JP4606953B2 - 情報隠蔽シート - Google Patents

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Description

本発明は、シート上の所定の領域に付与された情報を隠蔽することができる情報隠蔽シートに関する。
従来より、情報を記入するための情報記入領域が設けられたはがきにおいて、情報記入領域に情報を記入した後に、この情報記入領域上に隠蔽片を剥離可能に貼着し、それにより、情報記入領域に記入された情報を隠蔽可能とするものが考えられている。このようなはがきの構造としては、例えば、隠蔽片の一方の面に、層間が剥離可能に重合した透明な接合材の両面に透明な粘着剤が塗布されてなる介在シートを貼付しておき、この介在シートによって情報記入領域上に隠蔽片を剥離可能に貼着する技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
このはがきを用いて情報を伝達する場合は、はがきの送付先に伝達したい情報を情報記入領域に記入した後、情報記入領域上に介在シートを介して隠蔽片を貼着し、その状態ではがきを送付先に送付する。これにより、はがきの送付途中においては、情報記入領域に記入された情報は隠蔽片によって覆われており、外部から見られてしまうことはない。また、このはがきが送付先に送付された後、はがきの送付先において隠蔽片を剥離すると、接合材の層間が剥離し、情報記入領域に記入された情報が接合材の一方の層を介して視認可能となり、それにより、情報記入領域に記入された情報がはがきの送付元から送付先に伝達されることになる。
特開平10−264559号公報
しかしながら、上述したように、層間が剥離可能に重合した透明な接合材の両面に透明な粘着剤が塗布されてなる介在シートを隠蔽片の一方の面に貼付しておくものにおいては、介在シートによって情報記入領域上に隠蔽片を貼着する前の状態では、介在シートのうち隠蔽片に貼付された面とは反対側の面に粘着剤によって剥離紙を剥離可能に貼付しておく必要があるため、その分のコストアップが生じてしまうとともに、剥離紙を剥離した後、この剥離紙によるごみが生じてしまうという問題点がある。
また、隠蔽片上に接着力が弱く剥離可能な粘着剤を塗布しておき、情報記入領域に情報を記入した後、この粘着剤によって隠蔽片を情報記入領域上に剥離可能に貼着するものにおいても、情報記入領域上に隠蔽片を貼着する前の状態では、隠蔽片の情報記入領域との貼着面に、粘着剤によって剥離紙を剥離可能に貼付しておく必要があるため、上述したものと同様の問題点が生じてしまう。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、剥離紙を用いることなく、情報付与領域に付与された情報を1枚の紙片のような形態となったシートを用いて隠蔽して往復送付することができる情報隠蔽シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
情報が付与される情報付与領域を有する第1のシートと、該第1のシートに剥離可能に貼着された第2のシートとからなり、該第2のシートを前記第1のシートから剥離して該第2のシートの一部を前記第1のシートに再貼着することにより、前記情報付与領域に付与された情報を隠蔽する情報隠蔽シートであって、
前記第1のシートは、前記情報付与領域が設けられた面に、筆記性を具備する第1の貼着手段からなる第1の貼着層が積層され、
前記第2のシートは、分離線を介して第1及び第2の領域に分離可能に構成されるとともに、前記第1のシートと対向する面に、前記第1の貼着手段のみが貼着及び剥離可能な第2の貼着手段からなる第2の貼着層が積層され、
前記第1の貼着手段は、前記第2の貼着手段のみが貼着及び剥離可能であり、
前記第1及び第2の貼着手段によって前記第1のシートと前記第2のシートとが剥離可能に貼着されている。
上記のように構成された本発明においては、第1のシートと第2のシートとが剥離され、第1のシートに設けられた情報付与領域に情報が付与された後、第2のシートの第1の領域が第2のシートの第2の領域から分離線を介して分離され、この第1の領域が、第2のシートに積層された第2の貼着層を構成する第2の貼着手段と第1のシートに積層された第1の貼着層を構成する第1の貼着手段とによって情報付与領域に貼着される。これにより、第1のシートに設けられた情報付与領域に付与された情報が第2のシートの第1の領域によって隠蔽されることになる。
また、情報が付与される情報付与領域を有する第1のシートと、該第1のシートに剥離可能に貼着された第2のシートとからなり、該第2のシートを前記第1のシートから剥離して該第2のシートの一部を前記第1のシートに再貼着することにより、前記情報付与領域に付与された情報を隠蔽する情報隠蔽シートであって、
