JP3829568B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の空燃比制御装置に関し、特に、空燃比フィードバック制御と空燃比フィードフォワード制御とを必要に応じて選択して実行する空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車用ガソリンエンジンなどの内燃機関において、触媒による排気の浄化性能を高めるために、空燃比フィードバック制御により混合気の空燃比を理論空燃比に精密に制御する技術が知られている。この空燃比フィードバック制御では、混合気の空燃比をセンサにより検出することにより、空燃比フィードバック補正値を算出している。そして、この空燃比フィードバック補正値に基づいてエンジン負荷やエンジン回転数に応じて算出されている燃料噴射量を補正することで空燃比をフィードバックして精密な制御を行っている。
【0003】
また、このように理論空燃比にフィードバック制御する以外に、自動車のシフト切り替え時や減速時において、シフト切り替え時のショック防止、エンジン回転数の上昇防止、燃料節約あるいはエンジンブレーキによる制動力の向上のために、空燃比フィードバック制御を中断して燃料カット処理を実行する場合がある。また、加速操作時にエンジン出力を迅速に高めるためや、加速時に触媒の過熱を防止するために、空燃比フィードバック制御を中断して理論空燃比に対応した燃料量を越える燃料を噴射する燃料増量処理を実行する場合がある。
【0004】
このように一旦、空燃比フィードバック制御が中断されて、燃料カット処理や加速時燃料増量処理などの空燃比フィードフォワード制御を実行する場合には、空燃比の状態は大きく変化してしまう。このため、空燃比フィードバック制御が再開された場合に、前回の空燃比フィードバック制御時に得られている空燃比フィードバック補正値を用いても意味が無い。したがって、空燃比フィードフォワード制御が開始されると、空燃比フィードバック補正値を一旦、初期値、例えば「1.0」に戻している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
空燃比フィードフォワード制御および空燃比フィードバック制御に並行して燃料噴射量を補正するパラメータとして、冷間時燃料増量や始動後燃料増量のような補正量が存在する。このような燃料増量補正は始動後あるいは冷間時に内燃機関の回転を安定化するために行われ、空燃比フィードフォワード制御および空燃比フィードバック制御に共通して行われている。このため、空燃比フィードバック制御から空燃比フィードフォワード制御に切り替わったとしても、この補正量による増量補正は継続している。
【0006】
したがって、空燃比フィードバック制御から空燃比フィードフォワード制御に移行して空燃比フィードバック補正値が初期値に戻された後、再度空燃比フィードバック制御に戻った場合は、空燃比フィードバック補正値は初期値から再度計算されて行くことになる。しかし、前述した空燃比フィードフォワード制御および空燃比フィードバック制御のいずれにも用いられている補正量が存在すると、空燃比フィードバック制御の再開時に、この補正量分のずれが空燃比に大きく影響する。
【0007】
すなわち、精密に空燃比を調整することが目的の空燃比フィードバック制御において、空燃比フィードバック補正値が前記補正量分のずれを吸収する期間だけ長く、混合気は理論空燃比よりも濃厚な燃料濃度状態が長期に継続することになる。したがって、その分、長期にわたってエミッションを悪化させるおそれがある。
【0008】
このような空燃比フィードバック制御再開時に発生する問題を解決するために、以前の空燃比フィードバック制御時における空燃比フィードバック補正値の平均値を、空燃比フィードバック再開時に空燃比フィードバック補正値に設定する技術が提案されている(特開昭57−44752号公報)。しかし、この技術では適切な平均値を得るために、空燃比フィードバック制御によるエンジンの運転が長期間安定して行われている必要がある。
【0009】
このため、この従来技術では、例えば未だ空燃比フィードバック制御が長期間安定して行われていない場合や、空燃比フィードバック補正値が変化している過渡時などでは、空燃比フィードバック補正値の平均値が適切に得られない。また空燃比フィードバック補正値の平均値が適切に得られたとしても、空燃比フィードフォワード制御中に補正量が変化した場合には対処できない。したがって、広い範囲でエミッションの悪化を防止することは困難である。
【0010】
