以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<写真シール作成装置の外観構成>
図1および図2は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影画像や編集画像を提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、画像を利用者の携帯端末上で閲覧可能にするためにその画像をサーバに送信することで、利用者に画像を提供する。写真シール作成装置1は、アミューズメント施設や店舗に設置される。写真シール作成装置1の利用者は、主に女子高生や若い女性が中心とされる。写真シール作成装置1において、1組あたり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、写真シール作成装置1において、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業により、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した画像に、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させる。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
図1に示すように、写真シール作成装置1は、基本的に、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。
撮影ユニット11は、事前選択部20、撮影部21、および背景部22から構成される。事前選択部20は、撮影部21の側面に設置される。事前選択部20の前方の空間が、事前選択処理が行われる事前選択空間となる。また、撮影部21と背景部22は所定の距離だけ離れて設置される。撮影部21と背景部22の間に形成される空間が、撮影処理が行われる撮影空間となる。
事前選択部20は、事前選択処理として、写真シール作成装置1によって提供されるゲームを紹介するガイダンスを行ったり、撮影空間で行われる撮影処理における各種の設定を行ったりする。事前選択部20には、利用者が代金を投入する硬貨投入口や、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。事前選択部20は、撮影空間の空き状況に応じて、適宜、事前選択空間にいる利用者を撮影空間へと案内する。
撮影部21は、利用者を被写体として撮影するための装置である。撮影部21は、撮影空間に入った利用者の正面に位置する。撮影空間に臨む撮影部21の正面には、カメラや、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。撮影空間において正面を向いている利用者からみて左側の面を左側面、右側の面を右側面とすると、撮影部21の左側面が側面パネル41Aにより構成され、右側面が側面パネル41Bにより構成される。さらに、撮影部21の正面が正面パネル42により構成される。側面パネル41Aには、上述した事前選択部20が設置されるものとする。なお、事前選択部20は、側面パネル41Bに設置されるようにしてもよい。
背景部22は、背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52Bから構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する板状の部材である。側面パネル52Aは、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル41Aより横幅の狭い板状の部材である。側面パネル52Bは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル41Bより横幅の狭い板状の部材である。
側面パネル41Aと側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部23Aによって連結される。側面パネル41Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けた例えば金属製の部材である連結部23A’によって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bも同様に、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Bと側面パネル52Bの上部は、連結部23Bによって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bの下部は、連結部23B’によって連結される。
なお、背面パネル51の撮影空間側の面には、例えば緑色のクロマキー用のシートが貼り付けられる。写真シール作成装置1は、クロマキー用のシートを背景として撮影することで、撮影処理や編集処理においてクロマキー合成を行う。これにより、利用者が所望する背景画像がシートの部分に合成される。
側面パネル41A、連結部23A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル41B、連結部23B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口となる。
撮影空間の上方には、撮影部21の正面、連結部23A、および連結部23Bに囲まれた天井が形成される。その天井の一部に、天井ストロボユニット24が設けられる。天井ストロボユニット24の一端が連結部23Aに固定され、他端が連結部23Bに固定される。天井ストロボユニット24は、撮影に合わせて撮影空間内に向けて光を照射するストロボを内蔵する。天井ストロボユニット24の内部には、ストロボの他に蛍光灯が設けられている。これにより、天井ストロボユニット24は、撮影空間の照明としても機能する。
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル42に接するようにして、撮影ユニット11に連結している。
図1に示される編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
編集ユニット12の正面側は、面61と、面61の上方に形成された斜面62から構成される。面61は、床面に対して垂直で、撮影部21の側面パネル41Aとほぼ平行な面である。斜面62には、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。斜面62の左側には、照明装置64の一端を支持する柱状の支持部63Aが設けられる。斜面62の右側には、照明装置64の他端を支持する柱状の支持部63Bが設けられる。支持部63Aの上面にはカーテンレール26を支持する支持部65が設けられる。
編集ユニット12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、3本のレール26A乃至26Cが、組み合わせられて構成される。3本のレール26A乃至26Cは、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わせられる。平行に設けられるレール26Aとレール26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、レール26Aとレール26Bの他端は、レール26Cの両端にそれぞれ接合される。