前記第1のシートは、前記情報付与領域上に筆記性を具備する第1の貼着手段からなる第1の貼着層が積層されるとともに、他の領域の前記第2のシートと対向する面に第1の剥離層が積層され、
前記第2のシートは、前記第1の剥離層に対向する領域が第1の領域となるように分離線を介して該第1の領域と第2の領域とに分離可能に構成され、前記第1の領域の前記第1のシートと対向する面に、剥離後の再貼着が前記第1の貼着手段とのみ可能な第2の貼着手段からなる第2の貼着層が積層されるとともに、前記第2の領域の前記第1のシートに対向する面に第2の剥離層が積層され、
前記第1の貼着手段は、剥離後の再貼着が前記第2の貼着手段とのみ可能であり、
前記第1及び第2の貼着手段と前記第1及び第2の剥離層とによって前記第1のシートと前記第2のシートとが剥離可能に貼着されている。
このような構成とした場合は、第1のシートと第2のシートとが剥離され、第1のシートに設けられた情報付与領域に情報が付与された後、第2のシートの第1の領域が第2のシートの第2の領域から分離線を介して分離され、この第1の領域が、第1の領域に積層された第2の貼着層を構成する第2の貼着手段と情報付与領域に積層された第1の貼着層を構成する第1の貼着手段とによって情報付与領域に貼着される。これにより、第1のシートに設けられた情報付与領域に付与された情報が第2のシートの第1の領域によって隠蔽されることになる。
また、前記第2のシートは、前記第1の領域の前記第1のシートと対向する面に、剥離可能な構成を有する擬似接着層が積層され、該擬似接着層上に前記第2の貼着層が積層されていることを特徴とする。
このような構成とした場合は、情報付与領域に第2のシートの第1の領域を貼着した後、第1の領域を情報付与領域から剥離しようとすると、擬似接着層が剥離して第1の領域が情報付与領域から剥離されることになる。
以上説明したように本発明においては、第1のシートに積層された第1の貼着層を構成する第1の貼着手段と、第2のシートに積層された第2の貼着層を構成する第2の貼着手段とが互いにのみ貼着及び剥離可能であり、この第1の貼着手段と第2の貼着手段によって第1のシートと第2のシートとが剥離可能に貼着されており、第1のシートと第2のシートとが剥離された後、第1のシートに設けられた情報付与領域に情報が付与されるとともに、第2のシートの第1の領域が第2のシートの第2の領域から分離線を介して分離され、第1の貼着手段と第2の貼着手段によって第1の領域が第1のシートに設けられた情報付与領域上に貼着されるため、剥離紙を用いることなく、情報付与領域に付与された情報を1枚の紙片のような形態となったシートを用いて隠蔽して往復送付することができる。
また、第1のシートの情報付与領域に積層された第1の貼着層を構成する第1の貼着手段と、第2のシートの第1の領域に積層された第2の貼着層を構成する第2の貼着手段とが互いにのみ剥離後の再貼着が可能であり、さらに、第1及び第2の貼着層に対向する領域には第1及び第2の剥離層がそれぞれ積層されており、この第1及び第2の貼着手段と第1及び第2の剥離層とによって第1のシートと第2のシートとが剥離可能に貼着されているものにおいては、第2のシートの第1の領域が第1の剥離層に対向しているので、第1のシートと第2のシートとが剥離され、その後、第1のシートに設けられた情報付与領域に情報が付与されるとともに、第2のシートの第1の領域が第2のシートの第2の領域から分離線を介して分離され、第1の貼着手段と第2の貼着手段によって分離領域が情報付与領域上に貼着されるため、剥離紙を用いることなく、情報付与領域に付与された情報を隠蔽することができる。
また、第2のシートの第1の領域の第1のシートと対向する面に、剥離可能な構成を有する擬似接着層が積層され、この擬似接着層上に第2の貼着層が積層されているものにおいては、情報付与領域に第1の領域を貼着した後、第1の領域を情報付与領域から容易に剥離することができるとともに、情報が付与された情報付与領域が擬似接着層によって覆われた状態となり、外部からの損傷等から保護することができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の情報隠蔽シートに用いられる2つのシートのうち一方のシートの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したB−B’断面図、(d)は裏面から見た図である。また、図2は、本発明の情報隠蔽シートに用いられる2つのシートのうち他方のシートの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したB−B’断面図である。また、図3は、図1に示したシート10と図2に示したシート20とから構成された情報隠蔽シートを示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は積層状態を示す図、(c)は(a)に示したA−A’断面図、(d)は(a)に示したB−B’断面図である。