本発明は、内燃機関の運転状態の広い範囲に適用できて、空燃比フィードバック制御の再開時に空燃比が不適切な状態が長期にわたって継続することを抑制できる内燃機関の空燃比制御装置の提供を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。
請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置は、内燃機関における混合気の空燃比を検出して該空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するための空燃比フィードバック補正値を算出し、該空燃比フィードバック補正値に基づいて前記混合気の空燃比を調整する空燃比フィードバック制御手段と、前記空燃比フィードバック制御手段による空燃比制御とは相互に排他的に実行され、燃料供給停止も含めて内燃機関の運転状態に応じて前記混合気の空燃比をフィードフォワード制御にて調整する空燃比フィードフォワード制御手段と、前記空燃比フィードバック制御および前記空燃比フィードフォワード制御とは並行して実行され、内燃機関の運転状態に応じて混合気の燃料濃度補正量を算出し該燃料濃度補正量に基づいて混合気の燃料濃度を補正する燃料濃度補正手段と、内燃機関の始動後に最初に行われる前記空燃比フィードバック制御については前記燃料濃度補正手段による燃料濃度補正量が反映されていない空燃比フィードバック補正値を設定し、2回目以降行われる前記空燃比フィードバック制御については前記空燃比フィードフォワード制御手段による制御から前記空燃比フィードバック制御手段による制御に移行する時に、前記燃料濃度補正手段による燃料濃度補正量に基づいて前記空燃比フィードバック補正値を設定する空燃比フィードバック補正値設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
空燃比フィードバック補正値設定手段は、空燃比フィードフォワード制御手段による制御から空燃比フィードバック制御手段による制御に移行する時に、燃料濃度補正手段による燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定している。このため、燃料濃度補正手段、例えば冷間時燃料増量や始動後燃料増量のような処理にて算出される燃料濃度補正量による空燃比のずれを、最初から空燃比フィードバック補正値に反映させた状態で空燃比フィードバック制御を開始することができる。
【0013】
したがって、空燃比フィードバック制御により空燃比フィードバック補正値が燃料濃度補正量分のずれを吸収する期間は短くあるいは無くすことができる。こうして空燃比フィードバック制御時に、不適切な空燃比、例えば目標空燃比よりも濃厚な燃料濃度状態が長期に継続することがなく長期にわたってエミッションを悪化させるおそれがない。
【0014】
更に、燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定しており、前回の空燃比フィードバック制御手段により得られた空燃比フィードバック補正値を用いているわけではない。したがって前回の空燃比フィードバック制御手段による制御が長期に安定していない場合、あるいは前に空燃比フィードバック制御手段による制御がなされていない場合にも、適切な空燃比フィードバック補正値を問題なく適用することができる。
【0015】
また、空燃比フィードフォワード制御手段による制御から空燃比フィードバック制御手段による制御に移行する時における燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定している。このため空燃比フィードフォワード制御中における燃料濃度補正量の変化にも対応できる。
【0016】
したがって広い範囲で適切な空燃比フィードバック補正値を適用することができ、広い範囲でエミッションの悪化を防止することができる。
加えて、内燃機関始動後に最初に行われる空燃比フィードバック制御は、空燃比フィードバック補正値設定手段が燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定していない状態で行われる。空燃比を検出するセンサが活性化した後に最初に行われる空燃比フィードバック制御は、混合気の燃料濃度が理論空燃比よりも濃厚な状態から開始されることが内燃機関の安定回転上好ましい。したがって最初の空燃比フィードバック制御については、燃料濃度補正量に基づいて設定されていない空燃比フィードバック補正値を用いることにより、内燃機関を十分に安定化させることができる。そして、2回目以降の空燃比フィードバック制御については燃料濃度補正量に基づいて設定された空燃比フィードバック補正値を用いることにより上述した作用効果を生じさせることができる。
