JP4935236B2 - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼モードの切り換えなどを行う内燃機関の燃焼制御装置に関する。
従来から、例えば空燃比の互いに異なるストイキ燃焼やリーン燃焼等の燃焼モードへ切り換える技術が行われている。このような燃焼モードの切り換えの際、例えばトルク段差等の出力段差が大きく生じてしまう場合があり、この出力段差を抑制するため各種の技術が提案されている。例えば、特許文献1では、燃焼モードを切り換える際、吸入空気量等から推定される内燃機関のトルクが切り換え後の所定のトルクに一致するまで点火時期を遅角する、即ちトルク補正を行うことにより切り換え時のトルク段差を抑制する技術が提案されている。
特開平11−22609号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載された技術においては、製品ばらつきや経年劣化等に起因して、推定されるトルクに誤差が生じた場合に、燃焼モードが適切に切り換わらない可能性があった。そのため、点火遅角などが長時間継続されてしまい、不具合が発生する場合があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、燃焼モードの切り換え時に発生し得るトルク段差を適切に抑制しつつ、燃焼モードを適切に切り換えることが可能な内燃機関の燃焼制御装置を提供することにある。
本発明の1つの観点では、燃焼モードの切り換え時に発生し得るトルク段差を防止するための制御を実行する内燃機関の燃焼制御装置は、前記燃焼モードの切り換え開始から所定時間経過した際に、強制的に前記燃焼モードを切り換える強制切り換え手段と、前記強制切り換え手段によって前記燃焼モードが強制的に切り換えられた回数が所定回数以上であるか否か判定する判定手段と、前記判定手段によって燃焼モードが強制的に切り換えられた回数が所定回数以上であると判定された場合、次回の燃焼モードの切り換え時に用いる制御値を補正する制御値補正手段と、を備え、前記制御値は、空気量の推定値、スロットル開度、及びリーン燃焼時のトルク推定値のいずれか1つであり、前記空気量の推定値は、前記燃焼モードの切り換え前後のトルクが等しくなるように、前記燃焼モードの切り換え時の制御に用いるための空気量であり、前記スロットル開度は、前記空気量の推定値を実現するためのスロットル開度であり、前記リーン燃焼時のトルク推定値は、前記空気量の推定値に基づいて推定された、空気量変化時においてリーン燃焼にて発生されるトルクである。
上記の内燃機関の燃焼制御装置は、例えばストイキ燃焼からリーン燃焼に燃焼モードを切り換える制御を実行する。詳しくは、このような燃焼モードの切り換え時に発生し得るトルク段差を防止するための制御を実行する。強制切り換え手段は、燃焼モードの切り換え開始から所定時間経過した際に、強制的に燃焼モードを切り換える。言い換えると、切り換え開始から所定時間経過しても燃焼モードが切り換わらなかった場合に、トルク段差を防止するための制御を強制終了する。こうするのは、トルク段差を防止するための制御が長時間継続されることによって発生し得る不具合を防止するためである。また、制御値補正手段は、このように燃焼モードが強制的に切り換えられた回数が所定回数以上である場合に、次回の燃焼モードの切り換え時に用いる制御値を補正する。具体的には、燃焼モードが強制的に切り換えられた際の状況に基づいて、制御値を補正する。具体的には、制御値は、空気量の推定値、スロットル開度、及びリーン燃焼時のトルク推定値のいずれか1つである。ここで、空気量の推定値は、燃焼モードの切り換え前後のトルクが等しくなるように、燃焼モードの切り換え時の制御に用いるための空気量であり、スロットル開度は、空気量の推定値を実現するためのスロットル開度であり、リーン燃焼時のトルク推定値は、空気量の推定値に基づいて推定された、空気量変化時においてリーン燃焼にて発生されるトルクである。
上記の内燃機関の燃焼制御装置によれば、制御値を適切に補正することができるため、強制終了の発生回数を低減することができる。つまり、燃焼モードを適切に切り換えることができる。これにより、強制終了に起因するトルク段差などを抑制することが可能となる。即ち、製品ばらつきや経年劣化などに起因して発生し得るトルク段差を効果的に抑制することができる。
