JP2007200914A - 部品実装ヘッドおよび部品実装装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品吸着ノズルのピッチを小さくしても、部品吸着ノズルの押圧力や位置などを精度良く制御することができる、部品実装ヘッドおよびそれを備えた部品実装装置を提供する。
【解決手段】それぞれ、軸21と、軸21を軸方向に駆動するボイスコイルモータ30a〜30dと、軸21の軸方向の駆動に連動して移動する部品吸着ノズル22とを含む、複数組の部品保持ユニット20を備える。各組の部品保持ユニット20の軸21は、互いに略平行に配置される。隣り合う軸21をそれぞれ駆動するボイスコイルモータ30a〜30dは、軸21の軸方向に交互にずらして配置されている。
【選択図】図1
【解決手段】それぞれ、軸21と、軸21を軸方向に駆動するボイスコイルモータ30a〜30dと、軸21の軸方向の駆動に連動して移動する部品吸着ノズル22とを含む、複数組の部品保持ユニット20を備える。各組の部品保持ユニット20の軸21は、互いに略平行に配置される。隣り合う軸21をそれぞれ駆動するボイスコイルモータ30a〜30dは、軸21の軸方向に交互にずらして配置されている。
【選択図】図1
Description
本発明は部品実装ヘッドおよび部品実装装置に関し、詳しくは、ボイスコイルモータで駆動する部品実装ヘッドおよびそれを備えた部品実装装置に関する。
例えば電子部品を回路基板上に実装するために用いる部品実装ヘッドは、電子部品を着脱自在に吸着する部品吸着ノズルを複数備えることによって、部品を効率良く実装することができる。
例えば図8に示す部品実装ヘッドは、ハウジング111の下面から、一列に揃えて配置された複数の部品吸着ノズル(図示せず)が突出するようになっている。部品吸着ノズルは、それぞれ、不図示のリンク機構を介して機械的に結合されたボイスコイルモータ114の駆動によって、昇降する。各ボイスコイルモータ114の駆動量は、直線位置検出器117で検出される。各ボイスコイルモータ114は、部品吸着ノズルと間隔を設けて平行に2列に分けて配置されている。すなわち、部品吸着ノズルを含みハウジング111の略中央を通る垂直面の両側に、部品吸着ノズルを駆動するボイスコイルモータ114が交互に配置されている。このようにボイスコイルモータ114を千鳥状に配置することによって、部品吸着ノズルのピッチを小さくしても、隣接する部品吸着ノズルを駆動するボイスコイルモータ114同士が干渉しないようになっている。部品吸着ノズルは、それぞれ、不図示のスピンドルユニットの下端に設けられている。各スピンドルユニットの上端にはピニオン116が設けられ、ピニオン116に係合するラック115の直進駆動によって、部品吸着ユニットが回動するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−280194号公報
部品実装装置は、電子部品の小型化に伴い実装作業の効率化を図るため、部品吸着ノズルのピッチを小さくすることが考えられる。
しかし、単純に部品吸着ノズルのピッチを小さくすると、各部品吸着ノズルを駆動するボイスコイルモータ同士が接近する。ボイスコイルモータは、軸の周りにマグネットとコイルが配置され、コイルに通電することによって駆動するため、ボイスコイルモータ同士を近づけ過ぎると、磁界の干渉によってコイル通電時のスラスト力が変動するなどの悪影響が生じ、部品吸着ノズルの位置や押圧力などを精度良く制御することが困難になる。
また、ボイスコイルモータ同士が接近すると、コイル通電時の放熱による周辺部材の熱変形などの悪影響が大きくなるため、部品吸着ノズルの位置などを精度良く制御することが困難になる。
本発明は、かかる実情に鑑み、部品吸着ノズルのピッチを小さくしても、部品吸着ノズルの押圧力や位置などを精度良く制御することができる、部品実装ヘッドおよびそれを備えた部品実装装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した部品実装ヘッドおよびそれを備えた部品実装装置を提供する。
