JP4605088B2 - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のアイドル運転時に吸気量を制御する内燃機関制御装置に関する。
内燃機関のアイドル運転時に、吸気量調節によるアイドル回転数フィードバック制御に先立って、触媒暖機のために触媒昇温制御を実行する内燃機関アイドル回転数制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
このような触媒暖機時の制御では、電子制御されるスロットルバルブやアイドルスピードコントロールバルブ(ISCV)の開度を、触媒暖機のために要求される吸気量となるように設定している。しかし実際には上記バルブ開度と予想される吸気量(目標吸気量)との間には誤差が存在する。このためバルブ開度の基になっている目標吸気量と、吸気量センサにて実測した吸気量とを比較して、差が存在する時にはバルブ開度を補正する必要がある。
このような補正時には内燃機関の安定性を確保する上から高精度な補正量を求める必要があり、このため前記差は内燃機関の運転が安定している時に測定したデータから求めている。
特開2004−100529号公報(第8頁、図4)
しかしアイドル運転時に早期に安定した内燃機関運転が得られない場合がある。例えば、燃料として重質燃料が用いられていたり、エアコンやパワーステアリングなどの負荷が生じた場合などのように、内燃機関回転数の変動が大きい状態となる場合がある。このような運転状態では吸気脈動により、目標吸気量と実際の吸気量との差が高精度に得られない。もしこのような精度の低い差のデータによりバルブ開度を補正してしまうと、差を小さくできず逆に大きくなる方向に補正するおそれもあり、より内燃機関を不安定化する可能性がある。このように目標吸気量と実際の吸気量との間に大きいずれが生じていた場合には、この差が早期に解消できなくなるおそれがある。
吸気量不足が解消できない状態が継続すれば暖機性が悪化し、逆に吸気量が過剰な状態が継続すれば内燃機関回転数が過剰となり燃費が悪化したり回転数の吹き上がりが生じたりする。このようにアイドル運転安定性上での問題を生じる。
本発明は、アイドル運転時に吸気量を制御する場合に上述したごとく運転安定性が低下している状態でも内燃機関を不安定化させずに目標吸気量と実際の吸気量との差を小さくすることを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関制御装置は、内燃機関のアイドル運転時に吸気量を制御する内燃機関制御装置であって、アイドル運転における運転安定度を検出するアイドル運転安定度検出手段と、前記アイドル運転安定度検出手段にて検出された運転安定度が安定範囲内か否かを判定する安定度判定手段と、前記安定度判定手段にて前記運転安定度が安定範囲内にあると判定されている期間に実際の吸気量と目標吸気量との差を求め、該差に応じて安定時吸気補正量を算出する安定時吸気補正量算出手段と、前記アイドル運転安定度検出手段にて検出された運転安定度が、前記安定範囲よりも広い範囲に設定された準安定範囲内か否かを判定する準安定度判定手段と、前記準安定度判定手段にて前記運転安定度が前記準安定範囲内にあると判定されている期間に実際の吸気量と目標吸気量との差を求め、該差に応じた準安定時吸気補正量を、前記安定時吸気補正量の場合よりも抑制して算出する準安定時吸気補正量算出手段と、前記安定時吸気補正量と前記準安定時吸気補正量との内で算出が完了した吸気補正量により吸気量調節機構での調節量を補正する吸気調節量補正手段とを備え、内燃機関の点火時期を調節することにより内燃機関回転数を目標回転数に制御し、前記準安定時吸気補正量算出手段は、前記点火時期の調節量が大きいほど、前記準安定時吸気補正量に対する抑制を弱めることを特徴とする。
安定時吸気補正量算出手段が機能すれば、内燃機関の運転状態が十分に安定した安定範囲内にある期間にて求められた実際の吸気量と目標吸気量との差に応じて高精度に安定時吸気補正量を算出できる。したがってこの安定時吸気補正量を用いることで内燃機関を不安定化させることはない。
しかし内燃機関の運転状態が安定範囲内でなくても、内燃機関の運転状態が準安定範囲内となれば、準安定時吸気補正量算出手段が準安定時吸気補正量を算出し、この準安定時吸気補正量を用いて吸気調節量補正手段が目標吸気量と実際の吸気量との差を小さくする処理をしている。この準安定時吸気補正量は、準安定状態での算出であることに鑑み、同じ差の値に対して求められる安定時吸気補正量の場合よりも抑制した値として設定している。したがって準安定時吸気補正量は、安定時吸気補正量に比較して精度が低くても、それだけ抑制した値として設定されていることにより、吸気調節量補正手段がこの準安定時吸気補正量を用いて目標吸気量と実際の吸気量との差を小さくする処理をしても内燃機関を不安定化させることがない。
吸気調節量補正手段は、このような性質を持つ安定時吸気補正量と準安定時吸気補正量との内で算出が完了した吸気補正量によって吸気量調節機構での調節量を補正する。したがって安定範囲内にある場合は勿論、安定範囲内になっていなくても準安定範囲内となれば、吸気量調節機構の調節量補正が可能となり、かつこの調節量補正にて内燃機関を不安定化させない。このため早期に調節量補正が可能となって内燃機関の安定化を促進できる。
