JP2002046213A - 電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板およびその製造方法ならびに電子部品ケース - Google Patents

電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板およびその製造方法ならびに電子部品ケース

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JP2002046213A
JP2002046213A JP2000237289A JP2000237289A JP2002046213A JP 2002046213 A JP2002046213 A JP 2002046213A JP 2000237289 A JP2000237289 A JP 2000237289A JP 2000237289 A JP2000237289 A JP 2000237289A JP 2002046213 A JP2002046213 A JP 2002046213A
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resin layer
aluminum plate
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polyamide
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Shunichiro Maezono
俊一郎 前園
Koichi Hatanaka
孝一 畑中
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工性を維持しつつ樹脂層の変色を生じ
ず、かつ印刷性に優れ、成形加工後に溶剤に対する高い
耐溶剤性を備える電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミ
ニウム板およびその製造方法ならびにそれを用いたコン
デンサケースを提供する。 【解決手段】 アルミニウム板1の片面または両面に、
ポリアミド系樹脂を積層して被覆した樹脂被覆積層アル
ミニウム板AL1であって、前記樹脂は、硬化剤を含ま
ない硬化剤不含ポリアミド系樹脂から構成された前記ア
ルミニウム板と接して積層された1層以上の第1の樹脂
層2と、硬化剤を含む硬化剤含有ポリアミド系樹脂から
構成された前記第1の樹脂層上に形成された第2の樹脂
層3とを含むことを特徴とする電子部品ケース用樹脂被
覆積層アルミニウム板AL1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板の
片面または両面に樹脂被覆層を備える電子部品ケース用
樹脂被覆積層アルミニウム板およびその製造方法、なら
びに、その電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム
板から成形加工される電子部品ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子部品の小型化に対して、旧来
の熱収縮性チューブ被覆を行う製造手段に代わって、従
来、アルミニウム板の表面に予め樹脂を設けた電子部品
ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板が提案されてい
る。例えば、特開平8−1857号公報には、アルミニ
ウム板の少なくとも片面に、球晶の最大径が10μm以
下であるポリアミド樹脂層を積層した電子部品ケース用
樹脂被覆層アルミニウム板が開示されている。
【0003】この公報に開示された電子部品ケース用樹
脂被覆積層アルミニウム板は、ポリアミド系樹脂層の球
晶が10μm以下であるため、絞り加工性等の二次加工
性に優れているため生産し易いという利点を有し、コン
デンサ外装容器等の絞り加工品に好適に使用できるもの
である。
【0004】また、他の例として特開平11−1237
2号公報や特開平5−326347号公報には、ポリエ
ステル系樹脂をアルミニウム板の表面に設けた電子部品
ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板が開示されてい
る。
【0005】これらの公報に記載された電子部品ケース
用樹脂被覆積層アルミニウム板は、例えば、電子部品ケ
ースであるコンデンサケースに成形加工する工程におい
て、絞り加工およびしごき加工が行われ、加工時に使用
された油を脱脂した後に、コンデンサケースの表面にイ
ンクにより文字等が印刷されて成形品となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板の構成で
は、以下のような問題点が存在した。すなわち、電子部
品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板は、アルミニウ
ム板に樹脂層を積層した状態で、脱脂処理がトリクレン
等の有機溶剤または、酸、アルカリ等の薬品によりなさ
れるため、その薬品(脱脂剤)により樹脂層の一部が前
記薬品に溶出してその表面が変質してしまう。そのた
