JP2007187119A - 内燃機関の空燃比制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】空燃比をフィードバック制御する場合に、車両部品の製造精度のばらつきや経年変化により目標とする空燃比の範囲が変化するが、その変化に対応するために触媒下流のO2センサの出力に基づく補正係数を広範囲に設定可能にすると、エミッションの排出量が増加した。
【解決手段】排気系に触媒を備えるとともに、触媒の下流に空燃比を検出する検出手段を備えてなる内燃機関において、その検出手段の出力する検出値に基づいて設定する補正係数により実際の空燃比が目標領域に収まるように内燃機関の空燃比をフィードバック制御するものであって、検出手段により検出した空燃比が切り替わるタイミングにおいて補正係数を学習し、内燃機関の始動後において補正係数の学習値の変動が収束した場合に補正係数を設定し得る範囲を規定する許容範囲を狭くする変更を行う。
【選択図】図3
【解決手段】排気系に触媒を備えるとともに、触媒の下流に空燃比を検出する検出手段を備えてなる内燃機関において、その検出手段の出力する検出値に基づいて設定する補正係数により実際の空燃比が目標領域に収まるように内燃機関の空燃比をフィードバック制御するものであって、検出手段により検出した空燃比が切り替わるタイミングにおいて補正係数を学習し、内燃機関の始動後において補正係数の学習値の変動が収束した場合に補正係数を設定し得る範囲を規定する許容範囲を狭くする変更を行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば自動車などの車両に搭載される内燃機関の空燃比制御方法に関するものである。
従来、車両例えば自動車に搭載される内燃機関(以下、エンジンと称する)においては、排気系に設けられた触媒における排気ガスの浄化効率を良好に保つために、空燃比が目標となる値になるように燃料量を制御して空燃比を制御している。このように空燃比を制御する場合、触媒の下流側に設けられた下流側O2センサが出力する検出値に基づいて空燃比をフィードバック制御するためのフィードバック補正係数の制御中心のずれを、制御定数を増減して補正するようにしたものが知られている(例えば特許文献1)。このような空燃比のフィードバック制御においては、排気ガスに含まれるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)及びNOx(窒素酸化物)を触媒が最も効率よく浄化できる範囲(以下、ウインドウと称する)に空燃比が収まるように制御するものである。
上述の特許文献1のものでは、空燃比がリッチであることを下流側O2センサが検出している場合に、空燃比がリッチである期間は制御定数を補正するための制御定数対応値を小さくし、空燃比がリーンとなるタイミングで下流側O2センサの出力信号が切り替わる場合に制御定数対応値を所定値(スキップ値)だけ増加させ、増加させた制御定数対応値を維持(学習)し、その後、空燃比がリーンであることを下流側O2センサが検出している間、制御定数対応値を増加させるものである。
特許第2912478号明細書
ところで、上述のように、学習によりその都度更新される制御定数対応値により制御定数を補正するものにあっては、制御定数対応値を変更し得る範囲を広く設定している。これは、車両を構成する部品の製造精度のばらつきや経年変化により、上述のウインドウが変化することに起因するものである。このため、制御定数対応値を学習しているにもかかわらず、その更新し得る範囲を広く設定しているために、場合によっては範囲に入っている制御定数対応値であるにもかかわらず、制御した結果、空燃比が経年変化などで変化したウインドウに収まらない、といった事態に至ることがある。
このような制御結果となると、制御定数対応値は更新し得る範囲に収まっているにもかかわらず、そのような制御定数対応値により空燃比がリッチ側に補正されすぎるとCOやHCの排出量が増加される状態となり、またリーン側に補正されすぎるとNOxの排出量が増加される状態となる可能性が生じるものである。この結果、車両に対する排気ガス規制の要件を満たすことが困難になるものである。
そこで本発明は、このような不具合を解消することを目的としている。
