JP4832852B2 - 押し出し成形体用水硬性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、押し出し成形体用混和剤に関する。
セメント系押し出し成形体は、セメント質材料を主成分とする粘土様の超高粘性物質を押し出し成形機により成形して得られるものであるが、従来、石綿、炭素繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維等の有機、無機繊維を混合して曲げ強度を高めている。セメント質材料の水混練物は、そのままでは押し出し成形しても保型性、保水性が低く、押出機のシリンダーやダイス内の滑りが悪く、しかもダイス出口の離型性が悪い。従って、表面が平滑な製品が得られず、所定の形状に合わない成形品となってしまう。
押し出し成形時の抵抗性を緩和する剤として、水溶性高分子が提案されている。更に、特許文献1にはポリカルボン酸系混和剤と水溶性高分子の併用が、押し出し成形性に優れるとの提案がある。また、特許文献2には、ポリアルキレングリコール鎖を有するモノエステル又はモノエーテルと、リン酸基を有する単量体との重合物を主成分とするセメント分散剤が開示されている。
特開2003−2719号公報 特開2000−327386号公報
しかし、高強度化を目的として、混水量を少なくした配合では、押し出し成形性が低下する傾向があり、寸法精度や外観の低下を引き起こすことがある。このため、低混水量の配合においても、より押し出し成形性に優れた混和剤が望まれる。
本発明の課題は、混水量の少ない配合においても寸法精度や外観の低下がなく、高強度の押し出し成形体の製造を可能とする押し出し成形体用混和剤を提供することである。
本発明は、下記一般式(1)で表される単量体1と、下記一般式(2)で表される単量体2及び下記一般式(3)で表される単量体3を含む混合単量体とを共重合して得られるリン酸エステル系重合体(A)〔以下、(A)成分という〕と、水溶性高分子化合物(B)〔以下、(B)成分という〕とを含有する押し出し成形体用混和剤に関する。
Figure 0004832852
〔式中、R1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基、R3は水素原子又は-(CH2)q(CO)pO(AO)rR4、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、pは0又は1の数、qは0〜2の数、rはAOの平均付加モル数であり、3〜300の数、R4は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
Figure 0004832852
〔式中、R11は水素原子又はメチル基、R12は炭素数2〜12のアルキレン基、m1は1〜30の数、M3、M4はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
Figure 0004832852
〔式中、R13、R15は、それぞれ水素原子又はメチル基、R14、R16は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基、m2、m3は、それぞれ1〜30の数、M5は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
また、本発明は、上記本発明の押し出し成形体用混和剤を用いて製造された押し出し成形体に関する。
本発明によれば、混水量の少ない配合においても寸法精度や外観の低下がなく、高強度の押し出し成形体の製造を可能とする押し出し成形体用混和剤が提供される。本発明の混和剤により、成形時の抵抗性が緩和され、押し出し成形速度が低下することなく、成形体表面の平滑性と寸法安定性に優れた押し出し成形体を得ることができる。
<(A)成分>
(A)成分は、前述の一般式(1)で表される単量体1と、前述の一般式(2)で表される単量体2と、前述の一般式(3)で表される単量体3とを共重合して得られるリン酸エステル系重合体である。
[単量体1]
単量体1において、一般式(1)中のR1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基である。R3は水素原子又は-(CH2)q(CO)pO(AO)r4であり、水素原子が好ましい。R4は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基であり、更に1〜12、更に1〜4、更に1、2のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。pが0の場合はAOは(CH2)qとエーテル結合、pが1の場合はエステル結合をする。qは0〜2であり、好ましくは0又は1であり、更に好ましくは0である。AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基が好ましく、エチレンオキシ基(以下、EO基)を含むことがより好ましく、EO基が70モル%以上、更に80モル%以上、更に90モル%以上、特に全AOがEO基であることが好ましい。rはAOの平均付加モル数であり、3〜300の数であり、重合体の水硬性組成物に対する混水量低減と押し出し成形時の抵抗性緩和の観点から、3〜300であり、好ましくは4〜120であり、より好ましくは4〜80、さらに好ましくは4〜50、特に好ましくは4〜30である。また、平均r個の繰り返し単位中にAOが異なるもので、ランダム付加又はブロック付加又はこれらの混在を含むものであっても良い。例えばAOは、EO基以外にもプロピレンオキシ基等を含むこともできる。