め、電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板の樹
脂層が白濁するなどして変色してしまうといった問題点
を有する。
【0007】また、電子部品ケース用樹脂被覆積層アル
ミニウム板、あるいは、成形加工されたコンデンサケー
スは、その樹脂層の表面に製造工程において凹凸が発生
しており、また、オリゴマーが析出することとも合わせ
て、その樹脂層の凹凸を増加させる状態になっている。
そのため、その樹脂層に印刷を施すと、印刷条件によっ
ては印刷結果ににじみが発生する場合もあった。
【0008】本発明者等は前記した問題点に鑑み、成形
加工性を維持しながら樹脂層の変色を起こすことなく、
かつ、印刷性に優れる電子部品ケース用樹脂被覆積層ア
ルミニウム板およびその製造方法、ならびに、コンデン
サケースを提供することを目的として、アルミニウム板
と、このアルミニウム板の片面または両面に設けられる
熱可塑性樹脂フィルムと、この熱可塑性樹脂フィルムの
表面に設けられる熱硬化性樹脂塗膜層とを備えた電子部
品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板、その製造方法
および前記アルミニウム板を用いて成形加工したコンデ
ンサケースを提案し、特願2000−158162とし
て先に特許出願した。
【0009】しかしながら、例えば電子部品ケース用樹
脂被覆積層アルミニウム板を用いてコンデンサケースに
成形加工し、該コンデンサケースをトリクロロエチレン
のような比較的高い極性を有する溶剤を主成分とする溶
剤中で洗浄すると、該コンデンサケース同士が比較的高
い頻度で衝突した際に、該コンデンサケースを被覆する
積層フィルムの一部が剥離したりして該コンデンサケー
スの表面が損傷する場合があった。
【0010】そこで、近時の要求として、前記した成形
加工性を維持しつつ、樹脂層の変色を起こすことなく、
かつ、印刷性に優れるような高い耐磨耗性と、高い耐溶
剤性を備えるアルミニウム板の片面または両面に樹脂を
被覆した層を有する電子部品ケース用樹脂被覆アルミニ
ウムおよびその製造方法ならびにその電子部品ケース用
樹脂被覆積層アルミニウムを成形加工して製造されるコ
ンデンサケースがある。
【0011】したがって、本発明の課題は、成形加工性
を維持しながら樹脂層の変色を起こすことなく、かつ印
刷性に優れ、成形加工後にトリクロロエチレン等の極性
の比較的高い溶剤に対する高い耐溶剤性を備える電子部
品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板およびその製造
方法ならびにその電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミ
ニウム板から成形加工して製造されるコンデンサケース
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記した
従来技術の実情に鑑み鋭意検討した結果、アルミニウム
板に第1の樹脂層として硬化剤不含ポリアミド系樹脂層
を設け、その上に硬化剤を含むポリアミド系樹脂層を設
けた積層構造を有するアルミニウム板を用いることによ
り前記課題が解決できることを見出して本発明を完成す
るに至った。
【0013】すなわち、前記課題を解決した本発明の請
求項1に係る発明は、アルミニウム板の片面または両面
に、ポリアミド系樹脂を積層して被覆した樹脂被覆積層
アルミニウム板であって、前記ポリアミド系樹脂は、硬
化剤を含まない硬化剤不含ポリアミド系樹脂から構成さ
れた、前記アルミニウム板の表面に積層された1層以上
の第1の樹脂層と、硬化剤を含む硬化剤含有ポリアミド
系樹脂から構成された、前記第1の樹脂層の上に形成さ
れた第2の樹脂層とを含むことを特徴とする電子部品ケ
ース用樹脂被覆積層アルミニウム板として構成する。な
お、ここでアルミニウム板とは、従来公知の通常用いら
れるアルミニウム合金を含む板材を意味するものであ
る。
【0014】斯かる構成によれば、前記第1の樹脂層が
硬化剤を含まないポリアミド系樹脂で形成され、前記第
2の樹脂層が硬化剤を含むポリアミド系樹脂である硬化
剤含有ポリアミド系樹脂で形成されているので、成形加
工性を維持しつつ、印刷時にインクのにじみを抑制した
良好な印刷性を確保し、さらに前記第1の樹脂層とアル
ミニウム板との密着性が向上するとともに、前記第2の
樹脂層の架橋密度が増加して耐磨耗性と耐溶剤性とが向
上するので、トリクロロエチレン等の比較的高い極性を
有する溶剤中で、当該樹脂被覆積層アルミニウム板同士
が比較的高い頻度で接触した場合でも、前記第2の樹脂
層の剥離等を抑制する電子部品ケース用樹脂被覆積層ア
ルミニウム板を提供することができる。
【0015】請求項2に係る発明は、請求項1におい
て、前記第2の樹脂層に添加される硬化剤は、前記第2
の樹脂層の硬化反応に寄与する前記硬化剤に含まれてい
る官能基の総数(nC)と、前記第2の樹脂層の硬化反
応に寄与する前記ポリアミド系樹脂に含まれている官能
基の総数(nA)との比率(nC/nA)が、0.2≦nC
/nA≦10となるような量で添加されている電子部品
ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板として構成する。
斯かる構成によれば、前記効果に加え、所要の架橋密度
