JP4425580B2 - 遠心成形コンクリート製品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心力による締め固めによりコンクリート製品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンクリートの高耐久化指向が強まってきており、例えば、遠心成形コンクリート製品に使用される水量を低減して高強度化することが行われており、この傾向は今後も増加するものと予測される。かかるコンクリートは水量が低く、相対的にコンクリート中の水/水硬性粉体比〔組成物中の水と水硬性粉体の重量百分率(重量%)、以下、W/Pと表記する。〕が低くなるため、分散性と保持性を改善することが技術課題とされてきた。特許文献1には、ポリカルボン酸系減水剤を遠心成形コンクリート製品用混和剤として使用する技術が開示されている。
【0003】
一方、水硬性組成物用添加剤として、リン酸エステル系の添加剤を用いる技術が開示されている。例えば、特許文献2には、特定のポリカルボン酸系セメント分散剤と、特定の非イオン化合物と、AE剤に用いる化合物から選ばれた1種としてポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルとを使用する技術が開示されている。
【0004】
特許文献3には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルと特定のポリオキシアルキレン基を有する単量体を重合して得られる重合体とを含有する混和剤が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特許2887561号
【特許文献2】
特許2508113号
【特許文献3】
特開2002−121058号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、W/Pが35%以下になる高強度領域の水硬性組成物による遠心成形製品の製造効率について検討した結果、W/Pの低下による水硬性組成物の急激な増粘により、水硬性組成物を型枠に充填し難くなり、十分な遠心締め固めを得るために必要な時間が増長される傾向になることを見出した。
【0007】
ところが、かかる遠心成形性の低下に対して、従来技術では十分に対応できないことがわかった。即ち、特許文献1に係る技術では、低W/Pの領域、特にW/Pが25%以下の領域においては、コンクリート粘性が高く、遠心成形を行っても締め固めが不充分となり、高強度領域の水硬性組成物の粘性を十分に低減することができない。
【0008】
また、従来技術に係るリン酸エステル含有系でも、このような遠心成形性の低下を解決することができないことがわかった。例えば、特許文献2や特許文献4に係るリン酸エステル含有系では、高強度領域の水硬性組成物の粘性が十分に低減しない。このようなことから、これらの技術でも、遠心成形性の低下を十分に防止できないのが現状である。
【0009】
本発明の課題は、水硬性組成物、特に低いW/Pの水硬性組成物による遠心成形においても、作業性が良く、効率よく製品を製造できる製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(1)で表される基を有するリン酸モノエステル又はその塩(以下、モノエステル体という)と、下記一般式(1)で表される基を有するリン酸ジエステル(ジエステルにはピロリン酸のジエステルを含む)又はその塩(以下、ジエステル体という)とを含有する遠心成形コンクリート用添加剤であって、モノエステル体とジエステル体の重量比が、モノエステル体/(モノエステル体+ジエステル体)で0.4〜0.95である遠心成形コンクリート用添加剤〔以下、モノエステル体とジエステル体を合わせて(A)成分という〕と水硬性粉体と水とを含有し、前記水硬性粉体100重量部に対する前記添加剤中のモノエステル体とジエステル体の合計が0.01〜7.5重量部である遠心成形コンクリートを、0.5G以上の遠心力で締め固めする工程を有する、遠心成形コンクリート製品の製造方法に関する。
R1−O(AO)n− (1)
〔式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基もしくはアルケニル基、又は2以上のベンゼン環を有する炭化水素基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは平均付加モル数であり1〜50の数を示す。〕
【0011】
また、本発明は、上記本発明の遠心成形コンクリート製品の製造方法で製造された遠心成形コンクリート製品に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
【0013】
<実施態様I>
本発明では、遠心成形コンクリート用添加剤に(A)成分を用いることで、低いW/Pの水硬性組成物による遠心成形においても、作業性が良く、効率よく製品を製造できる。以下、本発明に係る遠心成形コンクリート用添加剤において(A)成分を単独で用いる場合(実質的な有効成分が(A)成分のみの場合)を実施態様Iとして説明する。
【0014】
(A)成分は、上記一般式(1)で表される基を有する。式中、R1は炭素数8〜22、好ましくは炭素数10〜20のアルキル基もしくはアルケニル基、又は2以上のベンゼン環を有する炭化水素基である。(A)成分としては、アルキルエーテル基を有するアルキルエーテルリン酸モノエステル又はその塩、アルケニルエーテル基を有するアルケニルエーテルリン酸モノエステル又はその塩、2以上のベンゼン環を有するアリールエーテル基を有するアリールエーテルリン酸モノエステル又はその塩等が挙げられる。締め固め性の観点から、アルキル基の炭素数は12〜16、アルケニル基の炭素数は16〜20が、2以上のベンゼン環を有する炭化水素基の総炭素数は13〜38が、それぞれ好ましい。アルキル基又はアルケニル基については、特に好ましくはミリスチル基及びオレイル基であり、2以上のベンゼン環を有する炭化水素基については総炭素数は20〜30である。また、2以上のベンゼン環を有する炭化水素基は、1以上のベンゼン環を含む基を置換基として有するアリール基が好ましく、特に2又は3のベンゼン環を含む基を置換基として有するアリール基が更に好ましい。また、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、nは1〜50である。締め固め性の観点から、好ましくは3〜35、更に好ましくは5〜30、特に好ましくは10〜25である。フレッシュコンクリートの気泡安定性の観点からは、(A)成分は、上記2以上のベンゼン環を有する炭化水素基を有することが好ましい。