上記の内燃機関の燃焼制御装置の一態様では、前記制御値補正手段は、前記燃焼モードの切り換え中に内燃機関の回転数が所定値以上上昇した場合、前記空気量の推定値を増加側に補正する。
この態様では、燃焼モードの切り換え中に内燃機関の回転数が所定値以上上昇した場合には、空気量の推定値として比較的小さな値が見積もられたことが原因で、切り換え開始から所定時間経過しても燃焼モードが切り換わらなかったと言える。したがって、この場合には、制御値補正手段は、計算される空気量が増加するように補正を行うことができる。
上記の内燃機関の燃焼制御装置の他の一態様では、前記制御値補正手段は、前記燃焼モードの切り換え終了時から所定時間の間に、内燃機関の回転数が所定値以上低下した場合、前記燃焼モードの切り換え後における前記スロットル開度を開き側に補正する。
この態様では、燃焼モードの切り換え終了時から所定時間の間に、内燃機関の回転数が所定値以上低下した場合には、必要なスロットル開度に設定されなかったことが原因で、切り換え開始から所定時間経過しても燃焼モードが切り換わらなかったと言える。したがって、この場合には、制御値補正手段は、切り換え後のスロットル開度を開き側に補正することができる。
上記の内燃機関の燃焼制御装置の他の一態様では、前記制御値補正手段は、前記燃焼モードの切り換え終了時から所定時間の間に、内燃機関の回転数が所定値以上低下していない場合、前記リーン燃焼時のトルク推定値を増加側に補正する。
この態様では、燃焼モードの切り換え終了時から所定時間の間に、内燃機関の回転数が所定値以上低下していない場合には、リーン燃焼時のトルク推定値として比較的小さな値が見積もられたことが原因で、切り換え開始から所定時間経過しても燃焼モードが切り換わらなかったと言える。したがって、この場合には、制御値補正手段は、リーン燃焼時のトルク推定値を増加側に補正することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る内燃機関の燃焼制御装置が適用された車両100の全体構成を示す概略図である。なお、図1では、実線の矢印がガスの流れの一例を示し、破線の矢印が信号の入出力を示している。
車両100は、主に、吸気通路3と、スロットルバルブ4と、エンジン(内燃機関)5と、排気通路6と、触媒7と、回転数センサ9と、ECU(Electronic Control Unit)10と、を備える。
吸気通路3には外部から導入された吸気が通過し、スロットルバルブ4は吸気通路3を通過する吸気の流量を調整する。そして、吸気は、サージタンクに導入された後に、エンジン5に供給される。なお、スロットルバルブ4はECU10から供給される制御信号に応じた開度(スロットル開度)に制御される。
エンジン5は、複数の気筒を有して構成され、供給された吸気と燃料とを混合した混合気を、燃焼室内で爆発させることによって動力を発生する。エンジン5は、ECU10から供給される制御信号によって、燃料噴射量の制御や点火時期の制御などが行われる。また、エンジン5には、エンジン回転数を検出する回転数センサ9が設けられている。回転数センサ9は、検出したエンジン回転数に対応する検出信号をECU10に供給する。
排気通路6は、エンジン5から排出された排気ガスが流通する。排気通路6中には、触媒7が設けられている。触媒7は、NOx吸蔵触媒などによって構成され、排気ガス中のNOxやSOx等を浄化する。
ECU10は、図示しないCPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インタフェイスなどを含んで構成される。ECU10は、スロットルバルブ4やエンジン5などに制御信号を供給することによって、車両100内の種々の制御を行う。例えば、ECU10は、ストイキ燃焼からリーン燃焼(均質リーン燃焼)へ燃焼モードを切り換えるための制御(以下、「燃焼モード切り換え制御」と呼ぶ。)を実行する。具体的には、このような燃焼モードの切り換え時に発生し得るトルク段差が適切に抑制されるように、燃焼モード切り換え制御を実行する。また、ECU10は、上記のような燃焼モード切り換え制御を実行した場合において、燃焼モードの切り換え開始から所定時間経過した際に、つまり切り換え開始から所定時間経過しても燃焼モードが切り換わらなかった場合に、強制的に燃焼モードを切り換える制御を行う。
