JP4606620B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファックス等の画像形成装置のクリーニング技術に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
電子写真方式の複写機等の画像形成装置のクリーニング技術としては、ブレードクリーニング方式が広く用いられているが、この方式は、クリーニングブレードが像担持体を摺擦するので、像担持体の耐久性を損なっていた。
【0003】
たとえば像担持体、像担持体を摺擦するクリーニングブラシ及び像担持体に当接するクリーニングローラを備えた電子写真方式の画像形成装置においては、2つのクリーニング手段によって高いクリーニング性能が得られるが、像担持体表面を占有する面積が大きくなり、画像形成装置の小型化が困難になる。特にタンデム方式のカラー画像形成装置では像担持体を小径とし装置全体をコンパクトにする必要があり、上記占有面積を可能な限り小さくすることが必要となる。
【0004】
また、クリーニングローラをカウンタ方向に回転させた場合、クリーニングローラ上に付着させたトナーがブラシローラによって掻き落されないとクリーニングローラの像担持体下流側で像担持体に再付着する場合があり、クリーニング性が低下する。さらに、クリーニングローラが像担持体を摺擦することによりクリーニングローラおよび像担持体の磨耗が発生し耐久性が低下する。
【0005】
一方、クリーニングブラシをトレーリング方向に回転させた場合、像担持体上のトナーをクリーニングブラシ上に付着させた後、クリーニングローラとの摺擦運動を行うので、クリーニングローラに対するクリーニング性が低下してしまう。
【0006】
また、一般に、クリーニングローラの材料は像担持体に対して変形して当接するように構成するので、像担持体に比べて摺擦に対する耐久性は低下する課題がある。特にクリーニングブラシとクリーニングローラ備える構成では、ブラシ材料の剛性を調整してクリーニング性と耐久性を個別に最適化することが難しい。
【0007】
たとえば、図1は電子写真方式の画像形成装置の一例を示す概念的断面図で、図示の画像形成装置1では、給紙手段8より給送された用紙は帯電手段4で均一帯電された像担持体2に書込み手段9によって露光し、静電潜像を形成し、現像手段5によって形成されたトナー像が転写手段6によって用紙表面に転写され、その後定着手段7によって加熱加圧定着され画像形成が完了する。
【0008】
転写後、像担持体2上には転写しなかったトナーが一部残っているので、クリーニング手段3によって、像担持体2上のトナーを回収し、次の画像形成工程が継続可能となるように構成されている。
【0009】
もしクリーニング工程が不十分であると、帯電手段4のトナー付着による不均一帯電の発生、書込み手段9の露光光をトナーが遮ることによる潜像品質低下が発生し、画像品質を損なう場合がある。但し若干のトナーがクリーニング工程を通過しても、現像手段5まで到着したトナーは現像手段によって回収されるので、その影響は少ない。
【0010】
図2に現在多用されているブレードクリーニング方式のクリーニング手段3の構成を示す概念的断面図である。転写残トナー21は像担持体2に対しカウンタ方向に回転しているクリーニングブラシ12の摺擦作用及び図示しないバイアス付与手段による静電吸着作用によって掻き取られ、フリッカバー13とクリーニングブラシ12が衝突した衝撃でクリーニング手段3内に落下、堆積する。堆積した回収トナーはオーガ14の作用によりその軸方向に搬送され、装置内部のトナー回収手段に回収されたり、現像装置に再供給される。また、クリーニングブラシ12が作用せず像担持体2上に残ったトナーはクリーニングブレード11の機械的な摺擦作用によって下方に掻き落される。
【0011】
クリーニングブラシ12の作用力は、転写残トナー量が比較的多くても十分にクリーニングする能力を有しているが、クリーニングブラシ12が局所的に作用しない領域がどうしても発生するのでクリーニング残トナーを僅かでは有るが必ず残ってしまう場合が多い。クリーニングブレード11の作用力は付着するトナー量が増大するとブレードの浮き上がりが生じクリーニング能力を失ってしまうが、微量のトナーに対しては殆ど完全に掻き落す能力を有している。このような特徴の異なるクリーニング方法を効果的に組み合わせれば、転写残トナー量の変動などによらず、安定したクリーニング能力を発揮することができる。
