JP3367267B2 - 感熱孔版印刷原紙用ポリエステル組成物およびフイルム - Google Patents

感熱孔版印刷原紙用ポリエステル組成物およびフイルム

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JP3367267B2
JP3367267B2 JP8908195A JP8908195A JP3367267B2 JP 3367267 B2 JP3367267 B2 JP 3367267B2 JP 8908195 A JP8908195 A JP 8908195A JP 8908195 A JP8908195 A JP 8908195A JP 3367267 B2 JP3367267 B2 JP 3367267B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱孔版印刷原紙用ポリ
エステル組成物およびフイルムに関するものである。詳
しくは熱によって穿孔製版される感熱孔版印刷原紙用ポ
リエステル組成物およびフイルムに関するものであり、
さらに詳しくはキセノンフラッシュランプやサーマルヘ
ッド等による熱を受け穿孔特性(穿孔感度、独立穿孔
性)、印刷鮮明性(文字印刷、ベタ印刷)に優れた感熱
孔版印刷原紙用ポリエステル組成物およびフイルムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、感熱孔版印刷原紙としては、通常
多孔性支持体(和紙等)に感熱孔版印刷原紙用フイルム
を熱または接着剤により張り合わせたものが知られてい
る。この感熱孔版印刷原紙用フイルムとしては、塩化ビ
ニル/塩化ビニリデン共重合体、ポリプロピレン、ポリ
エステル等の各種樹脂フイルムが使用されてきた。
【0003】しかしながら、現行感熱孔版印刷原紙はベ
タ印刷時の印刷ムラが出やすい、厚みむらが大きくまた
平面性に劣り多孔性支持体とのラミネート適性が悪く印
刷ムラになりやすい、印刷部分に濃淡が出て鮮明なもの
が得られない、部分的に文字の太さのムラを生じる、黒
色の薄い文字が出ず階調性が悪い、多孔性支持体との接
着に用いる接着剤により穿孔感度、解像度に差が生じる
などのような欠点がある。
【0004】また、一般にプラスチックフイルムを感熱
孔版印刷原紙用フイルムとして用いる場合、フイルムが
サーマルヘッドより与えられる熱により一部がサーマル
ヘッドに融着するというスティック現象が現われる。こ
の現象が起きるとフイルムがスムースに走行しないばか
りか、サーマルヘッドを著しく汚染し、印刷鮮明性を損
なうという問題が生じる。また、フラッシュランプによ
り穿孔時に原稿との融着が生じるという問題がある。
【0005】さらに、現行感熱孔版印刷原紙は高エネル
ギーのヘッドにより穿孔製版することが実用化されてお
り、高熱付与のためヘッドの寿命が短かくなっていると
いった欠点がある。また、市販のファクシミリやワープ
ロ等に用いた場合該機種は低エネルギーのヘッドである
ため、穿孔感度に劣り目標の独立穿孔が得られないため
印刷鮮明性が低下するといった欠点がある。
【0006】さらには、二軸延伸ポリエステルフイルム
は絶縁体であるために静電気による帯電が著しく、後加
工においてシワ等の原因となったり、ゴミ等が付着して
穿孔不良の原因となったり、二軸延伸ポリエステルフイ
ルムの表面は高度に配向しているため、接着剤との接着
性に乏しいという欠点を有している。また、該フイルム
は薄いため延伸安定性が悪いという欠点も有していた。
【0007】かかわる問題を解決するため、多くの提案
がなされてきた。例えば、低エネルギー領域での穿孔性
に優れたフイルムとして、特開平2−158391号公
報、特開平4−173835号公報および特開平6−1
35173号公報にはポリブチレンテレフタレートを主
成分とし低融点、高結晶性のフイルム、特開昭62−2
82983号公報、特開平4−224925号公報およ
び特開平5−77572号公報には1,4−シクロヘキ
サンジメタノールやイソフタル酸を共重合したポリマの
熱的特性、フイルムの熱収縮特性を規定したフイルム、
特開平2−113995号公報、特開平3−39294
号公報にはポリエチレンテレフタレートとポリブチレン
テレフタレート等またはこれらの共重合ポリエステルの
熱可塑性樹脂を配合させ熱的特性を規定したフイルム、
特開平4−128093号公報、特公平6−45271
号公報にはポリエステル含有粒子の特性を規定したフイ
ルム等が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術においては上記欠点を解消するには至っておらず、低
エネルギー領域において穿孔感度および独立穿孔性の穿
孔特性に劣ったり、穿孔後の蓄熱エネルギーにより溶融
ポリエステルが流動し穿孔径が拡大したり、塞がったり
かつスティックが発生し文字印刷およびベタ印刷の印刷
鮮明性が低下するなどの欠点がある。
【0009】本発明の目的は、これらの欠点を解消せし
め、低エネルギー領域における穿孔特性、印刷鮮明性に
優れた感熱孔版印刷原紙用ポリエステル組成物およびフ
イルムを提供することにある。
【0010】
【発明が解決するための手段】前記した本発明の目的
は、ポリエステルに数平均分子量200〜500万のポ
リオキシアルキレングリコールおよび平均粒子径0.0
1〜7.0μmの粒子を含有してなることを特徴とする
感熱孔版印刷原紙用ポリエステル組成物およびフイルム
によって達成できる。
【0011】本発明におけるポリエステル組成物とは、
ポリエステルに数平均分子量200〜500万のポリオ
キシアルキレングリコールおよび平均粒子径0.01〜
7.0μmの粒子を含有してなるポリエステル組成物で
ある。
【0012】本発明においてポリエステルとは、ジカル
ボン酸成分とグリコール成分とからなるポリエステルで
あり、芳香族ジカルボン酸成分としては、例えばテレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、フタ
ル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジ
カルボン酸等あるいはこれらのエステル形成性誘導体、
または5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のエステル
形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物等を挙げること
ができ、脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えばシュ
ウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー
酸、マレイン酸、フマル酸等あるいはこれらのエステル
形成性誘導体を挙げることができ、脂環族ジカルボン酸