カーテンレール26には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。そのカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面後方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
また、後述するが、編集ユニット12の左側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の左側面前方の空間が、利用者が印刷済みのシール紙が排出されるのを待つ印刷待ち空間となる。
<利用者の移動について>
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
まず、利用者は、事前選択部20の前方の空間である事前選択空間A0において硬貨投入口に代金を投入する。次に、利用者は、タッチパネルモニタに表示される画面に従って各種の設定を行う。利用者は、例えば、撮影空間で行われる撮影に関するコースの選択などを事前選択作業として行う。
事前選択作業を終えた利用者は、白抜き矢印#1で示すように、側面パネル41Aと側面パネル52Aの間の出入り口G1から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。そして利用者は、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影作業を行う。
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#2で示すように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2−1に移動するか、または、白抜き矢印#3で示すように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2−2に移動する。
編集空間A2−1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2−2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。印刷が開始されると、編集空間A2−1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#4で示すように編集空間A2−1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2−2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示すように編集空間A2−2から印刷待ち空間A3に移動する。
印刷待ち空間A3に移動した利用者は、画像の印刷の終了を待つ。印刷が終了すると、利用者は、編集ユニット12の右側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
次に、各装置の構成について説明する。
<事前選択部の構成>
図4は、事前選択部20の構成例を示す図である。
事前選択部20の上側にはタッチパネルモニタ71が設けられる。タッチパネルモニタ71は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ71は、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示し、利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。タッチパネルモニタ71には、撮影に関するコースの選択などを行わせる事前選択処理に用いられる画面が表示される。
タッチパネルモニタ71の下方には、スピーカ72が設けられる。スピーカ72は、事前選択処理の案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音などを出力する。また、スピーカ72に隣接するようにして、利用者が硬貨を入れる硬貨投入返却口73が設けられる。
<撮影部の構成>
図5は、撮影部21の正面の構成例を示す図である。撮影部21は、側面パネル41A、側面パネル41B、および正面パネル42に囲まれるようにして構成される。
正面パネル42の中央よりやや上側には、カメラユニット81が設けられる。カメラユニット81は、カメラ91、タッチパネルモニタ92、およびカメラストロボ93から構成される。
カメラ91は、例えば一眼レフカメラであり、レンズが露出するようにカメラユニット81の内部に取り付けられる。カメラ91は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を有し、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91により取り込まれた動画像(以下、ライブビュー画像ともいう)は、タッチパネルモニタ92にリアルタイムで表示される。撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた静止画像は、撮影画像として保存される。
タッチパネルモニタ92は、カメラ91の下方に設けられる。タッチパネルモニタ92は、LCDなどのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ92は、カメラ91により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUIを表示し利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。タッチパネルモニタ92には、カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)や静止画像(撮影画像)が表示される。
カメラストロボ93は、カメラ91の上方に設けられる。カメラストロボ93は、乳白アクリル板よりなる横長長方形の発光面を有する。カメラストロボ93は、カメラ91による撮影に合わせて発光することで、被写体としての利用者の顔付近を正面から照射する。
カメラユニット81の上方には、曲面の発光面を利用者に向けた上ストロボユニット82が設置される。上ストロボユニット82は、利用者の正面上方から、利用者の顔および上半身に光を照射する。
カメラユニット81の下方には、利用者の下半身および足元に光を照射する足元ストロボユニット83が設けられる。
上ストロボユニット82および足元ストロボユニット83は、蛍光灯とストロボ発光可能な照明機器とにより構成される。上ストロボユニット82および足元ストロボユニット83は、撮影空間を明るくして、利用者の操作性や安全性を確保するために、撮影空間内を常時照らすとともに、撮影画像の画質を向上させるために、撮影タイミングでストロボ発光し、被写体となる利用者に光を照射する。
足元ストロボユニット83と側面パネル41Aとの間には、箱状部84が設けられる。また、足元ストロボユニット83と側面パネル41Bとの間には、箱状部85が設けられる。箱状部84,85の上面は、写真シール作成装置1の設置面と略水平な面をなし、撮影作業を行う利用者が手荷物などを置くための荷物置き場として用いられる。
