JP4609515B2 - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばEPS(Electronic controlled Power Steering:電子制御式パワーステアリング装置)等の電動パワーステアリング装置を備えた車両における操舵制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、電動機の逆起電力を考慮したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された電動パワーステアリング装置(以下、「従来の技術」と称する)によれば、検出された電動機の回転数に基づいて電動機の逆起電力を演算し、係る演算された逆起電力に基づいて電動機の印加電圧を補正することによって、快適な操舵感を得ることが可能であるとされている。
尚、電動モータの弱め界磁制御を行う場合に、q軸目標電流を補正して運転者の操舵フィーリングの悪化を回避するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−211142号公報 特開2007−118785号公報
モータの駆動電圧には、モータ側の物理的若しくは電気的制限、バッテリ等の電源の仕様(例えば、定格値)、又はその都度変化し得る電源のSOC(State Of Charge:充電状態)等の影響を受け、固定又は可変な上限値が存在する。従って、従来の技術のように、単に逆起電力を考慮して印加電圧(ここで言う駆動電圧の一形態である)を補正しようとしても、係る上限値に制限される形で印加電圧が制限され、逆起電力をキャンセルできない場合がある。
このような場合、逆起電力が印加電圧を上回ってモータが発電状態となり、モータのアシスト方向が本来必要とされる方向と逆になって所謂逆アシスト状態に陥る可能性がある。即ち、従来の技術には、モータの駆動電圧が上限値による律束を受ける場合に、かえってドライバの操舵操作が阻害されかねないという技術的な問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、モータの駆動電圧に上限値が存在する場合の操舵性の悪化を抑制し得る車両の操舵制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両の操舵制御装置は、操舵軸に対しアシスト操舵力を付与可能なモータと、前記モータに対し駆動電圧を供給することにより前記モータを駆動可能な駆動手段とを有する電動パワーステアリング装置を備えた車両における操舵制御装置であって、前記操舵軸に対し所定種類の操舵量に応じた前記アシスト操舵力を付与すべく所定の上限電圧以下の範囲で前記駆動電圧が供給されるように前記駆動手段を制御する第1制御手段と、ドライバの操舵操作に伴う前記モータの回転方向の反転を伴わない操舵期間において、前記モータの回転速度及び前記供給される駆動電圧に基づいて前記モータが発電状態に対応する状態にあるか否かを判別する判別手段と、前記モータが前記発電状態に対応する状態にある旨が判別された場合に、前記モータの発電量が減少するように前記駆動手段を制御する第2制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る「アシスト操舵力」とは、ドライバの操舵操作により操舵軸(例えばステアリングシャフト、コラムシャフト、ピニオンシャフト、又はラックアンドピニオン式若しくはボールナット式等の各種態様を採り得る操舵機構に備わる各種軸体等を含む)を介して操舵輪に付与される、当該操舵輪を車両左右方向に動かす物理力としての操舵力をアシストすべく、当該操舵軸に付与される、例えば物理的、機械的、電気的又は磁気的な各種態様を有する力を包括する概念である。
この際、操舵軸の形態が上述したように各種態様を採り得ることに鑑みれば、操舵軸に対しアシスト操舵力を付与する、例えばDCブラシレスモータ等の形態を採り得る本発明に係るモータの設置位置及び操舵軸に対するアシスト操舵力の伝達形態は、少なくとも設置スペース、コスト、耐久性或いは信頼性等に基づいた実質的な制約(そのような制約が存在するとして)の範囲内において自由であってよい。
本発明に係る「駆動手段」とは、本発明に係るモータに対し直接的又は間接的に駆動電圧を供給することにより当該モータを駆動可能な物理的、機械的、機構的、電気的、磁気的又は化学的手段を包括する概念であって、例えばバッテリ等の電源装置、当該電源装置からモータへの電源供給経路を構築する配線部材、リレー回路等のスイッチング手段、FET(Field Emission Transistor:電界効果トランジスタ)等の各種増幅手段、インバータ等の整流手段及びPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)回路等、その構成に応じて各種の構成要素を適宜に含み得る趣旨である。尚、「間接的に駆動電圧を供給する」とは、駆動電圧が、例えば三相変換処理を経た三相電圧として供給されてもよいし、PWM制御によるデューティ比に応じたパルス電圧として供給されてもよいこと等を意味する。
本発明に係る車両の操舵制御装置によれば、その動作時には、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第1制御手段により、モータに対し駆動電圧が供給されるように駆動手段が制御される。この駆動電圧は、操舵軸に対し所定種類の操舵量に応じたアシスト操舵力(即ち、アシスト操舵力の目標値であり、これ以降、適宜「目標アシスト操舵力」と称する)を付与するための電圧であり、言わばモータへ印加すべきモータ指令電圧であって、後述する逆起電力の影響を受けた、実際にモータの駆動に供される電圧とは異なる。この駆動電圧は、所定の上限電圧以下(尚、「以下」とは、上限電圧の設定如何により容易に「未満」と置換し得る概念であり、上限電圧を規定する値がいずれの範囲に属するかは設計事項であって、本発明の本質とは無関係である)の範囲で設定される。
ここで、「所定種類の操舵量」とは、ドライバの操舵操作と相関する各種の物理量又は制御量或いはそれらを規定する指標値を包括する概念であって、例えば、ハンドル(ステアリングホイール)を介して与えられる操舵トルクや、ハンドルの操舵角又は該操舵角を時間微分して得られる操舵角速度等各種の態様を採り得る。
また、上限電圧とは、例えばモータ又は駆動手段の構造又は構成等により規定される理論的な又は実質的な上限値、或いは例えば予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、モータ又は駆動手段の電源(例えば、バッテリ等の各種蓄電手段)の構造又は構成に応じて当該電源の物理的、機械的、電気的、化学的又は磁気的な耐久性又は信頼性を担保すべく定まる、或いは当該電源を利用する他の補機類への電力供給が阻害されない範囲で定まる上限値等を指す。
尚、「電圧」とは、基準電位との電位差であって、正負いずれの符号も採り得る。従って、厳密に言えば、「上限電圧」とは正の電位差が生じている場合の閾値であり、負の電位差が生じている場合(例えば、好適な一形態として、正の電位差を生じさせる場合と車両の操舵方向が異なる場合)には、係る閾値は「下限値」となり得るが、本発明に係る「上限電圧」とは、このような極性の如何によらない絶対的な電位差の上限値を含む概念である。
一方、モータは、ドライバの操舵操作による操舵軸の回転によって言わば受動的に回転し、その回転速度(以下、適宜「モータ回転速度」と略称する)に応じた逆起電力を発生する。この逆起電力は、モータに供給される駆動電圧を打ち消す向きに作用するから、モータの駆動電流(尚、「駆動電流」とは、例えばモータ又は駆動手段の物理的、機械的、電気的又は磁気的な構成等に応じて各種の態様を採り得、例えば所謂ベクトル制御がなされる場合、ロータの磁極対の方向にd軸を、またその直角方向にq軸を設定してなるd−q軸モデル上で設定されるd軸電流又はq軸電流であってもよい。或いは、それらをステータの固定座標変換を介してu相、v相及びw相の三相電流に変換したものであってもよい)は、この種の逆起電力により低下し、それに伴いモータから操舵軸に付与されるアシスト操舵力もまた低下することとなる。
他方、第1制御手段の作用に鑑みれば、この種の逆起電力によりアシスト操舵力が低下した場合、例えばPI制御或いはPID制御等の各種フィードバック制御を経る等して、この駆動電流の低下が補われるように駆動電圧を上昇させることが可能であり、理想的には、逆起電力が生じたとしてもアシスト操舵力を目標アシスト操舵力と同等或いは少なくとも実践上目標アシスト操舵力と同等とみなし得る程度の値に維持することが可能である。