成分としては、例えばシクロヘキサンジカルボン酸、デ
カリンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等ある
いはこれらのエステル形成性誘導体を挙げることができ
る。なかでも穿孔特性、印刷鮮明性の点からジカルボン
酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。より好ましく
は、テレフタル酸、イソフタル酸である。これらのジカ
ルボン酸成分は、一種のみ用いてもよく、二種以上を併
用してもよい。
【0013】また、脂肪族グリコール成分としては、例
えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
パンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘ
キサンジオール、ヘプタンジオール、ネオペンチルグリ
コール等を挙げることができ、脂環族グリコール成分と
しては、例えばシクロヘキサンジメタノール、シクロヘ
キサンジオール等を挙げることができ、芳香族グリコー
ル成分としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノ
ールS等を挙げることができる。なかでも、穿孔特性、
印刷鮮明性の点からグリコール成分としては、エチレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好
ましい。より好ましくはエチレングリコールである。こ
れらのグリコール成分は、一種のみ用いてもよく、二種
以上を併用してもよい。
【0014】これらの成分からなるポリエステルとして
は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、
ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエ
チレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リブチレンナフタレート、ポリヘキサメチレンナフタレ
ート、ポリシクロヘキサンジメチレンナフタレート等ま
たはこれらの共重合ポリエステルを挙げることができ、
なかでもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレートまたはこれらの共重合ポリエステルが好まし
い。
【0015】本発明のポリエステルの製造は従来公知の
任意の方法を採用することができ、特に限定されるもの
ではない。例えば、ポリエステルを構成するジカルボン
酸成分がテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸およびグリコール成分としてエチレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールから
なるポリエステルが好ましく、より好ましくはジカルボ
ン酸成分としてテレフタル酸50〜98モル%、イソフ
タル酸2〜50モル%、グリコール成分としてエチレン
グリコール100モル%からなるポリエステルであり、
さらに好ましくはジカルボン酸成分としてテレフタル酸
55〜95モル%、イソフタル酸5〜45モル%、グリ
コール成分としてエチレングリコール100モル%から
なるポリエステルであり、特に好ましくはジカルボン酸
成分としてテレフタル酸60〜90モル%、イソフタル
酸10〜40モル%、グリコール成分としてエチレング
リコール100モル%からなるポリエステルである。
【0016】本発明のポリエステルには、本発明の効果
を阻害しない範囲において、本発明のポリエステルを構
成するジカルボン酸成分、グリコール成分以外の他の成
分が共重合されていてもよい。このような成分として
は、トリメリト酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ト
リカルバリル酸、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエリトリット等の多官能化合物、p−オキシ
安息香酸等のオキシカルボン酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸等を挙げることができ
る。
【0017】本発明におけるポリオキシアルキレングリ
コール成分は、数平均分子量が200〜500万のポリ
オキシアルキレングリコールであり、例えばポリメチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレン
オキシドのブロックまたはランダム共重合体等を挙げる
ことができる。なかでも穿孔特性、印刷鮮明性の点から
数平均分子量が600〜200万のポリエチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコールがより好ましく、
さらには数平均分子量が1000〜110万のポリエチ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコールが好ま
しい。ポリオキシアルキレングリコール成分の数平均分
子量が200未満では、穿孔特性が劣り、印刷鮮明性が
低下する。一方、数平均分子量が500万を越えるとポ
リエステルに対して配合性が悪く、フイルムの厚みむら
が生じ、機械的特性や耐熱性に劣り、さらに穿孔特性、
印刷鮮明性が低下し、本発明の目的に適応した感熱孔版
印刷原紙用フイルムを達し得ない。これらのポリオキシ
アルキレングリコールは、一種のみ用いてもよく、二種
以上さらには数平均分子量の異なるポリオキシアルキレ
ングリコールを併用してもよい。
【0018】本発明のポリオキシアルキレングリコール
成分の含有量は、ポリエステル組成物に対して0.01
〜50重量%が好ましく、ポリエステルへの配合性、穿
孔特性、印刷鮮明性の点でより好ましくは0.1〜30
重量%であり、さらに好ましくは1〜20重量%であ
る。ポリオキシアルキレングリコール成分の含有量が、
ポリエステル組成物に対して0.01重量%未満では穿
孔特性に劣り、さらに印刷鮮明性が低下する場合があ
る。一方、50重量%を越えるとポリエステルに対して
配合性が悪く、フイルムの厚みむらが生じたり、機械的
特性や耐熱性に劣る場合がある。また、ガラス転移点が
低温化しフイルム取扱い性が悪くなり、さらに経時によ
りフイルム品質が変化し例えば多孔性支持体とのラミネ
ート体がカールするといった問題が発生したり、さらに
は、穿孔特性、印刷鮮明性が低下し、本発明の目的に適
応した感熱孔版印刷原紙用フイルムを達し得ない場合が
ある。
【0019】また、本発明のポリオキシアルキレングリ
コール成分は、ポリエステルに一部共重合されていても
よい。
【0020】本発明における粒子は、平均粒子径が0.