なお、図示はしないが、正面パネル42の例えば天井付近には、スピーカが設けられる。そのスピーカは、撮影処理の案内音声、BGM、効果音などを出力する。
<背景部の構成>
図6は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
背面パネル51の上方には、背面上ストロボ101が設置される。背面上ストロボ101は、背面上方から利用者に光を照射する。
図中、背面パネル51の左方には、背面左ストロボ102が設置される。背面左ストロボ102は、背面右方から利用者を照射する。図中、背面パネル51の右方には、背面右ストロボ103が設置される。背面右ストロボ103は、背面左方から利用者を照射する。
また、背面パネル51の撮影空間A1側(図中、手前側)の面には、クロマキーシート121が貼り付けられる。クロマキーシート121の色は、例えば緑色とされる。
なお、図示はしないが、側面パネル52A,52Bの撮影空間A1側の面の下側(床面側)にも、クロマキーシート121と同様に、クロマキーシートが貼り付けられる。
<編集ユニットの構成>
図7は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
斜面62のほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131の左側にはタッチペン132Aが設けられる。タブレット内蔵モニタ131の右側にはタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131は、タブレットがディスプレイを露出するように設けられることによって構成される。タブレットは、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bを用いた操作入力を可能とする。タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集作業に用いられる編集画面が表示される。2人の利用者が同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
図8は、編集ユニット12の左側面の構成例を示す図である。
編集ユニット12の左側面の下側にはシール紙排出口161が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられている。そのプリンタにより、編集空間A2−1の利用者が写る画像、または、編集空間A2−2の利用者が写る画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口161から排出される。
<シール紙の例>
図9は、以上のような外観構成を有する写真シール作成装置1により作成されるシール紙の例を示す図である。
図9に示す横長のシール紙には、5枚の編集画像である編集画像181−1乃至181−5が横に並べて印刷されている。
編集画像181−1乃至181−5のうち、編集画像181−1乃至181−3は、アップ画像に対して編集が施されることによって生成された画像であり、編集画像181−4と編集画像181−5は、全身画像に対して編集が施されることによって生成された画像である。
アップ画像と全身画像は縦横比が異なる。例えば、アップ画像の横方向の長さと縦方向の長さの比は1:1.2であり、全身画像の横方向の長さと縦方向の長さの比は3:4である。図9の例においては、アップ画像と全身画像が、横方向の長さを同じ長さとして印刷されている。なお、実際には、利用者の背景には、所定の色や柄の画像である背景画像が、前景には、手書きの文字やスタンプ画像などの前景画像が、それぞれ合成用画像として合成される。
シール紙の縁の余白には、機種名(LOVERY)と撮影日の他に、メールアドレス、IDなどが印刷される。余白領域に印刷されたメールアドレスとIDは、写真シール作成装置1からサーバに送信された画像を携帯電話機などの携帯端末で閲覧するときに利用される。
図10は、編集画像のレイヤ構造の例を示す図である。
左端の編集画像P1が編集によって生成される画像である。編集画像P1は、背景画像P11、撮影画像P12、前景画像P13の各レイヤの画像から構成される。
図10の例において、背景画像P11は、レンガを重ねた壁面の柄の画像である。前景画像P13は、「Love my friend」の手書き文字の画像とハート型の画像を含む画像である。「Love my friend」の手書き文字の画像は、撮影画像P12の中央下方の位置にペンツールを用いて利用者によって入力されたペン画像である。また、ハート型の画像は、撮影画像P12の左上の位置にスタンプツールを用いて利用者によって入力されたスタンプ画像である。
このように、編集画像P1は、クロマキ処理によって抽出した撮影画像P12の被写体の領域を背景画像P11に重ね、その上に前景画像P13を重ねることによって生成される。ペン画像やスタンプ画像を背景画像P11上に入力し、被写体の背景に表示させるようにすることも可能とされる。
<写真シール作成装置の内部構成>
図11は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。図11において、上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
制御部201はCPU(Central Processing Unit)などにより構成される。制御部201は、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、事前選択部208、撮影部209、編集部210A,210B、および印刷部211の各構成も接続される。
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部202は、制御部201から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部203は、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部203は、例えば、利用者に選択された撮影画像や編集画像を、例えば写真シール作成装置1の製造メーカが管理するサーバに送信する。通信部203から送信された画像は、サーバにおいて所定の記憶領域が割り当てられて保存され、サーバにアクセスしてきた携帯端末上で表示されたり、その携帯端末にダウンロードされたりする。
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
ROM206は、制御部201において実行されるプログラムやデータを記憶する。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
事前選択部208は、事前選択空間A0にいる利用者を対象とした事前選択処理を実現する。事前選択部208は、タッチパネルモニタ71、スピーカ72、および硬貨処理部221から構成される。
タッチパネルモニタ71は、制御部201による制御に従って各種の選択画面を表示し、選択画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、各種の設定が行われる。
硬貨処理部221は、硬貨投入返却口73への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号を制御部201に出力する。