【0015】
(A)成分の塩として、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩が挙げられ、好ましくはアルカリ金属塩、水酸基置換アルキルアミン塩であり、特に好ましくはカリウム塩、ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩であり、添加作業性の観点から、さらに特に好ましくはナトリウム塩、カリウム塩、最も好ましくはカリウム塩である。
【0016】
(A)成分のモノエステル体とジエステル体は、それぞれ一般式(1−1)で表される構造のものが好ましい。
【0017】
【化4】
【0018】
〔式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基もしくはアルケニル基、又は2以上のベンゼン環を有する炭化水素基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは平均付加モル数であり1〜50の数を示す。kは1又は2、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は水酸基置換アルキルアンモニウム基を示す。〕
【0019】
一般式(1−1)において、kが1のときの2個のM、kが2のときの2個のR1とnは、ぞれぞれ異なっていてもよい。
【0020】
(A)成分は、リン原子に結合する一般式(1)で表される基を有するリン酸のモノエステルもしくはジエステル又はこれらの塩である。そして、本発明の添加剤を水溶液にした場合の添加作業性の観点から、モノエステル体とジエステル体(ジエステル体にはピロリン酸のジエステル体を含む)の重量比は、モノエステル体/(モノエステル体+ジエステル体)で0.4〜0.95であり、遠心成形コンクリートの締め固め性、流動性および添加作業性の観点から、好ましくは0.5〜0.95、より好ましくは0.65〜0.95、さらに好ましくは0.7〜0.95であり、さらに工業的な製造容易性の観点から、特に好ましくは0.7〜0.85である。
【0021】
また、本発明に用いられる遠心成形コンクリート用添加剤は、(A)成分(モノエステル体とジエステル体)以外に、一般式(1)で表される基を有するリン酸のトリエステル(以下、トリエステル体という)を含有していてもよい。(A)成分が上記のモノエステル体とジエステル体の比率と後述の本発明の遠心成形コンクリート用添加剤中の含有量を満たせば、トリエステル体の比率や量は特に限定されないが、(モノエステル体+ジエステル体)/(モノエステル体+ジエステル体+トリエステル体)の重量比は、好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.8以上である。
【0022】
なお、(A)成分は、上記重量比を満たすことが重要であり、モノエステル体とジエステル体、更にトリエステル体のR1、AO、nは同一でも異なっていてもよい。
【0023】
(A)成分は、例えばアルコールにアルキレンオキサイドを付加した後、リン酸エステル化することによって得ることができる。あるいは、市販されているアルコールのアルキレンオキサイド付加物を原料として、リン酸エステル化反応によって得ることもできる。アルコールとして、天然アルコールや合成アルコールを使用できる。アルキレンオキサイドは炭素数2〜4のものであり、エチレンオキサイド(以下、EOと表記する)、プロピレンオキサイド(以下、POと表記する)、ブチレンオキサイド(以下、BOと表記する)が挙げられ、好ましくはEO、又はEOとPOの併用が好ましく、特に好ましくはEOである。また、2種以上のアルキレンオキサイド基の付加形態は、ブロック結合、ランダム結合、それらが混在したものの何れでも良い。
【0024】
<実施態様II>
本発明では、遠心成形コンクリート用添加剤として(A)成分を単独で用いるよりも、流動性を向上による必要添加量を減少させる点で、(B1)炭素数8〜26のアルキル基もしくはアルケニル基又は1以上のベンゼン環を有する炭素数6〜35の炭化水素基と、炭素数2〜4のオキシアルキレン基から構成され、平均付加モル数が3〜400であるポリオキシアルキレン基とを有する非イオン性化合物〔以下、(B1)成分という〕、及び(B2)炭素数8〜26のアルキル基もしくはアルケニル基又は1以上のベンゼン環を有する炭素数6〜35の炭化水素基と、炭素数2〜4のオキシアルキレン基から構成され、平均付加モル数が5〜400であるポリオキシアルキレン基とを有するイオン性化合物(前記一般式(1)で表される基を有するリン酸エステル又はその塩を除く)〔以下、(B2)成分という〕より選ばれる1種類以上の化合物(B)〔以下、(B)成分という〕を併用することが好ましい。(B)成分は、前記ポリオキシアルキレン基を1〜2個有することが好ましい。以下、本発明に係る遠心成形コンクリート用添加剤において(A)成分と(B)成分とを併用する場合(実質的な有効成分が(A)成分と(B)成分である場合)を実施態様IIとして説明する。
【0025】
(B)成分に付加するアルキレンオキサイド中、好ましくはEOを50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、特に好ましくは100モル%用いる。
【0026】
