JP4022958B2 - 溶接熱影響部靱性に優れた高靱性厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents

溶接熱影響部靱性に優れた高靱性厚鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、建築、海洋構造物、鋼管、船舶、貯槽、土木建設機械などの用途に適用できる厚鋼板およびその製造方法に関し、さらに厚鋼板に限らず熱延鋼帯、形鋼、棒鋼等の非調質圧延鋼材の製造方法にも適用できる。
【0002】
【従来の技術】
強度、靱性をともに向上させた鋼材の製造方法として、Ti、Nb、V等を含む鋼素材を用いTMCP(TheromoMechanical Control Process )により微細な組織を得る技術が従来から知られている。しかし、このTMCP技術では、低温のオーステナイト未再結晶温度域で高圧下を施す必要があり、圧延機に多大の負荷がかかり、また、厚肉材の場合には十分な圧下量が確保できないなどの問題があった。また、温度調節のための待ち時間が増大して、圧延能率が低下し、さらに、加速冷却を施す場合には、低温まで冷却する必要があり、鋼板に歪、応力が残留するなどの問題があった。
【0003】
一方、溶接熱影響部の靱性を向上させるために、例えば、特開平2-125812号公報には、粒径0.05〜10μm のTiを主成分とする酸化物を5×103 〜1×106 個/mm3 鋼中に分散させた溶接熱影響部靱性に優れた鋼材の製造方法が開示されている。また、特開平4-48048 号公報には、母地中に0.001 〜0.100wt %の割合で、粒径0.5 μm 以下の(Ti,Nb)(O,N)複合結晶相を有した酸化物系介在物を分散させ、溶接熱影響部の靱性を向上させた溶接熱影響部靱性に優れた鋼材の製造方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、酸化物系介在物を鋼中に均一に分散させしかも所定の量に制御するのには多くの困難を伴うなどの問題があった。
この発明は、上記した問題を解決し、母材強度・靱性に優れかつ溶接熱影響部靱性に優れた高靱性厚鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を解決するために、鋭意検討した結果、次のような知見を得た。
▲1▼Ti、V、N量を制御することにより、TiN 、VN、あるいはTiN とVNの複合介在物を核としてフェライトが析出し、微細なフェライト−パーライト組織となり靱性が向上する。
【0006】
▲2▼TiN が円相当径で0.03μm 以上の大きさになるとフェライト生成核として作用する。
▲3▼円相当径で0.05μm 以上の大きさのTiN は、加熱時のオーステナイト粒の微細化に有効である。
▲4▼TiN を、▲2▼、▲3▼に示される大きさに制御すると、フェライト結晶粒が飛躍的に微細化し、靱性が顕著に向上する。
【0007】
この発明は上記した知見に基づき構成されたものである。
すなわち、この発明は、量%で、C:0.01〜0.18%(但し 0.12 %以下を除く)、Si:0.02〜0.60%、Mn:0.60〜2.00%、P:0.030 %以下、S:0.015 %以下、Al:0.005 〜0.100 %、Ti:0.005 〜0.30%、N:0.0050〜0.0200%を含み、Cu 0.02 1.50 %、 Ni 0.02 0.60 %、 Cr 0.05 0.50 %、 Mo 0.02 0.50 %、 Nb 0.003 0.030 %から選ばれた1種または2種以上を含有し、Ti/N:4.0 〜12.0とし、さらに次(1)式
Ceq(%)=C+Si/24 +Mn/6+Ni/40 +Cr/5+Mo/4+V/14 ……(1)
で定義されるCeqが0.36〜0.45%で、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成で、かつ円相当径が0.05μm 以下のTiN が1×103 個/mm2 以上、円相当径が0.03〜0.2 μm のTiN を1×103 個/mm2 以上1×105 個/mm2 未満含有することを特徴とする溶接熱影響部靭性に優れた高靭性厚鋼板である。
【0008】
また、この発明では、前記組成に加えて、さらに量%で、V:0.03〜0.15%を含有してもよく、また、前記組成に加えて、さらにB:0.0002〜0.0020%、REM :0.0010〜0.0200%、Ca:0.0010〜0.0100%の合金元素群から選ばれた1種または2種以上を含有してもよく、また、上記した合金元素および各合金元素群から選ばれた1種または2種以上を複合して含有してもよい。
また、この発明では、質量%で、C: 0.01 0.18 %(但し 0.12 %以下を除く)、 Si 0.02 0.60 %、 Mn 0.60 2.00 %、P: 0.030 %以下、S: 0.015 %以下、 Al 0.005 0.100 %、 Ti 0.005 0.30 %、N: 0.0050 0.0200 %を含み、さらにV: 0.03 0.15 %を含有し、 Ti /N: 4.0 12.0 とし、さらに次(1)式
