JP2001060330A - 対物レンズ支持装置の制振構造 - Google Patents

対物レンズ支持装置の制振構造

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JP2001060330A
JP2001060330A JP11236657A JP23665799A JP2001060330A JP 2001060330 A JP2001060330 A JP 2001060330A JP 11236657 A JP11236657 A JP 11236657A JP 23665799 A JP23665799 A JP 23665799A JP 2001060330 A JP2001060330 A JP 2001060330A
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JP11236657A
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Kokichi Terajima
厚吉 寺嶋
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Akai Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基台のたわみ等の弾性変形に起因する振動エネ
ルギーを効率的に吸収して共振を抑制し、記録録媒体の
情報記録面に光ビームスポットを安定して照射できる制
振構造を提供すること。 【解決手段】 対物レンズ5を有する可動部を、X軸方
向に延在する弾性支持部材3を介してY軸方向およびZ
軸方向に移動可能に懸架支持する支持部材9と、その支
持部材9が接続された基台1aとを含む対物レンズ支持装
置の制振構造は、基台1aのY軸にほぼ平行に形成された
底面の、少なくとも支持部材9との接続部近傍に、緩衝
部材12と拘束部材14とを順に積層し、かつ固定して、支
持部材9のY軸周りの回転モーメントに起因する基台1a
のたわみ変形若しくはねじれ変形の共振を吸収するよう
にしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンパクトディ
スク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)等
の光ディスクや、ミニディスク(MD)等の光磁気ディス
ク等の記録媒体に対して情報の記録および/または再生
を行う光ヘッドの対物レンズ駆動装置に用いられる対物
レンズ支持装置の制振構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の対物レンズ支持装置を用いた対物
レンズ駆動装置としては、例えば、斜視図として図11
に示すようなものがある。この対物レンズ駆動装置は、
所謂4本ワイヤ支持型のムービングコイル方式のもの
で、基台1a側には、支持部材9や駆動用永久磁石2a、2b
が配設され、さらにたとえばCu−Be合金、Cu−P合金等
よりなり、たとえば長方形の頂点の如く所定の間隔を隔
ててX軸方向に向けて延在する4本の弾性支持部材3
が、一方の端部近傍において支持部材9の側面に形成さ
れた弾性支持部材接続基板1bに、他方の端部近傍におい
てレンズホルダ4に、それぞれ半田等により接続されて
レンズホルダ4を懸架支持しており、レンズホルダ4に
保持される対物レンズ5をZ軸方向とY軸方向とにそれぞ
れ移動可能とする構造がとられている。
【0003】上記支持部材9には、X軸方向に開口した
ダンパケース9aが形成されていて、その内部には、例
えばシリコーンゲルのように粘弾性を有する緩衝部材1
0が弾性支持部材3を取り囲むように充填されて、対物
レンズ5を主体とするレンズホルダ4等の可動部の、不
要な変位や回転を誘発する弾性支持部材3のたわみ振動
を抑制することができるように構成されている。
【0004】また、対物レンズを支持するレンズホルダ
4の電磁駆動手段としては、駆動用永久磁石2a、2bとト
ラッキングコイル6およびフォーカシングコイル7とが
用いられている。すなわち、分解斜視図として図12に
詳細に示すように、二つの駆動用永久磁石2a、2bが空隙
を介して対向しており、それぞれの背面側の磁極は、た
とえば鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)ある
いはこれらを含む合金、もしくはフェライト等よりな