【0012】
しかし、画像品質の向上に有利な微小粒径トナーを製造することに適した重合工法トナーが近年開発されているが、このような重合工法トナー形状は従来の粉砕工法によるトナーが岩石破片状の不定形であったのに比べ、球形に近い形状を有しており、前述のクリーニングブレード11の浮き上がりによるクリーニング不良が容易に発生してしまうという問題点がある。詳しくは球形に近いトナー形状で転がりやすいため、クリーニングブレード11先端と像担持体が形成しているくさび形の領域で回転してしまい、回転する力によってブレードと像担持体の当接面内に進入してしまうことが大きな原因である。特に、重合工法で作成された重量平均径15μm以下のトナーをブレードクリーニング方式でクリーニングする事は機械的な堰止め力が小さくなり困難であるし、強化フィラーを分散させた像担持体は表面にフィラーの一部が表出するので、その部分でトナーが像担持体から大きな作用力を受けてしまうため、ブレードクリーニング方式ではトナーを堰き止めることが困難である。
【0013】
また、強化フィラーを分散させた像担持体を使用する場合、像担持体表面にはフィラーの一部が表出するので、その部分でトナーが像担持体から大きな作用力を受けてクリーニングブレードと像担持体の当接部分にトナーを進入させてしまい、クリーニングが不良となる場合があることも知られている。
【0014】
そこで本発明は、上記従来の諸問題点にかんがみ、像担持体への摺擦を軽減し、しかも確実にクリーニング性を備えた小型低コストのローラクリーニング方式による画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、像担持体、該像担持体を摺擦するクリーニングブラシ、及び上記像担持体に当接するクリーニングローラを備えた電子写真方式の画像形成装置において、上記クリーニングブラシより上記像担持体の移動方向下流側に上記クリーニングローラを配置し、上記クリーニングブラシが上記クリーニングローラを摺擦するように配置してなり、上記クリーニングローラの回転方向が上記像担持体の移動方向に対しトレーリング方向であり、上記クリーニングブラシの回転方向が上記像担持体の移動方向に対しカウンタ方向であることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、さらに、上記クリーニングブラシの回転速度が上記クリーニングローラの回転速度の10%以下であることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、さらに、上記像担持体が強化フィラーを分散させて耐磨耗性を向上させてなるものであることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお以下では従来と共通する部分には共通する符号を付すにとどめ重複する説明は省略する。図3は本発明の一実施形態を示す図2相当の概念的断面図である。本実施形態では前述の問題点を有しているクリーニングブレード11に代えてクリーニングローラ41を配置している。クリーニングローラ41は図示しないバイアス手段によってトナーを吸着する方向の電界が像担持体との当接部で発生するように構成されており、主に静電吸着力によってトナーを像担持体2上からクリーニングローラ41上に吸着する作用を行う。このような作用力はトナー形状によらずに発揮されるので、前述の重合工法トナーであっても容易にクリーニングすることが可能である。
【0017】
また、従来提案されているローラクリーニング手段は、クリーニングブラシ12を有せず、クリーニングローラ単体で構成し、クリーニングローラからのトナー掻き落しにはクリーニングブレードに類似した構成のスクレーパを取り付けて検討されていた。しかしこのような構成ではスクレーパでの掻き落しに際し、ブレードクリーニング方式の重合工法トナーに対する課題が解決しない。また、クリーニングローラからのトナー掻き落しをクリーニングブラシによって行う方式とした場合、装置が大型化高コスト化するし、クリーニングローラの特徴である掻き落し残トナーの発生により、クリーニングローラの能力低下も心配される。
【0018】