eq (%)=C+ Si/24 Mn/6 Ni/40 Cr/5 Mo/4 +V /14 ……(1)
で定義されるC eq 0.36 0.45 %で、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成で、かつ円相当径が 0.05 μ m 以下の TiN が1× 10 3 個/ mm 2 以上、円相当径が 0.03 0.2 μ m TiN を1× 10 3 個/ mm 2 以上1× 10 5 個/ mm 2 未満含有することを特徴とする溶接熱影響部靱性に優れた高靱性厚鋼板である。また、前記組成に加えて、さらにB: 0.0002 0.0020 %、 REM 0.0010 0.0200 %、 Ca 0.0010 0.0100 %の合金元素群から選ばれた1種または2種以上を含有してもよく、また、上記した合金元素および各合金元素群から選ばれた1種または2種以上を複合して含有してもよい。
【0009】
また、第2のこの発明は、量%で、C:0.01〜0.18%(但し 0.12 %以下を除く)、Si:0.02〜0.60%、Mn:0.60〜2.00%、P:0.030 %以下、S:0.015 %以下、Al:0.005 〜0.100 %、Ti:0.005 〜0.30%、N:0.0050〜0.0200%を含み、さらに Cu 0.02 1.50 %、 Ni 0.02 0.60 %、 Cr 0.05 0.50 %、 Mo 0.02 0.50 %、 Nb 0.003 0.030 %から選ばれた1種または2種以上を含有し、Ti/N:4.0 〜12.0とし、さらに前記(1)式で定義されるCeqが0.36〜0.45%で、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材を、1300 1400 の温度で3〜 10 r 加熱保持したのち、冷却し、ついで、1050℃以上の温度範囲に再加熱して、Ar3変態点以上の温度範囲で1パス当たりの圧下率で5%以上の圧下を累積圧下率で20%以上施したのち、あるいはさらにAr3変態点〜Ar1変態点の温度範囲で圧下率5%以上の圧下を施したのち、室温まで冷却することを特徴とする溶接熱影響部靱性に優れた高靱性厚鋼板の製造方法である。
【0010】
また、第2のこの発明では、前記組成に加えて、さらに量%で、V:0.03〜0.15%を含有してもよく、また、前記組成に加えて、さらに量%で、B:0.0002〜0.0020%、REM :0.0010〜0.0200%、Ca:0.0010〜0.0100%から選ばれた1種または2種以上を含有してもよく、また、上記した合金元素および各合金元素群から選ばれた1種または2種以上を複合して含有してもよい。
また、第2のこの発明では、前記鋼素材を質量%で、C: 0.01 0.18 %(但し 0.12 %以下を除く)、 Si 0.02 0.60 %、 Mn 0.60 2.00 %、P: 0.030 %以下、S: 0.015 %以下、 Al 0.005 0.100 %、 Ti 0.005 0.30 %、N: 0.0050 0.0200 %を含み、さらにV: 0.03 0.15 %を含有し、 Ti /N: 4.0 12.0 とし、さらに次(1)式
eq (%)=C+ Si/24 Mn/6 Ni/40 Cr/5 Mo/4 +V /14 ……(1)
で定義されるC eq 0.36 0.45 %で、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成の鋼素材とすることが好ましい。また、前記組成に加えて、さらにB: 0.0002 0.0020 %、 REM 0.0010 0.0200 %、 Ca 0.0010 0.0100 %の合金元素群から選ばれた1種または2種以上を含有してもよく、また、上記した合金元素および各合金元素群から選ばれた1種または2種以上を複合して含有してもよい。
【0011】
また、第3のこの発明は、量%で、C:0.01〜0.18%(但し 0.12 %以下を除く)、Si:0.02〜0.60%、Mn:0.60〜2.00%、P:0.030 %以下、S:0.015 %以下、Al:0.005 〜0.100 %、Ti:0.005 〜0.30%、N:0.0050〜0.0200%を含み、さらに Cu 0.02 1.50 %、 Ni 0.02 0.60 %、 Cr 0.05 0.50 %、 Mo 0.02 0.50 %、 Nb 0.003 0.030 %から選ばれた1種または2種以上を含有し Ti/N:4.0 〜12.0とし、さらに前記(1)式で定義されるCeqが0.36〜0.45%で、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材を、1300 1400 の温度で3〜 10hr加熱保持したのち、冷却することを特徴とする高靱性厚鋼板用圧延素材の製造方法であり、前記組成に加えて、さらに量%で、V:0.03〜0.15%を含有してもよく、また、前記組成に加えて、さらに量%で、B:0.0002〜0.0020%、REM :0.0010〜0.0200%、Ca:0.0010〜0.0100%から選ばれた1種または2種以上を含有してもよく、上記した合金元素および各合金元素群から選ばれた1種または2種以上を複合して含有してもよい。
