JP4611900B2 - ダスト除去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス基板等のワークに付着したダストを除去するダスト除去装置に関するものである。
従来、搬送されるワークに回転ブラシを接触させて、ワークに付着したダストを掻き出すように除去するダスト除去装置が知られている(例えば特許文献1及び2参照。)。特許文献2に記載のダスト除去装置は、回転専用のモータで回転ブラシをその軸心回りに回転させながら、さらに進退専用のモータで回転ブラシをその軸方向に進退させることで、ダスト除去効果を高めている。回転ブラシを進退させる機構としては、往復スライダクランク機構が用いられている。
特開2003−334499号公報 特開2005−211722号公報(第3図)
しかし、従来のダスト除去装置は、往復スライダクランク機構の設置スペースが広く、小型化が困難であった。また、回転ブラシの回転及び進退のために二つの専用のモータを設けており、装置全体の大型化及びコストアップとなっていた。
本発明は、ダスト除去を効果的に行えることはもちろんのこと、装置全体を小型化及びコストダウンすることが可能なダスト除去装置を提供することをその目的としている。
本発明のダスト除去装置は、ワークに付着したダストを除去する回転ブラシと、回転ブラシの軸方向に交差する方向にワークを搬送するワーク搬送手段と、ワーク搬送手段に同期して、回転ブラシをその軸心を中心に回転させるブラシ回転手段と、ワーク搬送手段に同期して、回転ブラシをその軸方向に進退させるブラシ進退手段と、を備えたダスト除去装置において、ブラシ回転手段及びブラシ進退手段の共通の駆動源となるモータを備え、ブラシ回転手段は、モータの動力を回転ブラシの回転運動として回転ブラシに伝達する動力伝達手段を有し、ブラシ進退手段は、モータの動力を回転ブラシの進退運動に変換して回転ブラシに伝達する動力伝達手段を有するものである。
この構成によれば、一つのモータで回転ブラシの回転用と進退用とを兼ねているので、それぞれ専用のモータを設ける場合に比べて、装置全体の小型化及びコストダウンを図ることができる。
ここで、ワークの種類としては、例えば、印刷配線板、液晶ガラス基板、フレキシブル基板、セラミック基板、プラスチック板、液晶表示パネル、真空トレー、レンズ、導光板、フィルム、および紙等が挙げられる。ワークの外形形状は、矩形形状であってもよいし、ウエハのような後述する円盤形状であってもよい。
好ましくは、ブラシ進退手段の動力伝達手段はカム機構を有し、カム機構は、カムフォロアと、カムフォロアが案内されるカム部を有すると共に、モータの動力により回転する円筒カムと、を備える。円筒カムは、回転ブラシと一体的に同軸で回転し且つ進退するように、回転ブラシに連結される。カムフォロアは、モータが回転したときに円筒カムの回転を許容しながらその回転を円筒カムの進退運動に変換するように、不動の位置に固定される。
この構成によれば、モータが回転すると、回転ブラシ及び円筒カムが回転しつつ、カムフォロアによって円筒カムが回転ブラシと一体的に進退する。このように、円筒カムを用いたカム機構という簡易な機構により、単一のモータで回転ブラシの回転と進退とを行うことができる。なお、カム部は、円筒カムの周面に形成された溝であってもよいし、円筒カムの周面に取り付けられた突起であってもよい。
より好ましくは、ダスト除去装置は、カムフォロアを不動の位置に固定するベースと、円筒カムと回転ブラシとを連結してこれらと一体的に回転し且つ進退する回転軸と、を更に備える。回転軸は、円筒カムの内部に挿通されてこれに固定され、且つ、円筒カムの内部から軸方向外側に出た部位がベースに回転可能に且つ進退可能に支持される。
この構成によれば、カムフォロアを固定するベースを有効に利用して、回転軸を回転可能に且つ進退可能に支持できると共に、この支持された回転軸を介して円筒カムを回転可能に支持した状態にできる。
この場合、回転軸は、互いに同軸に配設された二つの回転軸からなり、二つの回転軸は、円筒カムの内部に挿通されてこれに固定されていることが、好ましい。
この構成によれば、回転軸を二つの回転軸とすることで、回転軸、円筒カム及び回転ブラシの組立て易さを高め得る。また、二つの回転軸を円筒カムの内部に固定しているため、円筒カムを有効に利用して、二つの回転軸を連結するカップリングとして機能させることができる。