撮影部209は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を実現する。撮影部209は、照明装置231、カメラ91、タッチパネルモニタ92、およびスピーカ232から構成される。
照明装置231は、撮影空間A1内の各ストロボユニットであり、制御部201から供給される照明制御信号に従って発光する。
カメラ91は、制御部201によるシャッタ制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像(画像データ)を制御部201に出力する。
編集部210Aは、編集空間A2−1にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。編集部210Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ241から構成される。編集部210Bは、編集空間A2−2にいる利用者を対象とした編集処理を実現し、編集部210Aと同一の構成を有する。なお、以下、編集部210A,210Bを特に区別しない場合には、単に、編集部210という。
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、編集対象となる撮影画像が編集される。
印刷部211は、印刷待ち空間A3にいる利用者に、印刷済みのシール紙である写真シールを出力する印刷処理を実現する。印刷部211は、プリンタ251を含むように構成される。プリンタ251にはシール紙ユニット252が装着される。
プリンタ251は、制御部201から供給された印刷データに基づいて、内蔵するヘッド261によって、画像をシール紙ユニット252に収納されているロール紙263に印刷する。また、プリンタ251は、画像を印刷したロール紙263を出力口に向けて送り、内蔵するカッター262によって所定のカット位置でカットして、シール紙排出口161に排出する。
<制御部の構成>
図12は、制御部201の機能構成例を示すブロック図である。図12に示す機能部のうちの少なくとも一部は、制御部201内のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。
制御部201は、事前選択処理部301、撮影処理部302、編集処理部303、および印刷処理部304から構成される。
事前選択処理部301は、事前選択部208の各部を制御することで、事前選択処理を実行する。撮影処理部302は、撮影部209の各部を制御することで、撮影処理を実行する。編集処理部303は、編集部210の各部を制御することで、編集処理を実行する。印刷処理部304は、印刷部211のプリンタ251を制御することで、印刷処理を実行する。
<編集処理部の構成例>
図13は、編集処理部303の機能構成例を示すブロック図である。
編集処理部303は、表示制御部331、合成部332、加工処理部333、および通信制御部334から構成される。
表示制御部331は、タブレット内蔵モニタ131の表示を制御する。例えば、表示制御部331は、タブレット内蔵モニタ131に、撮影画像を対象とした編集作業のための編集画面などを表示させる。
合成部332は、編集画面に対する操作に応じて、編集対象となる撮影画像に合成用画像を合成する。具体的には、合成部332は、編集画面において利用者により選択された合成用画像を、編集対象となる撮影画像の所定の位置に合成する。
加工処理部333は、編集画面に対する操作に応じて、編集対象となる撮影画像に所定の種類の加工を施す。具体的には、加工処理部333は、編集画面において利用者により選択された種類の加工を、編集対象となる撮影画像に施す。
ここで、加工とは、撮影画像全体またはその一部の写りを変更するための、撮影画像全体またはその一部に施される画像処理をいう。撮影画像全体は、撮影画像に写る被写体である人物はもちろん、その背景も含む全ての領域をいい、撮影画像の一部は、撮影画像に写る被写体である人物の一部分(例えば顔など)の領域をいうものとする。
通信制御部334は、通信部203を制御し、インターネットなどのネットワークを介した通信に関する処理を行う。例えば、通信制御部334は、通信部203を制御することで、撮影処理において得られた撮影画像や、編集処理において得られた編集画像を、上述したサーバへ送信する。
<写真シール作成装置の動作>
ここで、図14のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の動作について説明する。
ステップS1において、事前選択処理部301は、所定の金額分の硬貨が投入されたか否かを、硬貨処理部221から供給される起動信号に基づいて判定し、硬貨が投入されたと判定するまで待機する。
ステップS1において、硬貨が投入されたと判定された場合、処理はステップS2に進む。ステップS2において、事前選択処理部301は、事前選択部208を制御することで、事前選択処理を行う。具体的には、事前選択処理部301は、例えば、被写体となる利用者の人数を示す人数コースや、撮影空間で行われる撮影に関する撮影コース、撮影画像の背景となる背景画像、利用者の似顔絵の画像(プリキャラミー)を作成するための顔の各パーツの選択を利用者に行わせることで、各種の設定を行う。
ステップS3において、撮影処理部302は、撮影部209を制御することで、撮影処理を行う。具体的には、撮影処理部302は、カメラ91に取り込まれた被写体の動画像をタッチパネルモニタ92にライブビュー表示させ、撮影空間A1にいる利用者を被写体として撮影し、撮影画像を生成する。
撮影処理においては、複数回(例えば5回)の撮影が行われる。事前選択処理において選択された撮影コースによって、5回行われる撮影として、アップ撮影のみが行われたり、アップ撮影と全身撮影とが行われたりする。
ここで、アップ撮影とは、被写体の顔および上半身を撮影範囲とした撮影である。アップ撮影により、撮影画像として、被写体の顔および上半身が写るアップ画像が得られる。一方、全身撮影とは、被写体の全身を撮影範囲とした撮影である。全身撮影により、撮影画像として、被写体の全身が写る全身画像が得られる。
ステップS4において、編集処理部303は、編集空間A2−1と編集空間A2−2のうち、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部210を制御することで、編集処理を行う。具体的には、編集処理部303は、撮影処理により得られた撮影画像に対して利用者に編集作業を行わせることで、編集が施された編集画像を生成する。
ステップS5において、印刷処理部304は、プリンタ251を制御することで、印刷処理を行う(開始する)。具体的には、印刷処理部304は、所定のレイアウトで配置された撮影画像や編集画像をプリンタ251に出力してシール紙(ロール紙263)に印刷する。
印刷が終了すると、ステップS6において、プリンタ251は、画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口161に排出し、処理を終了させる。
<編集処理の詳細>
次に、図15のフローチャートを参照して、上述した写真シール作成ゲームの一連の処理におけるステップS4の編集処理の詳細について説明する。
編集処理が開始されると、ステップS31において、表示制御部331は、タブレット内蔵モニタ131にプリキャラミー結果表示画面を表示させる。
