JP4611211B2 - 耐火物用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、耐火物用組成物に関する。
製鉄産業における溶融金属容器の内張り等に使用される耐火物は、流動性を持つ流し込み材を硬化させて得られるものであり、一般に、耐火性骨材に施工水、分散剤を添加した組成物が用いられる。ここで使用される耐火性骨材は、シリカ、アルミナ、カオリン、粘土、ベントナイト、チタニア、アルミノシリケート、酸化クロム、炭素などである。一方、分散剤は無機系の珪酸塩、炭酸塩、リン酸塩、有機系のポリカルボン酸塩、無水カルボン酸の重合物、芳香族多環縮合物スルホン酸塩系、メラニン樹脂スルホン酸塩系、リグニンスルホン酸塩系、ポリアクリル酸塩等である。また、分散剤については、(アルキル)ナフタレン、アルキルベンゼンあるいは水酸基で置換された芳香族化合物のスルホン酸ホルマリン縮合物のモノエタノールアミン塩等、4〜6価の多価アルコールあるいは糖類等、更に分子内にスルホメチル基又はスルホン酸基を含有し、その酸基が中和されたメラミンとフェノールとホルムアルデヒドとの水溶性共縮合物を耐火物用添加剤として使用することも知られている。しかしこれらは耐火物の前記諸物性が不十分であったり、取扱上問題があったりすることが多い。特に不定型耐火物に添加使用される場合、減水性、経時安定性の点で不十分となることが多く、とりわけアルミナセメントを硬化剤とするキャスタブル耐火物に対しては殆どの添加剤が異常凝結や硬化遅延を生じ、また減水性も悪く強度発現に課題がある。
こうした背景から、特許文献1には、耐火物の曲げ強度、圧縮強度、嵩比重等の物性を高めることができる耐火物用添加剤として、2種のビニル系単量体を重合して得られる水溶性共重合体を用いることが開示されている。また、特許文献2には、施工性を損なうことなく、耐用性に優れた流し込み材を得るために、カルボキシル基含有ポリエーテル系分散剤を用いることが開示されている。
特開平11−292640号公報 特開平11−116345号公報
本発明の課題は、単位水量を低減しても十分な流動性を維持でき、且つ強度にも優れた耐火物用組成物及びそのような組成物が少量の添加で得られる耐火物用添加剤を提供することである。
本発明は、下記一般式(1)で表される単量体1(以下、単量体1という)と、下記一般式(2)で表される単量体2(以下、単量体2という)と、下記一般式(3)で表される単量体3(以下、単量体3という)とを共重合して得られる重合体A(以下、重合体Aという)、炭素数2〜3のアルキレンオキシドを平均付加モル数2〜300モル付加したポリオキシアルキレン鎖を有する化合物からなるビニル系単量体(a)(以下、単量体(a)という)の一種以上と、カルボキシ基、スルホン酸基又はアミド基を有する化合物もしくはそれらの水溶性塩からなるビニル系単量体(b)(以下、単量体(b)という)の一種以上とを含有する単量体混合物を重合して得られる重合体B(以下、重合体Bという)、並びに、耐火性骨材を含有し、重合体A/重合体Bの重量比が10/90〜90/10である耐火物用組成物に関する。
Figure 0004611211
〔式中、R1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基、R3は水素原子又は-(CH2)q(CO)pO(AO)rR4、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、pは0又は1の数、qは0〜2の数、pとqは同時に0でなく、rはAOの平均付加モル数であり、3〜300の数、R4は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
Figure 0004611211
〔式中、R11は水素原子又はメチル基、R12は炭素数2〜12のアルキレン基、m1は1〜30の数、M3、M4はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
Figure 0004611211
〔式中、R13、R15は、それぞれ水素原子又はメチル基、R14、R16は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基、m2、m3は、それぞれ1〜30の数、M5は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
また、本発明は、重合体Aと重合体Bとを、重合体A/重合体B=10/90〜90/10の重量比で含有する耐火物用添加剤に関する。
本発明によれば、単位水量を低減しても十分な流動性を維持でき、且つ強度にも優れた耐火物用組成物及びそのような組成物が少量の添加で得られる耐火物用添加剤が提供される。
<重合体A>
重合体Aは、前述の一般式(1)で表される単量体1と、前述の一般式(2)で表される単量体2と、前述の一般式(3)で表される単量体3とを共重合して得られるリン酸エステル系重合体である。
[単量体1]
単量体1において、一般式(1)中のR1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基である。R3は水素原子又は-(CH2)q(CO)pO(AO)r4であり、水素原子が好ましい。R4は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基であり、更に1〜12、更に1〜4、更に1、2のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。pが0の場合はAOは(CH2)qとエーテル結合、pが1の場合はエステル結合をする。qは0〜2であり、好ましくは0又は1であり、更に好ましくは0である。pとqは同時に0でない。AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基が好ましく、エチレンオキシ基(以下、EO基)を含むことがより好ましく、EO基が70モル%以上、更に80モル%以上、更に90モル%以上、特に全AOがEO基であることが好ましい。rはAOの平均付加モル数であり、減水性効果の点で、3〜300の数であり、好ましくは4〜120であり、より好ましくは4〜80、さらに好ましくは4〜50、特にこのましくは4〜30である。また、平均r個の繰り返し単位中にAOが異なるもので、ランダム付加又はブロック付加又はこれらの混在を含むものであっても良い。例えばAOは、EO基以外にもプロピレンオキシ基等を含むこともできる。