01〜7.0μmであり、フイルム製造時の巻取性、原
紙作成時の貼り合わせ工程、印刷時の作業性ばかりでな
く、低エネルギー領域での穿孔特性さらに印刷鮮明性、
さらには穿孔時サーマルヘッドとフイルムとの融着防止
の点で好ましくは0.05〜5.0μm、より好ましく
は0.1〜3.0μmである。平均粒子径が、0.01
μm未満ではフイルム表面の粗面化が不足し製膜安定
性、原紙作成工程内の作業性が低下し、かつ穿孔特性、
印刷鮮明性に十分な効果が得られない。一方、平均粒子
径が7.0μmを越えるとフイルム製膜時の延伸工程に
おいて破断等のトラブルの発生、さらにはフイルム表面
の粗面化の度合いが大きすぎて熱伝達性にムラが生じ、
穿孔が不均一となり、印刷鮮明性が損なわれる。
【0021】本発明における粒子としては、粒子径が本
発明の範囲内にあればよく特に粒子種は問わず、無機、
有機粒子共に使用できる。無機粒子としては、炭酸カル
シウム、湿式および乾式法シリカ、酸化チタン、アルミ
ナ、クレー、マイカ、カオリン、ケイ酸アルミニウム複
合酸化物、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸
バリウム等天然、合成等により得られた粒子を挙げるこ
とができる。有機粒子としては、スチレン、アクリル、
オレフィン、シリコンイミド、アミド等を挙げることが
できる。また、これら各種樹脂にジビニルベンゼン等の
各種架橋性を有する化合物を混合し架橋させてもよい。
【0022】本発明における粒子の含有量は、0.01
〜10重量%好ましく、フイルム製造時の巻取性、原紙
作成時の貼り合わせ工程、印刷時の作業性、低エネルギ
ー領域での穿孔特性さらに印刷鮮明性、さらには穿孔時
サーマルヘッドとフイルムとの融着防止の点でより好ま
しくは0.1〜3重量%である。粒子の含有量が0.0
1重量%未満では、フイルム表面の粗面化が不足し十分
な効果がえられない場合がある。一方、粒子の含有量が
10重量%を越えるとフイルム製膜安定性、実用上必要
機械特性に劣り、さらには熱伝達性にムラが生じ、穿孔
が不均一となり、印刷鮮明性が損なわれる場合がある。
【0023】また、本発明の粒子は、モース硬度が1〜
8であることが好ましく、独立穿孔性、穿孔径の保持性
の点でより好ましくは2〜7である。モース硬度が8を
越えるとポリエステルとの親和性が良好すぎるためと思
われるが、穿孔特性に劣り、印刷物の文字、ベタ印刷に
おいてムラが発生する場合がある。
【0024】さらに、本発明の粒子は、熱伝導率が0.
