JP3243868B2 - ポリアミド被覆成形体およびそれに用いるポリアミドフィルム - Google Patents

ポリアミド被覆成形体およびそれに用いるポリアミドフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板成形体およびそれ
に用いるポリアミドフィルムに関し、さらに詳しくは鋼
板とラミネート時およびラミネート後に絞り成形加工、
しごき成形加工する際において良好な接着剤、成形性、
滑り性、耐衝撃性を発揮し、さらに飲料缶、食缶として
用いた時に充填物の味を変質させず、また外観の良好な
鋼板成形体およびそれに用いるポリアミドフィルムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、飲料用金属缶の内面および外面の
腐蝕防止には熱硬化性塗料を塗布することが多い。一
方、熱可塑性樹脂フィルムを金属板に加熱ラミネート
し、これを絞り成形加工やしごき成形加工することによ
って缶状に成形することが提案されている。熱可塑性樹
脂フィルムとしてはポリオレフィンフイルム、共重合ポ
リエステルフィルム、接着剤付ポリエステルフィルムな
どが提案されている。たとえば、特公平2−58094
号公報にはポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルムを熱ラミネート後急冷することにより金属ラミネー
ト側は無配向に、反対側には二軸配向を残すというフィ
ルム被覆金属板の製造方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリオレフィ
ンフィルムでは耐熱性、耐食性、保香性に劣り、共重合
ポリエステルフィルムでは絞り成形やしごき成形時にプ
ラグにフィルムが粘着して均一な成形が出来ず、その結
果フィルムに亀裂が入りやすくなったりプラグが抜けに
くくなり成形速度が上がらず、また接着剤によるラミネ
ートではコストが上昇し、接着剤層の絞り成形性・しご
き成形性が悪く、亀裂が入り耐食性などに問題があっ
た。またPETフィルムを熱ラミネートする方法ではラ
ミネート温度を高く設定する必要があるために金属板の
ダメージ、特にブリキ板等のメッキ層の損傷が大きく、
またPET単体ではそれ自体の成形性も不良のため一般
の飲料用缶のような深絞りに対応する上で大きな問題が
あった。
【0004】本発明は、かかるフィルム被覆鋼板の絞り
成形、しごき成形において、鋼板ラミネート用フィルム
と鋼板との加熱ラミネート時の適性、特に滑り性を改良
し、また成形時の接着性、成形性、耐衝撃性を良好に
し、さらに成形缶として用いた時に充填物の味を変質さ
せず、また良好な外観を有する鋼板成形体およびそれに
用いるポリアミドフィルムを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
鋼板成形体とは、鋼板の少なくとも片面にポリアミドフ
ィルムを被覆したのち成形加工した鋼板成形体およびそ
れに用いるポリアミドの相対粘度ηr が2.5以上であ
るポリアミドフィルムである。
【0006】本発明におけるポリアミドとは、ラクタム
の開環重合又はジカルボン酸とジアミンとの縮重合で得
られるアミド結合を主鎖に有するポリマーであり、p−
アミノ安息香酸、p−アミノメチル安息香酸などを含む
ポリアミド、さらにはジカルボン酸としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバチ
ン酸、アゼライン酸などがあげられ、ジアミンとして
は、ヘキサメチレンジアミン、2,4,4’トリメチル
ヘキサメチレンジアミン、メタ又はパラキシリレンジア
ミン、シクロヘキサンビスメチルアミン、ビス(4アミ
ノフェニル)メタン、パラアミノシクロヘキシルメタン
などから得られるポリアミドなどがあげられる。これら
のカプロラクタムやジカルボン酸とジアミンとをそれぞ
れ1種又はそれ以上共重合した重合体であって、本発明
の場合、特にポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン
610)、ポリヘキサメチレンアジパミド/カプロラミ
ド共重合体(ナイロン6,66)、ポリカプロラミド
(ナイロン6)、ナイロン6,12共重合体、ナイロン
12、ポリメタキシリレンアジパミド(mXD6)、ナ
イロン6/ポリヘキサメチレンテレフタラミド/イソフ
タラミド共重合体およびそれらの共重合体などが好まし
い。
【0007】本ポリアミドフィルムの相対粘度ηr
2.5以上、好ましくは3.0以上、さらに好ましくは
