JP4606559B2 - 眼光学特性測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は被検眼の眼底上に投影された指標像の光量強度分布を測定して眼球光学系の光学特性を測定する為の眼光学特性測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、被検眼眼底にピンホール像等の指標像を投影し、その反射光束から光電検出器上に指標像を形成し、その指標像の光量強度分布特性を基に、被検眼の眼球光学系の光学特性を示す点像光量強度分布関数を測定する眼光学特性測定装置が知られている。
【0003】
この眼光学特性測定装置に於いては、眼球光学系を透過した光束により形成される指標像の光量強度分布を直接測定し、被検眼の眼光学特性を正確に測定することができ、被検眼眼底上で形成される指標像をシミュレーション画像としても演算により求めることができる。眼光学特性測定装置で得られた眼光学特性は、眼科治療或は視力矯正の情報として利用される。
【0004】
又、現在視力を矯正する為角膜をレーザ光により矯正する手術が出現している。この手術では角膜の表面の形状そのものをレーザ光で加工する為、その加工量を決める為の術前の測定、及び、術後の評価を行う為には、瞳上での異なる領域での眼光学特性を正確に知ることが必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、上記した従来の装置に於いては、被検眼瞳上では一定の開口径の光束を利用して測定を行う為、一定の瞳径での眼光学特性を測定することしかできず、瞳上での異なる領域での眼光学特性を知ることができないという欠点を有していた。
【0006】
本発明は斯かる実情に鑑み、従来の眼光学特性測定装置の有する欠点を解決することを目的としたのものであり、瞳上での異なる領域で、更に瞳上全域に亘り眼光学特性の分布を測定することが可能な眼光学特性測定装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
本発明は、被検眼瞳と略共役位置に配置され瞳上での光束の通過領域を決める為の開口絞りと、該開口絞りを介して被検眼眼底に第1次指標像を投影する為の投影光学系と、被検眼眼底からの反射光束により前記開口絞りを介して光電検出器上に第2次指標像を形成する為の受光光学系と、前記光電検出器からの信号により第2次指標像の光量強度分布を検出する検出部とを具備する眼光学特性測定装置に於いて、前記開口絞りは異なる開口の絞りに変更可能に構成した眼光学特性測定装置に係り、又前記開口絞りは開口位置を変更可能とした眼光学特性測定装置に係り、又前記開口絞りは複数の開口板から成り、該開口板の組合わせで前記反射光束を複数の領域に分割可能とした眼光学特性測定装置に係り、又前記領域毎に第2次指標像の光量強度分布を検出し、検出結果より得られる眼光学特性を表示する表示部を有し、該表示部は領域の分割態様を表示すると共に分割された領域毎に眼光学特性を表示する眼光学特性測定装置に係るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1に於いて、本発明の実施の形態の光学系について説明する。
【0010】
図中、1は被検眼、2は投影光学系、3は受光光学系を示す。
【0011】
前記投影光学系2は光源5、該光源5から発せられた投影光束を集光する投影レンズ6、該投影レンズ6の光軸上に配設されたハーフミラー7、該ハーフミラー7を透過した投影光束を前記被検眼1に向け第1の偏光方向の直線偏光成分(S直線偏光)を反射して投影する偏光ビームスプリッタ8、該偏光ビームスプリッタ8の投影光軸に前記偏光ビームスプリッタ8側から配設されたリレーレンズ9、対物レンズ11、1/4波長板13、前記被検眼1の瞳18と略共役な位置(共役な位置を含む)に配設された開口絞り14を有する。更に、前記ハーフミラー7に対向して固視標15、集光レンズ16を有する固視標系17が配設されている。前記光源5、固視標15は前記被検眼1の眼底と共役な位置にあり、後述する様に、前記光源5、固視標15は眼底に結像する。尚、光源5と投影レンズ6は一体で、後述の合焦レンズ19と連動して光軸方向に沿って移動可能となっている。
【0012】
前記受光光学系3は、前記偏光ビームスプリッタ8、該偏光ビームスプリッタ8の投影光軸に配設された前記リレーレンズ9、対物レンズ11、1/4波長板13を前記投影光学系2と共用している。
【0013】