り、両端部の側面が対向して底部をリターンパス部8r
とする概略U字形状の磁性ヨーク8aにより連結されてい
る。さらにこの磁性ヨーク8aの両端部は概略I字形状
をなす磁性カバー8bにより接続されて、全体としては
概略O字形の磁路が形成されている。
【0005】そして、対物レンズ5をY軸方向に駆動し
て不図示の記録媒体の所定情報ビットの中心線上に光軸
を位置させることを目的とするトラッキングコイル6
と、対物レンズ5をZ軸方向に駆動して記録媒体の情報
ビット面に合焦させることを目的とするフォーカシング
コイル7とが、それぞれ樹脂等からなるボビン11に巻
回され、それぞれが二つの駆動用永久磁石2a、2bの対向
する磁極の間に位置するよう、ボビン11をレンズホル
ダ4に嵌合、固定している。
【0006】上記基台1a上に設けられた支持部材9は、
基台1aとともに、例えば図13に示すように、基台1a
とシャシ16との間に配設されたコイルばね15を介し
て、接続孔17に挿入された止めネジ18によって、シ
ャシ16に固定される。この際、対物レンズ5の光軸が
所定の方向を向くように、止めねじ18の締め付け力が
調整されている。
【0007】このような構成によれば、トラッキングコ
イル6に通電した場合には、Z軸方向に流れる電流と駆
動用永久磁石2a、2bによるX軸方向を向いた磁束との
相互作用により、トラッキングコイル6にはY軸方向の
力が作用するようになる。その結果、レンズホルダ4ひ
いては対物レンズ5をY軸方向すなわちトラッキング方
向に平行に変位させることができる。
【0008】同様にして、フォーカシングコイル7に通
電した場合には、Y軸方向に流れる電流と駆動用永久磁
石2によるX軸方向を向いた磁束との相互作用により、
フォーカシングコイル7にはZ軸方向の力が作用するよ
うになるので、その結果、レンズホルダ4ひいては対物
レンズ5をZ軸方向すなわちフォーカス方向に平行に変
位させることができる。
【0009】ところで、このような対物レンズ支持装置
は、上述したように弾性支持部材3による懸架支持構造
がとられており、このため、例えば他の代表的な支持構
造である軸摺動型の対物レンズ支持装置のように、可動
部の変位に際して軸部分との摩擦を生じることがなく、
滑らかで分解能の高い駆動が可能となる。しかしなが
ら、4本の弾性支持部材3と懸架支持された可動部とは、
たわみ形状がS字状となって横振動を生じる滑動梁とそ
の先に固定された先端付加質量とに相当する振動系とし
て構成されている。従って、上述のような利点がある反
面、外部からの振動や衝撃によって、弾性支持部材3が
Y軸方向やZ軸方向あるいはYZ合成方向へのたわみ振
動、さらにはX軸方向を向いた軸周りのねじれ振動とし
て、例えば数10Hzの帯域で共振し易い構造となってい
る。
【0010】このため、このような対物レンズ支持装置
においては、たとえば支持部材9に設けられたダンパケ
ース9aの内部において、X軸方向に延在する弾性支持
部材3を包むように注入充填された、例えばシリコンゲ
ル等の損失弾性率の大きい緩衝部材10が制振手段とし
て機能しており、弾性支持部材3のたわみ変形やねじれ
変形に対して、緩衝部材10が剪断変形を生じて振動エ
ネルギーを吸収し、これを熱に変換することにより共振
を抑制している。
【0011】また、可動部の振動は、上述のような弾性
支持部材3のたわみ変形やねじれ変形だけではなく、可
動部のX軸方向の重心位置とフォーカシングコイル7の
駆動点位置が一致しない場合の、駆動力と重力との間で
生じる回転モーメントによる影響を受け易く、そのよう
な場合には、図14において矢印で示すようなY軸周り
の回転振動(ピッチング)を生じたり、Z軸方向に隣接
する弾性支持部材3が交互に伸縮する共振が、例えば数
100Hz〜数kHzの帯域において生じ易くなり、この
ような帯域においてサーボ動作が不安定となり、ジッタ
の原因等になる。
【0012】このため、可動部のX軸方向の重心位置と
駆動点位置とを一致させるべく、レンズホルダ4等の使
用部品の質量バランスやフォーカシングコイル7の取付
け位置などを正確に設定して、重心位置と駆動点位置の
不一致に起因する回転モーメントの発生を回避してい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近の
対物レンズ駆動装置のさらなる小型化の要請に応じるべ
く、対物レンズ支持装置のさらなる薄型化への試みがな
されており、その試みの一つとして、基台1aそのもの