単量体1としては、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、メトキシポリブチレングリコール、メトキシポリスチレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸、マレイン酸との(ハーフ)エステル化物や、(メタ)アリルアルコールとのエーテル化物、及び(メタ)アクリル酸、マレイン酸、(メタ)アリルアルコールへの炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物付加物が好ましく用いられる。なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸の意味であり、(メタ)アリルは、アリル及び/又はメタリルの意味である(以下同様)。
より好ましくはアルコキシ、特にはメトキシポリエチレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物である。具体的には、ω−メトキシポリオキシアルキレンメタクリル酸エステル、ω−メトキシポリオキシアルキレンアクリル酸エステル等を挙げることができ、ω−メトキシポリオキシアルキレンメタクリル酸エステルがより好ましい。
(A)成分の製造に用いる単量体1は、例えば、アルコキシポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化によって得ることができる。該エステル化物は、本発明のコンクリート混和剤に用いた場合の必要添加量および粘性低減の観点から、未反応の(メタ)アクリル酸は、酸型換算で単量体1に対して5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1.5重量%以下がさらに好ましく、1重量%以下がさらに好ましい。単量体1の製造時に残留する(メタ)アクリル酸の量を低減する方法として、トッピング、スチーミング、溶媒抽出等が挙げられる。
[単量体2]
単量体2は、一般式(2)において、R11は水素原子又はメチル基であり、R12は炭素数2〜12のアルキレン基である。m1は1〜30の数であり、M3、M4はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属である。一般式(2)中のm1は1〜20が好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜5が特に好ましい。
具体的には、有機ヒドロキシ化合物のリン酸モノエステルが挙げられる。具体的には、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートアシッドリン酸エステル等が挙げられる。例えば、リン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル、リン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸エステル〕等が挙げられる。中でも、製造の容易さ及び製造物の品質安定性の観点から、リン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルが好ましい。また、これらの化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩などであっても良い。
[単量体3]
単量体3は、一般式(3)において、R13、R15は、それぞれ水素原子又はメチル基であり、R14、R16は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基である。m2、m3は、それぞれ1〜30の数であり、M5は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属である。一般式(3)中のm2、m3は、それぞれ1〜20が好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜5が特に好ましい。
具体的には、有機ヒドロキシ化合物のリン酸ジエステルが挙げられる。具体的には、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートアシッドリン酸ジエステル等が挙げられる。例えば、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸〕エステル等が挙げられる。中でも、製造の容易さ及び製造物の品質安定性の観点から、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルが好ましい。また、これらの化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩などであっても良い。
単量体2及び3は、単量体2及び単量体3を含む混合単量体として用いることができる。また、単量体2及び単量体3として、一般式(4)で表される有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤とを反応させて得られるリン酸エステルを用いても良い。
単量体2及び単量体3を含む混合単量体は、例えば、一般式(4)で表される有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤を所定の仕込み比で反応させることで、反応生成物として製造することもできる。
Figure 0004832852
〔式中、R20は水素原子又はメチル基、R21は炭素数2〜12のアルキレン基、m4は1〜30の数を表す。〕
一般式(4)中のm4は、1〜20が好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜5が特に好ましい。
