JP4606277B2 - エッチング用金属箔積層体及びエッチド金属箔の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エッチング用金属箔積層体及びエッチド金属箔の製造方法に関する。
従来におけるエッチド金属箔の製造方法は、例えば、金属箔の一面にアルカリ可溶性樹脂を含む紫外線硬化型レジストインキでグラビア印刷を施して所定のパターンのレジスト層を形成し、これに紫外線を照射した後、酸エッチングを行い、次いでアルカリ水溶液中でレジスト層を剥離除去することによって実施されている(特許文献1など参照)。すなわち、従来の方法では、酸性溶液とアルカリ水溶液の2種類の溶液が必要とされている。
しかしながら、上記のような方法では、1)2種類の溶液を使用するために工程を分けなければならない、2)溶液の管理が煩雑になる、3)各溶液のための設備が必要となる、4)トータルコストの上昇を招く等の問題がある。
これに対し、本発明者は、ポリエステル系インキにイソシアネート系硬化剤を配合した後、金属箔上にコート印刷することによってレジスト層が形成された積層体をエッチングする技術をさきに開発した(特許文献2)。このレジスト層はエッチング途中の適切なタイミングで剥離するため、エッチングした後、別にレジスト層を剥離する工程を省略することができる。レジスト層に用いられるレジスト液(レジストインキともいう。)に含まれるイソシアネート系硬化剤の量を調整することにより、エッチング中に剥離するタイミングを最適化できるという特徴がある。
(問題点1)
ところが、特許文献2に用いられるレジストインキでは、ポリエステル系樹脂とイソシアネート系硬化剤の化学反応によりレジスト効果をより高めることができるものの、その化学反応速度は比較的遅い。40〜60℃で加熱することにより反応を促進しても、適切な特性を得るためには3日〜1週間の時間を要するため、生産リードタイムが長くなる。
(問題点2)
上記レジストインキは、経時的に反応が進むため、印刷作業が終了した後の残余のインキを保管して再利用することができない。
(問題点3)
レジストインキの化学反応は温度依存性が高く、エージングにより反応を促進しているが、エージング後の保管中や輸送中の環境温度により特性が変化する場合がある。
(問題点4)
配合インキを用いて印刷を施した後にその印刷が正常に行われたかどうかの確認は印刷が終了した数日後にしか判定できない。そのため、仮に印刷の失敗があった場合、そのとき印刷したすべての印刷物が不良品となる。
(問題点5)
塗工機で塗工後に巻き取った段階でイソシアネート系硬化剤の硬化が不十分である場合、巻き取ったコイル状の塗工面どうしや塗工面と他の基材間のブロッキングが起きやすい。そのため、無機質等の粒状物質を添加する等の方法でブロッキングを防止する工夫が必要である。
特開2000−192260 特開2004−238659
このように、従来技術におけるレジストインキを使用する方法では、前述したような点においてさらなる改善が必要とされている。
従って、本発明の主な目的は、前記の問題点を解決し、工業的生産により適したエッチング用金属箔積層体及びエッチド金属箔を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のレジスト層を有する積層体を用いることによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のエッチング用金属箔積層体及びエッチド金属箔の製造方法に係る。
1. ポリエステル系樹脂及び加熱硬化型硬化剤を含むレジスト液によるレジスト層が金属箔の一部又は全部に形成されているエッチング用金属箔積層体。
2. ポリエステル系樹脂が、ポリエステル系樹脂及び加熱硬化型硬化剤の合計量に対して44〜99.7重量%含まれる、前記項1記載のエッチング用金属箔積層体。
3. 加熱硬化型硬化剤が、メラミン樹脂系硬化剤である、前記項1又は2に記載のエッチング用金属箔積層体。
4. メラミン樹脂系硬化剤が、アルコール変性メラミン樹脂である、前記項3に記載のエッチング用金属箔積層体。
