JP2001126279A - 対物レンズ支持装置 - Google Patents

対物レンズ支持装置

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JP2001126279A
JP2001126279A JP30023499A JP30023499A JP2001126279A JP 2001126279 A JP2001126279 A JP 2001126279A JP 30023499 A JP30023499 A JP 30023499A JP 30023499 A JP30023499 A JP 30023499A JP 2001126279 A JP2001126279 A JP 2001126279A
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axis direction
axis
objective lens
substrate
support member
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JP30023499A
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Hidekazu Kachi
英一 加地
Takehiro Fujiwara
武弘 藤原
Kokichi Terajima
厚吉 寺嶋
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Akai Electric Co Ltd
Original Assignee
Akai Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ピッチング共振に対して適切な柔軟性を備
え、対物レンズの光軸方向の変位による変形を抑制可能
な固定基板を実現し、制振効果が高く、ダイナミックタ
ンジェンシャルチルトの小さい対物レンズ支持装置の提
供。 【解決手段】 基板1のそれぞれの弾性支持部材対との
各接続部Dが、YZ平面に平行であり、かつ4辺がそれ
ぞれY軸およびZ軸に平行であるような仮想四辺形のY
軸方向に沿った外側または内側に配置され、各接続部D
は、仮想四辺形の各頂点近傍からほぼY軸方向に延在す
るくびれ部13と、くびれ部13に連続し、かつほぼZ
軸方向に延在してそれぞれの先端が互いに対向配置され
る自由端部15とを備え、くびれ部13からY軸方向に
そった所定領域12において支持部材に対して拘束、固
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンパクトディ
スク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DV
D)等の光ディスクや、ミニディスク(MD)等の光磁
気ディスクのような記録媒体に対して情報の記録や再生
を行う光ヘッドにおいて、対物レンズを所望の方向に駆
動するために、その駆動方向に対物レンズを変位可能に
支持する対物レンズ支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の対物レンズ支持装置を有する対物
レンズ駆動装置としては、例えば、図11に斜視図で示
すようなものがある。この対物レンズ駆動装置は、可動
部としてZ軸をフォーカス方向とする対物レンズ5の他
に、レンズホルダ4、トラッキングコイル6、フォーカ
シングコイル7、ボビン11等を含んでいる。基台1a
側には、支持部材9や駆動用永久磁石2a、2bが配設さ
れ、さらに例えば、Cu-Be合金、Cu-P合金等よりなり、
Z軸方向に対をなしY軸方向に隣接する例えば長方形の
頂点の如く所定の間隔を隔ててX軸方向に向けて延在す
る二対の弾性支持部材3が、一方の端部近傍において可
動部の一要素であるレンズホルダ4のY軸方向側面に、
他方の端部近傍において支持部材9のX軸方向側面に設
けられた固定基板1bに、それぞれ半田等により接続さ
れてレンズホルダ4が懸架支持され、これにより可動部
の対物レンズ5をZ軸方向とY軸方向とにそれぞれ移動
可能に支持している。
【0003】支持部材9には、X軸方向に開口したダン
パケース9aが形成され、その内部には例えばシリコー
ンゲルのような粘弾性を有する緩衝部材10が弾性支持
部材3を取り囲むように充填されて、対物レンズ5を主