ところが、既に述べたように、駆動電圧には予め設定された、或いはその都度バッテリの負荷状態やバッテリ残量等に応じて個別具体的に設定される上限電圧が存在する。従って、逆起電力の増加に伴い駆動電圧を増加させようにも、いずれは駆動電圧が飽和することとなって、アシスト操舵力が低下することとなる。
このため、モータ回転速度によっては、逆起電力が駆動電圧を上回ってモータの印加電圧の極性が反転し、モータの駆動状態が力行状態から発電状態へと切り替わって、アシスト操舵力の付与方向が本来の方向と逆になることがある(このような電動パワーステアリング装置の状態を適宜、「逆アシスト状態」等と称する)。逆アシスト状態では、ドライバの操舵操作を阻害する方向にアシスト操舵力が付与されたことになり、ドライバの操舵操作は著しく阻害される。即ち、モータが発電状態にある場合、車両の操舵性が著しく低下しかねない。
そこで、本発明に係る車両の操舵制御装置によれば、その動作時には、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る判別手段により、ドライバの操舵操作に伴う前記モータの回転方向の反転を伴わない操舵期間において、モータ回転速度及び駆動電圧に基づいてモータが発電状態に対応する状態にあるか否かが判別される。
ここで、「発電状態に対応する状態」とは、発電状態を少なくとも含み、好適な一形態として、例えば固定又は可変に設定される制限時間内等、近未来的にモータが発電状態に陥る旨が、少なくとも実践上何らかの不具合を顕在化させない程度の精度を伴って予測又は推定される状態(言わば、予測的発電状態)を好適に含む概念である。従って、判別手段によりモータが発電状態に対応する状態にある旨が判別された時点において、必ずしもモータが実際に発電状態にある必要はない。言い換えれば、判別手段に係る「判別」の概念には、予測、推測、又は推定等と称される不確定概念が含まれてもよい。
既に述べたように、モータ回転速度と発生する逆起電力との間には、リニアであれノンリニアであれ、或いはある時点で飽和するにせよ不飽和であるにせよ相関があり、モータ回転速度と駆動電圧とによって、少なくとも実践上不足を生じない精度で係る判別を行うことができる。また、モータ回転速度及び駆動電圧は、好適な一形態として、共に電動パワーステアリング装置において通常モニタされるべき制御量であって、判別手段は迅速にそれらを参照することが可能である。
尚、判別手段に係る、モータ回転速度及び駆動電圧に基づいた個別具体的な判別態様は、各種の態様を採ることが可能である。尚、好適な一形態として、第1制御手段が目標アシスト操舵力を維持すべく駆動電圧を増加させる場合には、モータが発電状態に対応する状態にあるか否かは結局、駆動手段の上限電圧に影響されるが、第1制御手段における制御態様は各種の形態を採り得るため、判別手段により当該判別がなされるに際し、必ずしも上限電圧が参照される必要はない。
一方、本発明に係る車両の操舵制御装置によれば、その動作時には、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第2制御手段が、判別手段に係る判別結果に応じて駆動手段を制御する。より具体的には、第2制御手段は、モータが発電状態に対応する状態にある旨が判別された場合に、モータの発電量が減少するように駆動手段を制御する。
ここで、第2制御手段がモータの発電量を減少させるに際しての制御態様は、モータの発電量を、少なくとも車両の操舵性の低下を幾らかなり抑制し得る程度に減少せしめ得る限りにおいて如何様にも限定されず、第2制御手段は、例えば発電量がゼロとなるように駆動手段を制御してもよいし、発電量が予め設定された又はその都度個別具体的に設定され得るステップ幅だけ減少するように駆動手段を制御してもよい。また、この際、第2制御手段は、発電量を二値的に減少させてもよいし、段階的又は連続的に減少させてもよい。尚、第2制御手段による発電量の減少制御において、実際の発電量は必ずしもモニタされている必要はない。
このように、本発明に係る車両の操舵制御装置によれば、モータが発電状態にあるか否かを、或いは近未来的に発電状態に陥るか否かを、迅速に且つ正確に判別し得ると共に、モータが発電状態にある場合、或いは近未来的に発電状態に陥る旨が推測又は推定される場合にはモータの発電量を減少させることができる。モータの発電量は、即ち、モータが操舵軸に付与する、正規の方向と逆向きのアシスト操舵力(以下、適宜「逆アシスト操舵力」と称する)と一義的であり、モータの発電量を減少させることによって、ドライバの意図する方向とは逆方向に作用する逆アシスト操舵力が低減され、少なくともこの種の制御がなされない場合と較べて幾らかなり車両の操舵感の低下が抑制されるのである。
本発明に係る車両の操舵制御装置の一の態様では、前記判別手段は、前記供給される駆動電圧に基づいて設定される、前記アシスト操舵力を付与可能な前記モータの回転速度の絶対値の上限を規定する上限回転速度と、前記モータの回転速度の絶対値とを比較することにより、前記モータが発電状態に対応する状態にあるか否かを判別する。
この態様によれば、モータ回転速度と上限回転速度との比較により(好適な一形態として、係る上限回転速度よりも大きい(尚、「より大きい」とは、上限電圧の設定如何により容易に「以上」と置換し得る概念であり、上限回転速度を規定する値がいずれの範囲に属するかは設計事項であって、本発明の本質とは無関係である))である場合にモータが発電状態に対応する状態にある旨の判別がなされることを含む)モータが発電状態に対応する状態にあるか否かが判別されるため、モータが発電状態に対応する状態にあるか否かに係る判別を簡便且つ正確に行うことが可能となる。
尚、「絶対値」と表現されるのは、モータの回転方向を、車両の操舵方向に対応付けて便宜的に正負の符号を付帯して表す場合を考慮したものである(即ち、絶対値としない場合、厳密に言えば(発明の本質部分とは無関係であるが)、負側の回転方向に対して、この種の値は「上限値」でなく「下限値」となり得る)。
本発明に係る車両の操舵制御装置の他の態様では、前記第2制御手段は、前記駆動電圧の供給が遮断されるように前記駆動手段を制御する。
この態様によれば、モータが発電状態に対応する状態にある場合に、例えばモータリレー(駆動手段の一構成要素としてこの種のリレー回路が備わる場合)が開放される等の措置が講じられること等によって、駆動電圧の供給が遮断される。このため、発電量をゼロ(即ち、通電されていないため、モータは単なる物理的な負荷に過ぎない状態となる)とすることが、言い換えれば、逆アシスト操舵力をゼロとすることが簡便にして可能となる。
本発明に係る車両の操舵制御装置の他の態様では、前記第1制御手段は、前記モータの状態が前記発電状態から前記発電状態にない旨に相当するアシスト可能状態へと変化した場合に、前記アシスト操舵力を目標値まで徐変させる。
この態様によれば、モータが発電状態(発電状態に対応する状態の少なくとも一部である)からアシスト可能状態(発電状態にない旨に相当し、言い換えれば正規な方向へアシスト操舵力を付与することが可能な状態)へ変化した(即ち、復帰した)場合に、アシスト操舵力が段階的若しくは連続的の別を問わない又はリニア若しくはノンリニアの別を問わない各種の変化特性を伴って目標値まで徐変される。このため、アシスト可能状態への移行時に急激にアシスト操舵力が上昇して、車両の操舵性がかえって低下する(この場合、即ち、ハンドル操作が急に軽くなる)等の事態が防止され、好適な操舵性が担保される。
尚、この態様では、前記第1制御手段は、前記アシスト操舵力を徐変させる際の初期値がゼロとなるように前記駆動手段を制御してもよい。
この場合、アシスト操舵力の復帰時(徐変開始時)における初期値がゼロとなるため、アシスト操舵力の付与が開始される際の違和感の発生が可及的に抑制され好適である。
本発明に係る車両の操舵制御装置の他の態様では、前記車両は、少なくとも前記モータの上流側に操舵角と実舵角との比たるステアリングギア比を変化させることが可能なステアリングギア比可変装置を更に備え、前記車両の操舵制御装置は、前記操舵量に応じて前記ステアリングギア比が変化するように前記ステアリングギア比可変装置を制御する第3制御手段と、前記モータが発電状態に対応する状態にない旨が判別された場合に、前記モータの回転速度に応じて前記ステアリングギア比の制御範囲を制限する制限手段とを具備することを特徴とする。