本発明に到達した別の観点からすれば、本発明のダスト除去装置は、搬送されるワークのみならず、回転されるワークにも適用することができる。
すなわち、ダスト除去装置は、円盤状のワークの表面に付着したダストを除去する回転ブラシと、ワークをその軸心を中心に回転させるワーク回転手段と、ワーク回転手段に同期して、回転ブラシをその軸心を中心に回転させるブラシ回転手段と、ワーク回転手段に同期して、ワークの径方向に回転ブラシを進退させるブラシ進退手段と、ブラシ回転手段及びブラシ進退手段の共通の駆動源となるモータと、を備え、ブラシ回転手段は、モータの動力を回転ブラシの回転運動として回転ブラシに伝達する動力伝達手段を有し、ブラシ進退手段は、モータの動力を回転ブラシの進退運動に変換して回転ブラシに伝達する動力伝達手段を有するものであってもよい。
なお、円盤状のワークとしては、例えばウエハや、CD(Compact Disk)等のディスク媒体等が挙げられる。
本発明のダスト除去装置によれば、ダスト除去を効果的に行え、装置全体を小型化及びコストダウンすることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係るダスト除去装置について説明する。このダスト除去装置は、各種の基板をワークとして、ワークの表面(上面)に付着したゴミ、塵、埃等の塵埃をブラシにより除去するものである。以下では、この種の塵埃の総称を「ダスト」として説明する。
<第1実施形態>
図1は、ダスト除去装置の要部を示す正面図であり、図2は、ダスト除去装置の要部を示す平面図である。
ダスト除去装置1は、図示省略した架台上の下ベース2を有し、下ベース2の上側には、ワークW(基板)に対しダスト除去動作を行うワーク処理エリアが構成されている。
ワークWの種類としては、例えば、印刷配線板、液晶ガラス基板、フレキシブル基板、セラミック基板、プラスチック板、液晶表示パネル、真空トレー、レンズ、導光板、フィルム、および紙等が挙げられる。ここでは、全体として外形が矩形のワークWが用いられている。
下ベース2には、左右に離間して配置された第1支持スタンド3と第2支持スタンド4とが配設されている。第1支持スタンド3と第2支持スタンド4との間の上部には、これらに架け渡されるように上ベース5が位置している。上ベース5は、左右方向に延在する本体ベース51を有する。本体ベース51の下面には、右垂直ベース52、中央垂直ベース53及び左垂直ベース54が垂下している。右垂直ベース52及び左垂直ベース54は、第1支持スタンド3及び第2支持スタンド4に対して上下方向にスライド可動に構成されている。
第1支持スタンド3及び第2支持スタンド4は、それぞれ、上端部に取り付けられた高さ調整機構6、6を有している。高さ調整機構6,6は、右垂直ベース52及び左垂直ベース54を介して、上ベース5を上下方向に移動させる。これにより、上ベース5に組み付けられた各種部品(例えば後述する回転ブラシ11)は、ワークWの厚みに対応して、上下方向の位置を調整できるようになっている。
ワーク処理エリアには、ワークWに付着したダストを除去する回転ブラシ11と、ワークWを一方向に搬送するワーク搬送手段12と、ワーク搬送手段12に同期して、回転ブラシ11をその軸心を中心に回転させるブラシ回転手段13と、ワーク搬送手段12に同期して、回転ブラシ11をその軸方向に進退させるブラシ進退手段14と、が配設されている。ブラシ回転手段13及びブラシ進退手段14は、共通の駆動源となるモータ15を備えている。
回転ブラシ11の軸方向、すなわち回転ブラシ11の進退方向は、ワークWの搬送方向と直交している。ただし、これら両方向は90度以外の角度で交差してもよい。
ダスト除去装置1によるダスト除去動作は、搬送されるワークWの一部に回転ブラシ11を上側から転動させつつ、この回転ブラシ11を軸方向に進退させることで行われる。これによって、ワークWは、その表面全域に亘ってダストが除去される。なお、ダスト除去動作中は、図示省略したブローによりワークWにエアーが吹き付けられ、吹き付けられたエアーがダストと共にワーク処理エリア外に吸引排出されるようになっている。
回転ブラシ11は、いわゆる導電ブラシからなり、略円柱からなるブラシ本体の周面に、例えば数10μm程度の直径を有する導電性繊維が植毛されている。回転ブラシ11は、その植毛部分がワークWの表面に転接して、ワークWの表面に付着したダストを掻き出すように除去すると共にワークWの表面の静電気を除電する。