を有するように前記第2の樹脂層の硬化反応が進行する
ので、耐溶剤性と耐摩耗性の効果をさらに充分に高めた
電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板を提供す
ることができる。
【0016】請求項3に係る発明は、請求項1または請
求項2において、前記第1の樹脂層は、単一層から構成
される電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板と
して構成する。斯かる構成によれば、前記第1の樹脂層
が、単一層で構成されるので、コストを抑えた電子部品
ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板を提供することが
できる。
【0017】請求項4に係る発明は、請求項1または請
求項2において、前記第1の樹脂層は、複数層から構成
される電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板と
して構成する。斯かる構成によれば、前記第1の樹脂層
が複数層で構成されるので、前記第2の樹脂層の架橋密
度に応じて前記アルミニウム板と前記第1の樹脂層およ
び前記第2の樹脂層との密着性を一層高めた電子部品ケ
ース用樹脂被覆積層アルミニウム板を提供することがで
きる。
【0018】請求項5に係る発明は、アルミニウム板の
片面または両面に、ポリアミド系樹脂を積層して被覆し
た樹脂被覆積層アルミニウム板の製造方法であって、第
1の樹脂層が予めアルミニウム板の表面に形成されてい
る樹脂被覆アルミニウム板の表面に、第2の樹脂層を形
成する工程を含む電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミ
ニウム板の製造方法として構成する。
【0019】斯かる構成によれば、予め前記第1の樹脂
層を造膜する工程と、この第1の樹脂層の膜を前記アル
ミニウム板上に設け、このようにして形成した第1の樹
脂層上に前記第2の樹脂層を形成する工程とを各々独立
させて実行することができるようになるので、本発明の
目的とする特性を有する電子部品ケース用樹脂被覆積層
アルミニウム板を容易に得ることができる。
【0020】請求項6に係る発明は、アルミニウム板の
片面または両面に、ポリアミド系樹脂を積層して被覆し
た樹脂被覆積層アルミニウム板の製造方法であって、第
1の樹脂層としての硬化剤不含ポリアミド系樹脂層と第
2の樹脂層としての硬化剤を含むポリアミド系樹脂層と
を積層した樹脂積層材を、前記第2の樹脂層が前記第1
の樹脂層を介してアルミニウム板と相対向するように形
成する工程を含む電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミ
ニウム板の製造方法として構成する。斯かる構成によれ
ば、アルミニウム板の表面にポリアミド系樹脂層を形成
した既存の積層アルミニウム板に対しても、前記した効
果と同様の効果が備わる。
【0021】請求項7に係る発明は、アルミニウム板の
片面または両面に、ポリアミド系樹脂を積層して被覆し
た樹脂被覆積層アルミニウム板の製造方法であって、硬
化剤不含ポリアミド系樹脂を前記アルミニウム板の表面
に塗布して第1の樹脂層を形成し、硬化剤を含むポリア
ミド系樹脂を、前記硬化剤不含ポリアミド系樹脂の表面
に塗布して第2の樹脂層を形成して、そして、このよう
にして塗布されたポリアミド系樹脂に熱硬化処理を施し
て第1の樹脂層および第2の樹脂層を形成電子部品ケー
ス用樹脂被覆積層アルミニウム板の製造方法として構成
する。斯かる構成によれば、耐溶剤性および耐磨耗性を
有する電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板を
少品種大量生産する場合に、生産効率を高めることがで
きる。
【0022】請求項8に係る発明は、請求項1から請求
項4のいずれか1項において、前記第1の樹脂層または
前記第2の樹脂層の形成が、フィルムの圧着または、樹
脂の塗布およびこの樹脂の熱硬化のいずれかによるもの
である電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板の
製造方法として構成する。斯かる構成によれば、前記第
1の樹脂層と前記アルミニウム板、及び、前記第1の樹
脂層と前記第2の樹脂層、各々の密着性を高め、かつ、
前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層各々の強度を高め
ることができる。
【0023】請求項9に係る発明は、請求項1から請求
項4のいずれか1項に記載のアルミニウム板を用いて成
形加工した電子部品ケースとして構成する。斯かる構成
によれば、耐溶剤性および耐磨耗性を備え、かつ高い密
着性を備えた電子部品ケースを提供することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以
下で説明する実施の形態のみに限定されるものではな
く、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて適宜に変
更することが可能である。
【0025】[第1の実施の形態]図1は本発明に係る