このように実際の吸気量と目標吸気量との間にずれが生じてアイドル運転時における運転安定性が低下している状態でも、内燃機関を不安定化させずに目標吸気量と実際の吸気量との差を小さくすることができる。
尚、上記構成によれば、吸気量制御時において、点火時期の調節により内燃機関回転数を目標回転数に制御することで、更に安定した内燃機関運転を実現することができる。
また、上記構成のように、内燃機関の回転数が点火時期の調節により行われている状況では、吸気量調節機構による調節量とは別個に、吸気量の増減が生じる。したがって点火時期の調節による吸気量に対する影響がある場合などを考慮して、点火時期の調節量が大きいほど、準安定時吸気補正量に対する抑制を弱めた方が、より適正な吸気補正となる。上記構成によれば、このことにより更に内燃機関の運転安定性を確保しやすくなる。
求項に記載の内燃機関制御装置では、請求項において、前記準安定時吸気補正量算出手段は、実際の内燃機関回転数と前記目標回転数との差の絶対値が大きいほど、前記準安定時吸気補正量に対する抑制を弱めることを特徴とする。
実際の内燃機関回転数と目標回転数との差の絶対値が大きい状態は、吸気量過不足の程度が回転数に大きく影響していると考えられる。この時に準安定時吸気補正量を吸気量調節機構の調節量補正に用いる状況にある場合には、抑制を弱めた方が、早期に吸気量が適正化し、かつ内燃機関回転数が目標回転数に収束しやすくなり、より内燃機関の運転安定性を確保しやすくなる。
請求項に記載の内燃機関制御装置では、請求項1又は2において、前記準安定範囲の広さが異なる複数の前記準安定度判定手段と前記準安定時吸気補正量算出手段との組み合わせが設けられていることを特徴とする。
すなわち準安定範囲としては1つのみでなく、広さが異なる複数の準安定範囲を設けて、この各準安定範囲に対応して準安定度判定手段と準安定時吸気補正量算出手段とを設けても良い。このことにより早期に調節量補正が可能となって内燃機関の安定化を促進できる可能性が高まる。
[実施の形態1]
図1は、車両に搭載された内燃機関(本実施の形態ではガソリンエンジン)2、及び内燃機関制御装置としての電子制御ユニット(以下、「ECU」と称す)4の概略構成図を示している。内燃機関2は、ここでは4気筒内燃機関であるが、図1では1気筒のみ縦断面図にて示している。尚、気筒数は他の気筒数、例えば3気筒、6気筒、あるいは8気筒などでも良い。又、図では各気筒には吸気バルブ2aと排気バルブ2bとはそれぞれ1つ示されているが、4バルブ内燃機関でも5バルブ内燃機関でも良い。
内燃機関2の出力は変速機を介して最終的に車輪に走行駆動力として伝達される。内燃機関2には、燃焼室10内の混合気に点火する点火プラグ14が設けられている。この燃焼室10には吸気バルブ2aにより開閉される吸気ポート16が設けられ、この吸気ポート16に接続された各吸気通路20の途中には吸気ポート16に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁12が気筒毎に設けられている。そして吸気通路20はサージタンク22に接続され、サージタンク22の上流側にはモータ24によって開度が調節されるスロットルバルブ26(吸気量調節機構に相当)が設けられている。このスロットルバルブ26の開度(スロットル開度TA)により吸気量GAが調節される。スロットル開度TAはスロットル開度センサ28により検出されてECU4に読み込まれている。吸気量GAはスロットルバルブ26の上流側に設けられた吸気量センサ30により検出されてECU4に読み込まれている。尚、燃料噴射弁12が直接、燃焼室10内に燃料を噴射する筒内噴射タイプのガソリンエンジンであっても良い。
更に燃焼室10には排気バルブ2bにより開閉される排気ポート32が設けられ、排気ポート32に接続された排気通路36の途中には触媒コンバータ38が配置されている。触媒コンバータ38内には排気浄化触媒としての三元触媒が配置されている。触媒コンバータ38の上流側の排気通路36には、排気の空燃比AFに対応した信号を出力する空燃比センサ40が配置されている。
ECU4はデジタルコンピュータを中心として構成されている内燃機関制御回路である。このECU4は、上述したスロットル開度センサ28、吸気量センサ30、空燃比センサ40以外にも内燃機関2の運転状態を検出するセンサ類から信号を入力している。すなわちアクセルペダル46の踏み込み量(アクセル開度ACCP)を検出するアクセル開度センサ48、クランクシャフトの回転から内燃機関回転数NEを検出する内燃機関回転数センサ50、及び吸気カムシャフトの回転位相から基準クランク角を決定する基準クランク角センサ52から信号を入力している。更に内燃機関冷却水温THWを検出するための冷却水温センサ54からも信号を入力している。又、吸気通路20の先端部のエアクリーナに配置された吸気温センサ56から吸気温THAを表す信号を入力し、エアコンACの室内空気取り入れ口に設けられた外気温センサ58から外気温THZを表す信号を入力し、触媒コンバータ38下流にある排気温センサ60から排気温THExを表す信号を入力している。尚、このようなセンサ以外にも各種のセンサが必要に応じて設けられる。