単量体1としては、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、メトキシポリブチレングリコール、メトキシポリスチレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸、マレイン酸との(ハーフ)エステル化物や、(メタ)アリルアルコールとのエーテル化物、及び(メタ)アクリル酸、マレイン酸、(メタ)アリルアルコールへの炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物付加物が好ましく用いられる。なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸の意味であり、(メタ)アリルは、アリル及び/又はメタリルの意味である(以下同様)。
より好ましくはアルコキシ、特にはメトキシポリエチレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物である。具体的には、ω−メトキシポリオキシアルキレンメタクリル酸エステル、ω−メトキシポリオキシアルキレンアクリル酸エステル等を挙げることができ、ω−メトキシポリオキシアルキレンメタクリル酸エステルがより好ましい。
重合体Aの製造に用いる単量体1は、例えば、アルコキシポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化によって得ることができる。該エステル化物は、減水性及び早硬性の観点から、未反応の(メタ)アクリル酸は、酸型換算で単量体1に対して5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1.5重量%以下がさらに好ましく、1重量%以下がさらに好ましい。単量体1の製造時に残留する(メタ)アクリル酸の量を低減する方法として、トッピング、スチーミング、溶媒抽出等が挙げられる。
[単量体2]
単量体2は、一般式(2)において、R11は水素原子又はメチル基であり、R12は炭素数2〜12のアルキレン基である。m1は1〜30の数であり、M3、M4はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属である。一般式(2)中のm1は1〜20が好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜5が特に好ましい。
具体的には、有機ヒドロキシ化合物のリン酸モノエステルが挙げられる。具体的には、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートアシッドリン酸エステル等が挙げられる。例えば、リン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル、リン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸エステル〕等が挙げられる。中でも、製造の容易さ及び製造物の品質安定性の観点から、リン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルが好ましい。また、これらの化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩などであっても良い。
[単量体3]
単量体3は、一般式(3)において、R13、R15は、それぞれ水素原子又はメチル基であり、R14、R16は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基である。m2、m3は、それぞれ1〜30の数であり、M5は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属である。一般式(3)中のm2、m3は、それぞれ1〜20が好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜5が特に好ましい。
具体的には、有機ヒドロキシ化合物のリン酸ジエステルが挙げられる。具体的には、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートアシッドリン酸ジエステル等が挙げられる。例えば、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸〕エステル等が挙げられる。中でも、製造の容易さ及び製造物の品質安定性の観点から、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルが好ましい。また、これらの化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩などであっても良い。
単量体2及び3は、単量体2及び単量体3を含む混合単量体として用いることができる。また、単量体2及び単量体3として、一般式(4)で表される有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤とを反応させて得られるリン酸エステルを用いても良い。