本形態は図3に示すように、図2に示した第1のシート20上に図1に示した第2のシート10が剥離可能に貼着されて構成されている。
シート10は図1に示すように、分離線13を介して第1及び第2の領域に分離可能に構成され、第1の領域が分離領域12となり、第2の領域の表面にこのシート10の送付先の住所や氏名からなる宛先情報11が記載されている。また、分離線13を介して宛先情報11が記載された側の裏面には、シート10のベース基材10a上に剥離剤が塗布されることにより第2の剥離層10bが積層されている。また、分離領域12の裏面には、シート10のベース基材10a上に剥離可能な構造を有する擬似接着層30が積層され、この擬似接着層30上に第2の貼着手段である粘着剤40aが塗布されることにより第2の貼着層が積層されている。なお、擬似接着層30は、シート10のベース基材10a上に目止剤が塗布されることにより形成された目止層31と、この目止層31上に剥離剤が塗布されることにより形成された剥離層32と、この剥離層32上に透明なニスが塗布されることにより形成されたニス層33とから構成されており、剥離層32とニス層33との境界面にて剥離可能及び再貼着不可能となっている。また、分離領域12には、その角部にベース基材10aから剥離層32まで達する切り込み14が形成されている。
シート20は図2に示すように、シート10の剥離層10bと対向する領域の表面に、情報が印字あるいは記入される情報付与領域21が設けられるとともに、情報付与領域21ではない領域、すなわち、シート10の分離領域12と対向する領域にこのシート20の送付先の住所や氏名からなる宛先情報22が記載されている。また、情報付与領域21上には、シート20のベース基材20a上に第1の貼着手段である粘着剤40bが塗布されることにより第1の貼着層が積層されており、また、宛先情報22が記載された領域上には、シート20のベース基材20a上に剥離剤が塗布されることにより第1の剥離層20bが積層されている。
このように構成されたシート10とシート20とは、図3に示すように、シート10の裏面とシート20の表面とが対向するように重ね合わされる。その際、分離領域12が、シート20に積層された剥離層20bと対向する領域となっていることから、粘着剤40aによってシート10に積層された第2の貼着層とシート20に積層された剥離層20bとが互いに対向し、また、情報付与領域21が、シート10に積層された剥離層10bと対向する領域に設けられていることから、粘着剤40bによってシート20に積層された第1の貼着層とシート10に積層された剥離層10bとが互いに対向し、それにより、シート10とシート20とが剥離可能に貼着されている。
ここで、粘着剤40a,40bについて詳細に説明する。
粘着剤40a,40bは、自己粘着性を有する高分子ポリマー等の同一の材料からなり、手で押し付ける等といった通常の圧力で自己のみが貼着可能なものである。すなわち、粘着剤40aは、粘着剤40bのみが貼着可能なものであり、また、粘着剤40bは粘着剤40aのみが貼着可能なものである。ただし、ベース基材10a上に積層された擬似接着層30あるいはベース基材20a上に粘着剤40a,40bが塗布された直後の粘着剤40a,40bに含有される水分が揮発する前の状態に限っては、粘着剤40a,40bは、それぞれ粘着剤40a,40b以外のものにも貼着可能である。すなわち、粘着剤40aは、粘着剤40bのみが再貼着可能であり、また、粘着剤40b以外のものに対しては、粘着剤40aに含有される水分が揮発する前の状態においては貼着が可能であるが、一度剥離された後は再貼着が不可能となる。また、粘着剤40bは、粘着剤40aのみが再貼着可能であり、また、粘着剤40a以外のものに対しては、粘着剤40bに含有される水分が揮発する前の状態においては貼着が可能であるが、一度剥離された後は再貼着が不可能となる。それにより、分離領域12の粘着剤40aが塗布された面は、シート20の粘着剤40bが塗布された面や剥離層20bが積層された面と貼着するものの、一度剥離された後は、シート20の粘着剤40bが塗布された面とのみ再貼着し、他の紙や樹脂とは再貼着しない。また、シート20の粘着剤40bが塗布された面についても、分離領域12の粘着剤40aが塗布された面やシート10の剥離層10bが積層された面と貼着するものの、一度剥離された後は、分離領域12の粘着剤40aが塗布された面とのみ再貼着し、他の紙や樹脂とは再貼着しない。このように、粘着剤40a,40bとしては、常温、常圧において自着性を有し他着性を有さないものが挙げられる。この粘着剤40a,40bの一例としては、リカボンドAP−P217(中央理化製)が挙げられる。また、ベース基材20a上に粘着剤40bが塗布されてなる第1の貼着層は筆記性を有するため、ベース基材20a上に粘着剤40bが塗布されてなるシート20の情報付与領域21には情報の印字や記入が可能となっている。