回転ブラシ11は、上記の高さ調整機構6,6により高さ(ギャップ)を調整され、ワークWの異なる厚みに対応可能に構成されている。また、回転ブラシ11は、幅の広いワークWに対応できるように左右方向に長く延在している。そして、回転ブラシ11の突起状の右端部41には、ブラシ回転手段13の回転動力が入力され、回転ブラシ11突起状の左端部42には、ブラシ進退手段14の往復運動の動力が入力される。右端部41及び左端部42は、回転ブラシ11の軸心に位置している。
ワーク搬送手段12は、搬送されるワークWの両側面をガイドする左右一対のガイド34,34を有している。ワーク搬送手段12は、図示省略したが、ワークWの両端下部を支持しながらこれを搬送する一対のベルトコンベアと、各ベルトコンベアを駆動する駆動モータと、を有している。一対のベルトコンベアは、ワークWを上方の回転ブラシ11に臨ませ、ワークWを回転ブラシ11に接触させながらここを通過させるように搬送する。
ワーク搬送手段12は、下ベース2上に設置した前後一対のレール36,36等からなるワーク幅調整機構を有している。ワーク幅調整機構により、一対のベルトコンベアは、幅の異なる各種のワークWを一対のガイド34,34で案内しながら搬送できる。
モータ15は、整流子・ブラシ付きのDCモータやステッピングモータで構成されている。モータ15の出力軸61は、回転ブラシ11と同軸となっており、後述する動力伝達手段70を介して回転ブラシ11の軸心に連結されている。モータ15は、ダスト除去動作の際に、ワーク搬送手段12の駆動モータに同期して回転する。
モータ15は、ブラケット63に取り付けられ、ブラケット63は、第1支持スタンド3を貫通するようにして上ベース5の右垂直ベース52に固定されている。このため、上ベース5がギャップ調整のために上下動した場合には、モータ15及び回転ブラシ11が一体に上下動するようになっている。
図3は、図1に示すダスト除去装置1の主要部を拡大して模式的に示す断面図である。
ブラシ回転手段13は、モータ61の動力を回転ブラシ11の回転運動として回転ブラシ11に伝達する動力伝達手段70を備えている。
ブラシ進退手段14は、モータ61の動力を回転ブラシ11の進退運動に変換して回転ブラシ11に伝達する動力伝達手段80を備えている。
動力伝達手段70は、モータ15の出力軸61に連結された主軸72と、主軸72と一体に形成されたスプラインボス73と、スプラインボス73に嵌合するスプライン軸74と、で構成されている。スプラインボス73は、ベアリング76を介して上ベース5の右垂直ベース52に回転可能に支持されている。スプライン軸74は、カップリグ77を介して回転ブラシ11の右端部41に連結されている。
スプラインボス73及びスプライン軸74からなる角形スプラインは、モータ15の回転により一体となって回転する。この角形スプラインにより、モータ15の回転力が伝達された回転ブラシ11は回転すると共に、その回転中においてブラシ進退手段14による回転ブラシ11の軸方向の進退が許容される。なおもちろん、角形スプラインに代えてボールスプラインを用いてもよい。
動力伝達手段80は、円筒カム81及びカムフォロア82を備えたカム機構を有する。円筒カム81の周面には、カムフォロア82が案内されるカム溝(カム部)83が形成されている。なお、カム溝83に代えて、円筒カム81の周面にカムフォロア82を案内する突起を設けてもよい。
円筒カム81は、回転ブラシ11と同軸に配設されている。円筒カム81の軸心の内部には、回転軸91が挿通されている。回転軸91は、互いに同軸に配設された二つの回転軸91a、91bからなり、二つの回転軸91a,91bは、円筒カム81の内部でこれに固定されている。すなわち、円筒カム81は、カップリングとしても機能し、二つの回転軸91a,91bを連結している。
回転軸91aは、一端が円筒カム81の内部に右側から挿入されてこれに固定され、他端がカップリング92を介して回転ブラシ11の左端部42に連結されている。また、円筒カム81の内部から軸方向外側に出た回転軸91aの中間部は、ブッシュ93を介して中央垂直ベース53に回転可能に且つ進退可能に支持されている。
回転軸91bは、一端が円筒カム81の内部に左側から挿入されてこれに固定されている。また、回転軸91bは、円筒カム81の内部から軸方向外側に出た他端側の部位がブッシュ94を介して左垂直ベース54に回転可能に且つ進退可能に支持されている。なお、ブッシュ94に挿通された回転軸91bの他端は、第2支持スタンド4を貫通可能に構成されている。
