JP4616552B2 - Cu含有鋼材 - Google Patents

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本発明は、Cuを含有する鋼材を製造するにあたり、溶鋼の鋳造時ならびに鋳片の加熱時に鋳片表面に形成する表面割れを防止するための鋼材の成分組成に関する。
トランプエレメントであるCuを含有した鋼材を製造するにあたり、最大の問題は高温加熱ならびに加工する際に生じる表面割れの問題である。これは、図1に示すようにCuは鉄よりも貴な元素であるため、高温酸化されず地鉄/スケール界面に順次濃縮し、固溶限を越えるとCuが析出する。一般的に加熱温度はCuの融点よりも高いため、析出物はCu融液となり、加工時にオーステナイト粒界に沿って侵入し、顕著な割れを発生することになる。
また、トランプエレメントの一つであるSnは、単独では割れを発生することはないが、Cuと共存下ではCu起因の割れ疵をより顕著にする。これは、Snも鉄よりも貴なため、Cu同様、加熱時に順次濃化し、Cuのオーステナイト中での固溶限を低下させるとともにCu濃化相の融点を低くするためである。
このような割れ疵を防止するため、Cuのオーステナイト中での固溶限を増大し、Cu濃化相の融点を高くする効果があるNiを鋼中に添加することが、例えば特許文献1に開示されている。Ni添加量は、一般的には鋼中Cu濃度とほぼ等量、添加される。
その他、鋼中に含有するSiもCuによる割れ疵を防止する元素として有効であることが、例えば特許文献2に開示されている。これは、FeOとSiOが加熱温度よりも低い低融点の酸化物を形成するため(融点1177℃)、スケール中へのCu融液の取り込みを顕著にすることによるとされている。
特開平7−242938号公報 特開平6−297026号公報
しかしながら、特許文献1に例示される方法等では、NiはCu同様、トランプエレメントの一つであることに加え、高価な金属であるため、添加量にも制限がある。加えて、Niは加熱時の粒界酸化を助長するため、Cu起因の割れ疵は防止できたとしても、スケールの剥離性を阻害することでスケール疵を発生することが知られている。このようにNi添加量はできるだけ低い方が好ましいといえる。また、全ての鋼種においてSi濃度を高くすることはできないため、特許文献2に開示されている方法の適用にも限界がある。
そのため、本発明は、Cu含有鋼の高温加熱時に形成する表面割れを防止する方策を提供することを目的としている。
本発明の構成は、以下の通りである。
(1) Cuを0.06mass%以上0.3mass%以下含有する鋼材において、
Nbの濃度が0.02mass%以上0.15mass%以下、Vの濃度が0.01mass%以上0.15mass%以下のいずれか一つ以上であり、
さらにREM濃度が0.002mass%以上0.15mass%以下、Sの濃度が0.01mass%以上0.05mass%以下のいずれかの一つ以上であり、
Cの濃度が0.0031mass%以上1.5mass%以下、
Nの濃度が0.002mass%以上0.0045mass%以下、
Mnの濃度が0.01mass%以上2.5mass%以下、
Siの濃度が0.01mass%以上0.22mass%以下、
Alの濃度が0.04mass%以下
からなり、残部が鉄および不可避的不純物であることを特徴とするCu含有鋼片。
(2) (1)に記載のCu含有鋼片を、圧延前加熱処理した後の鋼材であって、粒径が10nm以上1μm以下の析出物の個数密度が10個/mm以上であることを特徴とするCu含有鋼材。
(3) (1)に記載のCu含有鋼片を、圧延前加熱処理した後の鋼材であって、オーステナイト粒径が300μm以下であることを特徴とするCu含有鋼材。
(4) (1)に記載のCu含有鋼片を1100〜1300℃で1〜4時間加熱した後に、熱間圧延して得られた熱延鋼板。
(5) 粒径が10nm以上1μm以下の析出物の個数密度が10個/mm以上であることを特徴とする(4)に記載の熱延鋼板。
本発明の鋼材を用いることでCu起因の割れ疵をNiを添加することなく防止することができる。
