JP4609981B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法、特に薄膜コイルを具える書き込み用の誘導型薄膜磁気ヘッド素子と、読み出し用の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド素子とを積層した複合型薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関するものである。本発明は、読み出し用の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド素子として巨大磁気抵抗型薄膜磁気ヘッド素子を用い、書き込み用の誘導型薄膜磁気ヘッド素子の薄膜コイルのコイル巻回体ピッチを狭くしてヨーク長をきわめて短くして優れたオーバーライト特性やNLTSを有すると共に高い飽和磁束密度の磁性材料より成る微細なトラックポールによって記録トラック巾を狭くし、したがって磁気記録媒体の面記録密度を向上することができる複合型薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関するものである。
近年ハードディスク装置の記録密度の向上に伴って薄膜磁気ヘッドの性能の向上も求められている。特に最近のGMR(Giant Magneto-Resistive)素子を用いた磁気抵抗型薄膜磁気ヘッド素子においては、記録密度は100〜200ギガビット/platterにも達する勢いである。上述したように、複合型薄膜磁気ヘッドにおいては、磁気記録媒体への情報の書き込みを目的とする誘導型薄膜磁気ヘッド素子と、磁気記録媒体からの情報の読み出しを目的とする磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗型薄膜磁気ヘッド素子とを積層した構成となっている。この内、磁気抵抗型薄膜磁気ヘッド素子としては、外部磁界が与えられたときに通常のMR素子に比べて20倍以上の大きな磁気抵抗変化を示すGMR素子が用いられている。このようなGMR素子の性能をさらに向上させるために、磁気抵抗膜について種々の工夫が提案されている。
一般に、MR膜は磁気抵抗効果を示す磁性体を膜にしたもので、単層構造となっている。これに対して多くのGMR膜は、複数の膜を組み合わせた多層構造となっている。GMR膜において比較的構造が簡単で、弱い磁界で大きな抵抗変化が得られる特長があり、量産に適したものとしてスピンバルブGMR膜が知られている。さらに、再生ヘッド素子としての特性は、上述した材料の選択の他にパターン巾で決定されている。このパターン巾はMRハイトやトラック巾であるが、トラック巾はフォトリソグラフィ・プロセスで決定され、MRハイトはエアー・ベアリング・サーフェイス(ABS)を形成する際の研磨量によって決定される。
一方、再生用ヘッド素子の性能の向上に伴って記録用ヘッド素子の性能向上も求められている。記録密度を高くするには、トラック密度を高くする必要があるが、そのためには記録用ヘッド素子の磁極部分について半導体加工技術を利用して微細加工を施してトラック巾をサブミクロンオーダー,特に0.2μm以下と狭くする必要がある。しかしながら、半導体微細加工技術を利用してトラック巾を狭くしてゆくと、磁極部分が微細化されて十分な量の磁束が得られなくなるという問題がある。このように、再生ヘッド素子としてはMR膜をGMR膜に変更し、さらに磁気抵抗感度の高い材料を選択することで、比較的容易に所望の高い記録密度に対応することができる。
一方、100〜200ギガビット/platter以上のきわめて高い記録密度を実現するには、記録媒体である磁気ディスクに保持力の大きな材料を使用する必要がある。その理由は、保持力の大きな材料を使用しないと、記録密度が高くなるのに伴って、熱ゆらぎ現象によって書きこまれたデータが消失してしまうためである。このように高い保持力を有する材料を使用する場合には、書き込みには大きな磁束が必要とされるので、誘導型薄膜磁気ヘッド素子としても大きな磁束を発生できるものが要求されることになる。誘導型薄膜磁気ヘッド素子が発生する磁束を増大させる一般的な方法は、飽和磁束密度の大きな磁性材料(Hi-Bs材料で磁束密度が1.8T(テスラ)以上)でトラックポールを形成することである。従来、飽和磁束密度の大きな磁性材料としては、飽和磁束密度が1.0TのNiFe(80%:20%)や1.5TのNiFe(45%:55%)が一般的であり、最近では1.8Tから2.1TのCoNiFeなどがあるが、微細化されたトラックポールとして安定した状態で使用するには、2.0T以上の飽和磁束密度を有する磁性材料を使用するのが一般である。しかし、上述したようにトラックポールの幅をサブミクロンオーダと狭くした場合には、このような磁性材料では書き込みに必要な大きな磁束を安定して得ることができず、さらに飽和磁束密度の高い磁性材料を使用することが望まれている。従来、トラックポールを高飽和磁束密度の磁性材料で形成する場合には一般的にメッキ法が採用されているが、幅の狭いトラックポールを安定に形成するには、スパッタ法を採用するのが有利である。そのような観点から、、飽和磁束密度が2.0T程度のFeNやFeAlNや2.4T程度のFeCoやCoFeNのスパッタ膜でトラックポールを形成するのが有力である。
図1〜9に、従来の標準的な複合型薄膜磁気ヘッドの一例としてGMR素子を有するものの順次の製造工程を示す断面図である。これらの図面において、Aはエアベアリング面に垂直な平面で切って示す断面図であり、Bはエアーベアリング面に平行な平面で切って示す断面図である。なおこの例は、磁気抵抗効果型の読取用の薄膜磁気ヘッドの上に誘導型の書込用薄膜磁気ヘッドを積層した複合型薄膜磁気ヘッドである。
図1A,1Bに示すように、AlTiCより成る基板1の上に、例えばアルミナより成る絶縁膜2を約2〜3μmの膜厚に堆積し、さらにその上に再生用のGMRヘッド素子に対する磁気シールドを行うための磁性材料より成る下部シールド膜3を形成する。次に、この下部シールド膜3の上に30〜35nmの膜厚のアルミナより成る下部シールドギャップ膜4をスパッタリングにより形成した後、所定の層構造を有するGMR膜5を形成し、さらにこのGMR膜に対する引出し電極6を、リフトオフによって形成する。その後、アルミナのスパッタリングにより上部シールドギャップ膜7を30〜35nmの膜厚に形成し、その上にGMR素子の上部磁気シールド膜として作用する磁性材料膜8を、約3μmの膜厚に形成する。
次に、再生用のGMRヘッド素子と記録用の誘導型薄膜磁気ヘッド素子を磁気的に分離して再生用GMRヘッド素子の再生出力中のノイズを抑圧するためのアルミナより成る分離膜9を約0.3μmの膜厚に形成した後、記録用ヘッド素子の下部ポール10を1.5〜2.0μmの膜厚に形成する。この下部ポール10は、CoNiFeのメッキ法で形成されている。なお、図面では各部の膜厚の比率は実際のものとは必ずしも一致しておらず、例えば分離膜9の膜厚は薄く描いてある。
次に、図2A,2Bに示すように、下部ポール10の上に非磁性材料より成るライトギャップ膜11を、例えば100nmの膜厚に形成し、さらにその上に高飽和磁束密度の磁性材料であるパーマロイより成る上部トラックポール12を所定のパターンにしたがって形成する。これと同時に下部ポール10と、後に形成される上部ポールとを磁気的に連結してバックギャップを形成するための橋絡部13を形成する。これら上部ポール12および橋絡部13は、メッキによりおよそ3〜4μmの膜厚に形成する。
その後、実効書込みトラック巾の広がりを防止するために、すなわちデータの書込み時に下部ポール10において磁束が広がるのを防止するために、上部トラックポール12の周囲のライトギャップ膜11およびその下側の下部ポール10をイオンミリングによってエッチングしていわゆるトリム構造を形成する。その後、全体の上に厚さ3μm程度のアルミナ絶縁膜14を形成し、化学機械研磨(CMP)により表面を平坦とした状態を図3A,3Bに示す。
次に、図4A,4Bに示すように、平坦とした表面に、Cuより成る薄膜コイルを電解メッキにより形成するために、Cuより成る100nm程度の薄いシード層15をスパッタにより形成し、その上に所定の開口パターンを有するフォトレジスト膜を形成した後、第1層目の薄膜コイル16を硫酸銅のメッキ液を用いる電解メッキにより所定のパターンにしたがって1.5μmの膜厚に形成する。その後,フォトレジスト膜を除去した後、シード層15をアルゴン・イオンビームを用いるイオンミリングによって除去した様子を図5A,5Bに示す。このようにシード層15を除去し、コイル巻回体相互を分離して1本のコイル状の導体を形成する。このイオンビームミリングの際には、薄膜コイル16のコイル巻回体の底部にあるシード層15が薄膜コイルよりも外方に突出して残るのを抑止するために、イオンビームミリングは5〜10°の角度を以て行なうようにしている。このように、イオンビームミリングを垂直に近い角度で行うと、イオンビームの衝撃によって飛散したシード層15の材料が再付着するようになるので、順次のコイル巻回体の間隔は広くしなければならない。
さらに、図6A,6Bに示すように、この第1層目の薄膜コイル16を絶縁分離した状態で保持する絶縁膜17をフォトレジストにより形成し、図7A,7Bに示すように、Cuより成るシード層18を形成し、電解メッキによって第2層目の薄膜コイル19を所定のパターンにしたがって1.5μmの膜厚に形成する。次に、シード層18をイオンミリングよって除去した後、第2層目の薄膜コイル19を絶縁分離して支持するフォトレジストより成る絶縁膜20を形成し、上部トラックポール12および橋絡部13と連結するようにパーマロイより成る上部ポール21を約3μmの膜厚に形成し、全体をアルミナより成るオーバーコート膜22で覆った様子を図8A,8Bに示す。なお、第1層目および第2層目の薄膜コイル16および19の内周端同士を電気的に接続するための接続部23は、第2層目の薄膜コイル19を形成するときに同時形成する。最後に、GMR膜5、ライトギャップ11、上部トラックポール12などが露出する端面を研磨してエアーベアリング面ABSを形成し、スライダを完成する。実際の薄膜磁気ヘッドの製造においては、上述した構造をウエファに多数形成した後、多数の薄膜磁気ヘッドが配列されたバーにウエファを分割し、このバーの側面を研磨してエアベアリング面ABSを得るようにしている。
図9は、上述したようにして形成した従来の複合型薄膜磁気ヘッドの構成を模式的に示す断面図および平面図である。下部ポール10は広い面積を有しているが、上部トラックポール12および上部ポール21は下部ポールよりも狭い面積を有している。書込み用ヘッド素子の性能を決定する要因の一つにスロートハイトTHがある。このスロートハイトTHは、エアーベアリング面ABSから絶縁膜14のエッジまでの磁極部分の距離であり、この距離をできるだけ短くすることが望まれている。また、再生用ヘッド素子の性能を決定する要因の一つにMRハイトMRHがある。このMRハイト(MRH)は、端面がエアーベアリング面に露出するMR膜5の、エアーベアリング面から測った距離であり、薄膜磁気ヘッドの製造工程においては、エアーベアリング面ABSを研磨して形成する際の研磨量を制御することによって所望のMRハイトMRHを得るようにしている。
上述したような従来の複合型薄膜磁気ヘッドにおける問題点について以下に説明する。薄膜コイル16、19を絶縁膜17、20によって絶縁分離して保持するように形成した後、上部ポール21を形成するが、この際絶縁膜17、20のエッジの立ち上がりに沿って上部ポール21を所定のパターンにしたがって形成する必要がある。このために約7〜10μmの段差に上部ポール21のパターンを規定するためのフォトレジストを3〜4μmの膜厚で形成している。
ここで、絶縁膜16,19のエッジ部分においては最低でも3μmの膜厚のフォトレジストが必要であるとすると、このエッジの低部では8〜10μmの厚いフォトレジストが形成されることになる。記録ヘッドのトラック巾はトラックポール12の巾によって主として規定されるので、上部ポール21は上部ポールほど微細加工が必要ではないが、トラック巾をサブミクロンと微細化する場合、特に0.2μm程度とする場合には、上部ポール21の磁極部分もサブミクロンオーダの微細化が要求されるようになる。
上述したように、上部ポール21をメッキにより所定のパターンに形成する際には、10μm以上の高低差のある上部トラックポール12と絶縁膜17,20の表面にフォトレジストを均一の膜厚にコーティングし、このフォトレジストに対して露光を行って上部ポール21の、サブミクロン巾の磁極部分を規定するパターンを形成する必要がある。すなわち、8〜10μmの膜厚を有するフォトレジストでサブミクロンオーダのパターンを形成する必要がある。上部ポール21をメッキで形成するためには、シード層と呼ばれる薄いパーマロイ電極膜をスパッタリングにより予め形成しており、このパーマロイ膜によりフォトリソグラフィの露光時の光が反射される結果としてパターンの崩れが発生し、サブミクロンオーダの微細なパターンを正確に形成することは非常に困難であった。
上述したように、面記録密度を向上するためには磁極部分の微細化が必要であるが、これに伴って少なくとも微細化された磁極部分を飽和磁束密度の高い磁性材料で形成する必要がある。このような磁性材料としては、一般的にFeN, FeCoが知られているが、これらの磁性材料はスパッタリングによって所定のパターンを有する膜として形成することが困難である。スパッタリングによって形成した磁性膜をパターニングするにはイオンミリングが用いられているが、エッチングレートが低いと共にサブミクロンオーダのトラック巾を精度良く制御することはきわめて困難である。さらに、磁極部分を微細化すると、下部トラックポールも微細化され、その結果としてその体積が小さくなり、飽和磁束密度の高い磁性材料を使用しても磁束の飽和が起こり易くなるという問題も発生する。
また、飽和磁束密度の高い磁性材料として1.5TのNiFe, 1.9〜2.1TのCoNiFe、2.1〜2.3TのFeCoなども知られており、これらの磁性材料はメッキ法によって比較的簡単に所望のパターンに形成できる。例えば、NiFeでは、その組成比率をFeリッチ(50%以上)とすることで、1.5〜1.6Tが得られ、比較的安定した組成コントロールも可能である。しかしながら、記録密度が1ディスク当たり100〜200Gbとなると、トラック巾は0.2μm以下のものが要求され、それに伴って飽和磁束密度のさらに高い磁性材料の使用が要求されるようになってきた。そのためメッキ法によって磁性膜を形成する場合には、NiFe よりも飽和磁束密度の高いCoFeやCoNiFeを用いることが有力視されているが、1.8〜2.1T程度の磁気性能しか得られない。1ディスク当たり100〜200Gb程度の高い記録密度を実現しようとすると、2.3T程度の高飽和磁束密度を有する他の磁性材料が望ましい。
誘導型薄膜磁気ヘッドの高周波数特性を決める要因の一つに磁路長がある。この磁路長は、スロートハイト零の位置からバックギャップまでの距離として定義されるが、この磁路長を短くすることによって高周波数特性を向上することができる。薄膜コイルの順次のコイル巻回体の間隔、すなわちコイルピッチを短くすることによって磁路長を短くすることができるが限界がある。そこで上述したように薄膜コイルを2層構造とすることが行われている。従来、2層構造の薄膜コイルを形成する際には、1層目の薄膜コイルを形成した後、フォトレジスト絶縁膜を約2μmの厚さに形成している。この絶縁膜の外周面は丸みを帯びたものとなるので、2層目の薄膜コイルを形成する際に、この傾斜部にも電解メッキ用のシード層を形成すると、これを所定のパターンにイオンミリングでエッチングする際に傾斜部の影の部分は正確なエッチングが行われなくなり、コイル巻回体が短絡してしまう恐れがある。したがって、2層目の薄膜コイルは、絶縁膜の平坦部に形成する必要がある。
例えば、第1層目の薄膜コイルの膜厚が2〜3μmで、その上に形成されるフォトレジスト絶縁膜の膜厚が2μmとし、その傾斜部のエイペックスアングルが45〜55°とすると、スロートハイト零の基準位置から第1層目の薄膜コイルの外周面までの距離のほぼ2倍の6〜8μmの距離だけは、第2層目の薄膜コイルの外周面をスロートハイト零の基準位置から後退させる必要があり、それだけ磁路長が長くなってしまう。例えば、薄膜コイルのライン/スペースを0.4〜0.5μm/0.3〜0.4μmとし、合計で11個のコイル巻回体を2層の薄膜コイルで形成する場合、第1層目に6つのコイル巻回体を形成し、第2層目に5つのコイル巻回体を形成することになり、薄膜コイルが占める長さは11.5μmとなる。したがって、従来の薄膜磁気ヘッドにおいては、磁路長を短くすることができず、高周波数特性の改善が阻害されている。