このような構成により、回転軸91(回転軸91a,91b)は、円筒カム81と回転ブラシ11とを連結し、これらと一体的に回転し且つ進退するようになっている。本実施形態のように、回転軸91を二つの回転軸91a,91bで構成することで、回転軸91、円筒カム81及び回転ブラシ11が組立て易くなる。
具体的には、円筒カム81を中央垂直ベース53と左垂直ベース54との間に配置し、これら垂直ベース53、54にブッシュ93、94を介して回転軸91を支持させる際の作業性を高めることができる。また、回転ブラシ11と回転軸91とをカップリング92で連結する際の作業性を高めることができる。なお、中央垂直ベース53及び左垂直ベース54は、ブッシュ93、94を保持するためのブッシュホルダとして機能し、本体ベース51と一体又は別体で構成される。
カムフォロア82は、ピン状からなる。カムフォロア82は、本体ベース51の下面に固定された取付け具101に下向きに取り付けられている。これにより、カムフォロア82は、モータ15が回転したとしても動かないように、不動の位置に固定されている。モータ15が回転したときには、カムフォロア82は、カム溝83に案内されて円筒カム81の回転を許容しながらその回転を円筒カム81の進退運動に変換する。
つまり、モータ15が回転すると、固定位置にあるカムフォロア82によって、円筒カム81及び回転ブラシ11が一体的に軸方向に進退しながら回転する。そして、本実施形態のカム溝83は、円筒カム81の回転数と進退方向の振幅数(往復回数)とが同じになるように設定されており、円筒カム81及び回転ブラシ11は、一回転するごとに進退方向の往復運動を一回行うようになっている。
ここで、円筒カム81及びカムフォロア82の材質としては、硬質の樹脂や各種の金属を適用することができる。例えば、円筒カム81及びカムフォロア82の両方をナイロンなどのプラスチックで形成してもよく、一方をステンレスなどの金属で形成してもよい。材質にプラスチックを用いれば、装置の作動音を低下することができる。もっとも、カム溝83の磨耗の抑制という観点からすれば、円筒カム81及びカムフォロア82の両方をステンレスとすることが好ましい。
図4は、回転ブラシ11の進退運動を時間的に示す図であり、図3と同様の模式断面図である。
図4(a)に示す初期状態において、モータ15が1/4回転すると、回転ブラシ11及び円筒カム81は、回転しながら左方向に進出し、図4(b)に示す位置へと移動する。モータ15がさらに1/4回転すると、回転ブラシ11及び円筒カム81は、回転しながら左方向に最大限進出し、図4(c)に示す位置へと移動する。そして、モータ15がさらに1/2回転すると、回転ブラシ11及び円筒カム81は、回転しながら右方向に進出を開始して図4(d)に示す位置を経た後、右方向に最大限進出して図4(a)に示す位置に戻る。
以上のように、本実施形態のダスト除去装置1によれば、搬送されていくワークWに対し、その表面に回転ブラシ11を転接させながら且つ回転ブラシ11をその軸方向に進退させているため、ワークWに付着したダストを好適に除去できる。特に、回転ブラシ11の進退数(往復回数)をその回転数と同じにすることができ、ダスト除去効果を高め得る。
また、一つのモータ15で回転ブラシ11の回転と進退とを行うことができるので、回転用及び進退用に専用モータを設ける場合に比べて、モータ数を削減でき、コストダウンできる。さらに、円筒カム81を含むカム機構を採用しているため、回転ブラシ11を進退させるのに簡易な機構とでき、設置スペースの低減及び装置全体の小型化を図ることができる。
なお、本実施形態のワークWを搬送する構成に代えて、ワークWを所定位置に不動状態でセットしておき、これに対し回転ブラシ11を進退させながら且つその進退方向に直交する方向に回転ブラシ11を移動させるようにしてもよい。この場合には、例えば、ブラシ回転手段13及びブラシ進退手段14を一体に支持する移動ベースを設け、ブラシ回転手段13及びブラシ進退手段14に同期して、この移動ベースをボールねじ駆動等により一方向に(上記したワークWの搬送方向に)移動させるようにすればよい。
参考例