単量体2及び単量体3を含む混合単量体は、例えば、一般式(4)で表される有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤を所定の仕込み比で反応させることで、反応生成物として製造することもできる。
Figure 0004611211
〔式中、R20は水素原子又はメチル基、R21は炭素数2〜12のアルキレン基、m4は1〜30の数を表す。〕
一般式(4)中のm4は、1〜20が好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜5が特に好ましい。
リン酸化剤としては、オルトリン酸、五酸化リン(無水リン酸)、ポリリン酸、オキシ塩化リン等が挙げられ、オルトリン酸、五酸化リンが好ましい。これらは単独でも2種以上を組み合わせて用いることも出来る。有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤とを反応させる際のリン酸化剤の量は目的とするリン酸エステル組成に応じ適時決めることができる。
単量体2及び単量体3を含む混合単量体として、例えばリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物を製造する場合、公知の技術(例えば特開昭57−180618号)により、合成することができる。
単量体2及び単量体3を含む混合単量体としては、モノエステル体とジエステル体とを含む市販品を使用することもでき、例えば、ホスマーM、ホスマーPE、ホスマーP(ユニケミカル)、JAMP514、JAMP514P、JMP100(何れも城北化学)、ライトエステルP−1M、ライトアクリレートP−1A(いずれも共栄社化学)、MR200(大八化学)、カヤマー(日本化薬)、Ethyleneglycol methacrylate phosphate(アルドリッチ試薬)などとして入手できる。
上記の市販品や反応生成物にはモノエステル体(単量体2)とジエステル体(単量体3)以外の化合物を含んでいる事が確認されている。それらの他の化合物は、重合性、非重合性のものが混在していると考えられるが、本発明ではこのような混合物(混合単量体)をそのまま使用することができる。
本発明に係る重合体Aは、単量体1と、単量体2と、単量体3とを、共重合させて得られるリン酸エステル系重合体である。単量体2及び単量体3を含有する混合単量体を用いることも好ましい。
単量体の共重合に際して、単量体1と、単量体2、3とのモル比は、単量体1/(単量体2+単量体3)=5/95〜95/5、更に、10/90〜90/10が好ましい。また、単量体1と単量体2と単量体3のモル比は、単量体1/単量体2/単量体3=5〜95/3〜90/1〜80、更に5〜96/3〜80/1〜60(ただし合計は100である)が好ましい。なお、単量体2と単量体3については、酸型の化合物に基づきモル比やモル%を算出するものとする(以下、同様)。
また、重合体Aの製造では、反応に用いる全単量体中、単量体3の比率を1〜60モル%、更に1〜30モル%とすることが好ましい。
また、単量体2と単量体3のモル比を、単量体2/単量体3=99/1〜4/96、更に99/1〜5/95とすることが好ましい。
ゲル化を抑制する観点から、単量体2及び/又は単量体3を含む単量体溶液のpHを7以下で反応に用いることが好ましい。
以下、ゲル化抑制、好適分子量の調整及び添加剤の性能設計の観点から、更に好ましい製造条件を説明する。このような観点から、共重合の際に、単量体1、2及び3の合計モル数に対して4モル%以上、更に6モル%以上、特に8モル%以上の連鎖移動剤を使用することが好ましい。また、連鎖移動剤の使用量の上限は、単量体1、2及び3の合計モル数に対して好ましくは100モル%以下、より好ましくは60モル%以下、更に好ましくは30モル%以下、特に好ましくは15モル%以下とすることができる。更に詳しくは、(1)単量体1のrが3〜30の場合で、
(1−1)単量体2と単量体3の単量体1、2及び3の合計のモル比が50モル%以上の場合は、連鎖移動剤は、単量体1、2及び3の合計に対して6〜100モル%、特に8〜60モル%を用いるのが好ましく、
(1−2)単量体2と単量体3の単量体1、2及び3の合計中のモル比が50モル%未満の場合は、連鎖移動剤は、単量体1、2及び3の合計に対して4〜60モル%、特に5〜30モル%を用いるのが好ましい。
(2)重合体Aに用いる単量体1のrが30超の場合は、連鎖移動剤は、単量体1〜3に対して6〜50モル%、特に8〜40モル%を用いるのが好ましい。
単量体2と3の反応率は60%以上、更に70%以上、更に80%以上、更に90%以上、特に95%以上を目標に行うことが好ましく、連鎖移動剤の使用量は、この観点から選定することができる。ここに、単量体2と3の反応率は、下記の式によって算出する。
Figure 0004611211
なお、反応開始時と反応終了時の反応系中のリン含有化合物中の単量体2と単量体3のエチレン性不飽和結合の割合(モル%)は、下記の1H−NMRの測定結果に基づき算出することができる。
1H−NMR条件]
水に溶解した重合体Aを減圧乾燥したものを3〜4重量%の濃度で重メタノールに溶解し、1H−NMRを測定する。エチレン性不飽和結合の残存率は、5.5〜6.2ppmの積分値により測定される。なお、1H−NMRの測定は、Varian社製「Mercury 400 NMR」を用い、データポイント数42052、測定範囲6410.3Hz、パルス幅4.5μs、パルス待ち時間10S、測定温度25.0℃の条件で行う。