以下に、上記のように構成された情報隠蔽シートの使用方法について説明する。
まず、図1に示したシート10と図2に示したシート20とを図3に示したように重ね合わせ、粘着剤40a,40b及び剥離層10a,10bによって剥離可能に貼着した状態で、宛先情報11に従ってシート10の送付先に送付する。この際、シート10とシート20とは、ベース基材10a上に積層された擬似接着層30あるいはベース基材20a上に粘着剤40a,40bが塗布された直後に貼着されるため、粘着剤40aが塗布された分離領域12がシート20の剥離層20bと貼着し、また、粘着剤40bが塗布された情報付与領域21が剥離層10bと貼着する。また、この状態においては、粘着剤40a,40bが塗布された面が表出していないため、情報隠蔽シートの往信時に、粘着剤40a,40bと同一の材料からなる粘着剤が塗布されたものに接触してもそれと貼着されてしまうことはない。
シート10とシート20とが貼着された状態でシート10の送付先に送付された後、シート10の送付先において、まず、シート10とシート20とを剥離する。ここで、シート10とシート20とは粘着剤40a,40bによって貼着されているが、粘着剤40a,40bが塗布された領域が貼着されているのが剥離層10b,20bであるため、シート10とシート20とを剥離することができる。
次に、シート20に設けられた情報付与領域21に、隠蔽すべき情報を印字あるいは記入する。なお、上述したように、ベース基材20a上に粘着剤40bが塗布されてなる第1の貼着層は筆記性を有するため、ベース基材20a上に粘着剤40bが塗布されてなるシート20の情報付与領域21には情報を印字したり記入したりすることができる。このように情報付与領域21に情報を印字あるいは記入することにより、情報付与領域21に情報を付与することになる。
次に、シート10の分離領域12を分離線13を介して宛先情報11が記載された領域から分離する。なお、この分離領域12の宛先情報11が記載された領域からの分離においては、分離線13としてミシン目を形成しておきこのミシン目を断裁することによって行うことや、分離線13を印刷しておき、この分離線13をはさみ等で断裁することによって行うこと等が考えられる。
そして、宛先情報11が記載された領域から分離された分離領域12をシート20の情報付与領域21上に重ね合わせ、粘着剤40a,40bによってこれらを互いに貼着する。なお、粘着剤40a,40bは互いにのみ再貼着可能であるため、上述したように、シート10とシート20とが剥離された後でも、再度この粘着剤40a,40bによって、シート20の情報付与領域21上にシート10の分離領域12を貼着することができる。
図4は、図2に示したシート20の情報付与領域21上に図1に示したシート10の分離領域12が貼着された状態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
図4に示すように、図2に示したシート20の情報付与領域21上にシート10の分離領域12が粘着剤40a,40bによって貼着された状態においては、情報付与領域21に印字あるいは記入された情報は、分離領域12によって覆われているため、外部から視認不可能となる。
このようにシート20の情報付与領域21上にシート10の分離領域12が貼着された状態において、このシート20を、シート20の表面に記載された宛先情報22にしたがって送付先に送付することになる。この状態においては、情報付与領域21に記入された情報が分離領域12によって隠蔽されているため、シート20の送付途中において、情報付与領域21に印字あるいは記入された情報が見られてしまうことはない。また、この状態においては、粘着剤40a,40bが塗布された面が表出していないため、情報隠蔽シートの返信時に、粘着剤40a,40bと同一の材料からなる粘着剤が塗布されたものに接触してもそれと貼着されてしまうことはない。
その後、シート20が送付先にて受け取られると、シート20に貼着された分離領域12が剥離される。この際、分離領域20には、角部にベース基材10aから剥離層32まで達する切り込み14が形成されているため、この切り込み14を利用してシート20から分離領域12を容易に剥離することができる。
図5は、図2に示したシート20に図1に示した分離領域12が貼着された後にシート20から分離領域12が剥離された状態を示す図であり、(a)は貼着されていた面を示す図であり、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はシート20から剥離された分離領域12の断面図である。