第1の実施の形態における樹脂被覆積層アルミニウム板
AL1の構成を模式的に示した図である。図1に示す通
り、樹脂被覆積層アルミニウム板A1は、アルミニウム
板1と、アルミニウム板1と接する単一層の硬化剤を含
まない硬化剤不含ポリアミド系樹脂から構成される第1
の樹脂層2と、第1の樹脂層2の上に形成された硬化剤
を含む硬化剤含有ポリアミド系樹脂層から構成される第
2の樹脂層3とを有する積層樹脂P1とを備える。
【0026】(アルミニウム板)本発明に用いられるア
ルミニウム板1は、第1の樹脂層2を構成する前記硬化
剤不含ポリアミド系樹脂との適切な密着性を確保するた
めに、適切な平滑性を有するものであれば特に限定され
るものではなく、従来公知のアルミニウム合金を用いる
ことができる。例えば、JIS H 4000に規定さ
れるA1050、A1100、A1200等の純アルミ
ニウムまたは、A3003、A3004等のマンガン等
の元素を含むアルミニウム合金系で、板厚が0.2μm
〜0.6μm程度であるものが好ましい。
【0027】また、本発明に用いられるアルミニウム板
1にポリアミド系樹脂2を被覆する前に施される前処理
の有無または、この前処理の種類は特に限定されるもの
ではなく、必要に応じて従来公知のアルミニウム板に対
して施される塗装前の前処理をそのまま適用することが
できる。例えば、アルミニウム板とポリアミド系樹脂と
の密着性を向上させるために、アルミニウム板の表面
に、リン酸クロメート処理皮膜、クロム酸クロメート処
理皮膜、有機樹脂とクロムとにより構成される皮膜、ジ
ルコニウムまたはチタニウムを含む化成処理皮膜、およ
び、電解エッチング処理等のエッチング処理によって形
成された皮膜の中から選択された1種の皮膜を形成す
る、あるいはその皮膜が形成されているものを使用でき
る。
【0028】(第1の樹脂層)本発明において、第1の
樹脂層2は、樹脂被覆積層アルミニウム板AL1におけ
るアルミニウム板1と前記硬化剤含有ポリアミド系樹脂
3との高い密着性を確保するために形成されるものであ
る。そのため、アルミニウム板1の表面性状(表面粗度
等)に対応して適合させるべく、第1の樹脂層2は硬化
剤不含ポリアミド系樹脂で構成されることが好ましい。
第1の樹脂層2を構成する前記硬化剤不含ポリアミド系
樹脂は、アミド結合を有するポリマーであれば特に限定
されるものではない。
【0029】例えば、本発明において使用されるポリア
ミド系樹脂として、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイ
ロン7、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナ
イロン13等が挙げられ、これらを単独であるいは二種
またはそれ以上の混合物(例えばブレンドポリマーある
いはコポリマー)として使用することができる。また、
本発明における第1の樹脂層は、単一層であっても、二
層以上の層で構成されていてもよい。さらに、本発明に
おける第1の樹脂層2は、本発明の目的・効果を阻害し
ない限り、他の成分を含んでもよい。
【0030】また、本発明における硬化剤不含ポリアミ
ド系樹脂とは、実質的に硬化剤を含まないものを意味す
る。すなわち、例えば第1の樹脂層2に硬化剤が何らか
の原因によって混入した場合(例えば、第2の樹脂層3
を構成する硬化剤を含むポリアミド系樹脂から硬化剤が
混入した場合)であっても、その硬化剤の混入量が第1
の樹脂層2の架橋反応を生じさせないまたは、第1の樹
脂層2とアルミニウム板AL1との密着性を阻害しない
程度に架橋反応が抑えられるような量の硬化剤を含むも
のも本発明の硬化剤不含ポリアミド系樹脂に含まれる。
【0031】その際、特にアルミニウム板1と第1の樹
脂層2との密着性を高めたい場合には、例えば第2の樹
脂層3が硬化剤含有ナイロン6で構成される場合には、
第1の樹脂層2を硬化剤不含ナイロン6、またはナイロ
ン6,6で構成することができる。また、第1の樹脂層
2または第2の樹脂層3を各々構成する前記硬化剤不含
ポリアミド系樹脂または硬化剤含有ポリアミド系樹脂の
分子量について特に限定されるものではなく、層の形成
後に所定の強度が得られるものであればよい。
【0032】また、第1の樹脂層2の厚さについては、
本発明の目的・効果を奏するものであれば特に限定され
るものではなく後述の第2の樹脂層との関係で適宜決定
されるが、好ましくは5μm〜300μmの範囲であ
る。一般に第1の樹脂層2の厚さが5μm未満であると
成形加工した後に塗膜欠損が起こる場合があり、逆に3
00μmを超えると成形加工性が劣る場合があるからで
ある。なお、本発明の特定の実施の形態において第1の
樹脂層2は既存の硬化剤不含ポリアミド系樹脂であるこ
とができる。
【0033】(第2の樹脂層)本発明に係る第1の実施
の形態において、第2の樹脂層3は、樹脂被覆積層アル
ミニウム板AL1に対して耐溶剤性および耐摩耗性を付
与するために形成するものである。第2の樹脂層3を構
成する硬化剤含有ポリアミド系形樹脂は、硬化剤が添加
されたアミド結合を有するポリマーであれば特に限定さ
れるものではなく、第1の樹脂層2を構成するポリアミ
ド系樹脂と同様のものを使用することができる。なお、
本発明において、第1の樹脂層2を構成するポリアミド