3.5以上であるのがよい。これは、鋼板とのラミネー
ト適性、ラミネート後の成形性、耐レトルト性、耐ピン
ホール性、耐衝撃性、内容物の味の変質防止のために必
要である。
【0008】本発明ポリアミドフィルムの融点は180
〜235℃、好ましくは200〜225℃であるのがよ
い。これは融点が235℃を越えると鋼板とポリアミド
フィルムとの熱接着力が弱くなり、その結果、成形むら
やクラック発生の原因となるばかりか、鋼板特にスズメ
ッキ鋼板の場合には、鋼板が劣化するために好ましくな
い。逆に融点が180℃未満であると成缶後のレトルト
処理や焼付工程での高温処理で金属との接着が不良にな
るばかりか、ポリアミドフィルム層が鋼板から収縮・剥
離するためである。
【0009】ポリマー層(II)の融点は236℃以
上、好ましくは245℃以上であることが必要で、これ
は高温での焼付処理などの取り扱い性を向上さすためで
ある。ポリマー層(II)のポリマーとしては、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリエーテ
ルアミド、ポリエステルエーテル、エチレン・ビニルア
ルコール共重合体などから選ばれた1種または2種以上
の混合物であり、代表的なポリマーとしては、ナイロン
66およびその共重合体、キシリレンジアミンを含むポ
リアミド、例えばポリキシリレンアジパミド、テレフタ
ル酸を含むポリアミド例えばポリヘキサメチレンテレフ
タラミド/イソフタラミド共重合体(6I/6T)およ
びその共重合体(例えば6/6I/6T、66/6I/
6Tなど)などのポリアミド、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)およびその共重合体、例えばポリエチレ
ンイソフタレート/テレフタレート共重合体、ポリエチ
レンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレ
フタレートなどのポリエステル、さらにはナイロン6と
PETとのポリマー、エタノールアミンとテレフタル
酸、アジピン酸などとのポリマー、PETにジアミンの
共重合体などのポリエステルアミド、さらに、エチレン
量5〜50モル%共重合ポリビニルアルコール体、例え
ば“エバール”(クラレ製)、“ソフィカール”(日本
合成製)などが代表例としてあげられる。
【0010】これらポリマー(II)層は成缶後、飲料
などの充填物と直接接触することが多いための飲料の味
が経日で変質しないことも大切であり、これは主として
味の成分を選択吸着したり、逆にフィルムからガスが発
生するためではないかと思われ、その1つの指標として
d−リモネンの吸着量が20μg/g以下および揮発成
分が5μg/g以下であるのがよい。さらに好ましく
は、内容物と接するフィルム表面のぬれ張力は40dy
n/cm以上、好ましくは45dyn/cm以上、さら
に好ましくは50dyn/cm以上であるのがよく、公
知のコロナ放電処理(空気、窒素、炭酸ガスなどのガス
中)やプラズマ処理(炭酸ガス、アルゴンなどのガス
中)、火炎処理、薬液処理、さらには極性ポリマーのコ
ーティングなどの手法で達成することができる。さらに
該フィルム表面の結晶性は高い方が吸着はしにくくなり
好ましい。このためには、金属板と本発明のフィルムと
を180〜230℃で加熱軟化させて、加圧密着させた
後、急冷しすぎることなく徐冷しながら冷却し、この過
程で主としてポリマー層(II)に1μm程度以下の微
細な球晶を生成させ結晶化させるのがよい。結晶を微細
化させるために結晶核剤としてSiO2 などを0.01
〜0.5%程度添加するのがよく、結晶化度としては3
〜50%、好ましくは5〜20%とするのがよい。この
ように微細高結晶化と表面ぬれ張力を高くすることによ
って味の成分を選択吸着することがなく、さらには、成
形工程、特にDI成形(Draw Ironing)の
ように材料をしごき成形するときにはスティックスリッ
プなどを起こさず均一な成形ができるので好ましい。こ
れは主としてしごき棒と本発明フィルムとのすべり性の
良化と、本発明フィルムの強靭性と剛性率の向上による
ものと推定している。
【0011】本発明フィルムの厚さは、5〜250μ
m、好ましくは15〜100μm、さらに好ましくは2
0〜50μmの範囲にあるのがよい。5μm未満と薄い
と耐食性、成形性等が不良になり、250μmを越える
と成形性に劣るようになるためである。また、ポリマー
層(II)の厚さは、好ましくは8μm以下、さらに好
ましくは0.5〜3μmの範囲にあるのがよい。さら