ECU4は、上述した各センサからの検出内容に基づいて、燃料噴射弁12、点火プラグ14、あるいはスロットルバルブ用モータ24に対する制御信号によって内燃機関2の燃料噴射時期、燃料噴射量、点火時期及び吸気量等を調節する。そして前記燃料噴射量は目標空燃比、ここでは理論空燃比を達成するように空燃比センサ40の出力によりフィードバック制御される。更にアイドル時においてECU4は、特に暖機完了後は内燃機関2の状態(冷却水温THW、エアコン負荷等)に応じて設定されているアイドル目標回転数NTとなるようにスロットルバルブ26のスロットル開度TAの調節によりアイドル回転数フィードバック制御を実行している。尚、スロットルバルブ26が電子制御スロットルでない場合には、スロットルバルブ26をパイパスするISCVによる吸気量制御によりアイドル回転数フィードバック制御を実行するものでも良い。
次にECU4により実行されるアイドル運転制御を、特に冷間時に実行される処理を中心に説明する。該当する冷間時アイドル運転制御処理のフローチャートを図2,3に示す。本処理は、別途、ECU4にて行われる判定にて内燃機関2がアイドル時であるとされている場合に、一定のクランク角(ここでは180°CA:CAはクランク角を表す)周期で繰り返し実行される処理である。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
本処理が開始されると、まず冷間時か否かが判定される(S100)。冷間時でなければ(S100でno)、第1実測吸気量積算値ΣGAS1(g/s)、第1目標吸気量積算値ΣGAT1(g/s)、及び第1積算カウンタCGAS1をそれぞれクリアする(S122)。更に第2実測吸気量積算値ΣGAS2(g/s)、第2目標吸気量積算値ΣGAT2(g/s)、及び第2積算カウンタCGAS2をそれぞれクリアする(S124)。そして内燃機関回転数前回値NEoldに今回の実行周期時に内燃機関回転数センサ50にて検出されている内燃機関回転数NEを設定し(S126)、目標吸気量前回値GISColdに今回の実行周期時に計算されている目標吸気量GISCを設定する(S128)。そして今回の制御周期を終了する。ここで目標吸気量GISCは、触媒暖機用吸気量、エアコンやヘッドランプその他の負荷のための吸気量を加味して、更に後述するごとく吸気補正量ΔGAにて補正することによりECU4が別途設定している目標吸気量である。
尚、冷間時においてはECU4は別途、点火時期制御により内燃機関回転数NEを目標回転数NTに制御する処理を実行している。
一方、冷間時であれば(S100でyes)、吸気補正量ΔGA=0か否かが判定される(S101)。これはスロットル開度TA(実際には目標スロットル開度TAt)に対して吸気補正量ΔGAによる補正がなされていないことあるいはその補正が終了したことを判定するものである。最初は吸気補正量ΔGA=0であることから(S101でyes)、次に式1に示すごとく今回の実行周期時に求められている内燃機関回転数NEから、前回の実行周期時に求められている内燃機関回転数前回値NEoldを減算して内燃機関回転数変動値ΔNEを求める(S102)。
[式1] ΔNE ← NE − NEold
次に式2に示すごとく、今回の実行周期時に前述したごとく求められている目標吸気量GISCから、前回の実行周期時に求められている目標吸気量前回値GISColdを減算して目標吸気量変動値ΔGISCを求める(S104)。
[式2] ΔGISC ← GISC − GISCold
次に内燃機関回転数変動値ΔNEの絶対値|ΔNE|が安定範囲(ここでは安定範囲上限値X1(rpm)以下の範囲が該当)内で、かつ目標吸気量変動値ΔGISCの絶対値|ΔGISC|が安定範囲(ここでは安定範囲上限値Y1(g/s)以下の範囲が該当)内か否かが判定される(S106)。この両方の安定範囲が満足された状態は、通常、内燃機関2のアイドル運転状態が安定状態にある場合である。
ここで|ΔNE|≦X1と|ΔGISC|≦Y1との論理積条件が満足されていなければ(S106でno)、次に|ΔNE|≦X2と、|ΔGISC|≦Y2との論理積条件が満足されているか否かが判定される(S130)。すなわち内燃機関回転数変動値ΔNEの絶対値|ΔNE|が準安定範囲(ここでは準安定範囲上限値X2(rpm)以下の範囲が該当)内で、かつ目標吸気量変動値ΔGISCの絶対値|ΔGISC|が準安定範囲(ここでは準安定範囲上限値Y2(g/s)以下の範囲が該当)内か否かが判定される(S106)。この両方の準安定範囲が満足された状態(S130でyes)は、前記2つの安定範囲が共に満足された状態(S106でyes)よりも内燃機関2のアイドル運転状態としては少し不安定な状態である。
ここで|ΔNE|≦X2と|ΔGISC|≦Y2との論理積条件が満足されていなければ(S130でno)、前述したごとくステップS122〜S128が実行されて、今回の制御周期を終了する。
したがって内燃機関2が両準安定範囲に入らない不安定状態、例えば始動完了直後、エアコンのオン・オフ操作を実行した直後などで内燃機関回転数NEや目標吸気量GISCが大きく変化している状態では(S106でno、S130でno)、以下に述べる吸気量の過不足を補正するための処理はなされない。
始動完了後に或程度、内燃機関回転数NE及び目標吸気量GISCの値が落ち着き、|ΔNE|≦X2と|ΔGISC|≦Y2との論理積条件を満足すると(S130でyes)、次に式3に示すごとく第2実測吸気量積算値ΣGAS2に、今回の実行周期時に検出されている吸気量GAを積算する(S132)。
[式3] ΣGAS2 ← ΣGAS2 + GA
次に式4に示すごとく第2目標吸気量積算値ΣGAT2に、今回の実行周期時に算出されている目標吸気量GISCを積算する(S134)。