この態様によれば、車両には、例えばVGRS(Variable Gear Ratio Steering)等のステアリングギア比可変装置が備わり(尚、係るステアリングギア比可変装置と同等の機能が電動パワーステアリング装置に付帯されていてもよい)、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第3制御手段により、ハンドル操作により与えられる操舵角と操舵輪の実舵角との比たるステアリングギア比が、上述した操舵量に応じて、例えば予め設定された制御範囲の中で二値的に、段階的に又は連続的に可変となるように制御される。
一方、ステアリングギア比可変装置は、電動パワーステアリング装置の上流側に、少なくともステアリングギア比を可変とすべく操舵軸に対し物理力を付与可能な、例えばモータ(以下、適宜「VGRS側モータ」と称し、本発明に係る「モータ」は、これと区別するために適宜「EPS側モータ」と称する)及び各種減速機構等を有する構成を採るため、上述したEPS側モータのモータ回転速度は、このVGRS側モータの回転速度に応じて適宜に増減変化することとなる。より具体的に言えば、操舵角に対する実舵角の変化量を相対的に大きく(即ち、ステアリングギア比を相対的に小さく)する場合、VGRS側モータは増速され、EPS側モータもまた増速される。
他方で、EPS側モータには上述したように上限回転速度が存在するため、少なくともEPS側モータがアシスト可能状態にありアシスト操舵力を付与するために駆動されている状況では、VGRS側モータにより操舵軸の回転が増速されEPS側モータの回転が増速されると、場合によっては、モータ回転速度が上限速度を超えて、アシスト操舵力の付与が制限される形となり、ハンドル操作が重くなって、車両の操舵性が低下する可能性がある。
そこで、この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る制限手段により、EPS側モータが発電状態に対応する状態にない旨が判別された場合には、EPS側モータの回転速度に応じてステアリングギア比の制御範囲(即ち、好適な一形態としてVGRS側モータによる操舵軸の回転速度の補正量)が制限される。このため、ステアリングギア比の可変制御がアシスト操舵力の付与を阻害する旨の事態の発生が防止され、車両の操舵性が担保される。
尚、この際、制限手段は、好適な一形態として、例えばEPS側モータによるアシスト操舵力の付与を優先し、且つEPS側モータのモータ回転速度が上限速度以下となるように、ステアリングギア比の制御範囲を制限してもよい。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、適宜図面を参照して本発明の車両の操舵制御装置に係る各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る車両10の構成について説明する。ここに、図1は、車両10の基本的な構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、車両10は、操舵輪として左右一対の前輪FL及びFRを備え、これら前輪が操舵されることにより所望の方向に進行することが可能に構成されている。
車両10は、ECU100、EPS200及びエンジン300を備える。
ECU100は、夫々不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備え、車両10の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「車両の操舵制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、EPS200の動作を制御するための後述する基本操舵制御を実行することが可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「判別手段」、「第1制御手段」、「第2制御手段」、「第3制御手段」及び「制限手段」の夫々一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
EPS200は、操舵輪である前輪FL及びFRを操舵することが可能に構成された、本発明に係る「電動パワーステアリング装置」の一例である。
EPS200は、ハンドル201、ステアリングシャフト202、ピニオンシャフト203、ラックアンドピニオン機構204、トルクセンサ205、アシストモータ206、回転センサ207及び駆動装置208を備える。
ハンドル201は、ドライバが操舵操作を行うためのインターフェイスとして機能するように構成された操作手段である。
ステアリングシャフト202は、ハンドル201と連結された軸体であり、ハンドル201の回転に応じてハンドル201と同方向に回転することが可能に構成されている。
ピニオンシャフト203は、下流側(即ち、操舵入力の伝達方向を基準とする方向概念であり、即ち操舵輪側)の端部において後述するピニオンギア204bに連結された、本発明に係る「操舵軸」の一例たる回転可能な軸体である。ピニオンシャフト203は、ステアリングシャフト202と同一方向に回転することが可能に構成されている。
ラックアンドピニオン機構204は、ピニオンシャフト203の下流側端部に接続されたピニオンギア204b及び当該ピニオンギアのギア歯と噛合するギア歯が形成されたラックバー204aを含む操舵機構であり、ピニオンギア204bの回転がラックバー204aの図中左右方向の運動に変換されることにより、ラックバー204aの下流側端部に連結されたタイロッド及びナックル(符号省略)を介して操舵力が各操舵輪に伝達される構成となっている。即ち、ラックアンドピニオン機構204により、EPS200では所謂ラックアンドピニオン式の操舵方式が実現されている。
尚、本実施形態では、ピニオンシャフト203とピニオンギア204bとは直接連結された構成となっており、ピニオンシャフト203の回転速度は、ピニオンギア204bの回転速度と一致するが、これは一例に過ぎず、例えば固定又は可変な減速比を有する減速ギア等を適宜介することによって、ピニオンシャフト203の回転速度が適宜減速された状態でピニオンギア204bに伝達されてもよい。
尚、EPS200にはこのようにラックアンドピニオン方式の操舵機構の一例が採用されているが、例えばボールナット方式或いはその他の操舵機構に準じる操舵機構が採用されていてもよい。また、ラックアンドピニオン方式の操舵機構であっても、例えば構成要素の種類、形状及び当該構成要素相互間の空間的配置態様等は、少なくとも設置スペース、コスト、耐久性或いは信頼性等に基づいた実質的な制約(そのような制約が存在するとして)の範囲内において如何様にも限定されない。
トルクセンサ205は、ドライバの操舵トルクMT(即ち、本発明に係る「所定種類の操舵量」の一例)を検出することが可能に構成されたセンサである。より具体的には、ステアリングシャフト202の下流側端部と、ピニオンシャフト203の上流側端部とは、図示せぬトーションバーにより連結されており、係るトーションバーの上流側及び下流側の両端部には、回転位相差検出用のリングが固定されている。このトーションバー205は、車両10のドライバがハンドル201を操作した際にステアリングシャフト202を介して伝達される操舵トルクに応じてその回転方向に捩れる構成となっており、係る捩れを生じさせつつピニオンシャフト203に係る操舵トルクを伝達することが可能に構成されている。
従って、操舵トルクの伝達に際して、先に述べた回転位相差検出用のリング相互間には回転位相差が発生する。トルクセンサ205は、係る回転位相差を検出すると共に、係る回転位相差を操舵トルクに換算して操舵トルクMTに対応する電気信号として出力することが可能に構成されている。また、トルクセンサ205は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵トルクMTは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
尚、トルクセンサ205は、操舵トルクMTを、操舵方向の概念を含んで検出することが可能に構成されている。例えば、トルクセンサ205は、ハンドル201の操舵方向が右(或いは左)である場合に正の符号を、また当該操舵方向が左(或いは右)である場合に負の符号を伴って操舵トルクMTを検出することが可能に構成される。