更に、本実施形態では、ECU10は、燃焼モードが強制的に切り換えられた回数が所定回数以上である場合、次回の燃焼モードの切り換え時に用いる制御値を補正する。このように、ECU10は、本発明における内燃機関の燃焼制御装置として機能する。具体的には、強制切り換え手段、判定手段、及び制御値補正手段として動作する。
[燃焼モード切り換え制御]
ここで、図2を用いて、燃焼モード切り換え制御の基本概念について説明する。
図2(a)は、スロットル開度を示し、図2(b)は空気量を示し、図2(c)は点火時期を示し、図2(d)は目標空燃比を示し、図2(e)は推定トルクを示している。なお、図2の横軸は時間を示している。
この場合、時刻t11において、ECU10は、ストイキ燃焼からリーン燃焼への切り換えを開始する。この際、ECU10は、ストイキ燃焼時に発生されるトルクとリーン燃焼時に発生されるトルクとが概ね等しくなるのに必要な空気量を求め(図2(b)参照)、この空気量が得られるようにスロットル開度を調整する(図2(a)参照)。更に、ECU10は、このような空気量変化時において発生されるトルクが等トルクとなるように、目標空燃比をストイキに維持した状態で(図2(d)参照)、点火時期の遅角制御を実行する(図2(c)参照)。
また、ECU10は、空気量変化時においてリーン燃焼にて発生され得るトルクを、空気量の推定値などに基づいて推定する(以下、このように推定されるトルクを「リーン燃焼トルク推定値」とも呼ぶ)。具体的には、図2(e)中の符号51で示すグラフが、リーン燃焼トルク推定値に対応する。ECU10は、このリーン燃焼トルク推定値を用いて、燃焼モードの切り換えの終了判定を行う。具体的には、ECU10は、リーン燃焼トルク推定値が目標トルクを超えた時点で、リーン燃焼に必要な空気量に達したと判断し、切り換えを終了する。なお、目標トルクは、燃焼モードの切り換え開始時(時刻t11)における実トルクに対応する。
この場合には、時刻t12において、リーン燃焼トルク推定値が目標トルクに達するため、ECU10は、燃焼モードの切り換えを終了し、点火時期及び目標空燃比をリーン燃焼で用いる値にそれぞれ変更する(図2(c)、(d)参照)。以上のように、ECU10は、トルク段差の発生が抑制されるように、ストイキ燃焼からリーン燃焼へ移行させるための制御を行う。なお、以下では、切り換えを開始する時刻t11から、切り換えを終了する時刻t12までの間の期間を、「切り換え中」として用いる。
次に、上記のような燃焼モード切り換え制御を実行した場合において、燃焼モードが切り換わらない場合について説明する。具体的には、リーン燃焼トルク推定値が目標トルクに達しない場合に、燃焼モードの切り換えの終了判定を行うことができないため、燃焼モードが切り換わらない。このように燃焼モードが切り換わらずに燃焼モード切り換え制御が長時間継続された場合、排気温度が上昇し、エンジン5などに悪影響を与える場合がある。また、点火遅角を長時間継続することも好ましくない。したがって、本実施形態では、燃焼モード切り換え制御が長時間継続されることを抑制するため、燃焼モードの切り換え開始から所定時間(例えば、「500(ms)」)経過した際に、強制的に燃焼モードを切り換える制御(以下、単に「強制終了」とも呼ぶ。)を行う。
ここで、燃焼モードが切り換わらない場合の具体例について説明する。
(第1のケース)
まず、図3を参照して、燃焼モードが切り換わらない場合の例として、第1のケースについて説明する。
図3(a)はトルクを示し、図3(b)は点火時期を示し、図3(c)は空気量を示し、図3(d)は目標空燃比を示し、図3(e)はエンジン回転数を示している。なお、図3は、横軸に時間を示している。また、図3(a)中の符号60で示すグラフは、実トルクを示し、図3(a)中の符号61で示すグラフは、リーン燃焼トルク推定値を示している。