の薄肉化が提案されている。このように基台1aを単純
に薄肉化した場合には、基台1aそのものが変形しやす
くなるので、上述のような弾性支持部材3のたわみ、ね
じれや伸縮等による共振に限らず、図15に示すよう
に、フォーカシングコイル7の駆動によって、Y軸周り
の曲げモーメントを受けてZ軸方向に無視できない程度
の弾性変形を生じるようになる。
【0014】このような基台1aのたわみ等による弾性
変形が生じた場合には、可動部には回転モーメントが生
じることになり、上述のように可動部のX軸方向の重心
位置と駆動点位置とを一致させてあっても、基台1aの弾
性変形によって支持部材9がY軸と平行な軸周りに回転
することになって、可動部の回転や弾性支持部材3の伸
縮を引き起こして、基台1aの変形および弾性支持部材3
の伸縮に起因するピッチング共振が発生する場合があ
る。
【0015】しかるに、ダンパケース9aに充填された
緩衝部材10は、基台1aがたわみ変形しても有効な剪
断変形を生じないので、このような振動エネルギーを吸
収することができない。そのため、記録用および/また
は再生用光線の焦点位置が振動変位するなどして、記録
媒体の情報記録面に照射されたスポットの大きさや密度
が変動するので、適正条件での記録ができなくなった
り、記録媒体からの戻り光が不安定になって駆動制御能
力の低下、再生信号のジツタ発生、S/N低下などを生
じたりして光ヘッドの性能を損なうという問題があっ
た。
【0016】本発明の目的は、従来技術が抱えている上
述した問題点を解決できる制振構造を提供することにあ
り、対物レンズを有する可動部を、弾性支持部材を介し
て移動可能に懸架支持する支持部材と、その支持部材が
接続される基台とを含む対物レンズ支持装置において、
基台のたわみ等の弾性変形に起因する振動エネルギーを
効率的に吸収して共振を抑制し、記録録媒体の情報記録
面に光ビームスポットを安定して照射できる制振構造を
提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上掲の目的を実現するべ
く鋭意研究した結果、発明者らは、下記の内容を要旨構
成とする本発明を開発するに至った。すなわち、請求項
1に係る発明は、対物レンズを有する可動部を、X軸方
向に延在する弾性支持部材を介してY軸方向およびZ軸
方向に移動可能に懸架支持する支持部材と、その支持部
材が接続された基台とを含む対物レンズ支持装置におい
て、上記基台のY軸にほぼ平行に形成された底面の、少
なくとも上記支持部材との接続部近傍に、緩衝部材と拘
束部材とを順に積層し、かつ固定して、上記支持部材の
Y軸周りの回転モーメントに起因する上記基台のたわみ
変形若しくはねじれ変形の共振を吸収するようにしたこ
とを特徴とする制振構造である。
【0018】請求項1の発明によれば、基台のたわみ変
形やねじれ変形に伴って発生する振動エネルギーが、緩
衝部材により効率よく吸収されるので、可動部のピッチ
ングが抑制され、その結果、対物レンズにY軸周りの回
転モーメントが生じても、その回転モーメントによる振
動を効果的に阻止することができる。
【0019】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
制振構造において、支持部材が接続されている基台が、
支持部材との接続部近傍において、薄肉化され、緩衝部
材はその薄肉部分に配設されていることを特徴とする。
【0020】請求項2の発明によれば、基台を薄肉化す
ることによって、たわみやねじれを生じ易くして、緩衝
部材による損失の影響を相対的に増大させることができ
るので、可動部のピッチング共振を効果的に抑制するこ
とが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実
施形態を示す主要部分の分解斜視図を示すものであり、
図2は一部断面で示す側面図、図3は底面図を示してい
る。ここで、従来例と重複する部分は表示の一部を省略
し、また表示してあるものについては同一の符号を付し
てあり、さらにそれらの配置や向きは従来例と同一の座
標系に基づいて統一して示す。
【0022】本発明の対物レンズ支持装置を用いた対物
レンズ駆動装置は、所謂4ワイヤ支持型のムービングコ
イル方式のもので、基台1a側には、支持部材9や駆動
用永久磁石2a、2bが配設され、さらにたとえばCu−
Be合金、Cu−P合金等よりなり、たとえば長方形の
頂点の如く所定の間隔を隔ててX軸方向に向けて延在す