5. メラミン樹脂系硬化剤が、ブチル化メラミン樹脂、メチル化メラミン樹脂、メチル化メチロールメラミン樹脂及びブチル化メチロールメラミン樹脂から選ばれる少なくとも1種である、前記項3に記載のエッチング用金属箔積層体。
6. ポリエステル系樹脂及び加熱硬化型硬化剤を含むレジスト液を用いて金属箔の一部又は全部にレジスト層を形成し、当該レジスト層が硬化した後、1つのエッチング液中で当該金属箔のエッチング処理及び当該レジスト層の剥離処理を順次行うエッチド金属箔の製造方法。
7. 前記項1〜5のいずれかに記載のエッチング用金属箔積層体を用い、当該レジスト層が硬化した後、1つのエッチング液中で当該金属箔のエッチング処理及び当該レジスト層の剥離処理を順次行うエッチド金属箔の製造方法。
8. ポリエステル系樹脂及び加熱硬化型硬化剤を含む、レジスト層形成用組成物。
9. ポリエステル系樹脂及び加熱硬化型硬化剤を含むレジスト液を用いて金属箔の一部又は全部にレジスト層を形成する工程を含む、エッチング用金属箔積層体の製造方法。
本発明によれば、加熱硬化型硬化剤を含むレジスト液を用いてレジスト層を形成することから、次のような効果を得ることができる。
1)長時間のエージング処理が不必要となり、短時間の加熱により溶剤の蒸発と共に硬化処理を完了させることができ、従来技術に比してさらに工程の短縮化が図られる。
2)加熱硬化型硬化剤の反応は150℃または200℃以上の高温で起きるものが多く、印刷後の残インキ(レジスト液)は室温では化学反応が起きないため、残インキを後日の使用のために保管しておくことができ、レジスト液の調製を多量に纏めて行うことができると共に、長期間保管することが可能となる。
3)エージング炉が不要になるため、設備も従来より簡単で済む等の利点を有する。
4)硬化反応(化学反応)がレジスト液の印刷直後の乾燥時(印刷装置に付属の乾燥ゾーンでの乾燥時)に完了するため、すぐに印刷の良否を判定することができ、不良品が多量に発生することがない。
5)乾燥後に製品を巻き取れば、ブロッキングの発生を防止することができ、製品の品質がより安定する。また、従来のようにブロッキング防止剤として無機質粉末を含有させる必要がなくなるため、エッチング工程で無機質粉末がエッチング液に混ざったり、無機質粉末が金属箔表面を傷つける虞もなくなる。
6)硬化反応が高温で完了することから、製品を常温で保管または運搬する間にさらに化学反応が進むおそれが殆どなく、保管温度や時間に影響を受けない。
もちろん、本発明においても、特許文献2の発明と同様、レジスト層の組成を調整することにより、エッチング時間及び剥離時間を制御することができる。
1.エッチング用金属箔積層体
本発明のエッチング用金属箔積層体は、ポリエステル系樹脂及び加熱硬化型硬化剤を含むレジスト液によるレジスト層が金属箔の一部又は全部に形成されている。
<金属箔>
本発明で用いる金属箔は特に限定されず、単一の金属箔のほか、合金箔等も包含される。例えば、アルミニウム、銅、鉄、チタン、スズ、これらを含む合金(スチール、ステンレススチール等)等が挙げられる。
本発明では、金属箔はアルミニウム箔(純アルミニウム箔)又はアルミニウム合金箔であることが望ましい。アルミニウム合金箔としては、Fe、Si、Cu、Ni、Cr、Ti、Zr、Zn、Mn、Mg及びGaの少なくとも1種の金属成分を含むものが好ましい。これらの金属成分は、JIS等で規定されている所定の含有量であっても良い。
これらアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔としては、具体的には、純アルミニウム(JIS(AA)1000系、例えば1N30、1N70、1N90等)、Al−Mn系(JIS(AA)3000系、例えば3003、3004等)、Al−Mg系(JIS(AA)5000系)、Al−Fe系(JIS(AA)8000系、例えば8021、8079等)等が例示できる。また、これらアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔は、硬質材、半硬質材、軟質材等のいずれであっても良いが、軟質材(特に圧延後に少なくとも1回の熱処理(好ましくは200〜500℃)を施した軟質材)が好適である。