[式4] ΣGAT2 ← ΣGAT2 + GISC
次に第2積算カウンタCGAS2をインクリメントする(S136)。
そしてこの第2積算カウンタCGAS2が規定積算回数値n2未満か否かを判定する(S138)。ここでは規定積算回数値n2=3とされている。規定積算回数値n2の値は「1」あるいは「2」でも良く、「4」以上でも良い。
CGAS2<n2であれば(S138でyes)、次に前記ステップS126,S128を実行して、今回の制御周期を終了する。したがってステップS130にてyesと判定される限り、第2実測吸気量積算値ΣGAS2及び第2目標吸気量積算値ΣGAT2の積算処理(S132,S134)が実行される。
このような積算処理を繰り返し、第2積算カウンタCGAS2をインクリメントする(S136)ことにより、第2積算カウンタCGAS2は最終的に規定積算回数値n2に到達する(S138でno)。このことにより次に式5に示すごとく第2実測吸気量積算値ΣGAS2を規定積算回数値n2にて除算して、準安定範囲内における吸気量GAの平均値(吸気量平均値GAS)を算出する(S140)。
[式5] GAS ← ΣGAS2/n2
次に式6に示すごとく第2目標吸気量積算値ΣGAT2を規定積算回数値n2にて除算して、準安定範囲内における目標吸気量GISCの平均値(目標吸気量平均値GAT)を算出する(S142)。
[式6] GAT ← ΣGAT2/n2
次に吸気量平均値GASと目標吸気量平均値GATとの差に基づいて、式7に示すごとく、準安定時吸気補正量に該当する吸気補正量ΔGAを算出する(S144)。尚、後述するごとく吸気補正量ΔGAは安定時吸気補正量として算出される場合もある。
[式7] ΔGA ← Dec(GAS−GAT)
ここで抑制演算子Dec()は、()内の値の絶対値を小さくする演算子である。
本実施の形態では、抑制値αを用いた、Dec(X)=X±αの関数が適用される。ここで、X>0ではDec(X)=X−α、X<0ではDec(X)=X+α、X=0ではDec(X)=X、すなわちα=0である。尚、抑制値αがXの値を超えた場合はDec(X)=0とされる。そしてこの抑制値αは、図4のマップに示すごとく設定され、内燃機関回転数変動値の絶対値|ΔNE|が大きいほど大きい値が設定される。尚、内燃機関回転数変動値の絶対値|ΔNE|の代わりに目標吸気量変動値の絶対値|ΔGISC|をパラメータとして用いても良い。
このように準安定時の吸気補正量ΔGAには「GAS−GAT」の値がそのまま設定されるのではなく抑制値α分、抑制されて設定されることになる。
そして式8のごとく吸気補正量ΔGAから、後述するスロットル開度制御処理(図5)にて算出されている目標吸気量補正量dGISCを減算して、新たに吸気補正量ΔGAとして設定する(S146)。この目標吸気量補正量dGISCは、前記式7にて求められた吸気補正量ΔGAの内で既に実際には補正に使用された分を表している。
[式8] ΔGA ← ΔGA − dGISC
このようにして吸気補正量ΔGAが算出されると、前述したステップS122〜S128の処理が実行されて、今回の制御周期を終了する。
こうして新たに吸気補正量ΔGAが算出されると、後述する図5のフローチャートに示すスロットル開度制御処理において、目標吸気量GISCの補正に用いられる。尚、このスロットル開度制御処理(図5)は一定時間周期あるいは一定クランク角周期で実行される処理である。
前記ステップS146にて吸気補正量ΔGAが設定されると、スロットル開度制御処理(図5)にて吸気補正量ΔGAがスロットル開度TAに反映されることで吸気補正量ΔGA=0となるまでは、冷間時アイドル運転制御処理(図2,3)ではステップS101にてnoと判定される。このことで前述したステップS122〜S128を繰り返すのみとなる。そしてスロットル開度制御処理(図5)側にてΔGA=0とされれば、ステップS101でyesとされて、再度、ステップS102以下の処理を実行することになる。
この時、内燃機関回転数NE及び目標吸気量GISCの値が十分に落ち着いていて、|ΔNE|≦X1と|ΔGISC|≦Y1との論理積条件を満足した場合には(S106でyes)、内燃機関2の運転状態は安定範囲内にあると判断される。このことにより次に式9に示すごとく第1実測吸気量積算値ΣGAS1に、今回の実行周期時に検出されている吸気量GAを積算する(S108)。
[式9] ΣGAS1 ← ΣGAS1 + GA
次に式10に示すごとく第1目標吸気量積算値ΣGAT1に、今回の実行周期時に算出されている目標吸気量GISCを積算する(S110)。
[式10] ΣGAT1 ← ΣGAT1 + GISC
次に第1積算カウンタCGAS1をインクリメントする(S112)。
そして次に第1積算カウンタCGAS1が規定積算回数値n1未満か否かを判定する(S114)。ここでは規定積算回数値n1=3とされている。規定積算回数値n1の値は「1」あるいは「2」でも良く、「4」以上でも良い。又、前述した規定積算回数値n2と同一値である必要はない。
CGAS1<n1であれば(S114でyes)、次に前記ステップS126,S128を実行して、今回の制御周期を終了する。したがってステップS106にてyesと判定されている限り、ステップS108,S110により、第1実測吸気量積算値ΣGAS1及び第1目標吸気量積算値ΣGAT1の積算処理が実行される。