シート20から分離領域12を剥離すると、擬似接着層30が剥離層32とニス層33との境界面にて剥離可能な擬似接着構造であるため、図5に示すように、剥離層32とニス層33との境界面にて剥離し、それにより、ニス層33が粘着剤40a,40bによってベース基材20aに貼着されたままシート20側に残存し、また、目止層31及び剥離層32が分離領域12のベース基材10aとともにシート20から剥離される。そして、ニス層33及び粘着剤40a,40bが透明な材料から構成されているため、情報付与領域21に印字あるいは記入された情報23がニス層33及び粘着剤40a,40bを介して外部から視認可能な状態となる。この際、情報23が印字あるいは記入された粘着剤40bは、粘着剤40aを介してニス層33によって覆われているため、外部から損傷等を受けにくくなる。
これにより、シート20の送付先に、情報付与領域21に印字あるいは記入された情報23を通知しながらも、シート20の送付途中において、情報付与領域21に印字あるいは記入された情報が見られてしまうことを防止することができる。
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の情報隠蔽シートに用いられる2つのシートのうち一方のシートの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したB−B’断面図、(d)は裏面から見た図である。また、図7は、本発明の情報隠蔽シートに用いられる2つのシートのうち他方のシートの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したB−B’断面図である。また、図8は、図6に示したシート110と図7に示したシート120とから構成された情報隠蔽シートを示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は積層状態を示す図、(c)は(a)に示したA−A’断面図、(d)は(a)に示したB−B’断面図である。
本形態は図8に示すように、図7に示した第1のシート120上に図6に示した第2のシート110が剥離可能に貼着されて構成されている。
シート110は図6に示すように、分離線113を介して第1及び第2の領域に分離可能に構成され、第1の領域が分離領域112となり、第2の領域の表面にこのシート110の送付先の住所や氏名からなる宛先情報111が記載されている。また、分離線113を介して宛先情報111が記載された側の裏面には、シート110のベース基材110a上に剥離剤が塗布されることにより第2の剥離層110bが積層されている。また、分離領域112の裏面には、シート110のベース基材110a上に剥離可能な構造を有する擬似接着層130が接着力が強い粘着剤150を介して積層、貼着され、この擬似接着層130上に第2の貼着手段である粘着剤140aが塗布されることにより第2の貼着層が積層されている。なお、擬似接着層130は、ポリエチレンやポリエステル等の合成樹脂からなる2層の透明なフィルム基材131a,131bが、接着力が弱い紫外線硬化型接着剤等の粘着剤132によって互いに剥離可能及び再貼着不可能に貼着されて構成されている。また、分離領域112には、その角部にベース基材110aからフィルム基材131aまで達する切り込み114が形成されている。
シート120は図7に示すように、シート110の剥離層11bと対向する領域の表面に、情報が印字あるいは記入される情報付与領域121が設けられるとともに、情報付与領域121ではない領域、すなわち、シート110の分離領域112と対向する領域にこのシート120の送付先の住所や氏名からなる宛先情報122が記載されている。また、情報付与領域121上には、シート120のベース基材120a上に第1の貼着手段である粘着剤140bが塗布されることにより第1の貼着層が積層されており、また、宛先情報122が記載された領域上には、シート120のベース基材120a上に剥離剤が塗布されることにより第1の剥離層120bが積層されている。
このように構成されたシート110とシート120とは、図8に示すように、シート110の裏面とシート120の表面とが対向するように重ね合わされる。その際、分離領域112が、シート120に積層された剥離層120bと対向する領域となっていることから、粘着剤140aによってシート110に積層された第2の貼着層とシート120に積層された剥離層120bとが互いに対向し、また、情報付与領域121が、シート110に積層された剥離層110bと対向する領域に設けられていることから、粘着剤140bによってシート120に積層された第1の貼着層とシート110に積層された剥離層110bとが互いに対向し、それにより、シート110とシート120とが剥離可能に貼着されている。
