つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1〜図3は、本発明の写真プリント提供装置の一実施の形態を示す図である。図1は筐体1を含む装置の断面図、図2は筐体1の撮影側からみた斜視図、図3は編集側からみた装置全体の斜視図である。
この写真プリント提供装置は、図1に示すように、正面,背面,側面および内部に各種の装置が設けられた筐体1を備え、上記筐体1の正面側(図1の右側,図2で見えている側)で撮影プレイを行ない、背面側(図3で見えている側)で撮影画像の編集プレイを行い、筐体1の側面(図1で見えている側)で写真プリントの提供を受けるようになっている。
すなわち、この写真プリント提供装置では、筐体1の正面側が本発明の撮影プレイ提供部であり、筐体1の背面側が本発明の編集プレイ提供部であり、筐体1の側面が本発明のプリント提供部である。そして、上記撮影プレイ提供部、編集プレイ提供部、プリント提供部では、撮影プレイ、編集プレイ、プリントの提供を同時に行なうことができるように構成されるとともに、一連の撮影プレイ,編集プレイおよびプリントの提供をそれぞれ異なる場所で利用者2に提供することにより、顧客の流れがスムーズになるうえ、店舗の状況にあわせた装置の設置が可能となる。
上記筐体1の正面側には、被写体2のバックとなる領域に、バックスクリーンユニット3が設けられている。上記筐体1とバックスクリーンユニット3は、天井部4aと支持枠材4bで連結されており、天井部4aにはその出入口となる部分にカーテン5aが吊設されている。そして、上記筐体1,バックスクリーンユニット3,天井部4a,カーテン5aにより、本発明の撮像領域である撮影プレイ用空間31が形成されている。
一方、上記筐体1には、その背面側に突出するように支持枠材4cが取り付けられ、その先端部にカーテン5bが吊設されている(図2,図3では図示を省略している)。そして、上記筐体1の背面側とカーテン5bとの間に、編集プレイ用空間32が形成されている。
上記筐体1の正面には、プレイの対価としての硬貨を投入する硬貨投入口15が設けられ、この硬貨投入口15の近傍に設けられた対価受領部としての硬貨検出部34(図4参照)が設けられている。そして、上記硬貨検出部34が投入された硬貨を検出することにより、撮影プレイが開始され、撮影プレイ後に撮影画像に対して編集プレイを行い、編集された撮影画像が印刷され写真プリントとして提供されるようになっている。
上記筐体1の内部には、撮影プレイ用空間内の使用者2を含む被写体2を撮像するカメラ6が設けられている。上記カメラ6の前面は透明板10で覆われている。上記カメラ6前面の透明板10の下側には、上記カメラ6で撮影された動画としての撮影画像すなわち撮影動画を表示するライブモニタ20が設けられている。上記ライブモニタ20に表示された表示画像は利用者2が目視確認できるようになっている。この例では、上記ライブモニタ20は、カメラによるライブ映像をリアルタイム表示する本発明のライブモニタとして機能するとともに、必要な情報を表示する本発明の表示手段としても機能する。なお、ライブモニタ以外に必要な情報等を表示したりデータ入力を行う液晶タブレット等の表示手段を設けてもよい。必要な情報としては、タイトルデモ、操作を案内する表示、操作を待機する表示、選択を促す表示、利用者を誘導する表示、注意を促す表示などがあげられる。
カメラ6からの撮像映像が、利用者の目から上下左右正しく見えるようにするため、ライブモニタ20には適宜反転されて表示される。一般に、被写体2が右に動けば利用者2が目視確認できる撮影動画も右に動いた方が撮影の操作性がよくなるため、従来公知の反転回路等でカメラ6からの撮影動画を反転することが行われる。
上記透明板10およびライブモニタ20の周囲には、半透明の乳白板11が設けられ、上記乳白板11の背後には、撮影プレイ中において、上記カメラ6による撮像中に被写体2を常時照明する正面蛍光灯17と、シャッタ操作によって静止画を撮影するときに発光させる正面ストロボ7とが設けられている。
上記筐体1の正面には、撮影プレイの操作を行なう操作パネル16aが設けられている。上記操作パネル16aには、操作入力の選択入力や切換入力を行う切換ボタン22a,22bと、上記切換ボタン22a,22bの選択入力や切換入力を決定する決定ボタン14と、決定した入力を一旦キャンセルするキャンセルボタン13が設けられている。上記切換ボタン22a,22bは、右側と左側にそれぞれ1組ずつ設けられ、それぞれ選択入力や切換入力を行いうるようになっている。
上記切換ボタン22a,22b,決定ボタン14,キャンセルボタン13は、本発明のコース選択手段として機能するもので、あらかじめ準備された複数の撮影コースのうち使用者所望の撮影コースを利用者2に選択させる。そして、撮影プレイにおいて上記ライブモニタ20には、選択された撮影コースに応じて他の撮影コースと異なるよう設定された表示画面が表示される。
具体的には、後述するように、上記カメラ6によるライブ映像と合成するフレームや背景等の記憶画像を格納する記憶画像格納部(記憶手段)としての低解像度画像群93と、上記低解像度画像群93から読み出されたフレームや背景とライブ映像をリアルタイム合成する第1合成手段90とを備え(図4参照)、上記撮影プレイでは、上記コース選択手段で選択された撮影コースに応じたフレームや背景が読み出されてリアルタイム合成されるとともに、上記リアルタイム合成された合成画像がライブモニタ20にリアルタイム表示される。
このとき記憶手段から読み出されるフレームや背景は、フレームや背景等の単位画像を複数枚組み合わせてできた基本画像から、上記単位画像であるフレームおよび背景を選択(抽出)して得られたものが用いられる。また、後述する撮影コースによっては、基本画像からフレームや背景を選択するのではなく、基本画像との関連ではなく単独で準備されたフレームや背景を直接読み出される。
また、上記切換ボタン22a,22b,決定ボタン14,キャンセルボタン13は、切換入力手段としても機能するもので、後述するように、フレームや背景の記憶画像の切換入力を可能とする。また、上記決定ボタン14は、本発明のシャッタ手段として機能するもので、この決定ボタン14の操作によってカメラ6によって撮影されている被写体2のライブ映像から所望の瞬間の静止画像を撮影する。
また、筐体1から離れてポーズをとる場合に、撮影ごとに筐体1まで移動せずに操作できるように、筐体1以外の装置内部の壁面等に同じ機能を有する別の操作パネル16bが設けられている。この例では、撮影プレイ用空間31の左壁面に切換ボタン22a,22b、決定ボタン14、キャンセルボタン13を有する操作パネル16bが設けられている。また、撮影プレイ用空間31の左壁面には左側の切換ボタン22a、決定ボタン14、キャンセルボタン13を有する操作パネルを設け、右壁面には右側の切換ボタン22b、決定ボタン14、キャンセルボタン13を有する操作パネルを設けることもできる。このようにすることにより、複数人でプレイする時に操作性が良好になる。
また、上記筐体1の正面には、プレイ待ち状態の際のデモンストレーション音声や撮影プレイの際の案内音声等を出力するスピーカ18aが設けられている。この、スピーカ18aは、選択された撮影コースに応じて他の撮影コースとは異なるように設定された音声を出力する第1音声出力手段として機能する。
上記バックスクリーンユニット3は、ある程度の光透過性を有するスクリーン26を備えている。このスクリーン26の被写体2と反対側には、撮影プレイ中において、上記カメラ6による撮像中に被写体2を常時照明するバック蛍光灯28と、シャッタ操作によって静止画を撮影するときに発光させるバックストロボ27とが設けられている。上記スクリーン26は、記憶画像である背景と被写体2の撮影映像との合成が行ないやすい色に着色されている。例えば、上記合成がクロマキー合成で行なわれる場合には、ブルースクリーンやグリーンスクリーン等が好適に用いられる。
一方、天井部4aには、シャッタ操作によって静止画を撮影するときに、被写体2を頭上から照明する天井ストロボ24が設けられている。筐体1正面の正面ストロボ7,バックストロボ27,天井ストロボ24は、切換ボタン22a,22bおよび決定ボタン14によってどのストロボを発光させるかを選択したり、発光させるストロボの組み合わせや発光バランス等が異なる照明モードを選択したりしうるようになっている。
上記筐体1の正面側では、利用者2は、撮影プレイ用空間31に入って硬貨投入口15に硬貨を投入して撮影プレイを行なう。
上記撮影プレイでは、まず、使用者2による切換ボタン22a,22bおよび決定ボタン14の操作により、撮影コースの選択が行なわれる。そして、ライブ映像と合成するフレームや背景等を含む基本画像が撮影コースに応じて準備されている。上記カメラ6によるライブ映像をライブモニタ20に表示する際、撮影コースに応じた基本画像から単位画像であるフレームや背景が読み出されてライブ映像と第1合成手段90でリアルタイム合成され、その合成画像がライブモニタ20にリアルタイム表示される。このとき、第1合成手段90で合成するフレームや背景等の合成用画像として低解像度の確認用画像が用いられる。
一方、撮影コースによっては、基本画像から単位画像を読み出すのではなく、単独でフレームおよび背景として記憶されたフレームおよび背景を直接読み出し、使用者2による切換ボタン22a,22bの操作により記憶画像の切換入力を可能とする。この切換入力に応じて、撮像動画に合成する記憶画像を切り換えてリアルタイム合成する。そして、リアルタイム合成された合成映像をリアルタイムでライブモニタ20に切換表示し、決定ボタン14によるシャッタ操作により、上記切換表示される合成映像のうち所望の記憶画像が使用された合成映像を決定して所定タイミングの静止画50として固定する。
上記撮影プレイが終了すると、被写体2は筐体1の背面側に移動して編集プレイを行なう。つぎに、編集プレイが行なわれる筐体1の背面側について説明する。
上記筐体1の背面側には、編集プレイにおける編集入力を行う編集入力パネル23が設けられている。上記編集入力パネル23には、上記カメラ6による撮影プレイにおいて、所定のシャッタタイミングで撮影された静止画50としての撮影画像を表示し、その状態で編集入力を受け付ける編集用ディスプレイ8と、上記編集用ディスプレイ8に対して編集入力を行なうタッチペン12とを備えている。
このとき、上記編集用ディスプレイ8に表示される合成画像は、静止画50としての撮影画像とフレームや背景等の合成用画像とが第2合成手段60(図4参照)で合成された合成画像である。また、上記第2合成手段60で使用される合成用画像として高解像度の印刷用画像が使用される。
上記編集用ディスプレイ8は、例えば液晶タブレット等が用いられ、表示プロセッサ,モニタ部,タッチパネルとから構成されている。そして、上記編集用ディスプレイ8のモニタ部に表示される操作指示に従って、タッチペン12の先端を編集用ディスプレイ8の表面にあるタッチパネルに軽く接触させることにより、各種の操作信号が入力され、画像や情報の表示とともにデータの入力を行ない得るようになっている。
また、上記タッチペン12の先端を編集用ディスプレイ8表面のタッチパネルに接触させて文字や図形等を描いて入力しうるようになっており、手描き入力された文字・図形等の画像データやスタンプ画像等が、第2合成手段60(図4参照)により、カメラ6で撮影されて固定された被写体2の静止画50と合成され、その編集後画像が編集用ディスプレイ8のモニタ部に表示されるとともに、後述するようにプリンタ9で印刷出力されるようになっている。
ここで、上記編集プレイには上記複数の撮影コースに応じて編集コースが複数準備され、上記各編集コースにおいて上記編集用ディスプレイ8には、選択された撮影コースに関連して他の編集コースと異なるよう設定された表示画面が表示されるように制御される。
具体的には、後述するように、上記編集プレイ提供部における編集手段である第2コンピュータ装置38(図4参照)は、編集用ディスプレイ8に表示され使用者2によって選択された編集入力ツールに応じた編集を行うように制御し、上記編集プレイの各編集コースでは、選択された撮影コースに関連して他の編集コースと異なるよう設定された編集入力ツールが表示されて撮影コースに対応した編集を行い得るように制御される。
18bは編集プレイの案内音声等を出力するスピーカである。このスピーカ18bは、上記編集プレイ提供部には、選択された撮影コースに関連して他の編集コースとは異なるように設定された音声を出力する第2音声出力手段として機能する。
上記筐体1の側面には、印刷された写真プリントが排出される送出口19が設けられ、編集プレイを終えた利用者2は、この送出口19の前で印刷が終了するのを待って写真プリントの提供を受けるようになっている。
つぎに、上記写真プリント提供装置のシステム構成について説明する。
図4に示すように、この装置は、主として撮影プレイを制御する第1コンピュータ装置37と、主として編集プレイおよびプリント提供を制御する第2コンピュータ装置38とを備えている。
この写真プリント提供装置は、フレームや背景等を含む記憶画像として撮影画像の画像範囲よりも大きな画像範囲の基本画像が記憶されている。そして、上記撮影プレイにおいて、上記基本画像から撮影画像の画像範囲と略同じ画像範囲の単位画像を抽出し、その抽出された単位画像と撮影画像を合成して合成画像を生成し、その合成画像を印刷出力する。
このように、ひとつの基本画像から抽出された単位画像を使用した合成画像を印刷出力するため、できた写真プリントは、撮影画像に合成された単位画像が相互に関連性を有した画像パターンとなり、利用者は絵柄に関連性のある写真プリントをたくさん得ることができる。そして、単位画像を使用した合成画像を複数集めることにより、元の基本画像の全貌が明らかになることから、利用者に対してそれらを集める楽しみを与えることができる。利用者は、装置を再利用して多くの写真プリントを収集しようとし、利用者同士での写真プリントの交換を頻繁にして関連性のある写真プリントをもっとたくさん集めようとする。このように、この装置では、利用者の再利用と交換に対する強い動機付けが働き、再利用を促進することができる。