一般式(2)の非イオン性化合物は、R2の基を有するアルコールに、EO、PO及びBOから選ばれるアルキレンオキサイド、好ましくはEO、又はEOとPO、更に好ましくはEOを付加することにより得られる。同様に、一般式(3)、(4)の非イオン性化合物は、R3又はR5の基を有する化合物に、EO、PO及びBOから選ばれるアルキレンオキサイド、好ましくはEO、又はEOとPOを付加することにより得られる。水溶液性状の観点から、付加するアルキレンオキサイド中、好ましくはEOを50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、特に好ましくは100モル%用いる。(B1)成分としては、特に一般式(2)の非イオン性化合物が好ましい。また、連行気泡の安定性の観点からは、さらにオキシプロピレン基が含まれることが好ましく、ポリオキシアルキレン基中のオキシエチレン基の比率は、好ましくは10モル%以上、より好ましくは25モル%以上である。水溶性と連行気泡の安定性の総合的な観点からは、オキシエチレン基とオキシプロピレン基のモル比は、好ましくは90/10〜30/70、より好ましくは80/20〜40/60である。また、2種以上のアルキレンオキサイド基の付加形態は、ブロック結合、ランダム結合、それらが混在したものの何れでも良い。
【0027】
(B)成分としては、(B1)成分が添加作業性の点で好ましく、(B1)成分としては、下記一般式(2)で表される化合物、一般式(3)で表される化合物及び一般式(4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物、及び、その他にポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル、ポリオキシアルキレングリセリンアルキルエステル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油等が挙げられ、実施態様IIでの添加作業性の観点から、一般式(2)で表される化合物、一般式(3)で表される化合物及び一般式(4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物が好ましい。
R2−O−(AO)p−R (2)
R3−COO−(AO)q−R4 (3)
R5−NH(2-t)〔(AO)s−H〕t (4)
〔式中、R2、R3及びR5は、それぞれ炭素数8〜26のアルキル基もしくはアルケニル基又は1以上のベンゼン環を有する炭素数6〜35の炭化水素基、R及びR4は、それぞれ水素原子、炭素数1〜26のアルキル基もしくはアルケニル基又は1以上のベンゼン環を有する炭素数6〜35の炭化水素基、好ましくは水素原子、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、p、q及びsは、それぞれ平均付加モル数であり3〜300、好ましくは5〜100、より好ましくは10〜100の数、tは1又は2を示す。tが2のときの2個の(AO)sは異なっていてもよい。〕
【0028】
一般式(2)〜(4)において、R2、R3及びR5は、それぞれ炭素数10〜22、更に14〜20、特に14〜18の直鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、特にオレイル基が好ましい。1以上のベンゼン環を有する炭素数6〜35の炭化水素基の場合、2以上のベンゼン環を有する炭化水素基(特に1以上のベンゼン環を含む基を置換基として有するアリール基)が好ましく、3又は4のベンゼン環を有する炭化水素基(特に2又は3のベンゼン環を含む基を置換基として有するアリール基)が更に好ましく、総炭素数としては20〜30が好ましい。R及びR4は、それぞれ水素原子、炭素数1〜26のアルキル基もしくはアルケニル基又は1以上のベンゼン環を有する炭素数6〜35の炭化水素基であり、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基が更に好ましく、特に水素原子、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数2のアルケニル基が好ましい。
【0029】
(B1)成分のうち、一般式(2)の非イオン性化合物としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルが、ポリオキシアルキレンポリスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンポリベンジル化フェニルエーテルが好ましく、ポリオキシアルキレン(ジ又はトリ)スチレン化フェニルエーテル、ポリオキシアルキレン(ジ又はトリ)ベンジル化フェニルエーテルが、フレッシュコンクリートの気泡安定性の観点から、より好ましく、一般式(3)の非イオン性化合物としては、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、アルコキシポリオキシアルキレンアルキルエステルが、一般式(4)の非イオン性化合物としては、ポリオキシアルキレンアルキルアミン等が挙げられる。また、(B1)成分の特定のアルキル基、アルケニル基、1以上のベンゼン環を有する炭素数6〜35の炭化水素基の代わりに、オルガノシロキサン等の疎水基を有する化合物、例えばシリコーン系界面活性剤等を用いることもできる。(B1)成分としては、添加作業性の観点から、より好ましくは、一般式(2)の非イオン性化合物としてはポリオキシアルキレンアルキルエーテル、一般式(3)の非イオン性化合物としてはポリオキシアルキレンアルキルエステル、一般式(4)の非イオン性化合物としてはポリオキシアルキレンアルキルアミンである。
【0030】
また、(B2)成分としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩やポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩が好ましい。これらのポリオキシアルキレン部分の構造(炭素数、平均付加モル数等)やアルキル基の炭素数等については、(B1)成分と同様である。
【0031】
水溶液性状の観点から、(B1)の方が、(B2)よりも好ましい。
【0026.3】
さらに、遠心成形コンクリートの遠心締め固め性と流動性の観点から、(A)/(B)の重量比は、99/1〜10/90が好ましく、更に90/10〜50/50が好ましく、特に80/20〜60/40が好ましい。
【0032】
<実施態様III>