本発明の金属箔の厚みは特に限定されず、最終製品の用途、使用方法等に応じて適宜設定すれば良い。一般的には、4〜300μmとすることが好ましい。
本発明では、金属箔は、レジスト層とは別個に、樹脂フィルム層等の第三層を1層又は2層以上有していても良い。例えば、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレン(延伸ポリエチレン、高密度ポリエチレン等を含む。)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート(アモルファスPETを含む。)、ポリ塩化ビニル等の1種又は2種以上を好適に用いることができる。第三層の厚みは、通常9〜50μm程度とすれば良い。
第三層の形成方法は限定的でなく、公知の方法に従って実施することができる。例えば、1)ポリエステルウレタン系、ポリエステル系等の2液硬化型ウレタン系接着剤等を用いるドライラミネーション法、2)共押出法、3)押出コート法、4)熱ラミネーション法等を適用できる。この場合、金属箔の接着面には、予めアンカーコート処理、プライマーコート処理等を必要に応じて施すことができる。
<レジスト液>
本発明では、レジスト層を形成するため、ポリエステル系樹脂及び加熱硬化型硬化剤を含むレジスト液を用いる。
ポリエステル系樹脂としては特に限定されず、公知又は市販のものも使用できる。これらの中から、加熱硬化型硬化剤で硬化するポリエステル系樹脂を使用すれば良い。例えば、飽和ポリエステル(線状飽和ポリエステル等)又はその変成ポリエステル(変成エーテル型ポリエステル等)等を好ましく使用できる。これらポリエステルは、2種以上のモノマーを組み合わせた共重合体であっても良い。これらポリエステルのうち、分子中の少なくとも2箇所以上にヒドロキシ基を有するポリエステル樹脂等が好ましい。
線状飽和ポリエステルとして、例えばアルコール成分(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタジオール、1,4−ジシクロヘキサンジメタノール等)と、ジカルボン酸成分(アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等)との共縮合重合体が挙げられる。より具体的には、エチレングリコールとテレフタル酸との共重合体、エチレングリコールとイソフタル酸とテレフタル酸との共重合体、1,4−ジシクロヘキサンジメタノールとイソフタル酸とテレフタル酸との共重合体、プロピレングリコールとイソフタル酸とテレフタル酸等の共重合体等を例示できる。
飽和ポリエステル樹脂としては、例えば飽和多塩基酸成分(フタル酸、イソフタル酸テレフタル酸、マレイン酸、マレイン酸誘導体、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)と、多価アルコール成分(エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1−2プロピレングリコール、1−3ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1−4ブタンジオール、1−6ヘキサンジオール、ペンタエリスリット、ソルビトール、ネオペンチルグリコール、1−4シクロヘキサンジメタノール等)とのエステル結合により得られる重合体が例示できる。
本発明のポリエステル系樹脂は、特にガラス転移点(Tg)が5〜70℃(特に10〜60℃)であるものが好ましい。上記範囲内に設定する場合には、ブロッキング現象を低減する効果を有するとともに、レジスト層の剥離処理をより効率的に行うことが可能になる。
また、本発明のポリエステル系樹脂は、特に分子量15000〜25000であるものが好ましい。上記分子量の範囲内に設定すれば、金属箔のエッチング処理後にレジスト層の剥離をより容易に行うことができる。
ポリエステル系樹脂の含有量は、使用するポリエステル系樹脂の種類、積層体の用途等に応じて適宜決定すれば良いが、特にポリエステル系樹脂及び加熱硬化型硬化剤の合計量に対して44〜99.7重量%(固形分換算)、特に75〜95重量%(固形分換算)となるようにすれば良い。かかる範囲に設定することによって、より優れた硬化性能、易剥離性等を達成することができる。