ECU10は、時刻t2において、ストイキ燃焼からリーン燃焼への切り換えを開始する。この場合、リーン燃焼トルク推定値が目標トルクに到達しないため(図3(a)中のグラフ61参照)、ECU10は、燃焼モードの切り換えの終了判定を行うことができない。そのため、点火時期及び目標空燃比は、それぞれリーン燃焼で用いる値に変更されない(図3(b)、(d)参照)。また、第1のケースの場合、実トルクが大きくなり(図3(a)中のグラフ60参照)、エンジン回転数も大きく上昇していることがわかる(図3(e)参照)。更に、点火時期の遅角量が比較的小さいことがわかる(図3(b)参照)。
ここで、第1のケースが生じた原因について考察する。リーン燃焼トルク推定値は空気量の推定値に基づいて求められるが、第1のケースの場合、空気量の推定値として比較的小さな値が見積もられたために、この空気量の推定値に基づいて求められるリーン燃焼トルク推定値が小さくなり、リーン燃焼トルク推定値が目標トルクに到達しなかったと考えられる。また、空気量の推定値として比較的小さな値が見積もられたために、点火時期の遅角量が小さくなり、実トルクが大きくなると共に、エンジン回転数も大きく上昇したと言える。このように、第1のケースは、空気量の推定値として比較的小さな値が見積もられたことが原因で生じていると考えられる。
なお、第1のケースが生じた際に、強制終了を行った場合、ストイキ燃焼からリーン燃焼に突然切り換わるため、この切り換え時に、実トルクが減少し、エンジン回転数も低下するものと考えられる。
(第2のケース)
次に、図4を参照して、燃焼モードが切り換わらない場合の例として、第2のケースについて説明する。
図4(a)はトルクを示し、図4(b)は点火時期を示し、図4(c)は空気量を示し、図4(d)は目標空燃比を示し、図4(e)はエンジン回転数を示している。なお、図4は、横軸に時間を示している。また、図4(a)中の符号70で示すグラフは、実トルクを示し、図4(a)中の符号71で示すグラフは、リーン燃焼トルク推定値を示している。
ECU10は、時刻t3において、ストイキ燃焼からリーン燃焼への切り換えを開始する。この場合、リーン燃焼トルク推定値が目標トルクに到達しないため(図4(a)中のグラフ71参照)、ECU10は、燃焼モードの切り換えの終了判定を行うことができない。そのため、点火時期及び目標空燃比は、それぞれリーン燃焼で用いる値に変更されない(図4(b)、(d)参照)。また、第2のケースの場合、実トルクは概ね目標トルクに維持されており(図4(a)中のグラフ70参照)、エンジン回転数はそれほど大きく上昇していないことがわかる(図4(e)参照)。即ち、第2のケースにおいては、燃焼モードの切り換え中に、不具合は発生しないと言える。しかしながら、空気量が比較的小さいことがわかる(図4(c)参照)。
ここで、第2のケースが生じた原因について考察する。第2のケースの場合、切り換え開始後に必要なスロットル開度に設定されておらずに、リーン燃焼で必要な空気量に達しなかったために、リーン燃焼トルク推定値が目標トルクに到達しなかったと考えられる。このように必要なスロットル開度に設定されないのは、製品ばらつきや経年劣化等が原因として挙げられる。
なお、第2のケースが生じた際に、強制終了を行った場合、実際の空気量がリーン燃焼に必要な量よりも少ないため、空気量不足により、実トルクが減少し、エンジン回転数も低下するものと考えられる。
(第3のケース)
次に、図5を参照して、燃焼モードが切り換わらない場合の例として、第3のケースについて説明する。
図5(a)はトルクを示し、図5(b)は点火時期を示し、図5(c)は空気量を示し、図5(d)は目標空燃比を示し、図5(e)はエンジン回転数を示している。なお、図5は、横軸に時間を示している。また、図5(a)中の符号80で示すグラフは、実トルクを示し、図5(a)中の符号81で示すグラフは、リーン燃焼トルク推定値を示している。
ECU10は、時刻t4において、ストイキ燃焼からリーン燃焼への切り換えを開始する。この場合、リーン燃焼トルク推定値が目標トルクに到達しないため(図5(a)中のグラフ81参照)、ECU10は、燃焼モードの切り換えの終了判定を行うことができない。そのため、点火時期及び目標空燃比は、それぞれリーン燃焼で用いる値に変更されない(図5(b)、(d)参照)。また、第3のケースの場合、実トルクは概ね目標トルクに維持されており(図5(a)中のグラフ80参照)、エンジン回転数はそれほど大きく上昇していないことがわかる(図5(e)参照)。加えて、点火時期の遅角量及び空気量も、適切な量であると言える(図5(b)、(c)参照)。即ち、第3のケースにおいては、燃焼モードの切り換え中に不具合は発生しないと言える。