本発明者らは、Cu含有鋼中の溶質成分を調整することで、Cu起因の高温脆化を抑制することに着目し、その溶質元素を種々変更したサンプルを用いた実験を行い、割れ発生との関係を調査した。具体的には、Cu含有鋼材を圧延前に行う加熱により生じる高温割れを模擬するために、各種試験片を切り出し、高温での引張実験を行った。
その一例として、脱酸剤としてAl、Siを添加した0.14mass%C鋼をベースにCuを0.3mass%含有し、その溶質元素を表1に示す様に種々変更したサンプルを用いた鋳片を作成し、それから試験片を切り出したものについて高温での引張実験を行い、割れ発生との関係を調査した。具体的な加熱条件としては、圧延前の加熱を模擬するために、温度1150℃、雰囲気は水蒸気濃度12vol%、酸素濃度2vol%、残部窒素下において2時間加熱した後、同じ雰囲気で歪み速度5/secでサンプルを水平方向に5mm引張り、その後窒素雰囲気中で冷却した。
そして、各種サンプルの引っ張り変形が加えられた部位表面に見られる割れの深さを調査した。サンプルの分析結果と得られたサンプル表面性状を調査した結果を表1に示した。
Figure 0004616552
上記の様な実験を、溶質成分を変更しながら繰り返した結果、Niを添加することなくCu起因の割れ疵を防止可能な溶質成分を新たに見出した。その結果を以下に示す。
まず、本発明の第一の形態として、Cuを0.06mass%以上含有する鋼材において、Ti、Nb、Vのいずれか一つ以上の溶質濃度が0.01mass%以上0.15mass%以下であり、さらにPの濃度が0.01mass%以上0.1mass%以下、REM濃度が0.002mass%以上0.15mass%以下、Sの濃度が0.01mass%以上0.05mass%以下のいずれか一種以上であるCu含有鋼材とすることで、Niを鋼中に添加することなくCu起因の割れ疵を防止できることが判明した。
本発明がCuを0.06mass%以上含有する鋼材を対象とするのは、スクラップ鋼材またはスクラップ含有鋼材を用いるためである。スクラップを原料として使用する場合、Cuを含有することになるが、Cu濃度が0.06mass%以上になると、鋼種によってはCu起因の割れ疵に起因した表面欠陥が問題とされるようになる。そのため、下限値は0.06mass%とする。また、Cu濃度が高いと加工性に悪影響を及ぼすため、上限値は0.3mass%とする。
まず、Cu起因の割れ疵を防止するために添加する元素として、Ti、Nb、Vが挙げられる。これらの元素を適量含有する鋼材について加熱処理を行うと、Ti、Nb、Vの炭化物、窒化物あるいは炭窒化物の微細な析出物を鋼中に数多く析出させることができる。これにより、粒成長を阻害することができ、オーステナイト粒径を微細な状態に保持できる。従って、スケール/地鉄界面の単位面積あたり多数の粒界を形成するため、オーステナイト粒界へのCu融液の侵入を分散させることができ、Cu起因の割れ疵を防止可能となる。
Nb、Vについては上記以外にも、これらの酸化物が鉄の酸化物と低融点の酸化物を形成するため(Nbを含有する酸化物の融点:1190℃、Vを含有する酸化物の融点:635℃)、スケール中へのCu融液の取込みを促進させることができ、地鉄/スケール界面に存在するCu融液量を低減することで、Cu起因の割れを防止することができる。
さらに、Cu起因の割れ疵を防止するために添加する元素として、P、REMが挙げられる。これらの元素はどちらも粒界に偏析する元素であり、粒界への偏析により粒界エネルギーは低下する。これにより、オーステナイト粒界へのCu濃化相の浸潤を抑制することが可能となるため、Cu起因の割れを防止することができる。
P、REMについては、オーステナイト粒径を微細にする作用も有する。その機構としては、Pはデンドライトに偏析するため粒成長を阻害することができ、またREMは炭化物、窒化物あるいは炭窒化物の微細な析出物を鋼中に数多く析出させることができるため、粒成長を阻害することができ、いずれもCu起因の割れを防止することができる。