部品実装ヘッドは、それぞれ、軸と、前記軸を軸方向に駆動するボイスコイルモータと、前記軸の軸方向の駆動に連動して移動する部品吸着ノズルとを含む、複数組の部品保持ユニットを備え、各組の前記部品保持ユニットの前記軸が互いに略平行に配置される。この略平行とは、実質的には平行な状態のものも、僅かながら傾斜がついている状態のものも、どちらも含む。隣り合う前記軸をそれぞれ駆動する前記ボイスコイルモータは、前記軸の軸方向に交互にずらして配置されている。
上記構成の各部品保持ユニットにおいて、軸と部品吸着ノズルとは、軸の駆動と部品吸着ノズルの移動とが連動するように、直接接続されても、リンク機構等を介して間接的に接続させてもよい。
上記構成によれば、複数の軸が並んだ面の法線方向から見ると、ボイスコイルモータは軸方向に交互にずらして千鳥状に配置されている。これによって、隣り合う軸を接近させても、それぞれの軸を駆動するボイスコイルモータの間に所定以上の距離を確保することができる。これによって、隣り合う軸をそれぞれ駆動するボイスコイルモータの間で磁界の干渉が生じないようにすることができる。また、隣り合う軸をそれぞれ駆動するボイスコイルモータの放熱が影響し合うことがないようにすることができる。
好ましくは、前記各部品保持ユニットにおいて、前記軸と、前記ボイスコイルモータと、前記部品吸着ノズルとが略同軸に配置されている。この略同軸とは、実質的には同軸の状態のものも、僅かながら同軸からずれている状態のものも、どちらも含む。
この場合、ボイスコイルモータと部品吸着ノズルとの間に介在するリンク機構等による誤差をなくしたり小さくしたりすることができる上、ボイスコイルモータと部品吸着ノズルとの間でモーメントが発生しないため、部品吸着ノズルでの押圧力をボイスコイルモータにより精度良く制御することができる。
また、部品実装ヘッドをスライド移動する場合、スライド面と部品実装ヘッドの重心との間の距離を短くして、移動時の部品実装ヘッドの振れを小さくすることにより、部品実装ヘッドを高速で駆動することができる。
好ましくは、前記各部品保持ユニットの前記軸が略同一平面上に配置されている。この略同一平面上とは、実質的には同一平面上の状態のものも、僅かながら同一平面上からずれている状態のものも、どちらも含む。
この場合、部品吸着ノズルを略一列に並べることにより、部品実装装置のスライド移動時の振動抑制性が向上するため、部品吸着ノズルの位置決め制御が容易になる。
また、部品実装ヘッドがロータリー式に回転する場合などには、前記各部品保持ユニットの前記軸が略同一円筒面上に配置されていれば、部品実装装置の回転時の振動抑制性が向上するため、部品吸着ノズルの位置決め制御が容易になる。この略同一円筒面上とは、実質的には同一円筒面上の状態のものも、僅かながら同一円筒面上からずれている状態のものも、どちらも含む。
好ましくは、前記各部品吸着ノズルが回転自在に配置される。部品実装ヘッドは、前記各部品吸着ノズルを回転する回転駆動手段を備える。
この場合、部品吸着ノズルに保持された部品の載置角度を変えたり、製品に対する回転補正をすることが可能となる。なお、上記構成において、部品吸着ノズルと軸とが一体となって回転しても、部品吸着ノズルのみが回転してもよい。
好ましくは、前記部品吸着ノズルは、前記軸の一端に固定される。前記軸には、軸方向に延在するスプライン溝又は突条が形成される。前記回転駆動手段は、前記軸の前記スプライン溝又は突条に係合し、かつ前記軸の軸方向に移動自在可能にする係合部材と、前記係合部材を、前記軸の中心軸の周りを回動させる駆動部材とを含む。
この場合、係合部材に対して軸が軸方向に移動することによって、部品吸着ノズルと軸とが一体となって軸方向に移動する。駆動部材により係合部材が回動すると、係合部材の係合部が軸のスプライン溝又は突条に係合しているので、係合部材は軸を回転させ、これによって、軸の一端に固定されている部品吸着ノズルが回転する。
好ましくは、前記各ボイスコイルモータの周囲に、磁気シールド部材が配置されている。
磁気シールド部材によって、ボイスコイルモータの周囲における磁界の広がりが抑制することができ、ボイスコイルモータの磁界の干渉の影響を小さくすることができるので、ボイスコイルモータ同士をより接近させ、構成をより小型化することができる。
また、本発明は上記各構成のいずれか一つの部品実装ヘッドを備え、前記部品吸着ノズルに吸着した部品を、製品の所定位置に実装する部品実装装置を提供する。
