JP6123755B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、像担持体に形成されたトナー像を被転写体に転写する画像形成装置に関する。
電子写真方式のプリンターなどの画像形成装置は、感光体ドラムや中間転写ベルトなどの像担持体上にトナー像を形成し、像担持体上に形成されたトナー像を用紙などの記録シートに転写する構成になっている。
この構成では、像担持体上のトナー像の全てが記録シートに転写されることが理想であるが、実際には、一部のトナー粒子が転写されずに残留トナーとして像担持体上に残ってしまう場合がある。また、残留トナーだけではなく、用紙との接触による紙粉、トナー粒子の粉砕により生じた粉状のトナー微粉、トナー粒子から遊離された外添剤の粒子などが像担持体に付着する場合もある。
像担持体の表面に、残留トナー、紙粉、トナー微粉、外添剤の粒子などが付着したままになっていると、以降のトナー像の形成に支障を来すことから、像担持体の表面を清掃するクリーニング部が設けられている。
このクリーニング部の構成として、回転している像担持体にクリーニングブレードやブラシを当接させて、像担持体上の残留物を掻き取って除去する構成が一般的である。
特開2011−128363号公報
ところが、クリーニングブレードやブラシを用いる構成では、比較的サイズの大きい残留トナー(例えば、μm単位)を除去することは容易であるが、これよりも遥かに小さい紙粉や外添剤の粒子(例えば、nm単位)については、微小のために像担持体の表面への付着力(ファンデルワールス力など)が残留トナーよりも大きくなって、像担持体の表面から除去し切れないことが多い。
微小な紙粉や外添剤の粒子などが像担持体の表面に付着したままになり像担持体の表面に固着すると、像担持体の表面に、いわゆるフィルミングが発生し易くなる。フィルミングが発生すると、像担持体の表面上においてフィルミングの発生箇所と未発生の箇所とで体積抵抗値に差が生じ、体積抵抗値の差により転写電流に差が生じて転写ムラが発生し、これが形成画像の濃度ムラの原因になる。
特に近年では、省エネ化に伴うトナーの低温定着化の対応により低溶融トナーが用いられ、またプリント速度上昇に伴う機内温度の上昇などから、像担持体上において紙粉や外添剤の粒子などが機内温度の上昇により溶融し易くなったトナー微粉と混じり合って堆積したり固着したりすることにより生成されるフィルミングの成長速度が上昇する傾向にある。このため、早期のフィルミング発生により濃度ムラが発生し易くなっており、クリーニング性の向上が求められている。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、感光体ドラムなどの像担持体上の残留物を除去する構成において、よりクリーニング性を向上することが可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、表面が移動する像担持体に形成されたトナー像を被転写体に転写する画像形成装置であって、前記転写後に前記像担持体上に残留している残留物を除去するために設けられたクリーニング部材と、原糸表面に接着被覆された微小粒子により表面が凹凸形状をしたブラシ毛を有し、前記クリーニング部材よりも前記像担持体表面の移動方向下流側において前記像担持体に対して接触し、前記クリーニング部材による除去作用によって除去されなかった残留物を除去するブラシ部材と、前記ブラシ部材と前記像担持体の少なくとも一方を相対的に遠ざける方向および近づける方向に移動させる移動手段と、所定のタイミングに達した場合に、前記移動手段を制御して、前記ブラシ毛の先端部の、前記像担持体の表面との接触長さを現在よりも所定の増加量だけ増加させるように、前記ブラシ部材と前記像担持体との間の距離を変更する制御手段と、を備え、前記制御手段は、装置内の現在の温度または過去の装置内平均温度が第1の温度域にある場合に、前記第1の温度域よりも温度が低い第2の温度域にある場合に比べて前記所定の増加量を大きくすることを特徴とする。
本発明の別の局面に係る画像形成装置は、表面が移動する像担持体に形成されたトナー像を被転写体に転写する画像形成装置であって、前記転写後に前記像担持体上に残留している残留物を除去するために設けられたクリーニング部材と、原糸表面に接着被覆された微小粒子により表面が凹凸形状をしたブラシ毛を有し、前記クリーニング部材よりも前記像担持体表面の移動方向下流側において前記像担持体に対して接触し、前記クリーニング部材による除去作用によって除去されなかった残留物を除去するブラシ部材と、前記ブラシ部材と前記像担持体の少なくとも一方を相対的に遠ざける方向および近づける方向に移動させる移動手段と、所定のタイミングに達した場合に、前記移動手段を制御して、前記ブラシ毛の先端部の、前記像担持体の表面との接触長さを現在よりも所定の増加量だけ増加させるように、前記ブラシ部材と前記像担持体との間の距離を変更する制御手段と、を備え、前記制御手段は、過去に実行されたジョブの平均印字率が所定値よりも低い場合に、前記所定値以上の場合に比べて前記所定の増加量を大きくすることを特徴とする。
本発明のさらに別の局面に係る画像形成装置は、表面が移動する像担持体に形成されたトナー像を被転写体に転写する画像形成装置であって、前記転写後に前記像担持体上に残留している残留物を除去するために設けられたクリーニング部材と、原糸表面に接着被覆された微小粒子により表面が凹凸形状をしたブラシ毛を有し、前記クリーニング部材よりも前記像担持体表面の移動方向下流側において前記像担持体に対して接触し、前記クリーニング部材による除去作用によって除去されなかった残留物を除去するブラシ部材と、前記ブラシ部材と前記像担持体の少なくとも一方を相対的に遠ざける方向および近づける方向に移動させる移動手段と、所定のタイミングに達した場合に、前記移動手段を制御して、前記ブラシ毛の先端部の、前記像担持体の表面との接触長さを現在よりも所定の増加量だけ増加させるように、前記ブラシ部材と前記像担持体との間の距離を変更する制御手段と、を備え、前記制御手段は、装置内の現在の温度または過去の装置内平均温度が第1の温度域にある場合には、前記第1の温度域よりも温度が低い第2の温度域にある場合に比べて、前記所定のタイミングを早い時期に変更することを特徴とする。
また、前記ブラシ部材は、回転体であり、前記ブラシ部材の回転方向が前記像担持体表面の移動方向に対して順方向であるとしても良い。
ここで、前記ブラシの外径部の周速と前記像担持体表面の周速とが等しいとしても良い。
ここで、前記ブラシ部材は、前記像担持体との接触により当該像担持体表面の移動に従動して回転するとしても良い。
また、前記微小粒子は、前記クリーニング部材によって除去されなかった残留物とは逆の極性に帯電する帯電特性を有するとしても良い。
さらに、前記クリーニング部材により除去された残留物を回収する回収部材を備え、前記クリーニング部材は、原糸表面に微小粒子が接着されていないブラシ毛を有する回転体であり、前記回収部材は、回転するクリーニング部材のブラシ毛に接して当該ブラシ毛に取り込まれている残留物を回収するとしても良い。
また、前記ブラシ部材は、前記クリーニング部材によって除去されなかった、前記微小粒子よりも粒径が小さい残留物を前記凹凸形状の凹部に取り込むことにより前記像担持体から除去するとしても良い。
上記のようにすれば、まず像担持体上の残留トナーなどの残留物をクリーニング部材により除去でき、続いて、クリーニング部材で除去されなかった残留物、例えば紙粉や外添剤の粒子などを、表面が凹凸形状をしたブラシ毛を有するブラシ部材で清掃できる。
表面が凹凸形状をしたブラシ毛は、凹凸形状を有しないブラシ毛よりも、その凸の部分により像担持体上の例えば紙粉などの残留物を機械的に掻き取る能力と、ブラシ毛の表面積がより大きくなることによりその紙粉などの残留物を取り込んで回収する能力とが高い。そして、ブラシ部材がクリーニング部材に対して像担持体表面の移動方向下流側に配置されるので、像担持体上の残留トナーの多くがブラシ部材のブラシ毛に付着して固着されることが防止される。
これにより、凹凸形状を有するブラシ毛による紙粉や外添剤の粒子などの高い除去能力を長期に亘って継続することができ、フィルミングの早期発生を防止して、よりクリーニング性を向上することができる。
実施の形態1に係るプリンターの全体の構成を示す図である。 ブラシローラーのブラシ毛の拡大模式図である。 各色縦ベタ帯パターンのテストチャートの例を示す図である。 実験機で耐久試験を行った場合に、中間転写ベルトの表面に付着した炭酸カルシウムの含有量の検出値を示す図である。 (a)は、全面が均一な濃度のハーフトーン画像の例を示す図であり、(b)は、濃度ムラが生じたハーフトーン画像の例を示す図である。 紙粉除去ブラシをクリーニングブラシよりもベルト走行方向の上流側に配置した構成と下流側に配置した構成のそれぞれについて耐久試験を行った場合に、中間転写ベルトの表面に付着した炭酸カルシウムの含有量の検出値を示す図である。 実施の形態2に係る紙粉除去ブラシの変位機構の構成例を説明するための図である。 図7のD−D線における変位機構の矢視断面図である。 実験機に紙粉除去ブラシの食い込み量の制御を組み込んだ構成と組み込んでいない構成のそれぞれについて耐久試験を行った場合に、中間転写ベルトの表面に付着した炭酸カルシウムの含有量の検出値を示す図である。 実施の形態2に係る制御部の構成を示す図である。 制御部に設けられたブラシ変位部によるブラシ食い込み量の増加制御の処理内容を示すフローチャートである。 装置内の温度に応じてブラシ食い込み量の増加量を変更する制御の処理内容を示すフローチャートである。 ブラシ食い込み増加量設定処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 印字率を加味したブラシ食い込み増加量設定処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 装置内の温度に応じてブラシ食い込み量の増加制御の実行タイミングを変更する処理内容を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラープリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例にして説明する。