体とするレンズホルダ4等の可動部の不要な変位や回転
を誘発する弾性支持部材3の撓み振動を抑制するように
している。
【0004】レンズホルダ4の駆動手段としては、駆動
用永久磁石2a、2bとトラッキングコイル6およびフォ
ーカシングコイル7とが用いられている。すなわち、図
12に要部の分解斜視図を示すように、2つの駆動用永
久磁石2a、2bは、空隙を介して相互に異なる磁極が対
向しており、それぞれの背面側の磁極は、例えば鉄(F
e)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)あるいはこれら
を含む合金、もしくはフェライト等よりなり、両端部の
側面が対向して底部をリターンパス部8rとするほぼU
字形状の磁性ヨーク8aにより連結されている。さら
に、この磁性ヨーク8aの両端部は、ほぼI字形状をな
す磁性カバー8bにより接続されて、これら磁性ヨーク
8a、磁性カバー8bおよび駆動用永久磁石2a,2bに
より、駆動用永久磁石2a、2b間の空隙およびリターン
パス部8rを通る閉磁路と、駆動用永久磁石2a、2b間
の空隙および磁性カバー8bを通る閉磁路とを有する磁
気回路を形成している。
【0005】また、対物レンズ5をY軸方向に駆動して
不図示の記録媒体の所定情報ビットの中心線上に光軸を
位置させることを目的とするトラッキングコイル6、お
よび対物レンズ5をZ軸方向に駆動して記録媒体の情報
ピット面に合焦させることを目的とするフォーカシング
コイル7は、樹脂等からなるボビン11にそれぞれX軸
と平行な軸周り、およびZ軸と平行な軸周りに巻回さ
れ、それぞれが二つの駆動用永久磁石2a、2bの対向す
る磁極の間に位置するように、ボビン11がレンズホル
ダ4に嵌合固定されている。
【0006】ここで、トラッキングコイル6に通電する
と、Z軸方向に流れる電流と駆動用永久磁石2a、2bに
よるX軸方向を向いた磁束との相互作用により、トラッ
キングコイル6にはY軸方向の力が作用するようにな
る。その結果、可動部ひいては対物レンズ5をY軸方向
すなわちトラッキング方向に平行に変位させることがで
きる。
【0007】同様にして、フォーカシングコイル7に通
電すると、Y軸方向に流れる電流と駆動用永久磁石2
a、2bによるX軸方向を向いた磁束との相互作用によ
り、フォーカシングコイル7にはZ軸方向の力が作用す
るようになるので、可動部ひいては対物レンズ5をZ軸
方向すなわちフォーカス方向に平行に変位させることが
できる。
【0008】ところで、この対物レンズ駆動装置は、上
述したように弾性支持部材3による懸架支持構造がとら
れているので、例えば他の代表的な支持構造である軸摺
動型の対物レンズ支持装置のように、可動部の変位に際
して軸部分との摩擦を生じることがなく、滑らかで分解
能の高い駆動が可能となる。しかしながら、4本の弾性
支持部材3で懸架支持された可動部は、撓み形状がS字
状となって横振動を生じる滑動梁とその先に固定された
先端付加質量とに相当する振動系として構成されてい
る。このため、上述のような利点がある反面、外部力ら
の振動や衝撃によって、弾性支持部材3がY軸方向やZ
軸方向あるいはYZ合成方向への撓み振動、さらにはX
軸方向を向いた軸周りのねじれ振動として、例えば数1
0Hzの帯域で共振し易い構造となっている。
【0009】このため、このような対物レンズ駆動装置
においては、通常は、例えば支持部材9に設けられたダ
ンパケース9aの内部に、X軸方向に延在する弾性支持
部材3を包むように、例えばシリコンゲル等の損失弾性
率の大きい緩衝部材10を注入充填して制振手段を構成
し、これにより弾性支持部材3の撓みやねじれによって
緩衝部材10を剪断変形させて振動エネルギーを吸収
し、これを熱に変換することにより共振を抑制してい
る。
【0010】しかしながら、弾性支持部材3に生じる共
振は、上述した撓みやねじれによるものに限らず、伸縮
によって生じるものもあり、これを無視することはでき
ない。すなわち、可動部の重心G(+字印で示す)を通
り、Y軸と平行な軸を回転軸とする回転振動(ピッチン
グ共振)が、Y軸と平行な軸周りの可動部の慣性モーメ
ントと弾性支持部材3の長手方向への伸縮に関わるばね
定数とにより、例えば数100Hz〜数kHzの周波数
帯域において発生して、対物レンズ5にタンジェンシャ
ル方向への交番的な光軸傾斜を発生させ、光ヘッドの性
能を損なうことになる。