アシストモータ206は、上述したピニオンシャフト203に固定された、永久磁石が付設されてなる回転子たる不図示のロータと、当該ロータを取り囲む固定子であるステータとを備える、本発明に係る「モータ」の一例たるDCブラシレスモータであり、駆動装置208を介した当該ステータへの通電によりアシストモータ206内に形成される回転磁界の作用によってロータが回転することにより、その回転方向にアシストトルクTm(即ち、本発明に係る「アシスト操舵力」の一例)を発生する構成となっている。
尚、本発明に係る「アシスト操舵力」の付与態様は、ここに例示するものに限定されず、例えば、モータから出力されるトルクは、不図示の減速ギアによる回転速度の減速を伴ってピニオンシャフトに伝達されてもよいし、アシスト操舵力は、ピニオンシャフトの回転運動ではなくラックバーの往復運動をアシストする力として、或いはピニオンギアの回転をアシストする力として付与されてもよい。即ち、アシストモータ206から出力されるアシストトルクが、最終的に各操舵輪を操舵させる操舵力の少なくとも一部として供され得る限りにおいて、本発明に係るアシスト操舵力の出力態様は何ら限定されない趣旨である。
回転センサ207は、アシストモータ206に設置された、アシストモータ206の回転速度たるモータ回転速度ωを回転位相の情報を伴って検出することが可能に構成された一種のロータリーエンコーダである。回転センサ207は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたモータ回転速度ωは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。尚、アシストモータ207の回転速度を検出する手段は、ロータリーエンコーダに限定されず、例えばレゾルバ等であってもよい。
駆動装置208は、アシストモータ206のステータへの通電によりアシストモータ206内部に形成される回転磁界の状態を制御することが可能に構成された、本発明に係る「駆動手段」の一例である。駆動装置208は、ECU100と電気的に接続されており、駆動装置208を構成する各部は、ECU100によりその動作が制御される構成となっている。
ここで、図2を参照し、駆動装置208の構成について補足する。ここに、図2は、駆動装置208のブロック図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、駆動装置208は、PWM回路部208A、リレー部208B及び駆動部208Cを備える。尚、アシストモータ206を駆動するに際しての制御態様としては、公知の各種態様を採ることが可能であり、駆動装置208の構成を含むアシストモータ206の駆動態様は、必ずしもここに例示するものに限定されない。
PWM回路部208Aは、本発明に係る「駆動電圧」の一例たるモータ指示電圧Vq(アシストモータ206のq軸電圧)に対応するPWM制御電圧信号を生成し、駆動部208Cへ供給することが可能に構成された回路である。尚、モータ指示電圧Vqは、ECU100側でなされる三相変換処理により、u相、v相及びw相の各々に対応する三相指示電圧Vu、Vv及びVwに変換された後にPWM回路部208Aに供給される構成となっている。
尚、モータ指示電圧Vqは正値及び負値を採り、一方が車両10の一操舵方向(例えば右方向)に対応し、他方が車両の10の他の操舵方向(例えば左方向)に対応している。また、同様にモータ回転速度ωも正値及び負値を採り、一方が車両10の一操舵方向(例えば右方向)に対応し、他方が車両10の他の操舵方向(例えば左方向)に対応している。必然的に、アシストモータ206から出力されるアシストトルクTmもまた正負の符号を採り、一方が車両10の一操舵方向(例えば右方向)に対応し、他方が車両10の他の操舵方向(例えば左方向)に対応している。
リレー部208Bは、PWM回路部208Aと駆動部208Cとの導通状態を切り替え可能に構成された接点回路である。リレー部208Bは、短絡状態と開放状態との二値状態を採ることが可能に構成されており、短絡状態においてPWM回路部208Aと駆動部208Cとを導通させると共に、開放状態においてPWM回路部208Aから駆動部208Cへの通電を遮断することが可能に構成されている。
駆動部208Cは、アシストモータ206のステータに通電するための、ステータの各相に対応するパワートランジスタ及びインバータ回路等を備えた回路である。駆動部208Cは、PWM回路部208Aと電気的に接続された状態において、各パワートランジスタのゲート端子にPWM制御電圧信号が入力される構成となっている。アシストモータ206は、このゲート端子に入力されたPWM制御電圧信号に応じて当該ステータに供給される駆動電流たるアシスト電流Iqによって駆動され、アシストトルクTmを出力することが可能に構成される。
エンジン300は、ガソリンを燃料とし、車両10の動力源として機能するように構成された内燃機関であり、例えば、4気筒、6気筒、8気筒又は12気筒等、複数の気筒を備え、また夫々の気筒の配置態様に応じて直列型、V型或いは水平対向型等の各種態様を採る。エンジン300における、不図示のクランクシャフトから出力される駆動力は、不図示のデファレンシャル及びドライブシャフト等を適宜介して、操舵輪たる前輪FL及びFRに付与される。即ち、車両10は、FF車両として構成されている。尚、車両10の駆動形態は無論FFに限定されず、例えば不図示の後輪が駆動されるFR方式であってもよいし、前輪及び後輪が駆動される四輪駆動方式であってもよい。また、燃料の種類も、ガソリンに限定されずアルコール或いは軽油等が使用されてもよい。更には、車両10は、エンジン300の他に動力源として例えばモータ等を備えたハイブリッド車両であってもよい。
バッテリ400は、車両10に搭載される車載用蓄電池である。バッテリ400は、EPS200を始めとする車両10の各種補機類の電源装置として機能するように構成されている。尚、バッテリ400の電圧たるバッテリ電圧Vbatは、ECU100により一定又は不定の周期で把握されている。
<実施形態の動作>
以下、適宜図面を参照し、本実施形態の動作について説明する。
始めに、図3を参照し、ECU100により実行される操舵制御の詳細について説明する。ここに、図3は、操舵制御のフローチャートである。
図3において、ECU100は、初期設定処理を実行する(ステップS101)。初期設定処理では、操舵トルクMT及びモータ回転速度ωが、夫々トルクセンサ205及び回転センサ207を介して取得される。尚、操舵トルクMT及びモータ回転速度ωは、これ以降、基本的にECU100に固有の周期毎に取得され、常に最新の値に更新されるものとする。
また、初期設定処理においてECU100は、モータ指示電圧Vqを、初期値である「0」に設定する。更に、ECU100は、アシストモータ206が後述するアシスト可能状態にあるか否かを表すアシスト可能フラグFg_ASSを、初期値として、アシスト可能状態にあることを意味する「1」に設定する。アシスト可能フラグFg_ASSは、ECU100のRAMに更新可能に記憶されており、操舵制御の実行過程において適宜訪れる所定の更新タイミング毎に適宜書き換わる構成となっている。
尚、アシスト可能フラグFg_ASSは、その値として「1」又は「0」を採り、「0」である場合とは、アシストモータ206が後述する発電状態にある旨に相当する。
初期設定処理が終了すると、ECU100は、アシストモータ206のアシストトルクTmの目標値たる目標アシストトルクTmtgを算出する(ステップS102)。この際、目標アシストトルクTmtgは、ステップS101において取得された操舵トルクMTに応じて算出される。
ここで、図4を参照し、操舵トルクMTと目標アシストトルクTmtgとの関係について説明する。ここに、図4は、操舵トルクMTに対する目標アシストトルクTmtgの一変化特性を表す模式図である。
図4において、縦軸及び横軸に夫々目標アシストトルクTmtg及び操舵トルクMTが表される。図示の通り、目標アシストトルクTmtgは、操舵トルクMTの増加に伴い非線形に増加する関数として設定されている。また、操舵トルクMTがMT0以下となる領域は不感帯であり、目標アシストトルクTmtgはゼロとなる。