また、上記撮影プレイでは、利用者の好みで選択した撮影コースに応じた背景やフレームがライブ映像にリアルタイム合成された合成画像を見ながら撮影プレイを行なえ、コース独自の雰囲気を味わいながら撮影プレイを行なうことができる。また、編集プレイでは、選択された撮影コースで合成された背景やフレームに関連した編集入力ツールが表示され、選択された撮影コースに関連したスタンプ画像の入力を行なう等の編集プレイを行なうことができるようになる。このように、撮影プレイと編集プレイで一貫した雰囲気を味わうとともに、独自の雰囲気を持った写真プリントを作成することができるのである。
このように、撮影コースを利用者の趣向に応じて選択できるだけでなく、編集プレイでは、選択された撮影コースに応じて準備された編集コースが自動的に選択されて編集プレイが行なわれ、その編集プレイにおいては、コース独自の編集が行なえる。
したがって、利用者は、所望の撮影コースを選択することにより、選択された撮影コースに応じて他の撮影コースと異なる独自の雰囲気を味わいながら撮影プレイを行なうことができる。そして、撮影プレイが終了して編集プレイに移行すると、上記選択された撮影プレイに対応した編集プレイが自動選択され、選択された撮影コースの雰囲気と関連した表示画面が表示され、撮影プレイで味わったコース独自の雰囲気を引き続き編集プレイでも味わいながらプレイすることができるようになる。このように、利用者は、コースの雰囲気を存分に味わいながら撮影プレイを行い、引き続きその雰囲気での編集プレイを行なうことができるようになる。このとき、編集プレイは選択された撮影プレイに応じて自動選択されることから、利用者は撮影プレイ開始の際に撮影コースを選択するだけの操作で、撮影から編集まで一貫した雰囲気でプレイでき、必要以上に操作が煩雑にならない。
さらに、この装置は、第1コンピュータ装置37に、上記カメラ6によるライブ映像である撮像動画と合成用画像とを合成して合成映像を生成する第1合成手段90を備え、第2コンピュータ装置38に、上記撮像動画が決定ボタン14によるシャッタ操作で固定された静止画50と合成用画像とを合成して合成画像を生成する第2合成手段60を備えている。そして、上記第1合成手段90による第1合成画像をライブモニタ20にリアルタイム表示して被写体2に合成映像の目視確認を可能とし、上記第2合成手段60で生成された合成画像をプリンタ9で印刷して写真プリントとして提供するようになっている。
ここで、第1合成手段90で使用される合成用画像としては、上記ライブモニタ20に合成動画として表示して使用者2に目視確認させるための確認用画像であり、比較的低解像度のフレーム画像や背景画像が、記憶手段としての低解像度画像群93として格納されている。
また、第2合成手段60で使用される合成用画像としては、シャッタ操作で固定された静止画50と合成して印刷するための印刷用画像であり、上記確認用画像の解像度よりも高解像度の画像が使用される。そして、この高解像度のフレーム画像や背景画像が、記憶手段としての高解像度画像群94として格納されている。
上記第2合成手段60で用いられる印刷用画像は、第1合成手段90で用いられた確認用画像に対応した実質的に同じ画像パターンの画像であり、上記低解像度画像群93に記憶された確認用画像とその確認用画像に対応する高解像度画像群94の印刷用画像とを対応付ける対応化手段(図示せず)を備えている。
このように、第1合成手段90に用いる確認用画像と第2合成手段60に用いる印刷用画像を別に準備し、ライブモニタ20による確認用の合成処理とプリンタ9による印刷用の合成処理をそれぞれ別個に行なうため、制御処理の負荷が分散されて処理速度の低下が少なく、使用者にストレスを感じさせない。また、確認用として画素の少ない低解像度画像を使用し、印刷用として画素の多い高解像度画像を使用することにより、確認用の合成処理や表示処理においては、データ量の少ない低解像度画像を使用して負荷の少ない状態で処理を行い、印刷用の合成処理や印刷においては、高解像度画像を用いることにより、画質に優れた美麗な写真プリントを作成することができる。
より詳しく説明すると、図4に示すように、この装置では、主として撮影プレイを制御する制御手段としての第1コンピュータ装置37と、主として編集プレイおよび印刷を制御する制御手段としての第2コンピュータ装置38とを備えている。上記第1コンピュータ装置37と第2コンピュータ装置38とは、直接、あるいはネットワークハブ(図示せず)等を介してデータ伝送可能に接続されている。
まず、第1コンピュータ装置37について説明する。
上記第1コンピュータ装置37には、カメラ6,ライブモニタ20,ストロボ制御回路36,第1制御回路39が接続されている。上記ストロボ制御回路36は、正面ストロボ7,バックストロボ27,天井ストロボ24、それぞれの発光の有無,発光バランス,発光タイミング等を制御する。
上記第1制御回路39は、硬貨検出部34,サービスパネル40a,スピーカ18a,操作パネル16a,16bを制御する。上記操作パネル16a,16bには、上述したように、切換ボタン22a,22b,決定ボタン14,キャンセルボタン13が設けられている(図2参照)。
上記サービスパネル40aは、設置した装置を運営するものが操作するもので、投入された硬貨の枚数をカウントするコインカウンタ、スピーカから出力する音量を調整する音量調整つまみ、装置の撮影側で必要とするメンテナンスモードを行うためのメンテナンスボタン、テストプレイなど硬貨を投入しなくても装置が利用できるようにするためのサービスボタンなどが備えられている。
上記第1コンピュータ装置37は、CPU44,メモリ45,ドライバ46,通信手段47等を備え、具体的には、記憶装置41と第1合成手段90とを備えている。
上記記憶装置41は、主として撮影プレイを制御する制御プログラム48と、上記制御プログラム48に従ってライブモニタ20に表示される操作画面49と、シャッタ操作によりカメラ6で固定された静止画50とが記憶されている。この静止画50は、フレームや背景が合成されたものではなく、撮影領域の被写体2をそのまま撮影したもので、被写体2とそのバックのスクリーン26とが写り込んだものである。
後述するが、上記制御プログラム48において、この例では複数の撮影コースとして、「ノーマルモード」「ストーリーモード」の2つのモードを有している。上記「ノーマルモード」のなかに、さらに「カラフル」「ポップ」「ゴージャス」の3つのジャンルを有している。「ストーリーモード」のなかには、さらに「シチュエーション」「セレクト」「おまかせ」の3つのタイプを有し、シチュエーションとして「学校」「ショッピング」「遊園地」等を有している。この例において「モード」「ジャンル」「タイプ」と称されているものおよび、「学校」「ショッピング」「遊園地」等の各シチュエーションは、すべて「撮影コース」ならびに「編集コース」に含まれうるものである。
上記制御プログラム48では、利用者に対して「ノーマルモード」「ストーリーモード」ならびに「カラフル」「ポップ」「ゴージャス」「シチュエーション」「セレクト」「おまかせ」の撮影コースの選択を促し、選択された撮影コースでの撮影プレイを実行するようになっている。
また、上記記憶装置41は、上記カメラ6による動画である撮像動画と合成するフレームや背景等の記憶画像を格納する本発明の記憶手段として機能するものであり、撮影画像と合成されるフレーム画像および背景画像の元となる基本画像が記憶されている。
上記記憶装置41に記憶された基本画像は、撮影画像の画像範囲よりも大きな画像範囲の基本画像であり、図5に示す抽出手段95により、上記基本画像からフレーム画像や背景画像等となる単位画像を切り出す等によって抽出し、第1合成手段90により撮影画像と合成することが行なわれる。ここで、上記抽出手段95は、上記基本画像から撮影画像の画像範囲と略同じ画像範囲の単位画像(フレーム画像および背景画像)を抽出する。すなわち、上記第1合成手段90は本発明の合成部として機能し、抽出手段95は本発明の抽出部として機能し、以下の説明において「フレーム」や「背景」等は、基本画像から抽出された単位画像である。
この例では、上記基本画像は、複数の単位画像を含んで構成されるとともに、複数の単位画像が相互に重ならずに並べられた状態で構成されている。そして、上記抽出手段95は、上記複数の単位画像のうちいずれかの単位画像を選択することにより単位画像を抽出するようになっている。
このようにすることにより、抽出処理が簡略化されて処理負荷が軽減され、処理速度の確保等に有利である。また、1つの基本画像から抽出された複数の単位画像を並べた状態で元の基本画像が完成することから、各単位画像が使用された写真プリントをパズルのように並べてもとの基本画像を完成させる楽しみを利用者に与えることができる。また、利用者がカメラ6に近づいて撮影し、撮影画像に占める被写体の面積が大きくなった場合でも、フレームや背景等の単位画像が並ぶことにより周囲の雰囲気がよくわかるようになる。また、この状態では、大きな基本画像の中にたくさんの被写体が色々なポーズで並んだ画像となり、利用者の楽しみが一層大きくなる。
また、上記記憶装置41に記憶されたフレーム画像および背景画像を含む基本画像は、上述した各撮影コースに応じてコースの雰囲気を有する画像パターンのものが準備され記憶されている。
例えば、「ノーマルモード」の「カラフル」「ポップ」「ゴージャス」に対応して、それぞれ、フレーム画像および背景画像として、カラフルな色彩の画像、ポップな色調の画像、ゴージャスな雰囲気の画像が記憶されている。そして、ジャンル(撮影コース)の選択により、当該ジャンルに属するフレームや背景が読み出されて撮影プレイが行なえるようになっている。なお、「ノーマルモード」の場合は、基本画像からフレームや背景を抽出することは行なわれず、基本画像との関連ではなく単独で記憶されたフレームおよび背景が直接読み出されて使用される。
また、「ストーリーモード」のシチュエーションとして、「学校」「ショッピング」「遊園地」に対応して、それぞれ、フレーム画像および背景画像を含む基本画像として、学校の風景、ショッピングの風景、遊園地の風景が記憶されている。各シチュエーション(撮影コース)に対応して、それぞれ複数の基本画像からなる基本画像群が準備されている。そして、シチュエーション(撮影コース)の選択により、当該シチュエーションに属する基本画像群がそれぞれ読み出され、利用者はそれらの基本画像群の基本画像からフレームや背景を抽出し、そのフレームや背景を使用して撮影プレイが行なえるようになっている。
このように、複数の基本画像で構成される基本画像群を複数組備えたため、多くの基本画像の各基本画像からそれぞれ複数の単位画像を抽出して合成画像を生成し写真プリントとして出力することから、提供できる写真プリントのバリエーションが増大する。また、基本画像群ごとに絵柄の傾向をそろえ、各基本画像群に対応する撮影コースを設定し、利用者が選択した撮影コースにおいてそのコースに対応した基本画像群の基本画像から単位画像を抽出して合成画像を生成し写真プリントとして提供するため、撮影コースに応じた雰囲気の写真プリントを数多くの種類提供することができる。
また、この記憶装置41に記憶されたフレーム画像および背景画像を含む基本画像は、上記ライブモニタ20に合成映像として表示して使用者2に目視確認させるための低解像度の確認用画像であり、低解像度画像群93すなわち低解像度背景画像群51および低解像度フレーム画像群52として格納されている。
上記第1合成手段90は、本発明の背景合成手段であるアンダーレイ合成手段42および本発明の前景合成手段であるオーバーレイ合成手段43、必要に応じてキャプチャー(図示せず)とから構成されている。上記アンダーレイ合成手段42およびオーバーレイ合成手段43は、上記記憶画像格納部から読み出された記憶画像と動画すなわちライブ映像である撮像動画をリアルタイム合成する。
上記アンダーレイ合成手段42は、上記カメラ6による撮像映像から被写体2を抽出する第1抽出手段(図示せず)を備え、上記第1抽出手段で抽出された被写体以外の部分に、低解像度背景画像群51から背景画像を読み出してリアルタイムに合成する。
また、上記オーバーレイ合成手段43は、低解像度フレーム画像群52からフレーム画像を読み出して、上記アンダーレイ合成手段42で動画に背景が合成された画像に、さらにフレーム画像を前景として合成する。そして、上記オーバーレイ合成手段43で合成された動画と背景とフレーム画像とがリアルタイム合成された合成動画は、ライブモニタ20に出力されてリアルタイム表示される。
このように、被写体2の背景がアンダーレイ合成されるとともに、被写体2の前景となるフレームがオーバーレイ合成され、その状態で被写体2の撮像動画がリアルタイム合成されて使用者によって目視確認できる。このとき、上述したように、利用者が選択した撮影コース(「カラフル」「ポップ」「ゴージャス」等のジャンルや「学校」「ショッピング」「遊園地」等のシチュエーション)の雰囲気に応じた画像パターンのフレームや背景が使用されることから、選択した撮影コースの雰囲気を十分に味わいながら撮影することができる。そして、単位画像を背景や前景として合成した合成画像を写真プリントとして提供でき、多様な表現の写真プリントを提供できる。
また、「ノーマルモード」では、この状態で、フレームや背景の切換入力と切換表示を可能とすることにより、従来のように単にフレームに変化を持たせるだけではなく、フレームと背景との双方に変化を持たせた写真プリントが得られる。しかも、フレームと背景双方の切換入力と切換表示が可能となり、より趣向を凝らした撮影プレイが可能となる。特に、フレームや背景としてデータ量の小さい低解像度の確認用画像を使用していることから、切換表示の際の処理負荷が小さくてすみ、スムーズな切換表示を実現して使用者にストレスを与えない。