加熱硬化型硬化剤は特に限定されず、公知又は市販のものを使用することができる。特に、メラミン樹脂系硬化剤、ベンゾグアナミン樹脂系硬化剤、尿素樹脂系硬化剤及びこれらの変性樹脂からなる硬化剤の少なくとも1種を好適に用いることができる。中でもメラミン樹脂系硬化剤が好ましい。メラミン樹脂系硬化剤としては、アルコール変性メラミン樹脂及びアルコキシ化した変性メラミン樹脂の少なくとも1種が好ましい。より詳しくは、メラミン樹脂系硬化剤として、ブチル化メラミン樹脂、メチル化メラミン樹脂、メチル化メチロールメラミン樹脂及びブチル化メチロールメラミン樹脂から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
加熱硬化型樹脂としてメラミン樹脂系硬化剤を用いる場合、メラミン樹脂系硬化剤の分子量は限定的ではないが、通常は200〜1000000の範囲内で適宜設定でき、好ましくは500〜10000、より好ましくは500〜5000とする。かかる範囲に設定することによって、より優れた硬化性能、易剥離性等を達成することができる。
加熱硬化型硬化剤の含有量は、使用する加熱硬化型硬化剤の種類、積層体の用途等に応じて適宜決定すれば良い。特に、ポリエステル系樹脂及び加熱硬化型硬化剤の合計量に対して0.3〜56重量%(固形分換算)、特に5〜25重量%(固形分換算)となるように設定することが望ましい。
本発明では、必要に応じて、レジスト液中に他の添加材が含まれていても良いが必ずしも必要なものではない。例えば、特許文献2記載の発明ではレジスト層の耐ブロッキング性(積層体をロール状に巻き取ったり、積層体どうしを重ねて積載したときに、積層体相互が吸着して離れにくくなる現象を阻止する性能)を改善するためタルク、アルミナ、酸化ケイ素、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機質粉末を含有させる必要があるが、本発明においてはこれらを含有させなくともブロッキングが生じる虞がない。
なお、本発明では、必用に応じて、レジスト液中に上記無機質粉末以外の添加剤も使用することができる。例えば、着色顔料、粘度調整剤、硬化促進剤、分散剤、沈降防止剤、消泡剤、腐食防止剤、表面調整剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜添加することもできる。
本発明のレジスト液は、必要に応じて溶媒を使用することもできる。例えば、トルエン、メチルエチルケトン、シンナー、アセトン、ベンジン、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、ヘキサン等の有機溶剤を使用することができる。これらは、1種又は2種以上で用いることができる。溶媒の使用量は、使用するポリエステル系樹脂等の種類、所望のレジスト層の厚み等に応じて適宜設定すれば良い。
<レジスト層の形成>
レジスト層の形成は、前記レジスト液を用いて金属箔の一部又は全部に形成すれば良い。形成方法は公知の方法に従って実施すれば良い。例えば、刷毛、スプレー、ローラー、ドクタブレード、バーコーター等による塗布のほか、各種の印刷方法を用いることもできる。印刷による場合は、例えば凸版印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等を適用できる。
形成されたレジスト層は、加熱または加熱雰囲気中で保持することにより硬化する。好ましくは、150℃以上(さらに好ましくは200℃〜300℃)でレジスト層中に含まれる溶剤が蒸発する程度の時間10秒〜5分程度(さらに好ましくは10秒〜50秒程度)保持することによって硬化させることができる。また、150℃以上(好ましくは200℃〜300℃)の熱風を前記所定時間吹き付けるなどして溶剤の蒸発と同時にレジスト層を硬化させてもよい。
本発明のレジスト層(硬化後)の厚みは、エッチング条件、積層体の用途等に応じて適宜決定できるが、通常は0.3〜20μmとすることが望ましい。
2.エッチド金属箔の製造方法