本発明では、遠心成形コンクリートの遠心成形時間短縮させる観点から、遠心成形コンクリート用添加剤として、(A)成分、(B)成分に加えて、一般式(5)で表される単量体由来の構成単位と、一般式(6)で表される単量体由来の構成単位及び一般式(7)で表される単量体由来の構成単位から選ばれる一種以上の構成単位とを有する共重合体(C)〔以下、(C)成分という〕を併用することが好ましい。以下、本発明に係る遠心成形コンクリート用添加剤において(A)成分と(B)成分と(C)成分とを併用する場合(実質的な有効成分が(A)成分と(B)成分と(C)成分である場合)を実施態様IIIとして説明する。
【0033】
(C)成分は、一般式(5)で表される単量体と、一般式(6)で表される単量体及び一般式(7)で表される単量体から選ばれる一種以上とを重合して得られる共重合体が挙げられる。一般式(5)で表される単量体としては、平均付加モル数1〜300のオキシアルキレン基もしくはポリオキシアルキレン基を有するエチレン系不飽和カルボン酸エステルが好ましい。ここで、オキシアルキレン基はオキシスチレン基でもよく、ポリオキシアルキレン基はオキシスチレン基を含んでもよく、ポリオキシスチレン基でもよい。一般式(5)で表される単量体、一般式(6)で表される単量体及び一般式(7)で表される単量体は、それぞれ2種以上を併用してもよい。
【0034】
【化5】
【0035】
〔式中、
R6、R7:それぞれ水素原子又はメチル基
m:0〜2の数
R8:水素原子又は−COO(AO)n1Y
p:0又は1の数
AO:炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基
n1:平均付加モル数であり1〜300の数
Y:水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基もしくはアルケニル基
を表す。〕
【0036】
【化6】
【0037】
〔式中、
R9〜R11:それぞれ、水素原子、メチル基又は(CH2)m1COOM2であり、(CH2)m1COOM2はCOOM1又は他の(CH2)m1COOM2と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM1、M2は存在しない。
M1、M2:それぞれ、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は水酸基置換アルキルアンモニウム基
m1:0〜2の数
【0038】
【化7】
【0039】
Z:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は水酸基置換アルキルアンモニウム基
を表す。〕
【0040】
一般式(5)で表される単量体としては、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、メトキシポリブチレングリコール、メトキシポリスチレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸、マレイン酸との(ハーフ)エステル化物や、(メタ)アリルアルコールとのエーテル化物、及び(メタ)アクリル酸、マレイン酸、(メタ)アリルアルコールへのエチレンオキサイド(以下、EOと表記する)、プロピレンオキサイド(以下、POと表記する)付加物が好ましく用いられ、R8は水素原子が好ましく、mは0が好ましく、pは1が好ましい。より好ましくはアルコキシ、特にはメトキシポリエチレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、さらに特に好ましくはメトキシポリエチレングリコールとメタクリル酸とのエステル化物である。エステル化は単量体に行ってもよいし、上述の一般式(6)の単量体及び/又は一般式(7)の単量体との共重合の後に行ってもよい。アルキレンオキサイドの平均付加モル数n1は流動性及び流動保持性に優れることから1〜300の範囲であるが、更に8〜200、特に20〜150の範囲が、低W/Pの遠心用コンクリートに対する添加剤として好ましい。Yは炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基がより好ましく、特にメチル基が好ましい。アルキレンオキサイドはEO又はEOとPOが好ましく、特にEOが好ましい。
【0041】
また、一般式(6)で表される単量体として、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸系単量体、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸系単量体、又はこれらの塩、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられ、好ましくは、(メタ)アクリル酸又はこれらのアルカリ金属塩であり、さらに好ましくは、メタクリル酸又はこれらのアルカリ金属塩であり、特に好ましくは、メタクリル酸又はこれらのナトリウム塩である。また、一般式(7)で表される単量体として、(メタ)アリルスルホン酸又はこれらの塩、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられ、特に好ましくは、メタリルスルホン酸又はそのナトリウム塩である。
【0042】
(C)成分の共重合体の重量平均分子量〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法、ポリエチレングリコール換算、カラム:G4000PWXL + G2500PWXL(東ソー(株)製)、溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=7/3(体積比)〕は、水硬性粉体に対する充分な流動性及び流動保持性を得るため、1000〜20万が好ましく、1.5万〜10万が特に好ましい。
【0043】
(C)成分は、一般式(5)で表される単量体(5)と、一般式(6)で表される単量体(6)及び一般式(7)で表される単量体(7)とを、(5)/〔(6)+(7)〕のモル比が99/1〜1/99、更には60/40〜1/99、特に40/60〜5/95で用いて製造されることが好ましい。また、一般式(6)で表される単量体と一般式(7)で表される単量体のモル比(6)/(7)は100/0〜80/20が好ましく、100/0〜90/10が好ましい。