上記操作パネル16a,16bは、上述したように、切換ボタン22a,22b,決定ボタン14,キャンセルボタン13を含んで構成されている。使用者2による切換ボタン22a,22bの操作により、上述した撮影コースの選択を行なうことができるようになっている。
また、「ストーリーモード」の各シチュエーション「学校」「遊園地」「ショッピング」等には、それぞれ複数の基本画像が準備されており、各基本画像から単位画像が抽出される。このとき、抽出する単位画像すなわちフレームや背景は、自動的に選択し抽出することもできるし、使用者2による切換ボタン22a,22bの操作により選択し抽出することもできるようになっている。
このように、利用者による切換ボタン22a,22bに対する操作入力に応じて単位画像の抽出を行なうようにすることにより、単位画像を組み合わせて基本画像を完成させて遊ぶ場合に、基本画像を完成させるのに不足な部分など、利用者が欲しい単位画像を選択して合成画像を生成することができ、既に持っていて不要な画像ばかりが連続して利用者に不満を与えることがなくなる。
「ノーマルモード」では、低解像度背景画像群51および低解像度フレーム画像群52に格納されているフレームや背景の一覧からフレームおよび背景の切換入力が可能となっている。なお、「ノーマルモード」の場合は、上述したように、単独で記憶されたフレームおよび背景が直接に読み出されて使用される。
「ノーマルモード」の「カラフル」「ポップ」「ゴージャス」等の選択されたジャンルに属するフレームや背景がそれぞれ複数読み出されて表示され、利用者にはそれらの中から所望のフレームや背景をそれぞれ切り換え選択して撮影プレイが行なえるようになっている。
そして、上記切換ボタン22a,22bによるフレームや背景の切換入力に応じ、オーバーレイ合成手段43およびアンダーレイ合成手段42は、撮像動画に合成するフレームおよび背景を切り換えてリアルタイム合成する。このリアルタイム合成された合成映像は、ライブモニタ20においてリアルタイムで切換表示される。
このようにすることにより、使用者2は、リアルタイム表示される使用者2自身の撮像動画の映像と、切換表示されるフレームや背景とのリアルタイム合成映像を目視確認しながら、順次フレームや背景の切換入力を行ないながら、その合成映像をリアルタイムで目視確認できる。このときリアルタイム表示される合成映像は、撮影コースに応じた雰囲気を有するものであり、利用者2は、コースの雰囲気を味わいながら撮影プレイを行なうことができる。また、所望のフレームや背景を探したり、フレームや背景の絵柄に合わせたポーズや表情を決めるなど、趣向を凝らした撮影プレイが可能となる。
操作パネル16a,16bにおける、左側の切換ボタン22aは、上記背景の切換入力を行なう背景切換入力手段として機能し、右側の切換ボタン22bは、上記フレームの切換入力を行なうフレーム切換入力手段として機能する。そして、撮影プレイのコースに応じ、上記背景の切換入力とフレームの切換入力を、左右の切換ボタン22a,22bでそれぞれ別個に行いうるように構成されている。
例えば、複数の利用者(たとえばAさんとBさん)で撮影する場合、1組の切換ボタンでは、背景とフレームを単独に選択する場合に、2人で操作すると手がぶつかったり、1人でも背景とフレームを左右に振り分けた表示レイアウトでは操作イメージがつかみにくい。2組としたことにより、例えば、Aさんは左の切換ボタン22aで背景画像を選択し、Bさんは右の切換ボタン22bでフレームを選択することが可能となる。また、2人の間に少し距離をおいて操作できるため操作性が向上する。
そして、背景は背景で切換入力し、フレームはフレームで切換入力することにより、フレームと背景の組合せを使用者が自由に選べてより趣向を凝らした撮影プレイが可能となるうえ、変化に富んだ写真プリントの提供が可能となる。このときも、フレームや背景としてデータ量の小さい低解像度の確認用画像を使用していることから、切換表示の際の処理負荷が小さくてすみ、スムーズな切換表示を実現して使用者にストレスを与えない。
さらに、第1合成手段90には、撮像動画にフレームを合成するオーバーレイ合成手段43と、背景を合成するアンダーレイ合成手段42とを有しているため、フレームと背景の切換入力に応じてそれぞれ別個に合成処理を行なうため、制御処理の負荷が分散されて処理速度の低下が少なく、使用者にストレスを感じさせない。
また、「ストーリーモード」では、上記背景とフレームの所定の組合せがあらかじめ設定されている。この「ストーリーモード」では、基本画像からのフレームや背景の抽出が行なわれ、抽出されたフレームおよび背景が合成される。
「ストーリーモード」の「シチュエーション」タイプでは、「学校」「ショッピング」「遊園地」のシチュエーションが選択でき、選択されたシチュエーションに属する基本画像がそれぞれ読み出され、複数のシーン(各シーンではそれぞれ異なるフレームと背景が選択される)のフレームと背景が自動的に切り替わりながら撮影が行なわれる際、各撮影の際に使用されるフレームと背景は、上記基本画像から抽出されたものが使用される。
「ストーリーモード」の「セレクト」タイプでは、「学校」「ショッピング」「遊園地」の各シチュエーションにおいて、自動的に選択されたフレームと背景の組合せによりそれぞれ撮影が行なわれ、3つのシチュエーションによる撮影が行なわれる。ここでの各撮影の際に使用されるフレームと背景も、上記基本画像から抽出されたものが使用される
「ストーリーモード」の「おまかせ」タイプでは、「学校」「ショッピング」「遊園地」の全シチュエーションの中から、ランダムに自動選択されたフレームと背景の組合せにより所定回数の撮影が行なわれる。ここでの各撮影の際に使用されるフレームと背景は、上記基本画像から抽出されたものが使用される。
また、上記切換ボタン22a,22bの操作により、上記組合せ単位で切換入力が行なわれるように構成することもできる。このとき、利用者の操作入力により、所望の単位画像すなわちフレームと背景を選択することもできるのであり、利用者は、表示されたフレームと背景が既に持っているフレームおよび背景であれば、操作入力により切り換えて自分が欲しいフレームと背景を選んで撮影することができる。この場合のように、2組の切換ボタン22a、22bを必要としない操作の場合は、どちらか1組の入力だけを受け付けてもよいし、2組どちらの入力を受け付けるようにしてもよい。
このように、フレームと背景の組合せとして絵柄的に合う組合せをあらかじめ設定し、その組合せ単位で切換入力を行うことにより、使用者2は、絵柄や色彩的に合わない組合せを選ぶ心配がなくなるうえ、無駄な操作を省くことができて、フレームや背景を探したり選んだりする時間を実質的に長くすることができる。このため、使用者2に考える時間を十分与えたり、反対にプレイ時間を短く設定して顧客回転率を向上させたりすることが可能となる。
上記撮影コースの詳細については後述するが、撮影プレイの開始時に使用者によって選択され、そのコースに応じた撮影プレイが実行されるものである。
また、上記操作パネル16a,16bには、決定ボタン14とキャンセルボタン13が設けられている。
上記決定ボタン14は、使用者による切換ボタン22a,22bの操作により上記切換表示される合成映像のうち、所望のフレームや背景が使用された合成映像を決定し、所望の瞬間の静止画50として固定するシャッタ手段として機能する。このようにすることにより、フレームや背景と撮像動画が実際に合成された状態で数多くのフレームや背景のなかから所望のフレームや背景を選択して静止画50の撮影ができるため、そのときの服装や髪型、あるいはその時の気分やプレイ仲間が誰か等に応じた最適なフレームや背景の選択を行ないやすくなる。
上記決定ボタン14の操作により撮影された被写体2の静止画50は、撮影プレイが終了すると、上記静止画50が撮影されたときに選択されたフレームおよび背景を識別する識別情報とともに第2コンピュータ装置38に伝送される。
このとき、上記撮影プレイにおいて使用者が選択した撮影コースを識別するコース識別データも併せて第1コンピュータ装置37から第2コンピュータ装置38に伝送される。そして、第2コンピュータ装置38では、上記静止画50を使用した編集プレイが実行されるのであるが、ここでの編集プレイは、上記撮影プレイで選択された撮影コースに関連した編集コースが上記コース識別データによって自動選択され、当該編集コースによる編集プレイが実行される。
上記キャンセルボタン13は、一旦決定ボタン14を操作して決定した操作入力を取消したり、一旦進んだ操作画面を戻したりする際に操作する。
つぎに、第2コンピュータ装置38について説明する。
上記第2コンピュータ装置38には、編集プレイの際に編集入力を受け付ける編集入力手段として機能する編集用ディスプレイ8と、編集プレイで編集された画像を印刷媒体35に印刷出力するプリンタ9と、スピーカ18bおよびサービスパネル40bを制御する第2制御回路62が接続されている。上記編集用ディスプレイ8には、編集入力や操作入力を行なうタッチペン12が付属している。
なお、上記サービスパネル40bは、設置した装置を運営するものが操作するもので、印刷されたプリントの枚数をカウントするプリントカウンタ、スピーカから出力する音量を調整する音量調整つまみ、装置の編集側で必要とするメンテナンスモードを行うためのメンテナンスボタンなどが備えられている。
上記第2コンピュータ装置38は、CPU44,メモリ45,ドライバ46,通信手段47等を備え、具体的には、主として編集プレイを制御する制御プログラム53が記憶された記憶装置33を備えている。
ここで、上記制御プログラム53は、上記複数の撮影コースに応じて編集コースを複数有している。そして、第1コンピュータ装置37から伝送されたコース識別データから、当該一連のプレイのうちの撮影プレイで選択され実行された撮影コースを識別し、当該撮影コースに対応した編集コースが自動的に選択されて実行される。
上記記憶装置33には、上記制御プログラム53に従って編集用ディスプレイ8に表示される操作画面57と、上記撮影プレイにおけるシャッタ操作により撮影され第1コンピュータ装置37から伝送された被写体2の静止画50とが記憶されている。
また、上記記憶装置33は、上記静止画50と合成するフレームや背景を含む基本画像等の記憶画像を格納する本発明の記憶手段として機能するものであり、フレーム画像および背景画像が記憶されている。
この記憶装置33に記憶されたフレーム画像および背景画像は、上記編集用ディスプレイ8に合成映像として表示して使用者2に目視確認させるとともに、静止画50を印刷媒体35に印刷出力する際に使用される高解像度の印刷用画像であり、高解像度背景画像群55および高解像度フレーム画像群54として格納されている。
また、上記記憶装置33には、編集プレイにおいて、タッチペン12で編集用ディスプレイ8に入力された手描き画像やスタンプ画像等の編集用画像56が格納されている。
上記制御プログラム53は、静止画50(被写体2のバックにスクリーン26が写り込んだ画像である)からスクリーン26の写り込みを除去して被写体を抽出する被写体抽出手段59と、この被写体抽出手段59で抽出された被写体画像に高解像度のフレームおよび背景を読み出して合成するとともに、この合成された画像に対し、さらに編集用ディスプレイ8に入力された編集用画像56を合成する第2合成手段60とを備えている。
上記第2合成手段60は、上記カメラ6により撮影された静止画50から被写体2を抽出する第2抽出手段(図示せず)を備え、上記第2抽出手段で抽出された被写体以外の部分に高解像度のフレームおよび背景を合成して合成画像を生成する。
上記第2合成手段60において、被写体画像に合成される高解像度のフレームおよび背景は、上記高解像度背景画像群55および高解像度フレーム画像群54として記憶装置33に格納されたものである。このとき読み出される高解像度のフレームおよび背景は、撮影プレイにおいて、決定ボタン14の操作により被写体2の静止画50を撮影したときに、選択されたフレームおよび背景と同じ色柄であるが、撮影プレイでは低解像度のフレームおよび背景(確認用画像)が使用されたのに対し、高解像度のフレームおよび背景(印刷用画像)が使用される。
すなわち、第1コンピュータ装置37と第2コンピュータ装置38には、同じ画像パターンのフレーム画像および背景画像が保存されているが、この例では、両者は同じ画像データではない。撮影プレイの際には、640×480ドット程度の画像データであれば十分使用に耐えるため、第1コンピュータ装置37には低解像度画像が格納されている。一方、編集プレイおよび印刷では高解像度な画像が求められるため、1280×1024ドット程度の高解像度画像が格納され使用される。
このように、確認用画像と印刷用画像が別に準備されているため、確認用画像の合成処理と印刷用画像の合成処理をそれぞれ別個に行なうため、制御処理の負荷が分散されて処理速度の低下が少なく、使用者にストレスを感じさせない。また、確認用画像として画素の少ない低解像度画像を使用し、印刷用画像として画素の多い高解像度画像を使用したため、確認用画像の合成処理や表示処理においては、データ量の少ない低解像度画像を使用して負荷の少ない状態で処理を行い、印刷用画像の合成処理や印刷においては、高解像度画像を用いることにより、画質に優れた美麗な写真プリントを作成することができる。
ここで、上記対応化手段では、例えば、つぎのようにして高解像度の印刷用画像と低解像度の確認用画像との対応化を行なう。すなわち、高解像度のフレームおよび背景の高解像度背景画像群55および高解像度フレーム画像群54からの読み出しを、第1コンピュータ装置37から伝送された、撮影プレイで静止画50が撮影されたときに選択されたフレームおよび背景を識別する識別情報に基づいて行なうことにより両者の対応をとるのである。
具体的には、第1コンピュータ装置37内の画像と、第2コンピュータ装置38内の画像のファイル名の一部を共通にしておく。たとえば第1コンピュータ装置37では「PICT01_1.BMP」、第2コンピュータ装置38では「PICT01_2.BMP」とし、PICT01が同じ絵柄の画像であることを示すようにすればよい。また、固有の画像番号と関連する画像ファイル名等を対応つける情報(テーブルなど)を定義しておき、そのテーブルを第1コンピュータ装置37および第2コンピュータ装置38内に保存して参照するようにすることもできる。このようにして、撮影プレイでどのフレームまたは背景を用いたかの同期をとることができる。