本発明の製造方法は、ポリエステル系樹脂及び加熱硬化型硬化剤を含むレジスト液を用いて金属箔の一部又は全部にレジスト層を形成し、当該レジスト層が熱硬化した後、1つのエッチング液中で当該金属箔のエッチング処理及び当該レジスト層の剥離処理を順次行うことを特徴とする。
本発明の製造方法のうち、レジスト層を硬化させる工程までは前記1.のエッチング用金属箔積層体の説明に従って実施することができる。すなわち、本発明は、前記エッチング用金属箔積層体を用い、レジスト層の熱硬化後、エッチング液中で当該金属箔のエッチング処理及び当該レジスト層の剥離処理を順次行うことが望ましい。なお、当該エッチング処理と当該剥離処理との間に乾燥工程を設け両処理を断続的に行っても良い。また、当該エッチング処理と当該剥離処理は、1つのエッチング液を用いる限り別々の槽中で行っても良い。
エッチング液は、塩酸、フッ酸、リン酸、シュウ酸、硫酸、塩化第二鉄水溶液、苛性ソーダ等の酸性又はアルカリ性の溶液(水溶液)を用いることができる。これら溶液の濃度は、積層体の種類等に応じて適宜設定すれば良いが、通常1〜30重量%程度とすれば良い。また、エッチング温度及び時間も、エッチング部位の形状、エッチング深さ等に応じて適宜調整すれば良いが、通常は温度20〜90℃で1〜30分程度とすれば良い。通電方式を採用する場合は、直流又は交流のいずれであっても良い。電流密度は、一般的には5〜10000mA/cm程度とすれば良い。
また、エッチング処理は、1)金属箔に貫通孔、貫通溝、貫通帯等を設けるためのエッチング、2)金属箔の表面積を拡大させるためのエッチング、3)金属箔表面の表面粗度を調節するためのエッチング等のいずれのタイプのエッチング処理も適用できる。
本発明では、エッチング処理に続いて、当該溶液中でレジスト層の剥離処理を行う。剥離に要する時間は、エッチング液の温度、レジスト層の組成又は厚み等に応じて適宜決定できる。
本発明の製造方法により得られるエッチド金属箔は、公知のエッチド箔と同様の用途を含め、幅広い分野に利用される。例えば、プリント配線、非接触型共振タグ・ICカード等の回路、電解コンデンサの電極、二次電池・電気二重層コンデンサの集電体、電磁波遮蔽体・電磁波吸収体等に用いることができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。ただし、本発明の範囲は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1〜5及び比較例1〜2
表1に示す各レジストインキを幅500mm×厚み100μm×長さ1000m(コイル状)のアルミニウム箔(JIS:1N99、軟質材)の片面にグラビアコーター(#100深度60μmのグラビアロールを使用)で塗布(印刷)し、試料を作製した。
レジストインキを塗布した領域は、上記アルミニウム箔の幅方向の中央部に幅250mm×長さ1000mの領域とした。
表1中のポリエステル系樹脂の表示は、それぞれ以下のものを示す。
PET1:線状飽和ポリエステル樹脂(分子量15000〜20000、ガラス転移点67℃、東洋紡績株式会社製)
PET2:線状飽和ポリエステル樹脂(分子量20000〜25000、ガラス転移点7℃、東洋紡績株式会社製)
ブチル化メラミン:ブチル化メラミン樹脂(分子量:1100、大阪印刷インキ製造株式会社製)
メチル化メラミン:メチル化メラミン樹脂(分子量:約600、大阪印刷インキ製造株式会社製)
なお、各レジスト層の識別のためにレジスト液中固形分比9重量%のカーボンブラックを顔料として添加した。
また、各レジストインキは、粘度がザーンカップ4号で約20秒となるように混合溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1(重量比))で調整したものを使用した。
次いで、印刷直後に、各試料を240℃で20秒間加熱することにより溶剤分を蒸発させてレジスト層を形成した。その後、実施例4については、40℃で168時間のエージング処理を行った。積層体の評価として2N塩酸水溶液(90℃)中に浸漬することにより、エッチング処理及び剥離処理を同一の塩酸水溶液中で連続的に実施し、レジスト層の剥離するまでの時間を計測した。剥離終了後、試料を温風乾燥させた。