Pについては、上記以外にも、この酸化物が鉄の酸化物と低融点の酸化物を形成するため(Pを含有する酸化物の融点:960℃)、スケール中へのCu融液の取込みを促進させることができ、地鉄/スケール界面に存在するCu融液量を低減することでCu起因の割れを防止することができる。
また、Sは、鉄よりも貴であるため高温加熱時にスケール/地鉄界面に界面に濃化する。さらに、Cuと低融点の硫化物(CuSの融点1067℃)を形成するため、スケール中へのCu融液の取り込みを促進する効果があるため、Cu起因の割れ疵を防止可能となる。
Ti、Nb、Vについては単独で用いても、任意に複数種同時に用いても、0.01mass%以上であればその効果を発揮するが、0.15mass%超でその効果は飽和するため、0.15mass%を上限値とする。
またこれと同時にP、REM、Sの一種以上を用いることも必要である。Pについては0.01mass%以上で上記効果を発現するが、P濃度が0.1mass%超となると加工性や延性が劣化するため、上限値は0.1mass%とする。
一方、REMについては、0.002mass%以上で上記効果を発現するが、0.15mass%超でその効果が飽和するため、0.15mass%を上限値とする。
S濃度は0.01mass%以上でその効果を発揮するが、S濃度が高くなると界面に濃化したSがFeと硫化物を形成し、その融点が940℃と低融点であるため、粒界脆化を引き起こす。S濃度が0.05mass%を越えると、FeSによる脆化が著しくなるため、S濃度は0.01mass%以上で0.05mass%以下とする。
従来、圧延前の加熱温度については、Cu起因の高温割れを防止するにはできるだけ、1150℃あるいは1200℃以上の加熱温度としてスケール中にCuを取り込むことが望ましいとされていたが、本発明の鋼材を用いると1100℃程度の加熱温度でも上記結果を得ることができ、圧延前の加熱温度を低下できるという効果も享受できる。
さらにCを0.0031mass%以上、Nを0.002mass%以上0.0045mass%以下、含有させることを特徴としたCu含有鋼材である。
溶鋼の脱炭脱窒処理等を行なっても、鋼中には不可避的に少量のC,Nが含有されるため、Ti,Nb,Vを前述の濃度にすることにより、Ti,Nb,Vの炭化物、窒化物、炭窒化物の微細な析出物によるオーステナイト粒の粗大化抑制効果が発現する。
特に、Cを0.0031mass%以上、Nを0.002mass%以上含有させることにより、この微細析出物の生成量が多くなり、オーステナイト粒の粗大化抑制効果が顕著になり、より容易にCuによる表面割れを防止することができるため好ましい。
但し、C濃度,N濃度が高すぎると靭性や加工性が劣化するため、C濃度は1.5mass%以下、N濃度は0.0045mass%以下とする。
さらに、Mn濃度が、質量比でMn/S≧7である様なCu含有鋼材とすることで、Sによる脆化を緩和できるため、好ましい。
これは、Mnを鋼中に含有する場合、SをMnSとして固定するため、Sによる脆化を緩和できるためである。
ここで、鋼中のMn濃度としては、質量比でMn/S≧7とすることが好ましい。尚、Mn濃度の上限値は特に規定するものではなく、目的や用途等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は2.5mass%以下であることが多い。
上記以外にも、MnSとして鋼中に析出することで、オーステナイト粒成長を抑制して、粒径を微細にする作用も有する。加えて、TiN等の窒化物が析出する場合には、先に析出した窒化物を核にしてMnSが析出するため、オーステナイト粒径のさらなる微細化が可能となる。その結果、Cu起因の割れを防止することができる。
さらに、上記の第一〜第三のいずれかの形態の成分に調整した鋼材を、圧延前加熱処理した後の鋼材については、粒径が10nm以上1μm以下の析出物の個数密度が10個/mm以上とすることができる。ここで、圧延前加熱温度としては、通常は1100〜1300℃程度の温度で、予熱帯、加熱帯、均熱帯を含めた在炉時間は1〜4時間程度である。
この様な加熱条件により熱処理した後の鋼について、10nm以上1μm以下の微細な析出物の個数密度を調査した。ここで行った調査方法は、透過電子顕微鏡による高倍率多視野観察(例えば、10万倍で100視野観察等)である。