前記偏光ビームスプリッタ8を透過する反射光軸上には反射光軸に沿って移動可能な合焦レンズ19、結像レンズ20が配設され、該結像レンズ20は前記被検眼1の眼底と共役な位置にある光電検出器21上に反射光束を結像させる。
【0014】
該光電検出器21からの受光信号は信号処理部26を介して記憶部27に記憶される。前記信号処理部26から前記記憶部27へのデータの書込みは制御部28によって制御され、該制御部28は前記記憶部27に記憶されたデータを基に所要の演算をし、又演算結果を表示部29に表示する。
【0015】
前記開口絞り14について、図2(A)、図2(B)、図2(C)により説明する。
【0016】
該開口絞り14は円形状の3枚の開口板23,24,25から構成され、前記開口板23は中央部に円形の遮光部23aを有し、周囲のリング形状部分が透過部23bとなっており、前記開口板24は前記遮光部23aと同形の透過部24aと前記透過部23bと同形のリング形状の遮光部24bを有している。前記開口板25は8等分した中心角が45°で対称位置にある2つの小扇形状部分が透過部25a,25aであり、残りの2つの大扇形状部分が遮光部25b,25bとなっている。
【0017】
前記開口板23,24,25を組合わせることで、図3で示されるA1 ,A2 ,B1 ,B2 ,C1 ,C2 ,D1 ,D2 及びA′1 ,A′2 ,B′1 ,B′2 ,C′1 ,C′2 ,D′1 ,D′2 の開口部が得られる。
【0018】
例えば、前記開口板25を図2(C)図示の状態とし、該開口板25に前記開口板23を組合わせることで、開口部A2 ,A′2 が得られ、前記開口板25に前記開口板24を組合わせることで、開口部A1 ,A′1 が得られる。
【0019】
更に、前記開口板25を45°ステップで回転させ、各ステップで開口板23、開口板24を組合わせることで、前記開口部A1 ,A2 ,B1 ,B2 ,C1 ,C2 ,D1 ,D2 及びA′1 ,A′2 ,B′1 ,B′2 ,C′1 ,C′2 ,D′1 ,D′2 が得られる。
【0020】
以下、上記光学系の作用について説明する。
【0021】
前記被検眼1に前記固視標15を注視させた状態で、前記投影光学系2により投影光束を投影する。尚、前記固視標15に関しては、可視光が用いられ、前記投影光束については赤外光が用いられる。
【0022】
前記光源5からの投影光束(赤外光)が前記投影レンズ6、ハーフミラー7を透過して前記偏光ビームスプリッタ8に至り、該偏光ビームスプリッタ8でS直線偏光分が反射され、前記リレーレンズ9を経て前記対物レンズ11により前記1/4波長板13を経て前記被検眼1の眼底に投影され、第1次指標像が結像される。
【0023】
S直線偏光が前記1/4波長板13を透過することで、右円偏光となる。前記被検眼1の眼底で投影光束が反射され、反射光束は眼底で反射されることで、左円偏光となる。更に、反射光束が前記1/4波長板13を透過することで、前記S直線偏光とは偏光方向が90°異なるP直線偏光となる。
【0024】
P直線偏光は、対物レンズ11、リレーレンズ9により前記偏光ビームスプリッタ8に導かれる。該偏光ビームスプリッタ8はS直線偏光を反射し、P直線偏光を透過するので、前記反射光束は該偏光ビームスプリッタ8を透過し、前記合焦レンズ19、結像レンズ20により前記光電検出器21上に第2次指標像として結像される。
【0025】
該光電検出器21が受光した第2次指標像の光量強度分布は前記被検眼1の眼光学特性を反映しており、前記光電検出器21の受光状態を検出することで、眼光学特性を測定することができる。
【0026】
次に、前記被検眼1の眼底に投影された投影光束は眼底で全て反射されるわけではなく、一部は眼底表面から表層内部に侵入し、散乱反射される現象、所謂にじみ反射(以下、散乱反射という)が発生する。この散乱反射が、反射光束と共に前記光電検出器21に受光されると、第2次指標像の光量強度分布のノイズとなり、正確な眼球光学系の眼光学特性が測定できない。
【0027】
斯かる散乱反射による光束の偏光状態はランダム状態である。この為、前記1/4波長板13を透過し、直線偏光となった場合にP直線偏光と合致するものは極限られた部分に限定される。従って、前記偏光ビームスプリッタ8により散乱反射成分が殆ど吸収され、前記光電検出器21が受光するのは実質上散乱反射成分が除去された投影反射光束となる。而して、前記1/4波長板13を投影光学系2、受光光学系3の構成要素とすることで、正確な眼球光学系の眼光学特性測定を可能とする。
【0028】