上述したようにして形成された従来の複合型薄膜磁気ヘッドにおいては、特に書き込み用の誘導型薄膜磁気ヘッドの微細化の点で問題がある。すなわち、図9に示すように、下部ポール10および上部ポール21の、薄膜コイル16,19のコイル巻回体を囲む部分の長さである磁路長LM を短くすることによって、誘導型薄膜磁気ヘッドの磁束立ち上がり時間(Flux Rise Time)や非線形トランジションシフト(Non-linear Transition Shift:NLTS)特性や重ね書き(Over Write) 特性などを改善できることが知られている。この磁路長LM を短くするためには、薄膜コイル16,19の、下部ポール10および上部ポール21によって囲まれる部分のコイル巾LC を短くする必要があるが、従来の薄膜磁気ヘッドでは、以下に説明するようにこのコイル巾LC を短くすることができなかった。
誘導型薄膜磁気ヘッドのコイル巾LC を短くするためには、薄膜コイルの各コイル巻回体の巾を小さくするとともに順次のコイル巻回体の間隔を狭くする必要があるが、薄膜コイルの電気抵抗を小さくするためには、コイル巻回体の巾を短くすることには制限がある。すなわち、薄膜コイルの抵抗値を低くするために、導電率の高い銅を用いても、薄膜コイルの高さは2〜3μm に制限されるので、コイル巻回体の幅を0.3〜0.4μm よりも狭くすることができない。これよりもコイル巻回体の幅を狭くすると、書き込み電流による発熱によってGMT膜15の特性が劣化する恐れがある。さらに、下部ポール10や上部ポール21も加熱されて膨張し、ポール突出という現象が生じ、薄膜磁気ヘッドと記録媒体とが衝突するという大きな問題を引き起こすこともある。したがって、コイル巻回体の幅を狭くすることなく、コイル幅LC を短くするには、コイル巻回体の間隔を狭く、かつ高くする必要がある。
しかし、従来の薄膜磁気ヘッドにおいては、薄膜コイルのコイル巻回体16,19の間隔を狭くすることができない。以下、その理由を説明する。上述したように硫酸銅を用いる電解メッキ法により薄膜コイルのコイル巻回体を形成しているが、シード層の上に形成したフォトレジスト膜に形成した開口内に、ウエファ全体に亘って均一に銅を堆積させるためにシード層を100nmの膜厚で形成し、このシード層が露出している開口内に選択的に銅が堆積されるように電解メッキ処理を施してコイル巻回体を形成した後、個々のコイル巻回体を分離するために、シード層を選択的に除去している。このシード層の除去には、上述したように、コイル巻回体をマスクとして、例えばアルゴンを用いるイオンビームミリングを採用している。
ここで、コイル巻回体間のシード層を除去するには、イオンビームミリングを基体表面に対して垂直な方向から行なうのが良いが、このようにすると、エッチングされた銅の残渣の再付着が発生し、順次のコイル巻回体間の絶縁不良が起こるので、コイル巻回体の間隔を狭くすることができない。このような欠点を除去しようとして、5〜10°の角度を以てイオンビームミリングを行うと、フォトレジスト膜の影の部分にはイオンが十分に照射されず、シード層が部分的に残ってしまう。したがって、コイル巻回体間の絶縁不良を回避するためには、コイル巻回体の間の間隔を狭くすることができない。したがって、従来では、コイル巻回体間の間隔を0.3〜0.4μm と広くしており、これよりも狭くするには上に述べたように新たな困難な問題が発生し、コイル巻回体の間隔を狭くすることができなかった。
さらに、上述した電解メッキ法によって薄膜コイル16,19を形成する際には、薄膜コイルの膜厚の均一性を確保するために、硫酸銅のようなメッキ液を攪拌する必要があるが、ここで薄膜コイルのコイル巻回体の間隔を狭くするためにフォトレジスト膜の開口を画成する壁の幅を薄くすると、電解液の攪拌によってこの薄い壁が倒壊してしまい、薄膜コイルを正確に形成することができず、この点からも薄膜コイルのコイル巻回体の間隔を狭くすることができなかった。
誘導型薄膜磁気ヘッドのNLTS特性を向上するために、薄膜コイルのコイル巻回数を多くすることが考えられる。しかし、磁路長を短くしたままでコイル巻回数を多くするには、薄膜コイル層の層数を3層、4層と多くする必要があり、これによってエイペックスアングルが大きくなってしまい、狭トラック幅を達成することができなくなるという問題があった。エイペックスアングルを所定の範囲に収めるためには、薄膜コイル層の層数は3層以下、好適には2層以下とするのが望ましいが、これではコイル巻回数を多くすることはできず、したがってNLTS特性を改善することができない。
さらに、上述したように2層の薄膜コイルを設ける場合、第2層目の薄膜コイル19の外周近傍では絶縁膜17が平坦ではなく湾曲しているので、第2層目の薄膜コイル19が垂直に形成されなくなる。例えば、0.3μm以下のスペースを持った薄膜コイルを2.5μm以上の膜厚で形成する場合、上述したように垂直に形成されない薄膜コイルのコイル巻回体の間に存在するシード層18にはアルゴンイオンが有効に入っていかず、またウエファの中心部と周辺部とではイオンミリングの角度が異なることから、シード層18が十分にエッチングされずに残ってしまうことがしばしばある。さらに、コイル巻回体のスペースが狭い場合、イオンミリングのアルゴン粒子がこの狭いスペースに入っていったとしても、アルゴン粒子と一緒に運び去られたCu粒子が再びコイル巻回体の側壁に付着することがある。このようなエッチング残滓があると、コイル巻回体が短絡されてしまう恐れがある。
特公昭55−41012号公報には、絶縁膜を介して第1および第2の薄膜コイル半部を絶縁膜を介して交互に配置した薄膜コイルが開示されている。この公報の第7図には、第1層目の薄膜コイルの第1および第2の薄膜コイル半部を左巻きに構成し、第2層目の薄膜コイルの第1および第2の薄膜コイル半部を右巻きに形成し、内側の接点パッド同士および外側の接点パッド同士を接続することによって同一方向に電流が流れるようにした構成が示されている。しかしながら、この従来の薄膜コイルでは、第1の薄膜コイル半部を形成した後、全体に亘って絶縁膜および導電膜をスパッタまたは蒸着によって形成し、さらにその上に選択的にマスクを形成し、導電膜の、第1の薄膜コイル半部の上に形成されている部分を選択的にエッチングし、第1の薄膜コイル半部の順次のコイル巻回体の間のスペースを埋める部分を残して第2の薄膜コイル半部を形成している。したがって、第1および第2の薄膜コイル半部は自己整合的に形成されておらず、コイル巻回体の間隔をサブミクロンのオーダまで微細化することはできない。
本発明者は、上述した問題を少なくとも軽減するために、アメリカ特許第6,191,916および6,204,997において、第1の薄膜コイル半部をシード層を用いる電解メッキで形成した後、全体に亘って薄い絶縁膜およびシード層を形成し、第1の薄膜コイル半部の順次のコイル巻回体の間のスペースに開口を有するフォトレジスト膜を形成し、これをマスクとして電解メッキを施して第2の薄膜コイル半部を形成する方法を提案している。このような薄膜コイルの製造方法によれば、第1および第2の薄膜コイル半部を電解メッキによって正確に形成することができる。
しかしながら、第2の薄膜コイル半部を形成するために所定のパターンの開口を有するフォトレジスト膜を用いているので、第1および第2の薄膜コイル半部を自己整合的に形成することはできず、したがって順次のコイル巻回体の間のスペースをクオーターミクロンオーダと狭くすることは困難である。
本発明の目的は、誘導型薄膜磁気ヘッドのポールチップをサブミクロンオーダ、特にクオーターミクロンオーダの微細構造として面記録密度を大幅に向上することができる薄膜磁気ヘッドおよびそのような薄膜磁気ヘッドを容易かつ正確に製造することができる方法を提供しようとするものである。
本発明の他の目的は、誘導型薄膜磁気ヘッドのポールチップをサブミクロンオーダ、特にクオーターミクロンオーダの微細構造として面記録密度を向上することができるとともに、サイドライトおよび磁束の飽和を防止して高い効率を有する薄膜磁気ヘッドおよびそのような薄膜磁気ヘッドを容易かつ正確に製造することができる方法を提供しようとするものである。
本発明の他の目的は、誘導型薄膜磁気ヘッドのポールチップをサブミクロンオーダ、特にクオーターミクロンオーダの微細構造として面記録密度を向上することができとともにサイドライトおよび磁束の飽和を防止して高い効率を有するとともに、薄膜コイルのコイル巻回体の間隔を狭くしてコイル巾LC を狭くし、その結果として磁路長LM を短くして高周波数特性を改善した薄膜磁気ヘッドおよびそのような薄膜磁気ヘッドを容易かつ正確に製造することができる方法を提供しようとするものである。
本発明の第1の特徴による薄膜磁気ヘッドは、
基板と、
この基板の上に、エアーベアリング面から内方に延在し、平坦な表面を有するように形成された磁性材料より成り、下部ポールを構成する第1の磁性材料膜と、
この第1の磁性材料膜の、前記基板とは反対側の平坦な表面上に、前記エアーベアリング面からスロートハイト零の基準位置を越えて内方に延在するように形成され、下部トラックポールの一部分を構成する第2の磁性材料膜と、
前記第1の磁性材料膜の平坦な表面に、これから絶縁分離されると共に相互に絶縁分離された複数のコイル巻回体を有し、前記第1の磁性材料膜とは反対側の表面が前記第2の磁性材料膜の表面と同一平坦面となるように形成された薄膜コイルと、
この薄膜コイルおよび前記第2の磁性材料膜の平坦な表面の上に、薄膜コイルを覆うと共に第2の磁性材料膜の一部分を覆ってスロートハイト零の基準位置まで延在する絶縁膜と、
前記第2の磁性材料膜の、前記絶縁膜で覆われていない残余の部分を覆って下部トラックポールの一部分を構成し、前記第2の磁性材料膜とは反対側の表面が前記絶縁膜の薄膜コイルとは反対側の表面と同一平坦面となるように形成された第3の磁性材料膜と、
前記絶縁膜および第3の磁性材料膜の平坦な表面に平坦に形成された非磁性材料より成るライトギャップ膜と、
このライトギャップ膜の、前記第3の磁性材料膜および絶縁膜と接触する表面とは反対側の表面に形成され、前記第2の磁性材料膜および前記第3の磁性材料膜で構成された下部トラックポールと整列された上部トラックポールを有する上部ポールを構成する第4の磁性材料膜と、
を具えるものである。
本発明の第2の特徴による薄膜ヘッドは、
基板と、
この基板上に、エアーベアリング面から内方に延在し、平坦な表面を有するように形成された磁性材料より成り、下部ポールを構成する第1の磁性材料膜と、
この第1の磁性材料膜の、前記基板とは反対側の平坦な表面上に、前記エアーベアリング面からスロートハイト零の基準位置を越えて内方に延在するように形成され、下部トラックポールの一部分を構成する第2の磁性材料膜と、
前記第1の磁性材料膜の一方の平坦な表面に、これから絶縁分離されると共に相互に絶縁分離された複数のコイル巻回体を有し、前記第1の磁性材料膜とは反対側の表面が前記第2の磁性材料膜の表面と同一平坦面となるように形成された薄膜コイルと、
この薄膜コイルおよび前記第2の磁性材料膜の平坦な表面の上に、薄膜コイルを覆うと共に第2の磁性材料膜の一部分を覆い、スロートハイト零の基準位置よりも内側まで延在する第1の絶縁膜と、
前記第2の磁性材料膜の、前記第1の絶縁膜で覆われていない残余の部分を覆って下部トラックポールの一部分を構成し、前記第2の磁性材料膜とは反対側の表面が前記第1の絶縁膜の薄膜コイルとは反対側の表面と同一平坦面となるように形成された第3の磁性材料膜と、
前記第1の絶縁膜および第3の磁性材料膜の平坦な表面に、第1の絶縁膜を覆うと共に前記第3の磁性材料膜の一部分を覆ってスロートハイト零の基準位置まで延在するように形成された第2の絶縁膜と、
前記第3の磁性材料膜の、前記第2の絶縁膜で覆われていない残余の部分を覆い、下部トラックポールの一部分を構成し、前記第3の磁性材料膜とは反対側の表面が前記第2の絶縁膜の表面と同一平坦面となるように形成された第4の磁性材料膜と、
前記第2の絶縁膜および第4の磁性材料膜の平坦な表面に平坦に形成された非磁性材料より成るライトギャップ膜と、
このライトギャップ膜の、前記第4の磁性材料膜および第2の絶縁膜と接触する表面とは反対側の平坦な表面に形成され、前記第2、第3および第4の磁性材料膜で構成された下部トラックポールと整列された上部トラックポールを有する上部ポールを構成するように形成された第5の磁性材料膜と、
を具え、スロートハイトを0.5μm以下とし、前記下部トラックポールを構成する第2〜第4の磁性材料膜の前記エアーベアリング面からの長さを、前記ライトギャップ膜から遠去かるに従って長くなるようにしたものである。
さらに本発明の第3の特徴による薄膜磁気ヘッドは、
基板と、
この基板上に、エアーベアリング面から内方に延在し、平坦な表面を有するように形成された磁性材料より成り、下部ポールを構成する第1の磁性材料膜と、
この第1の磁性材料膜の、前記基板とは反対側の平坦な表面上に、前記エアーベアリング面からスロートハイト零の基準位置を越えて内方に延在するよう形成され、下部トラックポールを構成する第2の磁性材料膜と、
前記第1の磁性材料膜の一方の表面に、これから絶縁分離されると共に相互に絶縁分離された複数のコイル巻回体を有し、前記第1の磁性材料膜とは反対側の表面が前記第2の磁性材料膜の表面と同一平坦面となるように形成された薄膜コイルと、
この薄膜コイルおよび前記第2の磁性材料膜の平坦な表面上に、薄膜コイルを覆うと共に第2の磁性材料膜の一部分を覆ってスロートハイト零の基準位置まで延在する絶縁膜と、
前記第2の磁性材料膜の、前記絶縁膜で覆われていない残余の表面を覆い、さらに第2の磁性材料膜と前記絶縁膜との段差を越えてこの絶縁膜の表面を覆うように形成された非磁性材料より成るライトギャップ膜と、
このライトギャップ膜の上に、前記第2の磁性材料膜と対向するように形成され、前記第2の磁性材料膜によって構成される下部トラックポールと整列された上部トラックポールの一部分を構成し、前記ライトギャップ膜とは反対側の表面が前記絶縁膜の上のライトギャップ膜と同一平坦面を構成するように形成された第3の磁性材料膜と、
前記ライトギャップ膜および第3の磁性材料膜の平坦な表面に平坦に形成され、前記第2の磁性材料膜によって構成される下部トラックポールと整列された上部トラックポールを構成する部分を有する第4の磁性材料膜と、
を具えるものである。
上述した本発明の第1〜第3の特徴による薄膜磁気ヘッドの好適な実施例においては、前記薄膜コイルが、
所定の間隔を置いて形成されたコイル巻回体を有する第1の薄膜コイル半部と、
この第1の薄膜コイル半部の順次のコイル巻回体の間に、第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体と層間絶縁膜を介して自己整合的に形成され、少なくとも一部分が、CVDで形成された第1の導電膜と、電解メッキで形成された第2の導電膜を含む2層構造を有するコイル巻回体を有する第2の薄膜コイル半部と、
前記第1および第2の薄膜コイル半部のいずれか一方の最内周のコイル巻回体と、他方の薄膜コイル半部の最外周のコイル巻回体との間を前記絶縁膜に形成された開口を経て電気的に接続する第1のジャンパ配線と、
前記絶縁膜に形成された開口を経て他方の薄膜コイル半部の最内周のコイル巻回体に一端が接続された第2のジャンパ配線と、
を具えるものである。
このように薄膜コイルの第1および第2の薄膜コイル半部が自己整合的に形成されている薄膜磁気ヘッドにおいては、順次のコイル巻回体の間はきわめて膜厚の薄い層間絶縁膜で絶縁分離されているだけであるので、コイルピッチを0.5μmと狭くして磁路長を短くすることができ、高周波数特性を改善することができる。
さらに本発明の第1〜第3の特徴による薄膜磁気ヘッドにおいては、上部ヨークを構成する磁性材料膜を2層または3層構造とすることもできるが、その場合には、ライトギャップ膜と接触する方の磁性材料膜を、他方の磁性材料膜よりも飽和磁束密度の高い磁性材料で形成するのが好適である。また、この2層または3層構造の間にアルミナ絶縁膜のような非磁性材料膜を介在させることもできる。この非磁性材料膜の膜厚は、10nm以下、特に3〜5nmと薄くするのが好適である。さらに、下部トラックポールの全部或いはその一部分を構成する第2の磁性材料膜も、2層または3層構造とすることもでき、その場合には、ライトギャップ膜に近い方の磁性材料膜を、遠い方の磁性材料膜よりも飽和磁束密度の高い磁性材料で形成するのが好適である。