その結果、10nm以上1μm以下の微細な析出物の個数密度が10個/mm以上と多くなっていると、粒成長を阻害することができ、オーステナイト粒径を微細な状態に保持できることを知見した。ここで、析出物の粒径は、円相当径を意味している。
また、10nm以上1μm以下の微細な析出物の個数密度は多いほど良く、特に上限を規定するものではない。
具体的には、各種サンプルについて、先に述べた方法で鋼中に含まれる析出物の個数密度と割れの関係について調査した結果、図2に示す様に、10nm以上1μm以下の析出物の個数密度が10個/mm以上となっていると、割れが抑制されることがわかった。
すなわち、析出物の個数密度が10個/mm未満の場合、割れが抑制できないため、個数密度を10個/mm以上とすることが重要であり、その際の析出物の粒径は、10nm以上1μm以下とすることで所望の個数密度が達成できる。
以上の様に、熱処理後の鋼について、粒径が10nm以上1μm以下の微細な析出物の個数密度が10個/mm以上とすることで、割れが抑制できる。逆に言うと、割れを抑制するために析出物の粒径や個数密度を上記の様にするには、第一〜第三のいずれかの形態の成分に調整した鋼材を、圧延前加熱処理すれば良いということになる。
ちなみに、析出物は、EDXあるいはディフラクションパターンの解析を行い調査したところ、Ti、Nb、Vの炭化物、窒化物あるいは炭窒化物であることを併せて確認できた。
また、上記の第一〜第三のいずれかの形態の成分に調整した鋼材を加熱処理した後の鋼材については、オーステナイト粒径が300μm以下とすることができる。すなわち、熱処理後の鋼について、オーステナイト粒径が300μm以下と微細な状態に保持できることを知見した。オーステナイト粒径の下限は特に規定するものではなく、粒径が小さければその効果はより発揮される。ここで、オーステナイト粒の粒径は、円相当径を意味している。
また、オーステナイト粒径は小さいほど良く、特に下限を規定するものではない。
具体的には、各種サンプルについて、オーステナイト粒径と割れの関係について調査した結果、図3に示す通りであることがわかった。従って、熱処理後の鋼について、オーステナイト粒径を300μm以下とすることで、割れが抑制できる。逆に言うと、割れを抑制するためにオーステナイト粒径を上記の様にするには、第一〜第三のいずれかの形態の成分に調整した鋼材を、圧延前加熱処理すれば良いということになる。
このように、本発明では鋼中に添加する溶質元素を適切に選択することで、
(1)オーステナイト粒径を微細にし、Cu融液のオーステナイト粒界への侵入を分散させること(Ti、Nb、V、P、REM、S、Mn)、
(2)粒界偏析元素を活用することで、粒界エネルギーを低くしオーステナイト粒の微細化とCu融液の粒界への浸潤を抑制すること(P、REM)、
(3)低融点の酸化物を形成することで、スケール/地鉄界面に濃化するCu融液の生成量を減少すること(Nb、V、P、S)、
これらを組み合わせることで、Niを添加することなく、Cu起因の割れを防止できるというものである。
また、本発明の第一〜第三のいずれかの形態の鋼材の製造方法は、転炉での精錬後、環流式真空脱ガス装置や取鍋精錬装置等での処理中の溶鋼に、合金等を添加することにより、必要な溶質成分を適宜添加し、その後、所望の成分の溶鋼を鋳造することで、Cu起因の割れのない鋳片が得られる。なお、C、Nの調整については、それぞれ0.03mass%程度以上、0.004mass%程度以上の場合は、上記の方法で調整でき、それ未満の濃度の場合は環流式真空脱ガス装置を用いて脱炭・脱窒処理を行うことにより所望の濃度に調整することができる。
また、得られた鋳片を圧延するに際し、加熱を行うが、その加熱後の鋳片については、微細な析出物の個数密度を多くでき、またオーステナイト粒径を小さくできるため、圧延してもCu起因の割れのない鋼材が得られる。