ここで、第3のケースが生じた原因について考察する。第3のケースの場合、空気量の推定については問題ないが、リーン燃焼トルク推定値として比較的小さな値が見積もられたために、リーン燃焼トルク推定値が目標トルクに到達しなかったと考えられる。即ち、リーン燃焼トルク推定値の推定が適切に行われなかったと言える。
なお、第3のケースが生じた際に、強制終了を行った場合、実際の空気量がリーン燃焼に必要な量だけ発生しているため、実トルク及びエンジン回転数は、ほとんど変化しないものと考えられる。
[制御値補正制御]
次に、本実施形態に係る制御値補正制御について説明する。
前述したように、本実施形態では、切り換え開始から所定時間経過しても燃焼モードが切り換わらなかった場合に燃焼モードを強制的に切り換える(強制終了)が、このような強制終了があった場合、強制終了時に点火時期などが急激に変化されるため、この際にトルク段差が生じる可能性が高いと言える。また、燃焼モードが切り換わらない原因は、上記の第1のケース〜第3のケースで説明したもののいずれかに該当すると言える。そのため、第1のケース〜第3のケースのうちの少なくともいずれかが繰り返し生じて、強制終了も繰り返し発生する可能性が高いと言える。
したがって、本実施形態では、燃焼モードが切り換わらない原因を考慮に入れて、その原因が解消されるように燃焼モードの切り換え時に用いる制御値を補正する。詳しくは、燃焼モードが強制的に切り換えられた回数が所定回数以上である場合、次回の燃焼モードの切り換え時に用いる制御値を補正する。具体的には、燃焼モードの切り換え中、又は切り換えの終了時におけるエンジン回転数の変化などに基づいて、第1のケース〜第3のケースのうちのいずれに該当するかを特定し、この特定されたケースの発生が今後回避されるように、制御値の補正方法を実行する。
ここで、図6を参照して、制御値補正制御を具体的に説明する。図6は、前述した第1のケース〜第3のケース(図3乃至図5参照)のそれぞれについて、具体的な現象と、発生する原因と、制御値の補正方法とを示した表である。
第1のケースでは、燃焼モードの切り換え中に、トルク大となり、エンジン回転数が上昇する。また、燃焼モードを強制的に切り換えた場合、切り換えの終了時に、トルクが減少し、エンジン回転数が低下する。このような第1のケースは、空気量の推定値として比較的小さな値が見積もられたことが原因で発生するものと考えられる。よって、本実施形態では、このような第1のケースが生じた場合、計算される空気量が増加するように補正を行う。即ち、推定によって得られる空気量が増加するように補正を行う。例えば、ECU10は、空気量の推定値として現在の値よりも大きな値が計算されるように、空気量を推定するモデル中のパラメータを補正する。
第2のケースでは、燃焼モードの切り換え中には、特に不具合は発生しない。しかしながら、燃焼モードを強制的に切り換えた場合、切り換えの終了時に、トルクが減少し、エンジン回転数が低下する。このような第2のケースは、必要なスロットル開度に設定されなかったことが原因で発生するものと考えられる。よって、本実施形態では、このような第2のケースが生じた場合、切り換え後のスロットル開度を開き側に補正する。例えば、ECU10は、スロットルバルブ4が微小量開き側に設定されるように、スロットル開度を求めるマップを補正する。
第3のケースでは、燃焼モードの切り換え中には、特に不具合は発生しない。また、切り換えの終了時にも、特に不具合は発生しない。このような第3のケースは、リーン燃焼トルク推定値として比較的小さな値が見積もられたことが原因で発生するものと考えられる。よって、本実施形態では、このような第3のケースが生じた場合、リーン燃焼トルク推定値を増加側に補正する。例えば、ECU10は、リーン燃焼トルク推定値として現在の値よりも大きな値が計算されるように、リーン燃焼トルク推定値を求めるマップを微小量補正する。