このように、複数のコンピュータ装置を備え、確認用画像の合成処理と印刷用画像の合成処理をそれぞれ異なるコンピュータ装置で行なうとともに、確認用合成処理を行なう第1コンピュータ装置37から印刷用合成処理を行なう第2コンピュータ装置38へのデータ転送において、画像の識別情報を転送して画像データそのものを転送しないように構成しているため、データ量の大きい画像データそのものを転送するのではなく、画像の識別情報だけを送信すればよいため、送信処理に要する負荷が軽減し、処理速度の低下が少なく、複数の制御手段間のタイムラグを少なくできる。
なお、図5に示したように、第2コンピュータ38にも第1コンピュータ37と同様の抽出手段95を設け、基本画像からフレームや背景の抽出を行なうようにしてもよい。
さらに、上述の複数のコンピュータ装置に供給する電源を、互いに独立して入り切り操作ができるような操作部(たとえば、電源スイッチ等)を備えることができる。このような場合には、一方のコンピュータ装置に、電源を切らないと復帰できないようなトラブルが発生した場合でも、この異常のあるコンピュータ装置側の電源だけを切り入りできるので、正常に動作している他方のコンピュータ装置に影響を与えない。たとえば、上述のとおり、撮影プレイと編集プレイを異なる場所で同時にプレイしているような場合に、撮影プレイ側で異常が発生しても、編集プレイ側に影響を与えず、装置を正常に復帰できるので、編集プレイ側の利用者の時間の無駄が発生することがない。
また、上記記憶装置33には、上記第2合成手段60で合成された静止画50と、高解像度のフレームおよび背景と、手描き画像やスタンプ画像等の編集用画像56との静止合成画像58が記憶される。
このとき、上記スタンプ画像等の編集用画像56は、編集コースに応じて複数種類の組合せが準備され記憶されている。そして、この編集プレイでは、自動選択された編集コースにおいて、上記編集用ディスプレイ8に、選択された撮影コースに関連して他の編集コースと異なるよう設定された編集入力ツールであるスタンプツールが表示され、撮影コースに対応したスタンプ画像を使用した編集を行い得るようになっている。
上記編集コースによる編集が行なわれた静止合成画像58は、プリンタ9により印刷媒体35に出力され、写真プリントとして提供される。このとき、フレームや背景として画質のより高解像度の印刷用画像を使用していることから、美麗な写真プリントを提供できる。
上記写真プリント提供装置の動作の一例について、図6〜図10のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、図6〜図10において、「S」はステップを意味する。
まず、全体の処理を図6に基づいて説明する。
この例で説明した装置では、使用者2は、撮影プレイ用空間31で撮影プレイを行ない、撮影プレイが終了すると、編集プレイ用空間32に移動して編集プレイを行なう。編集プレイが終了すると、筐体1側面の送出口19の前で、写真プリントが排出されるのを待つ。また、上記撮影プレイは、主として第1コンピュータ装置37で制御され、編集用プレイは、主として第2コンピュータ装置38により制御される。
まず、装置の電源が投入されると、第1コンピュータ装置37および第2コンピュータ装置38の記憶装置41,33内に記憶された制御プログラム48,53が起動し、装置が動作を開始する。装置が起動すると、第1コンピュータ装置37および第2コンピュータ装置38に接続されているそれぞれの機器のチェックが行なわれ、異常がなければ、ライブモニタ20および編集用ディスプレイ8に、タイトルデモ画面が表示される(S1)。このタイトルデモ画面表示の状態では、常に、硬貨が投入されるのを待機しており、硬貨が投入されれば次のステップに進み、硬貨の投入がなければタイトルデモ画面の表示を継続する。
使用者2が撮影プレイ用空間31に入り、硬貨投入口15に硬貨が投入され硬貨検出部34で硬貨が検出されると(S2)、ライブモニタ20には、図11に示すモード選択画面が表示される(S3)。この例において、モードとしては、「ノーマルモード」と「ストーリーモード」の2種類が準備されており、画面左側のモード選択ボタンで一時的に選択されたモードの説明が画面右側の説明画面に表示されるようになっている。
ここで、モード選択ボタンの選択切り換えは、切り換えボタン22a,22bの操作で行い、選択決定は決定ボタン14の操作で行なわれる。画面にはコースを選択できる残り時間を表示するカウンタ(図示せず)が表示され、規定時間(たとえば20秒)が最初に表示され、時間経過によりカウントが減っていく。利用者2は、カウンタが0になるまでにコースを選択決定するが、カウントが0になっても決定されなかった場合は、その時点のカーソル位置で選択されているコースが決定される。
ここで、ステップ3で「ノーマルモード」が選択されると、図12に示すジャンル選択画面が表示される(S4〜5)。上記ジャンルとしては「カラフル」「ポップ」「プリンセス」「ゴージャス」「おまかせセット」が準備されており、画面左側のジャンル選択ボタンで一時的に選択されたジャンルの説明が画面右側の説明画面に表示されるようになっている。なお、図6では、「カラフル」「ポップ」「ゴージャス」の3ジャンルだけを示している。
一方、ステップ3で「ストーリーモード」が選択されると、図13に示すシチュエーション選択画面が表示される(S6〜7)。上記シチュエーションとしては「学校」「ショッピング」「遊園地」が準備され、シチュエーションタイプを選択できるようになっている。また、このシチュエーション選択画面において、「セレクト」「おまかせ」のタイプの選択も可能となっている。画面左側の選択ボタンで一時的に選択されたシチュエーションやタイプの説明が画面右側の説明画面に表示されるようになっている。
つぎに、ステップ5またはステップ7において選択された撮影コースにより、撮影が実行される(S8)。各撮影コースの撮影動作については後述する。
一連の撮影が終了して複数の静止画50が得られると、それらのなかから編集を行なう写真を選択する写真の選択が行なわれる(S9)。ここでは、ライブモニタ20に、写真選択画面が表示され、撮影コースで複数のシャッタ操作によって得られた静止画50を一覧表示し、利用者2は表示された画像の中から好みの画像を規定枚数(全部であっても一部であってもよい)選択する。
例えば、上記写真撮影画面として、図14に示す画面が表示され、撮影された6枚の写真のサムネイルが画面左側に縦並びに表示され、選択された写真が中央に大きく表示され、選択決定により、選択決定された画像のサムネイルが上部に横並び表示される。このように、6枚撮影したなかから気に入った写真4枚を選択して編集プレイに供することができるが、このときステップ8で撮影する枚数やステップ9で選択する枚数は、例示したものに限定するものではない。これにより、この後の編集や印刷を行なう必要のない撮影画像の削除が可能となる。
上記各撮影コースの撮影において、被写体2を撮影した静止画50のうちステップ9で選択された静止画50と、その撮影に使用されたフレームおよび背景の識別情報が第1コンピュータ装置37から第2コンピュータ装置38に対して伝送される(S10)。このとき、当該撮影プレイで選択され実行された撮影コースを識別するコース識別データも合わせて第2コンピュータ装置38に伝送され、撮影プレイが終了する。
撮影プレイが終了すると、ライブモニタ20には、編集プレイ用空間32への移動を促すメッセージが音声およびライブモニタ20に表示され、使用者2は撮影プレイ用空間31から一旦出て編集プレイ用空間32に移動し、編集プレイが開始される。
第1コンピュータ装置37による撮影プレイが終了した情報を第2コンピュータ装置38が受信すると(S11)、編集プレイ側の第2コンピュータ装置38では、第1コンピュータ装置37内の静止画50とその撮影に使用されたフレームおよび背景の識別情報を読み取る(S12)。また、当該撮影プレイにおいてどの撮影コースが実行されたかを示すコース識別データも読み取られる。これら動作の同期をとる方法は、どちらのコンピュータ装置37,38からの問いかけに対して行ってもよい。
つぎに、編集プレイでは、上記読み取った撮影コースに対応した編集コースが自動選択され、この編集コースによる編集プレイが実行される(S13)。このとき、上記スタンプ画像等の編集用画像56は、編集コースに応じて複数種類の組合せが準備されており、他の編集コースと異なるスタンプツールが編集用ディスプレイ8に表示され、撮影コースに対応したスタンプ画像を使用した編集を行い得るようになっている。
編集プレイが開始されると、第2コンピュータ装置38において、第1コンピュータ装置37から読み取った静止画50とその撮影に使用されたフレームおよび背景の識別情報を元に、高解像度のフレームと背景が読み出されて静止合成画像58が合成される。
この編集プレイでは、編集用ディスプレイ8にらくがき画面(図23参照)が表示され、静止合成画像58が表示されてスタンプ画像や落書き画像等の入力を行なう編集プレイが行なわれる。上記らくがき画面と編集プレイの詳細については後述する。
ステップ13の編集プレイが終了すると、編集後の静止合成画像58の画像データがプリンタ9に送られて、印刷媒体35に印刷出力され、写真プリントが送出口19から排出される(S14)。
つぎに、上記各撮影コースの詳細について説明する。
まず「ノーマルモード」について図7のフローチャートに基づいて説明する。
この「ノーマルモード」は、利用者2が好みのフレームと好みの背景を別個に選択入力し、その選択入力されたフレームと背景とカメラ6による動画である撮像動画が合成された画像をライブモニタ20で確認しながら撮影できるものである。なお、上述したように、ノーマルモードの場合は、基本画像からフレームや背景を抽出することは行なわれない。
図6のS3で「ノーマルモード」が選択されると、S5でジャンルの選択が行なわれる。このジャンル選択画面(図12参照)には、画面左側に複数のジャンル名が表示されたジャンル選択部75が表示され、ここに表示されているジャンルの中から切換ボタン22a,22bを操作して選択入力の切換を行なう。選択中は現在選ばれているジャンルのフレーム画像や背景画像等を含む説明が画面右側のジャンル説明部76に表示される。これにより利用者2は、どのジャンルにどんな画像があるか確認でき、好みのジャンルを選択しやすくなる。決定ボタン14でジャンルが決定され次のステップへ進み、キャンセルボタン13で図6のS3のモード選択画面に戻り、モードを選び直すことが出来る。
S5で好みのジャンルが決定されると、待ち画面が表示されたのち(S101)、図15の撮影画面が表示され、フレーム背景の選択と(S102)、撮影と(S103)が行なわれる。
この撮影画面には、画面中央にカメラ6による撮像映像である撮像動画と選択されたフレームおよび背景とがリアルタイム合成された合成動画をリアルタイム表示するライブ映像表示部77が表示されている。また、画面左側には、背景のサムネイル画像を縦並びに複数表示して背景を選択する背景選択部78が表示され、画面右側には、フレームのサムネイル画像を縦並びに複数表示してフレームを選択するフレーム選択部79が表示されている。また、画面中央の上側には、残り時間を表示するカウンタ(図示せず)が表示されている。
このとき、上記サムネイル画像が表示されて使用可能となるフレームおよび背景は、上記選択されたジャンル(本発明の撮影コースである)に応じて異なる画像群が使用されるのである。例えば、ジャンルとして「カラフル」が選択されれば、カラフルな色彩のフレームや背景ばかりが揃った画像群が使用され、その画像群のなかから所望のフレームと背景の組合せを選択できる。ジャンルとして「ポップ」や「ゴージャス」「プリンセス」が選択された場合も、雰囲気が異なる画像群が読み出されて選択可能なようにサムネイル画像として表示されるのである。
なお、「おまかせセット」が選択された場合は、フレームと背景を別々に選択するのではなく、フレームと背景が最初からセットになっており、色々のジャンルのセットを含む画像群から所望のセットを選択することができる。
上記撮影画面では、利用者2は左側の切換ボタン22aで背景画像を選択し、右側の切換ボタン22bでフレーム画像を選択する。選択された背景画像およびフレーム画像は、背景選択部78およびフレーム選択部79のサムネイルが強調表示されるとともに、瞬時にカメラ6からの撮像動画と合成され、ライブ映像表示部77に表示される。このときの画像合成は、第1コンピュータ装置37において、低解像度背景画像群51および低解像度フレーム画像群52からフレームおよび背景が読み出され、アンダーレイ合成手段42およびオーバーレイ合成手段43によりカメラ6からの動画と合成され、表示される。このように、撮影プレイでは、フレームや背景はライブモニタ20に表示するだけなので、低解像度の画像を使用することにより処理の負荷が低減される。
フレームや背景を切り換えるときは、利用者2は左側の切換ボタン22aで背景画像の切り換えを行い、右側の切換ボタン22bでフレーム画像の切り換えを行なう。これに応じて、切り換えで選択されたフレームや背景は、リアルタイムにカメラ6からの動画と合成され、ライブ映像表示部77にリアルタイムに切換表示される。そして、「おまかせセット」の場合は、フレームと背景が合成された画像を、上記背景選択部78またはフレーム選択部79に表示し、切換ボタン22aまたは22bで切り替えを行う。
これにより、利用者2は、シャッタ操作の前に、背景画像またはフレーム画像を色々切換ながら合成動画を確認でき、楽しみながら撮影できる。上記背景選択部78およびフレーム選択部79は、左右の切換ボタン22a,22bでの切り換えに応じて上下スクロールして順次多数表示され、それぞれ1周スクロールするとループして同じサムネイルが繰り返し表示される。