すなわち、本発明の内燃機関の空燃比制御方法は、排気系に触媒を備えるとともに、触媒の下流に空燃比を検出する検出手段を備えてなる内燃機関において、その検出手段の出力する検出値に基づいて設定する補正係数により実際の空燃比が目標領域に収まるように内燃機関の空燃比をフィードバック制御するものであって、検出手段により検出した空燃比が切り替わるタイミングにおいて補正係数を学習し、内燃機関の始動後において補正係数の学習値の変動が収束した場合に補正係数を設定し得る範囲を規定する許容範囲を狭くする変更を行うことを特徴とする。
このような構成によれば、検出手段により検出した空燃比が切り替わるタイミング、つまり空燃比がほぼ目標領域の中央付近になるタイミングで補正係数を学習することになるので、排気ガス中のCO,HC,NOxの排出量が少ない状態の学習値を得ることが可能になる。そして、学習値が変動しない状態に近似した場合に、補正係数に対する許容範囲を狭くすることにより、補正係数が大きく変動することが規制される。この結果、このような補正係数により空燃比のフィードバック制御を行うことで、排気ガス中のCO,HC,NOxの排出量を抑制することが可能になる。
排気ガス中のCO,HC,NOxの排出量をさらに抑制するためには、変更後の許容範囲は触媒を通過する排気ガスの流量に基づいて設定するものであり、排気ガスの流量が多いほど許容範囲を狭くするものや、内燃機関の始動後、補正係数の学習値の変動が収束した時に補正係数を一定値に固定するものが好ましい。
本発明は、以上説明したような構成であり、学習値が変動しない状態に近似した場合に、補正係数に対する許容範囲を狭くすることにより、補正係数が大きく変動することを規制し、そのような補正係数により空燃比のフィードバック制御を行うことで、排気ガス中のCO,HC,NOxの排出量を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に概略的に示したエンジン100は、自動車用の火花点火式4サイクル4気筒のもので、その吸気系1には図示しないアクセルペダルに応動して開閉するスロットルバルブ2が配設され、その下流側にはサージタンク3が設けられている。サージタンク3に連通する一方の端部近傍には、さらに燃料噴射弁5が設けてあり、その燃料噴射弁5を、電子制御装置6により制御するようにしている。燃焼室30を形成するシリンダヘッド31には、吸気弁32及び排気弁33が配設されるとともに、火花を発生するスパークプラグ18が取り付けてある。また排気系20には、図示しないマフラに至るまでの管路に触媒である三元触媒22が配設され、排気ガス中の酸素濃度を測定して空燃比を制御するための信号を出力する主O2 センサ21が、その三元触媒22の上流の位置に配設されているとともに、同じく空燃比を検出する検出手段たる副O2 センサ23が三元触媒22の下流に配設されている。なお、図1にあっては、エンジン100の1気筒の構成を代表して図示している。
電子制御装置6は、中央演算処理装置7と、記憶装置8と、入力インターフェース9と、出力インターフェース11と、A/Dコンバータ10とを具備してなるマイクロコンピュータシステムを主体に構成されている。入力インターフェース9には、サージタンク3内の圧力すなわち吸気管圧力を検出するための吸気圧センサ13から出力される吸気圧信号a、エンジン100の回転状態を検出するためのカムポジションセンサ14から出力される気筒判別信号G1とクランク角度基準位置信号G2とエンジン回転数信号b、車速を検出するための車速センサ15から出力される車速信号c、スロットルバルブ2の開閉状態を検出するためのアイドルスイッチ16から出力されるIDL信号d、エンジン100の冷却水温を検出するための水温センサ17から出力される水温信号e、上記した主O2 センサ21から出力される出力信号(電圧信号)h、副O2 センサ23から出力される出力信号(電圧信号)k等が入力される。一方、出力インターフェース11からは、燃料噴射弁5に対して燃料噴射信号fが、またスパークプラグ18に対してイグニションパルスgが出力されるようになっている。