被検眼の眼光学特性の測定について図3、図4を参照して説明する。
【0029】
以下の眼光学特性の測定では瞳18を所要の領域に分割して各領域毎に領域眼光学特性を測定し、得られた領域眼光学特性から被検眼の眼光学特性を測定するものである。
【0030】
STEP01:前記被検者に前記固視標15を注視させた状態で、前記合焦レンズ19を移動させる。該合焦レンズ19と連動して、前記光源5及び投影レンズ6も一体で移動する。概略のピント合わせを行い、被検眼の屈折力に対応した目標測定位置を設定する。この設定は、事前に測定した他覚式レフラクトメータの測定結果に基づき設定を行う方法、或は、被検者が前記光電検出器21からの信号に基づきモニタに表示された指標像を観察し、指標像の概略のピントが合う様にピント合わせを行う方法等が利用できる。
【0031】
STEP02:測定する領域を前記開口絞り14により設定する。設定は、前記開口板23、開口板24、開口板25を組合わせて行う。図3中で示す、A1 の領域を設定するには、前記開口板25を図2(C)の状態とし、該開口板25に前記開口板24を重合せることでA1 の領域が設定される。尚、前記被検眼1眼底で反射された反射光束は前記開口絞り14のA1 とは対称な領域を通過するので、A′1 が開口される。
【0032】
前記光源5からの投影光束はA1 の領域のみを透過する。又、前記開口絞り14は前記瞳18と共役な位置にあるので、瞳18のA1 の領域に相当する領域を投影光束が透過する。尚、前記被検眼1の眼底で反射された反射光束は、前記開口絞り14のA1 の領域と対称な位置のA′1 の領域を通過して前記偏光ビームスプリッタ8に至り、反射光束は該偏光ビームスプリッタ8を透過する。上記した様に、該偏光ビームスプリッタ8を透過するのはP直線偏光のみであり、反射光束に含まれる散乱光は略完全に除去される。前記瞳18のA1 の領域のみを透過した反射投影光束が前記被検眼1の眼底で反射され、反射された反射光束がA′1 の領域を透過して前記合焦レンズ19、結像レンズ20により前記光電検出器21上に投影され、第2次指標像を形成する。
【0033】
STEP03:この状態で、STEP01で設定された位置を中心として、その前後で前記合焦レンズ19を所定ステップ量で移動させる。該合焦レンズ19と連動して、光源5及び投影レンズ6も一体で移動する。前記光電検出器21上での合焦状態を変えながら各ステップ毎に前記光電検出器21で得られる画像信号を前記記憶部27(例えばフレームメモリ)に記憶する。記憶する画像信号は目標位置(目標合焦位置)を含めた例えば30フレーム分とする。
【0034】
STEP04:前記表示部29は前記記憶部27に記憶された多数の画像データを比較する。被検眼が乱視を含むとすると、合焦位置は被検眼の前側焦線位置、後側焦線位置の2つに現れる。前側焦線位置、後側焦線位置の合焦時の前記合焦レンズ19の位置等の合焦状態のデータが取得される。
【0035】
STEP05:前記制御部28は被検眼の前側焦線位置、後側焦線位置の2つの画像データを選択する。ここで、前側焦線位置、後側焦線位置では、指標像は所定経線方向にのみ合焦し、それぞれ方向の異なるスリット状の像として形成される為、前側焦線位置、後側焦線位置である2つの画像データは、指標像の形状がスリット状であるかないかで判断され、選択される。
【0036】
STEP06:前記STEP05で選択された前側焦線位置、後側焦線位置での2つの画像データに基づき各位置での光量強度分布が前記制御部28に於いて演算され、更に各位置での光量強度分布から2次元的光量強度分布(PSF:Spread Function)が演算される。
【0037】
図5を参照して2次元的光量強度分布を略述する。
【0038】
後側焦線位置での光量強度分布を図5(A)に示し、前側焦線位置での光量強度分布を図5(B)に示している。
【0039】
図5(A)で示す後側焦線の光量強度分布に於いて、X方向断面であるPx は後側焦線で光束が最も集光している方向の光量分布を表している。
【0040】
同様に、図5(B)で示す前側焦線の光量強度分布に於いて、Y方向断面であるPy は前側焦線で光束が最も集光している方向の光量分布を表している。
【0041】
前記2次元的光量強度分布(PSF:Spread Function)は、光量強度I(i)に於ける楕円近似により、図6(A)、図6(B)の様に表される。例えば、図6(B)では2次元的光量強度分布はPxyとして計算される。
【0042】