このような積算処理を繰り返して、第1積算カウンタCGAS1をインクリメントする(S112)ことで、第1積算カウンタCGAS1が規定積算回数値n1に到達する(S114でno)。このことにより次に式11に示すごとく第1実測吸気量積算値ΣGAS1を規定積算回数値n1にて除算して、安定範囲内における吸気量GAの平均値である吸気量平均値GASを算出する(S116)。
[式11] GAS ← ΣGAS1/n1
次に式12に示すごとく第1目標吸気量積算値ΣGAT1を規定積算回数値n1にて除算して、安定範囲内における目標吸気量GISCの平均値である目標吸気量平均値GATを算出する(S118)。
[式12] GAT ← ΣGAT1/n1
次に式13に示すごとく吸気量平均値GASと目標吸気量平均値GATとの差そのものを安定時吸気補正量として算出して、吸気補正量ΔGAに設定する(S120)。
[式13] ΔGA ← GAS − GAT
ここで準安定範囲内にて実行された前記ステップS144で用いたDec()は使用されていない。このように安定時の吸気補正量ΔGAには「GAS−GAT」の値がそのまま設定され、準安定時のような抑制はなされていない。
そして前記式14のごとく、吸気補正量ΔGAから、後述するスロットル開度制御処理(図5)にて算出されている目標吸気量補正量dGISCを減算して、新たに吸気補正量ΔGAとして設定する(S121)。この目標吸気量補正量dGISCの減算の理由は前記式8の場合と同じである。
[式14] ΔGA ← ΔGA − dGISC
このようにして吸気補正量ΔGAが算出されると、前述したステップS122〜S128の処理が実行されて、今回の制御周期を終了する。そしてこの吸気補正量ΔGAはスロットル開度制御処理(図5)において、目標吸気量GISCの補正に用いられることになる。
次にスロットル開度制御処理(図5)について説明する。前述したごとく本処理は一定時間周期あるいは一定クランク角周期で実行される処理である。
本処理が開始されると、まず内燃機関運転負荷状態に基づいて目標吸気量GISCが算出される(S200)。前記冷間時アイドル運転制御処理(図2,3)ではこの目標吸気量GISCの変動(S104)を判定(S106,S130)している。
次に前記冷間時アイドル運転制御処理(図2,3)にて求められた吸気補正量ΔGAの絶対値|ΔGA|が補正単位量Uga(g/s)より大きいか否かが判定される(S202)。補正単位量Uga(>0)は目標吸気量GISCを補正する際の1回当たりの上限を表している。この補正単位量Ugaを越える補正が要求される場合には、その補正量を補正単位量Ugaに分割して間隔を置いて段階的に補正に用いることになる。
例えば前記冷間時アイドル運転制御処理(図2,3)のステップS121又はステップS146にて目標吸気量補正量dGISCと吸気補正量ΔGAとが共に「0」であった場合にはΔGA=0(g/s)である。このため|ΔGA|<Ugaとなるので(S202でno)、次にΔGA≠0か否かが判定される(S210)。ここでは吸気補正量ΔGA=0であるので(S210でno)、次に目標スロットル開度TAt(吸気量調節機構での調節量に相当)が、式15に示すごとく、目標吸気量GISCを目標吸気量補正量dGISCにて補正した値を用いて、マップ又は関数ftaにより算出される(S218)。
[式15] TAt ← fta(GISC−dGISC)
そしてこの目標スロットル開度TAtとなるようにスロットルバルブ用モータ24を駆動して、スロットルバルブ26の開度が調節される(S220)。
前記冷間時アイドル運転制御処理(図2,3)にて吸気補正量ΔGAに「0」以外の値が設定された場合を考える。この場合に、|ΔGA|≦Ugaであれば(S202でno)、次にΔGA≠0であるので(S210でyes)、補正実行量dxに吸気補正量ΔGAの値がそのまま設定される(S212)。そして式16のごとく補正実行量dxが目標吸気量補正量dGISCに積算される(S214)。
[式16] dGISC ← dGISC + dx
次に式17のごとく吸気補正量ΔGAから補正実行量dxを減算する(S216)。
[式17] ΔGA ← ΔGA − dx
今回の場合は、直前のステップS212にて補正実行量dxには吸気補正量ΔGAの値を設定しているので、前記式17によりΔGA=0となる。
そして前記式16により補正実行量dx分の積算がなされた目標吸気量補正量dGISCを用いて前記式15により目標吸気量GISCを補正した状態で、目標スロットル開度TAtが求められる(S218)。そしてこの目標スロットル開度TAtに基づいてスロットルバルブ26の開度が調節される(S220)。
|ΔGA|>Ugaである場合には(S202でyes)、次にΔGA>0か否かが判定される(S204)。ΔGA>0であれば(S204でyes)、補正実行量dxには補正単位量Ugaが設定され(S206)、ΔGA<0であれば(S204でno)、補正実行量dxには−Ugaが設定される(S208)。
そして前記式16(S214)及び前記式17(S216)の計算が実行され、目標スロットル開度TAtの算出(S218)と、この目標スロットル開度TAtに基づくスロットルバルブ26の開度調節がなされる(S220)。すなわち補正単位量Uga分の積算が目標吸気量補正量dGISCになされることにより、補正単位量Uga分の補正が目標吸気量GISCに対してなされて目標スロットル開度TAtが求められることになる。