リン酸化剤としては、オルトリン酸、五酸化リン(無水リン酸)、ポリリン酸、オキシ塩化リン等が挙げられ、オルトリン酸、五酸化リンが好ましい。これらは単独でも2種以上を組み合わせて用いることも出来る。有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤とを反応させる際のリン酸化剤の量は目的とするリン酸エステル組成に応じ適時決めることができる。
単量体2及び単量体3を含む混合単量体として、例えばリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物を製造する場合、公知の技術(例えば特開昭57−180618号)により、合成することができる。
単量体2及び単量体3を含む混合単量体としては、モノエステル体とジエステル体とを含む市販品を使用することもでき、例えば、ホスマーM、ホスマーPE、ホスマーP(ユニケミカル)、JAMP514、JAMP514P、JMP100(何れも城北化学)、ライトエステルP−1M、ライトアクリレートP−1A(いずれも共栄社化学)、MR200(大八化学)、カヤマー(日本化薬)、Ethyleneglycol methacrylate phosphate(アルドリッチ試薬)などとして入手できる。
上記の市販品や反応生成物にはモノエステル体(単量体2)とジエステル体(単量体3)以外の化合物を含んでいる事が確認されている。それらの他の化合物は、重合性、非重合性のものが混在していると考えられるが、本発明ではこのような混合物(混合単量体)をそのまま使用することができる。
本発明に係る(A)成分は、単量体1と、単量体2と、単量体3とを、共重合させて得られるリン酸エステル系重合体である。単量体2及び単量体3を含有する混合単量体を用いることも好ましい。
単量体の共重合に際して、単量体1と、単量体2、3とのモル比は、単量体1/(単量体2+単量体3)=5/95〜95/5、更に、10/90〜90/10が好ましい。また、単量体1と単量体2と単量体3のモル比は、単量体1/単量体2/単量体3=5〜95/3〜90/1〜80、更に5〜96/3〜80/1〜60(ただし合計は100である)が好ましい。なお、単量体2と単量体3については、酸型の化合物に基づきモル比やモル%を算出するものとする(以下、同様)。
また、(A)成分の製造では、反応に用いる全単量体中、単量体3の比率を1〜60モル%、更に1〜30モル%とすることが好ましい。
また、単量体2と単量体3のモル比を、単量体2/単量体3=99/1〜4/96、更に99/1〜5/95とすることが好ましい。
ゲル化を抑制する観点から、単量体2及び/又は単量体3を含む単量体溶液のpHを7以下で反応に用いることが好ましい。
以下、ゲル化抑制、好適分子量の調整及び混和剤の性能設計の観点から、更に好ましい製造条件を説明する。このような観点から、共重合の際に、単量体1、2及び3の合計モル数に対して4モル%以上、更に6モル%以上、特に8モル%以上の連鎖移動剤を使用することが好ましい。また、連鎖移動剤の使用量の上限は、単量体1、2及び3の合計モル数に対して好ましくは100モル%以下、より好ましくは60モル%以下、更に好ましくは30モル%以下、特に好ましくは15モル%以下とすることができる。更に詳しくは、(1)単量体1のrが3〜30の場合で、
(1−1)単量体2と単量体3の単量体1、2及び3の合計のモル比が50モル%以上の場合は、連鎖移動剤は、単量体1、2及び3の合計に対して6〜100モル%、特に8〜60モル%を用いるのが好ましく、
(1−2)単量体2と単量体3の単量体1、2及び3の合計中のモル比が50モル%未満の場合は、連鎖移動剤は、単量体1、2及び3の合計に対して4〜60モル%、特に5〜30モル%を用いるのが好ましい。
(2)(A)成分に用いる単量体1のrが30超の場合は、連鎖移動剤は、単量体1〜3に対して6〜50モル%、特に8〜40モル%を用いるのが好ましい。
単量体2と3の反応率は60%以上、更に70%以上、更に80%以上、更に90%以上、特に95%以上を目標に行うことが好ましく、連鎖移動剤の使用量は、この観点から選定することができる。ここに、単量体2と3の反応率は、下記の式によって算出する。
Figure 0004832852
なお、反応開始時と反応終了時の反応系中のリン含有化合物中の単量体2と単量体3のエチレン性不飽和結合の割合(モル%)は、下記の1H−NMRの測定結果に基づき算出することができる。
1H−NMR条件]
水に溶解した(A)成分を減圧乾燥したものを3〜4重量%の濃度で重メタノールに溶解し、1H−NMRを測定する。エチレン性不飽和結合の残存率は、5.5〜6.2ppmの積分値により測定される。なお、1H−NMRの測定は、Varian社製「Mercury 400 NMR」を用い、データポイント数42052、測定範囲6410.3Hz、パルス幅4.5μs、パルス待ち時間10S、測定温度25.0℃の条件で行う。
(A)成分の製造においては、上記単量体1、2及び3の他に、共重合可能なその他の単量体を用いることもできる。共重合可能な他の単量体としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、これら何れかのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩を挙げることができる。また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などのアクリル酸系単量体を挙げることができ、またこれらの何れか1種以上のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、メチルエステル、エチルエステルや無水マレイン酸などの無水化合物であっても良い。更に、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−(メタ)アクリルアミド−2−メタスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−エタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、スチレン、スチレンスルホン酸などが挙げられる。全単量体中、単量体1、2及び3の合計の割合は、30〜100モル%、更に50〜100モル%、特に75〜100モル%が好ましく、更に、95モル%超〜100モル%、更に97〜100モル%が好ましい。