また、第3のこの発明では、質量%で、C: 0.01 0.18 %(但し 0.12 %以下を除く)、 Si 0.02 0.60 %、 Mn 0.60 2.00 %、P: 0.030 %以下、S: 0.015 %以下、 Al 0.005 0.100 %、 Ti 0.005 0.30 %、N: 0.0050 0.0200 %を含み、さらにV: 0.03 0.15 %を含有し、 Ti /N: 4.0 12.0 とし、さらに前記(1)式で定義されるC eq 0.36 0.45 %で、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成の鋼素材とすることが好ましい。また、前記組成に加えて、さらに質量%で、B: 0.0002 0.0020 %、 REM 0.0010 0.0200 %、 Ca 0.0010 0.0100 %から選ばれた1種または2種以上を含有してもよく、上記した合金元素および各合金元素群から選ばれた1種または2種以上を複合して含有してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
まず、この発明における、化学組成の限定理由を説明する。
C:0.01〜0.18%(但し 0.12 %以下を除く)
Cは、強度を増加する元素であり、強度確保のために0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.18%を超えて含有すると母材靱性および溶接性が劣化する。このため、Cは0.01〜0.18%(但し 0.12 %以下を除く)とした。なお、実用上の好適範囲は、0.08〜0.16%(但し 0.12 %以下を除く)の範囲である。
【0013】
Si:0.02〜0.60%
Siは、強度増加に有効な元素であるが、0.02%未満ではその効果が認められない。一方、0.60%を超えると溶接熱影響部の靱性が著しく劣化する。このため、Siは0.02〜0.60%の範囲に限定した。
Mn:0.60〜2.00%
Mnは、強度増加に有効な元素であり、強度確保の観点から0.60%以上含有することが必要である。一方、Mn含有量が2.00%を超えると、圧延後空冷した場合に組織がフェライト+ベイナイトとなり、母材靱性が低下する。このため、Mn含有量は、0.60〜2.00%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.00〜1.70%の範囲である。
【0014】
P:0.030 %以下
Pは靱性を劣化させる元素であり、できるだけ低減するのが好ましいが、0.030 %までは許容できるため、0.030 %を上限とした。
S:0.015 %以下
Sは、鋼中では主にMnS として存在し、VNと同様に圧延後の組織を微細化する作用があるが、0.015 %を超えると鋼板の板厚方向の靱性・延性を劣化させるため、Sは0.015 %以下とした。なお、組織微細化の観点からはSは0.004 〜0.010 %の範囲とするのが好ましい。
【0015】
Al:0.005 〜0.100 %
Alは、脱酸のために0.005 %以上の添加が必要であるが、0.100 %を超えて添加しても脱酸効果は飽和する。このため、Alは0.005 〜0.100 %の範囲とした。
Ti:0.005 〜0.30%
Tiは、主としてTiN として存在し、結晶粒の微細化に有効な元素である。TiN は、鋼素材加熱時のオーステナイト粒の粒成長を抑制し、さらにオーステナイト粒中に析出し、その後析出するVNの析出を促進する作用を有している。この効果を得るためにはTiは0.005 %以上添加する必要があるが、0.30%を超えると鋼の清浄性、靱性を低下させる。このため、Tiは0.005 〜0.30%の範囲とした。なお、好ましくは0.010 〜0.10%である。
【0016】
N:0.0050〜0.0200%
Nは、Ti、Vと結合してTiN 、VNを形成し、結晶粒の微細化に有効に寄与する。これら窒化物は、加熱時のオーステナイト粒の粒成長を抑制し、さらにフェライト析出核として作用する。VNは、フェライト変態後にフェライト粒内に析出し、強度を増加させるため、圧延後の冷却に際して強水冷を行わずに母材強度を高めることができ、鋼板板厚方向の特性の均一性、残留応力の低減、残留歪の低減に有効となる。これらの効果を得るためには、N含有量は0.0050%以上とする必要があるが、0.0200%を超えると母材靱性、溶接性が劣化する。このため、N含有量は0.0050〜0.0200%の範囲に限定した。