上述した本発明の第1〜第3の特徴による薄膜磁気ヘッドにおいては、平坦に形成された1層、2層または3層の磁性材料膜によって構成される下部トラックポールと、平坦に形成された1層、2層または3層の磁性材料膜によって構成される上部トラックポールとが整列して形成されているので、幅が0.2μm以下の狭トラックポールを正確に得ることができ、トラック幅を狭くして、面記録密度を向上することができる。また、スロートハイト零の基準位置は、平坦に形成された絶縁膜のエアーベアリング面側の端縁によって正確に規定され、この位置は製造工程中に変動することがないので、サブミクロンオーダーのきわめて短いスロートハイトを正確に規定することができ、薄膜コイルをエアーベアリング面側に一層近付けることができ、薄膜磁気ヘッドの効率を改善することができる。
上述した本発明による第1および第3の薄膜磁気ヘッドにおいては、下部トラックポールを構成する第2の磁性材料膜および薄膜コイルは平坦な表面を構成し、この平坦な表面の上に第3の磁性材料膜および絶縁膜を平坦に形成し、この絶縁膜のエアーベアリング面側の端面によってスロートハイト零の基準位置を規定するようし、第2の特徴による薄膜磁気ヘッドにおいては、下部トラックポールの一部を構成する第2の磁性材料膜および薄膜コイルは平坦な表面を構成し、この平坦な表面に第3の磁性材料膜および第1の絶縁膜を平坦に形成し、この平坦な表面に第4の磁性材料膜および第2の絶縁膜を平坦に形成し、この第2の絶縁膜のエアーベアリング面側の端面によってスロートハイト零の基準位置を規定するようしているが、この絶縁膜の端面の位置は製造工程中に変動することがないので、スロートハイトを正確に規定した値とすることができる。さらにスロートハイト零の基準位置を規定する絶縁膜と磁性材料膜との平坦な表面の上にライトギャップ膜を平坦に形成し、その平坦な表面の上に上部ポールを構成する磁性材料膜を平坦に形成することができるので、磁極部分を正確に微細化することができる。さらに本発明による第2の特徴による薄膜磁気ヘッドにおいては、上述した利点に加えて、下部トラックポールを構成する第2〜第4の磁性材料膜の、エアーベアリング面からの長さが徐々に短くなり、書き込み時に薄膜コイルを流れる電流によって発生される磁束の飽和が起こりにくくなり、記録の効率が改善され、スロートハイトが0.5μm以下、特にクオーターミクロン以下に微細化された薄膜磁気ヘッドにおいてはきわめて有利である。
上述したようにライトギャップ膜を介して互いに対向する磁性材料膜は、高い飽和磁束密度を有する磁性材料で形成するのが好適であるが、特に上部トラックポールを構成する磁性材料膜は、FeN、FeCo、CoNiFe、CoFeN、FeAlNまたはFeZrNで形成するのが好適である。この場合、下部トラックポールを構成する磁性材料膜は、FeN、FeCo、CoNiFe、CoFeN、FeAlN、FeZrNまたはNiFeで形成することができる。CoNiFeおよびNiFe膜は電解メッキ形成することができ、FeN、FeAlN1、FeZrNおよびCoFeN膜はスパッタリングで形成することができ、FeCoは電解メッキでも、スパッタリングでも形成することができる。FeCoのメッキ膜の飽和磁束密度は2.3Tであり、スパッタ膜の飽和磁束密度は2.4Tである。
さらに、上述したように薄膜コイルを、自己整合的に形成した第1および第2の薄膜コイル半部で形成されている薄膜磁気ヘッドにおいては、前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体を銅の電解メッキで形成し、前記第2の薄膜コイル半部のコイル巻回体を、Cu-CVDで形成された第1の導電膜と、銅の電解メッキで形成された第1の導電膜との2層構造とするのが好適である。この場合、第2の薄膜コイル半部のコイル巻回体の、トラックポールと橋絡部との間の部分は幅が狭く形成されているので、全体が銅の電解メッキで形成された第1の導電膜で構成されることになるが、幅の広い部分は、上述したように銅の電解メッキによって形成された第1の導電膜と、Cu-CVDで形成された第2の導電膜との2層構造となる。さらに、前記第1および第2の薄膜コイル半部の隣接するコイル巻回体間に配設された第1の絶縁膜の膜厚は、0.03〜0.15μmとするのが好適である。また、この第1の絶縁膜は、アルミナ、酸化シリコンおよび窒化シリコンなどの無機絶縁材料で形成することができるが、特にアルミナ-CVDで形成するのが好適である。
上述したように、薄膜コイルを第1および第2の薄膜コイル半部を以て構成した薄膜磁気ヘッドにおいては、第1の薄膜コイル半部の順次のコイル巻回体間の間隔をコイル巻回体の巾よりもやや大きくすることによって、この順次のコイル巻回体の間に第2の薄膜コイル半部の順次のコイル巻回体を層間絶縁膜を介して自己整合的に配置することができ、これら第1および第2の薄膜コイル半部のコイル巻回体間の間隔をきわめて小さくすることができ、したがって磁路長を短くすることができ、その結果として磁束立ち上がり時間やNLTS特性や重ね書き特性などの高周波数特性を改善することができる。
このような薄膜磁気ヘッドにおいては、前記第1および第2の薄膜コイル半部の隣接するコイル巻回体の間隔を0.2μm以下、特に0.03〜0.15μmとするのが好適である。ここで、順次のコイル巻回体間の間隔を0.03μmよりも狭くすると、順次のコイル巻回体間で絶縁不良が発生する恐れがある。また、順次のコイル巻回体間の間隔を0.2μmよりも大きくしたのでは、薄膜コイルの磁路長を短縮する効果が十分に得られない。本発明では、上述したように、順次のコイル巻回体間の間隔を0.2μm以下、特に0.03〜0.15μmと狭くすることによって、コイル巻回体の巾を狭くすることなく上述した磁路長を、図9に示した従来の誘導型薄膜磁気ヘッドの磁路長の半分以下と短くすることができ、上述したアメリカ特許第6,191,916および6,204,997に開示された誘導型薄膜磁気ヘッドの磁路長に比べても短くすることができ、誘導型薄膜磁気ヘッドの性能を著しく向上することができる。
本発明の第4の特徴による薄膜磁気ヘッドの製造方法は、
下部ポールを構成する第1の磁性材料膜を、基板によって支持されるように平坦に形成する工程と、
この第1の磁性材料膜の平坦な表面に、下部トラックポールの一部分を構成する第2の磁性材料膜と薄膜コイルを同一の平坦な表面を有するように形成する工程と、
前記第2の磁性材料膜および薄膜コイルの平坦な表面に、前記薄膜コイルを覆うとともに前記第2の磁性材料膜の一部分の表面を覆ってスロートハイト零の基準位置まで延在するように絶縁膜を形成する工程と、
表面全体に、前記絶縁膜よりも膜厚の厚い磁性材料膜を形成する工程と、
この磁性材料膜を研磨して、前記第2の磁性材料膜の平坦な表面の、前記絶縁膜で覆われていない部分を覆い、下部トラックポールの一部分を構成する第3の磁性材料膜を、前記絶縁膜の表面と同一平坦面となるように形成する工程と、
この第3の磁性材料膜および前記絶縁膜の平坦な表面に、ライトギャップ膜を構成する非磁性材料より成る非磁性材料膜を平坦に形成する工程と、
この非磁性材料膜の表面に、上部トラックポールおよび上部ポールを構成する平坦な第4の磁性材料膜を形成する工程と、
前記第4の磁性材料膜、非磁性材料膜および第3の磁性材料膜を選択的にエッチングして、互いに整列された上部トラックポール、ライトギャップ膜および下部トラックポールを形成するエッチング工程と、
を具えるものである。
本発明の第5の特徴による薄膜磁気ヘッドの製造方法は、
下部ポールを構成する第1の磁性材料膜を、基板によって支持されるように平坦に形成する工程と、
この第1の磁性材料膜の平坦な表面に、下部トラックポールの一部分を構成する第2の磁性材料膜と薄膜コイルを同一の平坦な表面を有するように形成する工程と、
前記第2の磁性材料膜および薄膜コイルの平坦な表面に、前記第2の磁性材料膜の一部分の表面を覆ってスロートハイト零の基準位置まで延在し、下部トラックポールの一部分を構成する第3の磁性材料膜を形成する工程と、
表面全体に、この第3の磁性材料膜よりも膜厚の厚い絶縁膜を形成する工程と、
この絶縁膜を研磨して、前記第2の磁性材料膜の平坦な表面の、前記第3の磁性材料膜で覆われていない部分を覆うと共に前記薄膜コイルを覆う絶縁膜を、第3の磁性材料膜の表面と同一平坦面となるように形成する工程と、
前記第3の磁性材料膜および絶縁膜の平坦な表面に、ライトギャップ膜を構成する非磁性材料より成る非磁性材料膜を平坦に形成する工程と、
この非磁性材料膜の表面に、上部トラックポールおよび上部ポールを構成する平坦な第4の磁性材料膜を形成する工程と、
前記第4の磁性材料膜、非磁性材料膜および第3の磁性材料膜を選択的にエッチングして、互いに整列された上部トラックポール、ライトギャップ膜および下部トラックポールを形成するエッチング工程と、
を具えるものである。
本発明の第6の特徴による薄膜磁気ヘッドの製造方法は、
下部ポールを構成する第1の磁性材料膜を、基板によって支持されるように平坦に形成する工程と、
この第1の磁性材料膜の平坦な表面に、下部トラックポールの一部分を構成する第2の磁性材料膜と薄膜コイルを、同一の平坦面となるように形成する工程と、
前記第2の磁性材料膜および薄膜コイルの平坦な表面に、前記第2の磁性材料膜の平坦な表面の一部分を覆ってスロートハイト零の基準位置よりも内方に延在し、下部トラックポールの一部分を構成する第3の磁性材料膜を形成する工程と、
表面全体に、この第3の磁性材料膜よりも膜厚の厚い絶縁膜を形成する工程と、
この絶縁膜を研磨して、前記第2の磁性材料膜の平坦な表面の、前記第3の磁性材料膜で覆われていない部分を覆うと共に前記薄膜コイルを覆う第1の絶縁膜を、第3の磁性材料膜の表面と同一平坦面となるように形成する工程と、
前記第3の磁性材料膜および第1の絶縁膜の平坦な表面に、前記第3の磁性材料膜の平坦な表面の一部分を覆ってスロートハイト零の基準位置まで延在し、下部トラックポールの一部分を構成する第4の磁性材料膜を形成する工程と、
表面全体に、この第4の磁性材料膜よりも膜厚の厚い絶縁膜を形成する工程と、
この絶縁膜を研磨して、前記第3の磁性材料膜の平坦な表面の、前記第4の磁性材料膜で覆われていない部分を覆うと共に前記第1の絶縁膜を覆う第2の絶縁膜を、第4の磁性材料膜の表面と同一平坦面となるように形成する工程と、
前記第4の磁性材料膜および第2の絶縁膜の平坦な表面に、ライトギャップ膜を構成する非磁性材料より成る非磁性材料膜を平坦に形成する工程と、
この非磁性材料膜の表面に、上部トラックポールおよび上部ポールを構成する平坦な第5の磁性材料膜を形成する工程と、
前記第5の磁性材料膜、非磁性材料膜および第4の磁性材料膜を選択的にエッチングして、互いに整列された上部トラックポール、ライトギャップ膜および下部トラックポールを形成するエッチング工程と、
を具え、スロートハイトを0.5μm以下とし、前記下部トラックポールを構成する第2〜第4の磁性材料膜の前記エアーベアリング面からの長さを、前記ライトギャップ膜から遠去かるに従って長くなるようにするものである。
本発明の第7の特徴による薄膜磁気ヘッドの製造方法は、
下部ポールを構成する第1の磁性材料膜を、基板によって支持されるように平坦に形成する工程と、
この第1の磁性材料膜の平坦な表面に、下部トラックポールの一部分を構成する第2の磁性材料膜と薄膜コイルを、同一の平坦面となるように形成する工程と、
前記第2の磁性材料膜および薄膜コイルの平坦な表面に、薄膜コイルを覆うと共に第2の磁性材料膜の平坦な表面の一部分を覆ってスロートハイト零の基準位置よりも内方に延在する第1の絶縁膜を形成する工程と、
表面全体に、この第1の絶縁膜よりも膜厚の厚い磁性材料膜を形成する工程と、
この磁性材料膜を研磨して、前記第2の磁性材料膜の平坦な表面の、前記第1の絶縁膜で覆われていない部分を覆ってスロートハイト零の基準位置よりも内方に延在する第3の磁性材料膜を、第1の絶縁膜の表面と同一平坦面となるように形成する工程と、
前記第3の磁性材料膜および第1の絶縁膜の平坦な表面に、第1の絶縁膜を覆うと共に第3の磁性材料膜の平坦な表面の一部分を覆ってスロートハイト零の基準位置まで延在する第2の絶縁膜を形成する工程と、
表面全体に、この第2の絶縁膜よりも膜厚の厚い磁性材料膜を形成する工程と、
この磁性材料膜を研磨して、前記第3の磁性材料膜の平坦な表面の、前記第2の絶縁膜で覆われていない部分を覆ってスロートハイト零の基準位置まで延在する第4の磁性材料膜を、第2の絶縁膜の表面と同一平坦面となるように形成する工程と、
前記第4の磁性材料膜および第2の絶縁膜の平坦な表面に、ライトギャップ膜を構成する非磁性材料より成る非磁性材料膜を平坦に形成する工程と、
この非磁性材料膜の表面に、上部トラックポールおよび上部ポールを構成する平坦な第5の磁性材料膜を形成する工程と、
前記第5の磁性材料膜、非磁性材料膜および第4の磁性材料膜を選択的にエッチングして、互いに整列された上部トラックポール、ライトギャップ膜および下部トラックポールを形成するエッチング工程と、
を具えるものである。
本発明の第8の特徴による薄膜磁気ヘッドの製造方法は、
下部ポールを構成する第1の磁性材料膜を基板によって支持されるように平坦に形成する工程と、
この第1の磁性材料膜の平坦な表面に、下部トラックポールの一部分を構成する第2の磁性材料膜を形成する工程と、
前記第1の磁性材料膜の表面に、これから絶縁分離されると共に前記第2の磁性材料膜の表面と同一平坦面となるように薄膜コイルを形成する工程と、
この第2の磁性材料膜および薄膜コイルの平坦な表面に、前記薄膜コイルを覆うとともに前記第2の磁性材料膜の平坦な表面の一部分を覆ってスロートハイト零の基準位置まで延在するように絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の磁性材料膜の、前記絶縁膜で覆われていない表面を覆うとともに、前記第2の磁性材料膜の第1の部分と前記絶縁膜との段差を越えてその表面を覆うようにライトギャップ膜を構成する非磁性材料膜を形成する工程と、
表面全体に前記第2の磁性材料膜および絶縁膜の膜厚の和よりも厚い磁性材料膜を形成する工程と、
この磁性材料膜を研磨して、前記非磁性材料膜を介して前記第2の磁性材料膜の、前記絶縁膜で覆われていない部分と対向する上部トラックポールを構成する第3の磁性材料膜を、絶縁膜の表面と同一平坦面となるように形成する工程と、
この第3の磁性材料膜および非磁性材料膜の平坦な表面に、上部トラックポールおよび上部ポールを構成する平坦な第4の磁性材料膜を形成する工程と、
前記第4の磁性材料膜、第3の磁性材料膜、非磁性材料膜および第2の磁性材料膜を選択的に除去して、互いに整列された上部トラックポール、ライトギャップ膜および下部トラックポールを形成するエッチング工程と、
を具えるものである。
このような本発明の第4〜第8の特徴による薄膜磁気ヘッドの製造方法の好適な実施例においては、前記薄膜コイルを形成する工程が、
第1の薄膜コイル半部の複数のコイル巻回体を、前記第1の磁性材料膜から絶縁分離されるように形成する工程と、
この第1の薄膜コイル半部を含む表面全体を覆うように層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体間に画成された凹部を含む表面に第1の導電膜をCVDおよび/またはスパッタリングで形成する工程と、
この第1の導電膜を電極として用い、第2の薄膜コイル半部を形成すべき部分以外にマスクを形成した電解メッキによって第2の導電膜を選択的に形成する工程と、
この第2の導電膜をマスクとするエッチングにより前記第1の導電膜を選択的に除去する工程と、
表面全体に、前記第2の磁性材料膜の膜厚よりも厚い絶縁膜を形成する工程と、
この絶縁膜および前記第1および第2の導電膜を、前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体の表面が露出するまで研磨して、前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体の間に画成された凹部内に前記層間絶縁膜を介して配置されたコイル巻回体を有する第2の薄膜コイル半部を形成するとともに、前記第2の磁性材料膜、薄膜コイルおよびこれらを囲む絶縁膜を同一平坦面とする研磨工程と、
を具えるものである。
さらに、本発明の第4〜第8の特徴による薄膜磁気ヘッドの製造方法の他の好適な実施例においては、前記薄膜コイルを形成する工程が、
第1の薄膜コイル半部の複数のコイル巻回体を、前記第1の磁性材料膜から絶縁分離されるように形成する工程と、
この第1の薄膜コイル半部を含む表面全体を覆うように層間絶縁膜を形成する工程と、
第2の薄膜コイル半部を形成すべき領域に、マスクを選択的に形成した後、表面全体に、前記第2の磁性材料膜よりも膜厚の厚い絶縁膜を形成する工程と、