(A)成分の製造は、好ましくは所定量の連鎖移動剤の存在下で、単量体を共重合させる。また、共重合可能な他の単量体や重合開始剤等を用いても良い。
単量体1、2及び3の反応温度は、40〜100℃、更に60〜90℃が好ましく、反応圧力はゲージ圧で101.3〜111.5kPa(1〜1.1atm)、更に101.3〜106.4kPa(1〜1.05atm)が好ましい。
なお、反応系のpHは、必要に応じて、無機酸(リン酸、塩酸、硝酸、硫酸等)や、NaOH、KOH、トリエタノールアミンなどを用いて調整できる。
ここで、単量体2及び/又は単量体3を含む単量体溶液は、pH測定上、含水系(すなわち、溶媒が水を含むこと)である事が好ましいが、非水系の場合には必要量の水を加えて測定しても良い。単量体溶液の均一性、ゲル化防止、性能低下の抑制の観点で、pHは7以下が好ましく、0.1〜6がより好ましく、更に0.2〜4.5が好ましい。また、単量体1もpH7以下の単量体溶液として用いることが好ましい。このpHは、20℃のものである。
本発明では、反応途中(反応開始時〜反応終了時)で採取した反応液の20℃でのpHを、反応中のpHとする。反応中のpHが7以下となることが明らかな条件(単量体比率、溶媒、その他の成分等)で反応を開始することが好ましい。
なお、反応系が非水系の場合は、pH測定可能な量の水を反応系に加えて測定することができる。
(A)成分の製造方法において、単量体1、2及び3は、以下の(1)、(2)に例示した条件で反応を行えば、その他の条件の考慮の下で、通常は、反応中のpHも7以下になると考えられる。
(1)単量体1、2及び3を全て含むpH7以下の単量体溶液を、単量体1、2及び3の共重合反応に用いる。
(2)単量体1、2及び3の共重合反応をpH7以下で開始する。すなわち、単量体1、2及び3を含む反応系を、pH7以下にした後、反応を開始する。
[連鎖移動剤]
連鎖移動剤は、ラジカル重合における連鎖移動反応(成長しつつある重合体ラジカルが他の分子と反応してラジカル活性点の移動が起こる反応)をもたらす機能を有し、連鎖単体の移動を目的として添加される物質である。
連鎖移動剤としては、チオール系連鎖移動剤、ハロゲン化炭化水素系連鎖移動剤等が挙げられ、チオール系連鎖移動剤が好ましい。
チオール系連鎖移動剤としては、−SH基を有するものが好ましく、特に一般式HS−R−Eg(ただし、式中Rは炭素原子数1〜4の炭化水素由来の基を表し、Eは−OH、−COOM、−COOR’または−SO3M基を表し、Mは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基または有機アミン基を表し、R’は炭素原子数1〜10のアルキル基を表わし、gは1〜2の整数を表す。)で表されるものが好ましく、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル等が挙げられ、単量体1〜3を含む共重合反応での連鎖移動効果の観点から、メルカプトプロピオン酸、メルカプトエタノールが好ましく、メルカプトプロピオン酸が更に好ましい。これらの1種または2種以上を用いることができる。
ハロゲン化炭化水素系連鎖移動剤としては、四塩化炭素、四臭化炭素などが挙げられる。
その他の連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、2−アミノプロパン−1−オールなどを挙げることができる。連鎖移動剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
[重合開始剤]
(A)成分の製造方法では、重合開始剤を使用することが好ましく、特に、単量体1、2及び3の合計モル数に対して重合開始剤を5モル%以上、更に7〜50モル%、特に10〜30モル%使用することが好ましい。
水系の重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム塩又はアルカリ金属塩あるいは過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート等の水溶性アゾ化合物が使用できる。また、重合開始剤と併用して、亜硫酸水素ナトリウム、アミン化合物などの促進剤を使用することもできる。
[溶媒]
(A)成分の製造では、溶液重合法で実施することができ、その際に使用される溶媒としては、水、あるいは、水と、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールアセトン、メチルエチルケトン等とを含有する含水溶媒系の溶媒が挙げられる。取り扱いと反応設備から考慮すると、水が好ましい。特に水系の溶媒を用いる場合、単量体2及び/又は単量体3を含む単量体溶液のpHは7以下であることが好ましく、更に0.1〜6、特に0.2〜4で反応に用いて共重合反応を行うことが、モノマー混液の均一性(取り扱い性)、モノマー反応率の観点や、リン酸系化合物のピロ体の加水分解により架橋を抑制する点で好ましい。