【0044】
なお、(C)成分は、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン、(メタ)アクリル酸アルキル(水酸基を有していてもよい炭素数1〜12のもの)エステル、スチレンスルホン酸等の共重合可能な単量体を併用してもよい。これらは全単量体中好ましくは50重量%以下、更に好ましくは30重量%以下の比率で使用できるが、0重量%が特に好ましい。
【0045】
また、〔(A)成分+(B)成分〕と(C)成分の重量比は、〔(A)+(B)〕/(C)=99/1〜10/90、更に90/10〜20/80、特に70/30〜30/70であることが、流動性の保持性による遠心成形時間短縮の観点から好ましい。
【0046】
<遠心成形コンクリート用添加剤>
本発明の製造方法において、遠心成形コンクリート用添加剤は、実施態様I〜IIIの何れも、水硬性粉末100重量部に対して、(A)〜(C)成分の合計が0.01〜7.5重量部、更に0.05〜5重量部、特に0.08〜2重量部となるように用いられることが、締め固め性の点で好ましい。
【0047】
本発明では、遠心成形コンクリート用添加剤として、他の成分、例えば(A)成分、(B)成分、(C)成分以外の構造を有する分散剤を併用してもよい。該分散剤とは一般にコンクリート用混和剤として使用されているものであればよいが、グルコン酸ナトリウム等のオキシカルボン酸もしくはその塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、ポリカルボン酸もしくはそのエステルもしくはその塩、精製リグニンスルホン酸もしくはその塩、ポリスチレンスルホン酸塩、フェノール骨格を有するセメント分散剤(例えば、フェノールスルホン酸と共重合可能な他の単量体とのホルムアルデヒド共縮合物)、アニリンスルホン酸を主成分とするセメント分散剤(例えば、アニリンスルホン酸と共縮合可能な他の単量体とのホルムアルデヒド共縮合物)など、従来減水剤と称されるものが好ましく、ナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物が、フレッシュコンクリートの気泡安定性の観点からより好ましく使用される。
【0048】
また、(C)成分の共重合体の代わりに、特開平11−139855号公報の特許請求の範囲に記載されているような、エチレン性不飽和単量体をポリエーテル化合物にグラフト重合してなる重合体を用いることもできる。
【0049】
また、本発明では、遠心成形コンクリート用添加剤は公知の添加剤(材)と併用することができる。一例を挙げれば、AE剤、流動化剤、遅延剤、早強剤、促進剤、起泡剤、保水剤、増粘剤、防水剤、消泡剤、収縮低減剤、水溶性高分子、界面活性剤各種等や珪石粉末、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム等が挙げられる。
【0050】
なかでも、消泡剤を含有することが好ましい。消泡剤〔(B)成分を除く〕としては、(1)メタノール、エタノール等の低級アルコール系、(2)ジメチルシリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル等のシリコーン系、(3)鉱物油と界面活性剤の配合品等の鉱物油系、(4)リン酸トリブチル等のトリアルキルリン酸エステル系、(5)オレイン酸、ソルビタンオレイン酸モノエステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル等の脂肪酸又は脂肪酸エステル系、(6)ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系が挙げられる。強度の観点から、本発明の添加剤中の(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計量100重量部に対し0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部が更に好ましく、0.1〜3重量部が特に好ましい。
【0051】
<遠心成形コンクリート>
本発明の遠心成形コンクリートは、水硬性粉体、水、本発明の添加剤、骨材等を含有する。
【0052】
セメントとして、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、エコセメント(例えばJIS R5214等)が挙げられる。本発明に係る遠心成形コンクリートには、セメント以外の水硬性粉体として、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等が含まれてよい。
【0053】
また、本発明に係る遠心成形コンクリートは骨材を含有してもよい。骨材として細骨材や粗骨材等が挙げられ、細骨材は山砂、陸砂、川砂、砕砂が好ましく、粗骨材は山砂利、陸砂利、川砂利、砕石が好ましい。用途によっては、軽量骨材を使用してもよい。なお、骨材の用語は、「コンクリート総覧」(1998年6月10日、技術書院発行)による。
【0054】
さらに、遠心成形コンクリートを構成する細骨材として特定の粒度分布を有するものを使用すると、低W/Pの遠心成形コンクリートの粘性がさらに低減できる。
【0055】
即ち、遠心成形コンクリートの細骨材として、粒度分布が、JIS A 1102で用いられる呼び寸法0.3mmのふるいの通過率(以下、0.3mm通過率という)が1重量%以上10重量%未満で、かつ、粗粒率が2.5〜3.5である細骨材(以下、細骨材Aという)を用いることが好ましい。
【0056】
細骨材Aは、より好ましくは、0.3mmを超えるふるい呼び寸法における通過率が標準粒度分布の範囲内にあることである。
【0057】
本発明において、細骨材Aの0.3mm通過率は、遠心成形コンクリートの流動性の観点から、10%未満が好ましく、より好ましくは9%以下、さらに好ましくは7%以下である。遠心成形コンクリートの材料分離抵抗性の点から、0.3mm通過率は1%以上が好ましく、より好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%を超えていることである。
【0058】