に、全体の本発明フィルムの厚みに対して25%以下、
好ましくは1〜10%の範囲のものがよい。これは、高
温での取り扱い性、成形性、耐衝撃性、耐ピンホール性
などの特性を満足さすためである。ポリアミドフィルム
の厚さは10〜200μm、好ましくは、10〜100
μm、さらに好ましくは10〜50μm範囲のものが
よく、これは、金属との接着性、耐衝撃性、耐レトルト
性、成形性などを満足させるためである。
【0012】さらにまた、本発明のポリアミドフィルム
の表面最大粗さRtは、1μm以下であることが、金属
との間に空気がかみ込むことを防止できるため好まし
い。
【0013】鋼板は単純に鉄を主成分とする金属板でも
よいが、その表面に接着性や耐腐食性を改良する無機酸
化物被膜層、例えばクロム酸処理、リン酸処理、クロム
酸/リン酸処理、電解クロム酸処理、クロメート処理、
クロムクロメート処理などで代表される化成処理被膜層
をもうけてもよく、特に金属クロム換算による値でクロ
ムとして6.5〜150mg/m2 のクロム水和酸化物
が好ましく、さらに、展延性金属メッキ層、例えばニッ
ケル、スズ、亜鉛、アルミニウム、砲金、真ちゅうなど
をもうけてもよいことは明らかである。スズメッキの場
合0.5〜15g/m2 、ニッケルまたはアルミニウム
の場合1.8〜20g/m2 のメッキ量を有するものが
よい。
【0014】鋼板にポリアミドフィルムを被覆する方法
としては、ポリアミドフィルムの熱接着性を利用して熱
圧着する方法や、他の接着剤層をフィルムと鋼板の間に
介在させて接着する方法、さらにはそれらの併用方法な
どがあるが熱圧着法が本発明の場合好ましい。
【0015】このようにして得られた被覆鋼板をポンチ
とダイスなどの治具で絞り成形加工、しごき成形加工、
絞りしごき成形加工などを行なう。代表的に絞りしごき
缶、すなわち側面無継目金属缶(2ピース缶)の製法と
しては、被覆鋼板を円板の形状に打抜き、次に絞り工程
で絞りダイスとポンチの間で絞り加工し、浅絞りされた
カップ状成形物を、再絞り工程において、より小径の再
絞りダイスと再絞りポンチとの間で再絞り加工またはし
ごき加工して、深絞り又はしごきされたカップ状成形体
に成形する。もちろん加工時に潤滑剤を用いることもで
きるし、3段目の絞り加工、しごき加工も可能である。
なお1段のしごき加工ではしごき率、すなわち
【0016】
【式1】 として10〜50%、全体として30〜85%の範囲に
あるのが好ましい。
【0017】次に本発明ポリアミド被覆成形体の製造方
法について述べるがこれに限定されるものではない。
【0018】化成処理された鋼板と本発明ポリアミドフ
ィルムを直接加熱接着したり、両者の間に他の接着剤を
介在させたりして被覆鋼板を得る。次にこの被覆鋼板を
しごき加工および/または絞り加工を多段階に分けて行
ない、カップ状の成形体を得る。
【0019】また本発明ポアミドフィルムの製造方法
について述べるがこれに限定されるものではない。ポリ
アミド(I)としてナイロン610(融点215℃、
相対粘度ηr=3.0)を用い、ポリマー層(II)と
してポリエチレンテレフタレート/イソフタレート(融
点245℃、固有粘度1.0、添加剤として200μm
のSiO2を0.2重量%)や、ナイロン6/6I/6
T(融点240℃、相対粘度ηr=2.8、添加剤とし
てサイロイド150を0.15重量%)を用い、公知の
方法によって脱水乾燥させた後、あるいは未乾燥のまま
で2軸ベント式の別々の押出機に供給して溶融し、しか
る後フィードブロックにて2層に積層して通常の口金
から吐出後、冷却ドラムにて冷却固化してキャストフィ
ルムを得る。かくして得られた2層積層フィルムを、必
要に応じて、加熱エージングや表面活性化処理をして巻
き取る。この加熱処理および表面活性化処理は、フィル
ム中に溶存するガスを飛散させたり、内容物選択吸着
されるのを防止するのに有効な工程であり、80℃、3
0分処理での揮発成分が5μg/g以下さらに、d−リ
モネンの吸着量が20μg/g以下になるようにするこ
とによって充填物の味の変質を防ぐのである。
【0020】かくして得られたポリマー層(II)の厚
さは0.5〜3μmと薄くし、一方ポリアミド層の厚さ
は10〜50μmと厚くし、トータル20〜50μmの
フィルムを得る。
【0021】本発明の鋼板ラミネート用フィルムは、絞
り成形やしごき成形によって製造される金属缶の内面お
よび外面被覆用に好適に用いることができる。またツー
ピース缶の蓋部分あるいはスリーピース缶の胴、蓋、底
の被覆用としても良好な金属接着性、成形性を有するた