<実施の形態1>
(1)プリンターの全体の構成
図1は、プリンターの全体の構成を示す図である。
同図に示すように、プリンターは、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、作像部10と、中間転写部20と、給送部30と、定着部40と、制御部50と、ベルトクリーニング部60などを備え、ネットワーク(例えばLAN)に接続され、外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色からなるカラーの画像形成を実行する。以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成部分の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
作像部10は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像ユニット10Y、10M、10C、10Kと露光部11を備えている。
作像ユニット10Y〜10Kは、矢印Aで示す方向に回転する感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kと、その周囲にドラム回転方向Aに沿って配設された、帯電部2Y、2M、2C、2Kと、現像部3Y、3M、3C、3Kと、ドラムクリーニング部4Y、4M、4C、4Kと、除電部5Y、5M、5C、5Kなどを備えており、感光体ドラム1Y〜1Kに対応する色のトナー像を作像する。
中間転写部20は、中間転写ベルト21と、駆動ローラー22と、従動ローラー23〜27と、中間転写ベルト21を介して感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対向配置される一次転写ローラー28Y、28M、28C、28Kと、中間転写ベルト21を介して駆動ローラー22に対向配置される二次転写ローラー29などを備える。
中間転写ベルト21は、駆動ローラー22、従動ローラー23〜27などにより張架され、駆動ローラー22の回転駆動力により矢印Bで示す方向(ベルト走行方向)に周回走行する。駆動ローラー22は、不図示のモーターにより回転駆動される。
給送部30は、給紙カセット31と、繰り出しローラー32と、搬送ローラー対33と、タイミングローラー対34などを備えている。
給紙カセット31は、記録シートとしての用紙Sを収容する。繰り出しローラー32は、給紙カセット31に収容されている用紙Sを搬送路39に1枚ずつ繰り出す。
搬送ローラー対33は、繰り出された用紙Sをさらに搬送路39上を搬送方向下流に搬送させる。タイミングローラー対34は、搬送される用紙Sを二次転写ローラー29と中間転写ベルト21との接触位置である二次転写位置291に送り出すタイミングをとる。
定着部40は、定着ローラーと加圧ローラーを圧接させて定着ニップを確保すると共にヒータにより定着ローラーを加熱して定着に必要な温度を維持する。
ベルトクリーニング部60は、中間転写ベルト21の周囲であり、二次転写位置291からベルト走行方向(矢印B方向)に感光体ドラム1Yの一次転写位置281(感光体ドラム1Yが中間転写ベルト21を介して一次転写ローラー28Yと対向する位置)までの間の空間に配される。
制御部50は、外部の端末装置からの画像信号をY〜K色用の画像信号に変換し、露光部11に配された各色用のレーザダイオード(不図示)を駆動するための駆動信号を生成する。生成された駆動信号により露光部11からY色用のレーザービームLy、M色用のレーザービームLm、C色用のレーザービームLc、K色用のレーザービームLkがそれぞれ出射され、感光体ドラム1Y〜1Kが露光走査される。
この露光走査を受ける前に、感光体ドラム1Y〜1Kは、除電部5Y〜5Kによる除電後に帯電部2Y〜2Kにより一様に帯電されており、レーザービームLy〜Lkの露光により、感光体ドラム1Y〜1Kの周面に静電潜像が形成される。
各静電潜像は、現像部3Y〜3Kに収容されている現像剤によりトナーで現像される。ここでは、マイナスの帯電極性を有する、平均粒径が約5〜10μm程度のトナー粒子が用いられている。また、トナー粒子には、帯電性や流動性などを向上させるための外添剤、例えば酸化チタン、アルミナ、ジルコニア、シリカ等の金属酸化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸化合物などが含有されている。
現像により感光体ドラム1Y〜1K上に形成されたY〜K色のトナー像は、感光体ドラム1Y〜1Kと、プラス極性の電圧が印加された一次転写ローラー28Y〜28Kとの間に生じる電界により作用する静電力により中間転写ベルト21上に一次転写される。
感光体ドラム1Y〜1Kへの各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト21上の同じ位置に重ね合わせて転写されるようにタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト21上に多重転写された各色トナー像は、中間転写ベルト21の周回走行により二次転写位置291に移動する。
上記作像動作のタイミングに合わせて、給送部30からは、タイミングローラー対34を介して用紙Sが給送されて来ており、その用紙Sは、二次転写ローラー29と中間転写ベルト21の間に挟まれて搬送され、中間転写ベルト21と、プラス極性の電圧が印加された二次転写ローラー29との間に生じる電界により作用する静電力により、中間転写ベルト21上の各色トナー像が二次転写位置291で一括して用紙S上に二次転写される。
二次転写位置291を通過した用紙Sは、定着部40に搬送され、定着ニップを通過する際に、トナー像が加熱、加圧されて用紙Sに定着された後、排出ローラー対40aを介して機外に排出される。
感光体ドラム1Y〜1K上のトナー像のうち、中間転写ベルト21に一次転写されずに感光体ドラム1Y〜1K上に残ってしまったトナーや外添剤などを含む残留物は、ドラムクリーニング部4Y〜4Kにより除去される。
また、二次転写位置291で用紙Sに二次転写されずに中間転写ベルト21上に残ってしまったトナーや、用紙Sとの接触により用紙Sから中間転写ベルト21に付着した紙粉などを含む残留物は、ベルトクリーニング部60により除去される。なお、残留物には、残留トナーと紙粉だけではなく、上記のトナー微粉や外添剤の粒子なども含まれる。
ここで、残留トナーは、平均粒径がミクロンメートル〔μm〕単位のものがほとんどであるが、紙粉、トナー微粉、外添剤の粒子は、残留トナーよりも遥かに小さいナノメートル〔nm〕単位のものが多い。また、残留トナーのうち、ごく一部には、転写時のプラス極性の電圧による電界の影響を受けて、本来のマイナスとは逆極性のプラスの帯電極性に変わるものが含まれている。
(2)ベルトクリーニング部の構成
ベルトクリーニング部60は、第1クリーニング部70と第2クリーニング部80とハウジング90を含む。ここで、ハウジング90は、絶縁性の樹脂などからなり、第1クリーニング部70と第2クリーニング部80の各部材を内部に収容しており、中間転写ベルト21に対向する側に開口部を有する。
(2−1)第1クリーニング部の構成
第1クリーニング部70は、クリーニングブラシ71、72と、回収ローラー73、74と、搬送スクリュー75と、フリッカー76、77などを備える。
ここで、クリーニングブラシ71〜フリッカー77のそれぞれは、中間転写ベルト21の幅方向(同図紙面垂直方向:ベルト走行方向Bに直交する方向)に沿って長尺状になっている。上記中間転写ベルト21の幅方向を、以下、ベルト幅方向Wという。
クリーニングブラシ71、72は、ハウジング90の開口部に、クリーニングブラシ71がクリーニングブラシ72よりもベルト走行方向Bの上流側に位置する関係になるように配置されている。
クリーニングブラシ71、72のそれぞれは、芯金の外周にブラシ繊維が植設されてなり、同図の矢印で示す方向に回転し、ブラシ繊維の先端が中間転写ベルト21の表面を摺擦する際に、ブラシ繊維の先端で中間転写ベルト21上の残留物を機械的に掻き取る。なお、クリーニングブラシ71、72は、原糸の表面に後述の微小粒子が接着されていないブラシ毛を有する回転体である。
クリーニングブラシ71の芯金にはマイナス極性のバイアス電圧が印加され、クリーニングブラシ72の芯金にはプラス極性のバイアス電圧が印加されている。
これにより、クリーニングブラシ71と中間転写ベルト21との間に、中間転写ベルト21上の二次転写後の残留物のうち、プラス帯電された残留トナーに中間転写ベルト21からクリーニングブラシ71に向かう方向の静電力を作用させるための電界が発生して、その残留トナーがクリーニングブラシ71に取り込まれ易くなる。
同様に、中間転写ベルト21上の残留物のうち、マイナス帯電された残留トナーに中間転写ベルト21からクリーニングブラシ72に向かう方向の静電力を作用させるための電界が発生して、その残留トナーがクリーニングブラシ72に取り込まれ易くなる。
回収ローラー73は、マイナス極性のバイアス電圧が印加され、クリーニングブラシ71と接触した状態で同図の矢印で示す方向に回転し、クリーニングブラシ71に取り込まれた残留トナーなどの残留物をクリーニングブラシ71との接触による掻き取り力と、そのバイアス電圧により生じる静電力により回収する。