【0011】そこで、本発明者らは、このようなピッチ
ング共振を抑制するために、特願平11-196542
号において、図13(a)および(b)に要部の平面図およ
び分解斜視図を示すように、ダンパケース9aにおい
て、支持部材9をX軸方向に後退させて固定基板9aか
ら離間させ、緩衝部材10をダンパケース9aの内部お
よび固定基板1bの板面に接触するように注入充填した
対物レンズ支持装置を既に提案している。かかる構成に
よると、ピッチング共振時に固定基板1bが図14に示
すようにY軸周りのねじれ変形を生じるようになり、変
形する固定基板1bと固定されたダンパケース9aとの
間に挟持された緩衝部材10の剪断変形によって、ピッ
チング共振に伴って生じる振動エネルギーを効率よく吸
収することができるようになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、緩衝部材1
0による制振効果を得るためには、固定基板1bが十分
に柔軟で、図14に示すようにピッチング共振において
固定基板1bが可動部の回転に追随して矢印で示すよう
に自由に弾性変形することが必要であり、固定基板1b
が弾性的に柔軟なほど緩衝部材10が有効に作用し、制
振効果が大きくなる。
【0013】しかしながら、図15に示すように、フォ
ーカシングコイル7により可動部にZ軸方向の移動力
(駆動力)Pを印加した場合、固定基板1bの弾性支持
部材3との接続部には、駆動力Pの固定基板1bまでの
距離に応じた回転モーメントM と、駆動力Pによって
対を成すそれぞれの弾性支持部材3に生じる引張力もし
くは圧縮力に基づく回転モーメントMとが共に同一方
向を向いて加わるため、可動部のZ軸方向への移動とと
もに、回転モーメントMとMとが加算されて固定基
板1bがY軸と平行な軸周りに大きくねじれ変形し、レ
ンズホルダ4に保持された対物レンズ5が不所望なダイ
ナミックタンジェンシャルチルトを発生するようにな
る。
【0014】このため、適切な制振効果を得ようとする
と、対物レンズ5のダイナミックタンジェンシャルチル
トが増大して光軸の傾斜を招き、図示せぬ記録媒体に照
射されたレーザ光スポットに種々の収差が生じるように
なり、これがため反射強度が低下して情報読み取り信号
レベルが下がったり、ジッタが生じたりする等の現象が
生じて、光ヘッドの性能としてのS/Nが低下する問題
が発生し易くなり、光ヘッドとしての性能の著しい劣化
を招くことが懸念される。
【0015】この発明の目的は、このような従来の問題
点に着目してなされたもので、ピッチング共振に対して
適切な柔軟性を備え、対物レンズの光軸方向の変位によ
る変形を抑制可能な基板を実現した、制振効果が高く、
ダイナミックタンジェンシャルチルトの小さい対物レン
ズ支持装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明の対物レンズ支持装置は、XY
Z直交座標系において、Z軸方向を光軸とする対物レン
ズを有する可動部に、Z軸方向に隣接してほぼX軸方向
に延在する対構成の弾性支持部材のそれぞれの一端側を
接続し、これら弾性支持部材のそれぞれの他端側を基台
側に保持させる基板に接続して、前記可動部を前記弾性
支持部材を介してZ軸方向およびY軸方向に移動可能に
懸架支持する対物レンズ支持装置において、上記基板の
それぞれの弾性支持部材対との各接続部が、YZ平面に
平行であり、かつ4辺がそれぞれY軸およびZ軸に平行
であるような仮想四辺形のY軸方向に沿った外側または
内側に配置され、前記各接続部は、前記仮想四辺形の各
頂点近傍からほぼY軸方向に延在するくびれ部と、その
くびれ部に連続し、かつほぼZ軸方向に延在してそれぞ
れの先端が互いに対向配置される自由端部とを備えると
ともに、少なくとも、上記くびれ部からY軸方向に沿っ
た所定領域において前記支持部材に対して拘束、固定さ
れており、上記可動部にZ軸方向への移動力が作用した
際に、その移動力の前記基板までの距離に応じて上記弾
性支持部材の他端側との接続部に加わる回転モーメント
と、前記移動力により弾性支持部材に生じる引張力
もしくは圧縮力に基づいて、弾性支持部材の他端側との
接続部に加わる回転モーメントMとの方向が相互に逆
になるように構成したことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照にして説明する。図1(a)および(b)は、