この絶縁膜をCMPによって研磨して、マスクを露出させる工程と、
この露出したマスクをエッチングより除去し、前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体間に凹部を画成して前記層間絶縁膜を露出させる工程と、
前記前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体間に画成された凹部を含む表面全体に第1の導電膜をCVDおよび/またはスパッタリングで形成する工程と、
この第1の導電膜を電極として用いる電解メッキによって前記凹部を埋めるように第2の導電膜を形成する工程と、
この第2の導電膜を、前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体の表面が露出するまで研磨して、前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体の間に画成された凹部内に前記層間絶縁膜を介して配置されたコイル巻回体を有する第2の薄膜コイル半部を形成するとともに、前記第2の磁性材料膜、薄膜コイルおよびこれらを囲む絶縁膜を同一平坦面とする研磨工程と、
を具えるものである。
薄膜コイルを形成するに当たっては、薄膜コイルのコイル巻回体の、エアーベアリング面と隣接する磁極部分とバックギャップとの間に配設される部分の幅は、それ以外の部分に比べて狭く形成されるが、第1の導電膜をCVDおよび/またはスパッタリングで厚く形成する際には、コイル巻回体の幅の狭い部分では、側壁からの堆積によって凹部が完全に埋まるので、第1の導電膜だけでコイル巻回体が形成されることになる。一方、コイル巻回体の幅の広い部分では、第1の導電膜だけでは埋められず、第1の導電膜と第2の導電膜でコイル巻回体が形成されることになる。
また、第1の導電膜をCVDおよび/またはスパッタリングで薄く形成する際には、コイル巻回体の幅の狭い部分でも、側壁からの堆積によって凹部が完全に埋まることはないので、コイル巻回体の幅の狭い部分および広い部分ともに第1の導電膜と第2の導電膜でコイル巻回体が形成されることになる。
さらにこのような薄膜コイルの形成方法においては、薄膜磁気ヘッドの最内周のコイル巻回体の端部のコンタクト部と、バックギャップを構成する橋絡部との間に広い凹部を形成し、薄膜コイルを形成する際の絶縁膜を、この凹部を埋めるように形成するのが好適である。この場合には、橋絡部とコンタクト部との間が広い絶縁膜によって有効に絶縁分離されることになり、短絡から保護することができる。
また、本発明の第4、第5および第8の特徴による薄膜磁気ヘッド製造方法の好適な実施例では、
前記第2の磁性材料膜を、下部トラックポールを構成する第1の部分と、前記薄膜コイルのコンタクト部と接触するジャンパ配線の一部を構成する第2の部分とを有するように形成し、
前記第3の磁性材料膜を、前記第2の磁性材料膜の第1の部分の、前記第1の絶縁膜で覆われていない部分を覆って下部トラックポールを構成する第1の部分と、前記絶縁膜に形成された開口を経て前記第2の磁性材料膜の第2の部分と接触して橋絡部の残部を構成する第2の部分と、前記絶縁膜に形成された開口を経て前記薄膜コイルのコンタクト部と接触するジャンパ配線の一部を構成する第3の部分とを有するように形成し、
前記第4の磁性材料膜を、前記第3の磁性材料膜の橋絡部を構成する第2の部分およびジャンパ配線を構成する第3の部分と接触するように形成し、
前記第4の磁性材料膜、非磁性材料膜および第3の磁性材料膜を選択的にエッチングして、互いに整列された上部トラックポール、ライトギャップ膜および下部トラックポールを形成すると共に薄膜コイルに接続されたジャンパ配線を形成する。
さらに本発明の第6および第7の特徴による薄膜磁気ヘッド製造方法の好適な実施例では、
前記第2の磁性材料膜を、下部トラックポールを構成する第1の部分と、前記薄膜コイルのコンタクト部と接触するジャンパ配線の一部を構成する第2の部分とを有するように形成し、
前記第3の磁性材料膜を、前記第2の磁性材料膜の第1の部分の、前記第1の絶縁膜で覆われていない部分を覆って下部トラックポールを構成する第1の部分と、前記第1の絶縁膜に形成された開口を経て前記第2の磁性材料膜の第2の部分と接触して橋絡部の一部を構成する第2の部分と、前記第1の絶縁膜に形成された開口を経て前記薄膜コイルのコンタクト部と接触するジャンパ配線の一部を構成する第3の部分とを有するように形成し、
前記第4の磁性材料膜を、前記第3の磁性材料膜の第1の部分の、前記第2の絶縁膜で覆われていない部分を覆って下部トラックポールを構成する第1の部分と、前記第2の絶縁膜に形成された開口を経て前記第3の磁性材料膜の第2の部分と接触して橋絡部の一部を構成する第2の部分と、前記第2の絶縁膜に形成された開口を経て前記第3の磁性材料膜の第3の部分と接触するジャンパ配線の一部を構成する第3の部分とを有するように形成し、
前記第5の磁性材料膜を、前記第4の磁性材料膜の橋絡部を構成する第2の部分およびジャンパ配線の一部を構成する第3の部分と接触するように形成し、
前記第5の磁性材料膜、非磁性材料膜および第4の磁性材料膜を選択的にエッチングして、互いに整列された上部トラックポール、ライトギャップ膜および下部トラックポールを形成すると共に薄膜コイルに接続されたジャンパ配線を形成する。
上述した本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法においては、ライトギャップ膜を構成する非磁性材料膜の上側に形成される1層または2層の磁性材料膜、非磁性材料膜およびその下側の1層、2層または3層の磁性材料膜を選択的にエッチングして互いに整列された上部トラックポール、ライトギャップ膜および下部トラックポールを形成するエッチング工程、あるいは上部トラックポール、ライトギャップ膜および下部トラックポールを形成するのと同時に薄膜コイルに接続されたジャンパ配線を形成するエッチング工程は、リアクティブ・イオン・エッチング(Reactive Ion Etchingの頭文字をとってRIEと称する)とするのが好適である。また、このエッチング工程において、前記第2の磁性材料膜の表面を、前記ライトギャップ膜を越えてエッチングしてトリム構造を形成するのが好適である。
上述した本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法の好適な実施例においては、第1の導電膜をステップカバレージの良好なCVDで形成するので、第1の薄膜コイル半部の順次のコイル巻回体間に形成されるきわめて幅の狭い凹部をボイドを形成することなく良好に形成することができる。また、第1の薄膜コイル半部を形成した領域をCVDで形成した第1の導電膜で覆い、さらに薄膜コイル形成領域を電解メッキで形成した第2の導電膜で覆った後、この第1の導電膜をマスクとして第1の導電膜の余分な部分をエッチングにより選択的に除去するので、他にエッチングマスクを形成する工程が省略でし、それだけスループットが向上し、製造コストを下げることができる。この第1の導電膜は、例えばイオンミリングによって容易に除去することができる。
さらに、第2の薄膜コイル半部のコイル巻回体を構成する第1および第2の導電膜を形成した後、それを部分的に除去する工程は、アルカリスラリや中性スラリを用いるCMP,イオンビームミリングやスパッタエッチングなどのドライエッチングで行ったり、CMPで荒く除去した後、ドライエッチングで微調整して除去することができる。
また、エアーベアリング面に最も近いコイル巻回体を第2の薄膜コイル半部の最外周のコイル巻回体で構成するとともにバックギャップを構成する橋絡部に最も近いコイル巻回体を第2の薄膜コイル半部の最内周のコイル巻回体で構成する場合、これら第2の薄膜コイル半部の最外周のコイル巻回体および最内周のコイル巻回体の幅を、それ以外のコイル巻回体の幅よりも広くするのが好適である。その理由は、第1薄膜コイル半部を形成する位置がずれた場合でも、これら最外周のコイル巻回体および最内周のコイル巻回体の幅が所望の値よりも狭くなり、抵抗値が過度に高くなる恐れがなくなるためである。
本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法においては、上部および下部トラックポールの幅をサブミクロンオーダーと非常に狭くしてもきわめて正確に形成することができる。また、上部トラックポールおよび上部ポールをFeN、FeCo、CoNiFe、FeAlN、FeZrNまたはCoFeNで形成し、下部トラックポールをFeN、FeCo、CoNiFe、FeAlN、FeZrN、NiFeまたはCoFeNで形成するのが好適である。この場合、CoNiFe、FeCo、NiFeはメッキ膜として形成し、FeN、FeCo、FeAlN1、FeZrNおよびCoFeNはスパッタ膜で形成することができる。また、下部トラックポールおよび上部トラックポールを形成するためのRIEを、Cl2、Cl2にBCl2などのホウ素系ガスを混合した混合ガスあるいはCl2にAr, N2などの不活性ガスを混合した混合ガスなどの雰囲気中で、50℃以上、特に200〜300℃の高いエッチング温度で行うのが好適である。
さらに本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法においては、第1および第2の薄膜コイル半部を絶縁する絶縁膜は、アルミナ、酸化シリコンおよび窒化シリコンなどの無機絶縁材料で形成することができるが、特にアルミナ-CVDで形成するのが好適である。このアルミナ-CVD膜は、1〜2 Torrの減圧中において、100〜300℃の温度、特に150〜200°Cの温度で、Al(CH3)3またはAlCl3と、H2O, N2, N2OまたはH2O2とを交互に断続的に噴射するアトミックレイヤー法で形成された減圧Al2O3-CVD膜とするのが特に好適である。このようにしてステップカバレージに優れているとともにキーホールやボイドを含まず、したがって膜厚を薄くしても良好な絶縁特性を有する良い絶縁膜を形成できる。
(好適実施例の説明)
図10Aおよび10B〜図23Aおよび23Bは、本発明による複合型薄膜磁気ヘッドの第1の実施例を製造する方法の順次の工程を示す断面図および平面図であり、断面図において、Aはエアーベアリング面に垂直な断面図、Bは磁極部分をエアーベアリング面に平行な平面で切って示す断面図である。読み取り用の磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドであるGMRヘッド素子の構成およびその製造方法は従来のものとほぼ同じである。図10A、10Bに示すように、AlTiCより成る基板31の上に、アルミナより成る絶縁膜32を約3μmの膜厚に堆積し、さらにその上に読み出し用のGMRヘッド素子に対する磁気シールドを行うために、パーマロイより成る下部シールド膜33を、フォトレジスト膜をマスクとするメッキ法によって所定のパターンにしたがってほぼ2〜3μmの膜厚に形成する。
次に、ウエファ全体の上に3〜4μmの膜厚のアルミナ膜を形成し、CMPによって平坦化することで下部シールド膜33を露出させる。続いて、30〜35nmの膜厚のアルミナより成る下部シールドギャップ膜34をスパッタリングにより形成した後、所定の層構造を有するGMR膜35およびこのGMR膜に対する引出し電極36を、リフトオフによって形成する。その後、アルミナのスパッタリングにより上部シールドギャップ膜37を30〜35nmの膜厚に形成し、その上にGMRヘッド素子のアルミナより成る上部磁気シールド膜38を、約1〜1.5μmの膜厚に形成する。
次に、再生用のGMRヘッド素子と記録用の誘導型薄膜磁気ヘッド素子を磁気的に分離して再生用GMRヘッド素子の再生出力中のノイズを抑圧するためのアルミナより成る分離膜39を約0.15〜0.3μmの膜厚に形成した後、記録用ヘッド素子の下部ポールを構成する磁性材料膜40を2.0〜2.5μmの膜厚に形成する。この磁性材料膜40は、NiFe(80%:20%)、NiFe(45%:55%)、FeCo(67% : 33%)あるいはCoNiFe(64%:18%:18%)のメッキ膜で形成したり、FeAlN, FeN, FeCo、CoFeN、 FeZrNなどのスパッタ膜で形成できるが、本例ではCoNiFeのメッキ膜で形成する。
次に、磁性材料膜40の上に、フォトレジストマスクを用いてCoNiFeより成る帯状の磁性材料膜41を電解メッキにより3.0μmの膜厚に形成する。後述するように、この帯状の磁性材料膜41は下部ポールを構成するものである。また、磁性材料膜41を形成するのと同時にバックギャップを構成する第1の橋絡部41aを形成する。さらに、表面全体にアルミナより成る絶縁膜43を0.2μmの膜厚に形成し、さらにその上に、Cuより成るシード層44を50nmの膜厚に形成した様子を図10A、10Bに示す。
次に、このCu-シード層44の上に、所定の形状のレジストマスクを形成した後、銅の電解メッキにより第1の薄膜コイル半部45を、最終的に形成すべき薄膜コイルの膜厚である2.0μmよりもやや厚い2.5〜3.0μmの膜厚に形成し、レジストマスクを除去した後、露出したシード層44をイオンミリングによって除去し、さらに、表面全体を覆うようにアルミナ絶縁膜46を0.1μmの膜厚に形成した様子を図11A、11Bに示す。このようにして形成した第1の薄膜コイル半部45のコイル巻回体のCu膜を、Cu-Platingを省略してCu-P膜と称する。
このとき、後に配線に対するコンタクト部を構成する最内周のコイル巻回体の端部45aの幅は他のコイル巻回体の幅よりも広くする。また、本実施例においては、薄膜コイルの、下部ポールおよび上部ポールによって囲まれる部分においては、最外周のコイル巻回体および最内周のコイル巻回体を後に形成する第2の薄膜コイル半部で構成し、さらにそれらの幅が他の部分の幅よりも広くなるように間隔を設定する。すなわち、トラックポールを構成する磁性材料膜41の端面と第1の薄膜コイル半部45の最外周のコイル巻回体との間のスペースの幅W1およびバックギャップを構成する橋絡部41aの端面と最内周のコイル巻回体との間のスペースの幅W2を、順次のコイル巻回体間のスペースの幅W3よりも広くする。本例では、第1の薄膜コイル半部45のコイル巻回体の幅を0.3μmとし、それらの間隔を、W1=W2=0.4μm、W3=0.3μmとして、最外周および最内周のコイル巻回体の幅をそれ以外のコイル巻回体の幅よりも0.1μm以上広くなるようにする。本発明においては、このW1、W2とW3との差は0.1〜0.3μmとすることができる。また、薄膜コイルの、下部ポールおよび上部ポールによって囲まれる領域以外のコイル巻回体の幅を広くするために、橋絡部41aの、エアーベアリング面側とは反対側のスペースの幅W4は、上述した幅W1,W2およびW3よりもさらに広くする。ただし、図面はこれらの幅の比率を正確に表すものではなく、大小関係を示すものである。
このように、W1、W2>W3とする理由は以下の通りである。上述したように第1の薄膜コイル半部45を形成する際にはレジストマスクを使用するが、その位置がずれる可能性がある。例えば、レジストマスクがエアーベアリング面側にずれると、磁性材料膜41の端面と第1の薄膜コイル半部45の最外周のコイル巻回体との間のスペースの幅W1は狭くなり、レジストマスクがエアーベアリング面とは反対側にずれると、バックギャップを構成する橋絡部41aの端面と第1の薄膜コイル半部45の最内周のコイル巻回体との間のスペースの幅W2が狭くなる。このように幅W1あるいはW2がミスアライメント等で狭くなると、後に形成される第2の薄膜コイル半部のコイル巻回体の幅がそれだけ狭くなり、抵抗値が所定の値よりも高くなってしまう。特に、最外周のコイル巻回体は、その長さが他のコイル巻回体に比べて長いので、その幅W1が狭くなると抵抗値が非常に高くなり、発熱する恐れがある。このようにエアーベアリング面に近い部分での発熱は、熱膨張によってポールチップが外側に膨らんで記録媒体と接触するポール突出(pole protrusion)の問題が起こる恐れがある。上述したように、W1、W2>W3とすることによって、第1の薄膜コイル半部45を形成する際のレジストマスクの位置のずれがあっても、第1の薄膜コイル半部の最外周および最内周のコイル巻回体の幅が所定の幅よりも狭くなることがなくなり、上述したポール突出の問題を有効に解決することができる。
さらに、第1の薄膜コイル半部45の最外周および最内周のコイル巻回体と磁性材料膜41および橋絡部41aとの間の距離を長くすると、第1の薄膜コイル半部を形成する際のフォトリソグラフィの露光時に、これらの磁性材料膜および橋絡部からの反射が少なくなるので、フォトリソグラフィが容易かつ正確となるという利点もある。