回収ローラー74は、プラス極性のバイアス電圧が印加され、クリーニングブラシ72と接触した状態で同図の矢印で示す方向に回転し、クリーニングブラシ72に取り込まれた残留トナーなどの残留物をクリーニングブラシ72との接触による掻き取り力と、そのバイアス電圧により生じる静電力により回収する。
フリッカー76は、薄板状の部材であり、回収ローラー73の表面に当接して、回収ローラー73に回収された残留物を掻き取る。掻き取られた残留物は、重力により下方に落下する。
フリッカー77は、薄板状の部材であり、回収ローラー74の表面に当接して、回収ローラー74に回収された残留物を掻き取る。掻き取られた残留物は、重力により下方に落下する。
搬送スクリュー75は、フリッカー76の直下の位置に配され、同図に示す方向に回転し、フリッカー76、77により回収ローラー73、74から掻き落とされた残留物をベルト幅方向Wの一方端側に搬送して、不図示の回収タンクに収容させる。クリーニングブラシ、回収ローラー、搬送スクリューは、不図示のモーターにより回転駆動される。
なお、上記ではクリーニングブラシ71、72のそれぞれについてその回転方向が中間転写ベルト21の回転方向と同方向になっている構成例を説明したが、これに限られない。装置構成によっては、クリーニングブラシ71、72の一方または両方について、その回転方向を上記とは逆方向とすることもできる。
また、クリーニングブラシ71、72を用いる構成としたが、中間転写ベルト21の表面上の残留トナーなどの残留物を除去する作用を有するクリーニング部材であれば、ブラシに限られず、例えばクリーニングブレードを用いる構成としても良い。この構成をとる場合、クリーニングブレードの先端が中間転写ベルト21の表面にベルト走行方向Bとは反対方向に向いた姿勢で中間転写ベルト21の表面に接触するようにカウンター配置することが好ましいが、これに限られることはない。
第1クリーニング部70は、粒子径が比較的大きい残留トナーを主に除去するために設けられたものであり、粒子径が小さいために中間転写ベルト21の表面への付着力が大きい紙粉、トナー微粉、外添剤の粒子などについては除去し切れずに、第1クリーニング部70をすり抜けて中間転写ベルト21の表面に残るものが少なからず存在する。
このような第1クリーニング部70で除去し切れなかった残留物は、第2クリーニング部80で清掃される。
(2−2)第2クリーニング部の構成
第2クリーニング部80は、クリーニングブラシ8を含み、クリーニングブラシ8は、ハウジング90の開口部において、クリーニングブラシ72よりもベルト走行方向Bの下流側に配置されており、ベルト幅方向Wに沿って長尺状になっている。
クリーニングブラシ8は、第1クリーニング部70が残留物の除去作用を実行した直後に中間転写ベルト21上の同一部位に対して接触し、第1クリーニング部70の除去作用にも拘わらず第1クリーニング部70をすり抜けて中間転写ベルト21の表面に未だ残っている紙粉、トナー微粉、外添剤の粒子などの残留物を除去する。
ここで、本実施の形態では、紙粉、トナー微粉、外添剤の粒子のうち、紙粉が最も多く存在することから、以下、クリーニングブラシ8を紙粉除去ブラシ8と称する。また、紙粉除去ブラシ8は、第1クリーニング部70で除去された残留物とは異なる別の残留物を除去対象としているので、これを以下、異物と称する場合がある。
紙粉除去ブラシ8は、芯金8aの外周に、多数本のブラシ毛8bからなるブラシ繊維が植設されてなる。それぞれのブラシ毛8bは、図2の拡大模式図に示すようにブラシ原糸81の表面に多数個の微小粒子82が接着被覆されており、その表面に微小な凹凸形状が形成されている。この凹凸形状は、凹凸形状を有しないブラシ毛よりも、その凸の部分により中間転写ベルト21の表面上の紙粉などの異物を機械的に掻き取る能力とブラシ毛8bの表面積をより大きくすることにより紙粉などの異物を凹部に取り込んで保持する能力を高めるために設けられたものである。この微小粒子が接着被覆されてなるブラシとしては、例えば特開2012−139488号公報に記載のブラシを適用することができる。
ブラシ原糸81の材料としては、例えばポリエステル系樹脂などの合成繊維からなる可撓性を有するものが用いられる。
微小粒子82の材料としては、紙粉の主成分である炭酸カルシウムのモース硬度(=3)よりもモース硬度が高くなるものが好ましく、例えばモース硬度が9のシリカやアルミナなどを用いることができる。なお、微小粒子82をブラシ原糸81の表面に接着被覆する方法は、上記の公報に記載の方法を用いることができるが、接着被覆により凹凸形状が形成されてなるブラシ毛8bを有する紙粉除去ブラシ8であれば良く、上記の公報とは異なる方法により製造された紙粉除去ブラシ8を用いるとしても良い。
ここで、微小粒子82は、絶縁性を有し、中間転写ベルト21の表面との摺擦により、二次転写後に中間転写ベルト21上に残った紙粉の帯電極性とは逆極性に帯電する帯電特性を有する材料を用いることが望ましい。静電力により紙粉をブラシ毛8bに保持できるからである。なお、静電力の作用の有無に拘わらずクリーニング性を維持できるような場合には、逆極性に限られず、例えば同極性のものなどを用いることもできる。
微小粒子82の平均粒径は、nm単位の紙粉などの径よりも大きく、残留トナーのうち粉砕などにより本来の径よりも少し小さく変形したトナー粒子(1〜2μm程度のもの)よりも小さい値、例えば上限を1μmとすることが望ましい。
上限を1μmとすることが望ましいのは、nm単位の紙粉などは、微小粒子82による凹凸形状を有するブラシ毛8bからなるブラシ繊維の中に取り込まれたり、微小粒子82よりも小さい紙粉などがブラシ毛8bの凹部に取り込まれたりすることにより回収され易く、一方で、粉砕により変形したトナー粒子が第1クリーニング部70をすり抜けた場合でも、そのトナー粒子をブラシ繊維で取り込みつつそのトナー粒子がブラシ繊維の奥や凹部に入り込んで詰まってしまうことを防止し易くなるからである。
また、微小粒子82の球形度については、残留物の除去能力やブラシ原糸81への接着強度を上げるために、例えば0.9以下にすることが望ましい。
紙粉除去ブラシ8は、ブラシ毛8bの先端部が中間転写ベルト21の表面に接したときの中間転写ベルト21の表面との摩擦力により、中間転写ベルト21の回転に従動回転する。ここでは、従動回転時に、紙粉除去ブラシ8の外径部(中間転写ベルト21と接していないブラシ毛8bの先端部)の周速と中間転写ベルト21の表面の周速との間に速度差がほとんど生じることのないように、紙粉除去ブラシ8が不図示の筐体にベアリングなどにより回転自在に支持されている。
これにより、紙粉除去ブラシ8による中間転写ベルト21の表面への傷や摩耗を極力抑えることができる。すなわち、ブラシ毛8bの表面が凹凸形状になっているので、紙粉除去ブラシ8と中間転写ベルト21間に大きな周速差を設けると、ブラシ毛8bの凹凸形状における凸部の頂点が中間転写ベルト21の表面を摺擦したときに中間転写ベルト21の表面を削るようになることが多く、これが長期間に亘って何度も繰り返されると、中間転写ベルト21の表面に傷がついたり摩耗が進行したりすることが生じ易くなる。
紙粉除去ブラシ8のブラシ毛8bは、その先端部、例えば先端からブラシ毛8bの長さ方向に数mm程度の範囲の部分が中間転写ベルト21の表面と接触する。
この接触の状態を微視的にみれば、ブラシ毛8bの先端が中間転写ベルト21の表面に接触を開始した時点からそのブラシ毛8bの撓みが開始され、中間転写ベルト21の表面との接触長さが次第に大きくなり、紙粉除去ブラシ8の回転が進んで、そのブラシ毛8bが中間転写ベルト21の表面から離間した時点でその撓みがそのブラシ毛8bの復元力により解消されて、元の真っ直ぐな状態に戻ることにより接触長さがゼロになる。
つまり、それぞれのブラシ毛8bについて、その先端部の、中間転写ベルト21の表面との接触長さは、接触開始から離間までの間に亘って刻一刻と変化する。以下、ブラシ毛8bの、中間転写ベルト21の表面との接触長さを食い込み量という。
食い込み量が刻一刻と変化することは、1本のブラシ毛8bごとに、真っ直ぐな姿勢から撓みにより傾いた姿勢に変わり、その後、その傾いた姿勢から元の真っ直ぐな姿勢に戻るまで間に、その姿勢変化に伴って、そのブラシ毛8bの先端部の周速も刻一刻と微小に変化していることに等しい。
中間転写ベルト21の周回速度は一定なので、ブラシ毛8bが中間転写ベルト21の表面と接触を開始してから離間するまでの間に、ブラシ毛8bの先端と中間転写ベルト21の表面との間に微小な速度差が生じ、その微小な速度差により、ブラシ毛8bに中間転写ベルト21の表面上の異物をせん断的に掻き取る力が作用する。この掻き取り力により、中間転写ベルト21の表面上において、クリーニングブラシ71、72により除去されなかった紙粉、トナー微粉などの異物が中間転写ベルト21の表面から除去される。除去された異物のほとんどは、多数本のブラシ毛8bからなるブラシ繊維の中に回収される。
紙粉除去ブラシ8が中間転写ベルト21に従動回転する構成により、両者間の周速差をできるだけ小さくすることができ、両者間に大きな周速差を設ける構成に比べて、微小粒子82を有する凹凸形状のブラシ毛8bを用いても、中間転写ベルト21の表面に傷や摩耗が生じ易くなるといったことを抑制できる。
第1クリーニング部70と第2クリーニング部80を備える構成により、クリーニング性が向上することは、次に説明する実験結果により実証される。
(3)実施例による実験結果について
一実施例として、以下に設定された実験機を作製し、中間転写ベルト21のクリーニング性を評価した結果を説明する。