この発明の第1の実施形態の要部の構成を示す平面図お
よび分解斜視図であり、図2および図3はその動作を説
明するための概略的な側面図である。図1(a)および
(b)においては、従来例と同様の部分は簡単化のために
図示を省略し、またそれらの配置や向きは、従来例と同
一の座標系に基づいて統一的に示す。
【0018】この実施の形態では、例えば可動部側を従
来例と同様に構成した対物レンズ駆動装置の対物レンズ
支持装置において、例えばCu-Be合金、Cu-P合金等より
なり、Z軸方向に対をなし、Y軸方向に隣接する例えば
長方形の頂点の如く所定の間隔を隔ててX軸方向に沿っ
て延在する二対の弾性支持部材3が、一方の端部近傍に
おいては可動部の一要素であるレンズホルダ4のY軸方
向にほぼ垂直な側面に、他方の端部近傍においては支持
部材9のX軸方向にほぼ垂直な側面に固定された基板1
bに、それぞれ半田等により接続されている。
【0019】上記基板1bは、ほぼYZ平面に平行な矩
形平板状に形成され、弾性支持部材3との各々の接続部
D近傍においては、基板1bの端部中央からほぼY軸方
向に沿って形成された水平溝と、その水平溝に連続して
ほぼZ軸方向に沿って形成された垂直溝とからなるほぼ
T字型の切込部分14を備え、各接続部Dは、これらの
切込部分14によって互いに分離形成されている。基板
1bは、このような切込部分14の形成によって、垂直
溝の上端と基板1bの上辺との間、および垂直溝の下端
と基板1bの下辺との間にそれぞれ位置するくびれ部1
3と、水平溝と垂直溝との間にそれぞれ形成されたほぼ
L字型の自由端部15とを備えることになる。
【0020】すなわち、各接続部Dは、図1(a)に示す
ように、YZ平面に平行であり、かつ4辺がそれぞれY
軸およびZ軸に平行であるような仮想四辺形S1のY軸
方向に沿った外側に配置され、前記仮想四辺形S1の各
頂点近傍からほぼY軸方向に延在するくびれ部と、その
くびれ部に連続し、かつほぼZ軸方向に延在してそれぞ
れの先端が互いに対向配置される自由端部とを備えてな
る。
【0021】上記Z軸方向に隣接する2つのくびれ部1
3のZ軸方向内側のエッジ間の間隔、すなわち、垂直溝
の長さは、弾性支持部材3との各接続部Dの間隔よりも
大きく形成され、さらに、基板1bは、くびれ部13と
自由端部15との間の所定領域において支持部材9に対
して拘束、固定されている。このような基板1bが拘
束、固定される領域は、たとえば、くびれ部13からY
軸方向に向けて自由端部15側に侵入するように形成さ
れた斜線部で示される領域12であり、この拘束領域1
2において、たとえば熱硬化型や光硬化型の接着剤等に
より、弾性支持部材3を囲むように形成されたダンパケ
ース9aを備えた支持部材9の側面に拘束固定される。
このように、基板1bの一部が固定されている支持部材
9は、基台1aに固定され、したがって、レンズホルダ
4等の可動部材は、基台1a、支持部材9、基板1b、弾
性支持部材3等により、Z軸方向およびY軸方向に移動
可能に懸架支持されるように構成されている。
【0022】なお、上記の「くびれ部」とは、基板1の
変形を梁のたわみ運動とみなした場合に、たわみ変形の
大部分を受持つ、梁の幅が狭くなっている部分のこと、
「自由端部」とは、同じく基板1の変形を梁のたわみ運
動とみなした場合に、たわみによる変位が最も大きくな
る梁の先端部分のこと、さらに、「拘束領域」とは、同
じく基板1の変形を梁のたわみ運動とみなした場合に、
梁をゲルケースなどの固定部に固定する領域であり、た
わみによって変形しない領域であると定義することがで
きる。
【0023】上記構成によれば、可動部材がY軸と平行
な軸を回転軸としてピッチング共振した場合には、図2
に模式的に示すように、上下の弾性支持部材3の対のそ
れぞれには、交互にX軸方向の圧縮力と引張力が加わ
り、これに応じて基板1bの弾性支持部材3との接続部
Dに含まれる自由端部15は、それぞれX軸方向に引張
られたり押されたりしてY軸周りに自由に弾性変形する
ことができる。このため、ピッチング共振周波数を十分
に低い帯域に低下させることができ、駆動信号に対する
ゲイン余裕を大きく得ることができるので、ピッチング
共振による異常動作に対して余裕がとれ、制御信号がピ
ッチング共振の影響を受けにくくなる。
【0024】なお、図1(a)、(b)に図示するように、
弾性支持部材3を囲むようにX軸方向に削孔形成されて