従って、流動性保持と材料分離抵抗性の観点から、0.3mm通過率は1%以上10%未満が好ましく、より好ましくは3%以上9%以下、更に好ましくは5%超7%以下である。
【0059】
以上の要件に加え、細骨材Aは、粗粒率(JIS A0203-3019)が2.5〜3.5であることが好ましく、より好ましくは2.6〜3.3で、更に好ましくは2.7〜3.1である。粗粒率が2.5以上では、コンクリートの粘性が低減され、粗粒率が3.5以下では、材料分離抵抗性も良好となる。
【0060】
さらに、細骨材AのJIS A 1102で用いられる呼び寸法0.3mmを超えるふるいの通過率が、JIS A 5308付属書1表1の砂の標準粒度の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、呼び寸法0.15mmのふるいの通過率が2重量%未満であり、更に好ましくは1.5重量%未満である。ただし、材料分離抵抗性の観点から、0.5重量%以上であることが好ましい。呼び寸法0.3mmを超えるふるいについては、1つ以上の呼び寸法で、通過率が標準粒度の範囲内にあればよいが、好ましくは全部について標準粒度の範囲内にあることである。
【0061】
細骨材Aとしては、上記の粒度分布と粗粒率を満たす限り、砂、砕砂等、公知のものを適宜組み合わせて使用できる。本発明に使用できる細骨材としては、中国福建省ミン江等、特定地域の川砂が挙げられる。細孔が少なく、吸水性が低く、同じ流動性を付与するのに少量の水でよい点から、海砂よりも川砂、山砂、砕砂が好ましい。また、細骨材Aは、絶乾比重(JIS A 0203:番号3015)が2.56以上であることが好ましい。
【0062】
遠心成形コンクリートのW/Pは、10〜60%、更に10〜50%、より更に10〜40%、特に10〜35%であってもよい。W/Pの値が小さいほど、本発明の遠心成形コンクリートが有する低い粘性特性が顕著になるため、締め固め性の効果も顕著となる。
【0063】
<遠心成形コンクリート製品の製造方法>
本発明では、本発明の遠心成形コンクリート用添加剤を含有する遠心成形コンクリートを、0.5G以上の遠心力で締め固めする。遠心成形条件は、0.5G〜40Gで、5〜40分、細密充填の面から、低速回転から順次、高速回転にすることが好ましく、一例として、0.5G〜5Gで、1〜5分、10G〜15Gで、1〜5分、15G〜20Gで、1〜5分、30G〜40Gで1〜5分、遠心力をかけて成形することが好ましい。
【0064】
遠心成形コンクリートにおいて速やかに所定の締め固めが得られ、成形性を向上させるために、本発明では、水硬性粉体100重量部に対する本発明の添加剤中のモノエステル体とジエステル体の合計が0.01〜7.5重量部である遠心成形コンクリートを用いる。
【0065】
また、遠心成形終了後の養生条件としては、室温に1〜4時間放置し、蒸気養生を行なうことが好ましい。具体的な養生条件は、昇温速度は、1時間当たり、10〜30℃、60〜75℃に昇温して2〜6時間保持し、次いで、自然冷却して、成形体を脱型する。好ましい条件の一例を挙げれば、室温に2時間放置し、昇温速度18℃/時間、65℃で4時間保持し、次いで、自然冷却して、20時間後に成形体を脱型する方法が挙げられる。また、更に180℃のオートクレーブ養生を行なう事も可能である。
【0066】
<遠心成形コンクリート製品>
上記本発明の製造方法により得られる遠心成形コンクリート製品は、締め固めに優れることから、当該製品の外面・内面ともに凹凸が少なく、表面美観に優れるとともに、特に製品内面が平滑に仕上がることから、パイル打ち込み、中堀工法時の切削機の障害が改善される。
【0067】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、遠心成形コンクリート、特に低W/Pの遠心成形コンクリートであっても、作業性と製造効率に優れた遠心成形を行うことができ、表面美観と平滑性に優れる良好な遠心成形コンクリート製品を得ることができる。
【0068】
【実施例】
<遠心成形コンクリート用添加剤>
以下において、各成分の製造例で、単に%と記載するものは重量%を意味する。
【0069】
[(A)成分]
実施例及び比較例に用いた(A)成分は表1の通りであり、それらは以下の製造例A−1〜A−2に準じて製造した。
【0070】
(1)製造例A−1
撹拌機付き反応容器に、オレイルアルコールのEO付加物(平均付加モル数20、水酸基価49.9)500g(0.44モル)を仕込み、撹拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気とした。80℃まで加熱し、減圧下で含有水分を除去した。常圧、60℃にした後、リン酸(純度85%)を9.40g(0.08モル)滴下する。完全に均一状態になった後、市販無水リン酸(純度98%)を26.2g(0.18モル)添加した。無水リン酸の添加は3回に分けて行った。添加後、液温度を65〜75℃に調整し、6時間熟成を行った。26.8gの水道水を添加し、液温度を80℃に調整し、更に4時間反応させた。
【0071】
反応生成物の酸価1を測定し、酸価1に対して中和度が0.5から1.0であって、且つ濃度が20重量%となるように、水道水と48%−水酸化カリウム水溶液で調整し、表1中の(A)成分a−2を得た。同様の方法によって(A)成分a−1、3、5を得た。
【0072】
(2)製造例A−2
撹拌機付き反応容器に、メタノールのEO付加物(平均付加モル数9、水酸基価128.5)500g(1.15モル)を仕込み、撹拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気とした。80℃まで加熱し、減圧下で含有水分を除去した。常圧、40℃に戻した後、市販無水リン酸(純度98%)を55.3g(0.38モル)添加した。無水リン酸の添加は3回に分けて行った。添加後、液温度を65〜75℃に調整し、24時間熟成を行った。反応生成物の酸価1を測定し、酸価1に対して中和度が0.5から1.0であって、且つ濃度が20重量%となるように、水道水と48%−水酸化カリウム水溶液で調整し、表1中の(A)成分a−4を得た。
【0073】
ここで、反応生成物の酸価は、以下のように求めた。