さらに、図11Aおよび11Bに示すように、表面全体にアルミナ絶縁膜46を0.1μmの膜厚に形成する。このアルミナ絶縁膜46はCVDによって形成するのが好適である。すなわち、ウエファを収容したCVDチャンバを1〜2Torrの減圧状態に保ち、100〜300°Cの温度で、Al(CH3)3またはAlCl3と、H2O, N2, N2OあるいはH2O2とを交互に断続的に噴射し、ケミカル反応によって堆積形成するアトミックレイヤー法で形成するのが好適である。本例では、1.5Torrに減圧し、温度を180〜250°Cに保ったチャンバに、水蒸気(H2O)とAl(CH3)3を約1秒間に1回の割合で噴射させて減圧アルミナ-CVD絶縁膜46を形成する。このような減圧アルミナ-CVD絶縁膜46は、良好な絶縁特性を有するとともに優れたステップカバレージを有している利点がある。
次に、図12Aおよび12Bに示すように、全体の上にCu-CVD膜47を1.5〜2.5μmの膜厚に形成する。さらに、図13Aおよび13Bに示すように、薄膜コイル形成領域を除く部分に所定のパターンにしたがってフォトレジストマスク48を形成した後、電解メッキによりCu-P膜49を、2〜3μmの膜厚に形成する。さらに、図14Aおよび14Bに示すように、フォトレジストマスク48を除去し、Cu-CVD膜47の露出した部分をCu-P膜49をマスクとしてRIEあるいはイオンミリングによって選択的に除去する。その後、図15Aおよび15Bに示すように、全体の上にアルミナ絶縁膜50を3〜4μmの膜厚に形成する。
次に、アルミナ絶縁膜50の表面をCMPによって研磨し、図16Aおよび16Bに示すように、第1の薄膜コイル半部45、磁性材料膜41、橋絡部41a、アルミナ絶縁膜50を露出させて平坦な表面とする。このCMPによって、第1の薄膜コイル半部45の間にアルミナ-CVD絶縁膜46を介して第2の薄膜コイル半部51が自己整合的に形成される。本例では、上述したように、W1、W2>W3としたので、第2の薄膜コイル半部51の最外周のコイル巻回体51aおよび最内周のコイル巻回体51bの幅は、その他のコイル巻回体の幅よりも広くなっている。また、図16Aおよび16Bには示していないが、第2の薄膜コイル半部51の最内周のコイル巻回体51bの、コンタクト部を構成する端部の幅を広くしてある。本実施例においては、第2の薄膜コイル半部51は、Cu-CVD膜47とCu-P膜49との2層構造となるが、磁性材料膜41と橋絡部41aとで挟まれる部分のコイル巻回体は、その幅が狭いのでCu-CVD膜47のみで形成されている。また、このようにして形成される薄膜コイルの高さは、ほぼ2μmとなるようにCMPを制御する。さらにこのCMPによって、バックギャップ部を構成する橋絡部41aと、第1および第2の薄膜コイル半部45および51の最内周のコイル巻回体の端部(図面では第1の薄膜コイル半部の端部45aのみが示されている)との間には幅の広いアルミナ絶縁膜50が残ることになる。この幅の広いアルミナ絶縁膜50によって、橋絡部41aと、第1および第2の薄膜コイル半部45および51の最内周のコイル巻回体の端部との間は電気的に良好に絶縁され、これらが短絡されるのを有効に阻止することができる。
図17Aおよび17Bは、上述したようにして形成した薄膜コイルの構造を示すそれぞれ平面図および断面図である。ただし、図面を明瞭とするために、第1および第2の薄膜コイル半部45および51のコイル巻回体相互を絶縁分離する層間絶縁膜は太線で示した。第1の薄膜コイル半部45の最内周のコイル巻回体の端部45aと第2の薄膜コイル半部51の最外周のコイル巻回体の端部とを電気的に接続するための第1のジャンパ配線65と、第2の薄膜コイル半部51の最内周のコイル巻回体の端部を、外部回路に接続するための接点パッドに接続するための第2のジャンパ配線66とは、後に磁性材料膜と同じ磁性材料で形成する。すなわち、図17Aに示すように、一端が第1の薄膜コイル半部45の最内周のコイル巻回体の端部45aに形成されたコンタクト部45bと接触し、他端が第2の薄膜コイル半部51の最外周のコイル巻回体51aの端部に形成されたコンタクト部51cと接触する第1のジャンパ配線65と、一端が第2の薄膜コイル半部51の最内周のコイル巻回体51bの端部に形成されたコンタクト部51dと接触する第2のジャンパ配線66は磁性材料で形成する。これら第1および第2のジャンパ配線66および67は、後述するようにアルミナ絶縁膜55の上に形成されることになる。また、第1の薄膜コイル半部45の最外周のコイル巻回体の端部45cは、これと一体的に形成された第3の配線52によって第1の接点パッドまで導かれている。さらに、第2のジャンパ配線66の他端は、第1の薄膜コイル半部45と同時に形成された第4の配線53のコンタクト部53aとアルミナ絶縁膜55に形成される開口を経て接触しており、この第4の配線53は第2の接点パッド位置まで延在している。
次に、図18Aおよび18Bに示すように、薄膜コイル形成領域を除く部分にフォトレジスト54を所定のパターンにしたがって形成した後、アルミナ絶縁膜55を0.5〜1.0μmの膜厚に一様に形成する。その後、フォトレジスト54をリフトオフすることによって、アルミナ絶縁膜55に開口部を形成する。さらに、図19Aおよび19Bに示すように、表面全体に2.4Tの飽和磁束密度を有するFeCoより成る磁性材料膜56を0.8μmの膜厚に形成する。この磁性材料膜56は、FeNまたはCoFeNで形成することもできる。
さらに、図20Aおよび20Bに示すように、FeCoまたはFeNまたはCoFeNより成る磁性材料膜56の表面をCMPによって平坦として、アルミナ絶縁膜55を露出させる。この研磨処理によって、磁性材料膜41と連結された下部トラックポール57と、第1の橋絡部41aに連結された第2の橋絡部58と、第1の薄膜コイル半部45の最内周のコイル巻回体の端部45aに連結され、上述したコンタクト部45bを構成する導電膜59が、アルミナ絶縁膜55と同一平面となるように形成される。続いて、図21Aおよび21Bに示すように、この平坦な表面の上に、アルミナよりなるライトギャップ膜60を、0.1μmの膜厚に形成した後、バックギャップ部および第1の薄膜コイル半部45の最内周のコイル巻回体45aの端部のコンタクト部のライトギャップ膜60を選択的に除去し、FeCoより成る磁性材料膜61を0.2〜0.5μmの膜厚に形成し、さらにその上にFeNより成る磁性材料膜62を0.5〜0.8μmの膜厚に形成し、さらにFeAlNより成るマスク63を、フォトマスクを使用する電解メッキによって所定のパターンにしたがって1〜2μmの膜厚に形成する。上述した磁性材料膜62は、FeCoまたはCoFeNで形成することもできる。
上述したFeAlNより成るマスク63を用い、BCl2、Cl2などの塩素系ガス雰囲気あるいはCl2やBCl2にArやNなどの不活性ガスやO2を加えた混合ガス雰囲気中で、50〜300℃、特に200〜250℃の高温でRIEを施し、FeNより成る磁性材料膜62およびFeCoより成る磁性材料膜61を連続的にエッチング除去し、さらに50〜300℃、特に200〜250℃の高温において、ClあるいはBCl雰囲気中でRIEを行って、アルミナより成るライトギャップ膜60を除去するとともに下部トラックポールを構成する磁性材料膜57および41の一部分を除去してトリム構造を形成した様子を図22Aおよび22Bに示す。このように、RIEによってトリム構造を形成することによって、パターンエッジ近傍の下部トラックポールを正確にエッチングでき、しかも迅速に行うことができる。その理由は、イオンミリングのエッチングレートは、300Å/minであるのに対し、RIEのエッチングレートは、2000Å/minと大きいためである。さらに、このRIEによって、接点パッドに対するコンタクト部も形成されることになる。すなわち、第1の薄膜コイル半部45の最内周のコイル巻回体の端部45aに、導電膜59を介して接続された第1のジャンパ配線65が、磁性材料膜61および62で形成されていることが示されている。なお本例では、FeAlNより成るマスク63はエッチング後も残っているが、エッチングによって完全に消滅するような膜厚とすることもできる。
上述したように、磁性材料膜61,62,57、41およびアルミナより成るライトギャップ膜60のエッチングをRIEで行うが、これを50〜300℃の高温、特に250℃の高温で行うことによって、エッチングされた残渣がデポジットしないので好適である。また、エッチングガスとしては、BCl2、Cl2などの塩素系ガス雰囲気あるいはCl2やBCl2にArやNなどの不活性ガスやO2を加えた混合ガス雰囲気を採用することによって、90°に近いエッチングプロファイルが得られることを確かめた。特に、O2やN2はを加えた混合ガスを使用する場合には、垂直に近いエッチングができ、エッチングマスクに対してアンダーカットが生じるのを防ぐ効果がある。さらに、BCl2を含むエッチングガスはアルミナに対するエッチングレートが大きいので、アルミナより成るライトギャップ膜60をエッチングする場合には、BCl2を含むエッチングガスを用いるのが好適である。
最後に、図23Aおよび23Bに示すように、全体の上にアルミナより成り、膜厚が20〜30μmのオ−バーコート膜64を形成する。実際の製造工程においては、オーバーコート膜64を形成した後、ウエファを多数のバーに分割し、このバーの側面を研磨してエアーベアリング面を形成し、さらにバーを個々の薄膜磁気ヘッドに分割するが、図23Aおよび23Bでは、エアーベアリング面を構成する研磨面を破線A−Aで示す。
本発明においては、上部トラックポール63を、CMPによって平坦なパターンとして形成するので、従来のようにフォトリソグラフィで形成する場合のような不所望な反射によるパターンのくずれも起こらない。したがって、0.5μm以下、特に0,25〜0.15μm程度のクォータミクロンオーダーのきわめて狭いトラック幅を正確に、容易にかつ迅速に実現することができる。
図24Aおよび24B〜図41Aおよび41Bは、本発明による薄膜磁気ヘッドの第2の実施例の順次の製造工程を示すものである。本例において、前例と同様の部分には前例と同じ符号を付けて示す。読み取り用の磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドであるGMRヘッド素子の構成およびその製造方法は上述した第1の実施例とほぼ同じである。すなわち、図24A、24Bに示すように、AlTiCより成る基板31の上に、アルミナより成る絶縁膜32および読み出し用のGMRヘッド素子に対する磁気シールドを行うための下部シールド膜33を形成し、下部シールドギャップ膜をスパッタリングにより形成した後、GMR膜35およびこのGMR膜に対する引出し電極36を形成し、さらに上部シールドギャップ膜を形成し、その上に上部磁気シールド膜38を形成する。なお、図面を簡単とするために、下部および上部のシールドギャップ膜は単一の層34-37として示した。次に、再生用のGMRヘッド素子と記録用の誘導型薄膜磁気ヘッド素子を磁気的に分離するための分離膜39を形成した後、記録用ヘッド素子の下部ポールを構成する磁性材料膜40を0.5〜1.0μmの膜厚に形成する。この磁性材料膜40は、飽和磁束密度が1.9〜2.1TのCoNiFeのメッキ膜で形成するが、飽和磁束密度が2.3TのFeCoのメッキ膜で形成することもできる。
次に、磁性材料膜40の上に、第1の下部トラックポールを構成する磁性材料膜41を、フォトレジストマスクを用いて所定のパターンにしたがって形成する。本例では、この磁性材料膜41を3.0〜4.0μmの膜厚のCoNiFeのメッキ膜で形成するが、この磁性材料膜もFeCoのメッキ膜で形成することもできる。また、この磁性材料膜41の形成と同時に、バックギャップを構成する第1の橋絡部41aが形成される。さらに、表面全体にアルミナより成る絶縁膜43を0.1〜0.2μmの膜厚に形成する。本例でも、この絶縁膜43の上に、Cuより成るシード層を形成するが、図面を明瞭とするために、図24A、24Bでは示していない。
次に、このCuより成るシード層の上に、所定の形状のレジストマスクを形成した後、Cu-P膜より成る第1の薄膜コイル半部45を、最終的に形成すべき薄膜コイルの膜厚よりもやや厚い3.0〜3.5μmの膜厚に形成し、レジストマスクを除去した後、露出したシード層をイオンミリングによって除去した様子を図25A、25Bに示す。前例と同様に、後に配線に対するコンタクト部を構成する最内周のコイル巻回体の端部45aの幅は他のコイル巻回体の幅よりも広くする。また、薄膜コイルの、下部ポールおよび上部ポールによって囲まれる部分においては、最外周のコイル巻回体および最内周のコイル巻回体を後に形成する第2の薄膜コイル半部で構成し、さらにそれらの幅が他の部分の幅よりも広くなるように間隔を設定する。
次に、図26Aおよび26Bに示すように、表面全体に上述したアトミックレイヤー法によってアルミナ絶縁膜46を0.03〜0.015μmの膜厚に形成する。さらにその上にシード層として作用する500Åの膜厚のCuスパッタ膜47aと同じく500Åの膜厚のCu-CVD膜47bを順次に形成する。なお、図面を明瞭とするために、これらのスパッタ膜47a、47bを一層のシード膜47として示す。さらに、図27Aおよび27Bに示すように、薄膜コイル形成領域を除く部分に所定のパターンにしたがってフォトレジストマスク48を形成した後、Cuシード層47a、47bを用いる電解メッキによりCu-P膜49を、3〜5μmの膜厚に形成する。その後、図28Aおよび28Bに示すように、フォトレジストマスク48を除去し、Cuシード層47a、47bの露出した部分をCu-P膜49をマスクとしてウエットエッチングあるいはイオンミリングなどのドライエッチングによって選択的に除去する。ウエットエッチングを行う場合には、Cu膜のエッチングに一般に用いられている希硫酸、希塩酸,希硝酸などのエッチング液を用いることができる。このようなエッチング液を用いるウエットエッチングによれば、橋絡部41aや第1の薄膜コイル半部の最内周のコイル巻回体の端部45aのサイドウォールにCuシード層を残すことなく除去でき、薄膜コイルのコイル巻回体の短絡を防止することができる。
その後、図29Aおよび29Bに示すように、アルミナ絶縁膜50を全体を覆うように3〜5μmの膜厚にスパッタリングにより形成する。次に、アルミナ絶縁膜50の表面を、中性スラリまたはアルカリ系スラリを用いるCMPによって研磨し、図30Aおよび30Bに示すように、第1の薄膜コイル半部45、磁性材料膜41、橋絡部41a、アルミナ絶縁膜50を露出させて平坦な表面とする。このCMPによって、第1の薄膜コイル半部45の間にアルミナ-CVD絶縁膜46を介して第2の薄膜コイル半部51が自己整合的に形成される。
本例においても、薄膜コイルの最内周および最外周のコイル巻回体を第2の薄膜コイル半部51で構成し、その最外周のコイル巻回体51aおよび最内周のコイル巻回体51bの幅は、その他のコイル巻回体の幅よりも広くなっている。また、第2の薄膜コイル半部51の最内周のコイル巻回体51bの、コンタクト部を構成する端部の幅を広くしてある。また、バックギャップを構成する第1の橋絡部41aと、第1の薄膜コイル半部45の最内周のコイル巻回体の端部45aおよび図面には示されていないが第2の薄膜コイル半部51の最内周のコイル巻回体の端部との間は、幅の広いアルミナ絶縁膜50によって有効に絶縁分離されている。このことは後に第1および第2の薄膜コイル半部45および51を電気的に接続するジャンパをこれらのコイル巻回体の端部に接続するように形成するときに有利となる。
次に、図31Aおよび31Bに示すように、CMPによって平坦とした表面に、アルミナ絶縁膜111を0.2〜0.3μmの膜厚に形成した後、フォトリソグラフィの手法によって磁極部分、バックギャップ部分および薄膜コイルに対する配線を形成すべき部分に選択的に開口を形成し、第2の下部トラックポールを構成する磁性材料膜112を、CoFeのメッキにより1.5〜2.5μmの膜厚に形成する。この磁性材料膜112の形成と同時にバックギャップを構成する第1の橋絡部41aと接触する第2の橋絡部112aと、第1の薄膜コイル半部45の最内周のコイル巻回体の端部45aと接触する導電膜112bとが形成される。この磁性材料膜112を形成するに際しては、エアーベアリング面とは反対側の端面の位置が第1の下部トラックポールを構成する磁性材料膜41の端面よりもわずかにエアーベアリング面に接近するように形成する。