請求項2記載の内燃機関の空燃比制御装置は、内燃機関における混合気の空燃比を検出して該空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するための空燃比フィードバック補正値を算出し、該空燃比フィードバック補正値に基づいて前記混合気の空燃比を調整する空燃比フィードバック制御手段と、前記空燃比フィードバック制御手段による空燃比制御とは相互に排他的に実行され、前記空燃比フィードバック補正値の変化に依存することなく燃料供給停止も含めて内燃機関の運転状態に応じて前記混合気の空燃比をフィードフォワード制御にて調整する空燃比フィードフォワード制御手段と、前記空燃比フィードバック制御および前記空燃比フィードフォワード制御とは並行して実行され、内燃機関の運転状態に応じて混合気の燃料濃度補正量を算出し該燃料濃度補正量に基づいて混合気の燃料濃度を補正する燃料濃度補正手段と、内燃機関の始動後に最初に行われる前記空燃比フィードバック制御については前記燃料濃度補正手段による燃料濃度補正量が反映されていない空燃比フィードバック補正値を設定し、前記空燃比フィードバック制御手段による制御から移行した前記空燃比フィードフォワード制御手段による制御期間に、2回目以降行われる前記空燃比フィードバック制御について前記燃料濃度補正手段による燃料濃度補正量に基づいて前記空燃比フィードバック補正値を設定する空燃比フィードバック補正値設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
ここで、空燃比フィードバック補正値設定手段は、空燃比フィードフォワード制御手段による制御期間に、燃料濃度補正手段による燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定している。
【0018】
空燃比フィードフォワード制御手段は、内燃機関の運転状態に応じて混合気の空燃比をフィードフォワード制御にて調整するに際しては、空燃比フィードバック補正値の変化に依存させていない。したがって、空燃比フィードバック補正値設定手段は、空燃比フィードフォワード制御手段による制御期間に新たに空燃比フィードバック補正値を求めても空燃比フィードフォワード制御には影響しない。そして、空燃比フィードバック制御手段による制御が開始されれば、新たに計算されていた空燃比フィードバック補正値が直ちに用いられて、空燃比フィードバック制御に反映される。このため、燃料濃度補正手段、例えば冷間時燃料増量や始動後燃料増量のような処理にて算出される燃料濃度補正量による空燃比のずれを、空燃比フィードバック補正値に反映させた状態で空燃比フィードバック制御を開始することができる。
【0019】
したがって、空燃比フィードバック制御により空燃比フィードバック補正値が燃料濃度補正量分のずれを吸収する期間は短くあるいは無くすことができる。こうして空燃比フィードバック制御時に混合気が不適切な空燃比、例えば目標空燃比よりも濃厚な燃料濃度状態が長期に継続することがなく長期にわたってエミッションを悪化させるおそれがない。
【0020】
更に、燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定しており、前回の空燃比フィードバック制御手段により得られた空燃比フィードバック補正値を用いているわけではない。したがって前回の空燃比フィードバック制御手段による制御が長期的安定状態ではない場合、あるいは前に空燃比フィードバック制御手段による制御がなされていない場合にも、適切な空燃比フィードバック補正値を問題なく適用することができる。
【0021】
また、空燃比フィードフォワード制御手段による制御期間に燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定している。このため空燃比フィードフォワード制御中における燃料濃度補正量の変化にも対応できる。
【0022】
したがって広い範囲で適切な空燃比フィードバック補正値を適用することができ、広い範囲でエミッションの悪化を防止することができる。
加えて、内燃機関始動後に最初に行われる空燃比フィードバック制御は、空燃比フィードバック補正値設定手段が燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定していない状態で行われる。空燃比を検出するセンサが活性化した後に最初に行われる空燃比フィードバック制御は、混合気の燃料濃度が理論空燃比よりも濃厚な状態から開始されることが内燃機関の安定回転上好ましい。したがって最初の空燃比フィードバック制御については、燃料濃度補正量に基づいて設定されていない空燃比フィードバック補正値を用いることにより、内燃機関を十分に安定化させることができる。そして、2回目以降の空燃比フィードバック制御については燃料濃度補正量に基づいて設定された空燃比フィードバック補正値を用いることにより上述した作用効果を生じさせることができる。