また、粘着剤140a,140bについては、第1の実施の形態にて説明したようなものが用いられる。
以下に、上記のように構成された情報隠蔽シートの使用方法について説明する。
まず、図6に示したシート110と図7に示したシート120とを図8に示したように重ね合わせ、粘着剤140a,140b及び剥離層110a,110bによって剥離可能に貼着した状態で、宛先情報111に従ってシート110の送付先に送付する。この際、シート110とシート120とは、ベース基材110a上に積層された擬似接着層130あるいはベース基材120a上に粘着剤140a,140bが塗布された直後に貼着されるため、粘着剤140aが塗布された分離領域112がシート120の剥離層120bと貼着し、また、粘着剤140bが塗布された情報付与領域121が剥離層110bと貼着する。また、この状態においては、粘着剤140a,140bが塗布された面が表出していないため、情報隠蔽シートの往信時に、粘着剤140a,140bと同一の材料からなる粘着剤が塗布されたものに接触してもそれと貼着されてしまうことはない。
シート110とシート120とが貼着された状態でシート110の送付先に送付された後、シート110の送付先において、まず、シート110とシート120とを剥離する。ここで、シート110とシート120とは粘着剤140a,140bによって貼着されているが、粘着剤140a,140bが塗布された領域が貼着されているのが剥離層110b,120bであるため、シート110とシート120とを剥離することができる。
次に、シート120に設けられた情報付与領域121に、隠蔽すべき情報を印字あるいは記入する。なお、上述したように、ベース基材120a上に粘着剤140bが塗布されてなる第1の貼着層は筆記性を有するため、ベース基材120a上に粘着剤140bが塗布されてなるシート120の情報付与領域121には情報を印字したり記入したりすることができる。このように情報付与領域121に情報を印字あるいは記入することにより、情報付与領域121に情報を付与することになる。
次に、シート110の分離領域112を分離線113を介して宛先情報111が記載された領域から分離する。なお、この分離領域112の宛先情報111が記載された領域からの分離においては、分離線113としてミシン目を形成しておきこのミシン目を断裁することによって行うことや、分離線113を印刷しておき、この分離線113をはさみ等で断裁することによって行うこと等が考えられる。
そして、宛先情報111が記載された領域から分離された分離領域112をシート120の情報付与領域121上に重ね合わせ、粘着剤140a,140bによってこれらを互いに貼着する。なお、粘着剤140a,140bは互いにのみ再貼着可能であるため、上述したように、シート110とシート120とが剥離された後でも、再度この粘着剤140a,140bによって、シート120の情報付与領域121上にシート110の分離領域112を貼着することができる。
図9は、図7に示したシート120の情報付与領域121上に図6に示したシート110の分離領域112が貼着された状態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
図9に示すように、図7に示したシート120の情報付与領域121上にシート110の分離領域112が粘着剤140a,140bによって貼着された状態においては、情報付与領域121に印字あるいは記入された情報は、分離領域112によって覆われているため、外部から視認不可能となる。
このようにシート120の情報付与領域121上にシート110の分離領域112が貼着された状態において、このシート120を、シート120の表面に記載された宛先情報122にしたがって送付先に送付することになる。この状態においては、情報付与領域121に記入された情報が分離領域112によって隠蔽されているため、シート120の送付途中において、情報付与領域121に印字あるいは記入された情報が見られてしまうことはない。また、この状態においては、粘着剤140a,140bが塗布された面が表出していないため、情報隠蔽シートの返信時に、粘着剤140a,140bと同一の材料からなる粘着剤が塗布されたものに接触してもそれと貼着されてしまうことはない。
その後、シート120が送付先にて受け取られると、シート120に貼着された分離領域112が剥離される。この際、分離領域120には、角部にベース基材110aからフィルム基材131aまで達する切り込み114が形成されているため、この切り込み114を利用してシート120から分離領域112を容易に剥離することができる。