尚、図4には、操舵トルクMTが正値を採る場合についてのみ表されているが、先に述べたように操舵トルクMTは、車両10の操舵方向に応じて正負の値を採る。負側の操舵トルクMTに対する目標アシストトルクTmtgは、図4に例示する特性を原点(ゼロ)に対し点対称とした形状を有している。ECU100は、予めROMに、図4に例示する関係を数値化してなる目標アシストトルクマップを保持しており、当該目標アシストトルクマップから、その時点の操舵トルクMTに対応する一の値を選択的に取得することによって、目標アシストトルクTmtgを算出する。尚、このように、本実施形態に係る「算出」とは、予め設定された対応関係に基づいて一の値を選択的に取得することを含む概念である。
図3に戻り、目標アシストトルクTmtgを算出すると、ECU100は、アシスト電流Iqの目標値たる目標アシスト電流Iqtgを算出する(ステップS103)。
ここで、本実施形態に係るEPS200において、アシストトルクTm、アシスト電流Iq及びモータ指示電圧Vq相互間には、下記(1)乃至(3)式の関係が存在する。尚、各式において、Ktはアシストモータ206のトルク定数であり、Kvは同じく逆起電力係数(単位は、例えばV・sec/rad)であり、Raは同じく電気抵抗値である。これらはいずれも予めROMに固定値として格納されている。
Tm=Kt・Iq・・・(1)
Iq=(Vq−Kv・ω)/Ra・・・(2)
Tm=Kt/Ra・(Vq−Kv・ω)・・・(3)
ここで、(1)式を変形し、先に算出された目標アシストトルクTmtgをアシストトルクTmに代入することにより、目標アシスト電流Iqtgは、下記(4)式の如く算出される。ECU100は、下記(4)式に従って、目標アシスト電流Iqtgを算出する。
Iqtg=Tmtg/Kt・・・(4)
ここで上記(3)式について補足すると、上記(3)式の右辺カッコ内の減算項に注目すれば、逆起電力係数Kvとモータ回転速度ωとの積は、アシストモータ206が回転することによって生じる逆起電力に相当する。この逆起電力がモータ指示電圧Vqよりも大きければ、(3)式の右辺は負値となって、アシストトルクTmの符号が反転する。即ち、その時点で、アシストトルクTmは、元々の符号が正負いずれであれ操舵力を打ち消す方向に作用する逆アシスト操舵力となり、アシストモータ206は発電状態となる。
ここで、図5を参照し、モータ指示電圧Vq、アシストトルクTm及びモータ回転速度ω相互間の関係について説明する。ここに、図5は、モータ回転速度ωに対するモータ指示電圧Vq及びアシストトルクTmの一特性を例示する模式図である。
図5において、上段にはモータ回転速度ωに対するモータ指示電圧Vqの特性が、また下段にはモータ回転速度ωに対するアシストトルクTmの特性が夫々表される。尚、上段における、特性線PRF_Vqa(実線参照)は、目標アシストトルクTmtgがTm0(Tm0>0)であり、且つ後述するPI制御によりアシストトルクTmを目標アシストトルクTmtgに収束させるべくモータ指示電圧Vqが制御される場合に対応しており、特性線PRF_Vqb(鎖線参照)は、目標アシストトルクTmtgがTm0であり、且つモータ指示電圧Vqが一定に維持される場合に対応している。また、下段における、特性線PRF_Tma(実線参照)は、特性線PRF_Vqaに対応しており、特性線PRF_Tmb(鎖線参照)は、特性線PRF_Vqbに対応している。
モータ回転速度ωがゼロである場合、上記(3)式における右辺減算項がモータ指示電圧Vqと等しくなるため、目標アシストトルクTmtgを出力するためのモータ指示電圧Vqは、図示する通り、特性線PRF_Vqa及びPRF_Vqbの両特性において「Ra/Kt・Tm0」となる。
一方、モータ回転速度ωが増加すると、その増加量に応じて当該減算項の値が減少する。このため、特性線PRF_Vqbに従ってモータ指示電圧Vqが一定に維持される場合、アシストトルクTmは、特性線PRF_Tmbとして示す如く、モータ回転速度ωの増加と共に減少を開始する。その結果、モータ回転速度ω1b(ω1b>0)においてアシストトルクTmはゼロとなる。
他方、特性線PRF_Vqaに従ってアシストトルクTmを目標アシストトルクTm0に維持すべくモータ指示電圧Vqが増加される場合、アシストトルクTmは、特性線PRF_Tmaとして示す如く、モータ回転速度ωがω0となるまでは、モータ回転速度ωの増加に対して目標アシストトルクTm0に維持される。
ところが、モータ指示電圧Vqには、固定又は可変な(本実施形態では、後述するように可変である)最大指示電圧Vqmax(即ち、本発明に係る「最大電圧」の一例)が規定されており、モータ指示電圧Vqは、最大指示電圧Vqmax以下の範囲で設定される。このため、モータ回転速度ωがω0となり、アシストトルクTmを目標アシストトルクTm0に維持するために必要となるモータ指示電圧VqがVqmaxとなった時点で、モータ指示電圧Vqは飽和し、モータ回転速度ωの増加に伴ってアシストトルクTmが減少し始める。その結果、特性線PRF_Tmaに示すが如く、モータ回転速度ω1a(ω1a>ω1b)において、アシストトルクTmはゼロとなる。
ここで、アシストトルクTmがゼロよりも図中下方領域にある場合、アシストトルクTmの符号が反転する。モータ指示電圧Vqとモータ回転速度ωの符号が共に変化しないにもかかわらずアシストトルクTmの符号が反転するということは、即ち、アシストトルクTmが、操舵力を打ち消す方向に作用する逆アシストトルクに変化したことを意味する。このように、本実施形態では、モータ指示電圧Vqとモータ回転速度ωとの符号が等しく(本実施形態では、モータ指示電圧Vq及びモータ回転速度ωの符号が相互に等しい場合が、一の操舵方向に対応するものとする)且つアシストトルクTmの符号が反転する領域においてアシストモータ206は発電状態となり、モータ指示電圧Vqとモータ回転速度ωとの符号が等しく且つアシストトルクTmの符号が反転しない(図5ではアシストトルクTmがゼロ以上となる)領域においてアシストモータ206はアシスト可能状態となる。
このように、EPS200では、モータ指示電圧Vqが最大指示電圧Vqmaxに律束される限り、アシストモータ206がアシスト可能状態にあるか発電状態にあるかを規定するモータ回転速度ω(即ち、上述したω1a又はω1b等)が存在する。以後、このようなモータ回転速度ωの上限値(尚、ωが負側の値(他の操舵方向)を採る場合には、当然ながら下限値であるが、ここでは説明の煩雑化を防ぐ目的から、ωが正値の場合についてのみ説明する)を適宜、「上限回転速度ω1」と称することとする。上限回転速度ω1は、本発明に係る「上限回転速度」の一例である。
図3に戻り、目標アシスト電流Iqtgを算出すると、ECU100は、モータ指示電圧Vqの基準値たる基準モータ指示電圧Vqnrmを算出する(ステップS104)。ここで、基準モータ指示電圧Vqnrmは、PI制御(比例項及び積分項を含むフィードバック補正量に基づいた公知のフィードバック制御である)により算出される。
より具体的には、ECU100は、目標アシスト電流Iqtgとアシスト電流Iqとの偏差ΔIが所定の範囲に収束するように(即ち、アシストモータ206から出力されるアシストトルクTmが、目標アシストトルクTmtgに漸近又は収束するように)モータ指示電圧Vqを算出する。この際、フィードバックされるアシスト電流Iqの値は、上記(2)式にその時点のモータ指示電圧Vq及びモータ回転速度ωを代入することにより算出される。但し、例えば駆動部208Cの後段にアシスト電流Iqを直接検出可能な検出手段が備わる場合等には、係る検出手段からアシスト電流Iqの値が取得され、偏差ΔIの算出に供されてもよい。
基準モータ指示電圧Vqnrmを算出すると、ECU100は、アシスト可能フラグFg_ASSが「1」であるか、即ち、アシストモータ206がアシスト可能状態にあるか否かを判別する(ステップS105)。尚、操舵制御の開始時点では、ステップS101の初期設定処理においてアシスト可能フラグFg_ASSが初期値である「1」に設定されており、ステップS105に係る判別処理は無条件に「YES」側に分岐する。
アシスト可能フラグFg_ASSが「1」である場合(ステップS105:YES)、即ちアシストモータ206がアシスト可能状態(即ち、操舵力をアシストする方向へアシストトルクTmが出力される状態)にある場合、ECU100は、後述する第1処理を実行する(ステップS200)。一方、アシスト可能フラグFg_ASSが「0」である場合(ステップS105:NO)、即ちアシストモータ206が発電状態(即ち、操舵力を打ち消す方向へアシストトルクTmが出力される状態)にある場合、ECU100は、後述する第2処理を実行する(ステップS300)。第1処理又は第2処理が実行されると、ECU100は第3処理を実行し(ステップS400)、処理をステップS102に戻して一連の処理を繰り返す。