プリキャラミー結果表示画面は、利用者毎のプリキャラミーの作成結果が表示される画面である。上述したように、プリキャラミーは、利用者の似顔絵の画像である。プリキャラミーは、事前選択処理において選択された顔の各パーツと、撮影処理において行われた複数回のうちの1回の撮影として行われる顔認識用撮影により得られた顔画像に写る利用者の顔の各パーツとに基づいて作成される。
具体的には、事前選択処理においては、似顔絵の顔の輪郭、髪型、および髪色が選択される。また、顔認識用撮影により得られた画像においては、利用者の顔の目、鼻、口が抽出され、抽出された各パーツとの類似度が高い似顔絵の各パーツが取得される。そして、選択された似顔絵の顔の輪郭、髪型、および髪色と、取得された似顔絵の顔の目、鼻、口とを用いることで、プリキャラミーが作成される。作成されたプリキャラミーは、携帯送信用画像として、撮影画像に合成される合成用画像として、また、後述する「使えるシール」として用いられるようになる。
プリキャラミー結果表示画面において、OKボタンが押下されるか、プリキャラミー結果表示画面が表示されてから所定時間が経過すると、処理はステップS32に進む。
ステップS32において、表示制御部331は、タブレット内蔵モニタ131に使えるシールデザイン選択画面を表示させる。
使えるシールデザイン選択画面は、「使えるシール」のデザインの選択に用いられる画面である。「使えるシール」は、最終的に出力されるシール紙において、5枚の撮影画像に加えて印刷される画像である。「使えるシール」のデザインは、シール紙から切り取られて、便箋を閉じたり、スケジュール帳に貼り付けるなどの各種の用途に用いるのに適したデザインとされる。「使えるシール」は、5枚の撮影画像のいずれか、または、プリキャラミーが、選択されたデザインを有するデザイン画像の中に配置され合成されることで生成される。
使えるシールデザイン選択画面において、いずれかのデザインが選択されると、処理はステップS33に進む。
ステップS33において、表示制御部331は、タブレット内蔵モニタ131に編集画面を表示させる。
編集画面は、編集対象となる撮影画像の編集に用いられる画面である。編集画面には、編集対象となる撮影画像と、編集に用いられるスタンプ画像やペン画像などの各種の編集ツール(合成用画像)が表示される。
利用者は、タッチペン132A,132Bを用いて、スタンプ画像やペン画像などを編集対象となる撮影画像上の所定の位置へ重畳することで、編集対象となる撮影画像に対する合成用画像の合成が行われる。
すなわち、ステップS34において、合成部332は、利用者の操作に応じて、編集対象となる撮影画像に編集を施す(撮影画像に対する合成用画像の合成を行う)。
編集作業が終了すると、ステップS35において、表示制御部331は、タブレット内蔵モニタ131に分割数選択画面を表示させる。
分割数選択画面は、最終的に出力される写真シールの分割数やシールレイアウトの選択に用いられる画面である。シールレイアウトは、1枚の写真シールに配置される編集画像(撮影画像)の枚数や位置、大きさを決定するレイアウト(配置パターン)である。ここで、利用者により選択されたシールレイアウトに従って編集画像が配置されてなる画像、すなわち、ロール紙に印刷されて最終的に出力される画像をレイアウト画像という。このレイアウト画像のイメージを表すシール紙イメージは、記憶部202に記憶される。
したがって、分割数選択画面には、例えば5枚の撮影画像それぞれに編集が施された編集画像が、異なるシールレイアウトで配置されたレイアウト画像が複数表示される。
分割数選択画面において、レイアウト画像のいずれかが選択されると、処理はステップS36に進む。
ステップS36において、表示制御部331は、タブレット内蔵モニタ131に携帯送信用画像選択画面を表示させる。
携帯送信用画像選択画面は、携帯送信用画像の選択に用いられる画面である。携帯送信用画像は、上述したサーバを介して、利用者の所有する携帯端末上で表示されたり、その携帯端末にダウンロードされたりする撮影画像である。携帯送信用画像選択画面には、例えば5枚の編集画像に編集が施される前の5枚の撮影画像や、編集画面において作成された携帯送信専用の画像が表示される。
携帯送信用画像選択画面において、携帯送信用画像として、画像のいずれかが選択されると、処理はステップS37に進む。
ステップS37において、表示制御部331は、タブレット内蔵モニタ131にアドレス入力画面を表示させる。
アドレス入力画面は、利用者の所有する携帯端末のメールアドレスの入力に用いられる画面である。アドレス入力画面は、メールアドレスに用いることが可能なアルファベットや記号、携帯電話機のキャリアを選択するためのボタンと、選択されたボタンに対応する文字列が表示されるテキストボックスが表示される。
アドレス入力画面において、メールアドレスの入力が終了すると、処理はステップS38に進む。
ステップS38において、通信制御部334は、通信部203を制御することで、インターネットなどのネットワークを介して、利用者により選択された携帯送信用画像を、利用者によりアドレス入力画面に入力されたメールアドレスとともに、上述したサーバに送信する。
サーバは、利用者により入力されたメールアドレス宛てに、携帯端末がサーバにアクセスするのに必要なURLが記載されたメールを送信する。そして、そのURLに基づいて、利用者が所有する携帯端末が、ネットワークを介してサーバにアクセスすることで、サーバに送信された画像が携帯端末に提供される。
その後、ステップS39において、編集処理部303は、編集作業を終えた利用者に対して、印刷待ち空間A3への移動を案内する。印刷待ち空間A3への移動の案内は、編集部210のタブレット内蔵モニタ131に案内画面を表示させることによって、または音声をスピーカ241から出力させることによって行われる。
以上のようにして、編集処理が行われる。
<編集画面の構成>
ここで、上述した編集処理のステップS33において表示される編集画面の構成について説明する。
図16は、タブレット内蔵モニタ131に表示される編集画面の例を示す図である。
編集画面は、基本的に、主な構成が左右対称に設けられることによって構成される。左半分の領域は、タブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられる領域である。右半分の領域は、タブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる領域である。このような編集画面の構成により、主に2人の利用者が同時に編集作業を行うことができる。なお、図16に示される編集画面上の各領域を囲む破線は、画面に実際に表示されるものではない。
編集画面の左半分の領域(以下、単に左半分の領域という)の中央上方には、サムネイル表示領域411Lが設けられる。サムネイル表示領域411Lは、撮影画像を表すサムネイル画像の表示領域である。サムネイル画像は、例えば撮影画像をそれぞれ縮小することによって生成される。利用者(タブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者)は、サムネイル表示領域411Lに表示されているサムネイル画像を選択することによって、編集対象とする撮影画像を選択する。
図16の例では、5枚の撮影画像に対応するサムネイル画像と、1枚のプリキャラミーに対応するサムネイル画像とが、サムネイル表示領域411Lに並んで表示されている。