0004〜0.045cal/cm・sec・degで
あることが好ましく、穿孔感度、独立穿孔性、穿孔径の
保持性、印刷鮮明性の点でより好ましくは0.001〜
0.04cal/cm・sec・degである。この効
果は、ポリエステルの熱伝導率が0.00034cal
/cm・sec・degと低いため、ポリエステルより
も熱伝導率の高い粒子を含有させることにより、より低
エネルギーにおいて穿孔特性が改良される場合がある。
しかし、熱伝導率が0.045cal/cm・sec・
degを越えると穿孔感度が必要以上に高まり穿孔径が
拡大したり、穿孔不要部まで穿孔されたりして印刷鮮明
性が低下する場合がある。一方、熱伝導率が0.000
4cal/cm・sec・deg未満では穿孔特性の効
果が得られない場合がある。
【0025】本発明の粒子特性であるモース硬度、熱伝
導率に共に満足する粒子としては、例えば炭酸カルシウ
ム、シリカ、タルク、フッ化カルシウム等を挙げること
ができる。これらの粒子は、二種類以上を併用してもよ
い。
【0026】本発明のポリエステル組成物のガラス転移
点は、0℃以上が好ましく、フイルム生産性、取扱い
性、品質安定性の点でより好ましくは20℃以上、さら
に好ましくは40℃以上である。ガラス転移点が0℃未
満ではフイルム取扱い性が悪くなり、さらに経時により
フイルム品質が変化し例えば多孔性支持体とのラミネー
ト体がカールするといった問題が発生する場合がある。
【0027】また、本発明のポリエステル組成物の融点
は、100〜270℃が好ましく、低エネルギー領域に
おける穿孔特性、印刷鮮明性の点でより好ましくは12
0〜250℃、さらに好ましくは140〜240℃であ
る。融点が270℃を越えると穿孔特性に劣り印刷鮮明
性が低下する場合がある。一方、融点が100℃未満で
は穿孔エネルギーおよび穿孔後の蓄熱エネルギーにより
穿孔された溶融ポリエステルの流動が大きく穿孔径が拡
大したり、塞がったり、さらに溶融ポリエステルがサー
マルヘッドに融着しスティク現象を起こすため印刷鮮明
性が低下し、本発明の目的に適応した感熱孔版印刷原紙
用フイルムを達し得ない場合がある。
【0028】さらに、本発明のポリエステル組成物の溶
融粘度は、280℃において500〜10000ポイズ
とすることが好ましく、製膜安定性、独立穿孔性、穿孔
径の安定性、印刷鮮明性の点でより好ましくは1000
〜7000ポイズであり、さらに好ましくは1500〜
5000ポイズである。ポリエステルの溶融粘度が50
0ポイズ未満では、穿孔エネルギーおよび畜熱エネルギ
ーにより穿孔された溶融ポリエステルの流動が大きく穿
孔径が拡大したり、塞がったり、さらに溶融ポリエステ
ルがサーマルヘッドに融着しスティク現象を起こすため
印刷鮮明性が低下する場合がある。一方、ポリエステル
の溶融粘度が10000ポイズ越えると製膜時の押出し
性、フイルム厚みむら等の製膜性の低下、穿孔された溶
融ポリエステルが流動性に劣り目標の穿孔径が得られな
いため印刷鮮明性が低下し本発明の目的に適応した感熱
孔版印刷原紙用フイルムを達し得ない場合がある。
【0029】本発明のポリオキシアルキレングリコール
成分および粒子をポリエステルに含有させる方法は特に
限定されるものではなく、例えばポリオキシアルキレン
グリコール成分および粒子をポリエステルの製造工程の
任意の段階で添加する方法、あるいはポリエステルとポ
リオキシアルキレングリコール成分および粒子とを押出
機等を用いて溶融混練する方法等を挙げることができ
る。この際ポリオキシアルキレングリコール成分は粉
体、スラリー、溶融あるいは溶液状態等任意の方法、ま
た粒子は粉体あるいはスラリー状態等任意の方法で添加
することができる。
【0030】本発明のポリエステル組成物の製造方法
は、従来公知の任意の方法を採用することができ、特に
限定されるものではない。例えば、本発明のポリエステ
ルを構成するジカルボン酸成分またはエステル形成性誘
導体とグリコール成分とをエステル化反応またはエステ
ル交換反応せしめ、引き続き高温、減圧下において重縮
合反応を行う方法等を挙げることができ、この際、ポリ
オキシアルキレングリコール成分および粒子はポリエス
テルの製造工程の任意の段階で添加することができ特に
限定されるものではなく、ポリオキシアルキレングリコ
ール成分および粒子のどちら一方を先に、または同時
に、あるいは混合して添加することができ本発明のポリ
エステル組成物を製造することができる。
【0031】本発明の具体的なポリエステル組成物とし
て、例えばジカルボン酸成分としてテレフタル酸および
イソフタル酸とグリコール成分としてエチレングリコー
ルからなるポリエステルにポリオキシアルキレングリコ
ール成分としてポリエチレングリコールおよび粒子とし
てシリカを含有させてなるポリエステル組成物の製造方
法について説明する。テレフタル酸およびイソフタル酸
とエチレングリコールとを直接エステル化反応させる
か、テレフタル酸ジメチルおよびイソフタル酸ジメチル
とエチレングリコールとをエステル交換反応させる第1
段階の反応と、この第1段階の反応生成物を重縮合反応
させる第2段階とによって製造する方法を採用し、かつ
ポリエチレングリコールおよびシリカのエチレングリコ
ールスラリーの添加をエステル交換反応終了後の第1段
階から重縮合反応させる第2段階の重縮合反応終了前の
任意の段階で行うことによって達成可能であり、さらに
はポリエチレングリコールおよびシリカのエチレングリ
コールスラリーをエステル交換反応終了後の第1段階か
ら重縮合反応開始前の第2段階で添加を行うことが好ま
しい。
【0032】この際、本発明のポリエステル組成物を製
造するにあたり、従来公知の金属化合物等の反応触媒、
リン化合物等の着色防止剤を適宜用いることができる。
このような反応触媒としては例えば、アルカリ金属化合
物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、
マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合
物、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化
合物等を挙げることができる。また、リン化合物として
は、例えばリン酸、亜リン酸、ホスホン酸およびそれら
の誘導体等を挙げることができる。これら二種類以上を
併用してもよい。
【0033】本発明のポリエステル組成物には必要に応
じて、酸化防止剤、帯電防止剤、耐候剤、末端封鎖剤、
顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤
あるいはポリシロキサンなどの消泡剤等を配合してもよ
く、これら二種類以上を併用してもよい。
【0034】さらに、本発明の効果を阻害しない範囲に
おいて従来公知の熱可塑性樹脂を配合することもでき
る。
【0035】本発明におけるポリエステル組成物の二軸
延伸フイルムの厚さは、0.1〜10.0μmであるこ
とが好ましく、製膜安定性、穿孔特性の点でより好まし
くは0.3〜7.0μm、特に好ましくは0.5〜5.