なるダンパケース9aを支持部材9に形成して、その内
部に緩衝部材10を充填すれば、ピッチング共振の振幅
を抑制することができ、ピッチング共振周波数の低周波
数化と相俟って、より大きなゲイン余裕がとれるので、
さらに安定した動作が可能となる。
【0025】そして、不図示のフォーカシングコイルに
より、可動部材にZ軸方向への駆動力Pが、例えばZ軸
方向下方に印加されると、図3に模式的に示すように、
可動部材はZ軸方向下方に平行移動する。このとき、基
板1 bにおいてZ軸方向に隣接する2つのくびれ部13
のZ軸方向内側のエッジ間の間隔が、弾性支持部材3の
対との接続部Dの間隔よりも大きく形成され、さらに拘
束領域12が基板1bの自由端部15側に侵入するよう
に形成されているので、基板1 bの弾性支持部材3との
接続部Dには、それぞれのくびれ部13をほぼ中心とし
たY軸回りの回転モーメントMが加わる。また、この
駆動力Pにより上側の弾性支持部材3には引張力が、下
側の弾性支持部材3は圧縮力がそれぞれ作用するので、
基板1bの弾性支持部材3との接続部Dには、くびれ部
13をほぼ中心としたY軸回りの回転モーメントM
(回転モーメントMと反対方向)が加わるようにな
り、それぞれの回転モーメントMとMとが相殺され
るように作用して、自由端部15のY軸周りおよびZ軸
周りの弾性変形が適切に抑制されて、可動部材のY軸周
りの回転が効果的に低減される。すなわち、ダイナミッ
クタンジェンシャルチルトを低く抑えることが可能とな
る。
【0026】以下、市販されている汎用の有限要素解析
ソフトを用いたシミュレーションの結果を用いて、さら
に具体的に説明する。図4は、Z軸方向に隣接する2つ
のくびれ部13のZ軸方向内側のエッジ間の間隔、即ち
垂直溝の長さを変えた場合の、ピッチング共振周波数と
ダイナミックタンジェンシャルチルトの変化の様子を示
すものである。
【0027】ここでは一例として、拘束領域12の自由
端部15側への侵入深さBLDを0.5mm、弾性支持部
材3との接続部D間の間隔を3mm、くびれ部13のY軸
方向位置を基板1bのY軸方向端部から16mmとして、
Z軸方向に隣接する2つのくびれ部13のZ軸方向内側
のエッジ間の間隔を3.6mm〜5.6mmの間で変化させた
場合についてシミュレーションを行った。図示されたデ
ータプロットの範囲内においては、ダイナミックタンジ
ェンシャルチルトが低く抑えられ、また、Z軸方向に隣
接する2つのくびれ部13のZ軸方向内側のエッジ間の
間隔を大きく(切れ込みを深く)して行くと、ピッチン
グ共振周波数は低下する様子が示されている。これは、
チルト抑制しつつ、駆動信号に対するゲイン余裕を大き
く得ることができるとともに、ピッチングの共振エネル
ギーを例えばシリコンゲルのような緩衝部材10によっ
て効果的に吸収可能な周波数帯域まで低下させることが
できることを意味する。しかしながら、Z軸方向に隣接
する2つのくびれ部13のZ軸方向内側のエッジ間の間
隔をさらに大きくしていくと、基板による支持が不安定
となり、ダイナミックタンジェンシャルチルトが大きく
なる。
【0028】なお、例示したくびれ部13の位置や幅、
拘束領域12の侵入深さなどはあくまでも一例であっ
て、これに限定されるべきものではなく、基板1bの外
形寸法、ヤング率などによって最適条件は変動するの
で、基板1bの寸法や弾性支持部材3の寸法等に応じて
最適条件を適宜設定することができる。
【0029】図5は、Z軸方向に隣接する2つのくびれ
部13のZ軸方向内側のエッジ間の間隔を一定(4.6m
m)とし、拘束領域12の侵入深さBLDを変化させた
場合の、ピッチング共振周波数とダイナミックタンジェ
ンシャルチルトの変化を示す。この場合、拘束領域12
がくびれ部13と自由端部15とのいずれにも侵入して
いない場合を侵入探さ0mmとする。このように、くびれ
部13、自由端部15のそれぞれを拘束しない場合は、
4.41分の大きなダイナミックタンジェンシャルチルト
が生じることがわかる。
【0030】ここで、拘束とは、固定部分(この場合は
基台1aに固定された支持部材9)への接着等によって
変形の自由度を小さくすることを意味する。侵入探さB
LDを自由端部15の一部に至るように0.5mmとした
場合、ダイナミックタンジェンシャルチルトは0.64
分となって、実用上全く問題とならない範囲に収まる。
さらに拘束領域12の侵入深さBLDを大きくして0.