重合体Aの製造においては、上記単量体1、2及び3の他に、共重合可能なその他の単量体を用いることもできる。共重合可能な他の単量体としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、これら何れかのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩を挙げることができる。また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などのアクリル酸系単量体を挙げることができ、またこれらの何れか1種以上のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、メチルエステル、エチルエステルや無水マレイン酸などの無水化合物であっても良い。更に、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−(メタ)アクリルアミド−2−メタスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−エタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、スチレン、スチレンスルホン酸などが挙げられる。全単量体中、単量体1、2及び3の合計の割合は、30〜100モル%、更に50〜100モル%、特に75〜100モル%が好ましく、更に、95モル%超〜100モル%、更に97〜100モル%が好ましい。
重合体Aの製造は、好ましくは所定量の連鎖移動剤の存在下で、単量体を共重合させる。また、共重合可能な他の単量体や重合開始剤等を用いても良い。
単量体1、2及び3の反応温度は、40〜100℃、更に60〜90℃が好ましく、反応圧力はゲージ圧で101.3〜111.5kPa(1〜1.1atm)、更に101.3〜106.4kPa(1〜1.05atm)が好ましい。
なお、反応系のpHは、必要に応じて、無機酸(リン酸、塩酸、硝酸、硫酸等)や、NaOH、KOH、トリエタノールアミンなどを用いて調整できる。
ここで、単量体2及び/又は単量体3を含む単量体溶液は、pH測定上、含水系(すなわち、溶媒が水を含むこと)である事が好ましいが、非水系の場合には必要量の水を加えて測定しても良い。単量体溶液の均一性、ゲル化防止、性能低下の抑制の観点で、pHは7以下が好ましく、0.1〜6がより好ましく、更に0.2〜4.5が好ましい。また、単量体1もpH7以下の単量体溶液として用いることが好ましい。このpHは、20℃のものである。
本発明では、反応途中(反応開始時〜反応終了時)で採取した反応液の20℃でのpHを、反応中のpHとする。反応中のpHが7以下となることが明らかな条件(単量体比率、溶媒、その他の成分等)で反応を開始することが好ましい。
なお、反応系が非水系の場合は、pH測定可能な量の水を反応系に加えて測定することができる。
重合体Aの製造方法において、単量体1、2及び3は、以下の(1)、(2)に例示した条件で反応を行えば、その他の条件の考慮の下で、通常は、反応中のpHも7以下になると考えられる。
(1)単量体1、2及び3を全て含むpH7以下の単量体溶液を、単量体1、2及び3の共重合反応に用いる。
(2)単量体1、2及び3の共重合反応をpH7以下で開始する。すなわち、単量体1、2及び3を含む反応系を、pH7以下にした後、反応を開始する。
[連鎖移動剤]
連鎖移動剤は、ラジカル重合における連鎖移動反応(成長しつつある重合体ラジカルが他の分子と反応してラジカル活性点の移動が起こる反応)をもたらす機能を有し、連鎖単体の移動を目的として添加される物質である。
連鎖移動剤としては、チオール系連鎖移動剤、ハロゲン化炭化水素系連鎖移動剤等が挙げられ、チオール系連鎖移動剤が好ましい。
チオール系連鎖移動剤としては、−SH基を有するものが好ましく、特に一般式HS−R−Eg(ただし、式中Rは炭素原子数1〜4の炭化水素由来の基を表し、Eは−OH、−COOM、−COOR’または−SO3M基を表し、Mは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基または有機アミン基を表し、R’は炭素原子数1〜10のアルキル基を表わし、gは1〜2の整数を表す。)で表されるものが好ましく、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル等が挙げられ、単量体1〜3を含む共重合反応での連鎖移動効果の観点から、メルカプトプロピオン酸、メルカプトエタノールが好ましく、メルカプトプロピオン酸が更に好ましい。これらの1種または2種以上を用いることができる。
ハロゲン化炭化水素系連鎖移動剤としては、四塩化炭素、四臭化炭素などが挙げられる。
その他の連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、2−アミノプロパン−1−オールなどを挙げることができる。連鎖移動剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
[重合開始剤]
重合体Aの製造方法では、重合開始剤を使用することが好ましく、特に、単量体1、2及び3の合計モル数に対して重合開始剤を5モル%以上、更に7〜50モル%、特に10〜30モル%使用することが好ましい。
水系の重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム塩又はアルカリ金属塩あるいは過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート等の水溶性アゾ化合物が使用できる。また、重合開始剤と併用して、亜硫酸水素ナトリウム、アミン化合物などの促進剤を使用することもできる。
[溶媒]