STEP07:領域A1 に於ける被検眼の情報S,C,Ax(球面度数、乱視度数、乱視軸)を前記合焦レンズ19の位置データ、前記前側焦線位置、後側焦線位置でのスリット像の方向及び前記2次元的光量強度分布Pxyに基づき演算により取得する。
【0043】
前記前側焦線位置、後側焦線位置での合焦レンズ19の位置の差が乱視度数Cに該当し、後側焦線位置での合焦レンズ19の位置が球面度数Sに該当する。又、スリット像の方向から乱視軸が求められる。
【0044】
STEP08:次に、前記開口板24を前記開口板23に交換する。該開口板23にすることで、領域はA2 に変更される(図3参照)。
【0045】
STEP09:次の測定対象領域であるA2 の領域について測定が行われたかどうかが判断される。未だ測定が行われていない場合は、STEP02に戻り領域の再設定が行われた後、STEP08迄の処理が行われる。未測定対象領域が存在する限り、STEP02に戻りSTEP08迄の処理が繰返される。
【0046】
STEP09:全ての領域で測定が完了したかどうかが判断され、全領域での測定が完了した場合、STEP10に進む。
【0047】
STEP10:全領域の測定結果を基に眼光学特性を演算して求める。
【0048】
STEP06で示した様に、後側焦線の光量強度分布及び前側焦線の光量強度分布から前記Pxyが得られるが、得られた該Pxyは前記被検眼1の眼球光学系を投影光束が2度通過して得られるものであるので、前記Pxyと被検眼1の眼球光学系のスプレッドファンクション(PSF)P′xyとは以下の関係にある。
【0049】
Pxy=(P′xy)2
【0050】
従って、P′xy=√(Pxy)となる。従って、前記Pxyを得ることで、被検眼1の眼球光学系のスプレッドファンクション(PSF)P′xyを求めることができる。
【0051】
以上の様にして、求められたPxy を図8に示す様に前記被検眼1が実際に見ている指標Oxyと重合せ積分してイメージIxyを得ることができる。イメージIxyは前記被検眼1を屈折力−Sディオプターの球面レンズと、屈折力−ディオプターの円柱レンズとを組合わせた眼鏡レンズで矯正した場合に得られる被検眼眼底像を表している。
【0052】
ここで、FTを逆フーリエ変換、IFTを逆フーリエ変換すると
pxy=FT(Pxy)
oxy=FT(Oxy)
ixy=FT(Ixy)
となるので、
ixy=pxy×oxy
Ixy=IFT(ixy)
より、イメージIxyを得ることもできる。
【0053】
更に、前記PSFをフーリエ変換するとMTF(Modulating Transfer Function)が得られる。該MTFを例えばA1 領域、A2 領域、D1 領域、D2 領域について図示すると図11(A)、(B)、(C)、(D)に示す様になる。図9に於いて、縦軸はスペクトル(周波数)の強度を表し、1に正規化してあり、横軸は周波数を示している。
【0054】
STEP11以降の処理は各領域毎に得られた測定結果を表示、或は測定結果に基づき所要の演算をして演算結果を表示する。
【0055】
STEP11:瞳18の領域分割した状態を表示すると共に各領域毎に領域特性(S,C,Ax )を表示する。領域毎の表示は瞳18の分割状態に重合させ、或は表形式で表示する(図7参照)。
【0056】
STEP12:分割した領域毎にグラフィックを表示する。
【0057】
表示されるグラフィックは、前側焦線位置、後側焦線位置でのPSF(Px 、Py )(図5(A)(B)参照)、矯正時予測Pxy(図9参照)、シミュレーション眼底像(Ixy)(図10参照)を表示する。
【0058】
STEP13:分割した領域毎にグラフを表示する。
【0059】
表示されるグラフは前記MTFであり、図11に示されたグラフが各領域毎に独立して表示され、或は図12に示す様に各領域毎に線種を変え重合して表示される。
【0060】
而して、瞳18の分割された領域毎の眼光学特性が得られる。
【0061】
尚、領域分割については測定の目的に応じ適正な分割態様とすればよく、例えば図13に示される様に、円周方向に半円4分割(A〜D)、半径方向に6分割して、更に細分化した領域について眼光学特性を測定してもよい。
【0062】
図13に示される分割の態様を得るには、図14に示される中心開口板J1 〜J6 、周辺開口板K1 〜K5 、扇状開口板L1 ,L2 を組合わせることで分割が可能である。例えば、中心開口板J3 、周辺開口板K2 及び図示の状態の扇状開口板L1 ,L2 を組合わせることで、図13中、D3 の領域が得られる。
【0063】