電子制御装置6には、吸気圧センサ13から出力される吸気圧信号aとカムポジションセンサ14から出力される回転数信号bとを主な情報とし、エンジン100の運転状態に応じて決まる各種の補正係数で基本噴射時間(基本噴射量)を補正して燃料噴射弁開成時間すなわちインジェクタ最終通電時間Tを決定し、その決定された通電時間により燃料噴射弁5を制御して、エンジン負荷に応じた燃料を吸気系1に噴射させるためのプログラムが内蔵してある。基本噴射量を補正する補正係数としては、吸気温度に応じた増量をするための吸気温度補正係数、空燃比をフィードバック制御する場合のフィードバック補正係数FAF、出力を要求された場合のパワー増量補正係数などがある。
空燃比のフィードバック制御を実行する際には、実際の空燃比がほぼ理論空燃比近傍となるようにフィードバック補正係数FAFを主O2 センサ21からの出力信号hに応じて、例えば図2に示すように変化させるものである。すなわち主O2 センサ21の出力信号hが判定値を上回ってリッチ状態を検出している際には、フィードバック補正係数FAFを所定の積分定数KIMを用いて燃料を減量する方向に徐々に減少させていく。一方、主O2 センサ21の出力信号hが判定値を下回ってリーン状態を検出している際には、出力信号hが判定値に達してから遅延時間TDLが経過した時点で、フィードバック補正係数FAFを一定のスキップ値RSPだけ燃料を増量する側にスキップし、その後にフィードバック補正係数FAFを所定の積分定数KIPを用いて燃料を増量する側に増加させていく。さらに、燃料を増量した結果、主O2 センサ21がリッチ状態を検出した場合には、主O2 センサ21の出力信号hが判定値を上回る時点から所定の遅延時間TDRが経過した後に、フィードバック補正係数FAFを一定のスキップ値RSMだけ燃料を減量する側にスキップし、その後にフィードバック補正係数FAFを所定の積分定数KIMを用いて燃料を減量する側に減量させていく。そして、フィードバック補正係数FAFに対して上述の操作を繰り返し実行することにより、実際の空燃比を理論空燃比に近づけるようにしている。
なお、この実施形態では、前述した各制御定数の内、積分定数KIM,KIPとスキップ値RSP,RSMとは一定値に設定しているが、遅延時間TDR,TDLは副O2 センサ23の出力信号kに応じて変化させるようにしている。このような構成のために、遅延時間TDR,TDLを補正するための補正係数である遅延時間補正係数FACFiを設定するものである。すなわち、遅延時間補正係数FACFiは、電子制御装置6に格納してある空燃比制御プログラムにより、副O2 センサ23により検出した空燃比が切り替わるタイミングにおいて学習されるものである。空燃比が切り替わるタイミングとは、副O2 センサ23の出力信号が判定値(上述の判定値と異なるものであってもよい)を上回る状態から下回る状態、及び判定値を下回る状態から上回る状態に変化するタイミングである。
遅延時間補正係数FACFiは、図3に示すように、副O2 センサ23の出力信号が判定値を上回っている場合に減少させ、副O2 センサ23の出力信号が判定値と等しくなるつまり上回る状態から下回る状態に切り替わるタイミングで一定値だけ増加させ、副O2 センサ23の出力信号kが判定値を下回っている間は徐々に増加させるようにしてある。具体的には、遅延時間補正係数FACFiは、マップにより設定してあり、増減する補正値を設定しておき、時間の経過とともにその補正値により補正して算出している。そして、遅延時間補正係数FACFiの学習値FKGMNは、遅延時間補正係数FACFiを一定値だけ増加させた際の増加前の値、増加後の値又は増加前の値と増加後の値との中間の値あるいはその平均値のいずれかを学習して得るものである。
そして、その空燃比制御プログラムにあっては、エンジン100の始動後において遅延時間補正係数FACFiの学習値FKGMNの変動が収束した場合に遅延時間補正係数FACFiを設定し得る範囲を規定する許容範囲を狭くする変更を行うように、プログラミングしてある。許容範囲は、上限値faimaxと下限値faiminとで規定するもので、以下に説明する条件が成立するまでは、設定された初期上限値kfaimaxと初期下限値kfaiminとにより規定されるものである。始動後において遅延時間補正係数FACFiの学習を開始した後にあっては、学習値FKGMNに対して設定された条件が成立した場合に、上限値faimaxが初期上限値kfaimaxより小さくなるように設定するとともに、下限値faiminが初期下限値kfaiminより大きくなるように設定して、許容範囲を狭くするものである。