重合体Aの製造では、溶液重合法で実施することができ、その際に使用される溶媒としては、水、あるいは、水と、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールアセトン、メチルエチルケトン等とを含有する含水溶媒系の溶媒が挙げられる。取り扱いと反応設備から考慮すると、水が好ましい。特に水系の溶媒を用いる場合、単量体2及び/又は単量体3を含む単量体溶液のpHは7以下であることが好ましく、更に0.1〜6、特に0.2〜4で反応に用いて共重合反応を行うことが、モノマー混液の均一性(取り扱い性)、モノマー反応率の観点や、リン酸系化合物のピロ体の加水分解により架橋を抑制する点で好ましい。
重合体Aの製造方法の一例を示す。反応容器に所定量の水を仕込み、窒素等の不活性気体で雰囲気を置換し昇温する。予め単量体1、単量体2、単量体3、連鎖移動剤を水に混合溶解したものと、重合開始剤を水に溶解したものとを用意し、0.5〜5時間かけて反応容器に滴下する。その際、各単量体、連鎖移動剤及び重合開始剤を別々に滴下してもよく、また、単量体の混合溶液を予め反応容器に仕込み、重合開始剤のみを滴下することも可能である。すなわち、連鎖移動剤、重合開始剤、その他の添加剤は、単量体溶液とは別に添加剤溶液として添加しても良いし、単量体溶液に配合して添加してもよいが、重合の安定性の観点からは、単量体溶液とは別に添加剤溶液として反応系に供給することが好ましい。何れの場合も、単量体2及び/又は単量体3を含有する溶液はpH7以下が好ましい。また、酸剤等により、好ましくはpHを7以下に維持して共重合反応を行い、好ましくは所定時間の熟成を行う。なお、重合開始剤は、全量を単量体と同時に滴下しても良いし、分割して添加しても良いが、分割して添加することが未反応単量体の低減の点では好ましい。例えば、最終的に使用する重合開始剤の全量中、1/2〜2/3の重合開始剤を単量体と同時に添加し、残部を単量体滴下終了後1〜2時間熟成した後、添加することが好ましい。必要に応じ、熟成終了後に更にアルカリ剤(水酸化ナトリウム等)で中和し、本発明に係るリン酸エステル系重合体を得る。この製造例は、本発明に係る重合体Aの製造方法として好適である。
反応系の単量体1、2及び3並びに共重合可能なその他の単量体の総量は、5〜80重量%が好ましく、10〜65重量%がより好ましく、20〜50重量%が特に好ましい。
重合体Aは、重量平均分子量(Mw)が10,000〜150,000であることが好ましい。この重合体Aは、減水効果の発現及び粘性低減効果の観点から、Mwが10,000以上であり、好ましくは12,000以上、さらに好ましくは13,000以上、より好ましくは14,000以上、特に好ましくは15,000以上で、架橋による高分子量化、ゲル化の抑制や性能面では、減水効果の発現及び粘性低減効果の観点から、150,000以下であり、好ましくは130,000以下、さらに好ましくは120,000以下、より好ましくは110,000以下、特に好ましくは100,000以下であり、前記両者の観点から、好ましくは12,000〜130,000、より好ましくは13,000〜120,000、さらに好ましくは14,000〜110,000、特に好ましくは15,000〜100,000である。この範囲のMwを有し、かつMwと数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.0〜2.6であることが好ましい。ここで、Mnは数平均分子量である。
重合体AのMw及びMnは、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定されたものである。なお、本発明におけるリン酸エステル系重合体のMw/Mnは、該重合体のピークに基づいて算出されたものとする。
[GPC条件]
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算
上記のようなMw/Mn値を持つ本発明のリン酸エステル系重合体は、ジエステル構造に基づく分岐構造を有する重合体でありながら、分子量分布が非常に狭いという大きな特徴がある。このような本発明のリン酸エステル系重合体は後述する本発明の製造方法により好適に製造できる。
上記のような本発明のリン酸エステル系重合体のMw/Mnは、実用的な製造容易性、分散性、粘性低減効果、及び材料、温度に対する汎用性を確保する観点から、1.0以上が好ましく、分散性及び粘性低減効を両立する観点から、2.6以下が好ましく、さらに好ましくは2.4以下、より好ましくは2.2以下、さらに好ましくは2.0以下、特に好ましくは1.8以下であり、前記2点を総合した観点から、好ましくは1.0〜2.4、より好ましくは1.0〜2.2、より好ましくは1.0〜2.0、特に好ましくは1.0〜1.8である。
また、上記条件でのGPC法で得られる分子量分布を示すチャートのパターンにおいて、分子量10万以上の面積が当該チャート全体の面積の5%以下であることが、必要添加量低減の点でより好ましい。
<重合体B>
重合体Bを構成する単量体(a)は、炭素数2〜3のアルキレンオキシドを平均付加モル数で2〜300モル付加したポリオキシアルキレン鎖を有することにより、耐火物物性を向上させることができ、平均付加モル数が300モル以下であれば耐火物物性が良好となる。アルキレンオキシドの平均付加モル数は100〜200の範囲において特に優れる。
炭素数2〜3のアルキレンオキシドとしてはエチレンオキシド、プロピレンオキシドが挙げられ、エチレンオキシドが特に好ましい。これらのアルキレンオキシドの付加形態は、1種のアルキレンオキシドの単独付加、或いは2種以上のアルキレンオキシドのランダム付加、ブロック付加、交互付加のいずれでもよい。単量体(a)としては、一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004611211