また、図示していないが、撮影時にどのストロボを照射させるかを、キャンセルボタン13を操作することで選択できるようになっている。「ノーマルフラッシュ」では正面ストロボ7が照射されて普通の撮影効果を奏する。「上からのフラッシュ」では点光源の天井ストロボ24が照射され、利用者2の頭部に天使の輪のような輝きが表現された撮影ができる。「すべてのフラッシュ」では、これら全てが照射され、全体的に明るく、光量のバランスを最適にすることで、上述のすべての効果を奏する。
ここで、バックストロボ27は、どの照明方法においても発光し、スクリーン26に被写体2の影ができるのを防止して背景の合成精度を向上させることが行なわれる。また、バック蛍光灯28は、フレームや背景を切り換えながら撮像動画とフレームや背景との合成動画をライブモニタ20に表示する際、常に発光しており、スクリーン26に被写体2の影ができるのを防止し、リアルタイムで切り換え表示される合成映像の合成精度を向上させる。
フレームおよび背景の切り換え選択、照明方法の選択入力は、カウンタが0になるまで選択可能である。0になるとその時点で選ばれている内容で強制的に決定される。カウンタが0になる前に、撮影開始の指示として決定ボタン14を押すと、「3.2.1」という音声および画面表示によるカウントダウン表示ののち、ストロボが照射されるとともに、カメラ6のシャッタが動作し静止画50が撮影される(S103)。上記シャッタ操作により、カメラ6は被写体2の静止画50を撮影する。このとき、上述したシャッタ操作が自動的に2回連続で行なわれ、2枚の静止画50が得られる。
そして、ライブモニタ20には、図16に示すように、2回のシャッタ操作で得られた静止画50とそのとき選択されているフレームおよび背景との合成画像が2枚表示されている(S104)。また、上記シャッタ操作により、カメラ6は被写体2の静止画50を撮影してその画像データを記憶するとともに、そのシャッタ操作の際に選択されていたフレームおよび背景の識別情報を関連付けて記憶する。これらの情報は、撮影プレイの終了により第1コンピュータ装置37から第2コンピュータ装置38に伝送され、第2コンピュータ装置38における編集プレイで使用される。このように、合成画像は撮影時の確認のために作成されるのであって、合成画像自体が保存されるのではなく、撮影された静止画50だけが保存されるのである。
そして、S105において、規定回数(たとえば3回)の撮影が終了しているか否かが判断され、撮影回数が規定回数に達していなければ(S105でNO)、S102に戻り、再度フレーム画像,背景画像,照明方法が選択できる状態となって規定回数(この場合は3回)の動作が繰り返され、6枚の静止画50が得られる。一方、規定回数の撮影が終了すれば、撮影コースは終了し、次の処理である写真選択(S9)へ進む(S105でYES)。
つぎに、「ストーリーモード」で「シチュエーション」タイプが選択された場合について図8に基づいて説明する。
この「シチュエーション」タイプは、いくつかのシチュエーションが設定されており、そのシチュエーションにあった画像(基本画像から抽出されたフレーム画像および背景画像)が予め決定されている。利用者は直接フレーム画像や背景画像を選択するのではなく、シチュエーションを選択するだけで、連続的に撮影が行われるコースである。
図6のS3で「ストーリーモード」が選択されると、図13の選択画面が表示される(S201)。この選択画面には、複数のシチュエーション(この例では「学校」「ショッピング」「遊園地」)が表示された選択部が画面左側に表示され、ここに表示されているシチュエーションの中から切換ボタン22a,22bを操作して選択入力の切換を行なう。選択中は現在選ばれているシチュエーションのフレーム画像や背景画像を含む説明が画面右側の説明部に表示される。決定ボタン14でシチュエーションが決定され次のステップへ進み、キャンセルボタン13で図6のS3のモード選択画面に戻り、モードを選び直すことが出来る。
S201で好みのシチュエーションが決定されると、そのシチュエーションで予め複数準備されたシーンのフレームと背景が自動的に選択され読み出されてライブモニタ20に表示され(S202)、このシーンでのシャッタ操作が行なわれて静止画50が得られる。シーン1での撮影と同様に、自動的にシーン2〜6の撮影が行なわれて6枚の静止画50が得られると、撮影コースは終了し、次の処理である写真選択(S9)へ進む。
例えば、シチュエーションとして「学校」が選択されると、例えば、図17(a)のような撮影画面が表示される。この撮影画面には、画面中央にカメラ6による撮像動画と選択されたジャンルの最初の場面で決められたフレームおよび背景とがリアルタイム合成された合成映像をリアルタイム表示するライブ映像表示部77が表示されている。このとき表示されているフレームおよび背景は、基本画像から抽出されたものである。基本画像からのフレーム及び背景の抽出については後述する。また、図示しないが、画面右には、選ばれたジャンルでの設定場面表示が表示され、1場面で1回撮影し、強調表示等でこれから撮影する場面がわかるように表示されている。
画面左側には、図示しない撮影予告表示部が表示されている。この撮影予告表示部では、矢印が上から下に移動し、矢印が「撮影」の場所にきたときにシャッタが動作するようになっている。このコースでは、利用者2によるシャッタ操作を必要とせず、撮影が連続的に行われる。この場合、連続的に撮影するためストロボの充電を行う時間を確保する必要があるが、この撮影予告部の表示を行うことで利用者2の退屈感を紛らわすことができる。
1回の撮影が終了すると自動的につぎの場面で撮影が行われ、場面数(たとえば6場面)が終了するまで連続的に撮影が繰り返される。次の場面で使用するフレームと背景がカメラ6からの撮像動画と合成されライブ映像表示部77に表示される。上記ジャンルとして「学校」が選択された場合、場面として「校門」「教室」「運動場」「昼ご飯」「体育館」「校舎裏」などが準備されている。
このとき、上記複数の各場面ごとに1つずつの基本画像が準備されており、各場面での撮影において、それぞれの基本画像からフレームおよび背景が抽出されて使用される。すなわち、基本画像から単位画像の抽出を複数回行なって、複数の合成画像を合成して提供し、上記複数回の単位画像の抽出は、それぞれ異なる基本画像から単位画像を抽出するため、例えば、3枚の基本画像があってそれぞれ1枚ずつ単位画像を抽出して合成画像を生成し、1プレイで3枚の合成画像の提供を行なうような場合、写真プリントを組み合わせて基本画像を完成させるためには最低3回のプレイが必要になるとともに、プレイを重ねることにより多くの基本画像を完成できるため、写真プリントを集める楽しみを利用者に提供でき、装置利用のリピート効果がある。
また、フレームや背景としてデータ量の小さい低解像度の確認用画像を使用していることから、切換表示の際の処理負荷が小さくてすみ、スムーズな連続撮影が実現される。
上記各場面では、例えば、図17(a)に示すように、フレームと背景のセットが表示される(シーン1)、ついで、図17(b)、図17(c)とシーン2以降の撮影が行なわれる。このとき、シーン1が登校時のシーン、シーン2が教室での授業シーン、シーン3がグラウンドでの体育シーン、シーン4が昼休み、シーン5がクラブ活動、シーン5が下校シーン…のように、各シーンが時系列を追ったストーリー風に組立てられたものとすることにより、利用者2は、シチュエーションの雰囲気を十分に満喫しながら撮影プレイを行なうことができる。
このシチュエーションでの撮影では、各シチュエーションに合わせた照明設定が自動的に選択される。例えば、シーン1の登校シーンでは比較的明るい朝の雰囲気の照明設定が選択され、シーン6の下校シーンでは夕日に近い雰囲気の照明設定が選択される。
つぎに、「ストーリーモード」で「セレクト」タイプが選択された場合について図9に基づいて説明する。
この「セレクト」タイプは、「学校」「ショッピング」「遊園地」の各シチュエーションにおいて、自動的に選択されたフレームと背景の組合せによりそれぞれ撮影が行なわれ、3つのシチュエーションによる撮影が連続的に撮影が行われるコースである。
図6のS3で「ストーリーモード」が選択されると、図13の選択画面が表示される(S7)。この選択画面には、複数のシチュエーション(この例では「学校」「ショッピング」「遊園地」)が表示された選択部のほかに、「セレクト」タイプの選択ボタンが画面左側に表示されている。
ここで、「セレクト」タイプが選択されると、図17に示したのと同様の撮影画面が表示され、まず、「学校」のシチュエーションで準備された画像群が表示され、利用者2は、その中から所定のフレームと背景のセットを切換ボタン22a,22bの操作により2セット選択する(S301)。
このとき表示されて利用者による選択が可能になるフレームと背景のセットは、上述した「シチュエーション」タイプにおいて、上記各場面ごとに1つずつ準備された基本画像からそれぞれ1つずつ抽出されたフレームおよび背景である。ついで、選択された2組のフレームおよび背景のセットによりそれぞれ1カットずつ合計2カットの撮影が行なわれる(S302)。
すなわち、この場合も、基本画像から単位画像の抽出を複数回行ない(すなわち複数回の撮影を行なう)、複数の合成画像を合成して提供し、上記複数回の単位画像の抽出は、それぞれ異なる基本画像から単位画像を抽出するため、例えば、3枚の基本画像があってそれぞれ1枚ずつ単位画像を抽出して合成画像を生成し、1プレイで3枚の合成画像の提供を行なうような場合、写真プリントを組み合わせて基本画像を完成させるためには最低3回のプレイが必要になるとともに、プレイを重ねることにより多くの基本画像を完成できるため、写真プリントを集める楽しみを利用者に提供でき、装置利用のリピート効果が生じる。
つぎに、「ショッピング」のシチュエーションで準備された画像群が表示され、利用者2は、その中から所定のフレームと背景のセットを切換ボタン22a,22bの操作により2セット選択する(S303)。ついで、選択された2組のフレームおよび背景のセットによりそれぞれ1カットずつ合計2カットの撮影が行なわれる(S304)。さらに、「遊園地」のシチュエーションで準備された画像群が表示され、同様にフレームと背景の選択と撮影とが行なわれる(S305〜306)。このように、自動的に6枚の静止画50が得られると、撮影コースは終了し、次の処理である写真選択(S9)へ進む。このセレクトでの撮影でも、各シチュエーションに合わせた照明設定が自動的に選択される。
つぎに、「ストーリーモード」の「おまかせ」タイプについて図10のフローチャートに基づいて説明する。
上記「おまかせ」タイプでは、「学校」「ショッピング」「遊園地」の全シチュエーションの中から、ランダムに自動選択されたフレームと背景の組合せにより所定回数の撮影が行なわれる。
この「おまかせ」タイプは、予め用意された組合わせの中から選択すればよいので、フレーム画像と合成画像をそれぞれ別個に選択する必要がなく利用者2にとっても便利である。
図6のS3で「ストーリーモード」が選択されると、図13の選択画面が表示される(S7)。この選択画面には、複数のシチュエーション(この例では「学校」「ショッピング」「遊園地」)が表示された選択部のほかに、「おまかせ」タイプの選択ボタンが画面左側に表示されている。
ここで、「おまかせ」タイプが選択されると、図17に示したものと同様の撮影画面が表示され、まず、「学校」「ショッピング」「遊園地」の各シチュエーション用に準備された画像群のうち、フレームと背景のセットが自動的に選択される(S401)。ついで、選択されたフレームおよび背景のセットにより1カットの撮影が行なわれる(S402)。
そして、S403において、規定回数(たとえば6回)の撮影が終了しているか否かが判断され、撮影回数が規定回数に達していなければ(S403でNO)、S401に戻って規定回数になるまでフレーム・背景の選択と撮影とが繰り返される。S403において規定回数に達しており(S403でYES)、自動的に6枚の静止画50が得られると、撮影コースは終了し、次の処理である写真選択(S9)へ進む。このセレクトでの撮影でも、各シチュエーションに合わせた照明設定が自動的に選択される。
なお、上記「おまかせ」タイプにおいて、あらかじめフレーム画像と背景画像の組み合わせを日替わりで複数種類用意し、そのフレーム画像と背景画像の組合せを選択して撮影を行い、プレイ中における撮影プレイ終了時のタイミングで、次の日に選択入力可能となる組合せ画面を予告表示するようにしてもよい。
このように、選択入力しうるフレームおよび背景の組合せ画像を1日ごとに変更される日替わり画像とすることにより、利用者2に対して飽きのこないプレイを提供できる。また、次の日に選択入力可能となる組合せ画面を予告表示することにより、利用者2は、次の日に使用可能となる組合せ画面の予告表示を見て気に入ったものがあればまた利用したいと考えることから、利用者2のリピート効果の増大に繋がる。
なお、選択可能とする画像は日替わりだけに限定するものではなく、週単位や月単位等適宜変更することができる。また、ここでは、日替わり画像として予告表示を行なう画像としてフレームと背景の組合せ画像である場合を例示したが、これに限定するものではなく、フレームや背景をそれぞれ日替わりや週替わりにして予告表示することもできる。
そして、上記のようにフレームと背景を期間変わり画像としたり、それを予告表示したりすることを、ノーマルモードの各ジャンルの画像群や、「学校」「ショッピング」「遊園地」等の各シチュエーションの画像群、セレクトタイプにおいて行なうこともできる。また、各シチュエーションで準備された基本画像を単位として日替わりや週替わりにして予告表示することもできる
つぎに、上記「学校」「ショッピング」「遊園地」等の各シチュエーションの撮影において、基本画像から単位画像であるフレームと背景を抽出する状態について説明する。