(A)成分の製造方法の一例を示す。反応容器に所定量の水を仕込み、窒素等の不活性気体で雰囲気を置換し昇温する。予め単量体1、単量体2、単量体3、連鎖移動剤を水に混合溶解したものと、重合開始剤を水に溶解したものとを用意し、0.5〜5時間かけて反応容器に滴下する。その際、各単量体、連鎖移動剤及び重合開始剤を別々に滴下してもよく、また、単量体の混合溶液を予め反応容器に仕込み、重合開始剤のみを滴下することも可能である。すなわち、連鎖移動剤、重合開始剤、その他の添加剤は、単量体溶液とは別に添加剤溶液として添加しても良いし、単量体溶液に配合して添加してもよいが、重合の安定性の観点からは、単量体溶液とは別に添加剤溶液として反応系に供給することが好ましい。何れの場合も、単量体2及び/又は単量体3を含有する溶液はpH7以下が好ましい。また、酸剤等により、好ましくはpHを7以下に維持して共重合反応を行い、好ましくは所定時間の熟成を行う。なお、重合開始剤は、全量を単量体と同時に滴下しても良いし、分割して添加しても良いが、分割して添加することが未反応単量体の低減の点では好ましい。例えば、最終的に使用する重合開始剤の全量中、1/2〜2/3の重合開始剤を単量体と同時に添加し、残部を単量体滴下終了後1〜2時間熟成した後、添加することが好ましい。必要に応じ、熟成終了後に更にアルカリ剤(水酸化ナトリウム等)で中和し、本発明に係るリン酸エステル系重合体を得る。この製造例は、本発明に係る(A)成分の製造方法として好適である。
反応系の単量体1、2及び3並びに共重合可能なその他の単量体の総量は、5〜80重量%が好ましく、10〜65重量%がより好ましく、20〜50重量%が特に好ましい。
(A)成分は、重量平均分子量(Mw)が10,000〜150,000であることが好ましい。この(A)成分は、混水量低減と押し出し成形時の抵抗性緩和の観点から、Mwが10,000以上であり、好ましくは12,000以上、さらに好ましくは13,000以上、より好ましくは14,000以上、特に好ましくは15,000以上で、架橋による高分子量化、ゲル化の抑制や性能面では混水量低減と押し出し成形時の抵抗性緩和の観点から、150,000以下であり、好ましくは130,000以下、さらに好ましくは120,000以下、より好ましくは110,000以下、特に好ましくは100,000以下であり、前記の観点から、好ましくは12,000〜130,000、より好ましくは13,000〜120,000、さらに好ましくは14,000〜110,000、特に好ましくは15,000〜100,000である。この範囲のMwを有し、かつMw/Mnが1.0〜2.6であることが好ましい。ここで、Mnは数平均分子量である。
(A)成分のMw及びMnは、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定されたものである。
[GPC条件]
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算
また、上記条件でのGPC法で得られる分子量分布を示すチャートのパターンにおいて、分子量10万以上の面積が当該チャート全体の面積の5%以下であることが、分散性(必要添加量低減)や粘性低減効果の点でより好ましい。
(A)成分は、混水量の低減と、(B)成分と併用することで、特に押し出し成形時の抵抗性緩和の点で好ましい。
<(B)成分>
(B)成分の水溶性高分子化合物としては、(A)成分以外の水溶性高分子であり、0.5重量%を水に分散した時の粘度が10mPa・s以上の重量平均分子量10000以上の化合物である。この粘度は、0.5%分散液をB型回転粘度計(25℃、回転数30rpm、ロータNo.1)により測定されたものである。(B)成分は硬化前の成形体の保型性や押し出し成形時の抵抗性低減に寄与する。具体的には、非イオン性セルローズエーテル、アクリル酸系重合体、ポリアルキレングリコール、及び発酵により得られる多糖類からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
非イオン性セルローズエーテルとしては、メチルセルローズ、エチルセルローズ、ヒドロキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ等が挙げられる。これらの好ましい分散液粘度としては、10mPa・s以上、更に100〜10000mPa・sのものが好ましい。この粘度は、0.5%分散液をB型回転粘度計(25℃、回転数30rpm、ロータNo.1〜4を粘度に対応して適宜使用する)により測定されたものである。
アクリル酸系重合体としては、未中和分散液の粘度で、20mPa・s以上、更に30〜300mPa・sのものが好ましい。具体的には、ポリアクリル酸又はその塩、ポリアクリルアミド等が挙げられる。この粘度は、0.5%分散液をB型回転粘度計(25℃、回転数60rpm、ロータNo.1〜3を粘度に対応して適宜使用する)により測定されたものである。
ポリアルキレングリコールとしては、重量平均分子量2万以上、更に2万〜500万のもの挙げられる。この重量平均分子量は、ASTM、D1638−59T、Hydroxylnumder method−Bによるピリジン無水フタル酸法にて測定したOHV(水酸基価)から算出されたものである。ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコールが好ましい。
発酵により得られる多糖類としては、酵母グルカン、直鎖状または分岐鎖状β−1,3グルカン、キサンタンガム等が挙げられる。
(B)成分としては、押し出し成形時の抵抗性緩和効果と押し出し成形後の保型性に優れることから、非イオン性セルローズエーテルが好ましい。
<押し出し成形体用混和剤>
本発明の混和剤は、(A)成分と(B)成分の重量比が(A)/(B)=100/10〜100/1000が好ましく、更に、100/10〜100/500、特に、100/10〜100/300であることが、押し出し成形時の抵抗性緩和効果に優れるため好ましい
本発明の混和剤は、(A)成分を含有する剤と(B)成分を含有する剤とからなる2剤系キットの形態とすることが好ましい。該キットは、2つの剤を分離して保持する手段(例えば、包装容器等)を備えることができる。2剤系キットの形態では、2剤の両者それぞれを、セメント質材料と水とを混練する際の材料として添加する、又はセメント質材料と水等の混練物に添加する使用法が好ましい。なお、予め2剤を混合して用いることもできるが、(B)成分を含む水溶液は増粘が上昇する傾向にあることから、作業性等の観点からは、別々に用いることが好ましい。