試験例1
実施例及び比較例の各試料について、剥離時間、レジスト効果及びブロッキングについて調べた。その結果を表1に示す。
(1)剥離時間
剥離時間は、レジスト層が完全に剥離するまでの時間を測定した。
(2)レジスト効果
レジスト効果の評価は、各試料のエッチング及び剥離処理中の状況ならびに剥離後の試料を目視により観察して判断した。その結果を表1に示す。なお、表1中の評価内容は以下のとおりである。
A:ほぼ一定時間後に均一に剥離し、レジスト部分はほとんどエッチングされない
B:徐々に剥離するため、ムラができ、レジスト部分が部分的にエッチングされる
C:樹脂がちぎれてレジスト効果が得られず、不必要な部分までエッチングされる
D:剥離が早すぎてレジスト効果がなく、不必要な部分までエッチングされる
(3)ブロッキング
ブロッキングの評価として、レジスト層どうしが接触するように積層体2枚(1枚あたり縦150mm×横150mm)を重ね、40℃に加熱した熱板により294kPaの圧力で10秒間加圧した後に、2枚の積層体の内、上側1枚のみを支持し、下の積層体が自重落下するかどうかで判断し、自重落下したものを「良」とし、自重落下しないものを「否」とした。
Figure 0004606277
表1からも明らかなように、実施例1〜3は、ブチル化メラミンの添加量を変えて実験したが、硬化剤を添加していない比較例1に対して塩酸に対するレジスト効果が認められた。
比較例2は、従来技術であるトルエンジイソシアネートを用い、エージングを行わなかった場合であるが、ブロッキングが発生するとともに、塩酸に対するレジスト効果が得られなかった。
なお、実施例4は、実施例2にエージング処理を加えたものであるが、本発明品はエージングにより、塩酸に対するレジスト効果が大きく変化していないことがわかる。このことから、本発明品は、常温で長時間保管してもその品質が安定しており、ブロッキングの発生等のトラブルもないことがわかる。

Claims (5)

  1. 1つのエッチング液中で金属箔のエッチング処理及びレジスト層の剥離処理を順次行うためのエッチング用金属箔積層体であって、ポリエステル系樹脂及び加熱硬化型硬化剤を含むレジスト液によるレジスト層が金属箔の一部に形成されており、加熱硬化型硬化剤がブチル化メラミン樹脂及びメチル化メラミン樹脂から選ばれる少なくとも1種であり、金属箔がアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔である、エッチング用金属箔積層体。
  2. ポリエステル系樹脂が、ポリエステル系樹脂及び加熱硬化型硬化剤の合計量に対して44〜99.7重量%含まれる、請求項1記載のエッチング用金属箔積層体。
  3. ポリエステル系樹脂と、ブチル化メラミン樹脂及びメチル化メラミン樹脂から選ばれる少なくとも1種の加熱硬化型硬化剤を含むレジスト液を用いてアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔からなる金属箔の一部にレジスト層を形成し、当該レジスト層が硬化した後、1つのエッチング液中で当該金属箔のエッチング処理及び当該レジスト層の剥離処理を順次行うエッチド金属箔の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載のエッチング用金属箔積層体を用い、当該レジスト層が硬化した後、1つのエッチング液中で当該金属箔のエッチング処理及び当該レジスト層の剥離処理を順次行うエッチド金属箔の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載のエッチング用金属箔積層体を製造する方法であって、ポリエステル系樹脂と、ブチル化メラミン樹脂及びメチル化メラミン樹脂から選ばれる少なくとも1種の加熱硬化型硬化剤を含むレジスト液を用いてアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔からなる金属箔の一部にレジスト層を形成する工程を含む、エッチング用金属箔積層体の製造方法。
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