中間転写ベルト21には、PI(ポリイミド)で成形された体積抵抗率1×108Ω・cmのベルトを用いた。中間転写ベルト21の厚みは、80μmであり、中間転写ベルト21の周速は、500mm/secとされた。
クリーニングブラシ71、72のそれぞれは、導電性のポリアミド系合成繊維からなる直毛原糸を、繊度220T/96F、密度430KF、原糸長さ4mmとしたもので構成された。
クリーニングブラシ71、72の回転方向は、中間転写ベルト21と接する部分において、ベルト走行方向Bとは逆(カウンター)方向とし、外径部(中間転写ベルト21と接していないブラシ毛の先端部)の周速が500mm/secに設定された。クリーニングブラシ71、72のそれぞれについて、中間転写ベルト21に対する食い込み量(最大値)が1mmになるように配置され、電気抵抗値が1×108Ω・cmとされた。
ベルト走行方向Bの上流側のクリーニングブラシ71には、−200Vのバイアス電圧が定電圧制御で印加され、ベルト走行方向Bの下流側のクリーニングブラシ72には、+200Vのバイアス電圧が定電圧制御で印加された。
一方、紙粉除去ブラシ8については、ポリアミド系合成繊維からなる直毛原糸81を、繊度220T/96F、密度430KF、原糸長さ5mmとし、その直毛原糸81に対して、平均粒径が0.5μm、平均球形度が0.75のシリカ粒子を微小粒子82として接着被覆させたブラシ毛8bを有するものが用いられた。紙粉除去ブラシ8の電気抵抗値は、1×1010Ω・cmとされた。
紙粉除去ブラシ8は、中間転写ベルト21に対する食い込み量(最大値)が1mmになるように配置され、中間転写ベルト21との摩擦力により中間転写ベルト21に従動回転するように回転自在に支持される構成がとられた。なお、紙粉除去ブラシ8の電位条件は接地、具体的には紙粉除去ブラシ8の芯金8aが接地された。
上記の設定がなされた実験機において、図3に示すような各色縦ベタ帯パターンのテストチャートを、MondiカラーペーパーA4サイズの90g/m2の用紙に1枚ずつ、合計100万枚について連続印字(プリント)する耐久試験を実行した。
ここで、図3に示す矢印方向が用紙Sの搬送方向であり、二次転写位置291における中間転写ベルト21のベルト走行方向Bに相当し、この方向が縦方向になる。縦ベタ帯パターン91Y〜91Kは、用紙S上において、その搬送方向に直交する方向に間隔をおいた位置に形成され、縦ベタ帯パターン91Y〜91Kが形成されていない部分が非画像形成領域92になる。
用紙Sが二次転写位置291を通過する際に、用紙Sのうち、中間転写ベルト21の表面と直に接触する非画像形成領域92の表面の紙粉が中間転写ベルト21の表面に付着して、これが除去されなければプリント枚数が増えるに従って中間転写ベルト21の表面に紙粉が堆積、固着することにより中間転写ベルト21の表面にフィルミングが発生する。
中間転写ベルト21の表面にフィルミングが発生すると、その発生領域の体積抵抗値が未発生の領域よりも上昇し、中間転写ベルト21の表面上に体積抵抗値が異なる箇所が混在することになり、体積抵抗値が異なる箇所ごとに転写電流に差が生じて、形成画像の濃度ムラが発生し易くなる。
図4は、上記の耐久試験を行った場合に、中間転写ベルト21の表面のうち、非画像形成領域92に対応するベルト部分に紙粉がどれだけ付着したのかを測定した結果を示す図であり、横軸がプリント枚数、縦軸が紙粉の主成分である炭酸カルシウムの含有量の検出値(Ca検出値)を示している。プリント枚数は、単位を1000枚で示している。以下、プリント枚数をその単位Kを用いて表現する。例えば、プリント枚数が10万枚であれば100K、100万枚であれば1000Kという。
炭酸カルシウムの含有量は、島津製作所製の波長分散型蛍光X線分析装置:XRF−1800を使用して検出された。炭酸カルシウムの含有量を示すCa検出値が大きくなるほど、紙粉の量が多いという関係を有している。
なお、図4では、比較のために紙粉除去ブラシ8を配置しない構成(比較例1)の場合の測定結果も合わせて示されている。実線のグラフが実施例の測定結果を示し、二点鎖線のグラフが比較例1の測定結果を示す。
図4に示すように比較例1では、プリント枚数が100Kに至る前にCa検出値が0.5を超えていることが判る。本実験機では、画像形成時のスクリーン処理、例えばディザ処理などの階調補正処理が施されている場合に、プリントされた形成画像の濃度ムラを許容できる範囲のCa検出値の上限が0.5、スクリーン処理を施していない場合の上限が0.35と予め決められている。これを前提にした場合、比較例1では、100Kというかなり早期の段階で濃度ムラが許容範囲を超えてしまい、ユーザーに画質劣化を認識させることになる。
図5は、上記の耐久試験後に、全面が均一な濃度のハーフトーン画像を用紙Sにプリントした場合に、中間転写ベルト21の表面へのフィルミング発生により、形成画像に濃度ムラが生じている様子を示す模式図であり、(a)が均一な濃度のハーフトーン画像を、(b)が濃度ムラの生じた画像を示している。図5(b)に示す領域93が中間転写ベルト21の表面のうちフィルミングが発生した箇所に形成された画像部分を示しており、領域93以外の部分よりも濃度が薄くなっていることが判る。
中間転写ベルト21の表面のうちフィルミングが発生した箇所は、上記のように体積抵抗値が上昇するので、その上昇分、未発生の箇所よりも転写電流が小さくなり、中間転写ベルト21から用紙Sへのトナー像の転写率が下がって、用紙S上に形成されたトナー像の濃度が本来の濃度よりも薄くなるからである。
これに対し、図4に示すように実施例(実線のグラフ)では、プリント枚数が1000Kに達するまでの間、Ca検出値が0.35以下に抑えられており、形成画像に濃度ムラが発生したとしても許容範囲内に収まっている。このことから、図5(b)に示すような明確な濃度ムラが発生することが防止され、プリント枚数が1000Kに達するまでという極めて長期間に亘って、良質な画質を維持することが可能になる。
さらに、紙粉除去ブラシ8の配置位置をクリーニングブラシ71よりもベルト走行方向Bの上流側に変更した構成(比較例2)の実験機を用いて、上記と同じ条件の耐久試験を実行した場合に測定されたCa検出値を図6に示す。
図6において、実線のグラフが実施例によるものを示し、二点鎖線のグラフが比較例2によるものを示している。同図に示すように比較例2では、実施例に比べてCa検出値が大幅に大きくなっていることが判る。これは、次の理由によるものと考えられる。
すなわち、紙粉除去ブラシ8がクリーニングブラシ71よりもベルト走行方向Bの上流側に配置されている。これにより、二次転写後の多くの残留トナーが紙粉除去ブラシ8のブラシ毛8bに付着して、ブラシ原糸81に接着被覆された微小粒子82が残留トナーの粒子で覆われてしまい、微小粒子82の凹凸形状による紙粉等の掻き取り力が早期に低下したこと、および、下流側のクリーニングブラシ71がブラシ原糸の表面に微小粒子82が接着被覆されていない通常のブラシであるので、紙粉などのナノ単位の残留物を除去できないからである。
図6の実験結果から、紙粉除去ブラシ8とクリーニングブラシ71は、紙粉除去ブラシ8がクリーニングブラシ71よりもベルト走行方向Bの下流側に配置される位置関係とする必要があることが判る。
以上説明したように、本実施の形態の構成をとることにより、まず中間転写ベルト21上の二次転写後の残留物(主に、残留トナー)をクリーニングブラシ71、72で清掃でき、続いて、クリーニングブラシ71、72で除去されなかった、残留トナーよりも小サイズの異物、例えば紙粉やトナー微粉、外添剤の粒子などを、クリーニングブラシ71、72よりもベルト走行方向Bの下流側に配置され、ブラシ原糸81に微小粒子82が接着被覆されたブラシ毛8bを有する紙粉除去ブラシ8で清掃できる。
表面が凹凸形状をしたブラシ毛8bは、凹凸形状を有しないブラシ毛よりも、その凸の部分により中間転写ベルト21上の例えば紙粉などの異物を機械的に掻き取る能力と、ブラシ毛8bの表面積がより大きくなることによりその紙粉などの異物を取り込んで回収する能力とが高い。
そして、紙粉除去ブラシ8をクリーニングブラシ71、72よりもベルト走行方向Bの下流側に配置することにより、中間転写ベルト21上の残留トナーの多くが紙粉除去ブラシ8のブラシ毛8bに付着して固着されることが防止される。
これにより、凹凸形状を有するブラシ毛8bによる紙粉や外添剤の粒子などの高い除去能力を長期に亘って継続することができ、フィルミングの早期発生を防止して、よりクリーニング性を向上することができるようになる。
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、紙粉除去ブラシ8の中間転写ベルト21に対する遠近方向の位置を変位させない(固定する)構成例を説明したが、本実施の形態2では、その位置を変位可能に構成して、プリント累積回数などの所定条件に基づいて紙粉除去ブラシの中間転写ベルト21に対する食い込み量の大きさを増加させていく制御を行うとしており、この点が実施の形態1と異なっている。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
(1)紙粉除去ブラシの変位機構の構成
図7は、実施の形態2に係る紙粉除去ブラシの変位機構の構成例を説明するための図であり、図8は、図7のD−D線における変位機構の矢視断面図である。
図7、図8に示すように変位機構200は、紙粉除去ブラシ201と、バックアップローラー202と、位置決めコロ203と、圧縮ばね204と、偏心カム205と、ギア206と、モーター207を備える。
紙粉除去ブラシ201は、中間転写ベルト21の表面側に配置され、バックアップローラー202は、中間転写ベルト21の裏面側に配置されており、紙粉除去ブラシ201とバックアップローラー202とは中間転写ベルト21を挟んで対向配置されている。ここで、紙粉除去ブラシ201とその回転軸210とは一体的に回転するが、バックアップローラー202は、その回転軸220に対して自在に回転可能になっている。