75mmまで延長させると、-0.11分となってダイナミ
ックタンジェンシャルチルトをほぼゼロとすることが可
能となる。このように、拘束領域12を形成し、その侵
入深さBLDを調整することによってダイナミックタン
ジェンシャルチルトを極めて小さくすることが可能であ
る。
【0031】上記実施形態における拘束領域12は、く
びれ部分13から自由端部15に向かうY軸方向に沿っ
た4個所に設けたが、このような領域だけでなく、図6
に例示するように、基板1bの中央部全体にも拘束領域
を併設してもよいことは勿論のことである。さらに、図
7に例示するように、基板1bを支持部材9と拘束部材
17とによって挟持して、斜線で示すような個所も拘束
領域とするようにしてもよい。この場合、それぞれを接
着などにより固定してもよいし、その他、ネジ締めや嵌
合等の手段を用いてもよい。また、ここでは拘束部材1
7の形状を額縁状に形成したものを用いて説明したが、
このような形状に限定されるべきでなく、少なくとも基
板1bの自由端部15側に侵入する位置において拘束で
きる形状であればよい。
【0032】図8は、第1の実施形態の変形例を示す要
部分解斜視図であり、不図示のフォーカシングコイルや
トラッキングコイルに駆動電流を供給するための銅箔の
導電パターン16を、基板1b上に形成した例を示す。
上記導電パターン16は、基板1bの中央部近傍に形成
された駆動回路との接続端から、くびれ部13のZ軸方
向端部寄りを通るようにして、たとえばランド形成され
たそれぞれの弾性支持部材3との接続部Dに導かれるよ
うに形成されている。このような基板1bに対して、拘
束領域12の侵入探さBLDを、図5の場合と同様に0
mm〜0.75mmの範囲で変化させて、その時の動作特性
を前述したシミュレーションにより求めた。
【0033】図9は、ピッチング共振周波数とダイナミ
ックタンジェンシャルチルトの変化をシミュレーション
した結果を示す。図において、侵入探さBLDがゼロの
ときに、 2分程度のダイナミックタンジェンシャルチル
トを生じているのに対し、侵入探さBLDを増大させて
いくとダイナミックタンジェンシャルチルトは減少して
いき、侵入深さBLDを0.75mmにするとダイナミッ
クタンジェンシャルチルトをほぼゼロに抑えることがで
きることがわかる。また、このときピッチング共振周波
数は600Hz弱であり、ゲイン余裕やピッチング共振
振幅の抑制が効果的に得られる。このように、基板1b
に導電パターン16を形成した場合でも、拘束領域12
を形成して、その侵入探さBLDを調整することによっ
てダイナミックタンジェンシャルチルトを極めて小さく
することが可能であり、かつゲイン余裕やピッチング共
振振幅の抑制を効果的に得ることができる。
【0034】図10は、この発明の第2の実施形態を示
す要部分解斜視図である。この実施形態においては、基
板1bの左右両端の外側から、くびれ部13および自由
端部15を形成し、 Y軸方向に隣接する自由端部15
間の間隔が、Y軸方向に隣接するくびれ部13間の間隔
よりも小さく(接近させて)形成される。
【0035】すなわち、基板1のそれぞれの弾性支持部
材対3との各接続部Dが、基板1の輪郭とほぼ同一の仮
想四辺形S2の内部に配置されるとともに、前記仮想四
辺形S2の各頂点近傍からほぼY軸方向に延在するくび
れ部13と、そのくびれ部13に連続し、かつほぼZ軸
方向に延在してそれぞれの先端が互いに対向配置される
自由端部15とを備えてなる。このような各接続部D
は、くびれ部13からY軸方向に沿った自由端部15と
の間の所定領域12において、第1の実施形態と同様
に、熱硬化型や光硬化型の接着剤等により、支持部材9
の側面に拘束、固定される。このような構成にすること
によって、第1の実施形態により示されるような、ピッ
チング共振周波数の低周波数化およびダイナミックタン
ジェンシャルチルトの抑制だけでなく、 Z軸周りの回
転振動であるヨーイングとトラッキング駆動による可動