この実施形態の空燃比制御プログラムを、図4,5を参照して説明する。なお、この空燃比制御プログラムは、エンジン100を運転している間に所定時間毎に繰り返し実行されるものである。
まずステップS1では、副O2 センサ23に基づく空燃比のフィードバック制御が実行中であるか否かを判定する。この判定は、フィードバック制御の実行時にセットされる実行フラグxfb2の状態に基づいて行われる。実行フラグxfb2がセット(=1)されている場合にはフィードバック制御の実行中と判定してステップS2に進む。一方、実行フラグxfb2がリセット(=0)されている場合は、この空燃比制御プログラムを終了する。
ステップS2では、空燃比制御中心学習完了フラグxfaikgがセットされているか否かを判定する。この判定は、空燃比制御中心学習完了フラグxfaikgは、遅延時間補正係数FACFiが一定値だけ増減された回数、言い換えれば副O2 センサ23により検出された三元触媒22の下流における空燃比がリーンからリッチあるいはリッチからリーンに変化した回数が所定回数を上回った場合にセットするものである。この判定において、空燃比制御中心学習完了フラグxfaikgがセットされている場合は、遅延時間補正係数FACFiの学習が実行され、かつ学習された学習値FKGMNの変動が収束したことを判定するもので、この空燃比制御プログラムを終了する。
ステップS3では、遅延時間補正係数FACFiを一定値だけ増減させた際にセットするスキップスラグxsoskipの回数が、所定回数kfaiskip以上か否かを判定する。この所定回数kfaiskipは、あらかじめ実験などにより決定するもので、例えば3〜5回とする。空燃比制御中心学習完了フラグxfaikgがセットされた回数が所定回数kfaiskip以上である場合はステップS4に進み、そうでない場合はステップS5に進む。この判定は、学習値FKGMNが変動しているか否かを判定するもので、所定回数kfaiskip以上をある場合に学習値FKGMの変動が収まったと判定し、所定回数kfaiskipに満たない場合は変動していると判定するものである。
ステップS4では、空燃比制御中心学習完了フラグxfaikgをセットする。ステップS5では、空燃比制御中心学習完了フラグxfaikgをリセットする。
次に、許容範囲を変更する手順を説明する。
まずステップS11では、空燃比制御中心学習完了フラグxfaikgがセットされているか否かを判定する。すなわち、上述したように、空燃比制御中心学習完了フラグxfaikgがセットされていることは、学習された遅延時間補正係数FACFiの学習値FKGMNの変動が収束した状態にあることを判定するものである。したがって、空燃比制御中心学習完了フラグxfaikgがセットされている場合はステップS12に進み、セットされていないつまりリセットされている場合はステップS14に進む。
ステップS12では、許容範囲を調整するための上限調整値faimaxkg及び下限調整値faiminkgを算出する。この上限調整値faimaxkg及び下限調整値faiminkgは、調整値マップにより設定してある。調整値マップは、車速、排気ガス量(吸入空気量から換算する)、エンジン回転数の少なくとも一つをパラメータにして上限調整値faimaxkg及び下限調整値faiminkgを設定するものである。具体的には、上限調整値faimaxkg及び下限調整値faiminkgはパラメータが大きくなる、つまり車速が高くなる、排気ガス量が多くなる、エンジン回転数が高くなるに応じて小さくなるように設定してある。この実施形態においては、パラメータとして排気ガス量を用いるものである。調整値マップにあっては、パラメータの代表値に対して上限調整値faimaxkg及び下限調整値faiminkgが設定してあり、代表値以外のついては補間計算を行って上限調整値faimaxkg及び下限調整値faiminkgを算出するものである。
ステップS13では、ステップS12で算出した上限調整値faimaxkg及び下限調整値faiminkgと学習値FKGMNとにより上限値faimax及び下限値faiminを下式により算出して設定する。
faimax=FKGMN+faimaxkg (1)
faimin=FKGMN−faiminkg (2)