(式中、R5及びR6は同一又は異なって水素原子又はメチル基、m5は0〜2の整数、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、nはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示す2〜300の数、Xは水素原子又は炭素1〜3のアルキル基を示す。)
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、アルコキシポリエチレングリコール、アルコキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端アルキル基封鎖ポリアルキレングリコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのエステル化物や、アクリル酸又はメタクリル酸へのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物が挙げられ、好ましくは前者のエステル化物である。
重合体Bを構成する単量体(b)はカルボキシル基、スルホン酸基又はアミド基を有する化合物若しくはそれらの水溶性塩からなるが、水溶性塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の金属塩や、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等が挙げられる。単量体(b)としては、一般式(II)又は(III)で表される化合物が挙げられ、一般式(II)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004611211
(式中、R7は水素原子又はメチル基、R8及びR9は同一又は異なって水素原子、メチル基又は-(CH2)m6COOM2、R10は水素原子又はメチル基、M1, M2及びYは同一又は異なって水素原子又は陽イオン基、m6は0〜2の整数を示す。なお、R8又はR9が-(CH2)m6COOM2である時は無水物を形成していてもよい。)
一般式(II)で表される化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物や、これらカルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。
また一般式(III)で表される化合物の具体例としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、又はこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。
本発明においては、単量体(a)として、一般式(I)におけるnが 100〜200である化合物を用いるか、あるいはnが60〜300 である化合物と2〜40である化合物との混合物、特にnが 100〜200 である化合物と5〜30である化合物との混合物を用いると、更に耐火物物性に優れた性能が得られ好ましい。またこれらの混合割合は、重量比で、前者/後者=10/90〜90/10の範囲が好ましい。
本発明に係わる重合体Bは、上記の単量体混合物を公知の方法、例えば特開平7−223852号公報に開示されている溶媒重合法等で重合することにより製造できる。例えば、上記単量体混合物を、水や炭素数1〜4の低級アルコール中、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の重合開始剤の存在下、必要ならば亜硫酸水素ナトリウムやメルカプトエタノール等を添加し、窒素雰囲気下50〜100 ℃で 0.5〜10時間反応させればよい。
なお本発明の効果を損なわない範囲で、重合体Bには、他の共重合可能な単量体を共重合してもよい。こうした単量体の例としては、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン等が挙げられる。
重合体Bを構成する単量体(a)と単量体(b)の割合は、モル比で、単量体(a)/単量体(b)= 0.1/100 〜 200/100 の範囲が、耐火物物性に優れ好ましく、特に単量体(a)/単量体(b)=10/100 〜 100/100 が好ましい。また共重合体を構成する単量体混合物中の単量体(a)と単量体(b)の合計含有量は50重量%以上が好ましく、80重量%以上が特に好ましい。
重合体Bの重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法/標準物質ポリスチレンスルホン酸ナトリウム換算/水系)は、 5,000〜500,000 の範囲が耐火物物性に優れ好ましく、20,000〜100,000 の範囲が特に好ましい。
<耐火性骨材>
耐火性骨材としては、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグクロ質、マグネシア質等の耐火骨材があり、併用できる硬化材としてはポルトランドセメント、アルミナセメント、燐酸アルミニウム、酸性燐酸エステル等がある。またこれら以外の有機、無機添加剤との併用も可能である。
<耐火物用組成物>
耐火物用組成物は、耐火性骨材100重量部に対して、重合体A(固形分換算)を0.03〜1.0重量部、更に0.04〜0.5重量部、特に0.05〜0.2重量部含有することが、減水性/硬化遅延防止の観点から、好ましい。また、耐火性骨材100重量部に対して、重合体B(固形分換算)を0.01〜1.0重量部、更に0.01〜0.5重量部、特に0.015〜0.15重量部含有することが、減水性及び硬化遅延防止の観点から、好ましい。また、重合体Aと重合体Bの重量比(固形分換算)は、減水性の観点から、重合体A/重合体B=10/90〜90/10であり、40/60〜90/10、更に60/40〜85/15が好ましい。