左半分の領域の略中央には、編集領域412Lが設けられる。編集領域412Lは、サムネイル表示領域411Lにおいて選択されたサムネイル画像に対応する、編集対象となる撮影画像の表示領域である。利用者は、タッチペン132Aを用いて編集ツールを選択し、編集領域412Lに表示された撮影画像の編集を行うことができる。
編集領域412Lの下方には、横長長方形の領域である編集パレット413Lが表示される。編集パレット413Lは、編集領域412Lに表示されている撮影画像に合成されるペンツール(ペン画像)、スタンプツール(スタンプ画像)などの各種の編集ツール(合成用画像)の選択に用いられるボタンなどが表示される領域である。
編集パレット413Lの上方には、編集ツールのカテゴリの選択に用いられる5種類のタブが表示される。編集パレット413Lの右には、編集ツールの種類の選択に用いられる6種類のタブが表示される。利用者は、編集パレット413Lに表示させる編集ツールの種類とカテゴリを、これらのタブを用いて切り替えることができる。
編集領域412Lの左方には、あとのせ加工パレット414L、および盛れるボタン配置領域415Lが表示される。あとのせ加工パレット414L、および盛れるボタン配置領域415Lの詳細については後述する。
編集領域412Lの右方には、修正ツール選択領域416Lが形成される。修正ツール選択領域416Lは、消しゴムツールの選択に用いられるボタン、「戻る」ボタン、「進む」ボタン、「最初から」ボタンなどが縦に並んで表示される領域である。消しゴムツールは、合成された編集ツールを消すときに用いられるツールである。「戻る」ボタンおよび「進む」ボタンは、編集ツールの選択操作を1つ戻す、または、1つ進めるときに操作されるボタンであり、「最初から」ボタンは、編集ツールの選択操作を全てキャンセルし、いずれの編集もされていない状態に戻すときに操作されるボタンである。また、修正ツール選択領域416Lには、「1set戻る」ボタンも表示される。「1set戻る」ボタンを押すことにより、所定の時間の間に合成された編集ツールをまとめて消すことができる。
修正ツール選択領域416Lの右方には、携帯端末に送信されるためだけの携帯専用画像である携帯おまけを作成するときに操作される、携帯おまけ作成ボタン417Lが表示される。
修正ツール選択領域416Lの上方には、編集処理を終了するときに操作される終了ボタン418Lが表示される。
タブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者に用いられる右半分の領域には、上述した左半分の領域の構成と同じ構成が、位置を対称にして配置される。
<あとのせ加工パレットの詳細>
ここで、あとのせ加工パレット414の詳細について説明する。
図17は、あとのせ加工パレット414の詳細を示す図である。なお、あとのせ加工パレット414は、図16の編集画面におけるあとのせ加工パレット414Lと、あとのせ加工パレット414Rとを区別せずに示すものである。
あとのせ加工パレット414は、編集対象として編集領域412L(412R)に表示されている撮影画像に施される加工の種類を選択するための領域であり、サムネイル表示領域411L(411R)や、編集領域412L(412R)、編集パレット413L(413R)などとともに、編集画面が初めて表示された状態(デフォルトの状態)で表示される。
図17に示されるように、あとのせ加工パレット414には、加工ボタン431,432、およびOFFボタン433が設けられる。
加工ボタン431は、編集対象となる撮影画像に、「ナチュラル」の加工を施すためのボタンである。加工ボタン431が選択されると、加工処理部333は、編集対象となる撮影画像全体に、「ナチュラル」の加工としてぼかし処理を施す。
このとき、加工処理部333は、編集対象となる撮影画像に写る利用者の顔に関する情報に基づいて、ぼかし処理を施す。具体的には、撮影画像に写る利用者の顔が大きいほど、ぼかし量の大きいぼかし処理が施され、撮影画像に写る利用者の顔が小さいほど、ぼかし量の小さいぼかし処理が施される。
加工ボタン432は、編集対象となる撮影画像に、「ピンク」の加工を施すためのボタンである。加工ボタン432が選択されると、加工処理部333は、編集対象となる撮影画像全体に、「ピンク」の加工として、加工ボタン431が選択されたときと同様のぼかし処理と、撮影画像全体の色を変更する色変更処理とを施す。
加工処理部333は、色変更処理として、編集対象となる撮影画像全体の色をピンクがかった色とするよう各画素の色相、彩度、輝度を変更する。なお、色変更処理として、撮影画像のトーンカーブ、コントラスト、カラーバランス、透明度、テクスチャなどが変更されるようにしてもよい。
上述した2種類の加工においては、顔に関する情報(顔の大きさ)に基づいてぼかし処理が施されるので、顔に関する情報によらず一様にぼかし処理が施される場合と比較して、顔と背景とのバランスがとれた画像を提供することができる。
OFFボタン433は、編集対象となる撮影画像に施された加工を外す(いずれの種類の加工も施されていない状態に戻す)ためのボタンである。
あとのせ加工パレット414においては、デフォルトの状態では、加工ボタン431,432、およびOFFボタン433のいずれもが選択されていない状態となる。
デフォルトの状態から、加工ボタン431が選択されると、図18Aに示されるように、加工ボタン431を囲むような選択枠F11が表示される。デフォルトの状態から、加工ボタン432が選択されると、図18Bに示されるように、加工ボタン431を囲むような選択枠F12が表示される。以降、選択枠F11,F12は、加工ボタン431,432のいずれかが選択される毎に表示される。
そして、選択枠F11,F12のいずれかが表示されている状態で、OFFボタン433が選択されると、図18Cに示されるように、OFFボタン433を囲むような選択枠F13が表示される。なお、選択枠F13は、OFFボタン433がタッチペン132A(132B)により押下されている間だけ表示される。したがって、タッチペン132A(132B)が、OFFボタン433(タブレット内蔵モニタ131)から離れると、選択枠F13は表示されなくなる。
また、選択枠F11,F12のいずれかが表示されている状態で、サムネイル表示領域411L(411R)において、編集対象となる撮影画像が変更された場合、最終的に選択されていた加工ボタン431,432のいずれかに選択枠F11,F12のいずれかが表示されたままとなる。
すなわち、編集領域412L(412R)に表示されている撮影画像に「ナチュラル」または「ピンク」のいずれかの種類の加工が施された状態で、サムネイル表示領域411L(411R)において、他の撮影画像に対応するサムネイル画像が選択された場合、編集領域412L(412R)には、先に選択されていた撮影画像に施された加工と同じ種類の加工が施された他の撮影画像が表示される。
なお、加工ボタン431,432のいずれかが選択されることで、編集対象となる撮影画像に施された種類の加工は、修正ツール選択領域416Lに表示される「進む」、「戻る」ボタンや、「1set戻る」ボタンの押下にかかわらず、編集対象となる撮影画像に施されたままとなる。
例えば、編集対象となる撮影画像に複数のスタンプ画像が合成された後、「ナチュラル」の加工が施されたとする。この後、利用者によって「戻る」ボタンが押下された場合、編集対象となる撮影画像には、「ナチュラル」の加工が施されたまま、複数のスタンプ画像のうち、直近に合成されたスタンプ画像が削除されることになる。