0μmである。フイルムの厚みが薄くなれば熱伝導距離
が短縮され、低エネルギー領域において穿孔特性は向上
するが、0.1μm未満では、フイルムの製造において
製膜安定性、巻取性等の生産性、原紙作成時の貼り合わ
せ工程での生産性さらには印刷鮮明性が低下する場合が
ある。一方、フイルム厚みが10.0μmを越えると穿
孔特性が劣り印刷鮮明性が低下し本発明の目的に適応し
た感熱孔版印刷原紙用フイルムを達し得ない場合があ
る。
【0036】また、本発明において得られたフイルムの
特性、すなわち中心線平均粗さ、最大粗さが後述の範囲
とした時本発明の効果がより顕著に発現するので好まし
い。
【0037】本発明における二軸延伸フイルムの中心線
平均粗さ(Ra)が、0.01〜0.5μmが好まし
く、製膜から原紙作成工程の安定生産性および穿孔特
性、印刷鮮明性の点でより好ましくは0.05〜0.4
μmである。Raが0.01μm未満では、巻取性や取
扱い性が困難となり折れジワが入り生産性が低下する場
合がある。一方、Raが0.5μmを越えると、表面の
粗面化が大きすぎて穿孔感度が大巾に低下し目標の穿孔
径が得られない場合がある。
【0038】本発明における二軸延伸フイルムの最大粗
さ(Rt)が、0.3〜5.0μmが好ましく、より好
ましくは0.5〜4.0μmである。Rtが0.3μm
未満では、滑り性が悪化し、空気抜けが悪く縦ジワ等が
入り巻取性や取扱い性が低下する場合がある。一方、R
tが5.0μmを越えると、表面の粗面化が大きすぎて
穿孔感度が低下するのみならずフイルム破れが生じ生産
性が低下する場合がある。
【0039】本発明におけるポリエステルフイルムは、
120℃における縦方向および横方向の平均熱収縮率が
5〜80%であることが好ましく、穿孔感度の向上、独
立穿孔性、穿孔径の安定性、印刷鮮明性の点でより好ま
しくは10〜70%であり、さらに好ましくは10〜6
0%である。平均熱収縮率が5%未満では穿孔特性が劣
り、さらに印刷鮮明性が低下する場合がある。一方、平
均熱収縮率が80%を越えると穿孔後カールが発生しの
印刷鮮明性が低下し本発明の目的に適応した感熱孔版印
刷原紙用フイルムを達し得ない場合がある。
【0040】本発明の二軸延伸フイルムは、従来公知の
任意の方法を用いて製膜することができる。例えば、本
発明のポリエステル組成物を乾燥した後溶融押出しして
未延伸シートとし、次いで二軸に延伸しさらに熱処理を
行うことにより得られる。二軸延伸は、縦、横逐次延伸
あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、延伸倍率は特
に限定されるものではないが、通常は縦、横それぞれ
2.0〜5.0倍が適当である。あるいは縦、横延伸
後、縦、横方向のいずれかに再延伸してもよい。得られ
たフイルムを熱処理するが、必要に応じ熱処理を行う前
または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよ
い。熱処理温度は、70〜180℃が好ましく、より好
ましくは90〜150℃であり、熱処理時間は通常1秒
〜5分である。この熱処理条件で熱収縮率を調整するこ
とができる。また、熱処理後のフイルムの冷却速度も熱
収縮特性に影響を与える。
【0041】なお、本発明の効果を阻害しない範囲にお
いて、フイルムを2層以上の構造にし、本発明の効果を
阻害しない範囲においていずれかの層に粒子やその他の
添加剤等を添加してもよい。その際、各層は共押出して
もよく、また押出しラミネート法やコーティング法によ
って製膜してもよい。また、フイルムと多孔性支持体と
の接着性を向上させるためフイルムの表面を空気、炭酸
ガスおよび窒素ガス中、またはこれらの混合ガスでコロ
ナ放電処理等してもよい。
【0042】また、フイルムには必要に応じてコーティ
ングを施すこともできる。コーティングにより、離型層
を設けることでスティック防止性および原稿との癒着防
止を付与したり、また接着層を設け多孔性支持体との接
着性を付与したり、あるいは帯電防止性を付与してもよ
い。コーティングは、防爆性や環境汚染の点から水溶解
性、乳化または懸濁したものが用いられ、結晶配向完了
後の二軸延伸フイルムに塗布する方法あるいは結晶配向
完了前のフイルムに塗布した後延伸する方法がある。コ
ーティングする方法は、特に限定されないが、ロールコ
ーター、グラビアコーター、リバースコーター、キスコ
ーター、バーコーター等を用いて塗布するのが好まし
い。
【0043】さらに、塗布する前に必要に応じて塗布面