このように上限値faimaxと下限値faiminとを設定することにより、学習値FKGMNを基準として許容範囲が設定される。なお上限調整値faimaxkgと下限調整値faiminkgとは同一値でなくともよく、この実施形態にあっては、下限調整値faiminkgを上限調整値faimaxkgより大きくして、学習値FKGMNが低くなる側の調整余裕を大きく設定している。
faimax=FKGMN+faimaxkg (1)
faimin=FKGMN−faiminkg (2)
このように上限値faimaxと下限値faiminとを設定することにより、学習値FKGMNを基準として許容範囲が設定される。なお上限調整値faimaxkgと下限調整値faiminkgとは同一値でなくともよく、この実施形態にあっては、下限調整値faiminkgを上限調整値faimaxkgより大きくして、学習値FKGMNが低くなる側の調整余裕を大きく設定している。
ステップS14では、上限値faimaxに初期上限値kfaimaxを設定するとともに、下限値faiminに初期下限値kfaiminを設定する。つまり、学習値FKGMNの変動が収束していない場合においては、上限値faimax及び下限値faiminがそれぞれ、その初期上限値kfaimax及び初期下限値kfaiminにより設定し、許容範囲を広く設定するものである。
以上の構成において、エンジン100を始動した後、この空燃比制御プログラムを所定時間毎に繰り返し実行し、副O2センサ23により空燃比をフィードバック制御するもので、始動後においては、制御精度を上げるために遅延時間補正係数FACFiの取りうる値の範囲である許容範囲を狭くするものである。
すなわち、図3に示すように、エンジン100を始動した後、遅延時間補正係数FACFiの学習値FKGMNが変動している場合(図3においては時間の経過とともに大きくなっている)、つまり遅延時間補正係数FACFiを一定値だけ増減させた回数が所定回数に達していない場合には、制御は、ステップS1、ステップS2、ステップS3及びステップS5と進んで、学習値FKGMNが未だ変動していて収束していないと判定し、その結果として空燃比制御中心学習完了フラグxfaikgをリセットするものである。このように、学習値FKGMNの変動が収束していないと判定した場合には、遅延時間補正係数FACFiに対する許容範囲を初期上限値kfaimax及び初期下限値kfaiminにより規定し(ステップS11、ステップS14)、学習値FKGMNに変動が生じても遅延時間補正係数FACFiにより遅延時間を補正し得る状態を維持するものである。
そして、エンジン100の始動から時間が経過し、その間にこの空燃比制御プログラムを繰り返し実行して、遅延時間補正係数FACFiを一定だけ増減した回数が所定回数kfaiskip以上となった場合には、空燃比制御中心学習完了フラグxfaikgをセット(ステップS1、ステップS2、ステップS3、ステップS4を順に実行する)して、学習値FACFiの変動が収束したと判定する。このようにして、学習値FKGMNの安定を示す空燃比制御中心学習完了フラグxfaikgがセットされると、その時のエンジン100の運転状態に応じて調整値マップを検索して上限調整値faimaxkg及び下限調整値faiminkgを算出し(ステップS12)、上述の式(1)及び式(2)により遅延時間補正係数FACFiに対する許容範囲を設定するものである(ステップS13)。
この結果、フィードバック補正係数FAFをスキップさせるタイミングを規定する遅延時間TDL,TLRを遅延時間補正係数FACFiにより補正する場合に、許容範囲が初期状態に比べて狭くされているので、遅延時間補正係数FACFiを例えば空燃比をリッチ側に大きくするような値にしてフィードバック補正係数FAFを補正することを防止することができる。つまり、遅延時間補正係数FACFiが大きくなると、フィードバック補正係数FAFをスキップするまでの遅延時間TDL,TLRが長くなり、よって積分を継続している時間が長くなり、結果として空燃比がリッチ側あるいはリーン側に補正されすぎる状態となるが、遅延時間補正係数FACFiに対する許容範囲は、遅延時間補正係数FACFiの学習値FKGMNが安定したことを判定した後に狭くするので、フィードバック補正係数FAFを適正に補正することができるものである。この結果、理論空燃比を含む目標領域に実際の空燃比を保持して、空燃比がリッチ側やリーン側に振れて排気ガスに含まれるCO,HC,NOxの排出量が増加するような運転状態を効果的に抑制することができるものである。