図18および図19に例示した基本画像は、「学校」のシチュエーションにおいて使用される基本画像群であり、図18の1,2,3は、それぞれ当該シチュエーションのシーン1,2,3で使用するものとして準備された基本画像、図19の4,5,6は、それぞれ当該シチュエーションのシーン4,5,6で使用されるものとして準備された基本画像である。
すなわち、シーン1は「校門」の場面の画像パターン、シーン2は「教室」の場面の画像パターン、シーン3は「廊下」の場面の画像パターン、シーン4は「電車」の場面の画像パターン、シーン5は「改札」の場面の画像パターン、シーン6は「下校」の場面の画像パターンである。
上記各シーン1,2,3,4,5,6の画像は、それぞれ3組の単位画像から構成されており、それぞれの単位画像はフレームと背景との組合せ画像である。また、上記各シーンの基本画像に属する単位画像は、相互に画像パターンが関連するものであって、複数を並べた状態で相互に画像パターンに連続性を有する画像パターンとなっている。そして、1カットの撮影では1組の単位画像が使用される。
この場合、記憶装置41には、フレームと背景とがそれぞれ記憶され、上記単位画像(フレームと背景の組合せ)の組が複数組セットとして記憶されている。また、図示したのは「学校」のシチュエーションであるが、「ショッピング」「遊園地」のシチュエーションにおいても同様に各シーンの画像群は、複数の単位画像から構成されたものとなっている。
例えば、「ストーリーモード」の各シチュエーションでの撮影では、この例の場合、シーン1〜シーン6まで6つのシーンで1カットずつ撮影が行なわれるが(図8参照)、この場合、シーン1の画像群からいずれか1つの単位画像が選択すなわち抽出されて撮影に使用される。
このとき、各シーンの基本画像のうちいずれかの単位画像を選択してライブモニタ20等に表示させて撮影を行なうようにし、このようにして撮影された結果得られた静止画50と、上記選択された単位画像との合成画像がプリンタ9で印刷出力される。
このようにすることにより、いずれかの単位画像により撮影プレイを行なって、その際の静止画50とフレームおよび背景の合成画像が写真プリントとして提供される。このようにして提供された写真プリントは、複数枚を並べた状態で相互に画像パターンに連続性を有するため、プレイが終わって提供された写真プリントを友達同士で並べて遊んだり、画像パターンに連続性があるものを交換したりすることができる。
ここで、上記撮影プレイにおける撮影画像とフレームおよび背景との画像合成において、フレームを透過合成させることができるようになっている。
すなわち、図5に示したように、上記第1合成手段90は、上記カメラ6による撮像映像である動画像から被写体2を抽出し、抽出された被写体2以外の部分に背景画像をリアルタイムに合成するアンダーレイ合成手段42と、上記アンダーレイ合成手段42で撮像映像に背景が合成された画像に、さらにフレーム画像を前景としてリアルタイム合成するオーバーレイ合成手段43とを備えている。
また、第2合成手段60で使用される合成用画像として、高解像度フレーム画像群54および高解像度背景画像群55として高解像度画像群94に格納されている。
そして、上記低解像度画像群93には、低解像度フレーム画像群52として格納された各フレーム画像にそれぞれ対応するマスクデータ102が格納されている。また、上記高解像度画像群94にも、上記低解像度画像群93に格納されたものと同様の、各フレーム画像にそれぞれ対応するマスクデータ102が格納されている。
上記マスクデータ102は、各フレーム画像の画像パターンすなわち絵柄に応じ、オーバーレイ合成するフレーム画像の全領域のうち、フレームに隠れる領域,フレームに隠れないで見える領域および半透明状に見える領域を定義するデータである。
すなわち、図20(a)に示すように、カメラ6で撮影された被写体2の撮影画像が展開される撮影画層103に対して背景画像が展開される背景画層105がアンダーレイ合成され、被写体以外の部分に背景画像が合成される。この合成画像に対して、フレーム画像が展開されるフレーム画層104がオーバーレイ合成され、フレーム画像を前景として合成する。
図20(b)は、上記フレーム画層104,撮影画層103,背景画層105にそれぞれフレーム画像,被写体画像,背景画像が展開された状態の一例を示す。この場合の上記フレーム画像に対応するマスクデータ102の一例を示したものが図20(c)である。この例では、上記フレーム画像は、画像パターンとして引き戸の絵柄が表されたものであり、このフレーム画像に対応するマスクデータ102としては、引き戸の存在しない領域Cが透明領域として、引き戸の窓ガラスに対応する領域Hが半透明領域として、窓ガラス以外の引き戸の領域Mが不透明のマスク領域として定義付けされている。
そして、第1合成手段90のオーバーレイ合成手段43によるオーバーレイ合成をリアルタイムで行なう際に、当該フレーム画像のマスクデータ102を参照することにより、図20(d)に示すように、アンダーレイ合成手段42で撮像映像である動画に背景が合成された画像が、フレームに隠れる領域,フレームに隠れないで見える領域および半透明状に見える領域を有するように表示する。このように、フレームに隠れる領域,フレームに隠れないで見える領域および半透明状に見える領域が存在するなかで動画のリアルタイム合成画像を見ながら撮影プレイを行なうことができ、使用者2に対して大きなプレイの楽しみを与えることができる。
また、第2合成手段60においても、第1合成手段90と同様のマスクデータ102を参照した合成を行ない、図20(d)に示すような合成画像106を生成し、当該合成画像106をプリンタ9で印刷する。
ここで、撮影画像(動画または静止画)が半透明状に見えるようにとは、透過性の程度は問わず、すくなくとも撮影画像が認識できる程度の透過性を有していればよい。さらに、半透明状に見えるように合成を行う該領域に、さらに特殊な合成を行うようにすることもできる。この特殊な合成は、半透明合成と組合せて行うこともできるし、半透明合成を行わずに特殊な合成のみを行うこともできる。上記特殊な合成としては、たとえば、撮影画像に望遠または広角レンズなどの光学的変換を施すこと、拡大、縮小、変形などの形状変換、また絵画風、エンボス、ネガ、ポジ、セピア、モノクロなどの色調変換などがあげられる。またさらに、前記特殊な合成は、単独で行うこともできるし、適宜複数を組合せて行うこともできる。
このように、上記オーバーレイ合成手段43が単位画像の少なくとも一部を透過合成するため、カメラ6による動画である撮像映像と背景とが合成された画像に対するフレーム画像の合成画像106をモニタ20に表示しながらシャッタ操作により静止画50を得る撮影プレイの際に、撮像映像と背景が合成された画像が、フレームに隠れる領域,フレームに隠れないで見える領域および半透明状に見える領域を有するように合成された合成映像を見ながらプレイできる。そして、被写体2のバックには所望の背景が合成されるとともに、被写体の前景として半透明部分を有したフレームが合成され、多様な合成表現が楽しめるプレイを提供できるうえ、遠近感や立体感が表現された多様な合成表現の写真プリントを提供することができる。さらに特殊な合成を行うことにより、より多様な合成表現が楽しめるプレイが提供できる。
図21は、撮影プレイを行なう際にモニタ20に表示される撮影画面の第2例であり、画面の右寄り部に、表示された設定場面表示85に、ジャンルとして「遊園地」の場面設定が選択された状態が示されている。図21において、86は撮影のカウントダウン表示、87はタイマである。
例えば、この撮影コースでは、利用者2によるシャッタ操作を必要とせず、撮影が連続的に行われ、1回の撮影(図8のS203)が終了すると自動的につぎの場面で撮影が行われ、場面数(たとえば6場面)が終了するまで連続的に撮影が繰り返される(図8のS204)。次の場面で使用するフレームと背景がカメラ6からの撮像動画と合成されライブ映像表示部77に表示される。
この例では上記ジャンルとして「遊園地」が選択された場合、場面として「ゲート」「観覧車」「メリーゴーランド」「お弁当」「ジェットコースター」「ゴーカート」などが準備されている。撮影プレイでは、上記各場面においてその場面に応じたフレーム画像と背景画像の組合せが選択されてモニタ20に表示される。
そして、撮影プレイの際に、第1合成手段90において、上記組合せのうち、特定の(この例では「ジェットコースター」)の場面において用いられる組合せを撮像映像に合成してモニタ20に表示する際、撮像映像の天地を逆転するとともにフレームと背景の天地をそのままの状態にした合成画像を生成してモニタ20に表示し、その状態でシャッタ操作を行なうようになっている。
すなわち、場面「ジェットコースター」では、撮像映像の天地を反転させた状態に適する画像パターンのフレーム画像および背景画像となっており、それ以外の場面では、撮像映像の天地が正常な状態に適する画像パターンのフレーム画像および背景画像となっている。
図22(a)には、場面「ジェットコースター」の際のフレーム画像が展開されたフレーム画層104,同じ場面の際の背景画像が展開された背景画層105、およびこの画面での被写体2の撮像映像が展開された撮影画層103の一例を示す。
図22(a)に示すように、上記フレーム画像および背景画像は、撮像映像の天地を反転させた状態に適する画像パターンとなっている。そして、この場面での撮影では、撮像映像の天地が自動的に反転され、図22(b)に示すように、フレームと背景の画像パターンに合致した合成画像106がモニタ20に表示される。
このように、撮影画像の天地を逆転した状態で正常に見えるような画像パターンの合成画像106を使用し、シャッタ操作の前の合成映像の確認の際に、正常な合成映像を確認することができる。
この例では、6場面での6回の撮影のうち、1場面1回の撮影において、上記撮影画像の天地を反転させるのに適した画像パターンのフレームおよび背景が使用され、この場面での撮影のときに、自動的に撮影画像の天地が逆転した合成画像106を生成するようになっている。
このようにすることにより、複数回の撮影の中に撮影画像が逆転した合成画像106による撮影が行なわれ、変化のあるプレイを提供できるようになり、多様な合成表現がなされた写真プリントを提供することができる。また、このような撮影画像の天地を逆転させた撮影の際でも、上述したようなマスクデータ102の参照と合成が行なわれる。
また、編集用ディスプレイ8による編集入力の際には、上記第2合成手段60で静止画50とフレームおよび背景を合成し、上記編集用ディスプレイ8により編集入力を受け付ける際、フレームおよび背景が、上述した「ジェットコースター」場面のように、撮影画像の天地を逆転させるに適した画像パターンである場合に、静止画50の天地を逆転するとともにフレームおよび背景の天地をそのままの状態にした合成画像(図22(b)の状態)を生成して表示した状態で編集入力を受け付ける。そして、編集後画像をプリンタ9で印刷する。
このようにすることにより、撮影画像の天地を逆転した状態で正常に見えるような画像パターンの合成画像を使用する場合、編集操作において、正常な合成映像を見ながら編集入力を行うことができ、多様な表現が行なわれた写真プリントを提供することができる。
上述した例では、合成する単位画像に対し、撮影画像の天地を逆転(反転)して合成したが、左右を反転や逆転させたり所定角度回転させて合成することもできる。また、合成する撮影画像に対し、抽出された単位画像を逆転や反転または回転させて合成することもできる。このようにすることにより、おもしろみのある合成画像の写真プリントを提供でき、提供できる画像のバリエーションが増大する。
上記「ノーマルモード」の各ジャンル(「カラフル」「ポップ」「ゴージャス」等)、「ストーリーモード」の各シチュエーション(「学校」「ショッピング」「遊園地」等)、同じく「ストーリーモード」の「セレクト」タイプ,「おまかせ」タイプのいずれかの撮影コースの撮影動作が終了すると(図6のS8)、ステップ9の写真選択が行なわれた後、得られた静止画50、フレームおよび背景の識別情報、コース識別データが第1コンピュータ装置37に格納され、第2コンピュータ装置38に対して伝送される。
一方、編集プレイ用空間32への移動を促すメッセージが音声およびライブモニタ20に表示され、使用者2は撮影プレイ用空間31から一旦出て編集プレイ用空間32に移動し、編集プレイが開始される。
編集プレイが開始されると、第2コンピュータ装置38において、第1コンピュータ装置37から伝送された静止画50、フレームおよび背景の識別情報、コース識別データを元に、上記撮影コースに対応した編集コースが自動的に選択され、当該編集コースによる編集プレイが開始される(図6のS13)。
ここで、自動選択された編集コースによる編集プレイについて説明する。
編集プレイでは、編集用ディスプレイ8に、図23に示すようならくがき画面が表示され、編集プレイが行なわれる。
上記らくがき画面において、63はらくがき入力部であり、撮影プレイにおいて撮影されたフレームと背景と被写体画像の静止合成画像58が表示され、タッチペン12の操作により手描き画像やスタンプ画像等の編集用画像56の入力を受け付ける。64は編集プレイの残り時間を表示するカウンタであり、66は上記カウンタが0になる前すなわち所定の編集プレイ時間に達する前に操作して編集プレイを終了する終了ボタンである。
上記らくがき画面は、入力操作に必要な表示が画面の左と右に設けられ、左側の画面は左のタッチペン12で、右側の画面は右のタッチペン12で操作を行い、左のタッチペン12では右側の画面の操作はできない。逆に、右のタッチペン12では左側の画面の操作はできない。左および右のタッチペン12で共通に操作可能な画像切換部65は中央に配置されている。
65は画像切替部であり、撮影プレイにおいて撮影されたフレームと背景と被写体画像の静止合成画像58について、複数のサムネイル画像が表示され、らくがき入力部63に表示してらくがき入力を行なえるアクティブ状態となる静止合成画像58を切り替えることができるようになっている。