本実施形態では、クリーニングブラシ12を像担持体2とクリーニングローラ41のどちらにも摺擦するように配置したので、クリーニングブラシ12による1次クリーニング効果によってクリーニングローラ41に到着する残トナー量を大幅に低減し、しかもクリーニングローラ41からのトナー掻き落しをスクレーパや専用クリーニングブラシ12を付加することなく実現できるので、高性能のクリーニングローラ41を活用したクリーニング手段を小型低コストに実現できる。
【0019】
クリーニングローラ41の回転方向を像担持体2にカウンタ方向とした場合、クリーニングローラ41上からクリーニングブラシ12によって掻き落されなかったトナーは、クリーニングローラ41の下流側のくさび形領域に移動されてしまう。この時くさび形領域内でトナーが像担持体側に静電的あるいは機械的な作用力で付着してしまうと、そのまま帯電手段へ通過してしまうことになる。そこで本実施形態ではトレーリング方向としたので、掻き落されなかったトナーが再度クリーニングローラ41の上流側に移動するので、もう一度クリーニングローラ41のクリーニング作用を受けることになり、クリーニング性を低下させることがない。
【0020】
また、クリーニングローラ41の回転方向を像担持体にカウンタ方向とした場合、クリーニングローラ41の機械的な作用力が大きくなり、トナーを機械的に掻き落す効果が得られる。しかしこのような構成を取ると、トナーが少ないときにはクリーニングローラ41表面と像担持体表面は大きな周速差で摺擦されるので、研磨摩耗が進み耐久性が低下する。そこで本実施形態ではトレーリング方向とすることで、周速差をなくすだけでなく、周速差を像担持体速度の10%以下付与することで、機械的に掻き落す効果をクリーニングローラ41に付与し、クリーニング性能向上と耐久性を両立することができる。機械的に掻き落す効果は本願発明者らの実験によれば、僅か数%程度与えれば向上効果が得られることが分かった。そこで耐久性を考慮し、できる限り少ない周速差で装置を成立させるため、10%以下で運転する設定とするとよい。
【0021】
また、クリーニングブラシ12を像担持体2とクリーニングローラ41のトナー掻き落しに兼用しているので、フリッカバー13通過によって付着トナー量が減少し、クリーニング能力が回復しているブラシ先端が、先に微量のクリーニング済みトナーが付着しているクリーニングローラ41に摺擦することで、効果的に掻き落し能力を発揮し、若干の付着トナー量が増加した後、像担持体上の比較的多量に付着しているトナーの掻き落しに供されるように構成したので、クリーニング性能に優れている。
【0022】
また、像担持体に対しクリーニングブラシ12をカウンタ方向、クリーニングローラ41をトレーリング方向としたので、クリーニングブラシ12とクリーニングローラ41間はトレーリング方向となり摺擦速度はそれぞれのローラの速度差で得られる。像担持体2は樹脂材料を用いた有機感光体ローラが多用されており、その表面硬度はヒドリンゴムなどで作られるクリーニングローラ41よりも格段に高い。従ってクリーニングブラシ12を摺擦する場合、像担持体2にはクリーニング性能向上を優先し高速で摺擦し、クリーニングローラ41に対しては材料の強度を考慮して低い速度で摺擦することが望ましい。前述のようにクリーニングローラ41とクリーニングブラシ12はトレーリング方向となるので、本構成においてはクリーニングブラシ12を像担持体からの掻き落しとクリーニングローラ41からの掻き落しに兼用してもクリーニングローラ41の耐久性を損なうことがない。
【0023】
図2で従来技術について述べたように、重合工法トナーを従来のブレードクリーニング方法でクリーニングすることは困難であるが、上記実施形態の構成では、ブレードクリーニング方法に置き換えうる小型低コストの構成で重合工法トナーのクリーニング方法を実現したので、重合工法トナーを活用した小型低コストかつ高画質の画像形成装置を成立させることができる。
【0024】
同じく図2で従来技術について述べたように、強化フィラーを分散させた像担持体を使用したときにブレードクリーニング方法ではクリーニングが行えない場合があるが、上記実施形態ではブレードクリーニング方法に置き換えうる小型低コストの構成で強化フィラーを分散させた像担持体のクリーニング方法を実現したので、強化フィラーを分散させた像担持体を活用した小型低コストかつ高耐久の画像形成装置を成立させることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置装置は、以上説明してきたように、クリーニングローラからのトナー掻落し手段をクリーニングブラシで兼用し、2つのクリーニング手段の距離を短縮したので、像担持体を小径化でき、小型低コストの画像形成装置が提供できるという効果がある。