【0027】
請求項3記載の内燃機関の空燃比制御装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記空燃比フィードバック補正値設定手段は、前記燃料濃度補正手段による燃料濃度補正量に基づいて、前記空燃比フィードバック補正値の初期値を補正することにより、前記空燃比フィードバック補正値を設定することを特徴とする。
【0028】
より具体的には、空燃比フィードバック補正値設定手段は、空燃比フィードバック補正値を設定するに際して、空燃比フィードバック補正値の初期値を用いて、この初期値を燃料濃度補正量に基づいて補正することにより空燃比フィードバック補正値を設定している。
【0029】
このように空燃比フィードバック補正値を設定することによっても、空燃比フィードバック制御により空燃比フィードバック補正値が燃料濃度補正量分のずれを吸収する期間を短くあるいは無くすことができる。したがって空燃比フィードバック制御時に混合気が不適切な空燃比、例えば目標空燃比よりも濃厚な燃料濃度状態が継続することがなく長期にわたってエミッションを悪化させるおそれがない。
【0030】
更に、未だ空燃比フィードバック制御が長期間安定して行われていない場合や、空燃比フィードバック補正値が変化している過渡時などにおいても、適切な空燃比フィードバック補正値を問題なく適用することができる。
【0031】
また、空燃比フィードフォワード制御手段による制御期間に、あるいは空燃比フィードフォワード制御から空燃比フィードバック制御に移行する時に、燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定している。このため空燃比フィードフォワード制御中における燃料濃度補正量の変化にも対応できる。
【0032】
したがって広い範囲で適切な空燃比フィードバック補正値を適用することができ、広い範囲でエミッションの悪化を防止することができる。
請求項4記載の内燃機関の空燃比制御装置は、請求項1〜3のいずれか記載の構成において、前記燃料濃度補正手段が前記燃料濃度補正量に基づいて混合気の燃料濃度を増加補正する場合には、前記空燃比フィードバック補正値設定手段は前記燃料濃度補正量に基づいて前記空燃比フィードバック補正値を燃料濃度が希薄化する方向へ設定することを特徴とする。
【0033】
より具体的には、燃料濃度補正手段が燃料濃度補正量に基づいて混合気の燃料濃度を増加補正する場合には、燃料濃度補正量の分、空燃比は燃料濃厚側へずれていることになる。したがって、空燃比フィードバック補正値設定手段は、燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を燃料濃度が希薄化する方向へ設定する。このことにより、空燃比フィードバック制御手段においては空燃比フィードバック補正値が燃料濃度補正量分のずれを吸収する期間を短くあるいは無くすことができる。こうして空燃比フィードバック制御時に混合気が目標空燃比よりも濃厚な燃料濃度状態が長期に継続することがなく長期にわたってエミッションを悪化させるおそれがない。
【0034】
更に、未だ空燃比フィードバック制御が長期間安定して行われていない場合や、空燃比フィードバック補正値が変化している過渡時などにおいても、適切な空燃比フィードバック補正値を問題なく適用することができる。
【0035】
また、空燃比フィードバック補正値設定手段は、空燃比フィードフォワード制御手段による制御期間に、あるいは空燃比フィードフォワード制御から空燃比フィードバック制御に移行する時に、燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定している。このため空燃比フィードフォワード制御中における燃料濃度補正量の変化にも対応できる。
【0036】
したがって広い範囲で適切な空燃比フィードバック補正値を適用することができ、広い範囲でエミッションの悪化を防止することができる。
請求項5記載の内燃機関の空燃比制御装置は、請求項1〜4のいずれか記載の構成において、前記空燃比フィードフォワード制御手段は、内燃機関の運転状態に応じて燃料カットを実行する燃料カット制御手段であることを特徴とする。
【0037】