2剤系キットの形態において、(A)成分を含有する剤は、製造容易性及び作業性の観点から、水溶液とすることが好ましい。該水溶液中に(A)成分を5〜40重量%含有することが好ましく、10〜40重量%がより好ましく、20〜35重量%がさらに好ましい。
また、2剤系キットの形態において、(B)成分を含有する剤は、製造容易性及び作業性の観点から、粉末とすることが好ましい。該粉末中に(B)成分を70〜100重量%含有することが好ましく、90〜100重量%がより好ましく、実質的に100重量%とすることがさらに好ましい。
本発明の押し出し成形体用混和剤は、公知の消泡剤や添加剤(材)と併用することができる。例えば、AE剤、AE減水剤、流動化剤、高性能減水剤、遅延剤、早強剤、促進剤、起泡剤、発泡剤、保水剤、(B)成分以外の増粘剤、防水剤等や、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等が挙げられる。
本発明の押し出し成形体用混和剤はセメント質材料と水とを混練する際の材料又はセメント質材料を主原料とする水混練物(水硬性組成物)に添加されるが、ここで用いられるセメント質材料としては、普通ポルトランドセメントの他、高炉セメント、フライアッシュセメント等も使用でき、特に限定されない。また、曲げ補強の繊維類として、石綿、岩綿、ガラス繊維、スチール繊維等の無機質繊維、炭素繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維等の有機繊維等の使用も可能である。例えば、本発明の押し出し成形体用混和剤とセメント質材料と骨材(例えば、硅砂やフライアッシュ、シリカヒューム等)と繊維類と水とを混合機で混合し、混練物を調製して、押し出し成形機で成形し、養生することにより、押し出し成形体が得られる。
本発明の混和剤は、セメント質材料100重量部に対して、(A)成分が、0.01〜5.0重量部、更に0.05〜1.0重量部、(B)成分が0.1〜10.0重量部、更に0.1〜3.0重量部となるように用いられることが好ましい。本発明の混和剤は、セメント100重量部に対して水を40〜70重量部、更に、40〜50重量部という低い混水量で用いて得られた押し出し成形体用水硬性組成物においても、良好な押し出し成形性が得られる。
本発明の押し出し成形体用混和剤の対象となるセメント系押し出し成形体は、寸法精度に優れ外観も良好である点で、建築用部材やコンクリート類の埋め殺し型枠として好適に使用することができる。特に、本発明の押し出し成形体は、曲げ強度25N以上、特に28〜36Nの強度が要求される用途に好適である。
製造例A1
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水366gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数23)450g(有効分60.8重量%、水分35重量%)とリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物であるリン酸エステル化物(A)71.6gと3−メルカプトプロピオン酸4.5gを混合したものと、過硫酸アンモニウム8.4gを水48gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム1.8gを水10gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に32%水酸化ナトリウム水溶液44.4gで中和し、重量平均分子量35000の重合体a−1を得た。(単量体重合pH:1.0、反応率100%)
なお、本製造例で使用したリン酸エステル化物(A)は、反応容器中にメタクリル酸2-ヒドロキシエチル200gと85%リン酸(H3PO4)36.0gを仕込み、5酸化2リン(無水リン酸)(P2O5)89.1gを温度が60℃を超えないように冷却しながら徐々に添加した。終了後、反応温度を80℃に設定し、6時間反応させ、冷却して得られたものである。以下の製造例の一部でも、このリン酸エステル化物(A)を使用した。
製造例A2
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水371gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数23)500g(有効分60.8重量%、水分35重量%)とリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物であるリン酸エステル化物(A)34.1gと3−メルカプトプロピオン酸2.8gを混合したものと、過硫酸アンモニウム7.2gを水41gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム1.6gを水9gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に32%水酸化ナトリウム水溶液21.2gで中和し、重量平均分子量34000の重合体a−2を得た。(単量体重合pH:1.1、反応率100%)
製造例A3