【0017】
Ti/N:4.0 〜12.0
Ti/Nが、4.0 未満ではフリーNが存在し、溶接性を低下させるとともに歪時効を助長させる。一方、Ti/Nが12.0を超えるとTiC 、あるいはVCが形成され、母材靱性を低下させる。このため、Ti/Nは4.0 〜12.0の範囲とする。なお、好ましくは5.0 〜10.0の範囲である。
【0018】
V:0.03〜0.15%
Vは、圧延冷却中にオーステナイト粒内にVNとして析出し、このVNを核としてフェライトが析出することから、結晶粒微細化に有効に寄与し、母材靱性を向上させる効果を有する。また、Vは、フェライト変態後にもフェライト中にVNが析出し、母材強度を増加させるため、圧延後の冷却に際して強水冷を行わずに母材強度を高めることができ、鋼板板厚方向の特性の均一性、残留応力の低減、残留歪の低減に有効となる。これらの効果を得るためには、V含有量は0.03%以上とする必要があるが、0.15%を超えると母材靱性、溶接性が劣化する。このため、V含有量は0.03〜0.15%の範囲に限定した。なお、母材靱性の観点から好ましくは0.05〜0.10%の範囲である。
【0019】
Cu:0.02〜1.50%、Ni:0.02〜0.60%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.02〜0.50%、Nb:0.003 〜0.030 %から選ばれた1種または2種以上
Cu、Ni、Cr、Mo、Nbはいずれも焼入れ性向上に有効な元素であり、Ar3変態点を介してTiN 、VNの細粒化効果を最適化するとともに、VNの析出強化にも有効に作用する。すなわち、Ar3変態点を低下させることにより、フェライト粒がより微細になり、VNの析出強化効果が大きくなる。しかし、Ar3変態点が低下しすぎると、組織がベイナイト主体の組織となり、強度は増加するが母材靱性が低下する。
【0020】
このような効果を得るためには、Cu、Ni、Cr、Mo、Nbはそれぞれ0.02%、0.02%、0.05%、0.02%、0.003 %以上の添加が必要である。一方、Cuは1.50%を超えると熱間加工性の低下が著しくなるため、1.50%を上限とした。Niは、焼入れ性向上に加えて、Cuの熱間加工性の低下を補償するため添加するが、そのためにはCu含有量と当量程度のNiを添加するのが望ましい。しかし、0.60%を超えての添加は、経済的に高価となるため、Ni含有量の上限を0.60%とした。また、Cr、Mo、Nbの多量添加は溶接性、靱性を劣化させるため、それぞれ0.50%、0.50%、0.030 %を上限とした。
【0021】
B:0.0002〜0.0020%、REM :0.0010〜0.0200%、Ca:0.0010〜0.0200%から選ばれた1種または2種以上
B、REM 、Caは、いずれも圧延後のフェライト粒の微細化に有効に寄与する元素である。
Bは結晶粒界に偏析して粗大な粒界フェライトの生成を抑制し、圧延後のフェライト結晶粒を微細化する作用を有している。この効果は0.0002%以上の添加により認められるが、0.0020%を超える添加は母材靱性を低下させる。このため、Bは0.0002〜0.0020%の範囲に限定した。
【0022】
REM 、Caは高温で安定な酸化物を形成し母地中に微細分散し、加熱時のオーステナイト粒の粒成長を抑制するとともに、圧延後のフェライト粒を微細化する。さらに、溶接熱影響部( HAZ部)靱性を向上させる。これらの効果はREM 、Caとも0.0010%以上の添加で認められるが、REM 、Caともに、0.0200%を超えると、鋼の清浄性、母材靱性を低下させる。このため、REM 、Caともに、0.0010〜0.0200%の範囲とした。
【0023】
なお、上記した合金元素および各合金元素群から選ばれた1種または2種以上を複合して含有してもよいことはいうまでもない。
Ceq:0.36〜0.45%
Ceqは(1)式で定義される。
Ceq(%)=C+Si/24 +Mn/6+Ni/40 +Cr/5+Mo/4+V/14 ……(1)
Ceqが0.36%未満では、母材およびHAZ 軟化部での強度確保が困難となる。また、Ceqが0.45%を超えると溶接割れ感受性が増大しHAZ 部靱性が低下する。このため、Ceqを0.36〜0.45%の範囲に限定した。
【0024】
本発明の厚鋼板は、円相当径が0.05μm 以下 のTiN を1×103 個/mm以上、および円相当径が0.03〜0.2 μm のTiN を1×103 個/mm2 〜1×105 個/mm2 含有する。
TiN は、微細なほど、とくにその大きさが円相当径で0.05μm 以下の場合には、加熱保持時のオーステナイト粒の微細化に有効である。さらに、オーステナイト粒の微細化効果を十分に発揮させるためには、0.05μm 以下の大きさのTiN が1×103 個/mm2 以上必要である。このため、0.05μm 以下の大きさのTiN の個数を1×103 個/mm2 以上に限定した。