以上の制御値補正制御を実行することにより、制御値を適切に補正することができるため、第1のケース〜第3のケースの発生を回避して、強制終了の発生回数を低減することができる。よって、強制終了に起因するトルク段差などを抑制することが可能となる。言い換えると、製品ばらつきや経年劣化などに起因して発生し得るトルク段差を効果的に抑制することができる。
(制御値補正処理)
次に、図7を参照して、制御値補正処理について具体的に説明する。図7は、制御値補正処理を示すフローチャートである。この処理は、燃焼モードの切り換え開始から所定時間経過しても燃焼モードが切り換わらなかったために燃焼モードが強制的に切り換えられた場合に(即ち強制終了が行われた場合)、実行される。また、この処理はECU10によって実行される。
まず、ステップS101では、ECU10は、燃焼モードが強制的に切り換えられた回数が所定回数以上であるか否かを判定する。なお、強制的に切り換えられた回数は、ECU10が、燃焼モード切り換え制御が実行される毎に、強制終了されたか否かを判定し、強制終了した場合にカウンタをカウントアップすることによって得られる。強制的に切り換えられた回数が所定回数以上である場合(ステップS101;Yes)、処理はステップS102に進み、強制的に切り換えられた回数が所定回数未満である場合(ステップS101;No)、処理は当該フローを抜ける。
ステップS102では、ECU10は、燃焼モードの切り換え中に、エンジン回転数が上昇したか否かを判定する。この判定は、燃焼モードの切り換え制御が強制終了した際の状況が、第1のケースに該当するものであるか否かを判定するために行われる。より詳しくは、ECU10は、燃焼モードの切り換え中におけるエンジン回転数が、燃焼モードの切り換え前のエンジン回転数と比較して、所定値以上上昇したか否かを判定する。なお、ステップS102においてエンジン回転数を判定するために用いる所定値は、通常の過渡状態におけるエンジン回転数の上昇値よりも大きな値に設定される。
燃焼モードの切り換え中に、エンジン回転数が上昇した場合(ステップS102;Yes)、強制終了した際の状況が第1のケースに該当すると言える。この場合、処理はステップS103に進む。一方、エンジン回転数が上昇しなかった場合(ステップS102;No)、処理はステップS104に進む。この場合には、強制終了した際の状況が第1のケースに該当するとは言えない。
ステップS103では、ECU10は、第1のケースに対応付けられた制御値の補正方法を実行する。具体的には、ECU10は、計算される空気量が増加するように補正を行う(図6参照)。例えば、ECU10は、空気量の推定値として現在の値よりも大きな値が計算されるように、空気量を推定するモデル中のパラメータを補正する。更に他の例では、ECU10は、係数などによって、空気量の推定値を徐々に補正することも可能である。以上のステップS103の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
ステップS104では、ECU10は、燃焼モードの切り換え終了時に(詳しくは、切り換え終了から所定時間の間)、エンジン回転数が低下したか否かを判定する。この判定は、燃焼モードの切り換え制御が強制終了した際の状況が、第2のケースに該当するものであるか否かを判定するために行われる。より詳しくは、ECU10は、エンジン回転数が所定値以上低下したか否かを判定する。
燃焼モードの切り換え後に、エンジン回転数が低下した場合(ステップS104;Yes)、強制終了した際の状況が第2のケースに該当すると言える。この場合、処理はステップS105に進む。一方、エンジン回転数が低下しなかった場合(ステップS104;No)、強制終了した際の状況が第2のケースに該当するとは言えない。詳しくは、強制終了した際の状況が第3のケースに該当すると言える。この場合には、処理はステップS106に進む。
ステップS105では、ECU10は、第2のケースに対応付けられた制御値の補正方法を実行する。具体的には、ECU10は、切り換え後のスロットル開度を開き側に補正する(図6参照)。例えば、ECU10は、スロットルバルブ4が微小量開き側に設定されるように、スロットル開度を求めるマップを補正する。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