次に、図32Aおよび32Bに示すように、表面全体の上にアルミナ絶縁膜113をスパッタリングにより2〜3μmの膜厚に形成し、さらに図33Aおよび33Bに示すように、磁性材料膜112の膜厚が1.0〜1.5μmと成るようにCMPを施して第2の下部トラックポールを形成する。さらに、図34Aおよび34Bに示すように、表面全体にFeCoより成る磁性材料膜114を0.5〜1.0μmの膜厚にスパッタリングで形成した後、NiFeより成る磁性材料膜115をメッキにより所定のパターンにしたがって形成する。上述した磁性材料膜114はCoFeNのスパッタリングで形成することもでき、磁性材料膜115はFeCoまたはCoFeNのメッキで形成することもできる。この磁性材料膜115の形成と同時に、第3の橋絡部115aおよび第2の導電膜115bを形成する。本例では、この磁性材料膜115のエアーベアリング面とは反対側の端面がスロートハイト零の基準位置を規定するが、上述したように磁性材料膜115をメッキにより形成することにより、この端面の位置を正確に規定することができる。
さらに、磁性材料膜115、第3の橋絡部115aおよび第2の導電膜115bをマスクとして磁性材料膜114をエッチングして選択的に除去して図35Aおよび35Bに示すように、第3の下部トラックポール114、第2の橋絡部114a、第2の導電膜114bを同時に形成する。このエッチングはRIE或いはイオンビームエッチングなどのドライエッチングで行うことができる。さらに、表面全体にアルミナ絶縁膜116を2〜3μmの膜厚に形成した後、CMPを施してエッチングマスクとして使用した磁性材料膜115を除去し、磁性材料膜114、第3の橋絡部114aおよび第2の導電膜114bを露出させる。第3の下部トラックポール114のエアーベアリング面とは反対側の端面は、第2の下部トラックポールを構成する磁性材料膜112のエアーベアリング面とは反対側の端面よりもエアーベアリング面に接近することになる。このようにメッキにより形成した磁性材料膜115をマスクとするドライエッチングによって第3の下部トラックポール114を形成し、さらにその上にアルミナ絶縁膜116を形成した後、CMPによって平坦とすることにより、第3の下部トラックポール114のエアベアリング面とは反対側の端面で規定されるスロートハイト零の基準位置をきわめて正確に形成することができ、特に0.3〜0.5μm以下のきわめて短くスロートハイトを正確に形成することができる。さらに、第1の下部トラックポールを構成する磁性材料膜41、第2の下部トラックポールを構成する磁気抵抗膜112および第3の下部トラックポール114より成る下部トラックポールは階段状の断面形状を有するものとなる点に特徴がある。
次に、図37Aおよび37Bに示すように、CMPによって平坦とした表面にアルミナより成るライトギャップ膜60を0.06〜0.08μmの膜厚に形成した後、バックギャップ部および第1の薄膜コイル半部45の最内周のコイル巻回体45aの端部のコンタクト部のライトギャップ膜60を選択的に除去し、上部ポールを構成する磁性材料膜61をFeCoのスパッタリングによって1.0〜1.2μmの膜厚に形成し、さらにその上にアルミナより成る絶縁膜117を0.5〜1.0μmの膜厚に形成し、さらにその上にエッチングマスクとして作用する金属マスク118を、フォトマスクを使用する電解メッキによって所定のパターンにしたがって0.5〜0.8μmの膜厚に形成する。本例では、上述した上部ポールを構成する磁性材料膜116をFeCoのスパッタ膜で形成したが、CoFeNのスパッタ膜で形成することもできる。
次に、上述した金属マスク118を用い、BCl2とCl2の混合ガス雰囲気中でRIEを施してアルミナ絶縁膜117を選択的に除去した様子を図38Aおよび38Bに示す。このエッチングは、金属マスク118が完全に除去され、アルミナ絶縁膜117の表面が露出するまで行うことができる。次に、図39Aおよび39Bに示すように、アルミナ絶縁膜117をマスクとしてしてハロゲン系ガス、例えばCl2或いはBCl2にO2やCO2を加えた混合ガス雰囲気中で、200〜250℃の高温でRIEを施して磁性材料膜61を選択的に除去して上部ポール120を形成する。この上部ポール120のエアーベアリング面側の端部はライトギャップ膜60を介して第3の下部トラックポール114と対向する上部トラックポールを構成し、エアーベアリング面とは反対側の端面は第3の橋絡部114aと磁気的に連結されている。また、上部ポール120の形成と同時に、第2の導電膜114bと電気的に連結された第3の導電膜120aが形成される。
さらに、上部ポール120マスクとしてイオンビームエッチングを施し、露出しているライトギャップ膜60を除去し、さらにその下側の第3の下部トラックポール144の一部分を除去してトリム構造を形成した様子を図40Aおよび40Bに示す。さらに、このエッチングによって、接点パッドに対するコンタクト部も形成されることになる。このエッチングを行った後にもアルミナ絶縁膜118が薄く残っているが、エッチングによって完全に消滅しても問題はない。最後に、図41Aおよび41Bに示すように、全体の上にアルミナより成り、膜厚が20〜40μmのオ−バーコート膜64を形成する。
本例においては、下部トラックポールを構成する磁性材料膜41、112および114のエアーベアリング面とは反対側の端面を、上述したように順次にエアーベアリング面に近付くように形成するので、これら磁性材料膜114,112および41のエアーベアリング面からの長さはL1、L2およびL3と順次に長くなる。本例では、L1=0.80μm、L2=0.86μm、L4=1.2μmとする。この結果、下部トラックポールの断面積は、ライトギャップ膜60から離れるに伴って段々と大きくなる。このように構成することによって、書き込み時の電流によって発生する磁束の飽和が起こりにくくなることを確かめた。このような問題は、スロートハイトTHが0.5μmよりも大きな薄膜磁気ヘッドでは起こらなかったが、スロートハイトが0.5μm以下、特にクオーターミクロン以下に微細化された薄膜磁気ヘッドにおいては大きな問題となるが、本実施例ではこの問題を有効に解決することができる。
図42Aおよび42B〜図53Aおよび53Bは、本発明による薄膜磁気ヘッドの第3の実施例の順次の製造工程を示すものである。本例において、前例と同様の部分には前例と同じ符号を付けて示す。読み取り用の磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドであるGMRヘッド素子の構成およびその製造方法は上述した第1および第2の実施例とほぼ同じであり、図42A、42Bに示すように、AlTiCより成る基板31の上に、アルミナより成る絶縁膜32および読み出し用のGMRヘッド素子に対する磁気シールドを行うための下部シールド膜33を形成し、下部シールドギャップ膜をスパッタリングにより形成した後、GMR膜35およびこのGMR膜に対する引出し電極36を形成し、さらに上部シールドギャップ膜を形成し、その上に上部磁気シールド膜38を形成する。なお、図24Aおよび24Bと同様に、下部および上部のシールドギャップ膜は単一の層34-37として示してある。次に、再生用のGMRヘッド素子と記録用の誘導型薄膜磁気ヘッド素子を磁気的に分離するための分離膜39を形成した後、記録用ヘッド素子の下部ポールを構成する磁性材料膜40を、FeCoのメッキ膜により0.5〜1.0μmの膜厚に形成する。この磁性材料膜40はCoNiFeのメッキ膜で形成することもできる。
次に、磁性材料膜40の上に、第1の下部トラックポールを構成する磁性材料膜41を、フォトレジストマスクを用いて所定のパターンにしたがって形成する。本例では、この磁性材料膜41をFeCoのメッキ膜により3.0〜4.0μmの膜厚に形成するが、CoNiFeのメッキ膜で形成することもできる。また、この磁性材料膜41の形成と同時に、バックギャップを構成する第1の橋絡部41aが形成される。さらに、表面全体にアルミナより成る絶縁膜43を、スパッタリングまたはCVDによって0.1〜0.2μmの膜厚に形成する。
次に、このアルミナ絶縁膜43の上に形成したCuより成るシード層と、所定のパターンを有するレジストマスクとを用いてCuのメッキを施し、Cu-P膜より成る第1の薄膜コイル半部45を、最終的に形成すべき薄膜コイルの膜厚よりもやや厚い3.0〜3.5μmの膜厚に形成し、レジストマスクを除去し、さらに露出したシード層をイオンミリングによって除去した様子を図43A、43Bに示す。ただし、これらの図面では、Cuシード層は省略してある。
本例においても、後に配線に対するコンタクト部を構成する最内周のコイル巻回体の端部45aの幅は他のコイル巻回体の幅よりも広くする。また、薄膜コイルの、下部ポールおよび上部ポールによって囲まれる部分においては、最外周のコイル巻回体および最内周のコイル巻回体を後に形成する第2の薄膜コイル半部で構成し、さらにそれらの幅が他の部分の幅よりも広くなるように第1の薄膜コイル半部45のコイル巻回体間の間隔を設定してある。
次に、図44Aおよび44Bに示すように、表面全体に上述したアトミックレイヤー法によってアルミナ絶縁膜46を0.03〜0.015μmの膜厚に形成した後、第2の薄膜コイル半部を形成すべき領域をフォトレジスト151で覆い、さらに表面全体に3.0〜5.0μmのアルミナ絶縁膜152を形成する。さらに、図45Aおよび45Bに示すように、CMPを施して表面を平坦とし、フォトレジスト151を露出させた後、このフォトレジストをウエットエッチングによって除去した様子を図46Aおよび46Bに示す。
次に、図47Aおよび47Bに示すように、表面全体に500Åの膜厚のCuスパッタ膜と、同じく500Åの膜厚のCu-CVD膜を順次に形成してシード層47を形成する。さらに、このCuシード層47を用いる電解メッキによりCu-P膜49を、3〜5μmの膜厚に形成する。その後、CMPを施すことによって、第1の薄膜コイル半部45、第1の下部トラックポールを構成する磁性材料膜41、バックギャップ部を構成する橋絡部41a、アルミナ絶縁膜152を露出させるとともに第1の薄膜コイル半部45の間にアルミナ-CVD絶縁膜46を介して第2の薄膜コイル半部51が自己整合的に形成された様子を図48Aおよび48Bに示す。
本例においても、薄膜コイルの最内周および最外周のコイル巻回体を第2の薄膜コイル半部51で構成し、その最外周のコイル巻回体51aおよび最内周のコイル巻回体51bの幅は、その他のコイル巻回体の幅よりも広くなっている。また、第2の薄膜コイル半部51の最内周のコイル巻回体51bの、コンタクト部を構成する端部の幅を広くしてある。また、バックギャップ部を構成する第1の橋絡部41aと、第1の薄膜コイル半部45の最内周のコイル巻回体の端部45aおよび第2の薄膜コイル半部51の最内周のコイル巻回体の端部との間は、幅の広いアルミナ絶縁膜152によって有効に絶縁分離されている点は前例と同じである。
次に、図49Aおよび49Bに示すように、CMPによって平坦とした表面に、アルミナ絶縁膜111を0.2〜0.3μmの膜厚に形成した後、フォトリソグラフィの手法によって磁極部分、バックギャップ部分および薄膜コイルに対する配線を形成すべき部分に選択的に開口を形成し、第2の下部トラックポールを構成する磁性材料膜114を0.5〜1.0μmの膜厚にCoFeNのスパッタリングで形成する。
次に、図50Aおよび50Bに示すように、磁性材料膜114の上に、CoNiFeより成る磁性材料膜115をメッキにより1.0〜2.0μmの膜厚に所定のパターンにしたがって形成する。この磁性材料膜115は、第2の下部トラックポール、第2の橋絡部および薄膜コイルの配線を施すべき部分に対応したパターンを有している。この磁性材料膜115をマスクとするRIE或いはイオンビームエッチングなどのドライエッチングを施して磁性材料膜114を選択的に除去して図51Aおよび51Bに示すように、第1のトラックポール41と連結された第2の下部トラックポール114、第1の橋絡部41aと連結された第2の橋絡部114a、第1の導電膜114bを同時に形成する。
さらに、図52Aおよび52Bに示すように、表面全体にアルミナ絶縁膜116を2〜3μmの膜厚に形成した後、CMPを施してエッチングマスクとして使用した磁性材料膜115を除去し、磁性材料膜114、第3の橋絡部114aおよび第2の導電膜114bを平坦な表面に露出させる。次に、CMPによって平坦とした表面にアルミナより成るライトギャップ膜60を0.06〜0.08μmの膜厚に形成した後、バックギャップ部および第1の薄膜コイル半部45の最内周のコイル巻回体45aの端部のコンタクト部に開口を形成する。
次ぎに、図53Aおよび53Bに示すように、ライトギャップ膜60の上に、上部ポールを構成する磁性材料膜としてCoFeNのスパッタリング膜を1.0〜1.2μmの膜厚に形成し、さらにその上にアルミナより成る絶縁膜117を0.5〜1.0μmの膜厚に形成する。このアルミナ絶縁膜117をマスクとして用い、ハロゲン系ガス、例えばCl2或いはBCl2にO2やCO2を加えた混合ガス雰囲気中で、200〜250℃の高温でRIEを施してその下側の磁性材料膜を選択的に除去して上部ポール120を形成する。上述した上部ポール120のエアーベアリング面側の端部はライトギャップ膜60を介して第2の下部トラックポール114と対向する上部トラックポールを構成し、エアーベアリング面とは反対側の端面は第2の橋絡部114aと磁気的に連結されている。また、上部ポール120の形成と同時に、第2の導電膜114bと電気的に連結された第3の導電膜120aが形成される。
さらに、上部ポール120をマスクとしてイオンビームエッチングを施し、露出しているライトギャップ膜60を除去し、さらにその下側の第2の下部トラックポール114の一部分を除去してトリム構造を形成し、最後に、全体の上にアルミナより成り、膜厚が20〜40μmのオ−バーコート膜64を形成する。
図54Aおよび54Bは、本発明による薄膜磁気ヘッドの第4の実施例の構成を示す断面図である。本例において、第1の実施例と同様の部分には同じ符号を付けて示す。本例においては、CoNiFeより成る帯状の磁性材料膜41および橋絡部41aと、薄膜コイル45,51を同一平面となるように形成し、さらにアルミナ絶縁膜55を0.4〜0.8μmの膜厚に形成した後、磁性材料膜41を覆うと共に絶縁膜55との段差を越えて絶縁膜の上を延在するように非磁性材料より成るライトギャップ膜60を形成する。
次に、FeCoより成る磁性材料膜をスパッタリングにより0.6〜1.2μmの膜厚に形成した後、CMPによって平坦に研磨してライトギャップ膜60を露出させる。このCMPによって磁性材料膜は、上部トラックポール121を構成すると共に、橋絡部41aと接触する橋絡部121aおよび第1の薄膜コイル半部45の最内周のコイル巻回体の端部45aと接触してコンタクト部45bを構成する導電膜121bを構成する。さらに、このように平坦としたFeCoより成る磁性材料膜およびライトギャップ膜60の表面にCoNiFeより成る磁性材料膜122を2〜3μmの膜厚にメッキにより形成し、上部トラックポール121および橋絡部121aと接触する上部ポールを構成する。その他の構成は、第1の実施例と同様である。
図55Aおよび55Bは、本発明による薄膜磁気ヘッドの第5の実施例の構成を示す断面図である。本例は、図54Aおよび54Bに示した第4の実施例の変形例である。すなわち、下部トラックポールを構成する磁性材料膜を、メッキにより形成されたCoNiFeより成る第1の磁性材料膜131と、スパッタリングによって形成されたFeCoより成る第2の磁性材料膜132との積層膜で形成した点が第4の実施例と相違している。本例では、第1の磁性材料膜131の膜厚を2.0μmとし、第2の磁性材料膜132の膜厚を0.5μmとするが、第2の磁性材料膜の膜厚を第1の磁性材料膜の膜厚よりも薄くするという条件の下で任意とすることができる。さらに、これら第1および第2の磁性材料膜131および132の磁性材料は、第2の磁性材料膜の飽和磁束密度が第1の磁性材料膜の飽和磁束密度よりも高いという条件の下で任意に選択することができる。
本発明は上述した実施例にのみ限定されるものではなく、幾多の変更や変形が可能である。例えば、上述した第1〜第5の実施例では、磁気抵抗型薄膜磁気ヘッド素子と誘導型薄膜磁気ヘッド素子とを積層した複合型薄膜磁気ヘッドとして形成したが、誘導型薄膜磁気ヘッドとして構成することもできる。また、上述した実施例では、第1の薄膜コイル半部を電解メッキで形成し、第2の薄膜コイル半部をCu-CVDで形成したが、第2の薄膜コイル半部も電気メッキで形成することもできる。しかし、Cu-CVDは電解メッキに比べてステップカバレージが良いので、第2の薄膜コイル半部はCu-CVDで形成するのが好適である。さらに、上述した実施例では、第2の薄膜コイル半部を形成するに当たり、Cu-CVD膜を厚く堆積した後、CMPによって余分なCu-CVDを除去したが、ドライエッチングやイオンビームエッチングで除去したり、CMPで粗く除去した後、イオンビームエッチングやスパッタエッチングのようなドライエッチングで微調整しながら除去することもできる。また、上述した実施例では、第1の薄膜コイル半部の最内周のコイル巻回体と、第2の薄膜コイル半部の最外周のコイル巻回体との間をジャンパ配線を介して電気的に接続したが、第2の薄膜コイル半部の最内周のコイル巻回体と、第1の薄膜コイル半部の最外周のコイル巻回体との間をジャンパ配線を介して電気的に接続することもできる。