【0025】
また、TiN は、圧延後の冷却過程あるいは溶接時の高温からの冷却過程でフェライトの生成核となりフェライト粒の微細化に寄与する。TiN がフェライトの生成核となるためには、円相当径で0.03μm 以上の大きさとなることが必要である。しかし、TiN が円相当径で0.2 μm を超える大きさとなると、母材靱性およびHAZ 部靱性に悪影響を及ぼす。このため、TiN の大きさは円相当径で0.03〜0.2 μm の範囲とした。また、上記した大きさのTiN の個数が1×103 個/mm2 未満では、フェライト粒微細化の効果が不十分となり、TiN の個数が1×105 個/mm2 以上では母材靱性、HAZ 部靱性が劣化する。このため、円相当径で0.03〜0.2 μm のTiN の個数は1×103 個/mm2 〜1×105 個/mm2 の範囲に限定した。 本発明では、円相当径で0.05μm 以下の大きさのTiN の個数を1×103 個/mm2 以上とし、合わせてさらに、円相当径で0.03〜0.2 μm のTiN の個数は1×103 個/mm2 〜1×105 個/mm2 の範囲に限定することにより、飛躍的にフェライト粒の微細化が達成でき、母材および溶接熱影響部の靱性を大幅に向上させることができる。
【0026】
本発明の厚鋼板は上記した組成でかつ残部Feおよび不可避的不純物からなる。不純物として、O:0.010 %以下が許容できる。
つぎに、本発明の厚鋼板の製造方法について説明する。
上記した組成の鋼を転炉、電気炉等公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造法あるいは造塊法で凝固させ、鋼素材とする。
【0027】
鋼素材は、まず 1300〜1400℃の温度に加熱し、円相当径で0.05μm 以下のTiN を1×103 個/mm2 以上の密度で、さらに円相当径で0.03〜0.2 μm のTiN を1×103 個/mm2 〜1×105 個/mm2 の密度で析出させる。
加熱温度が1300℃未満では、TiN の成長が不十分で、上記した大きさ、個数のTiN を得ることができない。一方、1400℃を超えると、鋼素材が溶解する危険がある。このため、鋼素材の加熱温度 1300〜1400℃の温度範囲とした。また、この温度域における保持時間は、3〜10hrとするのが好ましい。hr未満では、TiN の成長が不十分である。一方、10hrを超えると鋼素材表層の脱炭が著しくなる。このため、鋼素材の加熱保持時間は3〜10hrとした。
【0028】
鋼素材は上記した条件で加熱保持されたのち、0.5 ℃/s以下の冷却速度で冷却し、室温まで徐冷されるのが望ましい。冷却速度が0.5 ℃/sを超えるとTiN の成長が不十分となりその後の処理でフェライトの微細化が図れない。
上記したTiN の析出処理を経た鋼素材は、ついで、1050℃以上、好ましくは1350℃以下の温度範囲に再加熱される。
【0029】
加熱温度が1050℃未満では、鋼素材の高温強度が高く、圧延荷重が高くなりすぎ、その後の圧延が困難となる。また、1350℃を超えると加熱炉原単位が低下するとともに、スケールロスの増加や、炉の改修頻度の増加を招く。このようなことから、再加熱温度は1050℃以上、好ましくは1350℃以下の温度範囲に限定した。
【0030】
上記温度範囲に加熱された鋼素材は、Ar3変態点以上、好ましくは1100〜950 ℃の温度範囲で1パス当たりの圧下率で5%以上の圧下を、累積圧下率で20%以上施される。
圧延温度範囲は、Ar3変態点以上とする。なお、好ましくは1100〜950 ℃の温度範囲である。圧延温度が1100℃を超えるとオーステナイト(γ)の再結晶微細化の効果が少なく、また、950 ℃未満ではγの再結晶が遅く、さらに集合組織の形成が著しくなり、音響異方性、残留応力、残留歪が顕著となる。また、Ar3変態点未満では、フェライトが加工され、母材靱性の劣化、材質の異方性が顕著となる。このため、加工は主としてAr3変態点以上とする。
【0031】
上記したγの部分再結晶温度域で、1パス当たりの圧下率で5%以上の圧下を繰り返し、累積圧下率で20%以上とすることにより、γの再結晶微細化が達成できる。γの再結晶微細化の観点からは、1パス当たりの圧下率は大きいほどよい。しかし、1パス当たりの圧下率で5%未満では、γの十分な微細化が達成できないため、1パス当たりの圧下率で5%以上に限定した。また、累積圧下率が20%未満ではγの再結晶微細化が不十分であるため、TiN 、VNによる組織微細化によっても最終組織が粗くなり靱性の低下を招く。このようなことから、累積圧下率は20%以上に限定した。なお、累積圧下率の上限はとくに限定しないが、圧延機の能力によって決まる。
【0032】
本発明では、上記したオーステナイト粒の微細化のための圧延後、さらに、Ar3変態点〜Ar1変態点の温度範囲で圧下率5%以上の圧下を施してもよい。