反応生成物をエタノール/水(70体積%/30体積%)に溶解して、0.5mol/l水酸化カリウム水溶液(試薬)を滴定標準液として、電位差自動滴定装置AT−500(京都電子工業)を使用し、多段階滴定によって測定した。反応生成物の酸価1と酸価2は続けて測定を行う。酸価3については、酸価1と酸価2とは別のサンプルで測定する。酸価1の測定と同様に測定を始め、酸価1の滴定終了後にすばやく、測定液に1M塩化カルシウム水溶液を約20ml加える。いくつか滴定終点が出る場合があるが、最後の終点を酸価3の滴定終点とする。
【0074】
(モノエステル体比率の計算方法)
【0075】
31P−NMR測定により(A)成分中に含まれるリン酸モノエステル、リン酸ジエステル、ピロリン酸モノエステル、ピロリン酸ジエステル、リン酸トリエステル、ピロリン酸、リン酸を定量して算出した(内部標準試料としてトリメチルフォスフェートを使用)。ここで、測定装置は、UNITY INOVA 300(VARIAN社)を用い、測定条件は、パルス幅90°パルス(17.2μs)、待ち時間30s(t1の5倍以上)とした。スペクトル分解能向上のために、前処理として、20重量%水溶液のサンプル1体積に対して、2体積の重メタノールを加え、更に上記で測定したサンプルの酸価3に対して中和度1.0に相当する水酸化カリウムを20重量%水酸化カリウム水溶液で添加した。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの分子量は、それぞれの水酸基価より求めた。
【0076】
[(B)成分]
実施例及び比較例に用いた(B)成分は表2の通りであり、非イオン性界面活性剤等、一般的な非イオン性化合物の製造方法によって得ることができる。製造例B−1に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルb−1の製造方法を示す。
【0077】
製造例B−1
オレイルアルコール(水酸基価209mgKOH/g)268gと水酸化カリウム0.56gを圧力容器(3リットル)に仕込み、撹拌し、減圧した後、窒素置換をした。110℃まで昇温した後、2.7kPaで30分間脱水した。155℃まで昇温し、0.02〜0.4MPaの圧力でEOを881.0g反応させたのち、30分間熟成を行った。80℃まで冷却し、1.3kPaで15分間減圧処理した後、同温(80℃)で酢酸0.60gを添加し、中和を行い、b−1を得た。
【0078】
[(C)成分]
実施例及び比較例に用いた(C)成分は表3の通りであり、それらは以下の製造例C−1〜C−3に準じて製造した。
【0079】
(1)製造例C−1
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び環流冷却器を備えたガラス製反応容器に、水366重量部を仕込み、窒素置換を行った。続いて窒素雰囲気下で80℃まで昇温した後、メタノールEO(平均付加モル数120)付加物・メタクリル酸モノエステルの60%水溶液898重量部及びメタクリル酸34.4重量部を混合した液と、5%−2−メルカプトエタノール水溶液62.3重量部と、5%−過硫酸アンモニウム水溶液68.4重量部の3液を同時に滴下し、3液とも90分かけて滴下を終了させた。次に同温で1時間熟成した後、5%−過硫酸アンモニウム水溶液22.8重量部を30分かけて滴下し、滴下後同温で2時間熟成させた。更に、48%−水酸化ナトリウム水溶液23.3重量部を加えて中和した後、35%−過酸化水素水8.0重量部を添加し、90℃まで昇温し、同温にて1時間保持した後、冷却し重量平均分子量53,000の共重合体(ナトリウム塩、中和度70%)c−1を得た。また、メタノールEO(平均付加モル数18)付加物・メタクリル酸モノエステルを表3のモル比で使用した以外はc−1と同様にして、c−4を製造した。
【0080】
(2)製造例C−2
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び環流冷却器を備えたガラス製反応容器に、水70モルを仕込み、撹拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気下で75℃まで昇温した、メタノールEO(平均付加モル数120)付加物・メタクリル酸モノエステル0.1モルとアクリル酸メチル0.7モルとメタクリル酸0.2モルとを混合溶解したものと、20%−過硫酸アンモニウム水溶液0.05モル(有効分換算、以下、本製造例の水溶液について同様)と、20%−2−メルカプトエタノール水溶液0.1モルとの3者を一緒に2時間かけて滴下した。次に20%−過硫酸アンモニウム水溶液0.02モルを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成後95℃に昇温して35%−過酸化水素水0.2モルを30分かけて滴下し、2時間同温(95℃)で熟成後、48%−水酸化ナトリウム水溶液0.07モルを添加し、重量平均分子量40,000の共重合体c−2を得た。
【0081】
(3)製造例C−3
特開2001−180998号公報の実施例8に準じて共重合体c−3を得た。但し、該公報における単量体(A−IV)に代えて、メタノールEO(平均付加モル数120)付加物・メタクリル酸モノエステルを使用した。
【0082】
実施例1
(1)遠心成形コンクリートの調製
表1の(A)成分、表2の(B)成分、及び表3の(C)成分と表4のコンクリート材料を用いて表5の配合によりコンクリートを製造し、スランプ3cmに調整した。何れのコンクリートにも、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計に対して、フォームレックス797(日華化学株式会社製)を0.1%添加した。得られた遠心成形コンクリートを用いて以下の評価を行った。結果を表5に示す。
【0083】
(2)評価
(2−1)遠心成形性
得られた遠心成形コンクリート16kgを、φ20cm、高さ30cmの遠心成形用型枠に投入して、遠心締め固めを行なった。遠心条件は1Gで1分、8Gで1分、15Gで1分行い、更に30Gとしてから2分後、4分後、6分後の締め固め程度を、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○:内面が平滑に締め固まっている。