次に、図6を参照し、現時点のアシストモータ206の状態がアシスト可能状態である場合に実行される第1処理の詳細について説明する。ここに、図6は、第1処理のフローチャートである。
図6において、ECU100は、先に説明した上限回転速度ω1を算出する(ステップS201)。補足すれば、上記(3)式を参照した場合、アシストトルクTmが正値を採る(即ち、操舵力をアシストする方向に作用する)ためには、右辺減算項が正値(ここでは、ゼロを含む)を採る必要がある。従って、アシストモータ206がアシスト可能状態にあるためには、下記(5)式が満たされる必要がある。即ち、EPS200において、アシストモータ206がアシスト可能状態にあるか発電状態にあるかは、モータ指示電圧Vqとモータ回転速度ωとによって規定される。
Vq/Kv≧ω・・・(5)
上記(5)式から明らかなように、アシストモータ206がアシスト可能状態を維持するためには、モータ回転速度ωが、モータ指示電圧Vqに応じて定まる上限値(即ち、Vq/Kv)以下である必要がある。係る上限値が、先に述べた上限回転速度ω1である。
ここで、図7を参照し、モータ指示電圧Vqと上限回転速度ω1との関係について説明する。ここに、図7は、モータ指示電圧Vqに対する上限回転速度ω1の一特性を例示する模式図である。
図7において、縦軸及び横軸に夫々上限回転速度ω1及びモータ指示電圧Vqが表される。図示の通り、上限回転速度ω1は、モータ指示電圧Vqの増加に伴い線形増加する関数となる。ECU100は、予めROMに、図7に例示する関係を数値化してなる上限回転速度マップを保持しており、当該上限回転速度マップから、その時点のモータ指示電圧Vqに対応する一の値を選択的に取得することによって、上限回転速度ω1を算出する。但し、上限回転速度ω1の算出に際しては、必ずしもマップが参照される必要はなく、上記(5)式に表されるように、モータ指示電圧Vqを逆起電力係数Kvで除した値として、その都度算出してもよい。
図6に戻り、上限回転速度ω1を算出すると、ECU100は、モータ指示電圧Vqの符号とモータ回転速度ωの符号とが等しく、且つモータ回転速度ωが上限回転速度ω1よりも大きいか否かを判別する(ステップS202)。即ち、ECU100は、アシストモータ206が発電状態にあるか否かを判別する。
尚、ここで述べられるECU100の判別動作は、本発明に係る「判別手段」の動作の一例であり、本実施形態では、アシストモータ206が、本発明に係る「発電状態に対応する状態」の一例としての発電状態にあるか否かが判別されているが、アシストモータ206が発電状態に陥ることによる不利益をより効率的に且つ確実に抑制する趣旨から言えば、ECU100は、モータ回転速度ωが上限回転速度ω1を近未来的に上回るか(即ち、近未来的にアシストモータ206が発電状態に陥るか)否かを判別してもよい。言い換えれば、アシストモータ206が発電状態に陥るか否かを予測又は推定してもよい。このような判別、予測又は推定がなされる際の判別基準は、このような趣旨を逸脱しない範囲において自由であってよく、例えば、モータ回転速度ωがω1から固定又は可変を問わない所定のマージンΔωを減じてなる判断基準値を超えた場合等に、この種の判別、予測又は推定がなされてもよい。或いは、上限回転速度ω1自体に、予めこの種のマージンが含められていてもよい。
Vqとωの符号が等しい状況においてモータ回転速度ωが上限回転速度ω1よりも大きい場合(ステップS202:YES)、換言すればアシストモータ206が発電状態にある場合、ECU100は、アシスト可能フラグFg_ASSを、アシストモータ206が発電状態にある旨に相当する「0」に設定する(ステップS203)。
尚、ステップS203に係る処理が実行される場合、アシストモータ206は、従前の状態が「アシスト可能状態」であり、且つ現在の状態が「発電状態」となる。これ以降、このようなアシストモータ206の状態を適宜「第1モータ状態」と称することとする。
一方、Vqとωの符号が等しくない状況であるか、或いはモータ回転速度ωが上限回転速度ω1以下である場合(ステップS202:NO)、換言すればアシストモータ206がアシスト可能状態にある場合、ECU100は、アシスト可能フラグFg_ASSを、アシストモータ206がアシスト可能状態にある旨に相当する「1」に設定する(ステップS204)。
尚、ステップS204に係る処理が実行される場合、アシストモータ206は、従前の状態が「アシスト可能状態」であり、且つ現在の状態が「アシスト可能状態」となる。これ以降、このようなアシストモータ206の状態を適宜「第2モータ状態」と称することとする。ステップS203又はステップS204に係る処理が実行されると、第1処理は終了する。
次に、図8を参照し、現時点のアシストモータ206の状態が発電状態である場合に実行される第2処理の詳細について説明する。ここに、図8は、第2処理のフローチャートである。
図8において、ECU100は、バッテリ電圧Vbatに基づいて、先に述べたモータ指示電圧Vqの最大値である最大指示電圧Vqmaxを算出する(ステップS301)。
ここで、図9を参照し、バッテリ電圧Vbatと最大指示電圧Vqmaxとの関係について説明する。ここに、図9は、バッテリ電圧Vbatに対する最大指示電圧Vqmaxの一特性を例示する模式図である。
図9において、縦軸及び横軸に夫々最大指示電圧Vqmax及びバッテリ電圧Vbatが表される。図示の通り、最大指示電圧Vqmaxは、バッテリ電圧Vbatの増加に伴い線形増加する関数として設定されている。ECU100は、予めROMに、図9に例示する関係を数値化してなる最大指示電圧マップを保持しており、当該最大指示電圧マップから、その時点のバッテリ電圧Vbatに対応する一の値を選択的に取得することによって、最大指示電圧Vqmaxを算出する。
尚、ここでは、バッテリ電圧Vbatが参照されるが、最大指示電圧Vqmaxは、例えばバッテリ400のSOC等に応じて可変に設定されてもよい。或いは、最大指示電圧Vqmaxは固定値であってもよい。
図8に戻り、最大指示電圧Vqmaxが算出されると、ECU100は復帰回転速度ω2を算出する(ステップS302)。ここで、復帰回転速度ω2とは、アシストモータ206が発電状態からアシスト可能状態へ復帰するモータ回転速度の値であり、ステップS301において算出された最大指示電圧Vqmaxの関数である。
ここで、図10を参照し、最大指示電圧Vqmaxと復帰回転速度ω2との関係について説明する。ここに、図10は、最大指示電圧Vqmaxに対する復帰回転速度ω2の一特性を例示する模式図である。
図10において、縦軸及び横軸に夫々復帰回転速度ω2及び最大指示電圧Vqmaxが表される。図示の通り、復帰回転速度ω2は、最大指示電圧Vqmaxの増加に伴い線形増加する関数である。ECU100は、予めROMに、図10に例示する関係を数値化してなる復帰回転速度マップを保持しており、当該復帰回転速度マップから、ステップS301において算出された最大指示電圧Vqmaxに対応する一の値を選択的に取得することによって、復帰回転速度ω2を算出する。
図8に戻り、復帰回転速度ω2を算出すると、ECU100は、モータ回転速度ωが復帰回転速度ω2未満であるか否かを判別する(ステップS03)。即ち、ECU100は、アシストモータ206がアシスト可能状態に復帰したか否かを判別する。
モータ回転速度ωが復帰回転速度ω2未満である場合(ステップS303:YES)、換言すればアシストモータ206がアシスト可能状態に復帰した場合、ECU100は、アシスト可能フラグFg_ASSを、アシストモータ206がアシスト可能状態にある旨に相当する「1」に設定する(ステップS304)。
尚、ステップS304に係る処理が実行される場合、アシストモータ206は、従前の状態が「発電状態」であり、且つ現在の状態が「アシスト可能状態」となる。これ以降、このようなアシストモータ206の状態を適宜「第3モータ状態」と称することとする。
一方、モータ回転速度ωが復帰回転速度ω2以上である場合(ステップS303:NO)、換言すればアシストモータ206が未だ発電状態にある場合、ECU100は、アシスト可能フラグFg_ASSを、アシストモータ206が発電状態にある旨に相当する「0」に設定する(ステップS305)。
尚、ステップS305に係る処理が実行される場合、アシストモータ206は、従前の状態が「発電状態」であり、且つ現在の状態が「発電状態」となる。これ以降、このようなアシストモータ206の状態を適宜「第4モータ状態」と称することとする。ステップS304又はステップS305に係る処理が実行されると、第2処理は終了する。