Ar3変態点〜Ar1変態点の温度範囲で加工を施すことにより、Ar3変態点以下で生成したフェライトが加工され、より高強度を得ることが可能となる。そのため、オーステナイトとフェライトの2相域で圧下率5%以上、好ましくは20%以下の圧下を施す。圧下率が5%未満では、2相域圧下の効果が少なく、一方、20%を超えると、フェライトが著しく加工され、音響異方性、残留応力、残留歪が顕著となる。このため、Ar3変態点〜Ar1変態点の温度範囲での圧下率は、5%以上好ましくは20%以下とする。
【0033】
圧延後、室温まで冷却する。
冷却は、とくに限定する必要はなく放冷でよいが、緩冷却、または緩冷却−高温冷停後室温まで5℃/s以上の冷却速度で冷却するのが好ましい。
本発明で、緩冷却とは、空冷以上3℃/s未満の冷却速度を有する冷却をいう。また、緩冷却−高温冷停とは、空冷以上3℃/s未満の冷却速度で冷却しAr3点以下Ar3点−100 ℃以上で冷却を停止し、その後5℃/s以上の冷却速度で室温まで急冷する。
【0034】
緩冷却の冷却速度が3℃/s以上では冷却中のVNの析出が抑制されるため、組織が粗大化するとともに、ベイナイト主体の組織となり靱性が低下する。
また、緩冷却の冷却停止温度がAr3点を超えて高いと、組織微細化が不十分となり、一方、Ar3点−100 ℃より低いと残留応力・残留歪が増大するため、冷却停止温度はAr3点以下Ar3点−100 ℃以上の範囲とするのが好ましい。
【0035】
さらに、緩冷却停止後、5℃/s以上の冷却速度で冷却するのが好ましく、これにより、フェライトの粒成長が抑制され、組織がさらに微細化し靱性が低下する。
なお、圧延終了温度がAr3点未満、あるいは(Ar3点−100 ℃)未満の場合には、圧延後の冷却は、室温まで放冷としてよいが、室温まで5℃/s以上の冷却速度で冷却するのが好ましい。
【0036】
【実施例】
表1に示す化学組成を有する鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法で200 〜270mm 厚のスラブとした。これらスラブを表2に示す熱処理条件でTiN を析出させたのち、冷却し、ついで、表2の示す圧延・冷却条件で板厚40〜60mmの厚鋼板とした。これら厚鋼板について、板厚1/4 部から引張試験片およびシャルピー衝撃試験片を採取し、引張特性、衝撃特性を調査した。
【0037】
また、これら厚鋼板の板厚1/4 部から圧延方向と直角方向に12t ×75×80mmの試験片を採取して、高周波加熱装置により入熱100kJ/cmのサブマージアーク溶接の粗粒域HAZ の受ける熱サイクル(最高加熱温度1400℃)を付与したのち、シャルピー衝撃試験片を採取し、0℃におけるシャルピー吸収エネルギー(E0 )を求めた。
【0038】
これらの結果を表2に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0004022958
【0040】
【表2】
Figure 0004022958
【0041】
【表3】
Figure 0004022958
【0042】
表2から、本発明例の厚鋼板は、引張強さ(TS)が500MPa以上の高強度でかつE0 が300 J以上、v Trsが−40℃以下の高靱性を有している。一方、本発明の範囲を外れる厚鋼板は、高強度を有しているが靱性が低い。とくに、化学組成が本発明の範囲であっても、TiN の大きさ、個数が本発明の範囲を外れる場合(鋼板No.17 〜No. 18)には、母材およびHAZ 部靱性が劣化している。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、高強度、高靱性で溶接性に優れた厚鋼板が容易に製造でき、従来、製造が困難であった建築構造物用柱梁材として適用が可能となり、用途拡大という産業上有益な効果を奏する。

Claims (14)

  1. 量%で、
    C:0.01〜0.18%(但し 0.12 %以下を除く)、 Si:0.02〜0.60%、
    Mn:0.60〜2.00%、 P:0.030 %以下、
    S:0.015 %以下、 Al:0.005 〜0.100 %、
    Ti:0.005 〜0.30%、 N:0.0050〜0.0200%
    を含み、さらにCu 0.02 1.50 %、 Ni 0.02 0.60 %、 Cr 0.05 0.50 %、 Mo 0.02 0.50 %、 Nb 0.003 0.030 %から選ばれた1種または2種以上を含有し、 Ti /N: 4.0 12.0 下記(1)式で定義されるCeqが0.36〜0.45%で、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成で、かつ円相当径が0.05μm 以下のTiN が1×103 個/mm2 以上、円相当径が0.03〜0.2 μm のTiN を1×103 個/mm2 以上1×105 個/mm2 未満含有することを特徴とする溶接熱影響部靱性に優れた高靱性厚鋼板。