次に、図5を参照して、参考例に係る本発明のダスト除去装置1について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。第1実施形態との主な相違点は、ブラシ進退手段14の動力伝達手段80の構成を変更したことである。なお、回転ブラシ11、ワーク搬送手段12、ブラシ回転手段13及びモータ15は第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
動力伝達手段80は、円筒カム121及びカムフォロア122を備えたカム機構を有する。円筒カム121の周面には、カムフォロア122が案内されるカム溝(カム部)123が形成されている。なお、カム溝123に代えて、円筒カム121の周面にカムフォロア122を案内する突起を設けてもよい。
円筒カム121は、その軸方向が回転ブラシ11の軸方向と平行に設けられている。円筒カム121の軸心の内部には、支持軸130が挿通されている。支持軸130は、中央鉛直ベース53及び左鉛直ベース54の下側部分に回転可能に保持されている。支持軸130の一端には、支持軸130を回転するための動力を入力するギア140が固着されている。
モータ15の出力軸61には、ドライブギア141が固着されている。ドライブギア141は、例えば三つのギア142,143,144からなるギア列、伝達軸145及びギア146を介して、このギア146に噛合するギア140に動力を伝達する。このような構成により、円筒カム121は、モータ15の動力によって回転するようになっている。
カムフォロア122は、取付け具101を介して進退軸150に取り付けられている。進退軸150は、回転ブラシ11と同軸に位置し、左右方向に延在している。進退軸150の一端側の部位は、ブッシュ94を介して左垂直ベース54に進退可能に支持されている。進退軸150の他端は、継ぎ手部160に連結されている。
継ぎ手部160は、進退軸150と回転軸170とを同軸に連結するものであり、回転軸170から進退軸150への回転力の伝達を遮断するように構成されている。すなわち、回転軸170が回転したとしても、進退軸150は回転しないようになっている。一方、進退軸150が左右方向に進退した場合には、回転軸170は、継ぎ手部160及び進退軸150と一体的に左右方向に進退するようになっている。
回転軸170は、一端が継ぎ手部160に連結され、他端がカップリング92に連結されている。カップリング92には、回転ブラシ11の左端部42が連結されている。また、回転軸170の中間部分は、ブッシュ93を介して中央垂直ベース53に回転可能に且つ進退可能に支持されている。
以上の構成により、モータ15が回転したときには、回転ブラシ11、回転軸170及び円筒カム121が回転する。このとき、カムフォロア122がカム溝123に案内されることにより、カムフォロア122及び進退軸150が左右方向に進退する。この進退運動が、継ぎ手部160及び回転軸170等を介して回転ブラシ11に伝達される。これにより、モータ15が回転したときには、回転ブラシ11は、回転しながら、カムフォロア122と一体的に進退する。
したがって、参考例のダスト除去装置1によっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。特に、参考例によれば、各種のギア(140,141,142,143,144,146)のギア比の設定により、回転ブラシ11の回転数と進退方向の振幅数(往復回数)とを可変することができ、両者を違う回数にも設定できる。なお、円筒カム121及びカムフォロア122の材質は、第1実施形態と同様のものを適用することができる。
<第実施形態>
次に、図6を参照して、第実施形態に係る本発明のダスト除去装置1について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態に用いられるワークWは、その外形形状が円盤状のものであり、例えば、シリコン半導体ウエハやCD(Compact Disk)等のディスク媒体である。そのため、第実施形態では、第1実施形態のワーク搬送手段12に代えて、ワークWをその軸心173回りに回転させるワーク回転手段171を備えている。なお、ワークW及びワーク回転手段171以外の他の構成は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