系樹脂と第2の樹脂層3を構成するポリアミド系樹脂と
は、同一であっても異なってもよく、同一のポリアミド
系樹脂を使用するのが、第1の樹脂層と第2の樹脂層と
の親和性の観点から好ましい。
【0034】第1の樹脂層と同様にして、本発明の目的
・効果を阻害しない限り、第2の樹脂層3に従来公知の
添加剤を添加してもよい。第2の樹脂層3の厚さについ
ても、前記第1の樹脂層2の厚さと同様にして適宜決定
されるが、好ましくは0.2μm〜100μmの範囲で
ある。一般に第2の樹脂層3の厚さが0.2μm未満で
あると成形加工した後に塗膜欠損が起こる場合がありま
た耐溶剤性の点で劣る場合があり、逆に100μmを超
えると成形加工性が劣る場合があるからである。
【0035】(硬化剤)第2の樹脂層3に添加される硬
化剤は、第2の樹脂層3に含まれるポリアミド形樹脂を
硬化させることができるものであれば特に限定されるも
のではなく、従来公知のポリアミド系樹脂の硬化剤を用
いることができる。例えば、イソシアネート系、アミノ
系、フェノール系、エポキシ系等の硬化剤の中から選ば
れた少なくとも1種類の硬化剤を用いることができる。
【0036】(硬化剤の添加量)該硬化剤の第2の樹脂
層を構成するポリアミド形樹脂に対する添加量は、前記
第2の樹脂層の硬化反応に寄与する前記硬化剤に含まれ
ている官能基の総数(n C)と前記第2の樹脂層の硬化
反応に寄与する前記ポリアミド系樹脂に含まれている官
能基の総数(nA)との比率(nC/nA)が、0.2≦
C/nA≦10となるように決定されることが望まし
い。
【0037】その理由は、前記第2の樹脂層の硬化反応
に寄与する前記硬化剤に含まれている官能基の総数(n
C)と前記第2の樹脂層の硬化反応に寄与する前記ポリ
アミド系樹脂に含まれている官能基の総数(nA)との
比率(nC/nA)が、0.2未満であると当該ポリアミ
ド系樹脂の硬化反応による架橋密度が少なく実用的に充
分な強度が得られないからである。また、前記第2の樹
脂層の硬化反応に寄与する前記硬化剤に含まれている官
能基の総数(nC)と前記第2の樹脂層の硬化反応に寄
与する前記ポリアミド系樹脂に含まれている官能基の総
数(nA)との比率(nC/nA)が、10を超えると当
該ポリアミド系樹脂の架橋密度が過剰となってフレキシ
ビリティが低下し、当該ポリアミド系樹脂を備えるアル
ミニウム板を加工する際に当該ポリアミド系樹脂に割れ
や剥離が発生し易くなるからである。
【0038】(積層アルミニウム板の製造)本発明の樹
脂被覆積層アルミニウムを製造する場合には、従来公知
の方法によってアルミニウム板に、前記第1の硬化剤不
含ポリアミド系樹脂層と前記第2の硬化剤含有ポリアミ
ド系樹脂層を形成することができる。すなわち、(1)
ポリアミド系樹脂フィルムを塗布して熱圧着することに
よって樹脂層を形成する方法、(2)ポリアミド系樹脂
を塗布して熱硬化する方法を適宜組み合わせて各樹脂層
を形成することが可能である。あるいは、(3)まず第
1の樹脂層を構成する硬化剤不含のポリアミド系樹脂を
アルミニウム板に塗布し、ついでこのようにして塗布し
た塗膜の上に第2の樹脂層を構成する硬化剤を含有する
ポリアミド系樹脂を塗布して、熱硬化することも好まし
い。
【0039】第1または第2のポリアミド系樹脂フィル
ムを形成する方法は、本願出願人による特願2000−
158162号明細書に記載の通り、フィルムラミネー
トまたは押出しラミネートの方法により製造することが
できる。フィルムラミネートとは、コイルから巻き出さ
れたアルミニウム板を、ロールコータで必要に応じて接
着剤を塗布した後、オーブンで加熱する。加熱されたア
ルミニウム板は、ラミネート装置において加熱した2本
のロール間を通過するとき、予めフィルム化されて第1
の樹脂層を設けた熱可塑性樹脂フィルム6と積層され、
再びコイルに巻き取られる。押出しラミネートとは、一
般的には、押出し機よりフィルム状に押し出された溶融
樹脂をアルミニウム板上に乗せ、樹脂の融点以下に冷却
された2本のロール間を加圧しながら通過させ、アルミ
ニウム板とフィルムを積層する方法である。
【0040】また、ポリアミド系樹脂を、例えばロール
コータ、バーコータ等の従来公知の塗布手段により所定
の厚さに塗布し、好ましくは乾燥後の厚さが前記範囲内
となるように塗布し、次いで所定の熱硬化条件にてオー
ブン等に通過させることによって樹脂層を形成すること
もできる。この際の熱硬化条件は特に限定されるもので
はなく、用いられるとポリアミド系樹脂とあるいは場合
により硬化剤の種類に対応させて適宜選択される。例え
ば、150℃〜300℃のオーブンに、10〜20秒間
通過させることによって熱硬化を行う。以上、本発明に
おける樹脂被覆積層アルミニウム板の製造方法は、上記
の方法に限定されるものではなく、例えばアルミニウム
板に予め第1の樹脂層を形成した後に、第2の樹脂層を
形成する方法や第1の樹脂層が形成されたアルミニウム
板に第2の樹脂層を形成する方法も本発明の範囲内であ
る。
【0041】(電子部品ケース)本発明に係る電子部品
ケースの製造方法は、特に限定されるものではなく、従
来公知の深絞り加工・しごき加工を用いることができ
る。すなわち、図1に示すような構成を有する電子部品
ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板AL1に対して、