本発明は、耐火物用組成物における施工水をできるだけ少なくする技術を包含する。特に従来の技術では施工性が著しく損なわれる、若しくは添加剤過多による凝結遅延が起こるような単位水量にまで低減して使用しても流動性を維持でき、且つ強度も損なわれない。本発明の耐火物用組成物は、耐火性骨材100重量部に対して水を1〜10重量部、更に3〜6重量部含有することができる。
<耐火物用添加剤>
本発明の耐火物用添加剤は、重合体Aと重合体Bとを、重合体A/重合体B=10/90〜90/10の重量比で含有し、この重量比は、前記耐火物組成物で述べた範囲が好ましい。また、重合体Aと重合体Bを合計(固形分換算)で、耐火性骨材に対して0.03〜1.2重量%、更に0.08〜0.4重量%となるように用いられることが好ましい。また、本発明の添加剤は公知の添加剤(材)を併用することができる。併用できる添加剤としては、消泡剤、増粘剤、防水剤、遅延剤、早強剤、促進剤、減水剤、高性能減水剤、起泡剤、発泡剤、AE剤等が挙げられ、これらは、本発明の耐火物用組成物に用いることもできる。添加剤中、重合体Aと重合体Bの合計は60重量%以上、更に70〜100重量%であることが好ましい。
以下に、実施例、及び比較例で用いた重合体Aの製造例を示す。
<製造例A1>
攪拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水246gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの付加モル数23:新中村化学製NKエステルM230G)55gとリン酸モノ(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸エステル(以下、ヒドロキシエチルメタクリレートモノリン酸エステルともいう)とリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル(以下、ヒドロキシエチルメタクリレートジリン酸エステルともいう)の混合物(Ethyleneglycol methacrylate phosphate:アルドリッチ試薬)27.9gと3−メルカプトプロピオン酸2gとを水55gに混合溶解したものに20%水酸化ナトリウム水溶液を所定量加え、pHを3.4に調整した単量体溶液と、過硫酸アンモニウム3.36gを水45gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム1.68gを水15gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に20%水酸化ナトリウム溶液で中和し、重量平均分子量が23000の重合体A−1を得た。同様の方法でA−5の共重合体を合成した。
<製造例A2>
攪拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水260gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの付加モル数9:新中村化学製NKエステルM90G)22.5gとリン酸モノ(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物(ホスマーM:ユニケミカル(株))25.1gと3−メルカプトプロピオン酸1.76gとを水75gに混合溶解したもの(pHは表4の通り)と、過硫酸アンモニウム3.0gを水45gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。なお、反応時のpHは表1の通りであり、このpHは滴下終了時の反応液を採取し、常温(20℃)に冷却して測定したものである。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム1.5gを水15gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に20%水酸化ナトリウム溶液33gで中和し、Mw29000の重合体A−2を得た。同様の方法でA−3、A−4、A−6重合体を合成した。
表1に上記製造例A1、A2による重合体A−1〜A−6をまとめた。なお、反応時(20℃)のpHは反応終了時のものである。
Figure 0004611211
表中の共重合体の分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法/ポリスチレンスルホン酸ナトリウム換算による分子量から求めた重量平均分子量である。表中、EOはエチレンオキシドを表し、括弧の次の数字は平均付加モル数を表す。また、POEはポリオキシエチレンの略であり、EOpはエチレンオキシド平均付加モル数である。Mwは重量平均分子量である。
<重合体Bの製造>
特開平7−223852号公報に記載の方法に準じて表2に示す重合体を製造した。
Figure 0004611211
なお、表2に於いてEOはエチレンオキシド、POはプロピレンオキシドを表し、付加モル数は平均付加モル数を示し、共重合体の平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法/ポリスチレンスルホン酸ナトリウム換算による分子量から求めたものである
<評価>
焼成アルミナ、焼成スピネル及びアルミナセメントを表3の配合比率で用いて合計1000gをモルタルミキサーのボウルに入れた。モルタルミキサーを用いて低速(63rpm)で15秒粉体を均一にする為撹拌したのち、表3の組成、配合比率で添加剤を含む施工水を表3の配合比率となるように加え、低速で60秒高速(126rpm)で120秒撹拌した後モルタルコーン(下端直径100mm、高さ60mm、上端直径70mm)に詰めてフローを測定した。フローは、練り直後、30分後及び60分後について測定した。また、硬化時間をJISA6204附属書1に準じて測定した。結果を表3に示す。