より具体的には、空燃比フィードフォワード制御手段としては、内燃機関の運転状態に応じて燃料カットを実行する燃料カット制御手段を挙げることができる。このように燃料カット制御手段による燃料供給停止処理期間中、あるいは燃料供給停止処理から空燃比フィードバック制御手段による制御に移行する時において、燃料濃度補正手段による燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定することにより、空燃比フィードバック制御手段による空燃比調整の開始時点から空燃比フィードバック補正値は燃料濃度補正量分のずれを吸収することができる。したがって、空燃比フィードバック制御により空燃比フィードバック補正値が燃料濃度補正量分のずれを吸収する期間を短くあるいは無くすことができる。こうして空燃比フィードバック制御時に混合気が不適切な空燃比、例えば目標空燃比よりも濃厚な燃料濃度状態が長期に継続することがなく長期にわたってエミッションを悪化させるおそれがない。
【0038】
更に、未だ空燃比フィードバック制御が長期間安定して行われていない場合や、空燃比フィードバック補正値が変化している過渡時などにおいても、適切な空燃比フィードバック補正値を問題なく適用することができる。
【0039】
また、空燃比フィードバック補正値設定手段は、燃料カット制御手段による制御期間に、あるいは燃料カット制御から空燃比フィードバック制御に移行する時に、燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定している。このため燃料カット制御中における燃料濃度補正量の変化にも対応できる。
【0040】
したがって広い範囲で適切な空燃比フィードバック補正値を適用することができ、広い範囲でエミッションの悪化を防止することができる。
請求項6記載の内燃機関の空燃比制御装置は、請求項1〜4のいずれか記載の構成において、前記空燃比フィードフォワード制御手段は、内燃機関の加速時に燃料増量を実行する加速時燃料増量手段であることを特徴とする。
【0041】
より具体的には、空燃比フィードフォワード制御手段としては、内燃機関の加速時に燃料増量を実行する加速時燃料増量手段を挙げることができる。このように加速時燃料増量手段による燃料増量期間中、あるいは燃料増量処理から空燃比フィードバック制御手段による制御に移行する時において、燃料濃度補正手段による燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定することにより、空燃比フィードバック制御手段において空燃比フィードバック補正値が燃料濃度補正量分のずれを吸収する期間を短くあるいは無くすことができる。こうして空燃比フィードバック制御時に混合気が不適切な空燃比、例えば目標空燃比よりも濃厚な燃料濃度状態が長期に継続することがなく長期にわたってエミッションを悪化させるおそれがない。
【0042】
更に、未だ空燃比フィードバック制御が長期間安定して行われていない場合や、空燃比フィードバック補正値が変化している過渡時などにおいても、適切な空燃比フィードバック補正値を問題なく適用することができる。
【0043】
また、空燃比フィードバック補正値設定手段は、加速時燃料増量手段による制御期間に、あるいは加速時燃料増量制御から空燃比フィードバック制御に移行する時に、燃料濃度補正量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定している。このため加速時燃料増量制御中における燃料濃度補正量の変化にも対応できる。
【0044】
したがって広い範囲で適切な空燃比フィードバック補正値を適用することができ、広い範囲でエミッションの悪化を防止することができる。
請求項7記載の内燃機関の空燃比制御装置は、請求項1〜6のいずれか記載の構成において、前記燃料濃度補正手段は、内燃機関の冷間時に燃料増量を実行する冷間時燃料増量手段であることを特徴とする。
【0045】
より具体的には、燃料濃度補正手段としては、内燃機関の冷間時に燃料増量を実行する冷間時燃料増量手段を挙げることができる。この冷間時燃料増量手段による内燃機関の冷間時における燃料増量処理が、空燃比フィードバック制御および空燃比フィードフォワード制御と並行して実行されることにより、空燃比フィードバック制御開始時において空燃比を目標空燃比からずらす要因となる。しかし、前述したごとく空燃比フィードバック補正値設定手段の作用により、空燃比フィードバック制御手段において空燃比フィードバック補正値が冷間時燃料増量手段による燃料増量分のずれを吸収する期間を短くあるいは無くすことができる。こうして内燃機関冷間時の燃料増量処理が行われていても、空燃比フィードバック制御時に混合気が目標空燃比よりも濃厚な燃料濃度状態が長期に継続することがなく長期にわたってエミッションを悪化させるおそれがない。
【0046】
更に、未だ空燃比フィードバック制御が長期間安定して行われていない場合や、空燃比フィードバック補正値が変化している過渡時などにおいても、適切な空燃比フィードバック補正値を問題なく適用することができる。