深絞り加工・しごき加工を施して、例えば有底円筒容器
に形成することができる。その後、脱脂処理を施して、
洗浄されてもよい。そして、電子部品ケースとして例え
ばコンデンサケースを製造する場合には、このようにし
て形成したコンデンサケースに電解素子を挿入し、封
口、しぼり締めを行う。そして、性能等の表記のための
所定の印刷を施してコンデンサケース製品となる。
【0042】このとき、前記コンデンサケースでは、ア
ルミニウム板と第1の樹脂層と第2の樹脂層が相互に密
着性がよいため、アルミニウム板からのポリアミド系樹
脂層の剥離または、ポリアミド系樹脂層に含まれる第1
の樹脂層と第2の樹脂層との層間剥離は、通常の成形加
工の条件下では発生しない。
【0043】また、このようにして成形加工された電子
部品ケースまたはコンデンサケースは有機溶剤によって
脱脂処理されるが、この有機溶剤によって当該電子部品
ケースまたはコンデンサケースはポリアミド樹脂からの
劣化を生じることはない。さらに当該電子部品ケースま
たはコンデンサケースに対してインクジェット方式によ
って文字を印刷してインクが乾燥した状態では、にじみ
がない状態で印刷することができる。これは、前記成形
加工時に文字を印刷するべき当該電子部品ケースまたは
コンデンサケースに含まれるポリアミド系樹脂層の表面
が平坦化されて凹凸形状が小さくなり、インクが入り込
む凹凸がほとんどないことによる。
【0044】
【実施例】本発明に係る樹脂被覆積層アルミニウム板の
実施例を以下に説明する。表1は、本発明に係る実施例
の試験片(以下単に「実施例」という)の構成と、本発
明の要件を満足しない比較例の試験片(以下単に「比較
例」という)の構成と、各々の評価結果とを示したもの
である。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定され
るものではなく、本発明の技術的思想に基づく限りにお
いて適宜に変更することが可能である。
【0045】
【表1】
【0046】各試験片は、次のようにして作製した。ま
ず、通常のリン酸クロメート処理を施した、板厚0.3
mmのAA1100(JIS H 4000)で構成さ
れるアルミニウム板の両面に、硬化剤不含ポリアミド系
樹脂を含む溶液を各々所定の厚さ(熱処理後の目標厚
さ:5μm〜200μm)となるように塗布して乾燥
後、所定温度で熱処理して第1の樹脂層を形成した。次
に、このようにして形成した第1の樹脂層上に硬化剤を
含むポリアミド系樹脂を含む溶液を各々所定の厚さ(熱
処理後の目標厚さ:0.2μm〜100μm)となるよ
うに塗布して乾燥後、所定温度で熱処理して第2の樹脂
層を形成した。
【0047】表1において、実施例No.1〜10は、
アルミニウム板上に形成した第1の樹脂層が硬化剤不含
ポリアミド樹脂として硬化剤を含まないナイロン6(厚
さ:5μm〜200μm)で構成され、第2の樹脂層が
硬化剤含有ポリアミド樹脂としてアミノ系の硬化剤(添
加量としてポリアミド樹脂中の反応に寄与する官能基に
対する硬化剤中の反応に寄与する官能基の倍率が0.1
〜15倍)を含有するナイロン6(厚さ:0.2μm〜
100μm)で構成されている。
【0048】また、実施例No.11はアルミニウム板
上に、第1の樹脂層が、硬化剤不含ポリアミド樹脂とし
て硬化剤を含まないナイロン6,6(厚さ20μm)で
構成され、第2の樹脂層が硬化剤含有ポリアミド樹脂と
してアミノ系の硬化剤(添加量としてポリアミド樹脂中
の反応に寄与する官能基に対する硬化剤中の反応に寄与
する官能基の倍率が2倍)を含有するナイロン12で構
成されている。
【0049】そして、実施例No.12、13は、各
々、アルミニウム板上に、第1の樹脂層が、硬化剤不含
ポリアミド樹脂として硬化剤を含まないナイロン6(厚
さ:20μm、3μm)で構成され、第2の樹脂層が硬
化剤含有ポリアミド樹脂としてイソシアネート系の硬化
剤(添加量としてポリアミド樹脂中の反応に寄与する官
能基に対する硬化剤中の反応に寄与する官能基の倍率が
各々2倍)を含有するナイロン6で構成されている。
【0050】一方、本発明に係る実施例No.1〜13
に対する比較例No.14および15は、各々、アルミ
ニウム板上に、第1の樹脂層が、硬化剤不含ポリアミド
樹脂として硬化剤を含まないナイロン6(厚さ20μ
m)、ナイロン6,6(厚さ20μm)で構成され、第
2の樹脂層が硬化剤不含ポリアミド樹脂として硬化剤を
含まないナイロン6、ナイロン12で構成されている。
【0051】そして加工性評価は、表1に示す各試験片
に対して、まず絞り率48%で10mm径×20mm高
の凸形状を有するキャップ材に成形して加工試験を実施
し、その後各試験片の外観について目視観察を行って、
ポリアミド系樹脂層の剥離またはき裂が発生していない
かどうかを検査した。加工性評価において、○は前記加
工試験を実施した後の試験片の目視評価にてポリアミド
樹脂に剥離またはき裂が全く発生していないものであ
り、△はごく一部でき裂が発生していたものを表わす。
【0052】また、耐溶剤性評価は、表1に示す各試験
片を成形加工して作製した30個のコンデンサケースを
沸騰したトリクロロエチレン中に浸漬し、3分間攪拌し
てこれらのコンデンサケース同士を激しく接触させた