次に、第1処理又は第2処理を経て実行される第3処理の詳細について説明する。ここに、図11は、第3処理のフローチャートである。
図11において、ECU100は、アシスト可能フラグFg_ASSが「0」であるか否か、即ちアシストモータ206が発電状態にあるか否かを判別する(ステップS401)。アシスト可能フラグFg_ASSが「0」である場合(ステップS401:YES)、即ち、アシストモータ206が先に述べた第1モータ状態又は第4モータ状態にある場合、ECU100は、駆動装置208のリレー部208Bを開放状態に制御する(ステップS402)。リレー部208Bが開放状態に制御されるのに伴い、PWM回路部208Aから駆動部208Cへの通電が遮断され、アシストモータ206は非駆動状態となり、EPS200による操舵力のアシスト(即ち、逆アシスト)は停止される。リレー部208が開放状態に制御されると、第3処理は終了する。
一方、アシスト可能フラグFg_ASSが「1」である場合(ステップS401:NO)、ECU100は、前回のアシスト可能フラグFg_ASSが「0」であるか否かを判別する(ステップS403)。前回のアシスト可能フラグFg_ASSが「0」である場合(ステップS403:YES)、言い換えれば、アシストモータ206が先に述べた第3モータ状態である場合、ECU100は、復帰時指示電圧Vqrtnを算出する(ステップS404)。
ここで、復帰時指示電圧Vqrtnとは、アシスト可能状態への復帰時においてアシストトルクTmによる操舵力のアシストが急激に復活する(即ち、この時点では、リレー部208Bが開放状態に制御されることによりアシストモータ206は非駆動状態にある)ことによるドライバビリティの悪化を防止するためのモータ指示電圧であり、上記(3)式右辺の減算項をゼロとするモータ指示電圧Vqの値である。従って、復帰時指示電圧Vqrtnはモータ回転速度ωの関数となる。
ここで、図12を参照し、モータ回転速度ωと復帰時指示電圧Vqrtnとの関係について説明する。ここに、図12は、モータ回転速度ωに対する復帰時指示電圧Vqrtnの一特性を例示する模式図である。
図12において、縦軸及び横軸に夫々復帰時指示電圧Vqrtn及びモータ回転速度ωが表される。図示の通り、復帰時指示電圧Vqrtnは、モータ回転速度ωの増加に伴い線形増加する関数である。ECU100は、予めROMに、図12に例示する関係を数値化してなる復帰時指示電圧マップを保持しており、当該復帰時指示電圧マップから、モータ回転速度ωに対応する一の値を選択的に取得することによって、復帰時指示電圧Vqrtnを算出する。
図11に戻り、復帰時指示電圧Vqrtnを算出すると、ECU100は、アシストモータ206の駆動制御を実行する(ステップS410)。即ち、復帰時指示電圧Vqrtnがモータ指示電圧Vqとされ、PWM回路部208Aが制御される。PWM回路部208Aからは係る復帰時指示電圧Vqrtnに対応するPWM制御電圧信号(尚、本実施形態では三相電圧である)が駆動回路208Cに供給され、アシストモータ206のステータに通電されることによってアシストモータ206からアシストトルクTmが出力される。尚、ステップS404を経てステップS410が実行される場合、アシストトルクTmはゼロである。
一方、前回のアシスト可能フラグFg_ASSが「1」である場合(ステップS403:NO)、言い換えれば、アシストモータ206が先に述べた第2モータ状態にある場合、ECU100は、現時点のモータ指示電圧Vqと先に操舵制御のステップS104において設定された基準モータ指示電圧Vqnrmとの偏差の絶対値が、基準偏差ε未満であるか否かを判別する(ステップS405)。
ここで、基準偏差εは、アシストトルクTmの目標アシストトルクTmtgへの収束の度合いを規定する指標値であり、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、アシストトルクTmが少なくとも実践上不具合を顕在化させない程度に目標アシストトルクTmtgに収束している旨の判断を下し得る値に設定されている。
当該絶対値が基準偏差ε未満である場合(ステップS405:YES)、ECU100は、先に設定された基準モータ指示電圧Vqnrmをモータ指示電圧Vqとして設定し(ステップS406)、先に述べたアシストモータ206の駆動制御を実行する(ステップS410)。その結果、アシスト電流IqをフィードバックしたPI制御によって、アシストトルクTmは可及的に目標アシストトルクTmtgに維持される。
一方、基準モータ指示電圧Vqnrmとの偏差の絶対値が、基準偏差ε以上である場合(ステップS405:NO)、例えば、先に説明した復帰時指示電圧Vqrtn等に基づいてアシストトルクTmが制御されてからの時間経過が短い時点等では、先ず基準モータ指示電圧Vqnrmがモータ指示電圧Vqよりも大きいか否かが判別される(ステップS407)。尚、係る処理は、車両10の操舵方向に応じてVqとVqnrmの大小関係が変化することに対応する処理である。
基準モータ指示電圧Vqnrmがモータ指示電圧Vqよりも大きい場合(ステップS407:YES)、ECU100は、現時点のモータ指示電圧Vqに所定の徐変量ΔVqを加算し、最新のモータ指示電圧Vqとして更新する(ステップS408)。また、基準モータ指示電圧Vqnrmがモータ指示電圧Vq以下である(ステップS405を経ていることに鑑みれば、即ち、VqnrmがVq未満である)場合(ステップS407:NO)、ECU100は、現時点のモータ指示電圧Vqから所定の徐変量ΔVqを減算し、最新のモータ指示電圧Vqとして更新する(ステップS409)。
ステップS408及びステップS409のいずれも、モータ指示電圧Vqを基準モータ指示電圧Vqnrmに漸近させる処理であり、アシスト可能状態への復帰時においてアシストトルクTmを徐変させる処理の一部である。ECU100はこれらの処理を実行すると、ステップS410に処理を移行し、設定されたモータ指示電圧Vqに応じてアシストモータ206を駆動する。アシストモータ206の駆動制御がなされると、第3処理は終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る操舵制御によれば、モータ回転速度ωとモータ指示電圧Vqとに基づいてアシストモータ206が発電状態にあるか否か(別言すれば、アシストモータ206のアシスト方向が逆アシスト方向であるか否か)を判別し、発電状態にある場合には、アシストモータ206を駆動する駆動装置208のリレー部208Bが開放状態に制御され、アシストモータ206への通電が遮断される。その結果、アシストモータ206の発電量はゼロとなり、アシストトルクTmが逆アシスト方向に作用する事態が防止され、アシストモータ206の逆起電力によって逆アシスト方向にアシストトルクTmが作用することによる操舵感の低下が可及的に抑制される。
更に、本実施形態によれば、アシストモータ206が発電状態からアシスト可能状態へ復帰した場合に、アシストトルクTmが目標値(ここでは、一例としてVqnrm+ε又はVqnrm−ε)まで徐変される。このため、ドライバに違和感を与えることなく操舵力のアシストを復活させることが可能となり、操舵感の低下が好適に防止される。即ち、本実施形態によれば、アシストモータの駆動電圧に上限値が存在する場合の操舵性の悪化が好適に抑制されるのである。
尚、本実施形態では、本発明に係る「発電量が減少するように駆動手段を制御する」態様の一例として、駆動装置208のリレー部208Bを開放状態に制御する(即ち、発電量をゼロとする)例を示したが、アシストモータ208の発電量を減少させる態様は、これに限定されるものではなく、例えば、PWM回路部208Aを介して、アシストモータ206の発電量を二値的に、段階的に又は連続的にコントロールすることにより発電量を低減させてもよい。
<第2実施形態>
次に、図13を参照し、本発明の第2実施形態に係る車両20について説明する。ここに、図13は、車両20の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図13において、車両20は、ピニオンシャフト203にVGRS500を備える点において、第1実施形態に係る車両10と相異している。VGRS500は、アシストモータ206よりも上流側(ハンドル201側)においてピニオンシャフト203にロータが固定されたVGRSモータ(図示略)を備え、該VGRSモータの出力トルクによりピニオンシャフト203の回転速度を増減補正することによって、ステアリングシャフト202とピニオンシャフト203との回転比(一義的に、操舵角に対する実舵角の比たるステアリングギア比である)を連続的に変化させることが可能に構成されている。即ち、VGRS500は、本発明に係る「ステアリングギア比可変装置」の一例である。