る四本の弾性支持部材3が、一方の端部近傍において支
持部材9の側面に形成された弾性支持部材接続基板1b
に、他方の端部近傍においてレンズホルダ4に、それぞ
れ半田等により接続されてレンズホルダ4を懸架支持し
ており、レンズホルダ4に保持される対物レンズ5をZ
軸方向とY軸方向とにそれぞれ移動可能とする構造がと
られている。
【0023】上記支持部材9には、X軸方向に開口した
ダンパケース9aが形成されていて、その内部には例え
ばシリコンゲルのように粘弾性を有する緩衝部材10が
弾性支持部材3を取り囲むように充填されていて、対物
レンズ5を含む可動部の不要な変位や回転を誘発する弾
性支持部材3のたわみ振動を抑制することができる。
【0024】対物レンズ5を支持するレンズホルダ4の
電磁駆動手段としては、駆動用永久磁石2a、2bと従
来例と同様に、それぞれ不図示のトラッキングコイルお
よびフォーカシングコイルが用いられ、二つの駆動用永
久磁石2a、2bが空隙を介して対向しており、それぞれ
の背面側の磁極は、たとえば鉄(Fe)、ニッケル(N
i)、コバルト(Co)あるいはこれらを含む合金、も
しくはフェライト等よりなり、両端部の側面が対向して
底部をリターンパス部とする概略U字形状の磁性ヨーク
8aにより連結されている。さらにこの磁性ヨーク8a
の両端部は概略I字形状をなす不図示の磁性カバーによ
り接続されて、全体としては概略O字形の磁路が形成さ
れる。
【0025】そして、対物レンズ5をY軸方向に駆動し
て不図示の記録媒体の所定情報ビットの中心線上に光軸
を位置させることを目的とするトラッキングコイル、対
物レンズ5をZ軸方向に駆動して記録媒体の情報ビット
面に合焦させることを目的とするフォーカシングコイル
とが、それぞれ樹脂等からなる不図示のボビンに巻回さ
れ、それぞれが二つの駆動用永久磁石2a、2bの対向す
る磁極の間に位置するよう、ボビンをレンズホルダ4に
嵌合、固定している。
【0026】図2および図3に示すように、Y軸とほば
平行な基台1aの底面上に、例えばシリコンゲルのよう
な粘弾性樹脂もしくはMn-Cu系や鉛系合金等の制振
性の高い材料よりなる板状の緩衝部材12と、板状の拘束
板14とが順に積層され、かつ固定される。緩衝部材12
は、たわみもしくはねじれ変形する基台1aと、変形し
にくい拘束板14とにより挟持された構成であり、ピッチ
ング共振時には、大きな剪断変形を生じて振動エネルギ
ーの損失を増大させるようになっている。
【0027】この実施形態においては、基台1aは、支
持部材9の接続されている近傍において薄肉化され、た
わみ変形を生じ易い柔軟な構造がとられ、その薄肉部内
に緩衝部材12および拘束部材14が配設されているので、
柔軟な基台1aは緩衝部材12を変形させやすくし、また拘
束部材14は緩衝部材12の変形を拘束するため、可動部に
ピッチングが生じると、基台1aと拘束部材14に挟持され
た緩衝部材12は、大きく剪断変形するように構成され
る。
【0028】上記基台1a、緩衝部材12、拘束部材1
4を相互に接続するには、それらを積層した後、適切な
接着剤を用いて互いに固定するか、または緩衝部材12を
鉛系材質とした場合には、融解溶着等の種々の接着手段
により行うことが可能である。
【0029】このような構成によれば、トラッキングコ
イルに通電した場合には、Z軸方向に流れる電流と駆動
用永久磁石2a、2bによるX軸方向を向いた磁束との相
互作用により、トラッキングコイルにはY軸方向の力が
作用するようになる。その結果、レンズホルダ4ひいて
は対物レンズ5をY軸方向すなわちトラッキング方向に
平行に変位させることができる。
【0030】同様にして、フォーカシングコイルに通電
した場合には、Y軸方向に流れる電流と駆動用永久磁石
2によるX軸方向を向いた磁束との相互作用により、フ
ォーカシングコイルにはZ軸方向の力が作用するように
なるので、その結果、レンズホルダ4ひいては対物レン
ズ5をZ軸方向すなわちフォーカス方向に平行に変位さ
せることができる。
【0031】ここで、緩衝部材12と拘束部材14とが積層
された基台1aの底面の弾性と、弾性支持部材3の弾性と
に関わるピッチング共振に対応する周波数帯域のフォー
カス方向の駆動力が印加されると、基台1aのたわみ変
形の振動が増大し始めるが、これに伴って緩衝部材12が
剪断変形して、たわみ変形の振動エネルギーを吸収して
熱に変換するため、基台1aの底面および弾性支持部材3
の振動の成長を抑制することができ、ひいては可動部の