後、これらの各コンデンサケースの外観について目視観
察を行って、ポリアミド系樹脂層の剥離またはき裂が発
生していないかどうかを検査した。耐溶剤性評価におい
て、○は前記溶剤浸漬試験を実施した後の目視評価にて
ポリアミド系樹脂の変質(変色、または白濁など)が全
く発生していないものあり、△はごく一部で前記変質が
発生しているが製品規格には合格するものであり、×は
比較的広範囲に前記変質が発生していたものを表わす。
【0053】そして、耐磨耗性評価は、表1に示す各試
験片を成形加工して作製した30個のコンデンサケース
を空のパイレックス(登録商標)製のフラスコ内に入
れ、3分間激しく攪拌した後、これらの各コンデンサケ
ースの外観について目視観察を行って、ポリアミド系樹
脂層の剥離またはき裂が発生していないかどうかを検査
した。耐摩耗性評価において、○は前記摩耗試験を実施
した後の目視評価にて、ポリアミド系樹脂の透け、また
は下地のアルミニウム板の露出等が全く発生していない
ものであり、△はごく一部で前記透けが発生していたも
のを表わす。また、以上の各評価において、○および△
はコンデンサケースの製品規格に合格するものであり、
×はコンデンサケースの製品規格に不合格となるもので
ある。
【0054】表1に示す通り、本発明に係る実施例N
o.1〜13は、加工性、耐溶剤性、耐磨耗性のいずれ
においてもポリアミド系樹脂には剥離、き裂または変質
がほとんど発生しておらずコンデンサケースの製品規格
に合格していることが明らかとなった。一方、本発明の
要件を満足しない比較例No.14、15は、加工性に
ついてはコンデンサケースの製品規格に合格(○)し、
耐磨耗性については概ね合格(△)するものの、耐溶剤
性ついては不合格となった。
【0055】なお、この実施例では、第1の樹脂層が単
一層の硬化剤不含ポリアミド系樹脂で構成されるものに
ついて評価を行ったが、第1の樹脂層が複数層の硬化剤
不含樹脂層で構成されるものについても同様の結果が得
られた。
【0056】
【発明の効果】以上説明したとおり構成される本発明の
積層樹脂アルミニウム板によれば、以下の優れた効果を
奏する。請求項1に係る発明によれば、第1の樹脂層
を、硬化剤を含まないポリアミド系樹脂で形成し、第2
の樹脂層を、硬化剤を含むポリアミド系樹脂である硬化
剤含有ポリアミド系樹脂で形成したので、成形加工性を
維持しつつ、印刷の際にインクのにじみを抑制できる良
好な印刷性を確保し、さらに前記第1の樹脂層とアルミ
ニウム板との密着性が向上するとともに、前記第2の樹
脂層の架橋密度が増加して耐磨耗性と耐溶剤性とが向上
する。したがって、トリクロロエチレン等の比較的高い
極性を有する溶剤中で、当該樹脂被覆積層アルミニウム
板同士が比較的高い頻度で接触した場合でも、前記第2
の樹脂層の剥離等を抑制する電子部品ケース用樹脂被覆
積層アルミニウム板を提供することができる。
【0057】請求項2に係る発明によれば、前記した効
果に加え、所要の架橋密度を有するように前記第2の樹
脂層の硬化反応が進行するため、耐溶剤性と耐摩耗性の
効果がさらに高められた電子部品ケース用樹脂被覆積層
アルミニウム板を提供することができる。
【0058】請求項3に係る発明によれば、前記第1の
樹脂層を単一層で構成したので、コストが低く抑えられ
た電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板を提供
することができる。
【0059】請求項4に係る発明によれば、前記第1の
樹脂層を複数層で構成したので、前記第2の樹脂層の架
橋密度に応じて前記アルミニウム板と前記第1の樹脂層
および前記第2の樹脂層との密着性が一層高められた電
子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板を提供する
ことができる。
【0060】請求項5に係る発明によれば、予め前記第
1の樹脂層を造膜する工程と、この第1の樹脂層の膜を
前記アルミニウム板上に設け、このようにして形成した
第1の樹脂層上に前記第2の樹脂層を形成する工程とを
各々独立させて実行することができるので、前記電子部
品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板の多品種少量生
産を行う場合に生産効率を高めることができる。
【0061】請求項6に係る発明によれば、既存のポリ
アミド系樹脂層を有するアルミニウム板に対しても耐溶
剤性および耐磨耗性を付与することができる。
【0062】請求項7に係る発明によれば、溶剤性およ
び耐磨耗性を有する電子部品ケース用樹脂被覆積層アル
ミニウム板を少品種大量生産する場合に、生産効率がよ
り一層高められる。
【0063】請求項8に係る発明によれば、前記第1の
樹脂層と前記アルミニウム板、及び、前記第1の樹脂層
と前記第2の樹脂層、各々の密着性を高め、かつ、前記
第1の樹脂層と前記第2の樹脂層各々の強度を高めるこ
とができる。
【0064】請求項9に係る発明によれば、耐溶剤性お
よび耐磨耗性を備え、かつ高い密着性を備えた電子部品
ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施の形態の樹脂被覆積