この部品実装装置は、製品に部品を押圧する力や製品に対する位置を精度良く制御することができる上、高速で駆動することができる。
本発明の部品実装ヘッドおよびそれを備えた部品実装装置は、部品吸着ノズルのピッチを小さくしても、各部品吸着ノズルを駆動するボイスコイルモータ同士が離れるようにすることができるので、部品吸着ノズルの押圧力や位置などを精度良く制御することができる。
以下、本発明の実施の形態として実施例について、図1〜図6、図7a〜図7cを参照しながら説明する。
図1の外観図に示すように、部品実装ヘッド10は、ベース板12上に4組の部品保持ユニット20が配置されている。各部品保持ユニット20は、中空の軸21の一端(図において下端)に、部品吸着ノズル22が固定され、他端(図において上端)に配管継手24が固定されている。配管継手24には、不図示の真空配管チューブが接続され、部品吸着ノズル22の下端に不図示の部品を真空吸着するようになっている。4組の部品保持ユニット20は、各軸21が互いに平行に配置され、各部品吸着ノズル22の下端が一列に揃うようになっている。各軸21の両端は、ベース板12に設けられた支持部材14,18によって、回転自在かつ軸方向移動自在に支持されている。各軸21の外周面には、軸方向に延在する不図示のスプライン溝が形成されている。スプライン溝の代わりに、軸方向に延在する突条を形成してもよい。
各軸21の一端(下端)側にはプーリー44が設けられている。詳しくは、部品実装ヘッド10の上方から図1の線III−IIIに沿って切断した図3の断面図に模式的に示すように、プーリー44の内側にはスプラインナット42が配置されている。プーリー44とスプラインナット42とは結合されているので一体的に動き、一部材(係合部材)として機能する。スプラインナット42は、軸21が挿通される内穴に、軸21のスプライン溝(図示せず)に係合する係合部(図示せず)が形成されており、軸21とスプラインナット42(およびプーリー44)とが軸方向に相対移動自在となっている。プーリー44は、その外側に配置されたベアリング46を介して、支持部材18(図1参照)に回転自在に支持されている。
プーリー44にはタイミングベルト52が係合されている。タイミングベルト52はモータ50を駆動源として回動され、4組の部品保持ユニット20の軸21及び部品吸着ノズル22が同時に任意角度回動するようになっている。
4組の部品保持ユニット20のうち2組について、上側ケーシング16内に収納されたボイスコイルモータ30b,30dによって、他の2組については、下側ケーシング17内に収納されたボイスコイルモータ30a,30cによって、それぞれの軸21が軸方向(上下方向)に駆動されるようになっている。すなわち、図3の要部断面図に示すように、4組の部品保持ユニット20の隣り合う軸21をそれぞれ駆動するボイスコイルモータ30a〜30dは、軸21の軸方向に交互にずらして千鳥状に配置されている。
このようにボイスコイルモータ30a〜30dを千鳥状に配置することによって、隣り合う軸21を接近させても、隣り合う軸21をそれぞれ駆動するボイスコイルモータ30a〜30dの間で磁界の干渉による悪影響が生じないように、ボイスコイルモータ30a〜30dの間に所定以上の距離を確保することができる。
また、ボイスコイルモータ30a〜30dを千鳥状に配置することによって、隣り合う軸21を接近させても、隣り合う軸21をそれぞれ駆動するボイスコイルモータ30a〜30dを別々のケーシング16,17に分けて収納し、ボイスコイルモータ30a〜30dの放熱により悪影響が生じないようにすることができる。例えば、ボイスコイルモータ30a〜30dの周辺部材の熱膨張による部品吸着ノズルの位置ずれを抑制し、部品吸着ノズルの位置を精度良く制御することができる。
ボイスコイルモータ30a〜30dには、例えばムービングマグネットタイプのものを用いる。この場合、軸21にマグネット32が固定され、マグネット32の外側にコイル34が配置される。詳しくは図4の要部拡大断面図に示すように、マグネット32は、軸21に不図示のネジで固定されるスリーブ31と、スリーブ31の外周面に固着されたマグネットエレメント33とを備える。マグネットエレメント33は、筒状であっても、例えば約90°毎等、適宜に分割された半割れ筒状であってもよい。コイル34は、マグネットエレメント33の周囲に所定の間隔を設けて配置され、略筒状に巻き回されている。コイル34に通電することによって磁界が変化し、マグネット32が符号38で示すように軸方向に移動する。