73はツール選択部であり、編集入力で使用する編集ツールを選択する。73Dはペン入力を行なう際に選択するペンボタン、73Cはスタンプ入力を行なう際に選択するスタンプボタンである。図示しないが、らくがき入力部63に表示された静止合成画像58の背景を変更する際に選択する背景ボタンや、らくがき入力部63に表示された静止合成画像58のフレームを変更する際に選択するフレームボタンを設けてもよい。
72は編集入力選択部であり、この例では、ペンボタン73Dやスタンプボタン73Cを押すと表示されるポップアップメニューとなっている。図示した状態は、スタンプボタン73Cを押したときに現れるものである。この編集入力選択部72は、上記ツール選択部73で選択された編集ツールによって実際に入力するスタンプ画像やペンの種類等の編集入力メニューがアイコン等で表示され、実際に編集入力するメニューを選択する。
例えば、図示した例では、上記ツール選択部73でスタンプボタン73Cが選択された状態であり、このとき表示される編集入力選択部72には、スタンプ画像の種類として「学校」「ハート」「星」「花」「いろいろ」等のメニューが表示されている。そして、「学校」のメニューを選択すると、図示のように、「学校」のシチュエーションに関連したスタンプ画像74が表示され、上記スタンプ画像74をタッチペン12で選択してかららくがき入力部63の表面にタッチペン12先端を接触させることにより、選択されたスタンプ画像74が入力できる。
この例では、撮影プレイにおいて撮影コースとして「学校」のシチュエーションが選択された場合に、編集プレイでは「学校」のシチュエーションに関連したスタンプ画像74が選択できる編集コースが自動選択され、上述したように実行されるのである。同様に、撮影プレイにおいて撮影コースとして「ショッピング」「遊園地」シチュエーションが選択された場合には、それぞれの編集プレイで「ショッピング」「遊園地」のシチュエーションに関連したスタンプ画像74が選択できる編集コースが自動選択され、上述したように実行される。このように、撮影コースに対応したスタンプ画像74ができるメニューを備えたものが本発明の編集コースに含まれる趣旨である。
なお、上記ツール選択部73で他のスタンプメニュー(ハートや星等)が選択された場合、この編集入力選択部72には、そのスタンプメニューに属するスタンプ画像74がアイコンで表示され、上記アイコンをタッチペン12で選択してかららくがき入力部63の表面にタッチペン12先端を接触させることにより、選択されたスタンプモードによるスタンプ画像74が入力できる。
また、上記ツール選択部73でペンボタン73Dが選択された場合、上記編集入力選択部72には、ペンの種類,太さ,色等がアイコンで表示され、上記アイコンをタッチペン12で選択してかららくがき入力部63の表面に絵を書くことにより、選択されたペン入力モードによる手描き画像が入力できる。
また、上記ツール選択部73で背景ボタンが選択された場合、この編集入力選択部72には、各種の背景画像がアイコンまたはサムネイルで表示され、上記アイコンまたはサムネイルをタッチペン12で選択することにより、らくがき入力部63に表示された静止合成画像58で使用された背景を、ここで選択した背景に変更できるようになっている。ここで差し替えるフレームおよび背景は、撮影プレイにおいて選択できたものであってもよいし、撮影プレイでは表示されなかったまったく別の画像を準備しておき、その画像と差し替えることができるようにしてもよい。
また、上記ツール選択部73でフレームボタンが選択された場合、この編集入力選択部72には、各種のフレームがアイコンまたはサムネイルで表示され、上記アイコンまたはサムネイルをタッチペン12で選択することにより、らくがき入力部63に表示された静止合成画像58で使用されたフレームを、ここで選択した背景に変更できるようになっている。
67はフレーム消去ボタンであり、らくがき入力部63に表示された静止合成画像58で使用されたフレームを1回の操作で消去できるようになっている。また、68は背景消去ボタンであり、らくがき入力部63に表示された静止合成画像58で使用された背景を1回の操作で消去できるようになっている。上記フレーム消去ボタン67および背景消去ボタン68は、1回の操作でフレームや背景が消去されることから、後述のらくがき消去ボタン69でタッチペン12でなぞって消すより操作性がよい。なお、フレーム消去ボタン67や背景消去ボタン68では、上述したように差し替えたフレームや背景を消去することもできる。
このように、撮影プレイにおけるシャッタ操作により所望のフレームや背景を決定して静止画50として固定したのち、プリンタ9による印刷出力する前の編集プレイにおいて、上記静止画50に使用されたフレームや背景の差し替えや消去を可能とするようになっているため、撮影プレイにおいて切換表示しながら選択したフレームや背景があとになって気に入らなくなったような場合に、印刷前に差し替えてより納得のいく写真プリントを提供することができる。
69は既に入力された手描き画像やスタンプ画像を消去するらくがき消去ボタン、70は操作を1回前に戻してやり直す戻るボタン、71は操作をはじめからやり直すはじめからボタンである。
編集が終了すると、つぎに上記撮影画像の明るさ調整画面が編集用ディスプレイ8に表示され、タッチペン12を操作し、選択された写真の明るさの調整を行う。この画面では、次に、選択された画像の向きの回転も行なうことができるようになっている。
明るさの調節が終了すると、シール分割選択画面が編集用ディスプレイ8に表示される。編集された写真の枚数に応じて、写真の大きさや枚数などにより予め決められた配置でレイアウトされたシールレイアウトが複数表示され、好みのシールレイアウトをタッチペン12でタッチし、選択する。
シートレイアウトの選択が終了すると、編集後の静止合成画像58の画像データがプリンタ9に送られて、印刷媒体35に印刷出力され、写真プリントが送出口19から排出される(図6のS14)。
以上、各実施の形態において、撮影時に撮影画面に表示される背景選択部78、フレーム選択部79またはフレームと背景の組合せ画像が表示される組合せ選択部(図示せず)に表示される画像は、人物画像と背景やフレームなどの合成される画像とが合成された画像とすることもできる。この場合、予め記憶装置に記憶された合成画像を表示してもよいし、表示の時に予め記憶された人物画像と背景やフレームなどの合成される画像とを合成して表示してもよい。人物画像が含まれない背景やフレームなどの画像を表示しただけでは、画像のどの部分が前景に合成される部分で、どの部分が後景に合成される部分かが見分けにくくなることから、上述のように、人物画像を含む画像を表示して選択を行うことにより、合成後のイメージを確認でき、撮影時のポーズをとりやすくなるのである。
また人物画像の部分を点滅表示などで表示すると、撮影画像が合成される位置を視覚的に認識でき、より合成後のイメージを確認しやすくなり、ポーズを誘導しやすい。さらに、撮影時に、ライブ映像表示部77に合成画像を表示するのと同時に、人物画像を含む画像を背景選択部78、フレーム選択部79、組合せ選択部に表示すれば、さらにポーズを誘導しやすくなる。
一般的にフレーム画像の「フレーム」は枠等の意味であるが、本発明において「フレーム」とは、被写体の周囲を囲む画像という意味に限定されず、被写体の前景に合成される画像全般をいう趣旨である。また同様に、背景画像は被写体の後景に合成される画像全般をいう旨である。したがって、フレーム画像としては、被写体の周囲を装飾する以外に、衣服、めがね、履物、被り物等の被写体に変装を施す画像を用いたり、涙、ふきだし画像、グローブ、など場面を作る画像を用いることができる。
上述の説明では、上記実施の形態の装置に本発明を適用した一例を示したが、つぎに、上記装置に適用しうる本発明の各種の態様について模式図等を参照しながら説明する。
まず、図24に示す例は、上記実施の形態の「シチュエーション」タイプにおける撮影と同様であるが、3つの場面A,B,Cにそれぞれ対応した場面画像(本発明の基本画像に対応する)A,B,Cが準備されている。上記場面画像Aは、3つの単位画像A−1,A−2,A−3から構成され、同様に、場面画像Bは、3つの単位画像B−1,B−2,B−3から、場面画像Cは、3つの単位画像C−1,C−2,C−3から構成されている。
そして、場面Aでの撮影では、3つの単位画像A−1,A−2,A−3のなかからいずれか1つが選択されて撮影画像と合成される。場面B,場面Cでの撮影においても同様に、それぞれ1つの単位画像が選択されて合成画像が生成される。
図25は、上記各場面で撮影が行なわれた撮影画像と単位画像との合成画像の印刷出力例である。この例では、各合成画像をシール88として印刷出力したものであり、台紙の縦横に複数並んだシール88のそれぞれに合成画像が印刷され、余白部分には、単位画像を組み合わせた際にできる元の場面画像A,B,Cが小さく印刷されている。このように、印刷媒体に合成画像を印刷する際、当該合成画像を生成する際に使用された単位画像が抽出された場面画像を併せて印刷することにより、最終的に完成する場面画像がプレイ終了後に写真プリント上で確認でき、次のプレイを行なうにあたって、どの部分が不足しているかわかりやすい。
そして、使用者は、合成画像が印刷されたシール88を集めて、図26に示すように、単位画像をパズルのように並べてつなぎ合わせ、元の場面画像を完成させて遊ぶことができる(撮影画像すなわち被写体は図示していない)。
上述した例では、1プレイで複数回撮影する場合において、それぞれ異なる場面画像A,B,Cから1つずつ基本画像を抽出し、それで得られた合成画像を印刷するようにしたが、1プレイで複数回撮影する場合すなわち、場面画像から単位画像の抽出を複数回行なって、複数の合成画像を合成して提供する場合に、上記複数回の単位画像の抽出は、それぞれ同じ場面画像から単位画像を抽出するようにすることもできる。具体的には、1プレイで図24の場面画像Aにおける単位画像A−1,A−2,A−3をそれぞれ選択して得られた合成画像を印刷することができる。
このようにすることにより、たとえば、3枚の単位画像を並べることにより元の場面画像が完成する場合、3枚の合成画像の写真プリントを得ることにより場面画像を完成させることができる。そして、例えば、1プレイで3枚の合成画像の提供を行なった場合、利用者は1プレイで場面画像を完成できる。1プレイで2枚の合成画像の提供を行なった場合には、利用者は2プレイで場面画像を完成でき、装置利用のリピート効果がある。
また、図27に示すように、撮影プレイを行なう際に利用者が目視確認するモニタ20に、その撮影カットにおいて抽出された単位画像を抽出した場面画像を表示する基本画像表示部89を設けるようにすることもできる。そして、上記基本画像表示部89に表示された場面画像A,B,Cには、抽出された単位画像の領域を示す抽出領域表示部(図では斜線で示している)を設けることができる。
このようにすることにより、プレイの最中に、合成画像として使用されている単位画像がどのような場面画像から抽出されたものかが目視確認できる。また、プレイ中に合成画像として使用されている単位画像がどのような場面画像のどの領域が抽出されたものかが目視確認できる。例えば、単位画像の領域を枠で囲む、色を変える等により抽出領域の表示を行なうことにより、どの部分が単位画像かが確認しやすい。
図28は、場面画像Cの完成画像の第2例であるが、この例では、場面画像を構成する単位画像中に、同一の画像パターンの単位画像が複数存在し、同じ画像パターンの単位画像が並んで同じパターンの繰り返しになるところがある。例示したものでは、単位画像C−2が繰り返すことにより、矢印の図形が左右に伸びた場面画像が完成する。
この場合、上記同一の画像パターンの単位画像C−2は、記憶手段に1つだけ記憶されたものとすることができる。このようにすることにより、場面画像中、同じ画像パターンの単位画像が並んで同じパターンの繰り返しになるところは、1つの単位画像だけを記憶しておいてその単位画像を使用すればよいことから、記憶手段の資源を有効利用できる。
図29は、複数回の撮影を行い、単位画像の抽出と抽出された単位画像と撮影画像の合成とを複数回実行するよう制御し、上記複数回の抽出で生成される複数の単位画像のうち少なくともいずれかの単位画像が、他の単位画像と異なる画像範囲になるよう抽出するようにした例である。
この例では、図示の合成画像Aで使用された単位画像が、図示の合成画像Bで使用された単位画像よりも大きな画像範囲となるように抽出されている。このようにすることにより、大きな単位画像を使用した大きな合成画像を写真プリントにすることができ、例えば、被写体の人数が大きい場合に大きな単位画像を使用した写真プリントとすることができる。また、利用者がカメラに近づいて撮影し、撮影画像に占める被写体の面積が大きくなった場合でも、大きな単位画像と合成することにより、合成画像の被写体以外の面積が大きくとれて雰囲気がよくわかる写真プリントを提供できる。
図30は、印刷媒体に合成画像を印刷出力する際に、複数の合成画像を異なる大きさで印刷するようにした例を示す。このようにすることにより、異なる大きさの合成画像により異なる大きさの場面画像を完成させることができる。
図31は、場面画像すなわち基本画像は、複数の単位画像から構成されているが、完成された場面画像自体が、完成された形状を呈するようにした例である。
図32は、シャッタ操作によって得られた被写体の静止画像と単位画像との合成画像を表示して使用者による編集入力を受け付ける編集用ディスプレイ8の編集画面の第2例を示したものである。
上記編集画面は、落書き入力部の左右に画像切換スクロールボタンが表示されている。また、図33に示すように、異なる単位画像が合成された合成画像が並べて表示されるようになっており、上記画像切換スクロールボタンをタッチペン12で操作することにより、継ぎ目96が落書き入力部に現れて、上記並べて表示した合成画像の継ぎ目が表示された状態で編集入力を受け付けるようになっている。
このようにすることにより、合成画像の継ぎ目96にまたがった画像編集ができ、写真プリントを並べたときに継ぎ目96に施された編集が完成して見えることとなり、利用者に新たな楽しみを提供することができる。