【0047】
また、空燃比フィードフォワード制御手段による制御期間に、あるいは空燃比フィードフォワード制御から空燃比フィードバック制御に移行する時に、冷間時の燃料増量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定している。このため空燃比フィードフォワード制御中における冷間時の燃料増量の変化にも対応できる。
【0048】
したがって広い範囲で適切な空燃比フィードバック補正値を適用することができ、広い範囲でエミッションの悪化を防止することができる。
請求項8記載の内燃機関の空燃比制御装置は、請求項1〜6のいずれか記載の構成において、前記燃料濃度補正手段は、内燃機関の始動後に燃料増量を実行する始動後燃料増量手段であることを特徴とする。
【0049】
より具体的には、燃料濃度補正手段としては、内燃機関の始動後に燃料増量を実行する始動後燃料増量手段を挙げることができる。この始動後燃料増量手段による内燃機関の始動後における燃料増量処理が、空燃比フィードバック制御および空燃比フィードフォワード制御と並行して実行されることにより、空燃比フィードバック制御開始時において空燃比を目標空燃比からずらす要因となる。しかし、前述したごとく空燃比フィードバック補正値設定手段の作用により、空燃比フィードバック制御手段において空燃比フィードバック補正値が始動後燃料増量分のずれを吸収する期間を短くあるいは無くすことができる。こうして内燃機関始動後の燃料増量処理が行われていても、空燃比フィードバック制御時に混合気が目標空燃比よりも濃厚な燃料濃度状態が長期に継続することがなく長期にわたってエミッションを悪化させるおそれがない。
【0050】
更に、未だ空燃比フィードバック制御が長期間安定して行われていない場合や、空燃比フィードバック補正値が変化している過渡時などにおいても、適切な空燃比フィードバック補正値を問題なく適用することができる。
【0051】
また、空燃比フィードフォワード制御手段による制御期間に、あるいは空燃比フィードフォワード制御から空燃比フィードバック制御に移行する時に、始動後の燃料増量に基づいて空燃比フィードバック補正値を設定している。このため空燃比フィードフォワード制御中における始動後の燃料増量の変化にも対応できる。
【0052】
したがって広い範囲で適切な空燃比フィードバック補正値を適用することができ、広い範囲でエミッションの悪化を防止することができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、自動車に搭載され、上述した発明が適用されたガソリンエンジン(以下、「エンジン」と称す)4およびその制御系の概略構成を表すブロック図である。
【0054】
エンジン4のシリンダブロック6には燃焼室を含む第1(#1)気筒8、第2(#2)気筒10、第3(#3)気筒12および第4(#4)気筒14が形成されている。各気筒8〜14にはインテークマニホールド16、サージタンク18を介して吸気通路20が接続されている。この吸気通路20の上流側にはエアクリーナ22が設けられており、このエアクリーナ22を介して吸気通路20内に外気が導入される。
【0055】
インテークマニホールド16には、各気筒8〜14に対応してインジェクタ24,26,28,30がそれぞれ設けられている。このインジェクタ24〜30は通電制御により開閉駆動されて燃料を噴射する電磁弁であって、燃料タンク(図示略)内の燃料が燃料ポンプ(図示略)から圧送されてくる。インジェクタ24〜30から噴射された燃料はインテークマニホールド16内の吸入空気と混合されて混合気となる。そしてこの混合気は、各気筒8〜14毎に設けられた吸気バルブ(図示略)が開弁することによって開かれた吸気ポート(図示略)から各気筒8〜14の燃焼室内へ導入される。空燃比フィードバック制御においては、後述するごとく、このインジェクタ24〜30による燃料噴射時間の長さが空燃比フィードバック補正係数FAF(「空燃比フィードバック補正値」に相当する)およびその他のパラメータに基づいて調整される。
【0056】
吸気通路20には吸入空気量を調節するスロットルバルブ32がサージタンク18の上流側に位置して設けられている。このスロットルバルブ32は、吸気通路20に設けられたスロットルモータ34により開閉駆動されることにより、その開度、すなわちスロットル開度TAが調節される。スロットルバルブ32の近傍にはスロットルセンサ36が設けられている。このスロットルセンサ36はスロットル開度TAを検出し、スロットル開度TAに応じた信号を出力する。
【0057】