そしてステップS216にて吸気補正量ΔGAに対して補正単位量Uga分の減算を実行した後の実行周期にても、|ΔGA|>Ugaである場合には(S202でyes)、前述した処理(S204〜S208,S214〜S220)により、補正単位量Uga分の積算が目標吸気量補正量dGISCになされる。このことにより更に目標吸気量GISCに対して補正単位量Uga分の補正が間隔(実行周期)を置いて段階的に強められて、前記式15により目標スロットル開度TAtが算出されることになる。
このような処理を繰り返すことにより、吸気補正量ΔGAの絶対値|ΔGA|が減少して|ΔGA|≦Ugaとなれば(S202でno)、前述したごとく吸気補正量ΔGAの残り全ての補正が目標吸気量GISCに対して実行されて前記式15により目標スロットル開度TAtが算出される(S210〜220)。このことにより吸気補正量ΔGA=0となる。
したがって次の実行周期では、ステップS202でno、ステップS210でnoと判定されて、直ちにステップS218を実行する。この時の目標吸気量補正量dGISCには、前記冷間時アイドル運転制御処理(図2,3)のステップS121又はステップS146にて算出された吸気補正量ΔGAの全てが反映されている。
更に吸気補正量ΔGA=0となったことにより、前記冷間時アイドル運転制御処理(図2,3)のステップS101ではyesと判定されるようになる。このため安定範囲(S106でyes)あるいは準安定範囲(S130でyes)となれば、再度、実測吸気量積算値ΣGAS1,ΣGAS2への吸気量GAの積算(S108,S132)、及び目標吸気量積算値ΣGAT1,ΣGAT2への目標吸気量GISCの積算(S110,S134)が開始される。
図6は本実施の形態における処理の一例を示すタイミングチャートである。ここで始動完了直後であって、|ΔNE|>X2である状態では(t1前:S106でno、S130でno)、いまだ吸気補正量ΔGA=0(初期設定状態)である。このためスロットル開度制御処理(図5)では目標吸気量補正量dGISCは増加せず「0」のままである。したがって前記式15では目標吸気量GISCの補正はなされない。
その後、準安定範囲(|ΔGISC|≦Y2であって|ΔNE|≦X2)内となる(t1:S130でyes)。このことにより第2実測吸気量積算値ΣGAS2と第2目標吸気量積算値ΣGAT2との積算が開始される(t1〜t3:S132,S134)。そして積算が終了すると(S138でno)、第2実測吸気量積算値ΣGAS2と第2目標吸気量積算値ΣGAT2とのそれぞれの平均値GAS,GATが算出される(S140,S142)。そして平均値GAS,GATの差の値が、前記式7による算出と、現在の目標吸気量補正量dGISC分の減算とにより吸気補正量ΔGAに設定される(t4:S144,S146)。そしてスロットル開度制御処理(図5)にて吸気補正量ΔGAが補正単位量Ugaに分割されて順次、目標吸気量GISCを補正することで目標スロットル開度TAtに反映される(t5〜t9)。
そして吸気補正量ΔGAが「0」に戻り、前記冷間時アイドル運転制御処理(図2,3)のステップS101にてyesと判定されるようになる。図6の例では、この時には内燃機関2が安定化しており安定範囲(|ΔGISC|≦Y1であって|ΔNE|≦X1)内となっている(t9直後:S130でyes)。このことにより、第1実測吸気量積算値ΣGAS1と第1目標吸気量積算値ΣGAT1との積算が開始される(t10〜t12:S108,S110)。そして積算が終了すると(S114でno)、第1実測吸気量積算値ΣGAS1と第1目標吸気量積算値ΣGAT1とのそれぞれの平均値GAS,GATが算出される(S116,S118)。そしてこの差の値が準安定範囲のようには抑制されずに、現在の目標吸気量補正量dGISC分を差し引かれて吸気補正量ΔGAに設定される(t13:S120,S121)。そしてスロットル開度制御処理(図5)にて吸気補正量ΔGAが補正単位量Ugaに分割されて順次、目標吸気量GISCを補正して目標スロットル開度TAtに反映されるが、この時には実際には最初から吸気補正量ΔGA<Ugaであるので1回で終了する(t14)。尚、図6の例では、ステップS121にて求められた吸気補正量ΔGAはマイナスであり、目標吸気量補正量dGISCを減少させている。
その後、吸気補正量ΔGA=0の状態に戻って、第1実測吸気量積算値ΣGAS1と第1目標吸気量積算値ΣGAT1との積算が繰り返される(t15〜)。しかし、いずれも前記冷間時アイドル運転制御処理(図2,3)のステップS121にて算出される吸気補正量ΔGAは「0」であることから、目標吸気量補正量dGISCの値は変化せず維持されている。
上述した構成において、請求項との関係は、前記冷間時アイドル運転制御処理(図2,3)のステップS102,S104がアイドル運転安定度検出手段としての処理に、ステップS106が安定度判定手段としての処理に、ステップS108〜S121が安定時吸気補正量算出手段としての処理に相当する。更にステップS130が準安定度判定手段としての処理に、ステップS132〜S146が準安定時吸気補正量算出手段としての処理に、スロットル開度制御処理(図5)が吸気調節量補正手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).内燃機関2の運転状態が安定範囲(ステップS106でyesと判定される範囲)内でなくても、内燃機関2の運転状態が準安定範囲(ステップS130でyesと判定される範囲)内であれば、準安定時吸気補正量として吸気補正量ΔGAを算出する。そしてこの吸気補正量ΔGAを用いて目標スロットル開度TAtを補正することで目標吸気量と実際の吸気量との差を小さくしている。