    Ceq(%)=C+Si/24 +Mn/6+Ni/40 +Cr/5+Mo/4+V/14 ……(1)
  2. 前記組成に加えて、さらに質量%で、V:0.03〜0.15%を含有することを特徴とする請求項1に記載の高靱性厚鋼板。
  3. 質量%で、
    C: 0.01 0.18 %(但し 0.12 %以下を除く)、 Si 0.02 0.60 %、
    Mn 0.60 2.00 %、 P: 0.030 %以下、
    S: 0.015 %以下、 Al 0.005 0.100 %、
    Ti 0.005 0.30 %、 N: 0.0050 0.0200
    を含み、さらにV:0.03〜0.15%を含有し、 Ti /N: 4.0 12.0 、下記(1)式で定義されるC eq 0.36 0.45 %で、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成で、かつ円相当径が 0.05 μ m 以下の TiN が1× 10 3 個/ mm 2 以上、円相当径が 0.03 0.2 μ m TiN を1× 10 3 個/ mm 2 以上1× 10 5 個/ mm 2 未満含有することを特徴とする溶接熱影響部靱性に優れた高靱性厚鋼板。

    eq (%)=C+ Si/24 Mn/6 Ni/40 Cr/5 Mo/4 +V /14 ……(1)
  4. 前記組成に加えて、さらに質量%で、B:0.0002〜0.0020%、REM :0.0010〜0.0200%、Ca:0.0010〜0.0100%から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高靱性厚鋼板。
  5. 量%で、
    C:0.01〜0.18%(但し 0.12 %以下を除く)、 Si:0.02〜0.60%、
    Mn:0.60〜2.00%、 P:0.030 %以下、
    S:0.015 %以下、 Al:0.005 〜0.100 %、
    Ti:0.005 〜0.30%、 N:0.0050〜0.0200%
    を含み、さらにCu 0.02 1.50 %、 Ni 0.02 0.60 %、 Cr 0.05 0.50 %、 Mo 0.02 0.50 %、 Nb 0.003 0.030 %から選ばれた1種または2種以上を含有し、 Ti /N: 4.0 12.0 下記(1)式で定義されるCeqが0.36〜0.45%で、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材を、1300 1400 の温度で3〜 10 r 加熱保持したのち、冷却し、ついで、1050℃以上の温度範囲に再加熱して、Ar3変態点以上の温度範囲で1パス当たりの圧下率で5%以上の圧下を累積圧下率で20%以上施しのち、室温まで冷却することを特徴とする溶接熱影響部靱性に優れた高靱性厚鋼板の製造方法。

    Ceq(%)=C+Si/24 +Mn/6+Ni/40 +Cr/5+Mo/4+V/14 ……(1)
  6. 量%で、
    C:0.01〜0.18%(但し 0.12 %以下を除く)、 Si:0.02〜0.60%、
    Mn:0.60〜2.00%、 P:0.030 %以下、
    S:0.015 %以下、 Al:0.005 〜0.100 %、
    Ti:0.005 〜0.30%、 N:0.0050〜0.0200%
    を含み、さらにCu 0.02 1.50 %、 Ni 0.02 0.60 %、 Cr 0.05 0.50 %、 Mo 0.02 0.50 %、 Nb 0.003 0.030 %から選ばれた1種または2種以上を含有し、 Ti /N: 4.0 12.0 下記(1)式で定義されるCeqが0.36〜0.45%で、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材を、1300 1400 の温度で3〜 10 r 加熱保持したのち、冷却し、ついで、1050℃以上の温度範囲に再加熱して、Ar3変態点以上の温度範囲で1パス当たりの圧下率で5%以上の圧下を累積圧下率で20%以上施し、さらにAr3変態点〜Ar1変態点の温度範囲で圧下率5%以上の圧下を施したのち、室温まで冷却することを特徴とする溶接熱影響部靱性に優れた高靱性厚鋼板の製造方法。

    Ceq(%)=C+Si/24 +Mn/6+Ni/40 +Cr/5+Mo/4+V/14 ……(1)
  7. 前記組成に加えて、さらに量%で、V:0.03〜0.15%を含有することを特徴とする請求項5または6に記載の高靱性厚鋼板の製造方法。
  8. 量%で、
    C: 0.01 0.18 %(但し 0.12 %以下を除く)、 Si 0.02 0.60 %、
    Mn 0.60 2.00 %、 P: 0.030 %以下、
    S: 0.015 %以下、 Al 0.005 0.100 %、