部のZ軸周りの傾斜を抑制することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、基板のそれぞれの弾性支持部材対との各接続部が、
YZ平面に平行であり、かつ4辺がそれぞれY軸および
Z軸に平行であるような仮想四辺形のY軸方向に沿った
外側または内側に配置され、各接続部は、仮想四辺形の
各頂点近傍からほぼY軸方向に延在するくびれ部と、そ
のくびれ部に連続し、かつほぼZ軸方向に延在してそれ
ぞれの先端が互いに対向配置される自由端部とを備える
とともに、少なくとも、くびれ部からY軸方向にそった
所定領域において支持部材に対して拘束、固定されてい
るので、可動部にZ軸方向への移動力が作用した際に、
その移動力の基板までの距離に応じて弾性支持部材の他
端側との接続部に加わる回転モーメントMと、移動力
により弾性支持部材に生じる引張力もしくは圧縮力に基
づいて、弾性支持部材の他端側との接続部に加わる回転
モーメントMとの方向が相互に逆になるように構成す
ることができる。
【0037】そのため、フォーカシングコイルにより、
可動部材にZ軸方向への駆動力Pが例えばZ軸方向下方
に印加されると、基板の弾性支持部材との接続部にはそ
れぞれのくびれ部をほぼ中心としたY軸回りの回転モー
メントMが加わり、また、この駆動力Pにより上側の
弾性支持部材には引張力が、下側の弾性支持部材には圧
縮力がそれぞれ作用して、基板の弾性支持部材との接続
部にはそれぞれのくびれ部をほぼ中心とした逆Y軸回り
の回転モーメントMが加わるようになり、それぞれの
回転モーメントMとMとが相殺されるように構成さ
れるので、自由端部の変形が低く抑えられて可動部材の
Y軸周りの回転が効果的に低減される。すなわち、ダイ
ナミックタンジェンシャルチルトを低く抑えることが可
能となって、光軸の傾斜を抑制することができる。
【0038】また、可動部材がY軸と平行な軸を回転軸
としてピッチング共振した場合には、上下の弾性支持部
材対のそれぞれには、交互にX軸方向の圧縮力と引張力
が加わり、これに応じて基板の弾性支持部材との接続部
は、それぞれがX軸方向に引張られたり、押されたりし
てY軸周りに自由に弾性変形するようになる。このた
め、ピッチング共振周波数を十分に低い帯域に低下させ
ることができ、また駆動信号に対するゲイン余裕を大き
く得ることができるので、ピッチング共振による異常動
作に対して余裕がとれ、制御信号がピッチング共振の影
響を受けにくくなる。したがって、記録媒体の情報記録
面に照射されたスポットの大きさや密度が安定し、高S
/Nの記録再生や安定した駆動制御が可能となる。
【0039】さらに、この発明によれば、基板のそれぞ
れの弾性支持部材対との各接続部を、YZ平面に平行で
あり、かつ4辺がそれぞれY軸およびZ軸に平行である
ような仮想四辺形の内側に配置させて、Y軸方向に隣接
する自由端部間の距離が、Y軸方向に隣接するくびれ部
間の距離よりも小さくなるように形成することができる
ので、ピッチング共振周波数の低周波数化およびダイナ
ミックタンジェンシャルチルトの抑制だけでなく、 Z
軸周りの回転振動であるヨーイングとトラッキング駆動
による可動部のZ軸周りの傾斜を抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す要部分解斜視
図および要部平面図である。
【図2】同じく、この発明の動作を説明するための概略
的な側面図である。
【図3】同じく、この発明の動作を説明するための概略
的な側面図である。
【図4】この発明の第1の実施形態における、Z軸方向
に隣接する2つのくびれ部のZ軸方向内側のエッジ間の
間隔と、ピッチング共振周波数およびダイナミックタン
ジェンシャルチルトとの関係を示す図である。
【図5】この発明の第1の実施形態における、拘束領域
の侵入深さBLDと、ピッチング共振周波数およびダイ
ナミックタンジェンシャルチルトとの関係を示す図であ
る。
【図6】この発明の第1の実施形態における基板と支持
部材との拘束固定個所の例を示す要部分解斜視図であ
る。
【図7】この発明の第1の実施形態における基板と支持