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水381gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数23)520g(有効分60.8重量%、水分35重量%)とリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物であるリン酸エステル化物(A)28.6gと3−メルカプトプロピオン酸2.8gを混合したものと、過硫酸アンモニウム7.2gを水41gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム1.6gを水9gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に32%水酸化ナトリウム水溶液17.7gで中和し、重量平均分子量36000の重合体a−3を得た。(単量体重合pH:1.1、反応率100%)
製造例A4
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水471gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数9)290g(有効分84.4重量%、水分10重量%)とリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物であるリン酸エステル化物(A)93.8gと3−メルカプトプロピオン酸11.3gを混合したものと、過硫酸アンモニウム8.2gを水46gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム3.3gを水19gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に32%水酸化ナトリウム水溶液58.2gで中和し、重量平均分子量25000の重合体a−4を得た。(単量体重合pH:1.0、反応率99%)
製造例A5
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水489gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数9)290g(有効分84.4重量%、水分10重量%)とリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物であるリン酸エステル化物(A)53.2gと3−メルカプトプロピオン酸9.1gを混合したものと、過硫酸アンモニウム7.8gを水44gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム3.1gを水18gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に32%水酸化ナトリウム水溶液33.0gで中和し、重量平均分子量21000の重合体a−5を得た。(単量体重合pH:1.1、反応率98%)
製造例A6
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水189gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの付加モル数9:新中村化学製NKエステルM90G)40gとリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物(ホスマーM:ユニケミカル(株))43.8gと3−メルカプトプロピオン酸1.6gとを水40gに溶解したものと、過硫酸アンモニウム5.4gを水62gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム2.7gを水31gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に20%水酸化ナトリウム水溶液54.4gで中和し、重量平均分子量51000の重合体a−6を得た。(単量体重合pH:1.1、反応率100%)
製造例A7
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水218gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの付加モル数23:新中村化学製NKエステルM230G)55gとリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物(ホスマーM:ユニケミカル(株))32.3gと3−メルカプトプロピオン酸1.1gとを水55gに溶解したものと、過硫酸アンモニウム3.8gを水43gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム1.9gを水22gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に20%水酸化ナトリウム水溶液40.1gで中和し、重量平均分子量51000の重合体a−7を得た。(単量体重合pH:1.3、反応率100%)
製造例C1
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水281.4g仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω-メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレンオキサイドの付加モル数120)336.5gとメタクリル酸22.2gと2-メルカプトエタノール1.89gを水238.2gに溶解したものと、過硫酸アンモニウム3.68gを水45gに溶解したものの二者をそれぞれ1.5時間かけて滴下した。引き続き、過硫酸アンモニウム1.47gを水15gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に48%水酸化ナトリウム18.7gで中和し、共重合体c−1を得た。(重量平均分子量79000)
製造例C2