ピッチングを抑制することができる。
【0032】したがって、記録用および/または再生用
光線の焦点位置の変動が抑制され、記録媒体の情報記録
面に照射されたスポットの大きさや密度が安定するの
で、記録光や再生光の適正条件が維持されて、駆動制御
能力の低下、再生信号のジッタ発生、S/N低下などの
発生を回避することができる。
【0033】図4は、本発明の第2の実施形態を示す主
要部分の分解斜視図を示し、また図5は一部断面で示し
た側面図、図6は底面図を示している。この実施形態に
おいて、対物レンズ駆動装置の構成は、第1の実施形態
と同様であるから、その説明は省略する。
【0034】この実施形態は、基台1aの支持部材9と
の接続部分近傍に、Y軸方向に離間する2箇所におい
て、X軸方向に延設された切り溝、すなわちスリット1
3が配設され、このような一対のスリット13に挟まれ
た基台1aの底面に、緩衝部材12と拘束部材14とを
積層して設けた例である。このように接続孔17と支持
部材9との接続部との間が遮断されて片持ち梁構造とな
っているので、柔軟性をより増した構造となる。
【0035】上記基台1aの底面には、例えばシリコー
ンゲルのような粘弾性樹脂やMn‐Cu系や鉛系合金等
の制振性の高い材料よりなる板状の緩衝部材12と、例え
ば基台1aと同様の樹脂や金属よりなる板状の拘束部材1
4とを順に積層し、かつ互いに密着するように固定し
て、振動に対する損失が大きくなるように構成する。そ
のため、柔軟な片持ちはり状の基台1aは、緩衝部材14を
変形させやすくし、また拘束部材14は緩衝部材12の変形
を拘束するため、可動部がピッチングを生じると、基台
1aと拘束部材14とに挟まれた緩衝部材12は大きく剪断変
形するようになる。
【0036】このような構成によれば、基台1aの底面
がより柔軟にたわみ変形がし易くなるように形成されて
いるので、基台1aの底面の弾性と弾性支持部材3の弾性
とに関わるピッチング共振に対応する周波数帯域のフォ
ーカス方向の駆動力が印加されると、基台1aのたわみ
変形の振動が増大し始めるが、これに伴って緩衝部材1
2が剪断変形し、その振動エネルギーを吸収して熱に変
換するため、基台1aの底面の振動の成長を抑制するこ
とができ、ひいては可動部のピッチングを抑制すること
ができる。
【0037】図7は、第2の実施形態の変形例を示して
おり、積層された緩衝部材12と拘束部材14とを、基
台1aの底面に形成した一対のスリット13を跨ぐよう
に配設することもできる。このような変形例によれば、
拘束部材14が接続孔17側に跨っていて、より変形しにく
い構造となっており、緩衝部材12の剪断変形をより大き
くすることができるため、さらに効率的な振動エネルギ
ーの吸収が可能となる。
【0038】図8は、本発明の第3の実施形態を示す主
要部分の分解斜視図を示し、また図9は一部断面で示す
側面図、図10は底面図を示している。この実施形態に
おいても、対物レンズ駆動装置の構成は、第1の実施形
態と同様であり、その説明を省略する。
【0039】この実施形態においては、基台1aのY軸
方向両端部近傍から支持部材9近傍にかけて渡されたア
ーム19を形成するように、スリット13がY軸方向に延設
され、柔軟に保持された構造となっている。
【0040】上記基台1aの底面は、スリット13を囲
んでいる支持部材9との接続部近傍の底面において薄肉
に形成されるので、アーム19がねじれ変形を生じやす
い柔軟な構造となっており、さらに、例えばシリコンゲ
ルのような粘弾性樹脂やMn‐Cu系や鉛系合金等の制
振性の高い材料よりなる板状の緩衝部材12と、例えば
基台1aと同様の樹脂や金属よりなる板状の拘束部材1
4とを順に積層し、かつ互いに固定して、振動に対する
損失が大きくなるように構成される。そのため、柔軟な
アーム19は、緩衝部材12を変形させやすくし、また拘束
部材14は、緩衝部材12の変形を拘束するため、可動部が
ピッチングを生じると、基台1aと拘束部材14とに挟まれ
た緩衝部材12は大きく剪断変形するようになる。
【0041】このような構成によれば、基台1aの底面
に形成されたアーム19が柔軟にねじれ変形がし易くなる
ように形成されているので、アーム19の弾性と弾性支持
部材3の弾性とに関わるピッチング共振に対応する周波
数帯域のフォーカス方向の駆動力が印加されると、基台
1aと拘束部材14との間に挟持された緩衝部材12が剪断変
形し、その振動エネルギーを吸収して熱に変換するた