ボイスコイルモータ30a〜30dには、ムービングマグネットタイプとは逆に、コイルが内側に配置され、マグネットが外側に配置され、コイルが動くムービングコイルタイプを用いてもよい。
また、図4において鎖線で示したように、ボイスコイルモータ30a〜30dの周囲に、例えば筒状の磁気シールド部材36を配置してもよい。磁気シールド部材36は、ボイスコイルモータ30a〜30dの周囲における磁界の広がりを抑制することができ、ボイスコイルモータ30a〜30d間の磁界の干渉が小さくなるため、ボイスコイルモータ30a〜30dを互いにより接近させることができる。そのため、部品保持ユニット20のピッチをより狭くすることができる。
次に、ボイスコイルモータの磁界強度分布の解析例について、図6及び図7a〜図7cを参照しながら説明する。
図6は、2次元磁界解析を行い、マグネットとコイルの磁界によってノズル可動部に発生する推力ベクトルを算出した結果を示すグラフである。ボイスコイルモータはムービングマグネットタイプであり、内側に配置されるネオジウムのマグネット(内径5mm、外径12mm、長さ44mm、保磁力12.5エルステッド)と、外側に配置されるコイル(内径13mm、外径19mm、長さ30mm)とを備え、可動範囲は7mmである。
図6において、(a)は、4つのボイスコイルモータを軸方向の同じ位置に揃えて互いに平行に配置し、ボイスコイルモータ同士の干渉による悪影響が生じないように十分なピッチ(40mm)を確保した比較例である。(b)は、ピッチを比較例の半分にした場合である。(c)は、ピッチを比較例の半分にした上、隣り合うボイスコイルモータの位置を、ボイスコイルモータの軸方向寸法の0.9倍分ずつ交互にずらした場合である。(d)は、ピッチを比較例の半分にした上、隣り合うボイスコイルモータの位置を、ボイスコイルモータの軸方向寸法の1.1倍分ずつ交互にずらした場合である。(e)は、ピッチを比較例の半分にした上、隣り合うボイスコイルモータの位置を、ボイスコイルモータの軸方向寸法の1.4倍分ずつ交互にずらした場合である。符号1はボイスコイルモータを可動範囲の中間位置に駆動した場合、符号2はボイスコイルモータの可動範囲の下端に駆動した場合、符号3はボイスコイルモータの可動範囲の上端に駆動した場合を示す。縦軸のノズル推力は、(a)の比較例の場合を基準に規格化した値を示している。
例えば(b)に示すように、ボイスコイルモータのピッチを小さくすると、隣接するボイスコイルモータの磁界の干渉の影響が大きくなる。しかし、隣り合うボイスコイルモータを軸方向にずらすことによって、図6(c)〜(e)に示すようにボイスコイルモータの磁界の干渉の影響が小さくなる。図6(e)に示すように、隣り合うボイスコイルモータを軸方向に所定距離以上ずらすと、磁界の干渉の影響が実用上問題にならないようになる。
図7a〜図7cは、ボイスコイルモータの配置と磁界強度分布との関係を示す。図中、濃淡が濃く、黒く映し出される部分は、磁界の干渉の影響が小さくなっていることを意味している。
図7aは、2個のボイスコイルモータが十分に大きいピッチ(40mm)で配置された比較例の場合であり、図6の(a)に対応する。図7bは、4個のボイスコイルモータを比較例の半分のピッチで、軸方向の位置を揃えて配置した場合であり、図6の(b)に対応する。図7cは、図7bのボイスコイルモータのうち一つを、軸方向に、ボイスコイルモータの軸方向寸法の1.4倍分ずらした場合であり、図6の(e)に対応する。図7cのようにボイスコイルモータをずらすと、隣接するボイスコイルモータとの間の磁界強度分布が、図7aの場合の磁界強度分布と略同程度となることが分かる。
次に、部品実装ヘッド10を用いる部品実装装置60について、図2の外観図を参照しながら説明する。
図2に示すように、部品実装装置60は、本体62の上面に、複数枚数のウェハが収納されるウェハラック72と、トレイ74と、部品供給装置76と、チップを認識するためのチップ認識カメラ78と、ステージ82を駆動するステージ駆動部80と、ステージ82に基板6を供給・回収する基板搬送部84とが配置されている。