図10は、図7に示したシート120に図6に示した分離領域112が貼着された後にシート120から分離領域112が剥離された状態を示す図であり、(a)は貼着されていた面を示す図であり、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はシート120から剥離された分離領域112の断面図である。
シート120から分離領域112を剥離すると、粘着剤150の接着力が強く、また、擬似接着層130を構成する2層のフィルム基材131a,131bが、接着力が弱い粘着剤132によって擬似接着されているため、図10に示すように、フィルム基材131aとフィルム基材131bとが粘着剤132を介して剥離し、それにより、フィルム基材131bが粘着剤140a,140bによってベース基材120aに貼着されたままシート120側に残存し、また、フィルム基材131aが粘着剤150によって分離領域112のベース基材110aとともにシート120から剥離される。そして、フィルム基材131b及び粘着剤140a,140bが透明な材料からなるため、情報付与領域121に印字あるいは記入された情報123がフィルム基材131b及び粘着剤140a,140bを介して外部から視認可能な状態となる。この際、情報123が印字あるいは記入された粘着剤140bは、粘着剤140aを介してフィルム基材131bによって覆われているため、外部から損傷等を受けにくくなるとともに、情報123が改竄されてしまうことを防止することができる。
これにより、シート120の送付先に、情報付与領域121に印字あるいは記入された情報123を通知しながらも、シート120の送付途中において、情報付与領域121に印字あるいは記入された情報が見られてしまうことを防止することができる。
なお、上述した2つの実施の形態においては、シート10,110の粘着剤40a,140aが塗布された領域に対向する領域のシート20,120に剥離層20b,120bが積層され、また、シート20,120の粘着剤40b,140bが塗布された領域に対向する領域のシート10,110に剥離層10b,110bが積層され、これら粘着剤40a,140aと剥離層20b,120b、並びに粘着剤40b,140bと剥離層10b,110bとにより、シート10,110とシート20,120とが剥離可能に貼着されて構成されているが、粘着剤40a,40b,140a,140bを互いに剥離可能なものとし、シート10,110のシート20,120と対向する面、並びに、シート20,120のシート10,110と対向する面の全面にそれぞれ粘着剤40a,40b,140a,140bを塗布しておくことも考えられる。なお、このように、粘着剤40a,40b,140a,140bを互いに剥離可能なものとすることは、粘着剤40a,40b,140a,140bに含まれる成分や、粘着剤40a,40b,140a,140bがシート10,20,110,120に塗布されてからシート10,110とシート20,120とを貼着する時間等を調節することによって実現することができる。
また、上述した2つの実施の形態においては、粘着剤40a,40b及び粘着剤140a,140bをそれぞれ、自己粘着性を有する高分子ポリマー等の同一の材料からなるものとしたが、互いにのみ再貼着可能であり、かつ、他の紙や樹脂等に再貼着しないものであれば、同一材料のものでなくてもよい。例えば、溶剤の配合が互いに異なるものや他の混合物が混入しているもの等の類似な材料からなるものであってもよい。また、水とは混合しないポリマー粒子が、親水性と親油性を有する乳化剤が介在することにより安定的に共存したエマルジョンタイプのものであることが好ましい。
本発明の情報隠蔽シートに用いられる2つのシートのうち一方のシートの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したB−B’断面図、(d)は裏面から見た図である。 本発明の情報隠蔽シートに用いられる2つのシートのうち他方のシートの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したB−B’断面図である。 図1に示したシートと図2に示したシートとから構成された情報隠蔽シートを示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は積層状態を示す図、(c)は(a)に示したA−A’断面図、(d)は(a)に示したB−B’断面図である。 図2に示したシートの情報付与領域上に図1に示したシートの分離領域が貼着された状態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。 