上記実施の形態では、図34(a)に示すように、基本画像が複数の単位画像を並べることにより完成するようになっており、上記抽出手段95は、上記複数の単位画像のうちいずれかの単位画像を選択することにより単位画像を抽出するようになっているが、これに限定するものではない。
すなわち、図34(b)に示すように、上記基本画像のなかの任意の一部分を単位画像として切り取ることにより単位画像を抽出するようにすることも可能である。このようにすることにより、基本画像の任意の領域を切り出して単位画像とすることができ、ひとつの基本画像から無数の単位画像を生成して合成に使用することができる。
また、図34(c)に示すように、上記基本画像は、単位画像よりも大きな画像範囲の選択領域を複数含んで構成され、上記抽出部は、上記複数の選択領域のうちいずれかの選択領域を選択するとともに、選択された選択領域の一部分を単位画像として切り取ることにより単位画像を抽出するようにすることもできる。
このようにすることにより、各選択領域内から無数の単位画像を生成して合成に使用することができる。そして、例えば、各選択領域内の絵柄や色彩等の画像パターンを同じ傾向にすることにより、同じ選択領域内から抽出した単位画像は同じ傾向の雰囲気をもったものとなってグループ化することから、各グループの単位画像が使用された写真プリントをコレクションする楽しみを利用者に与えることができる。
このように、上記写真プリント提供装置および方法は、記憶画像として撮影画像の画像範囲よりも大きな画像範囲の基本画像を有し、上記基本画像から撮影画像の画像範囲と略同じ画像範囲の単位画像を抽出し、その抽出された単位画像と撮影画像を合成して合成画像を生成し、その合成画像を印刷出力する。このように、ひとつの基本画像から抽出された単位画像を使用した合成画像を印刷出力するため、できた写真プリントは、撮影画像に合成された単位画像が相互に関連性を有した画像パターンとなり、利用者は絵柄に関連性のある写真プリントをたくさん得ることができる。そして、単位画像を使用した合成画像を複数集めることにより、元の基本画像の全貌が明らかになることから、利用者に対してそれらを集める楽しみを与えることができる。利用者は、装置を再利用して多くの写真プリントを収集しようとし、利用者同士での写真プリントの交換を頻繁にして関連性のある写真プリントをもっとたくさん集めようとする。このように、この装置では、利用者の再利用と交換に対する強い動機付けが働き、再利用を促進することができる。
また、撮影プレイでは、利用者の好みで選択した撮影コースに応じた記憶画像が背景やフレームにリアルタイム合成された合成画像を見ながら撮影プレイを行なうことができ、コース独自の雰囲気を味わいながら撮影プレイを行なうことができるようになる。また、編集プレイでは、選択された撮影コースで背景やフレームとして合成された記憶画像に関連した編集入力ツールが表示され、選択された撮影コースに関連したスタンプ画像の入力を行なう等の編集プレイを行なうことができるようになる。このように、撮影プレイと編集プレイで一貫した雰囲気を味わうとともに、独自の雰囲気を持った写真プリントを作成することができるのである。
このように、撮影コースを利用者の趣向に応じて選択できるだけでなく、編集プレイでは、選択された撮影コースに応じて準備された編集コースで編集プレイが行なわれ、その編集プレイにおいては、コース独自の編集が行なえる。したがって、利用者は、所望の撮影コースを選択することにより、選択された撮影コースに応じて他の撮影コースと異なる独自の雰囲気を味わいながら撮影プレイを行なうことができる。そして、撮影プレイが終了して編集プレイに移行すると、上記選択された撮影プレイに対応した編集プレイが自動選択され、選択された撮影コースの雰囲気と関連した表示画面が表示され、撮影プレイで味わったコース独自の雰囲気を引き続き編集プレイでも味わいながらプレイすることができるようになる。このように、利用者は、コースの雰囲気を存分に味わいながら撮影プレイを行い、引き続きその雰囲気での編集プレイを行なうことができるようになる。このとき、編集プレイは選択された撮影プレイに応じて自動選択されることから、利用者は撮影プレイ開始の際に撮影コースを選択するだけの操作で、撮影から編集まで一貫した雰囲気でプレイでき、必要以上に操作が煩雑にならない。
また、第1合成手段90に用いる確認用画像と第2合成手段60に用いる印刷用画像を別に準備し、ライブモニタ20による確認用の合成処理とプリンタ9による印刷用の合成処理をそれぞれ別個に行なうため、制御処理の負荷が分散されて処理速度の低下が少なく、使用者にストレスを感じさせない。また、確認用として画素の少ない低解像度画像を使用し、印刷用として画素の多い高解像度画像を使用することにより、確認用の合成処理や表示処理においては、データ量の少ない低解像度画像を使用して負荷の少ない状態で処理を行い、印刷用の合成処理や印刷においては、高解像度画像を用いることにより、画質に優れた美麗な写真プリントを作成することができる。
さらに、撮影プレイでは、利用者の好みで選択した撮影コースに応じた音声が出力され、コース独自の雰囲気を味わいながら撮影プレイを行なうことができ、編集プレイでは、選択された撮影コースに関連した音声が出力されてその雰囲気での編集プレイを行なうことができる。このように、利用者は、撮影プレイと編集プレイで一貫した雰囲気を味わいながらプレイすることができる。
また、使用者2は、従来のように、あらかじめひとつに決められたフレーム画像に応じてシャッタ操作を行なうのではなく、リアルタイム表示される使用者2自身の映像と、切換表示されるフレームや背景とのリアルタイム合成映像を目視確認しながら、順次フレームや背景の切換入力を行なうとともに、その合成映像をリアルタイムで目視確認できる。このため、所望のフレームや背景記憶画像を探したり、フレームや背景の絵柄に合わせたポーズや表情を決めるなど、趣向を凝らした撮影プレイが可能となる。また、フレームや背景と撮像動画が実際に合成された状態で数多くのフレームや背景のなかから所望のものを選択できるため、そのときの服装や髪型、あるいはその時の気分やプレイ仲間が誰か等に応じた最適なフレームや背景の選択を行ないやすくなる。
図35〜図37は、本発明のプリント用紙ユニットの実施の形態を示す。以下に説明する各プリント用紙ユニットは、図1〜図32で説明した写真プリント提供装置に供給され、プリンタ9で用いられて写真プリントを生成するためのプリント用紙ユニットである。
図35に示すプリント用紙ユニットは、ICチップやICカード等の記憶手段82と、写真プリント提供装置のプリンタ9で使用されるプリント用紙80とがセットとして写真プリント提供装置に供給されるものである。この例では、上記プリント用紙80としてロール状のものを示している。上記記憶手段82には、この記憶手段82とセット供給されるプリント用紙80における、供給対象である装置で印刷出力可能な写真プリントの枚数すなわちプリント供給可能枚数が記録されている。一方、写真プリント提供装置には、上記記憶手段82に記憶された情報を読み取る読取手段81が設けられている。
そして、上記プリント用紙ユニットを写真プリント提供装置に使用する場合には、記憶手段82を読取手段81にセットするとともに、プリント用紙80をプリンタ9に装填する。そして、上記読取手段81で記憶手段82のプリント供給可能枚数が読み取られ、プリンタ9ではセットで供給されたプリント用紙80に印刷が行なわれて写真プリントの供給が行なわれるのであるが、このとき、上記読取手段81でセット供給された記憶手段82から読み取られたプリント供給可能枚数だけ印刷を行なって写真プリントを供給し、その後は次の記憶手段82とプリント用紙80が供給されるまではプリントの供給を停止するようになっている。
上述のような動作を実現するためのシステム構成としては、図示していないが、読取手段81からの読取データを、上記コンピュータ装置に設けた出力枚数制限部に供給し、出力枚数制限部では読み取られたプリント供給可能枚数だけ写真プリントを印刷すると、その後は次の記憶手段82が供給されるまでプリントの出力を制限することにより行なわれる。なお、プリント供給可能枚数の残り枚数が所定枚数に達したら、つぎのプリント用紙を準備するようアラームを発することも可能である。こうすることにより、顧客を待たせることなく回転率の高い写真撮影装置の運営ができる。上記読取手段81がプリンタ9内部に備わる場合は、プリンタ9内部で検出された情報を上記コンピュータ装置に送信し、制御し、プリンタ9外部に備わる場合は、コンピュータ装置で読取られ制御される。
図36に示すプリント用紙ユニットは、ICチップやICカード等の記憶手段82を備えておらず、写真プリント提供装置のプリンタ9で使用されるプリント用紙80が写真プリント提供装置に供給されるものである。この例では、上記プリント用紙80としてロール状のものを示している。上記プリント用紙80には、当該プリント用紙80の真偽を識別する識別情報がバーコード等により付されている(図示せず)。そして、写真プリント提供装置には、プリンタ9に装填されたプリント用紙80の識別情報を読み取る読取手段81が設けられている。
そして、上記プリント用紙ユニットを写真プリント提供装置に使用する場合には、プリント用紙80をプリンタ9に装填する。そして、上記読取手段81でプリント用紙80の識別情報が読み取られ、その識別情報を、上記コンピュータ装置に設けた判定手段に供給し、判定手段では読み取られた識別情報が正しい場合にだけ写真プリントを印刷し、真正なものでない場合にはプリントの出力を行なわないようになっている。
図37に示すプリント用紙ユニットは、写真プリント提供装置のプリンタ9で使用されるプリント用紙80と、上記プリント用紙80に画像をプリントするインクリボン等の記録材料83がセットの状態となって写真プリント提供装置に供給されるものである。この例では、上記プリント用紙80としてロール状のものを示している。図において84は印刷ヘッドである。上記記録材料83には、当該記録材料83の真偽を識別する識別情報がバーコード等により付されている(図示せず)。そして、写真プリント提供装置には、プリンタ9に装填された記録材料83の識別情報を読み取る読取手段81が設けられている。
そして、上記プリント用紙ユニットを写真プリント提供装置に使用する場合には、プリント用紙80および記録材料83をプリンタ9に装填する。そして、上記読取手段81で記録材料83の識別情報が読み取られ、その識別情報を、上記コンピュータ装置に設けた判定手段に供給し、判定手段では読み取られた識別情報が正しい場合にだけ写真プリントを印刷し、真正なものでない場合にはプリントの出力を行なわないようになっている。
この例において、バーコード等の識別情報を記録材料83ではなくプリント用紙80に付し、読取手段81は、プリンタ9に装填されたプリント用紙80の識別情報を読み取るようにしてもよい。また、図示した例は、プリンタ9が、記録材料としてインクリボンを使用する昇華型プリンタ等の例であるが、記録材料としてカートリッジ式のインクを使用したインクジェット方式等のプリンタに適用することもできる。
これらのプリント用紙ユニットによれば、上記写真プリント提供装置固有の性能やよりすぐれた写真プリントの仕上り品質等にとって最適のプリント用紙80であるか否かが、識別情報等によって判別することができるので、識別情報等の読み取り結果に応じて写真プリント提供装置を動作させないようにすることができ、利用者に対してよりすぐれた品質の写真プリントの提供ができる。また、用紙等の偽造品が市場に流出することを防ぐことができる。
なお、上記各実施の形態では、撮影プレイ提供部,編集プレイ提供部およびプリント提供部をそれぞれ異なる場所に設け、撮影プレイ,編集プレイ,プリントの提供を同時に実行しうるようにしたが、これに限定するものではなく、撮影プレイ提供部と編集プレイ提供部とを同じ場所に設けて撮影プレイと編集プレイを順次実行するようにもできる。この場合、プリント提供部だけを別の場所に設けることもできるし、撮影プレイ提供部等と同じ場所に設けることもできる。また、撮影プレイ提供部と編集プレイ提供部を異なる場所に設け、編集プレイ提供部とプリント提供部を共通させることも可能である。
また、上記実施の形態では、コンピュータ装置、制御回路をそれぞれ2つで構成した場合で説明しているが、処理能力などで問題なければ、特に限定するものでなく、1つでも構わない。また、サービスパネルも、上述のように、撮影プレイ提供部と編集プレイ提供部を同じ場所に設ける場合などは、1つで構成されてもよい。
また、上記実施の形態では、編集プレイにおいて、編集コースは、撮影プレイで選択された撮影コースに応じて自動的に選択されるようにしたが、これに限定するものではなく、撮影コースに対応したものを利用者2が編集用ディスプレイ8の表示を見ながらタッチペン12の操作により所望の編集コースを選択するようにしてもよい。例えば、1つの撮影コースに対して対応する編集コースを複数準備し、それらのなかから所望のものを選択するようにしてもよい。
また、上記各実施の形態において、プリンタ9としては、昇華型プリンタ,インクジェットプリンタ,レーザプリンタ,熱転写型プリンタ,溶融型プリンタ,サーマルプリンタ,印画紙プリンタ,インスタントフィルムプリンタ等、各種のタイプのプリンタを適用することができ、特に限定するものではない。また、上記プリンタ9を複数台設けて利用者が印刷したい好みのプリンタ9を選択できるようにしてもよい。
また、上記各実施の形態において、出力する写真プリントは、特に限定するものではなく、シールプリントやカード等として出力することができ、印刷媒体35の材質や構成を限定する趣旨ではない。
また、上記各実施の形態では、硬貨の投入により撮影を開始するようにしたが、これに限定するものではなく、紙幣,プリペイドカード,メダル,クレジットカード,キャッシュカード等、撮影の対価として支払いうるものであれば、各種の態様を含む趣旨である。また、これらは、単独で用いる場合だけでなく、組み合わせて用いる場合も含む趣旨である。