位置決めコロ203は、紙粉除去ブラシ201の回転軸210におけるベルト幅方向Wの両端側のそれぞれに嵌め込まれている。それぞれの位置決めコロ203は、回転軸210の軸心を中心に一定の大きさの半径を有する円形の板状部材からなり、同じ形状、同じ大きさであり、回転軸210に対して自在に回転可能になっている。
偏心カム205は、バックアップローラー202の回転軸220におけるベルト幅方向Wの両端側のそれぞれに嵌め込まれている。それぞれの偏心カム205は、同じ円盤状の形状、同じ大きさであり、回転軸220に固定されている。
ベルト幅方向Wの両端側のそれぞれにおいて、位置決めコロ203の周面と偏心カム205の周面とが当接するように位置決めコロ203と偏心カム205のベルト幅方向Wの位置が予め決められている。
紙粉除去ブラシ201の回転軸210の両端部のそれぞれは、装置筐体88に設けられた長穴89に係合されている。長穴89は、紙粉除去ブラシ201の中間転写ベルト21に対するベルト遠近方向(矢印Qで示す方向)に沿って細長い形状になっている。紙粉除去ブラシ201は、回転軸210が長穴89に係合されることにより、回転自在かつベルト遠近方向に長穴89の長さに応じた分だけスライド自在に支持される。
バックアップローラー202の回転軸220の両端部のそれぞれは、装置筐体88に設けられた穴87に回転自在に支持される。
圧縮ばね204は、それぞれの位置決めコロ203に対応して設けられ、その対応する位置決めコロ203に偏心カム205への押圧力を付与する。この圧縮ばね204の押圧力により、常時、位置決めコロ203が偏心カム205に押圧される。
ギア206は、ウォームホイールであり、バックアップローラー202の回転軸220の一方端に嵌め込まれて固定されており、モーター207の回転駆動軸270に設けられたウォーム271と歯合して、ウォームギアを構成する。
このような構成において、モーター207が駆動されると、その駆動力が回転駆動軸270、ギア206、回転軸220を介して偏心カム205に伝わり、モーターの回転駆動軸270の回転角に応じた角度だけ偏心カム205が回転する。偏心カム205が回転しても、矢印Qで示す方向において、バックアップローラー202と中間転写ベルト21の位置は変わらないが、位置決めコロ203のバックアップローラー202に対する間隔は変わる。この間隔が変わることは、紙粉除去ブラシ201の、中間転写ベルト21に対する遠近方向(矢印Qで示す方向)の位置が変わることに等しい。
紙粉除去ブラシ201が中間転写ベルト21に近づくほど、ブラシ毛8bの、中間転写ベルト21の表面に当たる部分の長さが長くなる、すなわち食い込み量が大きくなる。
従って、モーター207の回転角と、紙粉除去ブラシ201の中間転写ベルト21に対する食い込み量(以下、「ブラシ食い込み量」という。)の大きさとの関係、例えば基準からの回転角が5°のときにブラシ食い込み量がX1、10°のときにX2(>X1)、15°のときにX3(>X2)などのような対応関係を予め実験などで求めておけば、ブラシ食い込み量を現在よりもXだけ増加させるのに必要なモーター207の回転角Yを判断できることになる。
なお、モーター207の停止後、圧縮ばね204の押圧力より、偏心カム205から回転軸220を介してギア206に、それまでの回転方向とは逆方向の回転力が伝わるが、ギア206がウォームギアを構成しているので、ギア206が逆回転することがなく、偏心カム205が逆回転することもない。
このような変位機構を用いてブラシ食いこみ量を可変可能な構成としたのは、中間転写ベルト21への紙粉などの異物の付着量をより低減して、フィルミング発生の防止効果をより高めるためである。
すなわち、紙粉除去ブラシ201の位置を変位させない構成の場合、紙粉除去ブラシ201のブラシ毛8bの先端の部分だけが長期に亘って中間転写ベルト21の表面に接触することになる。この場合、ブラシ毛8bの先端に被覆された微小粒子82に紙粉などが少しずつ付着して固着することが生じ易い構成であれば、微小粒子82による掻き取り能力が初期状態(新品時)に比べて徐々に低下していき、中間転写ベルト21への紙粉などの異物の付着量が徐々に増加して、紙粉除去ブラシ201の寿命に近づくに連れてフィルミングが発生し易くなる。
この掻き取り能力の低下は、ブラシ毛8bの先端の部分だけが長期に亘って中間転写ベルト21の表面に接触することに起因している。
従って、掻き取り能力がある程度、低下した時点で、紙粉除去ブラシ201の食い込み量をそれまでよりも増加させて、ブラシ毛8bの先端から少し根本に近い、未だ紙粉などがあまり固着していない微小粒子82が被覆されている部分も中間転写ベルト21の表面に接触できるようにすれば、ブラシ食いこみ量の増加直前よりも掻き取り能力が向上するので、寿命に至るまでの間に亘って掻き取り能力が低下し続けることを防止できる。
そこで、掻き取り能力がどの条件を満たしたときにどの程度低下するのかを予め実験などにより求め、その条件を満たしたときに予め設定された量だけ、ブラシ食いこみ量を増加させる制御を行うことにより、中間転写ベルト21の表面への紙粉等の異物の付着量をより低減しようとするものである。本実施の形態では、所定条件としてプリント累積枚数が用いられている。
図9は、上記の実験機にブラシ食いこみ量の増加制御を組み込んだ構成と組み込んでいない構成のそれぞれについて上記と同条件の耐久試験を行った場合に、中間転写ベルト21の表面に付着した炭酸カルシウムの含有量の検出値を示す図である。
なお、ブラシ食いこみ量は、それぞれの構成ともに耐久試験の開始時には1mmであり、ブラシ食いこみ量の増加制御を組み込んだ構成では、プリント枚数が100Kに達するごとに、ブラシ食いこみ量を0.1mmずつ増加させる制御を行った。
同図に示すようにブラシ食いこみ量の増加制御を組み込んでいない構成(二点鎖線のグラフ)では、プリント枚数が1000Kに達した時点でCa検出値が上限の0.35よりもやや小さな値になっている。この値は、上記のようにフィルミングによる濃度ムラとユーザーに認識されない範囲内に入っているが、上限に近く、緩やかであるが上昇傾向になっている。
これに対し、ブラシ食いこみ量の増加制御を組み込んでいる構成(実線のグラフ)では、プリント枚数が1000Kに達した時点でCa検出値が上限の0.35よりもかなり小さな値である0.2に抑えられており、また上昇傾向ではなく一定値に落ち着いたようになっている。このことから、ブラシ食いこみ量の増加制御を組み込むことにより、中間転写ベルト21の表面への紙粉等の異物の付着量をより低減できることが判る。
中間転写ベルト21の表面への紙粉等の付着量が少ない方がフィルミングの成長速度が遅くなって濃度ムラの発生が遅れることからすると、ブラシ食いこみ量の増加制御は、より長期間に亘って安定した高画質を要求される、例えばいわゆるプロダクションプリントの分野などに使用される製品への適用が特に望ましいといえる。
なお、上記ではカムとウォームギアを用いてブラシ食い込み量を可変制御する構成としたが、紙粉除去ブラシ201と中間転写ベルト21とを相対的に遠ざける方向および近づける方向(遠近方向)に移動可能な移動機構であれば良い。例えば、ネジ送り機構により、紙粉除去ブラシ201と中間転写ベルト21のうち一方を他方に近づける方向にそのネジの回転量に応じた距離だけ移動可能な変位機構を採用することも可能である。
(2)制御部の構成
図10は、実施の形態2に係る制御部50の構成を示す図である。
同図に示すように制御部50は、ブラシ変位部51と枚数記憶部52を含む。
ブラシ変位部51は、モーター207を制御して、中間転写ベルト21の表面に対する紙粉除去ブラシ201の食いこみ量を制御する。
枚数記憶部52は、不揮発性の記憶部であり、累積プリント枚数Pのデータが記憶されている。累積プリント枚数Pは、現在までに実行された過去の全てのプリントジョブでプリントされた用紙Sの累積枚数(合計数)を示しており、後述のように1枚の用紙Sに対するプリント動作が終了するごとに、ブラシ変位部51により更新される。
(3)紙粉除去ブラシの食い込み量の増加制御の処理内容
図11は、ブラシ変位部51によるブラシ食い込み量の増加制御の処理内容を示すフローチャートである。この処理は、1枚の用紙Sに対するプリント動作が実行されるごとに、不図示のメインルーチンに呼び出されることにより実行される。
同図に示すようにブラシ変位部51は、累積プリント枚数Pを取得する(ステップS1)。この取得は、枚数記憶部52に現に記憶されている累積プリント枚数Pのデータを読み出すことにより行われる。
取得した累積プリント枚数Pが所定値の倍数で表される数値のいずれかに等しいか否かを判断する(ステップS2)。所定値は、予め決められた一定値、例えば100Kであり、これの倍数、すなわち100K,200K,300K・・・のいずれかに累積プリント枚数Pが等しいか否かが判断される。
累積プリント枚数Pが所定値の倍数に等しい値であることを判断すると(ステップS2で「Yes」)、ブラシ食い込み量を現在よりも所定量、例えば0.1mmだけ増加させる制御を行った後(ステップS3)、ステップS4に移る。このブラシ食い込み量の増加は、所定量だけブラシ食い込み量を増加させるのに必要な回転角だけモーター207を回転させて、紙粉除去ブラシ201と中間転写ベルト21との間の距離をその増加量に相当する分だけ現在よりも短くさせることにより行われる。
一方、累積プリント枚数Pが所定値の倍数ではないことを判断すると(ステップS2で「No」)、ステップS3をスキップして(実行せずに)、ステップS4に移る。