なお、Cuを含有する鋳片が連鋳機内で曲げ変形を受けると表面割れが発生する場合があるが、連鋳機内の変形歪速度は、圧延時の歪速度に比べて非常に小さいため、割れも圧延時の割れに比べて軽微である。そのため、本発明の鋳片は圧延前加熱処理した後の鋼材に比べて、粒径が10nm以上1μm以下の析出物個数が少なく、オーステナイト粒径も大きいが、本発明の鋼成分に調整することでオーステナイト粒の粗大化防止効果、粒界偏析によるCu融液の粒界への浸潤防止効果、スケール低融点化によるCu融液量の低減効果により、Cu起因の表面割れを防止することができる。
転炉での精錬と環流式真空脱ガス装置での処理ならびに合金添加により、表2に示した成分に調整した溶鋼を溶製した。この溶鋼を連続鋳造方法で厚み250mm、幅1800mmのスラブに鋳造した。鋳造した鋳片は8500mm長さに切断し、1コイル単位とした。全量スラブの表面を観察し、表面欠陥の発生状況を評価した。結果を表2に示した。
スラブは、加熱温度1100〜1200℃×2時間加熱した後、熱間圧延を行い5mm厚みで幅1800mmコイルの熱延鋼板とした。加熱雰囲気は水蒸気濃度10〜15vol%、酸素は2〜5vol%、残部窒素であった。鋼板表面品質については、熱間圧延後の検査ラインで目視観察を行い、1コイルあたりに発生する表面欠陥の発生状況を評価した。結果を表2に併せて示した。
本発明で述べた鋼中溶質元素の濃度に調整した鋼材(No.2〜11)においては、引っ張り実験で得られた結果と同様に、鋳片ならびに熱間圧延後の鋼板表面いずれにおいても割れは観察されなかった。
さらに、本発明の鋼中溶質元素の効果を、低炭Alキルド鋼(No.13〜22)、IF鋼(No.27、No.32)においても調査したが、本発明の鋼中溶質元素の濃度に調整することで、中炭鋼の場合(No.2〜11)と同様な結果を得ることができた。
No.13,17,21,24,32ではCuによる表面割れを助長することが知られているSnを含有しているが、この場合においても本発明の方法により、表面割れを防止することができた。
尚、これらの条件において、オーステナイト粒径ならびに析出物の個数密度を調査したが、いずれの条件においてもオーステナイト粒径は300μm以下で粒径が10nm以上1μm以下の析出物の個数密度は10個/mm以上であることも併せて確認した。
Figure 0004616552
Cu起因の割れ疵の発生メカニズムを模式的に示したものである。 粒径が10nm以上1μm以下の析出物の個数密度と割れ深さの関係を調査した結果である。 オーステナイト粒径と割れ深さの関係を調査した結果である。

Claims (5)

  1. Cuを0.06mass%以上0.3mass%以下含有する鋼材において、
    Nbの濃度が0.02mass%以上0.15mass%以下、Vの濃度が0.01mass%以上0.15mass%以下のいずれか一つ以上であり、
    さらにREM濃度が0.002mass%以上0.15mass%以下、Sの濃度が0.01mass%以上0.05mass%以下のいずれかの一つ以上であり、
    Cの濃度が0.0031mass%以上1.5mass%以下、
    Nの濃度が0.002mass%以上0.0045mass%以下、
    Mnの濃度が0.01mass%以上2.5mass%以下、
    Siの濃度が0.01mass%以上0.22mass%以下、
    Alの濃度が0.04mass%以下
    からなり、残部が鉄および不可避的不純物であることを特徴とするCu含有鋼片。
  2. 請求項に記載のCu含有鋼片を、圧延前加熱処理した後の鋼材であって、粒径が10nm以上1μm以下の析出物の個数密度が10個/mm以上であることを特徴とするCu含有鋼材。
  3. 請求項に記載のCu含有鋼片を、圧延前加熱処理した後の鋼材であって、オーステナイト粒径が300μm以下であることを特徴とするCu含有鋼材。
  4. 請求項に記載のCu含有鋼片を1100〜1300℃で1〜4時間加熱した後に、熱間圧延して得られた熱延鋼板。
  5. 粒径が10nm以上1μm以下の析出物の個数密度が10個/mm以上であることを特徴とする請求項に記載の熱延鋼板。
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