    Ti 0.005 0.30 %、 N: 0.0050 0.0200
    を含み、さらにV:0.03〜0.15%を含有し、 Ti /N: 4.0 12.0 、下記(1)式で定義されるC eq 0.36 0.45 %で、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成の鋼素材を、 1300 1400 ℃の温度で3〜 10 r 加熱保持したのち、冷却し、ついで、 1050 ℃以上の温度範囲に再加熱して、A r 3 変態点以上の温度範囲で1パス当たりの圧下率で5%以上の圧下を累積圧下率で 20 %以上施したのち、室温まで冷却することを特徴とする溶接熱影響部靱性に優れた高靱性厚鋼板の製造方法。

    eq (%)=C+ Si/24 Mn/6 Ni/40 Cr/5 Mo/4 +V /14 ……(1)
  9. 質量%で、
    C: 0.01 0.18 %(但し 0.12 %以下を除く)、 Si 0.02 0.60 %、
    Mn 0.60 2.00 %、 P: 0.030 %以下、
    S: 0.015 %以下、 Al 0.005 0.100 %、
    Ti 0.005 0.30 %、 N: 0.0050 0.0200
    を含み、さらにV:0.03〜0.15%を含有し、Ti /N: 4.0 12.0 、下記(1)式で定義されるC eq 0.36 0.45 %で、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成の鋼素材を、 1300 1400 ℃の温度で3〜 10 r 加熱保持したのち、冷却し、ついで、 1050 ℃以上の温度範囲に再加熱して、A r 3 変態点以上の温度範囲で1パス当たりの圧下率で5%以上の圧下を累積圧下率で 20 %以上施し、さらにA r 3 変態点〜A r 1 変態点の温度範囲で圧下率5%以上の圧下を施したのち、室温まで冷却することを特徴とする溶接熱影響部靱性に優れた高靱性厚鋼板の製造方法。

    eq (%)=C+ Si/24 Mn/6 Ni/40 Cr/5 Mo/4 +V /14 ……(1)
  10. 前記組成に加えて、さらに量%で、B:0.0002〜0.0020%、REM :0.0010〜0.0200%、Ca:0.0010〜0.0100%から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項5ないしのいずれかに記載の高靱性厚鋼板の製造方法。
  11. 量%で、
    C:0.01〜0.18%(但し 0.12 %以下を除く)、 Si:0.02〜0.60%、
    Mn:0.60〜2.00%、 P:0.030 %以下、
    S:0.015 %以下、 Al:0.005 〜0.100 %、
    Ti:0.005 〜0.30%、 N:0.0050〜0.0200%
    を含み、さらにCu 0.02 1.50 %、 Ni 0.02 0.60 %、 Cr 0.05 0.50 %、 Mo 0.02 0.50 %、 Nb 0.003 0.030 %から選ばれた1種または2種以上を含有し、 Ti /N: 4.0 12.0 下記(1)式で定義されるCeqが0.36〜0.45%で、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材を、1300 1400 ℃の温度で3〜 10 r 加熱保持したのち、冷却することを特徴とする高靱性厚鋼板用圧延素材の製造方法。
  12. 前記組成に加えて、さらに量%で、V:0.03〜0.15%を含有することを特徴とする請求項11 記載の圧延素材の製造方法。
  13. 質量%で、
    C: 0.01 0.18 %(但し 0.12 %以下を除く)、 Si 0.02 0.60 %、
    Mn 0.60 2.00 %、 P: 0.030 %以下、
    S: 0.015 %以下、 Al 0.005 0.100 %、
    Ti 0.005 0.30 %、 N: 0.0050 0.0200
    を含み、さらにV: 0.03 0.15 %を含有し、 Ti /N: 4.0 12.0 、下記(1)式で定義されるC eq 0.36 0.45 %で、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成の鋼素材を、 1300 1400 ℃の温度で3〜 10 r 加熱保持したのち、冷却することを特徴とする高靱性厚鋼板用圧延素材の製造方法。
  14. 前記組成に加えて、さらに量%で、B:0.0002〜0.0020%、REM :0.0010〜0.0200%、Ca:0.0010〜0.0100%から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の圧延素材の製造方法。
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