め好ましく使用することができる。特に外面被覆用には
着色した本発明フィルムを用いることができる。このた
めにポリアミド層(I)および/またはポリマー層(I
I)のポリマーに着色剤を配合することができる。着色
剤としては白色系が多く、これには酸化チタンTi
2 、特にルチル型酸化チタン、亜鉛華ZnO、リトホ
ンZnSBaSO4 などから選ばれた着色剤を10〜5
0重量%、好ましくは20〜40重量%添加することが
多い。添加量が10重量%未満だと白色性、隠蔽性に劣
るため好ましくない。必要によっては、ピンキング剤や
ブルーイング剤などを併用してもよい。
【0022】
【物性の評価方法】(1)成形性 ポリアミドフィルムのポリアミド層(I)側の面とSn
メッキしたブリキ金属板とを180〜230℃の温度に
加熱・加圧ラミネートし、プレス成形機(センバ鉄工
(株)製、VAS−33P型)で100kg/cm2
圧力で冷間成形を行い、径Dが100mm、深さhが1
30mmの絞り比(h/D)1.3のカップを得た。こ
のカップ内に1%の食塩水を入れ全体を80℃に加熱し
て24時間放置後、缶内に発生するサビの状況から成形
性を判断した。
【0023】○:サビの発生なし △:1mm以下のサビが3個以内発生 ×:多数のサビ発生
【0024】(2)融点Tm、ガラス転位温度Tg 走査型熱量計(DSC−II型、パーキンエルマー社
製)に、サンプル10mgをセットし、窒素気流下に
て、昇温速度20℃/分で昇温し、ガラス状態からゴム
状態への転位に基づくベースラインの変奇から比熱の変
化温度をTgとし、さらに昇温してゆき、結晶の融解に
基づく吸熱ピーク温度をTmとした。
【0025】(3)耐衝撃性 上記(1)で成缶後、125℃、30分間高圧スチーム
・レトルト処理後缶側面および缶底缶外面からポンチで
5ケ所づつ衝撃を与えた後、(1)と同様の加熱食塩水
に24時間放置後、ポンチで衝撃を与えた部分のサビの
発生を観察、測定し、該部分にサビが発生していないと
きを○、サビガ1mm以下で3個以内のときを△、それ
以上サビが発生しているときを×とした。
【0026】(4)揮発成分(μg/g) フィルム(25μm×150mm×450mm)を80
℃、30分間窒素気流中で加熱し追い出される成分をガ
スクロマトグラフィにより定量する。このガス量(μg
/g)をフィルム重さ(g)で割った値で示した。
【0027】(5)d−リモネンのフィルムへの吸着 フィルム(25μm×150mm×450mm)をd−
リモネンの水溶液(可溶化剤としてシュガーエステルを
0.3%添加20ppm)に常温で5日間浸漬し、この
フィルムを80℃、30分間窒素気流中で加熱し追い出
される成分をガスクロマトグラフィにより定量した。単
位はガス量(μg)をフィルム重量(g)で割ったもの
である。
【0028】(6)味の変質 本来は感覚評価であるが、再現性のある正確なデータと
するために、上記(4)加熱成分発生成分量と、上記
(5)d−リモネン吸着量とで判断した。
【0029】○:加熱発生成分量5未満、d−リモネン
吸着量20未満 △:加熱発生成分量5以上、d−リモネン吸着量20未
満 △:加熱発生成分量5未満、d−リモネン吸着量20以
上 ×:加熱発生成分量5以上、d−リモネン吸着量20以
【0030】(7)表面ぬれ張力γc (dyn/cm) ASTM−D−2578−67T法によって、20℃、
65%RH雰囲気下にて測定した。
【0031】(8)接着性 180〜230℃に加熱された金属ロールとシリコンゴ
ムロールの間に、本発明フィルムのポリアミド層(I)
側の面とSnメッキブリキ板とを合わせ、圧力20kg
/cm2で加圧接着し、接着後空気中で冷却した。該ラ
ミネート板のラミネート接着力を角度180°での剥離
テストにより求め、ラミネート接着力が250g/cm
以上のときを○、それ未満のときを×とした。
【0032】(9)層間フィルム厚さ 一旦フィルムをエージング結晶化させたのち、ミクロト
ームで断面を切り出して位相差顕微鏡にて測定した。
【0033】(10)固有粘度η オルトクロルフェノール中25℃で測定したものでdl
/gで表わした。
【0034】(11)相対粘度ηr 濃硫酸を溶媒として測定した。
【0035】
【実施例】以下に実施例、比較例により本発明をより具
体的に説明する。
【0036】ポアミド層(I)としてナイロン12
(ηr=3.0)、ナイロン610(ηr=3.0)、ナ
イロン6,66(ηr=2.9)、ナイロン6,12
(ηr=3.2)、およびナイロン6I/6T(ηr
3.5)を用い、ポリマー(II)としてηr=2.