更に、図15に示される様に得ようとする領域のみが開口33aされた開口板33を用いてもよい。図15では該開口板33は一枚しか示していないが、開口が半径方向にずれている6枚を使用し、同一円周上に位置する領域、例えば、A5 ,B5 ,C5 ,D5 については同一の開口板33を45°ステップで回転させることで得られる。
【0064】
更に、上記実施の形態では分割領域の形状を円弧状としたが、リング状に分割してもよい。例えば、図2に示す開口板23、開口板24を用いることで、中心部、及び周辺部の2領域に分割することが可能である。リング状に分割することは虹彩の拡縮に対応した眼光学特性が得られる利点がある。
【0065】
尚、上記実施の形態では偏光ビームスプリッタを使用したが、ビームスプリッタをハーフミラーとし投光系、受光系の光路にそれぞれ90°偏光方向の異なる偏光板を設けてもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、被検眼瞳と略共役位置に配置され瞳上での光束の通過領域を決める為の開口絞りと、該開口絞りを介して被検眼眼底に第1次指標像を投影する為の投影光学系と、被検眼眼底からの反射光束により前記開口絞りを介して光電検出器上に第2次指標像を形成する為の受光光学系と、前記光電検出器からの信号により第2次指標像の光量強度分布を検出する検出部とを具備する眼光学特性測定装置に於いて、前記開口絞りは異なる開口の絞りに変更可能に構成したので、瞳上での異なる複数の領域での眼光学特性を測定することができ、角膜矯正手術が行われる場合等に重要な情報が得られる等の種々の優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す光学系の概略構成図である。
【図2】同前実施の形態に使用される開口絞りの説明図である。
【図3】前記開口絞りにより分割される領域の状態を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態の作用を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態での測定で得られる光量強度分布の線図であり、(A)は後側焦線での光量強度分布を示す線図、(B)は前側焦線での光量強度分布を示す線図である。
【図6】(A)は後側焦線での光量強度分布、(B)は前側焦線での光量強度分布から得られる2次元光量強度分布の線図である。
【図7】瞳の領域分割態様と、分割領域に各領域の眼光学特性のデータを表示した説明図である。
【図8】指標と矯正されたイメージの説明図である。
【図9】矯正時予測PSFを示す説明図である。
【図10】矯正時のシミュレーションイメージ像の説明図である。
【図11】(A)(B)(C)(D)は測定した光量強度分布から得られるMTFの線図である。
【図12】前記MTFを重合し、一図として示した説明図である。
【図13】他の分割態様を示す説明図である。
【図14】該分割態様に使用される開口絞りの説明図である。
【図15】他の開口絞りの説明図である。
【符号の説明】
1 被検眼
2 投影光学系
3 受光光学系
5 光源
8 偏光ビームスプリッタ
9 リレーレンズ
11 対物レンズ
13 1/4波長板
14 開口絞り
17 固視標系
19 合焦レンズ
21 光電検出器
27 記憶部
28 制御部
29 表示部

Claims (4)

  1. 被検眼瞳と略共役位置に配置され瞳上での光束の通過領域を決める為の開口絞りと、該開口絞りを介して被検眼眼底に第1次指標像を投影する為の投影光学系と、被検眼眼底からの反射光束により前記開口絞りを介して光電検出器上に第2次指標像を形成する為の受光光学系と、前記光電検出器からの信号により第2次指標像の光量強度分布を検出する検出部とを具備する眼光学特性測定装置に於いて、前記開口絞りは異なる開口の絞りに変更可能に構成したことを特徴とする眼光学特性測定装置。
  2. 前記開口絞りは開口位置を変更可能とした請求項1の眼光学特性測定装置。
  3. 前記開口絞りは複数の開口板から成り、該開口板の組合わせで前記反射光束を複数の領域に分割可能とした請求項1の眼光学特性測定装置。
  4. 前記領域毎に第2次指標像の光量強度分布を検出し、検出結果より得られる眼光学特性を表示する表示部を有し、該表示部は領域の分割態様を表示すると共に分割された領域毎に眼光学特性を表示する請求項3の眼光学特性測定装置。
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