またこの実施形態では、遅延時間補正係数FACFiに対する許容範囲を調整することにおいて、三元触媒22を通過した排気ガス量をパラメータとして上限調整値faimaxkg及び下限調整値faiminkgを設定している、つまり排気ガス量が多くなるほど許容範囲が狭くなるように上限調整値faimaxkg及び下限調整値faiminkgを設定しているので、排気ガスに含まれるCO,HC,NOxの排出量を抑制することができるものである。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
以上に説明したように、副O2センサ23の出力信号kにより空燃比を制御するためのフィードバック補正係数FAFを遅延時間補正係数FACFiにより補正することで
空燃比の補正を行うものであるが、このような副O2センサ23による空燃比の補正は、車両部品の製造精度のばらつきや経年変化に対応するために行うものである。そして、その補正を行うために設定する遅延時間補正係数FACFiは、経年変化などがエンジン100を始動し、運転を終了するまでの間に大きく変化することはないので、一旦学習した後は大きく変化させる必要はない。したがって、エンジン100の始動後において遅延時間補正係数FACFiの学習値FKGMNの変動が収束した場合には遅延時間補正係数FACFiの許容範囲を狭くしても問題が生じるものではない。
空燃比の補正を行うものであるが、このような副O2センサ23による空燃比の補正は、車両部品の製造精度のばらつきや経年変化に対応するために行うものである。そして、その補正を行うために設定する遅延時間補正係数FACFiは、経年変化などがエンジン100を始動し、運転を終了するまでの間に大きく変化することはないので、一旦学習した後は大きく変化させる必要はない。したがって、エンジン100の始動後において遅延時間補正係数FACFiの学習値FKGMNの変動が収束した場合には遅延時間補正係数FACFiの許容範囲を狭くしても問題が生じるものではない。
以上のことから、上述の実施形態においては、エンジン100の始動後において、遅延時間補正係数FACFiの学習値FKGMNの変動が収束した後も、遅延時間補正係数FACFiを補正係数により補正したが、遅延時間補正係数FACFiを一定の値にして空燃比の補正を行うものであってもよい。この場合、遅延時間補正係数FACFiは、学習値FKGMNを適用するもの、あるいは学習値FKGMNから所定の値を減算したもの、学習値FKGMNに所定の値を加算したものであってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
20…排気系
22…三元触媒
23…副O2センサ
6…電子制御装置
7…中央処理装置
8…記憶装置
9…入力インターフェース
11…出力インターフェース
FACFi…遅延時間補正係数
FKGMN…学習値
22…三元触媒
23…副O2センサ
6…電子制御装置
7…中央処理装置
8…記憶装置
9…入力インターフェース
11…出力インターフェース
FACFi…遅延時間補正係数
FKGMN…学習値
Claims (3)
- 排気系に触媒を備えるとともに、触媒の下流に空燃比を検出する検出手段を備えてなる内燃機関において、その検出手段の出力する検出値に基づいて設定する補正係数により実際の空燃比が目標領域に収まるように内燃機関の空燃比をフィードバック制御するものであって、
検出手段により検出した空燃比が切り替わるタイミングにおいて補正係数を学習し、
内燃機関の始動後において補正係数の学習値の変動が収束した場合に補正係数を設定し得る範囲を規定する許容範囲を狭くする変更を行う内燃機関の空燃比制御方法。 - 変更後の許容範囲は触媒を通過する排気ガスの流量に基づいて設定するものであり、排気ガスの流量が多いほど許容範囲を狭くする請求項1記載の内燃機関の空燃比制御方法。
- 内燃機関の始動後、補正係数の学習値の変動が収束した時に補正係数を一定値に固定する請求項1又は2記載の内燃機関の空燃比制御方法。
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