部材との拘束固定個所の他の例を示す要部分解斜視図で
ある。
【図8】この発明の第1の実施形態の変形例を示す要部
斜視図である。
【図9】この発明の第1の実施形態の変形例における、
拘束領域の侵入深さBLDと、ピッチング共振周波数お
よびダイナミックタンジェンシャルチルトとの関係を示
す図である。
【図10】この発明の第2の実施形態を示す要部斜視図
である。
【図11】従来の対物レンズ駆動装置を示す斜視図であ
る。
【図12】同じく、従来の対物レンズ駆動装置を示す分
解斜視図である。
【図13】同じく従来の対物レンズ支持装置を示す平面
図および分解斜視図である。
【図14】同じく従来の対物レンズ支持装置の動作を説
明するための概略的な側面図である。
【図15】同じく従来の対物レンズ支持装置の動作を説
明するための概略的な側面図である。
【符号の説明】
1a 基台 1b 基板 3 弾性支持部材 4 レンズホルダ 5 対物レンズ 9 支持部材 9a ダンパケース 10 緩衝部材 12 拘束領域 13 くびれ部 14 切込部 15 自由端部 16 導電パターン 17 拘束部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺嶋 厚吉 横浜市港北区新横浜二丁目11番地5 赤井 電機株式会社内 Fターム(参考) 5D118 AA13 AA22 AA23 BA01 BB01 BB02 BF02 BF03 FA29 FB03 FB13 5D119 AA35 BA01 JC04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 XYZ直交座標系において、Z軸方向を
    光軸とする対物レンズを有する可動部に、Z軸方向に隣
    接してほぼX軸方向に延在する対構成の弾性支持部材の
    それぞれの一端側を接続し、これら弾性支持部材のそれ
    ぞれの他端側を基台側に保持させる基板に接続して、前
    記可動部を前記弾性支持部材を介してZ軸方向およびY
    軸方向に移動可能に懸架支持する対物レンズ支持装置に
    おいて、上記基板のそれぞれの弾性支持部材対との各接
    続部が、YZ平面に平行であり、かつ4辺がそれぞれY
    軸およびZ軸に平行であるような仮想四辺形のY軸方向
    に沿った外側または内側に配置され、前記各接続部は、
    前記仮想四辺形の各頂点近傍からほぼY軸方向に延在す
    るくびれ部と、そのくびれ部に連続し、かつほぼZ軸方
    向に延在してそれぞれの先端が互いに対向配置される自
    由端部とを備えるとともに、少なくとも上記くびれ部か
    らY軸方向に沿った所定領域において前記支持部材に対
    して拘束、固定されており、上記可動部にZ軸方向への
    移動力が作用した際に、その移動力の前記基板までの距
    離に応じて上記弾性支持部材の他端側との接続部に加わ
    る回転モーメントMと、前記移動力により弾性支持部
    材に生じる引張力もしくは圧縮力に基づいて、弾性支持
    部材の他端側との接続部に加わる回転モーメントM
    の方向が相互に逆になるように構成したことを特徴とす
    る対物レンズ支持装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100737907B1 (ko) * 2003-10-08 2007-07-10 푸나이덴끼 가부시끼가이샤 광 픽업
WO2007086170A1 (ja) * 2006-01-27 2007-08-02 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 対物レンズ駆動装置
JP2010282698A (ja) * 2009-06-05 2010-12-16 J&K Car Electronics Corp 対物レンズ駆動装置

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