図2に示したシートに図1に示した分離領域が貼着された後にシートから分離領域が剥離された状態を示す図であり、(a)は貼着されていた面を示す図であり、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はシートから剥離された分離領域の断面図である。 本発明の情報隠蔽シートに用いられる2つのシートのうち一方のシートの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したB−B’断面図、(d)は裏面から見た図である。 本発明の情報隠蔽シートに用いられる2つのシートのうち他方のシートの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したB−B’断面図である。 図6に示したシートと図7に示したシートとから構成された情報隠蔽シートを示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は積層状態を示す図、(c)は(a)に示したA−A’断面図、(d)は(a)に示したB−B’断面図である。 図7に示したシートの情報付与領域上に図6に示したシートの分離領域が貼着された状態を示す図であり、(a)は表面から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。 図7に示したシートに図6に示した分離領域が貼着された後にシートから分離領域が剥離された状態を示す図であり、(a)は貼着されていた面を示す図であり、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はシートから剥離された分離領域の断面図である。
符号の説明
10,20,110,120 シート
10a,20a,110a,120a ベース基材
10b,20b,32,110b,120b 剥離層
11,22,111,122 宛先情報
12,112 分離領域
13,113 分離線
14,114 切り込み
21,121 情報付与領域
23,123 情報
30,130 擬似接着層
31 目止層
33 ニス層
40a,40b,132,140a,140b,150 粘着剤
131a,131b フィルム基材

Claims (3)

  1. 情報が付与される情報付与領域を有する第1のシートと、該第1のシートに剥離可能に貼着された第2のシートとからなり、該第2のシートを前記第1のシートから剥離して該第2のシートの一部を前記第1のシートに再貼着することにより、前記情報付与領域に付与された情報を隠蔽する情報隠蔽シートであって、
    前記第1のシートは、前記情報付与領域が設けられた面に、筆記性を具備する第1の貼着手段からなる第1の貼着層が積層され、
    前記第2のシートは、分離線を介して第1及び第2の領域に分離可能に構成されるとともに、前記第1のシートと対向する面に、前記第1の貼着手段のみが貼着及び剥離可能な第2の貼着手段からなる第2の貼着層が積層され、
    前記第1の貼着手段は、前記第2の貼着手段のみが貼着及び剥離可能であり、
    前記第1及び第2の貼着手段によって前記第1のシートと前記第2のシートとが剥離可能に貼着されている情報隠蔽シート。
  2. 情報が付与される情報付与領域を有する第1のシートと、該第1のシートに剥離可能に貼着された第2のシートとからなり、該第2のシートを前記第1のシートから剥離して該第2のシートの一部を前記第1のシートに再貼着することにより、前記情報付与領域に付与された情報を隠蔽する情報隠蔽シートであって、
    前記第1のシートは、前記情報付与領域上に筆記性を具備する第1の貼着手段からなる第1の貼着層が積層されるとともに、他の領域の前記第2のシートと対向する面に第1の剥離層が積層され、
    前記第2のシートは、前記第1の剥離層に対向する領域が第1の領域となるように分離線を介して該第1の領域と第2の領域とに分離可能に構成され、前記第1の領域の前記第1のシートと対向する面に、剥離後の再貼着が前記第1の貼着手段とのみ可能な第2の貼着手段からなる第2の貼着層が積層されるとともに、前記第2の領域の前記第1のシートに対向する面に第2の剥離層が積層され、
    前記第1の貼着手段は、剥離後の再貼着が前記第2の貼着手段とのみ可能であり、
    前記第1及び第2の貼着手段と前記第1及び第2の剥離層とによって前記第1のシートと前記第2のシートとが剥離可能に貼着されている情報隠蔽シート。
  3. 請求項2に記載の情報隠蔽シートにおいて、
    前記第2のシートは、前記第1の領域の前記第1のシートと対向する面に、剥離可能な構成を有する擬似接着層が積層され、該擬似接着層上に前記第2の貼着層が積層されていることを特徴とする情報隠蔽シート。
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