に種々の雰囲気中においてコロナ放電処理等を施してお
いてもよい。さらに塗布層には、必要に応じて消泡剤、
架橋剤、増粘剤、各種粒子、滑剤、酸化防止剤、染料、
顔料等を含有せしめてもよい。
【0044】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお、本発明で用いている各特性は次の方法に
より測定、評価した。
【0045】A.ポリエステル組成物の熱特性(ガラス
転移点:Tg、融点:Tm) パーキン・エルマー社製DSC−2型を用い、ポリエス
テル10mgを窒素気流下で昇温速度16℃/分で昇温
し測定した。
【0046】一方、上記条件において融点の得られない
ポリエステルは、90℃加熱水で5時間処理後、常温で
24時間真空乾燥した後融点を求めた。
【0047】B.ポリエステルの溶融粘度(ポイズ) 宝工業社製メルトインデクサーにより、溶融温度280
℃における溶融粘度を測定した。
【0048】C.固有粘度 O−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
【0049】D.粒子の平均粒子径 堀場製作所製、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA
700を用いて、体積基準のメジアン径を平均粒子径と
して求めた。
【0050】E.中心線平均粗さ(Ra)、最大粗さ
(Rt) JIS−B−0601に従って、触針式表面粗さ計を用
いて測定した。なお、小坂研究所(株)製、高精度薄膜
段差測定器(型式:ET−10)を使用し、触針径円錐
型0.5μR、荷重5mg、カットオフは0.08mm
とした。
【0051】F.フイルムの平均熱収縮率 100mm角のフイルムサンプルを所定の温度(120
℃)に設定したシリコンオイル中に1分間浸漬した後、
フイルムの縦方向および横方向の収縮量を求め、原寸法
に対する割合を百分率で求め、平均値を求めた。
【0052】G.感熱孔版印刷原紙特性 得られたフイルムを多孔性支持体(和紙)に貼り合わせ
原紙を作成し、サーマルヘッドにより印加エネルギー
0.09mJおよび0.12mJにて文字画像および1
6段階の階調画像を製版した。製版された原紙のフイル
ム側から顕微鏡で階調画像部の穿孔状態を観察し、穿孔
特性を以下の項目で評価した。
【0053】(1)穿孔感度 ◎;所定の穿孔が確実に行われ良好であった。 ○;極一部に所定の穿孔が得られない部分があったが実
用上問題ない。 △;所々に所定の穿孔が得られない部分があった。 ×;所定の穿孔が全く得られない。
【0054】(2)独立穿孔性 ◎;ドットごと独立に穿孔されており良好であった。 ○;極一部にドットごと独立に穿孔されてない部分があ
ったが実用上問題ない。 △;所々にドットごと独立に穿孔されてない部分があっ
た。 ×;ドットごと独立に穿孔されていなかったり、隣どう
しのドットの連結している所が多い。
【0055】また、製版原紙を用い印刷鮮明性を印刷物
の文字、画像(ベタ印刷)について下記の特性を目視で
判定した。
【0056】(3)文字印刷の鮮明性 ○;文字の欠落、太さムラが全くない。 △;文字の欠落、太さムラがあるものの実用上問題な
い。 ×;文字の欠落、太さムラがあり使用不可能。
【0057】(4)ベタ印刷の鮮明性 ●(丸で中が黒く塗り潰せれたもの)で0.5、1.
0、3.0、10.0および30.0mmφの原紙を下
記にて評価した。 ベタ印刷の原紙サイズとの対応性の評価 ベタ印刷の濃淡ムラの評価 ○;全く問題ない。 △;極一部にあったが問題があるものの実用上問題な
い。 ×;明らかに問題があり使用不可能。
【0058】実施例1 テレフタル酸ジメチル81.6重量部、イソフタル酸ジ
メチル14.4重量部、エチレングリコール61.3重
量部およびエステル交換反応触媒として酢酸カルシウム
0.086重量部、重縮合反応触媒として三酸化アンチ
モン0.038重量部および酸化防止剤としてイルガノ
ックス1010(チバガイギー(株)製)0.1重量
部、消泡剤としてシリコーンTSF433(東芝シリコ
ーン(株)製)0.2重量部を加え、常法に従い150
℃から次第に240℃まで昇温しながら理論量のメタノ
ールを系外に留出させエステル交換反応せしめた後、着
色防止剤としてリン酸トリメチル0.041量部を加え
た後、エチレングリコール中に均一分散せしめた平均粒
子径1.2μm、モース硬度7、熱伝導率0.0032
cal/cm・sec・degのシリカ粒子のスラリー
をシリカ粒子として対ポリエステル組成物に対して0.