ワーク回転手段171は、いずれも図示省略したが、ワークWの中心軸173と同軸上に配置された回転シャフトと、回転シャフトの先端部に取り付けられた回転テーブルとを有し、回転テーブル上にワークWが載置可能に構成されている。そして、ワーク回転手段171の上方に回転ブラシ11が配置され、回転ブラシ11に上記したブラシ回転手段13及びブラシ進退手段14が接続されている。また、ブラシ回転手段13及びブラシ進退手段14が共通の駆動源となるモータ15を備えている。
本実施形態のダスト除去装置1によるダスト除去動作では、ワーク回転手段171によるワークWの回転に同期してモータ15が回転する。これにより、回転中のワークWに対し、回転ブラシ11が軸心を中心に回転しながら且つその軸方向に進退し、その際、回転ブラシ11がワークWに接触してワークWの表面に付着したダストを除去する。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記各実施形態では、回転ブラシ11をワークWの表面に直接接触させるようにしているが、回転ブラシ11がワークWの表面に対し非接触の状態、すなわち回転ブラシ11がワークWの表面に僅かな間隙を存して近接する場合であっても、回転ブラシ11によりワークWの表面のダストを除去することができる。
実施形態1に係るダスト除去装置の正面図である。 図1に示すダスト除去装置の平面図である。 図1に示すダスト除去装置の主要部を拡大して模式的に示す断面図である。 図3と同様の模式断面図であり、それぞれ、(a)初期状態の図、(b)初期状態からモータが1/4回転したときの図、(c)初期状態からモータが2/4回転したときの図、(d)初期状態からモータが3/4回転したときの図、である。 参考例に係るダスト除去装置の主要部を拡大して模式的に示す断面図である。 実施形態に係るダスト除去装置の主要部を拡大して模式的に示す断面図である。
符号の説明
1・・・ダスト除去装置、5・・・ベース、11・・・回転ブラシ、12・・・ワーク搬送手段、13・・・ブラシ回転手段、14・・・ブラシ進退手段、15・・・モータ、70・・・動力伝達手段、80・・・動力伝達手段、81・・・円筒カム、82・・・カムフォロア、83・・・カム溝、91・・・回転軸、91a,91b・・・回転軸、W・・・ワーク

Claims (3)

  1. ワークに付着したダストを除去する回転ブラシと、
    前記回転ブラシの軸方向に交差する方向に前記ワークを搬送するワーク搬送手段と、
    前記ワーク搬送手段に同期して、前記回転ブラシをその軸心を中心に回転させるブラシ回転手段と、
    前記ワーク搬送手段に同期して、前記回転ブラシをその軸方向に進退させるブラシ進退手段と、
    を備えたダスト除去装置において、
    前記ブラシ回転手段及び前記ブラシ進退手段の共通の駆動源となるモータを備え、
    前記ブラシ回転手段は、前記モータの動力を前記回転ブラシの回転運動として当該回転ブラシに伝達する動力伝達手段を有し、
    前記ブラシ進退手段は、前記モータの動力を前記回転ブラシの進退運動に変換して当該回転ブラシに伝達する動力伝達手段を有し、
    前記ブラシ進退手段の動力伝達手段は、カム機構を有し、
    前記カム機構は、
    カムフォロアと、
    前記カムフォロアが案内されるカム部を有すると共に、前記モータの動力により回転する円筒カムと、を備え、
    前記円筒カムは、前記回転ブラシと一体的に同軸で回転し且つ進退するように、当該回転ブラシに連結され、
    前記カムフォロアは、前記モータが回転したときに前記円筒カムの回転を許容しながらその回転を当該円筒カムの進退運動に変換するように、不動の位置に固定されている、ダスト除去装置。
  2. 前記カムフォロアを前記不動の位置に固定するベースと、
    前記円筒カムと前記回転ブラシとを連結し、これらと一体的に回転し且つ進退する回転軸と、を更に備え、
    前記回転軸は、前記円筒カムの内部に挿通されてこれに固定され、且つ、当該円筒カムの内部から軸方向外側に出た部位が前記ベースに回転可能に且つ進退可能に支持されている、請求項に記載のダスト除去装置。
  3. 前記回転軸は、互いに同軸に配設された二つの回転軸からなり、
    前記二つの回転軸は、前記円筒カムの内部に挿通されてこれに固定されている、請求項に記載のダスト除去装置。
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