また、本体62の上面には、ガイド部64が設けられている。ガイド部64には、ガイド部64に沿ってX方向にスライド移動する部品実装ヘッド駆動部66と基板認識カメラ駆動部68とが配置されている。部品実装ヘッド駆動部66には、部品実装ヘッド10のベース板12が固定され、部品実装ヘッド10がX方向に駆動されるようになっている。基板認識カメラ駆動部68には、ステージ82上の基板6を認識する基板認識カメラ88が固定され、基板認識カメラ88がX方向に駆動されるようになっている。
次に、部品実装装置60の動作を説明する。
不図示の取り出し装置により、ウェハラック72から、チップに分割されたウェハ4がトレイ74に供給される。部品供給装置76は、符号76aで示した位置で、トレイ74上のチップを吸着して取り出し、チップの上下を反転しながら符号76bで示す受け渡し位置まで搬送し、チップを上向きに保持する。
部品実装ヘッド10は、部品実装ヘッド駆動部66によって、各部品吸着ノズル22が順次、受け渡し位置76bの上方に位置するように駆動され、受け渡し位置76bの上方に位置する部品吸着ノズル22が下降し、受け渡し位置76bのチップを吸着してチップを受け取ると上昇する。
部品実装ヘッド10は、すべての部品吸着ノズル22にチップを吸着すると、部品実装ヘッド駆動部66によって、ガイド部64に沿ってX方向に、ステージ82上に載置された基板6の上方まで移動する。部品実装ヘッド10の部品吸着ノズル22に吸着されたチップは、搬送途中にチップ認識カメラ78で撮影され、チップの位置が認識され、基板6に対してチップを装着する位置を補正するためのデータが算出される。
部品実装ヘッド10が、ステージ82上に載置された基板6の上方まで移動すると、部品吸着ノズル22が適宜順に下降して、基板6の所定位置にチップを装着する。このとき、所定位置にチップが載置されるように、適宜なタイミングで、部品実装ヘッド駆動部66が部品実装ヘッド10をX方向に駆動するとともに、ステージ駆動部80が基板6を載置したステージ82をY方向に駆動する。また、基板6の所定の位置にチップが載置されるように、適宜なタイミングでモータ50が駆動し、部品吸着ノズル22に保持されているチップの載置角度を変えたり、回転補正をする。部品実装ヘッド10は、駆動方向(X方向)に部品吸着ノズル22が配置されているため、部品吸着ノズル22の位置制御が容易である。
基板6は、チップ装着が完了すると、基板搬送部84によってステージ82から搬出され、ステージ82には、基板搬送部84によって、チップが未装着の基板6が供給される。
ところで、例えば軸方向に見た図5(a)に模式的に示す部品実装ヘッド10aのように、ボイスコイルモータ30と部品吸着ノズル22(破線)とが不図示のリンク機構等を介することによって非同軸に配置し、符号11aで示すようにスライド面65に沿って部品実装ヘッド10aを駆動するように構成することも可能である。この場合、部品実装ヘッド10aの重心10xとスライド面65との間の距離L1は相対的に長くなるため、部品実装ヘッド10aの振れが大きくなる傾向がある。また、ボイスコイルモータ30と部品吸着ノズル22との間で生じるモーメントや、介在するリンク機構等の誤差によって、ボイスコイルモータ30により部品吸着ノズル22の押圧力を精度よく制御することが困難である。
これに対し、軸方向に見た図5(b)に模式的に示す部品実装ヘッド10bのように、ボイスコイルモータ30と部品吸着ノズル22(破線)とを同軸に配置し、符号11bで示すようにスライド面65に沿って部品実装ヘッド10bを駆動すると、部品実装ヘッド10bの重心10yとスライド面65との間の距離L2を小さくすることができ、駆動時の部品実装ヘッド10bの振れが小さくなるため、より高速で部品実装ヘッド10bを駆動することができる。また、ボイスコイルモータ30と部品吸着ノズル22との間の系による誤差をなくしたり小さくしたりすることができ、ボイスコイルモータ30と部品吸着ノズル22との間でモーメントが生じないため、部品吸着ノズル22の押圧力をボイスコイルモータ30により精度良く制御することができる。
したがって、ボイスコイルモータ30と部品吸着ノズル22とは、非同軸に配置してもよいが、同軸に配置することが好ましい。