8のポリメタキシリレンアジパミド(mXD6)、ηr
=2.9のナイロン6/6I/6T、η=0.9のポリ
エチレンテレフタレート/イソフタレート(PET/
I)を用い、それぞれのポリマーを二軸ベント押出機に
供給し溶融後、複合アダプターで2種のポリマー融液を
分液後、口金から2層積層シートを吐出させ、110℃
に保たれているサンドブラトロール上で徐冷しながら
キャストシートを得た。得られたフィルム厚さはポリア
ミド層(I)が23μ、ポリマー層(II)は2μのト
ータル25μになるようにした。
【0037】軟鋼板(0.32mm)の片面に上層にク
ロム水和酸化物層(クロムとして28mg/m2)、下
層に金属クロム層(157mg/m2)のメッキ層を有
し、他の面(フィルム非被覆面)にスズ層(1.5g/
2)の展延性金属のメッキ層を有した鋼板を高周波加
熱にて加熱し、この上に上記積層ポリアミドフィルムの
低融点ポリアミド側(ポリアミド層(I)側)を鋼板
に加圧して接着後、急冷して被覆鋼板を得た。次に缶内
面がフィルム被覆面になるように総しごき率68%の絞
りしごき加工を行なった。かくして得られた成形体の成
形性、耐衝撃性などを評価した。
【0038】
【表1】
【表2】 実施例9〜実施例1 実施例1で用いたポリマーの相対粘度ηrを変える以外
は実施例1と全く同様にして成形体を得て評価した。
【0039】
【表3】 このようにポリアミド層(I)の相対粘度ηrは2.5
以上であるのが好ましい。
【0040】実施例12、13 実施例1で用いた厚み構成を変更する以外は実施例1と
全く同じにして成形体を得た。
【0041】
【表4】 このように外層にくるポリマー層(II)の厚さは8μ
m以下が好ましいことが判る。
【0042】比較例1 ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体
(83/17モル%、η=0.8)を、二軸ベント押出
機に供給し、265℃で溶融させたのち、Tダイ口金か
らシート状に吐出させ、25℃に保たれたキャストドラ
ムに密着冷却固化し、厚さ25μmのフィルムを得た。
【0043】かくして得られたポリエステルフィルムを
実施例1と同様にメッキ鋼板に接着して被覆鋼板を得、
続いてしごき成形を行なった。
【0044】
【表5】 このようにポリエステル共重合体フィルムでは、製缶用
内面貼合せフィルムとしては不適であることが判る。
【0045】
【発明の効果】本発明の鋼板ラミネート用フィルムとし
ては、高融点のポリマー層(II)を薄く、高粘度で低
融点のポリアミド層を厚く積層したフィルムを用いたの
で、鋼板との接着性、成形性、レトルト処理後の耐衝撃
性などに優れているばかりか、コーヒー、ジュースなど
の内容充填物の味を高温(60℃)で保持しても変質し
ないことが可能となった。したがって本発明フィルム
は、特に飲料缶などの容器用内ばりおよび外ばりフィル
ムとして用いることができ、成形方法についてもDIし
ごき成形法やDTR絞り成形缶に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の少なくとも片面にポリアミドフィ
    ルムを被覆したのち成形加工されるポリアミド被覆成形
    体に用いるポリアミドフィルムであって、融点が236
    ℃以上のポリアミド、ポリエステル、ポリエステルエー
    テル、ポリエステルアミド、ポリエーテルアミド、エチ
    レン・ビニルアルコール共重合体から選ばれた1種また
    は2種以上の混合物であるポリマー層(II)が相対粘
    度が2.5以上であるポリアミド層(I)に積層されて
    なるポリアミドフィルム。
  2. 【請求項2】 ポリアミド層(I)の融点が180〜2
    35℃である、請求項1に記載のポリアミドフィルム。
  3. 【請求項3】 ポリマー層(II)の厚さが8μm以下
    である、請求項1または2に記載のポリアミドフィル
    ム。
  4. 【請求項4】 ポリマー層(II)および/またはポリ
    アミド層(I)に着色剤が配合されている、請求項1〜
    3のいずれかに記載のポリアミドフィルム。
  5. 【請求項5】 鋼板に請求項1〜4のいずれかに記載の
    ポリアミドフィルムが被覆され、しぼり成形および/ま
    たはしごき成形から選ばれた加工法により得られるポリ
    アミド被覆成形体。
  6. 【請求項6】 成形体が飲料缶である、請求項5に記載
    のポリアミド被覆成形体。
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