また自動車の運転室内にはアクセルペダル38が設けられており、運転者によるアクセルペダル38の踏込量、すなわちアクセル開度PDLAがアクセルセンサ40によって検出される。そして、後述する電子制御装置(「ECU」と称する)50はこのアクセル開度PDLA等に基づいてスロットルモータ34を制御することによりスロットル開度TAを運転状態に応じた開度に調節する。
【0058】
各気筒8〜14にはエグゾーストマニホールド60を介して排気通路62が接続されている。この排気通路62には触媒コンバータ64およびマフラ66がそれぞれ設けられている。排気通路62を流れる排気はこれら触媒コンバータ64およびマフラ66を通過して外部に排出される。
【0059】
吸気通路20においてエアクリーナ22とスロットルバルブ32との間にはエアフローメータ68が設けられている。このエアフローメータ68は各気筒8〜14の燃焼室に導入される吸入空気量GAを検出し、この吸入空気量GAに応じた信号を出力する。
【0060】
また、エンジン4のシリンダヘッド6aには各気筒8〜14に対応してそれぞれ点火プラグ70,72,74,76が設けられている。各点火プラグ70〜76は、イグニッションコイル70a,72a,74a,76aが付属することにより、ディストリビュータを用いないダイレクトイグニッションシステムとして構成されている。各イグニッションコイル70a〜76aは、点火時期にECU50内の点火駆動回路から供給される一次側電流の遮断に基づいて発生する高電圧を、直接点火プラグ70〜76に与えている。
【0061】
また、触媒コンバータ64より上流における排気通路62には、空燃比センサ80が設けられている。この空燃比センサ80は、排気の成分に現れる混合気の空燃比に応じた信号Voxを出力する。この信号Voxに基づいて後述するごとく空燃比フィードバック制御がなされ、燃料噴射量の調整により空燃比が目標空燃比(ここでは理論空燃比)に調整される。
【0062】
なお、回転数センサ90は、エンジン4のクランク軸(図示略)の回転に基づいてエンジン4の回転数NEに応じた数のパルス信号を出力し、気筒判別センサ92は気筒8〜14を判別するためにクランク軸の回転に基づいて所定のクランク角度毎に基準信号となるパルス信号を出力する。ECU50はこれら回転数センサ90および気筒判別センサ92からの出力信号に基づいて回転数NEおよびクランク角度の算出、更に気筒判別を行う。
【0063】
また、シリンダブロック6にはエンジン冷却水温を検出するための水温センサ94が設けられて、冷却水温THWに応じた信号を出力する。また変速機(図示略)にはシフトポジションセンサ96が設けられて、シフト位置SHFTPに応じた信号を出力する。
【0064】
次に本実施の形態1における空燃比制御装置の機能を果たしている制御系の電気的構成について図2のブロック図を参照して説明する。
ECU50は、中央処理装置(CPU)50a、読み出し専用メモリ(ROM)50b、ランダムアクセスメモリ(RAM)50c、およびバックアップRAM50d等を備え、これら各部50a〜50dと、入力回路50eおよび出力回路50f等とを双方向バス50gにより接続してなる論理演算回路として構成されている。ROM50bには後述する空燃比フィードバック制御等の各種制御プログラムや各種データが予め記憶されている。RAM50cには各種制御処理におけるCPU50aの演算結果等が一時的に記憶される。
【0065】
また、入力回路50eはバッファ、波形整形回路およびA/D変換器等を含んだ入力インターフェースとして構成されており、前記スロットルセンサ36、アクセルセンサ40、エアフローメータ68、空燃比センサ80、回転数センサ90、気筒判別センサ92、水温センサ94、シフトポジションセンサ96、各イグニッションコイル70a〜76aの点火確認信号IGfのライン等がそれぞれ接続されている。各種センサ36,40,68,80,90,92,94,96等の出力信号はデジタル信号に変換されて入力回路50eから双方向バス50gを介してCPU50aに読み込まれる。
【0066】
一方、出力回路50fは各種駆動回路等を有しており、前記インジェクタ24〜30、イグニッションコイル70a〜76a、スロットルモータ34等がそれぞれ接続されている。ECU50は各種センサ36,40,68,80,90,92,94,96等からの出力信号に基づいて演算処理を行い、インジェクタ24〜30、イグニッションコイル70a〜76a、スロットルモータ34等を制御する。
【0067】