尚、本発明に係る「ステアリングギア比可変装置」としては、ステアリングギア比を可変とし得る限りにおいて公知及び非公知を問わず各種の装置を適用することが可能であり、ここでは、その詳細な説明を省略する。
このような構成において、VGRS500は、VGRSモータ及びその駆動装置がECU100と電気的に接続された状態にあり、通常、ステアリングシャフト202の回転角たる操舵角に応じてステアリングギア比の目標値が決定され、ステアリングギア比が当該目標値となるようにVGRSモータが駆動される。
一方、ピニオンシャフト203の回転速度は、アシストモータ206の回転速度たるモータ回転速度ωと一義的な関係(アシストモータ206が減速ギアを介してピニオンシャフト203に連結されていても、ギア比が異なるだけで同様である)を有しているため、アシストモータ206が先に述べたアシスト可能状態にあるための条件は、下記(6)式により規定される。
ω1≧ω:ω=ω ST +ω VGRS ・・・(6)
ここで、ω ST は、ステアリングシャフト202の回転速度であり、ω VGRS は、VGRSモータの駆動量(即ち、ステアリングシャフト202とピニオンシャフト203との相対回転速度)である。このように、ステアリングギア比を可変とするための機構がアシストモータ206の上流側に備わる場合、アシストモータ206をアシスト可能状態に維持するためのモータ回転速度は、VGRS側の動作により制約を受ける。別言すれば、ステアリングシャフト202の回転速度ω ST が上限回転速度ω1である場合に、VGRS500によってモータ回転速度ωが増速されると、アシストモータ206が発電状態となって、操舵性が低下してしまう。
そこで、本実施形態において、ECU100は、アシストモータ206がアシスト可能状態にある場合に、VGRS500によるステアリングギア比の制御範囲をモータ回転速度ωに応じて制限する。即ち、ECU100は、本発明に係る「第3制御手段」及び「制限手段」の一例として機能する。
この際、ECU100は、好適な一制御形態として、駆動量ω VGRS が上記(6)式を満たすように、ステアリングギア比の制御範囲を制限する。一方で、アシストモータ206が発電状態にある場合、第1実施形態の制御を踏襲すれば、アシストモータ206は非駆動状態となるから、VGRS500の動作に実質的な制限はなくなり、ステアリングシャフト202の回転角たる操舵角に応じた通常のステアリングギア比の制御が実現される
このように、本実施形態によれば、アシストモータ206が発電状態にある場合には操舵角に応じてVGRSモータの駆動制御を行い、アシストモータ206がアシスト可能状態にある場合には操舵角に応じたVGRSモータの駆動制御をアシストモータ206に係るモータ回転速度ωに応じて制限することによって(或いは単に、VGRSモータの駆動状態をアシストモータ206に係るモータ回転速度ωに応じて制御することによって)、操舵力を可及的に広範囲でアシストしつつ、車両20の旋回性能を可及的に担保することが可能となる。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の操舵制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係る車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図1の車両に備わる駆動装置のブロック図である。 図1の車両においてECUにより実行される操舵制御のフローチャートである。 図1の車両における操舵トルクMTに対する目標アシストトルクTmtgの一変化特性を表す模式図である。 図1の車両におけるモータ回転速度ωに対するモータ指示電圧Vq及びアシストトルクTmの一特性を例示する模式図である。 図3の操舵制御の実行過程において適宜実行される第1処理のフローチャートである。 図1の車両におけるモータ指示電圧Vqに対する上限回転速度ω1の一特性を例示する模式図である。 図3の操舵制御の実行過程において適宜実行される第2処理のフローチャートである。 図1の車両におけるバッテリ電圧Vbatに対する最大指示電圧Vqmaxの一特性を例示する模式図である。 図1の車両における最大指示電圧Vqmaxに対する復帰回転速度ω2の一特性を例示する模式図である。 図3の操舵制御の実行過程において適宜実行される第3処理のフローチャートである。 図1の車両におけるモータ回転速度ωに対する復帰時指示電圧Vqrtnの一特性を例示する模式図である。 本発明の第2実施形態に係る車両20の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
符号の説明
FL、FR…車輪、10…車両、100…ECU、200…EPS、201…ハンドル、202…ステアリングシャフト、203…ピニオンシャフト、204…ラックアンドピニオン機構、204a…ピニオンギア、204b…ラックバー、205…トルクセンサ、206…アシストモータ、207…回転センサ、208…駆動装置、208A…PWM回路部、208B…リレー部、208C…駆動部、300…エンジン、400…バッテリ。

Claims (6)

  1. 操舵軸に対しアシスト操舵力を付与可能なモータと、
    前記モータに対し駆動電圧を供給することにより前記モータを駆動可能な駆動手段と
    を有する電動パワーステアリング装置を備えた車両における操舵制御装置であって、
    前記操舵軸に対し所定種類の操舵量に応じた前記アシスト操舵力を付与すべく所定の上限電圧以下の範囲で前記駆動電圧が供給されるように前記駆動手段を制御する第1制御手段と、
    ドライバの操舵操作に伴う前記モータの回転方向の反転を伴わない操舵期間において、前記モータの回転速度及び前記供給される駆動電圧に基づいて前記モータが発電状態に対応する状態にあるか否かを判別する判別手段と、
    前記モータが前記発電状態に対応する状態にある旨が判別された場合に、前記モータの発電量が減少するように前記駆動手段を制御する第2制御手段と
    を具備することを特徴とする車両の操舵制御装置。
  2. 前記判別手段は、前記供給される駆動電圧に基づいて設定される、前記アシスト操舵力を付与可能な前記モータの回転速度の絶対値の上限を規定する上限回転速度と、前記モータの回転速度の絶対値とを比較することにより、前記モータが発電状態に対応する状態にあるか否かを判別する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の操舵制御装置。
  3. 前記第2制御手段は、前記駆動電圧の供給が遮断されるように前記駆動手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の操舵制御装置。
  4. 前記第1制御手段は、前記モータの状態が前記発電状態から前記発電状態にない旨に相当するアシスト可能状態へと変化した場合に、前記アシスト操舵力を目標値まで徐変させる
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両の操舵制御装置。
  5. 前記第1制御手段は、前記アシスト操舵力を徐変させる際の初期値がゼロとなるように前記駆動手段を制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の車両の操舵制御装置。
  6. 前記車両は、少なくとも前記モータの上流側に操舵角と実舵角との比たるステアリングギア比を変化させることが可能なステアリングギア比可変装置を更に備え、
    前記車両の操舵制御装置は、
    前記操舵量に応じて前記ステアリングギア比が変化するように前記ステアリングギア比可変装置を制御する第3制御手段と、
    前記モータが発電状態に対応する状態にない旨が判別された場合に、前記モータの回転速度に応じて前記ステアリングギア比の制御範囲を制限する制限手段と
    を具備することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両の操舵制御装置。
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