【0026】
本発明の画像形成装置装置は、クリーニングローラをトレーリング方向に回転させたので、クリーニングローラ上に付着したトナーがクリーニングブラシの作用により掻き落せなかった場合でも、掻き落し残トナーは再度クリーニングローラの作用を受ける部位に搬送されもう一度クリーニングされるので、クリーニング性能の低下を回避でき、クリーニングローラが像担持体を不要に摺擦運動することがないので磨耗劣化を軽減できるという効果がある。
【0027】
本発明の画像形成装置装置は、上記の効果に加え、摺擦する速度を像担持体の移動速度の10%以下に低減したので、クリーニングローラの耐久性低下が防止でき、像担持体の耐久性低下が防止できるという効果がある。
【0028】
本発明の画像形成装置装置は、クリーニングブラシをカウンタ方向に回転させたので、クリーニンブラシ上に付着したトナーがクリーニングローラへの摺擦部に回転移動する前にブラシ付着トナーからトナーを振り落とすフリッカーバーを用いた振り落とし運動を行った後、クリーニングローラを摺擦するので、クリーニングローラ摺擦に伴うクリーニング性能の低下を回避でき、クリーニングローラのトナー掻き落しが効果的に行え、クリーニング性が向上するという効果がある。
【0029】
本発明の画像形成装置装置は、クリーニングブラシを像担持体にはカウンタ方向に回転させ、クリーニングローラに対してはトレーリング方向かつクリーニングローラ回転速度の10%以下となるように構成したので、クリーニングブラシ摺擦に伴うクリーニングローラ耐久性低下を回避でき、クリーニングブラシの像担持体クリーニング性が維持できるという効果がある。
【0030】
本発明の画像形成装置装置は、クリーニングブラシによる1次クリーニング直後に静電的なクリーニングローラによる2次クリーニングを効果的に組み合わせたので、強化フィラーを分散させた像担持体を使用したときのトナーを確実にクリーニングできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子写真方式の画像形成装置の一例を示す概念的断面図である。
【図2】 ブレードクリーニング方式のクリーニング手段3の構成を示す概念的断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態を示す図2相当の概念的断面図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 像担持体
3 クリーニング手段
4 帯電手段
5 現像手段
6 転写手段
7 定着手段
8 給紙手段
9 書込み手段
11 クリーニングブレード
12 クリーニングブラシ
13 フリッカバー
14 オーガ
21 転写残トナー
41 クリーニングローラ
Claims (3)
- 像担持体、該像担持体を摺擦するクリーニングブラシ、及び上記像担持体に当接するクリーニングローラを備えた電子写真方式の画像形成装置において、
上記クリーニングブラシより上記像担持体の移動方向下流側に上記クリーニングローラを配置し、上記クリーニングブラシが上記クリーニングローラを摺擦するように配置してなり、
上記クリーニングローラの回転方向が上記像担持体の移動方向に対しトレーリング方向であり、
上記クリーニングブラシの回転方向が上記像担持体の移動方向に対しカウンタ方向である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
上記クリーニングブラシの回転速度が上記クリーニングローラの回転速度の10%以下である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2に記載の画像形成装置において、
上記像担持体が強化フィラーを分散させて耐磨耗性を向上させてなるものである
ことを特徴とする画像形成装置。
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