一方、編集対象となる撮影画像に施された種類の加工は、修正ツール選択領域416Lに表示される「最初から」ボタンの押下により、編集対象となる撮影画像から外される。
例えば、編集対象となる撮影画像に複数のスタンプ画像が合成された後、「ナチュラル」の加工が施されたとする。この後、利用者によって「最初から」ボタンが押下された場合、編集対象から「ナチュラル」の加工が外され、複数のスタンプ画像の全てが削除されることになる。
また、あとのせ加工パレット414において選択された種類の加工は、編集領域412L(412R)に表示されている撮影画像全体に反映されるものの、その撮影画像に合成される一部の合成用画像には反映されない。
例えば、合成用画像のうち、撮影画像における人物の背景に合成される背景画像や、人物の唇に合成されるリップ画像には、編集領域412L(412R)に表示されている撮影画像に合成された状態で、あとのせ加工パレット414において選択された種類の加工が反映される。これらの合成用画像は、撮影画像とともに加工が反映されないと、その見た目が不自然になるものとされる。
一方、合成用画像のうち、ペン画像やスタンプ画像、人物の頬に合成されるチーク画像には、編集領域412L(412R)に表示されている撮影画像に合成された状態であっても、あとのせ加工パレット414において選択された種類の加工は反映されない。これらの合成用画像は、撮影画像とともに加工が反映されてしまうと、その質感などが失われてしまうものとされる。
このようにして、利用者は、あとのせ加工パレット414において、編集対象となる撮影画像に施す加工の種類を選択することで、撮影画像の写りを、撮影画像毎に選択することができる。
従来の写真シール機においては、利用者が写りコースを事前に選択することで、撮影画像の写りが決定されていた。しかしながら、この場合、複数の撮影画像全てについて、同じ写りが決定されてしまい、撮影画像毎にその写りを選択することができなかった。
そこで、上述したように、あとのせ加工パレット414において、編集対象となる撮影画像に施す加工の種類を選択させるようにすることで、撮影画像毎にその写りを選択することができるようになる。そして、従来からの編集(合成用画像の合成)と、写りを変える加工とを、1つの編集画面上で撮影画像に対して施すことができるようになる。これにより、より確実に、利用者の好みの撮影画像を提供することが可能となる。
以上においては、編集対象となる撮影画像に施される加工の種類は、あとのせ加工パレット414において利用者により選択され、決定されるものとしたが、他の条件によって決定されるようにしてもよい。
例えば、編集対象となる撮影画像に合成される合成用画像(ペン画像、スタンプ画像、背景画像など)の種類に応じて、加工の種類が決定されるようにしてもよい。具体的には、暖色のペン画像が編集対象となる撮影画像に合成される場合、撮影画像全体の色を暖色がかった色とする加工が施され、寒色のペン画像が編集対象となる撮影画像に合成される場合、撮影画像全体の色を寒色がかった色とする加工が施されるようにする。
また、編集処理において、撮影画像における人物の目の大きさを選択可能とする機能が提供されるようにした場合、選択された目の大きさに応じて、加工の種類が決定されるようにしてもよい。具体的には、目の大きさを大きくする選択がされた場合、撮影画像全体の色を暖色がかった色とする加工が施され、目の大きさを小さくする選択がされた場合、撮影画像全体の色を寒色がかった色とする加工が施されるようにする。
なお、加工が施された撮影画像が、シールレイアウトに従って配置されてシール紙に印刷される際、施された加工の種類毎に、撮影画像が配置されるようにしてもよい。通常、撮影画像は、その撮影が行われた順に配置されて印刷されるが、異なる種類の加工が施された撮影画像が混在するように配置された場合、見た目の印象として、シール紙全体の統一感が損なわれてしまう。そこで、施された加工の種類毎に、撮影画像が配置されるようにすることで、見た目の印象として、シール紙全体の統一感を損なわないようにすることができる。
なお、利用者は、複数の撮影画像のうちの1の撮影画像から携帯おまけを作成するときにも、その撮影画像に施される加工の種類を選択することができる。
<携帯おまけ作成画面について>
図19は、携帯おまけ作成ボタン417L(417R)が選択されることで表示される、携帯おまけ作成画面の例を示す図である。
携帯おまけ作成画面は、携帯おまけ作成ボタン417L(417R)が選択されると、編集画面の左半分の領域(右半分の領域)に重畳表示される。
携帯おまけ作成画面の上側には、加工選択領域451が設けられる。加工選択領域451には、画像の一部または全体の色情報(トーンカーブ、輝度値、コントラスト等)を変更する加工の種類を示す6枚の加工見本画像が左右方向に1列に配列されて表示される。この加工によれば、画像全体の雰囲気を変えることが可能となる。
また、色情報を変更する加工の種類は、6種類より多く用意されており、加工選択領域451の左右に設けられる移動ボタン451L,451Rが操作されることにより、加工選択領域451に左右方向に配列されて表示されている加工見本画像全体が左右にシフトすることで、他の種類の加工に対応する加工見本画像が表示されるようになる。
携帯おまけ作成画面の下側には、加工選択領域452が設けられる。加工選択領域452には、画像に所定の質感および/または色のレイヤ画像(前景画像)を重畳する加工の種類を示す6枚の加工見本画像が左右方向に1列に配列されて表示される。ここでいう質感とは、例えば明るさや透明感といった、画像の表面の視覚的な感じを表す。この加工によれば、画像全体の印象を変えることが可能となる。
加工選択領域451と加工選択領域452との間には、加工が施された撮影画像を表示するための加工結果表示領域453が設けられる。加工結果表示領域453には、携帯おまけとして選択された撮影画像に、加工選択領域451および加工選択領域452において選択された加工が施された加工結果が表示される。
また、加工選択領域452の下方中央には、加工結果表示領域453に表示されている加工結果を決定するための決定ボタン454が設けられ、加工選択領域452の下方左側には、表示されている携帯おまけ作成画面の表示を、1つ前の画面に戻すためのもどるボタン455が設けられ、加工選択領域452の下方右側には、携帯おまけの作成を終了するためのやめるボタン456が設けられる。
このように、携帯おまけ作成画面は、あとのせ加工パレット414において選択可能な種類の加工とは異なる種類の加工を選択するための加工選択領域451と加工選択領域452を有している。
携帯おまけ作成画面においては、5枚の撮影画像のうちの1枚の撮影画像が携帯おまけとして選択されて、加工が施される。したがって、1枚の撮影画像について、あとのせ加工パレット414において選択された種類の加工が施された画像と、携帯おまけ作成画面において選択された種類の加工が施された画像とが作成される。すなわち、1枚の撮影画像から、2枚の異なる写りの画像が作成されるので、利用者に高い満足度を与えることができる。
<盛れるボタン配置領域の詳細>
次に、盛れるボタン配置領域415L(415R)の詳細について説明する。
図20は、盛れるボタン配置領域415Lの詳細を示す図である。