さらに、上述した第2の実施例において、下部トラックポールを3層の磁性材料膜41,112および114で形成したが、4層以上の磁性材料膜で形成することもできる。勿論、その場合にも、エアーベアリング面から測った磁性材料膜の長さは、ライトギャップ膜60から遠去かるほど長くなるようにして、磁束の飽和が起こらないようにする。さらに、上述した第3の実施例で説明した薄膜コイルの形成方法は、他の実施例の薄膜コイルの形成にも適用できることは勿論である。
本発明の第1の特徴による薄膜磁気ヘッドにおいては、薄膜コイルを、下部トラックポールの一部を構成する磁性材料膜41と同一平坦面となるように形成し、この平坦な表面に、絶縁膜55および下部トラックポールの残部を構成する磁性材料膜57を、それらの境界面がスロートハイト零の基準位置を規定するように形成し、第2の特徴による薄膜磁気ヘッドにおいては、薄膜コイルを、下部トラックポールの一部を構成する磁性材料膜41と同一平坦面となるように形成し、この平坦な表面に、絶縁膜113および下部トラックポールの一部を構成する磁性材料膜112を、それらの境界面がスロートハイト零の基準位置と、薄膜コイルと磁性材料膜41との境界面との間に位置し、同一の平坦面を構成するように形成し、この平坦面の上に、絶縁膜116および下部トラックポールの残部を構成する磁性材料膜114を、それらの境界面がスロートハイト零の基準位置を規定するように形成したので、スロートハイト零の基準位置を正確に規定することができ、しかもこの基準位置は製造工程に変動することはない。
さらに、平坦に形成された1層、2層または3層の磁性材料膜によって構成される下部トラックポールと、平坦に形成された1層、2層または3層の磁性材料膜によって構成される上部トラックポールとが整列して形成されているので、幅が0.1〜0.2μmの狭トラックポールを正確に得ることができ、上述したようにスロートハイト零の基準位置は、薄膜コイルの上または上方に平坦に形成された絶縁膜のエアーベアリング面側の端縁によって正確に規定され、この位置は製造工程中に変動することがないので、サブミクロンオーダーのきわめて短いスロートハイトを正確に規定することができる。このようにしてトラック幅が狭く、スロートハイトが短い微細化された磁極部分を得ることができ、面記録密度を大幅に向上することができる。また、薄膜コイルをエアーベアリング面側に一層近付けることができ、薄膜磁気ヘッドの効率を改善することができる。
特に、本発明による第2の特徴による薄膜磁気ヘッドにおいては、下部トラックポールを構成する複数の磁性材料膜の、エアーベアリング面からの長さを、ライトギャップ膜から遠去かるにしたがって徐々に長くなるようにしたので、書き込み時に薄膜コイルを流れる電流によって発生される磁束の飽和が起こりにくくなり、スロートハイトが0.5μm以下、特にクオーターミクロン以下に微細化された薄膜磁気ヘッドを実現する上で特に有利である。
さらに、下部トラックポールおよび上部トラックポールを磁性材料膜の積層体で構成する場合、ライトギャップ膜を介して互いに対向する磁性材料膜を、他の磁性材料膜よりも飽和磁束密度が高い磁性材料で形成することによって、薄膜コイルで発生される磁束が飽和することなく、微細構造として形成されたトラックポールを有効に流れるので、磁束のロスが少なく、高い記録密度を有する記録媒体が必要とする大きな磁束を有効に発生することができる能率の高い誘導型薄膜磁気ヘッドが得られる。
飽和磁束密度が高いCoNiFeのメッキ膜だけで0.2μm以下の狭い幅を有するトラックポールを形成しようとすると、3元素の組成の制御が難しく、量産ではオーバーライト不良等の多くの問題点があった。しかし、下部トラックポールおよび上部トラックポールを磁性材料膜の積層体で構成した本発明の実施例においては、上側の磁性材料膜の組成や膜厚が多少変動しても、その下側の磁性材料膜を正確に形成できるので何ら問題はない。このようにして本発明では、0.2〜0.1μm程度の狭い幅を有するトラックチップ部でありながら、磁束の飽和や洩れのない優れた特性を有する誘導型薄膜磁気ヘッドが得られる。
上述した実施例のように、薄膜コイルを第1および第2の薄膜コイル半部を自己整合的に形成する場合には、薄膜コイル半部を構成するコイル巻回体間の間隔を従来に比べて著しく短くすることができる。その結果として、磁路長を短くすることができ、磁束立ち上がり特性やNLTS特性や重ね書き特性などを改善することができる。すなわち、薄膜コイル半部のコイル巻回体間には膜厚が0.03〜0.25μmときわめて薄い絶縁層をアルミナや、酸化シリコンや窒化シリコンなどの微細加工が可能な無機絶縁材料で形成することができるので、コイル巻回体の間隔を、0.03〜0.25μm ときわめて狭くすることができる。この場合、第2の薄膜コイル半部はステップカバレージの良好なCVDで形成するのが特に好適である。このようにして、一層の薄膜コイルで十分大きな磁束を発生させることができるので、アペックスアングルを小さくすることができ、トラック巾の狭くすることができる。さらに、第1の薄膜コイル半部を形成する際の順次のコイル巻回体間の間隔は大きく取れるので、シード層を除去するためのエッチングを良好に行なうことができ、再付着の恐れもなくなる。
さらに、第1および第2の薄膜コイル半部を電気的に接続するためのジャンパ配線を、上部ポールの磁性材料で、上部ポールを形成するのと同時に形成した実施例では、配線形成プロセスが簡単となり、スループットを向上することができる。
図1Aおよび1Bは、従来の複合型薄膜磁気ヘッドを製造する最初の工程を示す断面図である。 図2Aおよび2Bは、図1の工程の次の工程を示す断面図である。 図3Aおよび3Bは、図2の工程の次の工程を示す断面図である。 図4Aおよび4Bは、図3の工程の次の工程を示す断面図である。 図5Aおよび5Bは、図4の工程の次の工程を示す断面図である。 図6Aおよび6Bは、図5の工程の次の工程を示す断面図である。 図7Aおよび7Bは、図6の工程の次の工程を示す断面図である。 図8Aおよび8Bは、図7の工程の次の工程を示す断面図である。 図9は、従来の複合型薄膜磁気ヘッドの構成の断面および平面を示す図である。 図10Aおよび10Bは、本発明による複合型薄膜磁気ヘッドの第1の実施例を製造する最初の工程を示す断面図である。 図11Aよび11Bは、図10に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図12Aよび12Bは、図11に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図13Aよび13Bは、図12に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図14Aよび14Bは、図13に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図15Aよび15Bは、図14に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図16Aよび16Bは、図15に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図17Aおよび17Bは、第1および第2の薄膜コイル半部と、これらを接続する第1および第2のジャンパ配線の配置を示す平面図および断面図出である。 図18Aよび18Bは、図16に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図19Aよび19Bは、図18に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図20Aおよび20Bは、図19に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図21Aよび21Bは、図20に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図22Aよび22Bは、図21に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図23Aよび23Bは、図22に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図24Aおよび24Bは、本発明による薄膜磁気ヘッドの第2の実施例の最初の製造工程を示す断面図である。 図25Aおよび25Bは図24に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図26Aおよび26Bは、図25に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図27Aおよび27Bは、図26に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図28Aおよび28Bは、図27に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図29Aおよび29Bは、図28に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図30Aおよび30Bは、図29に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図31Aおよび31Bは、図30に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図32Aおよび32Bは、図31に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図33Aおよび33Bは、図32に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図34Aおよび34Bは、図33に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図35Aおよび35Bは、図34に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図36Aおよび36Bは、図35に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図37Aおよび37Bは、図36に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図38Aおよび38Bは、図37に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図39Aおよび39Bは、図38に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図40Aおよび40Bは、図39に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図41Aおよび41Bは、図40に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図42Aおよび42Bは、本発明による薄膜磁気ヘッドの第3の実施例の最初の製造工程を示す断面図である。 図43Aおよび43Bは、図42に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図44Aおよび44Bは、図43に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図45Aおよび45Bは、図44に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図46Aおよび46Bは、図45に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図47Aおよび47Bは、図46に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図48Aおよび48Bは、図47に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図49Aおよび49Bは、図48に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図50Aおよび50Bは、図49に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図51Aおよび51Bは、図50に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図52Aおよび52Bは、図51に示した工程の次の工程を示す断面図である。 図53Aおよび53Bは、図52に示す工程の次の工程を示す断面図である。 図54Aおよび54Bは、本発明による薄膜磁気ヘッドの第4の実施例の構成を示す断面図である。 図55Aおよび55Bは、本発明による薄膜磁気ヘッドの第5の実施例の構成を示す断面図である。
符号の説明
31 基板、 40 下部ポールを構成する磁性材料膜、 41、57 下部トラックポールを構成する磁性材料膜、 43、46 層間絶縁膜、 45 第1の薄膜コイル半部、 51 第2の薄膜コイル半部、 55 絶縁膜、 60 ライトギャップ膜、 61、62 上部ポールおよび上部トラックポールを構成する磁性材料膜、 63 マスク、 112、114 下部トラックポールを構成する磁性材料膜、 113 絶縁膜、 120 上部トラックポールを構成する磁性材料膜、 117 マスク、 120a、122 上部トラックポールを構成する磁性材料膜、 132 下部トラックポールを構成する磁性材料膜

Claims (29)

  1. 基板と、
    この基板上に、エアーベアリング面から内方に延在し、平坦な表面を有するように形成された磁性材料より成り、下部ポールを構成する第1の磁性材料膜と、
    この第1の磁性材料膜の、前記基板とは反対側の平坦な表面上に、前記エアーベアリング面からスロートハイト零の基準位置を越えて内方に延在するように形成され、下部トラックポールの一部分を構成する第2の磁性材料膜と、
    前記第1の磁性材料膜の一方の平坦な表面に、これから絶縁分離されると共に相互に絶縁分離された複数のコイル巻回体を有し、前記第1の磁性材料膜とは反対側の表面が前記第2の磁性材料膜の表面と同一平坦面となるように形成された薄膜コイルと、
    この薄膜コイルおよび前記第2の磁性材料膜の平坦な表面の上に、薄膜コイルを覆うと共に第2の磁性材料膜の一部分を覆い、スロートハイト零の基準位置よりも内側まで延在する第1の絶縁膜と、
    前記第2の磁性材料膜の、前記第1の絶縁膜で覆われていない残余の部分を覆って下部トラックポールの一部分を構成し、前記第2の磁性材料膜とは反対側の表面が前記第1の絶縁膜の薄膜コイルとは反対側の表面と同一平坦面となるように形成された第3の磁性材料膜と、
    前記第1の絶縁膜および第3の磁性材料膜の平坦な表面に、第1の絶縁膜を覆うと共に前記第3の磁性材料膜の一部分を覆ってスロートハイト零の基準位置まで延在するように形成された第2の絶縁膜と、
    前記第3の磁性材料膜の、前記第2の絶縁膜で覆われていない残余の部分を覆い、下部トラックポールの一部分を構成し、前記第3の磁性材料膜とは反対側の表面が前記第2の絶縁膜の表面と同一平坦面となるように形成された第4の磁性材料膜と、
    前記第2の絶縁膜および第4の磁性材料膜の平坦な表面に平坦に形成された非磁性材料より成るライトギャップ膜と、
    このライトギャップ膜の、前記第4の磁性材料膜および第2の絶縁膜と接触する表面とは反対側の平坦な表面に形成され、前記第2、第3および第4の磁性材料膜で構成された下部トラックポールと整列された上部トラックポールを有する上部ポールを構成するように形成された第5の磁性材料膜と、