Figure 0004611211

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される単量体1と、下記一般式(2)で表される単量体2と、下記一般式(3)で表される単量体3とを共重合して得られる重合体A、炭素数2〜3のアルキレンオキシドを平均付加モル数2〜300モル付加したポリオキシアルキレン鎖を有する化合物からなるビニル系単量体(a)の一種以上と、カルボキシ基、スルホン酸基又はアミド基を有する化合物もしくはそれらの水溶性塩からなるビニル系単量体(b)の一種以上とを含有する単量体混合物を重合して得られる重合体B、並びに、耐火性骨材を含有し、重合体A/重合体Bの重量比が10/90〜90/10である耐火物用組成物。
    Figure 0004611211

    〔式中、R1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基、R3は水素原子又は-(CH2)q(CO)pO(AO)rR4、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、pは0又は1の数、qは0〜2の数、pとqは同時に0でなく、rはAOの平均付加モル数であり、3〜300の数、R4は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
    Figure 0004611211

    〔式中、R11は水素原子又はメチル基、R12は炭素数2〜12のアルキレン基、m1は1〜30の数、M3、M4はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
    Figure 0004611211

    〔式中、R13、R15は、それぞれ水素原子又はメチル基、R14、R16は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基、m2、m3は、それぞれ1〜30の数、M5は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
  2. 重合体Aが単量体1〜3をpH7以下で共重合して得られたものである請求項1記載の耐火物用組成物。
  3. 重合体Aが単量体1〜3を連鎖移動剤の存在下で共重合して得られたものである請求項1又は2記載の耐火物用組成物。
  4. 単量体(a)が、下記一般式(I)で表される化合物であり、単量体(b)が一般式(II)又は(III)で表される化合物である請求項1〜3の何れか1項記載の耐火物用組成物。
    Figure 0004611211

    (式中、R5及びR6は同一又は異なって水素原子又はメチル基、m5は0〜2の整数、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、nはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示す2〜300の数、Xは水素原子又は炭素1〜3のアルキル基を示す。)
    Figure 0004611211

    (式中、R7は水素原子又はメチル基、R8及びR9は同一又は異なって水素原子、メチル基又は-(CH2)m6COOM2、R10は水素原子又はメチル基、M1, M2及びYは同一又は異なって水素原子又は陽イオン基、m6は0〜2の整数を示す。なお、R8又はR9が-(CH2)m6COOM2である時は無水物を形成していてもよい。)
  5. 下記一般式(1)で表される単量体1と、下記一般式(2)で表される単量体2と、下記一般式(3)で表される単量体3とを共重合して得られる重合体A、並びに、炭素数2〜3のアルキレンオキシドを平均付加モル数2〜300モル付加したポリオキシアルキレン鎖を有する化合物からなるビニル系単量体(a)の一種以上と、カルボキシ基、スルホン酸基又はアミド基を有する化合物もしくはそれらの水溶性塩からなるビニル系単量体(b)の一種以上とを含有する単量体混合物を重合して得られる重合体Bを、重合体A/重合体B=10/90〜90/10の重量比で含有する耐火物用添加剤。
    Figure 0004611211

    〔式中、R1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基、R3は水素原子又は-(CH2)q(CO)pO(AO)rR4、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、pは0又は1の数、qは0〜2の数、pとqは同時に0でなく、rはAOの平均付加モル数であり、3〜300の数、R4は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
    Figure 0004611211

    〔式中、R11は水素原子又はメチル基、R12は炭素数2〜12のアルキレン基、m1は1〜30の数、M3、M4はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
    Figure 0004611211

    〔式中、R13、R15は、それぞれ水素原子又はメチル基、R14、R16は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基、m2、m3は、それぞれ1〜30の数、M5は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
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