盛れるボタン配置領域415Lは、編集対象として編集領域412L(412R)に表示されている撮影画像に写る2人の利用者のいずれか一方の「目の濃さ」および「目の大きさ」を選択するための領域であり、サムネイル表示領域411L(411R)や、編集領域412L(412R)、編集パレット413L(413R)とともに、デフォルトの状態で表示される。
図20に示されるように、盛れるボタン配置領域415Lには、顔画像表示領域471、目の濃さ選択ボタン472、目の大きさ選択ボタン473、および切り替えボタン474が設けられる。なお、盛れるボタン配置領域415Rも同様の構成を有するものとする。
また、盛れるボタン配置領域415L(415R)において、顔画像表示領域471および切り替えボタン474は、事前選択処理において選択される人数コースとして、2人コースおよび3人以上コースのうち、2人コースが選択された場合にのみ表示されるものとする。
顔画像表示領域471は、2人の利用者のいずれか一方の顔画像が表示される領域である。顔画像表示領域471に表示される顔画像は、顔認識用撮影により得られた顔画像とされる。
デフォルトの状態で、盛れるボタン配置領域415Lの顔画像表示領域471に表示される顔画像と、盛れるボタン配置領域415Rの顔画像表示領域471に表示される顔画像とは、顔認識用撮影時の利用者の立ち位置によって決定される。具体的には、顔認識用撮影の際、カメラ91から見て左側に立っていた利用者の顔画像は、盛れるボタン配置領域415Lの顔画像表示領域471に表示され、カメラ91から見て右側に立っていた利用者の顔画像は、盛れるボタン配置領域415Rの顔画像表示領域471に表示される。
目の濃さ選択ボタン472は、撮影画像に写る利用者のうち、顔画像表示領域471に表示されている顔画像に対応する利用者の目の濃さ(アイラインの太さ)を濃く(太く)するためのボタンである。目の濃さ選択ボタン472は、1人の利用者について1回のみ選択可能で、目の濃さ選択ボタン472が選択されることで、その利用者の目の濃さが1段階だけ濃くなる。
目の大きさ選択ボタン473は、撮影画像に写る利用者のうち、顔画像表示領域471に表示されている顔画像に対応する利用者の目の大きさを大きくするためのボタンである。目の大きさ選択ボタン473は、1人の利用者について1回のみ選択可能で、目の大きさ選択ボタン473が選択されることで、その利用者の目の大きさが1段階だけ大きくなる。
なお、上述したあとのせ加工パレット414において選択された種類の加工は、編集対象となる撮影画像のみに反映されるものである。一方、目の濃さ選択ボタン472が選択されることで施される目の濃さを濃くする処理、および、目の大きさ選択ボタン473が選択されることで施される目の大きさを大きくする処理は、全ての撮影画像に反映されるものとする。
切り替えボタン474は、盛れるボタン配置領域415Lの顔画像表示領域471に表示される顔画像と、盛れるボタン配置領域415Rの顔画像表示領域471に表示される顔画像とを切り替える(入れ替える)ためのボタンである。
ここで、図21を参照して、盛れるボタン配置領域415L,415Rにおける人物の切り替えについて説明する。
図21上段においては、盛れるボタン配置領域415Lの顔画像表示領域471に一方の利用者の顔画像が表示され、盛れるボタン配置領域415Rの顔画像表示領域471に他方の利用者の顔画像が表示されている。
この状態で、盛れるボタン配置領域415Lにおいて、切り替えボタン474が選択されると、図21下段に示されるように、盛れるボタン配置領域415Lの顔画像表示領域471に表示されていた一方の利用者の顔画像が、盛れるボタン配置領域415Rの顔画像表示領域471に表示され、盛れるボタン配置領域415Rの顔画像表示領域471に表示されていた他方の利用者の顔画像が、盛れるボタン配置領域415Lの顔画像表示領域471に表示される。
すなわち、盛れるボタン配置領域415L,415Rのいずれかにおいて、切り替えボタン474が選択されると、盛れるボタン配置領域415L,415Rそれぞれの顔画像表示領域471に表示されていた顔画像が切り替わる(入れ替わる)ようになる。
なお、盛れるボタン配置領域415L,415Rそれぞれの顔画像表示領域471においては、同時に、同一の利用者の顔画像が表示されることはない。
また、上述したように、目の濃さ選択ボタン472や目の大きさ選択ボタン473が選択された場合に施される処理は、全ての撮影画像に反映されるものとするが、反映のタイミングは、撮影画像の状態によって異なる。
例えば、盛れるボタン配置領域415Lにおいて、目の濃さ選択ボタン472や目の大きさ選択ボタン473が選択された場合、編集領域412Lに表示されている撮影画像に写る利用者のうち、盛れるボタン配置領域415Lの顔画像表示領域471に表示されている顔画像に対応する利用者について、目の濃さを濃くする処理や目の大きさを大きくする処理がリアルタイムで反映される。一方、編集領域412Rに表示されている撮影画像に写る利用者のうち、盛れるボタン配置領域415Lの顔画像表示領域471に表示されている顔画像に対応する利用者について、目の濃さを濃くする処理や目の大きさを大きくする処理はリアルタイムで反映されず、編集対象となる撮影画像を変更する(他の撮影画像に対応するサムネイル画像を選択する)などのタイミングで反映される。
上述した実施の形態では、写真シール作成装置1は、得られた撮影画像や編集画像をシール紙に印刷するとともに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供する構成を採るものとした。これに限らず、撮影画像や編集画像をシール紙に印刷せずに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供するのみの構成を採ることも可能である。また逆に、撮影画像や編集画像をサーバに送信せずに、シール紙に印刷するのみの構成を採ることも可能である。
すなわち、本技術は、撮影画像や編集画像がシール紙に印刷された写真シールを作成する写真シール作成装置に限らず、単に、撮影画像や編集画像を作成するゲームを提供する写真作成ゲーム機に適用することができる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図11に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、そのプログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205により構成される。また、これらだけでなく、記録媒体は、装置本体にあらかじめ組み込まれた状態で管理者に配信されるプログラムが記録されているROM206や、記憶部202に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではない。例えば、所定のサイズの紙やフィルム、プリペイドカードやIC(Integrated Circuit)カードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに、画像を印刷するようにしてもよい。この場合、1または複数の撮影画像が配置されたシールレイアウト画像が、これらの印刷媒体に印刷されるようにしてもよい。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。