5重量部添加し過剰のエチレングリコールを系外に留出
させた。その後、数平均分子量20000のポリエチレ
ングリコール5.0重量部を添加した。次いで240℃
から徐々に昇温、減圧し、最終的に285℃、1mmH
g以下で重縮合反応を行ない、ガラス転移点72℃、融
点212℃、280℃における溶融粘度2200ポイ
ズ、固有粘度0.67のポリエステル組成物を得た。
【0059】得られたポリエステル組成物を140℃で
24時間真空乾燥した後、押出機に供給して260℃で
溶融しT型口金よりシート状に押出し、冷却固化せしめ
未延伸フイルムを得た。次いで、未延伸フイルムを10
0℃に加熱して、縦、横方向におのおの3.5倍延伸
し、140℃で5秒間熱処理を施し、冷却して厚み2.
0μmの二軸延伸フイルムを得た。フイルムは、滑り性
が良好でロール状の巻取性も良好であった。
【0060】得られたフイルムを多孔性支持体に貼り合
わせ感熱孔版印刷原紙を作成し、穿孔特性および印刷鮮
明性を評価した。その結果を表2に示す。穿孔特性であ
る穿孔感度は所定の穿孔が確実に行われ良好であった。
さらに、独立穿孔性はドットごと独立に穿孔されており
良好であった。また、印刷鮮明性である文字印刷の鮮明
性は文字の欠落、太さムラが全くなかった。さらに、ベ
タ印刷の鮮明性は原紙サイズとの対応性、濃淡ムラに全
く問題なく良好であった。
【0061】比較例1 テレフタル酸ジメチル85.9重量部、イソフタル酸ジ
メチル15.2重量部、エチレングリコール65重量部
およびエステル交換反応触媒として酢酸カルシウム0.
09重量部、重縮合反応触媒として三酸化アンチモン
0.04重量部を加え、常法に従い150℃から次第に
240℃まで昇温しながら理論量のメタノールを系外に
留出させエステル交換反応せしめた後、着色防止剤とし
てリン酸トリメチル0.05重量部を加えた後、エチレ
ングリコール中に均一分散せしめた平均粒子径1.2μ
m、モース硬度7、熱伝導率0.0032cal/cm
・sec・degのシリカ粒子のスラリーをシリカ粒子
として対ポリエステル組成物に対して0.5重量部添加
し過剰のエチレングリコールを系外に留出させた。その
後、240℃から徐々に昇温、減圧し、最終的に285
℃、1mmHg以下で重縮合反応を行い、ガラス転移点
73℃、融点213℃、280℃における溶融粘度22
00ポイズ、固有粘度0.65のポリエステル組成物を
得た。
【0062】得られたポリエステル組成物を140℃で
24時間真空乾燥した後、押出機に供給して260℃で
溶融しT型口金よりシート状に押出し、冷却固化せしめ
未延伸フイルムを得た。次いで、未延伸フイルムを10
0℃に加熱して、縦、横方向におのおの3.5倍延伸
し、140℃で5秒間熱処理を施し、冷却して厚み2.
0μmの二軸延伸フイルムを得た。フイルムは、滑り性
に問題なくロール状に巻取ることができた。
【0063】得られたフイルムを多孔性支持体に貼り合
わせ感熱孔版印刷原紙を作成し、穿孔特性および印刷鮮
明性を評価した。その結果を表2に示す。穿孔特性であ
る穿孔感度は所々に所定の穿孔が得られない部分があっ
た。さらに、独立穿孔性は所々にドットごと独立に穿孔
されてない部分があった。また、印刷鮮明性である文字
印刷の鮮明性は文字の欠落、太さムラがあり使用不可能
であった。さらに、ベタ印刷の鮮明性は原紙サイズとの
対応性、濃淡ムラに明らかに問題があり使用不可能であ
った。
【0064】比較例2 テレフタル酸ジメチル77.3重量部、イソフタル酸ジ
メチル13.6重量部、エチレングリコール58.1重
量部およびエステル交換反応触媒として酢酸カルシウム
0.081重量部、重縮合反応触媒として三酸化アンチ
モン0.036重量部および酸化防止剤としてイルガノ
ックス1010(チバガイギー(株)製)0.1重量
部、消泡剤としてシリコーンTSF433(東芝シリコ
ーン(株)製)0.2重量部を加え、常法に従い150
℃から次第に240℃まで昇温しながら理論量のメタノ
ールを系外に留出させエステル交換反応せしめた後、着
色防止剤としてリン酸トリメチル0.04重量部を加え
た後、数平均分子量20000のポリエチレングリコー
ル10.0重量部を添加した。その後、240℃から徐
々に昇温、減圧し、最終的に285℃、1mmHg以下
で重縮合反応を行ない、ガラス転移点71℃、融点21
2℃、280℃における溶融粘度2200ポイズ、固有
粘度0.67のポリエステル組成物を得た。
【0065】得られたポリエステル組成物を140℃で
24時間真空乾燥した後、押出機に供給して260℃で
溶融しT型口金よりシート状に押出し、冷却固化せしめ
未延伸フイルムを得た。次いで、未延伸フイルムを10
0℃に加熱して、縦、横方向におのおの3.5倍延伸
し、140℃で5秒間熱処理を施し、冷却して厚み2.