ステップS4では、1枚の用紙Sへのプリント動作が終了したか否かを判断する。1枚の用紙Sへのプリント動作の終了を判断すると(ステップS4で「Yes」)、現在の累積プリント枚数Pに1をインクリメントした値を新たな累積プリント枚数Pとして枚数記憶部52に上書き保存した後(ステップS5)、リターンする。
これにより累積プリント枚数Pが所定値の倍数で表される数値に達するごとに、ブラシ食い込み量が所定の増加量ずつ増加していき、紙粉除去ブラシ201による紙粉等の異物の除去効果を長期に亘って継続することが可能になる。
なお、上記では、ブラシ食い込み量の増加制御の実行タイミングに達したか否かを累積プリント枚数Pの大きさにより判断する構成例を説明したが、これに限られない。ブラシ食い込み量を現在よりも増加させるのに適した所定のタイミングに達したか否かを判断できる条件を用いることができる。
例えば、プリントジョブの実行時間を累積してなる累積プリント実行時間、または、中間転写ベルト21の回転時間もしくは回転数を累積してなる累積ベルト駆動時間が所定値に達する毎とすることもできる。また、プリンターの稼働とは関係のない一定の期間、例えば1か月が経過する毎などとすることもできる。これらのいずれかまたは2以上の組み合わせを用いることもできる。
(4)ブラシ食い込み量の増加制御の変形例1
上記では、ブラシ食い込み量の増加量を、その増加制御の度に毎回、一定の所定量とする構成例を説明したが、一定の値に限られない。例えば、装置内の温度、具体的には中間転写ベルト21の温度またはその周辺温度の高低に基づいてその増加量を変更させる構成をとることもできる。
プリンターに例えば、低溶融トナーが用いられる場合、装置内の温度が高くなれば、低いときよりもトナー微粉や外添剤の粒子などが溶融により紙粉などと一緒に中間転写ベルト21に固着し易くなる。このことは、装置内の温度が高いときには、低いときよりも中間転写ベルト21の表面に固着するトナー微粉などの量が増えて、フィルミングの成長速度が上昇することを意味する。
装置内の温度が高くなったときのフィルミングの成長速度の上昇を抑制するには、装置内の温度が低いときよりもトナー微粉などの除去能力が高くなるようにすれば良い。トナー微粉などの除去能力を高めるには、上記のようにブラシ食い込み量をより大きくすれば良いが、大きくしすぎると、紙粉除去ブラシ201のブラシ毛8bによる中間転写ベルト21の表面に対する掻き取り力が強くなりすぎて、中間転写ベルト21の表面がブラシ毛8bにより摩耗され易くなる。
そこで、ブラシ食い込み量の増加制御の実行時に、装置内の温度が高温域よりも低い温度域(非高温域)にある場合には、その増加量を基準値(上記例では、0.1mm)とし、高温域にある場合には、その増加量を基準値よりも大きい値(例えば、0.15mm)に変更することにより、装置内の温度に適したブラシ食い込み量の増加制御を行うことができるようになる。
装置内の温度は、図10に示す温度センサー208により検出され、その検出値は、ブラシ変位部51に送られる。温度センサー208は、例えば中間転写ベルト21の周辺空間に配置される。
図12は、装置内の温度に応じてブラシ食い込み量の増加量を変更する制御の処理内容を示すフローチャートであり、図11に示すステップS3に代えて、ステップS11、S12を実行する点が図11に示す処理内容と異なっている。以下、この異なっている部分を中心に説明する。
すなわち、累積プリント枚数Pが所定値の倍数に等しいことを判断すると(ステップS2で「Yes」)、ブラシ食い込み増加量設定処理を実行する(ステップS11)。
図13は、ブラシ食い込み増加量設定処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず現在の装置内の温度Tを取得する(ステップS21)。温度Tの取得は、温度センサー208の検出値を受信することにより行われる。
装置内の温度Tが高温域にあるか否かを判断する(ステップS22)。この高温域とは、所定温度、例えば30℃以上の温度域であり、装置内の温度Tがこの高温域にある場合には食い込み量の増加量を基準値よりも大きい値にする必要があると想定される温度範囲として予め実験などにより決められる。
装置内の温度Tが高温域にはない、すなわち非高温域にある場合には(ステップS22で「No」)、食い込み量の増加量を基準値(上記例では、0.1mm)に設定して(ステップS24)、リターンする。
装置内の温度Tが高温域にあれば(ステップS22で「Yes」)、上記の基準値に正の補正値G(例えば、0.05mm)を加算した値、すなわち基準値よりも大きい値を食い込み量の増加量に設定して(ステップS23)、リターンする。
図12に戻ってステップS12では、ステップS11で設定された増加量だけ、ブラシ食い込み量を増加させる制御を行う。この制御は、設定された増加量だけブラシ食い込み量を増加させるのに必要な回転角だけモーター207を回転させることにより行われる。
これにより、ブラシ食い込み量の増加制御の実行の度に、そのときの装置内の温度Tに適した増加量が設定されるので、ブラシ食い込み量の増加制御をより適切に行えるようになる。なお、装置内の温度は、現在の温度に限られず、例えば過去の装置内平均温度を用いることもできる。装置内平均温度は、前回のブラシ食い込み量の増加制御の実行が終了してから現在までの間に実行された全てのプリントについてその実行中における装置内の温度の平均値とすることができる。
上記では、装置内の温度Tが高温域であるか否かによって食い込み量の増加量を異ならせる制御の例を説明したが、これに限られない。例えば、3以上の異なる温度域と、温度域ごとに異なる食い込み量の増加量を予め細かく対応付けておき、検出された装置内の温度Tが属する温度域に対応する食い込み量の増加量を設定する構成をとることもできる。
また、食い込み量の増加量を変更する制御を行うか否かを判断するための所定の変更条件としては、装置内の温度に限られず、例えばトナー像の印字率、一次転写バイアスなどを用いることもできる。
<トナー像の印字率について>
トナー像の印字率とは、1枚の用紙Sの全体の面積における、トナー像が形成される部分の積算面積の割合を百分率で表した数値であり、印字率が小さいほど、用紙Sの全体面積のうちトナー像の形成部分が少ない、すなわち非画像領域が多いことになる。
1枚の用紙Sについて非画像領域が多いということは、その用紙Sが二次転写位置291を通過する際にその用紙Sの紙面のうち、中間転写ベルト21の表面に直に接する部分が多くなるので、非画像領域が少ない場合よりも中間転写ベルト21の表面に付着する紙粉の量が多くなるはすである。中間転写ベルト21の表面に付着する紙粉の量が多くなると、紙粉除去ブラシ201のブラシ毛8bの先端に付着して固着する紙粉の量も多くなり、上記のようにブラシ毛8bによる掻き取り能力が低下し易くなる。
従って、ユーザーから要求される全体のプリントジョブのうち、印字率が小さい画像のプリントの割合が多い使用環境にあるような場合には、1回の食い込み量の増加量を、印字率が小さい画像のプリントの割合が少ない使用環境の場合よりも大きくすることにより、紙粉除去ブラシ201による紙粉などの除去能力を高い状態に維持できるようになる。
図14は、印字率を加味したブラシ食い込み増加量設定処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、過去の平均印字率Crを取得する(ステップS31)。平均印字率Crは、前回のブラシ食い込み量の増加制御の実行が終了してから現在までの間に実行された全てのプリントにおける印字率の平均値を示している。
ブラシ変位部51は、ブラシ食い込み量の増加制御が1回終了するごとに、これ以降に実行される全てのプリントジョブについて各用紙Sに対するプリントにおける印字率を求める。印字率は、プリントジョブの画像データに基づいて、1枚の用紙Sの全体の面積に対する、トナー像を形成すべき部分を構成する画素数の割合を計算することにより求められる。プリントに供される各用紙Sに対して求められた印字率は、図示しない記憶部に1枚の用紙Sへのプリント単位で記憶される。
そして、ブラシ変位部51は、ステップS31を実行する際に、前回のブラシ食い込み量の増加制御の終了から現在までの間に実行された全てのプリントにおける印字率をその記憶部から読み出して、読み出した全ての印字率を平均化する処理を行い、平均化された印字率を、過去の平均印字率Crとして取得する。
平均印字率Crが所定値よりも小さいか否かを判断する(ステップS32)。この所定値とは、平均印字率Crがこの所定値よりも小さい場合には食い込み量の増加量を基準値よりも大きい値にする必要があると想定される印字率の値として予め実験などにより決められる。
平均印字率Crが所定値以上の場合には(ステップS32で「No」)、食い込み量の増加量を基準値に設定して(ステップS34)、リターンする。平均印字率Crが所定値よりも小さい場合には(ステップS32で「Yes」)、基準値に補正値Gを加算した値を食い込み量の増加量に設定して(ステップS33)、リターンする。
これにより、例えば印字率が小さい画像のプリントがほとんどであるような環境にプリンターが設置されている場合には、ブラシ食い込み量の増加制御の実行時に、増加量が大きな値に設定されることが可能になり、印字率の大小に応じてブラシ食い込み量の増加制御をより適切に行えるようになる。
<一次転写バイアスについて>
一次転写バイアスとは、作像部10Y〜10Kごとに中間転写ベルト21を介して一次転写ローラー28Y〜28Kと感光体ドラム1Y〜1Kとの間に作用する電界の大きさを決める転写電圧や転写電流のことである。