この準安定範囲にて求められた吸気補正量ΔGAは、吸気量GAと目標吸気量GISCとの差(実際には平均値GASと平均値GATとの差)の値に対しては、前記式7により、安定範囲内にて求められる安定時吸気補正量としての吸気補正量ΔGAよりも抑制した値として設定している。したがって準安定時吸気補正量としての吸気補正量ΔGAは、安定時吸気補正量としての吸気補正量ΔGAに比較して精度が低くても、それだけ抑制した値として設定していることにより、目標吸気量と実際の吸気量との差を小さくする補正を実行しても、内燃機関2を不安定化させることがない。
このような性質を持つ2種類の吸気補正量ΔGAの内で、算出が完了した方の吸気補正量ΔGAによりスロットル開度TA(実際にはその目標値である目標スロットル開度TAt)を補正する。したがって安定範囲内になくても、準安定範囲内となれば準安定時吸気補正量としての吸気補正量ΔGAにより目標スロットル開度TAtの補正が可能となる。しかもこの吸気補正量ΔGAは前述したごとく安定範囲内にて求められる吸気補正量ΔGAよりも抑制した値とされているので、内燃機関2を不安定化させることがない。このため早期に補正が可能となって内燃機関2の安定化を促進できる。
このように実際の吸気量GAと目標吸気量GISCとの間にずれが生じて内燃機関2のアイドル運転における運転安定性が低下した状態でも、内燃機関2を不安定化させずに目標吸気量と実際の吸気量との差を小さくすることができる。このことにより暖機時において早期に内燃機関2の安定運転を確保でき、吸気量の過不足による燃費の悪化、回転数の吹き上がり、暖機性の悪化を防止することができる。
(ロ).スロットル開度制御処理(図5)では、吸気補正量ΔGAが大きい場合には、直ちに目標スロットル開度TAtに反映させると、逆に内燃機関2に回転数のオーバーシュートなどの不安定化を招くおそれがある。このため吸気補正量ΔGAが大きい場合、ここでは補正単位量Ugaよりも大きい場合に、複数回に分割して間隔を置いて段階的に目標スロットル開度TAtに反映させている。
このことにより急激に吸気量GAが変化することが防止されて、内燃機関回転数NEの不安定化を防止でき、内燃機関2の運転安定性をより確実に維持することができる。
(ハ).図4に示したごとく、準安定範囲内において用いる抑制値αは、内燃機関回転数変動値の絶対値|ΔNE|(又は目標吸気量変動値の絶対値|ΔGISC|)が大きいほど、すなわち運転安定度が低いほど大きくして、吸気補正量ΔGAに対する抑制を強めている。すなわち運転安定度が低いほど吸気補正量ΔGAに現れる誤差も大きくなることに鑑み、吸気補正量ΔGAに対する抑制を強めている。このことにより、更に内燃機関の運転安定性を維持しやすくなる。
(ニ).冷間時においては、点火時期の調節により内燃機関回転数NEを目標回転数NTに制御しているので、更に安定した内燃機関2の運転を実現することができる。
[実施の形態2]
本実施の形態では、前記冷間時アイドル運転制御処理(図2,3)のステップS144にて抑制演算子Dec()に用いられる抑制値αが図7のごとく設定される。ここで、抑制値αが内燃機関回転数変動値の絶対値|ΔNE|(又は目標吸気量変動値の絶対値|ΔGISC|)が大きいほど大きい値が設定される点については図4の場合と同じである。ただし点火時期で制御される内燃機関回転数NEと目標回転数NTとの差の絶対値|NE−NT|が小さいほど|ΔNE|(又は|ΔGISC|)の増減に対する抑制値αの増減を大きくし、|NE−NT|が大きいほど|ΔNE|(又は|ΔGISC|)の増減に対する抑制値αの増減を小さくしている。他の構成については前記実施の形態1と同じである。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の効果に加えて、次の効果を生じる。すなわち図7に示したごとく抑制値αが設定されることにより、実際の内燃機関回転数NEと目標回転数NTとが離れているほど吸気補正量ΔGAを抑制しないようにしている。
内燃機関回転数NEが目標回転数NTから大きくずれている状態では、実際の吸気量GAについても、その目標吸気量GISCから大きくずれていると考えられることから、吸気補正量ΔGAの抑制を弱めることにより、早期に吸気量が適正化できる。このことにより内燃機関回転数NEも目標回転数NTに収束しやすくなり、より内燃機関の運転安定性を確保しやすくなる。
[実施の形態3]
本実施の形態では、前記実施の形態1又は前記実施の形態2において、前記冷間時アイドル運転制御処理(図2,3)のステップS144にて用いられる抑制値α(図4,7から算出)に対して、次の(1)〜(3)に示すごとく吸気量に対する点火時期の進角値θの影響に応じて減少処理がなされる。
(1).GAS−GAT>0である状態で、内燃機関回転数NE>目標回転数NTであって進角値θ<0(定常時点火時期より遅角側への点火時期補正)場合には、図8にて進角値θから戻し値β(g/s)が求められる(β<0)。
(2).GAS−GAT<0である状態で、NE<NTであって進角値θ>0(定常時点火時期より進角側への点火時期補正)場合には、図8にて進角値θから戻し値βが求められる(β>0)。
(3).上記(1)又は(2)以外では、戻し値β=0である。
