 上記固定基板をZ軸方向に分離し、これ
    ら固定基板を、ZX面による横断面がZ軸方向に対をな
    す概略等脚の台形状の閉リンクの上底もしくは下底に相
    当するZX面内で変位可能なステージにそれぞれ接続し
    たことを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ支持装
    置。
  4. 【請求項4】 上記固定基板の上記弾性支持部材の他端
    側との接続部と上記基台側との間に緩衝部材を挟持した
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の対物
    レンズ支持装置。
  5. 【請求項5】 上記閉リンクの内周に緩衝部材を充填し
    たことを特徴とする請求項3に記載の対物レンズ支持装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007305194A (ja) * 2006-05-09 2007-11-22 Alpine Electronics Inc 光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置
JP2008299933A (ja) * 2007-05-30 2008-12-11 Kenwood Corp 光ピックアップ

Cited By (3)

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