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水246.4g仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で56℃まで昇温した。ω-メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレンオキサイドの付加モル数10)148.8gとメタクリル酸39.2gと3-メルカプトプロピオン酸2.32gを混合したものと、過硫酸アンモニウム5%水溶液43.3gの二者をそれぞれ1.5時間かけて滴下した。その後3時間同温度(56℃)で熟成した。熟成終了後に48%水酸化ナトリウムでpH=6まで中和し、共重合体c−2を得た。(分子量34000)
実施例1〜14及び比較例1〜4
上記で得られた共重合体〔便宜的にまとめて(A)成分と表記する〕と以下に示す(B)成分を用いて、以下の押し出し成形体用の配合から押し出し成形体を製造した場合の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)(B)成分
・b−1:メチルセルローズ(ハイメトローズ65SH、信越化学工業(株)製)
・b−2:ヒドロキシエチルセルローズ(ユニセルQP-4400H、ダイセル化学工業(株)製)
・b−3:ポリアクリルアミド(ハイビスワコー103、和光純薬工業(株)製)
・b−4:ポリエチレングリコール(PEO−8、住友精化(株)製)
・b−5:β−1.3グルカン(ビオポリ、武田薬品工業(株)製)
・b−6:キサンタンガム(ケルザン、三晶(株)製)
(2)押し出し成形体用水混練物の成分及び配合量
・普通ポルトランドセメント(太平洋社製) 100重量部
・豊浦産砂 50重量部
・ビニロン繊維 20重量部
・(A)成分 表1の添加量(セメント100重量部に対する重量部)
・(B)成分 表1の添加量(セメント100重量部に対する重量部)
(3)押し出し成形体の製造
(A)成分、(B)成分、上記押し出し成形体用水混練物の成分、および水を混練機(宮崎鉄工社製:KHS-80)により、表1に示す量で混合して、混練物を調製し、幅60mm、厚さ8mmのダイスを先端に取り付けた押し出し成形機(宮崎鉄工社製:FM-301型)により押し出し、成形板を製造した。次いで、その成形品を高温高圧養生(180℃、10kg/cm2)をかけ、製品とした。成形機の押し出し速度、得られた成形板の曲げ強度、外観、寸法精度を以下のように測定し、評価した。結果を表1に示す。なお、表1の混水量は、セメント100重量部に対する水の重量部である。
(4)評価方法
(4−1)押し出し速度
押し出し成形した場合の1分間当りの成形体の長さを測定した。
(4−2)曲げ強度
JIS−R5201により測定した。
(4−3)外観
最終製品とした成形体表面の外観を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
◎:表面が極めて平滑でキズがない、
○:表面が平滑でキズがない、
△:表面にキズが少しある
×:表面にキズが多く発生
(4−4)寸法精度
最終製品とした成形体について以下の基準で評価した。
◎:幅、厚みの誤差がともに0.1mm未満
○:幅、厚みの誤差がともに0.1mm以上0.2mm未満
△:幅、厚みの誤差がともに0.2mm以上0.3mm未満
×:幅、厚みの誤差がともに0.3mm以上
Figure 0004832852
セメント100重量部に対して混水量が45重量部の混水量の少ない配合においても、実施例の混和剤は、押し出し速度、曲げ強度、寸法精度及び外観において良好な結果が得られたのに対し、比較例の混和剤は、いずれも劣ることがわかる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される単量体1と、下記一般式(2)で表される単量体2及び下記一般式(3)で表される単量体3を含む混合単量体とを共重合して得られるリン酸エステル系重合体(A)と、水溶性高分子化合物(B)と、セメント質材料と、水とを含有する押し出し成形体用水硬性組成物であって、セメント質材料100重量部に対して水を40〜50重量部含有する、押し出し成形体用水硬性組成物
    Figure 0004832852

    〔式中、R1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基、R3は水素原子又は-(CH2)q(CO)pO(AO)rR4、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、pは0又は1の数、qは0〜2の数、rはAOの平均付加モル数であり、3〜300の数、R4は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
    Figure 0004832852

    〔式中、R11は水素原子又はメチル基、R12は炭素数2〜12のアルキレン基、m1は1〜30の数、M3、M4はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
    Figure 0004832852

    〔式中、R13、R15は、それぞれ水素原子又はメチル基、R14、R16は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基、m2、m3は、それぞれ1〜30の数、M5は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
  2. 水溶性高分子化合物(B)が、非イオン性セルローズエーテル、アクリル酸系重合体、ポリアルキレングリコール、及び発酵により得られる多糖類からなる群より選ばれる1種以上である請求項1記載の押し出し成形体用水硬性組成物
  3. 請求項1又は2記載の押し出し成形体用水硬性組成物を用いて製造された押し出し成形体。
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