上述のごとく求められた戻し値βにより式18に示すごとく抑制値αの減算がなされる。ただし戻し値βが抑制値αを越えた場合は、抑制値α=0とされる。
[式18] α ← α − β
この式18にて求められた抑制値αが前記式7にて説明したごとく用いられる。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1又は2の効果に加えて、次の効果を生じる。
内燃機関回転数制御が点火時期の調節により行われている状況では、スロットルバルブ26による調節とは別個に回転数の調節による吸気量GAの増減が生じる。このように点火時期の調節によって吸気量GAに対する影響がある場合には、その分、準安定時吸気補正量として求められる吸気補正量ΔGAに対する抑制値αによる抑制を弱めた方が、より適正な吸気補正となる。したがって該当する内燃機関運転状態では、戻し値βにより抑制値αを上述のごとく減少させることにより、適切な抑制ができ、更に内燃機関2の運転安定性を確保しやすくなる。
[その他の実施の形態]
(a).前記各実施の形態において、抑制演算子Dec()での抑制処理は抑制値αの加減算でなく、(GAS−GAT)の値に対する抑制係数ka(0<ka<1)の乗算によっても良い。戻し値βについても、抑制値αに対する戻し係数kb(0<kb<1)の乗算を行っても良い。
(b).前記冷間時アイドル運転制御処理(図2,3)では、準安定範囲(ステップS130でyesと判定される範囲)は1つのみであったが、更に範囲の広い第2の準安定範囲を設定して準安定時吸気補正量としての吸気補正量ΔGAを求めても良い。この第2の準安定範囲では、その範囲の広さに応じて吸気補正量ΔGAの値に対する抑制を強める。更に、第2の準安定範囲よりも範囲の広い準安定範囲を1つ又は複数設けても良く、同様にその範囲の広さに応じて吸気補正量ΔGAの値に対する抑制を強める。
(c).安定範囲(図2:S106)及び準安定範囲(図3:S130)については、|ΔNE|と|ΔGISC|とにより判定したが、|ΔNE|と|ΔGISC|とのいずれか一方にて判定しても良い。
実施の形態1の車両搭載内燃機関及びECUの概略構成図。 実施の形態1の冷間時アイドル運転制御処理のフローチャート。 実施の形態1の冷間時アイドル運転制御処理のフローチャート。 実施の形態1において抑制値αを算出するためのマップの構成説明図。 実施の形態1のスロットル開度制御処理のフローチャート。 実施の形態1における制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態2において抑制値αを算出するためのマップの構成説明図。 実施の形態3において抑制値αの戻し値βを算出するためのマップの構成説明図。
符号の説明
2…内燃機関、2a…吸気バルブ、2b…排気バルブ、4…ECU、10…燃焼室、12…燃料噴射弁、14…点火プラグ、16…吸気ポート、20…吸気通路、22…サージタンク、24…スロットルバルブ用モータ、26…スロットルバルブ、28…スロットル開度センサ、30…吸気量センサ、32…排気ポート、36…排気通路、38…触媒コンバータ、40…空燃比センサ、46…アクセルペダル、48…アクセル開度センサ、50…内燃機関回転数センサ、52…基準クランク角センサ、54…冷却水温センサ、56…吸気温センサ、58…外気温センサ、60…排気温センサ、AC…エアコン。

Claims (3)

  1. 内燃機関のアイドル運転時に吸気量を制御する内燃機関制御装置であって、
    アイドル運転における運転安定度を検出するアイドル運転安定度検出手段と、
    前記アイドル運転安定度検出手段にて検出された運転安定度が安定範囲内か否かを判定する安定度判定手段と、
    前記安定度判定手段にて前記運転安定度が安定範囲内にあると判定されている期間に実際の吸気量と目標吸気量との差を求め、該差に応じて安定時吸気補正量を算出する安定時吸気補正量算出手段と、
    前記アイドル運転安定度検出手段にて検出された運転安定度が、前記安定範囲よりも広い範囲に設定された準安定範囲内か否かを判定する準安定度判定手段と、
    前記準安定度判定手段にて前記運転安定度が前記準安定範囲内にあると判定されている期間に実際の吸気量と目標吸気量との差を求め、該差に応じた準安定時吸気補正量を、前記安定時吸気補正量の場合よりも抑制して算出する準安定時吸気補正量算出手段と、
    前記安定時吸気補正量と前記準安定時吸気補正量との内で算出が完了した吸気補正量により吸気量調節機構での調節量を補正する吸気調節量補正手段とを備え
    内燃機関の点火時期を調節することにより内燃機関回転数を目標回転数に制御し、
    前記準安定時吸気補正量算出手段は、前記点火時期の調節量が大きいほど、前記準安定時吸気補正量に対する抑制を弱める
    ことを特徴とする内燃機関制御装置。
  2. 請求項において、前記準安定時吸気補正量算出手段は、実際の内燃機関回転数と前記目標回転数との差の絶対値が大きいほど、前記準安定時吸気補正量に対する抑制を弱めることを特徴とする内燃機関制御装置。
  3. 請求項1又は2において、前記準安定範囲の広さが異なる複数の前記準安定度判定手段と前記準安定時吸気補正量算出手段との組み合わせが設けられていることを特徴とする内燃機関制御装置。
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