0μmの二軸延伸フイルムを得た。フイルムは、滑り性
が非常に悪くロール状に巻取ることが不可能であった。
【0066】得られたフイルムを多孔性支持体に貼り合
わせ感熱孔版印刷原紙を作成し、穿孔特性および印刷鮮
明性を評価した。その結果を表2に示す。穿孔特性であ
る穿孔感度は所々に所定の穿孔が得られない部分があっ
た。さらに、独立穿孔性は所々にドットごと独立に穿孔
されてない部分があった。また、印刷鮮明性である文字
印刷の鮮明性は文字の欠落、太さムラがあり使用不可能
であった。さらに、ベタ印刷の鮮明性は原紙サイズとの
対応性、濃淡ムラに明らかに問題があり使用不可能であ
った。
【0067】実施例2〜7 表1に記載した如く、実施例2〜7はジカルボン酸成
分、グリコール成分の種類、量の変更、ポリオキシアル
キレングリコールの種類、分子量、添加量の変更および
粒子の種類、径、添加量を変更した以外は、実施例1と
同様の方法で各種ポリエステルおよびフイルムを得た。
その結果を表2に示す。実施例2〜7は、本発明の範囲
内のものであり穿孔特性および印刷鮮明性ともに良好で
実用上問題なかった。
【0068】
【表1】
【表2】
【0069】
【発明の効果】低エネルギー領域において穿孔特性(穿
孔感度、独立穿孔性)に優れ、かつ印刷鮮明性(文字印
刷、ベタ印刷)に優れた感熱孔版印刷原紙用ポリエステ
ル組成物およびフイルムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/02 B41N 1/24 102

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルに数平均分子量200〜5
    00万のポリオキシアルキレングリコールおよび平均粒
    子径0.01〜7.0μmの粒子を含有してなることを
    特徴とする感熱孔版印刷原紙用ポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエステルがジカルボン酸成分とグリ
    コール成分からなりガラス転移点0℃以上、融点100
    〜270℃であることを特徴とする請求項1記載の感熱
    孔版印刷原紙用ポリエステル組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエステル組成物の溶融粘度が280
    ℃において500〜10000ポイズであることを特徴
    とする請求項1または2に記載の感熱孔版印刷原紙用ポ
    リエステル組成物。
  4. 【請求項4】 ポリエステルがテレフタル酸、イソフタ
    ル酸およびナフタレンジカルボン酸から選ばれた少なく
    とも一種以上の酸成分とエチレングリコールおよび1,
    4−シクロヘキサンジメタノールから選ばれた少なくと
    も一種以上のグリコール成分からなることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱孔版印刷原紙
    用ポリエステル組成物。
  5. 【請求項5】 ポリエステルがテレフタル酸およびイソ
    フタル酸の酸成分とエチレングリコールのグリコール成
    分からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の感熱孔版印刷原紙用ポリエステル組成物。
  6. 【請求項6】 ポリオキシアルキレングリコール成分を
    0.01〜50重量%有することを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか1項に記載の感熱孔版印刷原紙用ポリエ
    ステル組成物。
  7. 【請求項7】 粒子の含有量が0.01〜10重量%で
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の感熱孔版印刷原紙用ポリエステル組成物。
  8. 【請求項8】 粒子のモース硬度が1〜8であることを
    特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の感熱孔
    版印刷原紙用ポリエステル組成物。
  9. 【請求項9】 粒子の熱伝導率が0.0004〜0.0
    45cal/cm・sec・degであることを特徴と
    する請求項1〜8のいずれか1項に記載の感熱孔版印刷
    原紙用ポリエステル組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    ポリエステル組成物からなる感熱孔版印刷原紙用フイル
    ム。
  11. 【請求項11】 フイルムが厚み0.1〜10.0μm
    の二軸延伸フイルムであることを特徴とする請求項10
    記載の感熱孔版印刷原紙用フイルム。
  12. 【請求項12】 フイルムの中心線平均粗さが0.01
    〜0.5μmであることを特徴とする請求項10または
    11に記載の感熱孔版印刷原紙用フイルム。
  13. 【請求項13】 フイルムの120℃における縦方向お
    よび横方向の平均熱収縮率が5〜80%であることを特
    徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の感熱
    孔版印刷原紙用フイルム。
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