装置内の湿度変化により一次転写バイアスの値が変動、具体的には常湿から高湿環境に変わったために転写電流が過多になると、これに起因して常湿時では感光体ドラム1Y〜1Kから中間転写ベルト21の表面に一次転写されることのなかったトナー微粉や紙粉などが転写電流の過多により一次転写される場合が生じ易くなる。中間転写ベルト21の表面に付着するトナー微粉などの量が増加するということは、それだけ紙粉除去ブラシ201のブラシ毛8bの先端に付着して固着するトナー微粉などの量も多くなることを意味するので、上記のようにブラシ毛8bによる掻き取り能力が低下し易くなる。
従って、一次転写バイアスが変動し易い、例えば周辺湿度が変動し易い環境に設置されているような場合には、1回の食い込み量の増加量を、一次転写バイアスの変動が小さい環境に設置されている場合よりも大きくすることにより、紙粉除去ブラシ201による紙粉などの除去能力を高い状態に維持できるようになる。
一次転写バイアスの変動は、例えば一次転写ローラー28Y〜28Kに実際に流れる一次転写電流を電流計により測定することにより検出することができる。
一次転写バイアスの値が所定値を超えているか否か、すなわち過多の状態にあるか否かにより、ブラシ食い込み量の増加量を異ならせる制御をとることができる。所定値とは、一次転写バイアスがこの所定値を超えている場合には食い込み量の増加量を基準値よりも大きい値にする必要があると想定される値として予め実験などにより決められる。
なお、一次転写バイアスを直接的に検出する構成に代えて、例えば一次転写バイアスの変動に影響を与える装置内の湿度を検出して、検出した湿度の変化量が一定値を超えると、一次転写バイアスの値も所定値を超えたとみなして、食い込み量の増加量を変動させる制御方法をとることもできる。
上記では、装置内の温度Tや印字率などに基づいて食い込み量の増加量を基準値と基準値よりも多い量のいずれかを設定するとしたが、増加に限られない。
例えば、過去の平均印字率Crが所定値よりもある程度大きく、すなわち中間転写ベルト21への紙粉の付着量がかなり少なく、かつ、転写効率がある程度高い、すなわち中間転写ベルト21へのトナー微粉の付着量がかなり少ないというような特別の条件を満たす場合には、増加に代えて、ブラシ食い込み量を現在よりも所定値、例えば0.05mmだけ減少させる構成もとり得る。この特別の条件は、フィルミングの成長速度が極端に遅いことを示す条件とみなすことができ、そのような条件下において、一定のクリーニング性を維持できるのであれば、ブラシ食い込み量を現在よりも所定値だけ低減する制御をとることにより、紙粉除去ブラシ8のクリーニング性をより長期間、維持すること、および中間転写ベルト21の表面の、ブラシ毛8bによる摩耗をより抑制することが可能になる。このブラシ食い込み量の低減御は、平均印字率Crに限られず、例えば一次転写バイアスにも適用することができる。
(5)ブラシ食い込み量の増加制御の変形例2
上記では、ブラシ食い込み量の増加制御を、累積プリント枚数Pが所定値の倍数に等しい値になったときなどの所定のタイミングに実行するとしたが、これに限られない。この所定の実行タイミングを、所定の実行条件、例えば装置内の温度に基づいて変更する制御を行うこともできる。これは、次の理由による。
すなわち、上記のように装置内の温度変化によって中間転写ベルト21の表面に付着するトナー微粉などの量が変動する構成では、プリンターが例えば常温環境よりも温度が高い高温環境下に設置されている場合、常温環境下に設置されている場合よりもフィルミングの成長速度が速くなる。従って、高温環境下の場合、常温環境下の場合よりもブラシ食い込み量の増加制御の実行タイミングを早いタイミングに変更した方がフィルミングの成長をより早期に抑制することが可能になるからである。
図15は、装置内の温度に応じてブラシ食い込み量の増加制御の実行タイミングを変更する処理内容を示すフローチャートであり、ステップS1とS2の間にステップS41〜S44を実行する点が図11に示す処理内容と異なっている。以下、この異なっている部分を中心に説明する。
すなわち、ブラシ変位部51は、累積プリント枚数Pを取得すると(ステップS1)、過去の装置内平均温度Taを取得する(ステップS41)。装置内平均温度Taは、前回のブラシ食い込み量の増加制御の実行が終了してから現在までの間に実行された全てのプリントについてその実行中における装置内の温度Tの平均値を示している。
ブラシ変位部51は、ブラシ食い込み量の増加制御が1回終了するごとに、これ以降に実行される各プリントジョブについてその実行中の装置内の温度Tを温度センサー208により検出して、図示しない記憶部に1枚の用紙へのプリント単位で記憶する。
そして、ブラシ変位部51は、ステップS41を実行する際に、前回のブラシ食い込み量の増加制御の終了から現在までの間に実行された全てのジョブにおける装置内の温度Tをその記憶部から読み出して、読み出した全ての温度Tを平均化する処理を行い、平均化された温度を、過去の装置内平均温度Taとして取得する。
過去の装置内平均温度Taが高温域にはない、すなわち高温域よりも低い温度域(非高温域)にあることを判断すると(ステップS42で「No」)、所定値を基準値Pa、例えば100Kに設定して(ステップS43)、ステップS2に移る。
一方、過去の装置内平均温度Taが高温域にあることを判断すると(ステップS42で「Yes」)、所定値を基準値Paよりも小さい値Pb、例えば80Kに設定して(ステップS44)、ステップS2に移る。
ステップS2では、ステップS1で取得された累積プリント枚数Pが、ステップS43とS44のいずれかで設定された所定値(PaまたはPb)の倍数に等しい値であるか否かを判断する。累積プリント枚数Pが所定値(PaまたはPb)の倍数に等しい値であることを判断すると(ステップS2で「Yes」)、ブラシ食い込み量の増加制御を実行する(ステップS3)。
過去の装置内平均温度Taが高温域にある場合には、非高温域の場合の基準値Paよりも小さい値Pbが所定値として設定されるので、PaとPbのプリント枚数の差分だけブラシ食い込み量の増加制御の実行タイミングが非高温域の場合よりも早くなり、高温環境下に設置されている場合に成長速度が速くなるフィルミングの発生をより早期に抑制することができるようになる。なお、上記のPaやPbは、装置構成に応じて実験などにより予め適正な値を決めておくことができる。
上記では、ブラシ食い込み量の増加制御の実行タイミングを通常よりも早めるか否かを装置内平均温度Taにより判断する構成例を説明したが、これに限られない。ブラシ食い込み量の増加制御を一定の時期に至る前に実行すべきことを判断できれば良く、過去の装置内平均温度Taに代えて、例えば装置内の現在の温度を用いることもできる。さらに、印字率または一次転写バイアスなどを用いることもできる。
なお、上記では、ブラシ食い込み量の増加制御の実行タイミングを通常よりも早い時期に変更する構成例を説明したが、これに限られず、例えば上記の特別の条件を満たすような場合には、通常よりも所定期間だけ遅い時期に変更する制御を行うことも可能である。実行タイミングの変更は、ブラシ食い込み量の低減制御についても同様に適用できる。
上記のことから実施の形態および変形例1と2は、ブラシ食い込み量を変更させるために、累積プリント枚数Pなどの所定条件に基づいて紙粉除去ブラシ8と中間転写ベルト21の間の距離を変更する制御を実行する構成といえる。そして、この制御には、装置内の温度などの所定の変更条件に基づいてその増加量などを変更する制御と装置内の温度などの所定の実行条件に基づいてその実行タイミングを変更する制御が含まれる。
本発明は、画像形成装置に限られず、上記のブラシ食い込み量の変更制御により像担持体をクリーニングする画像形成装置が実行する像担持体のクリーニング方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、紙粉除去ブラシ8のブラシ毛8bが中間転写ベルト21上の紙粉や外添剤の粒子などの異物を取り込んで保持する構成例を説明したが、これに限られない。例えば、第2クリーニング部80に、紙粉除去ブラシ8と、紙粉除去ブラシ8に保持された紙粉などを回収する回収部材(不図示)とを設ける構成をとることもできる。
具体的には、紙粉除去ブラシ8に回収部材としての回収ローラーを接触させて、紙粉除去ブラシ8に保持された紙粉などをその回収ローラで回収する構成、紙粉除去ブラシ8に保持された紙粉などの異物に対し紙粉除去ブラシ8から回収部材に移動する方向の静電力を作用させる電界が紙粉除去ブラシ8と回収部材間に発生するように、紙粉除去ブラシ8と回収部材の少なくとも一方に電圧を印加する構成などが考えられる。
なお、紙粉除去ブラシ8に回収ローラーを接触させる場合には、その接触時の摩擦によりブラシ毛8bの微小粒子82が早期にブラシ原糸81から外れたり削れたりすることがないようにその摩擦力をできるだけ小さくすること、例えばその回収ローラーを紙粉除去ブラシ8に従動して回転させるなどの構成をとることが望ましい。静電力を利用する構成の場合には、回収部材を紙粉除去ブラシ8に非接触とすることができる。
(2)上記実施の形態では、紙粉除去ブラシ8が中間転写ベルト21に従動回転する構成としたが、従動回転に限られず、例えばモーターにより回転駆動する構成とすることもできる。
このモーター駆動の構成をとる場合でも、紙粉除去ブラシ8の外径部(中間転写ベルト21の表面に接していないブラシ毛8bの先端部)の周速と中間転写ベルト21の表面の周速との間の速度差が所定の許容範囲内に入るように、すなわち当該速度差がゼロまたは異なる場合でも当該許容範囲内の大きさに収まるように制御することが好ましい。許容範囲は、その速度差に起因して中間転写ベルト21の表面に傷や摩耗が少しずつ生じても中間転写ベルト21や紙粉除去ブラシ8の寿命に影響を与えない範囲内の大きさとして予め実験などにより決められる。