以上に説明したように、部品実装ヘッド10は、隣り合う軸21をそれぞれ駆動するボイスコイルモータ30a〜30dを軸方向に交互にずらして配置し、部品吸着ノズル22を狭ピッチ化することにより、部品吸着ノズル22の押圧力や位置などを精度良く制御することができる。また、部品実装ヘッド10を用いる部品実装装置60は、高速で駆動することができる。
なお、本発明の部品実装ヘッドおよびそれを備えた部品実装装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
部品実装ヘッドは、電子部品に限らず、小型の部品の実装に用いることができる。部品実装ヘッドはスライド駆動に限らず、例えばロボットアーム等に部品実装ヘッドを取り付け、2次元又は3次元に移動させながら用いるようにしても、部品実装ヘッドを移動せずに固定位置で用いるようにしてもよい。部品吸着ノズルを回転しない場合には、軸にスプライン溝や突条などを形成しなくてもよい。部品保持ユニットは、平面以外に配置してもよく、例えば円筒面に沿って配置して、部品吸着ノズルを円周上に揃えて配置してもよい。部品吸着ノズルは、真空に限らず、例えば粘着剤や静電気、機械的な把持機構などによって、部品を保持してもよい。
6 基板(製品)
10 部品実装ヘッド
20 部品保持ユニット
21 軸
22 部品吸着ノズル
30a〜30d ボイスコイルモータ
36 磁気シールド部材
42 スプラインナット(係合部材、回転駆動手段)
44 プーリー(係合部材、回転駆動手段)
50 モータ(駆動部材、回転駆動手段)
52 タイミングベルト(駆動部材、回転駆動手段)
60 部品実装装置
10 部品実装ヘッド
20 部品保持ユニット
21 軸
22 部品吸着ノズル
30a〜30d ボイスコイルモータ
36 磁気シールド部材
42 スプラインナット(係合部材、回転駆動手段)
44 プーリー(係合部材、回転駆動手段)
50 モータ(駆動部材、回転駆動手段)
52 タイミングベルト(駆動部材、回転駆動手段)
60 部品実装装置
Claims (8)
- それぞれ、軸と、前記軸を軸方向に駆動するボイスコイルモータと、前記軸の軸方向の駆動に連動して移動する部品吸着ノズルとを含む、複数組の部品保持ユニットを備え、各組の前記部品保持ユニットの前記軸が互いに略平行に配置された部品実装ヘッドにおいて、
隣り合う前記軸をそれぞれ駆動する前記ボイスコイルモータは、前記軸の軸方向に交互にずらして配置されていることを特徴とする部品実装ヘッド。 - 前記各部品保持ユニットにおいて、前記軸と、前記ボイスコイルモータと、前記部品吸着ノズルとが略同軸に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の部品実装ヘッド。
- 前記各部品保持ユニットの前記軸が略同一平面上に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の部品実装ヘッド。
- 前記各部品保持ユニットの前記軸が略同一円筒面上に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の部品実装ヘッド。
- 前記各部品吸着ノズルが回転自在に配置され、
前記各部品吸着ノズルを回転する回転駆動手段を備えたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の部品実装ヘッド。 - 前記部品吸着ノズルは、前記軸の一端に固定され、
前記軸には、軸方向に延在するスプライン溝又は突条が形成され、
前記回転駆動手段は、
前記軸の前記スプライン溝又は突条に係合し、かつ前記軸の軸方向に移動自在可能にする係合部材と、
前記係合部材を、前記軸の中心軸の周りを回動させる駆動部材とを含むことを特徴とする、請求項5に記載の部品実装ヘッド。 - 前記各ボイスコイルモータの周囲に、磁気シールド部材が配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の部品実装ヘッド。
- 請求項1〜7のいずれか一つに記載の部品実装ヘッドを備え、前記部品吸着ノズルに吸着した部品を、製品の所定位置に実装することを特徴とする、部品実装装置。
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