△:内面が平滑ではない。
×:砂利が露出して平滑性が、著しく悪い
【0084】
(2−2)スランプ
JIS−A1101に準じて調製直後と調製15分後のスランプを測定した。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
(注)
表中の使用材料等は以下の通りである。
W:添加剤と消泡剤を混合した水
C:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)、密度=3.15
GS:石膏微粉末(住友大阪セメント社製、ノンクレーブ)、密度=2.95
S:中国福建省ミン江産川砂、密度=2.63〔通過率はふるいの呼び寸法10mmで100%、同5mmで99.2%、同2.5mmで95.5%、同1.2mmで81.5%、同0.6mmで45.5%、同0.3mmで6.7%、同0.15mmで1.2%であり、粗粒率は2.81、絶乾比重は2.56、粒形判定実績率(JIS A 5005)は61.8%である。〕
G:和歌山産砕石 2013、密度=2.63
W/P:[W/(C+GS)]×100(重量%)
s/a:[S/(S+G)]×100(体積%)
【0090】
【表5】
【0091】
表5中の添加量は、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計量の対セメント重量%である。
Claims (5)
- 下記一般式(1)で表される基を有するリン酸モノエステル又はその塩(以下、モノエステル体という)と、下記一般式(1)で表される基を有するリン酸ジエステル(ジエステルにはピロリン酸のジエステルを含む)又はその塩(以下、ジエステル体という)と、(B1)炭素数8〜26のアルキル基もしくはアルケニル基又は1以上のベンゼン環を有する炭素数6〜35の炭化水素基と、炭素数2〜4のオキシアルキレン基から構成され、平均付加モル数が3〜400であるポリオキシアルキレン基とを有する非イオン性化合物、及び(B2)炭素数8〜26のアルキル基もしくはアルケニル基又は1以上のベンゼン環を有する炭素数6〜35の炭化水素基と、炭素数2〜4のオキシアルキレン基から構成され、平均付加モル数が5〜400であるポリオキシアルキレン基とを有するイオン性化合物(下記一般式(1)で表される基を有するリン酸エステル又はその塩を除く)より選ばれる1種類以上の化合物と、を含有する遠心成形コンクリート用添加剤であって、モノエステル体とジエステル体の重量比が、モノエステル体/(モノエステル体+ジエステル体)で0.4〜0.95である遠心成形コンクリート用添加剤と水硬性粉体と水とを含有し、前記水硬性粉体100重量部に対する前記添加剤中のモノエステル体とジエステル体の合計が0.01〜7.5重量部である遠心成形コンクリートを、0.5G以上の遠心力で締め固めする工程を有する、遠心成形コンクリート製品の製造方法。
R1−O(AO)n− (1)
〔式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基もしくはアルケニル基、又は2以上のベンゼン環を有する炭化水素基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは平均付加モル数であり1〜50の数を示す。〕 - 非イオン性化合物が、一般式(2)で表される化合物、一般式(3)で表される化合物及び一般式(4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物である請求項1記載の遠心成形コンクリート製品の製造方法。
R2−O−(AO)p−R (2)
R3−COO−(AO)q−R4 (3)
R5−NH(2-t)〔(AO)s−H〕t (4)
〔式中、R2、R3及びR5は、それぞれ炭素数8〜26のアルキル基もしくはアルケニル基又は1以上のベンゼン環を有する炭素数6〜35の炭化水素基、R及びR4は、それぞれ水素原子、炭素数1〜26のアルキル基もしくはアルケニル基又は1以上のベンゼン環を有する炭素数6〜35の炭化水素基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、p、q及びsは、それぞれ平均付加モル数であり3〜400の数、tは1又は2を示す。〕 - 遠心成形コンクリート用添加剤が、更に、一般式(5)で表される単量体由来の構成単位と、一般式(6)で表される単量体由来の構成単位及び一般式(7)で表される単量体由来の構成単位から選ばれる一種以上の構成単位とを有する共重合体を含有する請求項1又は2記載の遠心成形コンクリート製品の製造方法。
〔式中、
R6、R7:それぞれ水素原子又はメチル基
m:0〜2の数
R8:水素原子又は−COO(AO)n1Y
p:0又は1の数
AO:炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基
n1:平均付加モル数であり1〜300の数
Y:水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基もしくはアルケニル基
を表す。〕
〔式中、
R9〜R11:それぞれ、水素原子、メチル基又は(CH2)m1COOM2であり、(CH2)m1COOM2はCOOM1又は他の(CH2)m1COOM2と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM1、M2は存在しない。
M1、M2:それぞれ、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は水酸基置換アルキルアンモニウム基
m1:0〜2の数
Z:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は水酸基置換アルキルアンモニウム基
を表す。〕 - 遠心成形コンクリートにおける水/水硬性粉体比が35%(重量比)以下である請求項1〜3の何れか1項記載の遠心成形コンクリート製品の製造方法。
- 請求項1〜4の何れか1項記載の遠心成形コンクリート製品の製造方法で製造された遠心成形コンクリート製品。
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