また、上記の図1では、紙粉除去ブラシ8の回転方向が中間転写ベルト21の表面の移動方向に対して順方向、すなわち紙粉除去ブラシ8と中間転写ベルト21の表面との接触部位を基準にして、当該接触部位において、紙粉除去ブラシ8の回転方向と中間転写ベルト21の表面の移動方向とが同一になる構成例を説明したが、これに限られない。例えば、中間転写ベルト21と紙粉除去ブラシ8の寿命に影響を与えないような装置構成の場合などには、順方向に代えて、紙粉除去ブラシ8の回転方向が中間転写ベルト21の表面の移動方向に対して逆方向になる構成をとることも可能である。
なお、紙粉除去ブラシ8は、上記では回転体としたが、これに限られず、例えば固定支持された非回転体のブラシを用いることもできる。
(3)上記実施の形態では、Y色〜K色のトナー像が多重転写される中間転写ベルト21のクリーニングに、紙粉除去ブラシ8を有するベルトクリーニング部60を適用する構成例を説明したが、これに限られない。例えば、感光体ドラム1Y〜1Kのそれぞれについて、そのクリーナーとしてベルトクリーニング部60と同様の構成のクリーニング部を適用することもできる。
また、第1クリーニング部70が2本のクリーニングブラシ71、72を有する構成としたが、これに限られない。二次転写後の中間転写ベルト21上の残留トナーなどの残留物を除去可能なクリーニング部材であれば良い。例えば、1本のクリーニングブラシ、1つのクリーニングブレード、またはこれらの組み合わせなどとしても良い。
(4)上記実施の形態では、本発明に係る画像形成装置をタンデム型カラープリンターに適用した場合の例を説明したが、これに限られない。カラーの画像形成に代えて、モノクロの画像形成を実行する機能を有する画像形成装置に適用することもできる。
すなわち、表面が移動する像担持体上に形成されたトナー像を被転写体に転写し、転写後に像担持体上に残留している残留物を除去するために設けられたクリーニング部材と、クリーニング部材よりも像担持体表面の移動方向下流側において像担持体に対して接触し、クリーニング部材による除去作用によって除去されなかった紙粉などの残留物を除去するブラシ部材とを備える構成とすることができる。ブラシ部材は、原糸の表面に接着被覆された微小粒子により表面が凹凸形状をしたブラシ毛を用いることができる。このようなクリーニング部材とブラシ部材とを備える構成であれば、例えば複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等の画像形成装置一般に適用できる。
像担持体としては、中間転写ベルト21に限られず、回転等により表面が移動するものであれば良い。例えば、中間転写ドラム、感光体ベルトなどを像担持体として用いることもできる。また、被転写体も記録シートに限られない。例えば、第1の中間転写体上のトナー像を別の第2の中間転写体に転写後、記録シートに転写する構成であれば、第1の中間転写体を像担持体、第2の中間転写体を被転写体と捉えることができる。
また、中間転写ベルト上のトナー像を熱定着ベルトに転写した後、熱定着ベルトに転写されたトナー像を定着位置において記録シートに同時転写定着する構成であれば、中間転写ベルトを像担持体、定着ベルトを被転写体と捉えることもできる。
さらに、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明は、像担持体上の残留物を除去する画像形成装置に適用することができる。
1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム
8、201 紙粉除去ブラシ(ブラシ部材)
8a 芯金
8b ブラシ毛
21 中間転写ベルト
51 ブラシ変位部
52 枚数記憶部
60 ベルトクリーニング部
70 第1クリーニング部
71、72 クリーニングブラシ(クリーニング部材)
80 第2クリーニング部
81 ブラシ原糸
82 微小粒子
200 変位機構
202 バックアップローラー
B ベルト走行方向(回転方向)
W ベルト幅方向

Claims (9)

  1. 表面が移動する像担持体に形成されたトナー像を被転写体に転写する画像形成装置であって、
    前記転写後に前記像担持体上に残留している残留物を除去するために設けられたクリーニング部材と、
    原糸表面に接着被覆された微小粒子により表面が凹凸形状をしたブラシ毛を有し、前記クリーニング部材よりも前記像担持体表面の移動方向下流側において前記像担持体に対して接触し、前記クリーニング部材による除去作用によって除去されなかった残留物を除去するブラシ部材と、
    前記ブラシ部材と前記像担持体の少なくとも一方を相対的に遠ざける方向および近づける方向に移動させる移動手段と、
    所定のタイミングに達した場合に、前記移動手段を制御して、前記ブラシ毛の先端部の、前記像担持体の表面との接触長さを現在よりも所定の増加量だけ増加させるように、前記ブラシ部材と前記像担持体との間の距離を変更する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    装置内の現在の温度または過去の装置内平均温度が第1の温度域にある場合に、前記第1の温度域よりも温度が低い第2の温度域にある場合に比べて前記所定の増加量を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 表面が移動する像担持体に形成されたトナー像を被転写体に転写する画像形成装置であって、
    前記転写後に前記像担持体上に残留している残留物を除去するために設けられたクリーニング部材と、
    原糸表面に接着被覆された微小粒子により表面が凹凸形状をしたブラシ毛を有し、前記クリーニング部材よりも前記像担持体表面の移動方向下流側において前記像担持体に対して接触し、前記クリーニング部材による除去作用によって除去されなかった残留物を除去するブラシ部材と、
    前記ブラシ部材と前記像担持体の少なくとも一方を相対的に遠ざける方向および近づける方向に移動させる移動手段と、
    所定のタイミングに達した場合に、前記移動手段を制御して、前記ブラシ毛の先端部の、前記像担持体の表面との接触長さを現在よりも所定の増加量だけ増加させるように、前記ブラシ部材と前記像担持体との間の距離を変更する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    過去に実行されたジョブの平均印字率が所定値よりも低い場合に、前記所定値以上の場合に比べて前記所定の増加量を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
  3. 表面が移動する像担持体に形成されたトナー像を被転写体に転写する画像形成装置であって、
    前記転写後に前記像担持体上に残留している残留物を除去するために設けられたクリーニング部材と、
    原糸表面に接着被覆された微小粒子により表面が凹凸形状をしたブラシ毛を有し、前記クリーニング部材よりも前記像担持体表面の移動方向下流側において前記像担持体に対して接触し、前記クリーニング部材による除去作用によって除去されなかった残留物を除去するブラシ部材と、
    前記ブラシ部材と前記像担持体の少なくとも一方を相対的に遠ざける方向および近づける方向に移動させる移動手段と、
    所定のタイミングに達した場合に、前記移動手段を制御して、前記ブラシ毛の先端部の、前記像担持体の表面との接触長さを現在よりも所定の増加量だけ増加させるように、前記ブラシ部材と前記像担持体との間の距離を変更する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    装置内の現在の温度または過去の装置内平均温度が第1の温度域にある場合には、前記第1の温度域よりも温度が低い第2の温度域にある場合に比べて、前記所定のタイミングを早い時期に変更することを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記ブラシ部材は、
    回転体であり、
    前記ブラシ部材の回転方向が前記像担持体表面の移動方向に対して順方向であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記ブラシの外径部の周速と前記像担持体表面の周速とが等しいことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記ブラシ部材は、
    前記像担持体との接触により当該像担持体表面の移動に従動して回転することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  7. 前記微小粒子は、
    前記クリーニング部材によって除去されなかった残留物とは逆の極性に帯電する帯電特性を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記クリーニング部材により除去された残留物を回収する回収部材を備え、
    前記クリーニング部材は、
    原糸表面に微小粒子が接着されていないブラシ毛を有する回転体であり、
    前記回収部材は、
    回転するクリーニング部材のブラシ毛に接して当該ブラシ毛に取り込まれている残留物を回収することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記ブラシ部材は、
    前記クリーニング部材によって除去されなかった、前記微小粒子よりも粒径が小さい残留物を前記凹凸形状の凹部に取り込むことにより前記像担持体から除去することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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