層アルミニウムの構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム板 2 硬化剤を含まないポリアミド樹脂から成る第1の樹
脂層 3 硬化剤を含有するポリアミド樹脂から成る第2の樹
脂層 AL1 本発明に係る第1の実施の形態の樹脂被覆積層
アルミニウム板 P1 本発明に係る第1の実施の形態の第1の樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 9/08 B65D 1/00 B // B21D 22/20 H01G 1/02 D Fターム(参考) 3E033 AA20 BA09 BA21 BB08 FA01 FA10 GA03 3E086 AD30 BA04 BA13 BA15 CA31 DA08 4F100 AB10A AK46B AK46C BA03 BA07 BA10A BA10C BA13 BA27 CA02C EH111 EH112 EH461 EH462 EJ082 EJ172 EJ422 GB16 GB41 JB07 JK06 JK09 JL02 JL06 JL11 YY00C

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板の片面または両面に、ポ
    リアミド系樹脂を積層して被覆した樹脂被覆積層アルミ
    ニウム板であって、 前記ポリアミド系樹脂は、硬化剤を含まない硬化剤不含
    ポリアミド系樹脂から構成された、前記アルミニウム板
    の表面に積層された1層以上の第1の樹脂層と、硬化剤
    を含む硬化剤含有ポリアミド系樹脂から構成された、前
    記第1の樹脂層の表面に形成された第2の樹脂層と、を
    含むことを特徴とする電子部品ケース用樹脂被覆積層ア
    ルミニウム板。
  2. 【請求項2】 前記第2の樹脂層に添加される硬化剤
    は、前記第2の樹脂層の硬化反応に寄与する前記硬化剤
    に含まれている官能基の総数(nC)と、前記第2の樹
    脂層の硬化反応に寄与する前記第2の樹脂層のポリアミ
    ド系樹脂に含まれている官能基の総数(nA)との比率
    (nC/nA)が、0.2≦nC/nA≦10となるような
    量で添加されていることを特徴とする請求項1に記載の
    電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板。
  3. 【請求項3】 前記第1の樹脂層は、単一層から構成さ
    れることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板。
  4. 【請求項4】 前記第1の樹脂層は、複数層から構成さ
    れることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板。
  5. 【請求項5】 アルミニウム板の片面または両面に、ポ
    リアミド系樹脂を積層して被覆した樹脂被覆積層アルミ
    ニウム板の製造方法であって、 第1の樹脂層が予めアルミニウム板の表面に形成されて
    いる樹脂被覆アルミニウム板の表面に、第2の樹脂層を
    形成する工程を含むことを特徴とする電子部品ケース用
    樹脂被覆積層アルミニウム板の製造方法。
  6. 【請求項6】 アルミニウム板の片面または両面に、ポ
    リアミド系樹脂を積層して被覆した樹脂被覆積層アルミ
    ニウム板の製造方法であって、 第1の樹脂層としての硬化剤不含ポリアミド系樹脂層と
    第2の樹脂層としての硬化剤を含むポリアミド系樹脂層
    とを積層した樹脂積層材を、前記第2の樹脂層が前記第
    1の樹脂層を介してアルミニウム板と相対向するように
    形成する工程を含むことを特徴とする電子部品ケース用
    樹脂被覆積層アルミニウム板の製造方法。
  7. 【請求項7】 アルミニウム板の片面または両面に、ポ
    リアミド系樹脂を積層して被覆した樹脂被覆積層アルミ
    ニウム板の製造方法であって、 硬化剤不含ポリアミド系樹脂を前記アルミニウム板の表
    面に塗布して第1の樹脂層を形成し、 硬化剤を含むポリアミド系樹脂を、前記硬化剤不含ポリ
    アミド系樹脂の表面に塗布して第2の樹脂層を形成し
    て、そしてこのようにして塗布されたポリアミド系樹脂
    に熱硬化処理を施して第1の樹脂層および第2の樹脂層
    を形成することを特徴とする電子部品ケース用樹脂被覆
    積層アルミニウム板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の樹脂層、または前記第2の樹
    脂層の形成が、フィルムの圧着または、、前記樹脂の塗
    布およびこの樹脂の熱硬化のいずれかによるものである
    ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項
    に記載の電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項4のいずれか1項に
    記載のアルミニウム板を用いて成形加工したことを特徴
    とする電子部品ケース。
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