め、アーム19の振動の成長を抑制することができ、ひい
ては可動部のピッチングを抑制することができる。
【0042】なお、これまでの対物レンズ支持装置の説
明において、ムービングコイル方式の対物レンズ駆動装
置に利用した例をとったが、これに代えて駆動方式を駆
動用永久磁石を可動側に配設したムービングマグネット
方式の対物レンズ駆動装置としたものであってもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、基台のY軸にほぼ平行
に形成された底面の、少なくとも支持部材との接続部近
傍に、緩衝部材と拘束板とを順に積層し、かつ固定し
て、支持部材のY軸周りの回転モーメントに起因する基
台のたわみ変形若しくはねじれ変形の共振を吸収するよ
うにしたので、基台のたわみ変形もしくはねじれ変形に
伴って発生する振動エネルギーが、緩衝部材により効率
的に吸収されて、可動部のピッチング共振の成長が抑制
され、その結果、対物レンズにY軸周りの回転モーメン
トが生じても、その回転モーメントによる振動を阻止す
ることができる。また、基台を薄肉化することによっ
て、たわみやねじれを生じ易くして、緩衝部材による損
失の影響を相対的に増大させることができるので、可動
部のピッチング共振を効果的に抑制することが可能とな
る。したがって、記録用および/または再生用光線の焦
点位置の変動が抑制され、記録媒体の情報記録面に照射
されたスポットの大きさや密度が安定するので、記録光
や再生光の適正条件が維持されて、駆動制御能力の低
下、再生信号のジッタ発生、S/N低下などの発生を回
避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す要部分解斜視図
である。
【図2】同じく本発明の第1の実施形態を一部断面で示
す側面図である。
【図3】同じく本発明の第1の実施形態を示す底面図で
ある。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す要部分解斜視囲
である。
【図5】同じく本発明の第2の実施形態を一部断面で示
す側面囲である。
【図6】同じく本発明の第2の実施形態を示す底面図で
ある。
【図7】同じく本発明の第2の実施形態における変形例
を示す底面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す要部分解斜視図
である。
【図9】同じく本発明の第3の実施形態を一部断面で示
す側面図である。
【図10】同じく本発明の第3の実施形態を示す底面図
である。
【図11】従来例を示す斜視図である。
【図12】同じく従来例の対物レンズ駆動装置を示す要
部分解斜視図である。
【図13】同じく従来例を示す斜視図である。
【図14】同じく従来例における動作を説明するための
概略的な側面図である。
【図15】同じく従来例における動作を説明するための
概略的な側面図である。
【符号の説明】
1a 基台 2a、2b 永久磁石 3 弾性支持部材 4 レンズホルダ 5 対物レンズ 6 トラッキングコイル 7 フォーカシングコイル 8a 磁性ヨーク 9 支持部材 9a ダンパケース 10 緩衝部材 11 ボビン 12 緩衝部材 13 スリット 14 拘束部材 17 接続孔 19 アーム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズを有する可動部を、X軸方向
    に延在する弾性支持部材を介してY軸方向およびZ軸方
    向に移動可能に懸架支持する支持部材と、その支持部材
    が接続された基台とを含む対物レンズ支持装置におい
    て、上記基台のY軸にほぼ平行に形成された底面の、少
    なくとも上記支持部材との接続部近傍に、緩衝部材と拘
    束部材とを順に積層し、かつ固定して、上記支持部材の
    Y軸周りの回転モーメントに起因する上記基台のたわみ
    変形若しくはねじれ変形の共振を吸収するようにしたこ
    とを特徴とする対物レンズ支持装置の制振構造。
  2. 【請求項2】 上記基台は、上記支持部材との接続部近
    傍において薄肉化され、上記緩衝部材は、その薄肉部分
    に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の対
    物レンズ支持装置の制振構造。
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