    を具え、スロートハイトを0.5μm以下とし、前記下部トラックポールを構成する第2〜第4の磁性材料膜の前記エアーベアリング面からの長さを、前記ライトギャップ膜から遠去かるに従って長くなるようにした薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記下部トラックポールを構成する磁性材料膜および上部トラックポールを構成する磁性材料膜の少なくとも一方を、FeN、FeCo、CoNiFe、FeAlN、FeZrN、NiFeおよびCoFeNより成る群から選択した磁性材料で形成した請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記下部トラックポールを構成する磁性材料膜および上部トラックポールを構成する磁性材料膜の少なくとも一方を、CoNiFe、NiFeまたはFeCoのメッキ膜で形成した請求項2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記下部トラックポールを構成する磁性材料膜および上部トラックポールを構成する磁性材料膜の少なくとも一方を、FeN、FeCo、CoNiFe、FeAlN、FeZrNまたはCoFeNのスパッタ膜で形成した請求項2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記薄膜コイルが、
    所定の間隔を置いて形成されたコイル巻回体を有する第1の薄膜コイル半部と、
    この第1の薄膜コイル半部の順次のコイル巻回体の間に、第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体と自己整合的に形成されたコイル巻回体を有する第2の薄膜コイル半部と、
    これら第1および第2の薄膜コイル半部の順次のコイル巻回体間のスペースを埋めるように形成された層間絶縁膜と、
    前記第1および第2の薄膜コイル半部のいずれか一方の最内周のコイル巻回体の端部と、他方の薄膜コイル半部の最外周のコイル巻回体の端部との間を電気的に接続する第1のジャンパ配線と、
    前記絶縁膜に形成された開口を経て他方の薄膜コイル半部の最内周のコイル巻回体の端部に一端が接続された第2のジャンパ配線と、
    を具える請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記第1の薄膜コイル半部が銅の電解メッキで形成したコイル巻回体を有し、前記第2の薄膜コイル半部がCu-CVDで形成したコイル巻回体を有する請求項5に記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 前記第1の薄膜コイル半部が銅の電解メッキで形成されたコイル巻回体を有し、前記第2の薄膜コイル半部がCu-CVDおよび銅のスパッタリングの少なくとも一方で形成されたシード層を用いる銅の電解メッキで形成されたコイル巻回体を有する請求項5に記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記薄膜コイルの最外周のコイル巻回体および最内周のコイル巻回体を第2の薄膜コイル半部のコイル巻回体で構成し、これらコイル巻回体の幅を残余のコイル巻回体の幅よりも広くした請求項5記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 前記第1および第2のジャンパ配線を、前記上部トラックポールを構成する磁性材料膜と同じ材料で形成した請求項5に記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 前記第1および第2の薄膜コイル半部の隣接するコイル巻回体間に配設された前記層間絶縁膜の膜厚を0.03〜0.15μmとした請求項5に記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 前記第1および第2の薄膜コイル半部の隣接するコイル巻回体間に配設された前記層間絶縁膜を、アルミナ、酸化シリコンおよび窒化シリコンより成る群から選択した無機絶縁材料で形成した請求項10に記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 前記第1および第2の薄膜コイル半部の隣接するコイル巻回体間に配設された前記層間絶縁膜をアルミナ-CVDで形成した請求項11に記載の薄膜磁気ヘッド。
  13. 前記第1および第2の薄膜コイル半部の最内周のコイル巻回体の端部と、バックギャップ部との間に、前記層間絶縁膜よりも厚い絶縁膜を配設した請求項5に記載の薄膜磁気ヘッド。
  14. 前記上部トラックポールの少なくとも一部を構成する磁性材料膜を2層以上の磁性材料膜で形成した請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  15. 下部ポールを構成する第1の磁性材料膜を、基板によって支持されるように平坦に形成する工程と、
    この第1の磁性材料膜の平坦な表面に、下部トラックポールの一部分を構成する第2の磁性材料膜と薄膜コイルを、同一の平坦面となるように形成する工程と、
    前記第2の磁性材料膜および薄膜コイルの平坦な表面に、前記第2の磁性材料膜の平坦な表面の一部分を覆ってスロートハイト零の基準位置よりも内方に延在し、下部トラックポールの一部分を構成する第3の磁性材料膜を形成する工程と、
    表面全体に、この第3の磁性材料膜よりも膜厚の厚い絶縁膜を形成する工程と、
    この絶縁膜を研磨して、前記第2の磁性材料膜の平坦な表面の、前記第3の磁性材料膜で覆われていない部分を覆うと共に前記薄膜コイルを覆う第1の絶縁膜を、第3の磁性材料膜の表面と同一平坦面となるように形成する工程と、
    前記第3の磁性材料膜および第1の絶縁膜の平坦な表面に、前記第3の磁性材料膜の平坦な表面の一部分を覆ってスロートハイト零の基準位置まで延在し、下部トラックポールの一部分を構成する第4の磁性材料膜を形成する工程と、
    表面全体に、この第4の磁性材料膜よりも膜厚の厚い絶縁膜を形成する工程と、
    この絶縁膜を研磨して、前記第3の磁性材料膜の平坦な表面の、前記第4の磁性材料膜で覆われていない部分を覆うと共に前記第1の絶縁膜を覆う第2の絶縁膜を、第4の磁性材料膜の表面と同一平坦面となるように形成する工程と、
    前記第4の磁性材料膜および第2の絶縁膜の平坦な表面に、ライトギャップ膜を構成する非磁性材料より成る非磁性材料膜を平坦に形成する工程と、
    この非磁性材料膜の表面に、上部トラックポールおよび上部ポールを構成する平坦な第5の磁性材料膜を形成する工程と、
    前記第5の磁性材料膜、非磁性材料膜および第4の磁性材料膜を選択的にエッチングして、互いに整列された上部トラックポール、ライトギャップ膜および下部トラックポールを形成するエッチング工程と、
    を具え、スロートハイトを0.5μm以下とし、前記下部トラックポールを構成する第2〜第4の磁性材料膜の前記エアーベアリング面からの長さを、前記ライトギャップ膜から遠去かるに従って長くなるようにする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  16. 前記第3の磁性材料膜および第1の絶縁膜の平坦な表面に前記第4の磁性材料膜を形成する工程が、
    前記第3の磁性材料膜および第1の絶縁膜の平坦な表面全体を覆うように磁性材料膜を形成する工程と、
    この磁性材料膜の上に、エアベアリング面からスロートハイト零の基準位置まで延在する磁性材料より成るメッキ膜を形成する工程と、
    このメッキ膜をマスクとして前記磁性材料膜をドライエッチングして、前記第3の磁性材料膜一部分の表面を覆ってスロートハイト零の基準位置まで延在し、下部トラックポールの一部分を構成する第4の磁性材料膜を形成する工程と、
    を含む請求項15に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  17. 前記エッチング工程をリアクティブ・イオン・エッチングで行い、前記第4の磁性材料膜をエッチングして下部トラックポールを形成した後もリアクティブ・イオン・エッチングを続けてトリム構造を形成する請求項15に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 前記上部トラックポールおよび上部ポールを構成する磁性材料膜を、FeN、FeCo、CoNiFe、FeAlN、FeZrNまたはCoFeNで形成し、前記下部トラックポールを構成する磁性材料膜を、FeN、FeCo、CoNiFe、FeAlN、FeZrN、NiFeまたはCoFeNで形成し、下部トラックポールおよび上部トラックポールを形成するためのリアクティブイオンエッチングを、Cl2にBCl2などのホウ素系ガスを混合した混合ガスにO2,Ar, N2の少なくとも一つのガスを混合した混合ガス雰囲気中で、50〜300℃のエッチング温度で行う請求項17に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  19. 前記リアクティブ・イオン・エッチングを200〜300℃のエッチング温度で行う請求項18に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  20. 前記薄膜コイルを形成する方法が、
    前記第1および第2の磁性材料膜の表面を覆うように第1の層間絶縁膜を形成する工程と、
    この第1の層間絶縁膜の上に第1の薄膜コイル半部の複数のコイル巻回体を形成する工程と、
    前記第1の層間絶縁膜の露出した表面および第1の薄膜コイル半部を含む表面全体を覆うように第2の層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体間に画成された凹部を含む表面に第1の導電膜をCVDおよび/またはスパッタリングで形成する工程と、
    この第1の導電膜を電極として用い、第2の薄膜コイル半部を形成すべき部分以外にマスクを形成した電解メッキによって第2の導電膜を選択的に形成する工程と、
    このマスクを除去した後、前記第2の導電膜をマスクとするエッチングにより前記第1の導電膜を選択的に除去する工程と、
    表面全体に、前記第2の磁性材料膜の膜厚と、前記第1および第2の層間絶縁膜の膜厚の和よりも厚い絶縁膜を形成する工程と、
    この絶縁膜、第1および第2の導電膜および第2の層間絶縁膜を、前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体の表面が露出するまで研磨して、前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体の間に画成された凹部内に前記第2の層間絶縁膜を介して配置されたコイル巻回体を有する第2の薄膜コイル半部を、前記第2の磁性材料膜の表面と同一平坦面となるように形成する研磨工程と、
    を具える請求項15〜19の何れかに記載の薄膜ヘッドの製造方法。
  21. 前記第1の薄膜コイル半部を、その最内周のコイル巻回体の端部とバックギャップとの間に凹部が形成されるように形成し、前記絶縁膜をこの凹部をも埋めるように形成し、前記研磨工程によって、この凹部を埋める絶縁膜の表面が、前記薄膜コイルおよび第2の磁性材料膜の表面と同一の平坦となる請求項20に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  22. 前記薄膜コイルの最外周および最内周のコイル巻回体を第2の薄膜コイル半部を以って形成し、これらのコイル巻回体の幅を残余のコイル巻回体の幅よりも広く形成する請求項20に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  23. 前記第1および第2の薄膜コイル半部のいずれか一方の最内周のコイル巻回体の端部と、他方の薄膜コイル半部の最外周のコイル巻回体の端部との間を電気的に接続する第1のジャンパ配線と、前記絶縁膜に形成された開口を経て他方の薄膜コイル半部の最内周のコイル巻回体の端部に一端が接続された第2のジャンパ配線とを、前記下部トラックポールおよび上部トラックポールの少なくとも一部を構成する磁性材料膜と同じ材料で同時に形成する請求項20に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  24. 前記第1の層間絶縁膜の露出した表面および第1の薄膜コイル半部を含む表面全体を覆う第2の層間絶縁膜をアルミナで形成する工程が、1〜2Torrの減圧状態に保ったCVDチャンバにウエファを収容し、100〜300℃の温度で、Al(CH3)3またはAlCl3と、H2O,
    N2,N2OあるいはH2O2とを交互に断続的に噴射し、ケミカル反応によって堆積形成するアトミックレイヤー法を含む請求項20に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  25. 前記マスクを除去した後、前記第2の導電膜をマスクとするエッチングにより前記第1の導電膜を選択的に除去する工程を、希硫酸、希塩酸,希硝酸より成るエッチング液を用いるウエットエッチングで行う請求項20に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  26. 前記薄膜コイルを形成する方法が、
    前記第1および第2の磁性材料膜の表面を覆うように第1の層間絶縁膜を形成する工程と、
    この第1の層間絶縁膜の上に第1の薄膜コイル半部の複数のコイル巻回体を形成する工程と、
    この第1の薄膜コイル半部を含む表面全体を覆うように第2の層間絶縁膜を形成する工程と、
    第2の薄膜コイル半部を形成すべき領域に、マスクを選択的に形成した後、表面全体に、前記第2の磁性材料膜の膜厚と、前記第1および第2の層間絶縁膜の膜厚の和よりも厚い絶縁膜を形成する工程と、
    この絶縁膜をCMPによって研磨して、マスクを露出させる工程と、
    この露出したマスクをエッチングより除去し、前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体間に凹部を画成して前記第2の層間絶縁膜を露出させる工程と、
    前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体間に画成された凹部を含む表面全体に第1の導電膜をCVDおよび/またはスパッタリングで形成する工程と、
    この第1の導電膜を電極として用いる電解メッキによって前記凹部を埋めるように第2の導電膜を形成する工程と、
    この第2の導電膜を、前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体の表面が露出するまで研磨して、前記第1の薄膜コイル半部のコイル巻回体の間に画成された凹部内に前記第2の層間絶縁膜を介して配置されたコイル巻回体を有する第2の薄膜コイル半部を、前記第2の磁性材料膜と同一平坦面となるように形成する研磨工程と、
    を具える請求項15〜19の何れかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  27. 前記第1の薄膜コイル半部を、その最内周のコイル巻回体の端部とバックギャップとの間に凹部が形成されるように形成し、前記絶縁膜をこの凹部をも埋めるように形成し、前記研磨工程によって、この凹部を埋める絶縁膜の表面が、前記薄膜コイルおよび第2の磁性材料膜の表面と同一の平坦とする請求項26に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  28. 前記薄膜コイルの最外周および最内周のコイル巻回体を第2の薄膜コイル半部を以って形成し、これらのコイル巻回体の幅を残余のコイル巻回体の幅よりも広く形成する請求項26に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  29. 前記第1および第2の薄膜コイル半部のいずれか一方の最内周のコイル巻回体の端部と、他方の薄膜コイル半部の最外周のコイル巻回体の端部との間を電気的に接続する第1のジャンパ配線と、前記絶縁膜に形成された開口を経て他方の薄膜コイル半部の最内周のコイル巻回体の端部に一端が接続された第2のジャンパ配線とを、前記下部トラックポールおよび上部トラックポールの少なくとも一部を構成する磁性材料膜と同じ材料で同時に形成する請求項26に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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