ステップS106では、ECU10は、第3のケースに対応付けられた制御値の補正方法を実行する。具体的には、ECU10は、リーン燃焼トルク推定値を増加側に補正する(図6参照)。例えば、ECU10は、リーン燃焼トルク推定値として現在の値よりも大きな値が計算されるように、リーン燃焼トルク推定値を求めるマップを微小量補正する。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
このような制御値補正処理を実行することにより、制御値を適切に補正することができるため、第1のケース〜第3のケースの発生を回避して、強制終了の発生回数を低減することができる。即ち、燃焼モードを適切に切り換えることができる。よって、強制終了に起因するトルク段差などを抑制することが可能となる。即ち、製品ばらつきや経年劣化などに起因して発生し得るトルク段差を効果的に抑制することができる。
本実施形態に係る内燃機関の燃焼制御装置が適用された車両の全体構成を示す概略図である。 燃焼モード切り換え制御の基本概念を説明するための図である。 燃焼モードが切り換わらない第1のケースについて説明するための図である。 燃焼モードが切り換わらない第2のケースについて説明するための図である。 燃焼モードが切り換わらない第3のケースについて説明するための図である。 本実施形態に係る制御値補正制御を具体的に説明するための図である。 制御値補正処理を示すフローチャートである。
符号の説明
3 吸気通路
4 スロットルバルブ
5 エンジン
6 排気通路
7 触媒
9 回転数センサ
10 ECU
100 車両

Claims (4)

  1. 燃焼モードの切り換え時に発生し得るトルク段差を防止するための制御を実行する内燃機関の燃焼制御装置であって、
    前記燃焼モードの切り換え開始から所定時間経過した際に、強制的に前記燃焼モードを切り換える強制切り換え手段と、
    前記強制切り換え手段によって前記燃焼モードが強制的に切り換えられた回数が所定回数以上であるか否か判定する判定手段と、
    前記判定手段によって燃焼モードが強制的に切り換えられた回数が所定回数以上であると判定された場合、次回の燃焼モードの切り換え時に用いる制御値を補正する制御値補正手段と、を備え、
    前記制御値は、空気量の推定値、スロットル開度、及びリーン燃焼時のトルク推定値のいずれか1つであり、
    前記空気量の推定値は、前記燃焼モードの切り換え前後のトルクが等しくなるように、前記燃焼モードの切り換え時の制御に用いるための空気量であり、
    前記スロットル開度は、前記空気量の推定値を実現するためのスロットル開度であり、
    前記リーン燃焼時のトルク推定値は、前記空気量の推定値に基づいて推定された、空気量変化時においてリーン燃焼にて発生されるトルクであることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 前記制御値補正手段は、前記燃焼モードの切り換え中に内燃機関の回転数が所定値以上上昇した場合、前記空気量の推定値を増加側に補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  3. 前記制御値補正手段は、前記燃焼モードの切り換え終了から所定時間の間に、内燃機関の回転数が所定値以上低下した場合、前記燃焼モードの切り換え後における前記スロットル開度を開き側に補正することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  4. 前記制御値補正手段は、前記燃焼モードの切り換え終了時から所定時間の間に、内燃機関の回転数が所定値以上低下していない場合、前記リーン燃焼時のトルク推定値を増加側に補正することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
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