例えば、ECU50はエアフローメータ68により検出される吸入空気量GAおよび回転数センサ90により検出される回転数NE等に基づいてインジェクタ24〜30による燃料噴射量や燃料噴射時期、あるいはイグニッションコイル70a〜76aによる点火時期を制御している。そして空燃比センサ80により検出される空燃比に基づいて、後述するごとく、インジェクタ24〜30による燃料噴射量の調整を実行して混合気の空燃比を精密に制御している。
【0068】
次に、本実施の形態1においてECU50により実行される空燃比フィードバック制御について図3以下のフローチャートに基づいて説明する。なお各処理に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
【0069】
図3は、ECU50により実行される空燃比フィードバック補正係数算出処理(「FAF算出処理」と称する)を示すフローチャートである。この処理は、一定時間毎に周期的に実行される。
【0070】
本処理が開始されると、まず空燃比フィードバック制御を行う条件が成立しているか否かを判定する(S100)。この条件とは、例えば次のごとくである。
(1)始動時でない。
【0071】
(2)暖機完了している。(例えば冷却水温THW≧40℃)
(3)空燃比センサ80は活性が完了している。
(4)燃料カット制御などの空燃比フィードフォワード制御中ではない。
【0072】
以上の(1)〜(4)のすべての条件が満足されたときに空燃比フィードバック制御が許容され、いずれか1つでも条件が満足されないときは空燃比フィードバック制御は許容されない。
【0073】
全ての条件が成立している場合(S100にて「YES」)は、前回の制御周期において空燃比フィードバック制御条件が不成立であったか否かが判定される(S101)。前回不成立であった場合には(S101で「YES」)、空燃比フィードバック補正係数FAFには空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxに記憶されている値が設定される(S102)。ここで、空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxは後述するごとく、空燃比フィードバック制御の開始時に空燃比フィードバック補正係数FAFに用いる値を、予め設定しておく変数である。なお、本実施の形態1では、エンジン4の始動時の初期設定時には、空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxには「1.0」が設定されている。
【0074】
一方、前回の制御周期において空燃比フィードバック制御条件が成立していれば(S101で「NO」)、空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxによる空燃比フィードバック補正係数FAFの設定はなされない。
【0075】
ステップS102の次に、あるいはステップS101にて「NO」と判定された次には、空燃比センサ80の出力信号の電圧Voxを読み込み(S103)、基準電圧Vr(例えば0.45V)より小さいか否かを判定する(S104)。Vox<Vrであれば(S104にて「YES」)、排気の成分に現れる空燃比はリーン(理論空燃比よりも燃料濃度が稀薄である状態)であるとして、空燃比フラグXOXをリセット(XOX←0)する(S106)。
【0076】
次に、空燃比フラグXOXと状態維持フラグXOXOとが一致しているか否かを判断する(S108)。XOX=XOXOであれば(S108で「YES」)、リーンが継続しているものとして、空燃比フィードバック補正係数FAFをリーン積分量da(da>0)増加して(S110)、本処理を一旦終了する。
【0077】
一方、XOX≠XOXOであれば(S108で「NO」)、リッチ(理論空燃比よりも燃料濃度が濃厚である状態)からリーンに反転したものとして、空燃比フィードバック補正係数FAFをリーンスキップ量Sa(Sa>0)増加する(S112)。なおリーンスキップ量Saはリーン積分量daに比較して十分に大きな値に設定されている。そして、次に状態維持フラグXOXOをリセット(XOXO←0)して(S114)、本処理を一旦、終了する。
【0078】
ステップ104で、Vox≧Vrと判定された場合は(S104で「NO」)、排気の成分に現れる空燃比はリッチであるとして、空燃比フラグXOXをセット(XOX←1)する(S116)。次に空燃比フラグXOXと状態維持フラグXOXOとが一致しているか否かを判断する(S118)。
【0079】
XOX=XOXOであれば(S118で「YES」)、リッチが継続しているものとして、空燃比フィードバック補正係数FAFをリッチ積分量db(db>0)減少して(S120)、本処理を一旦終了する。
【0080】
XOX≠XOXOであれば(S118で「NO」)、リーンからリッチに反転したものとして空燃比フィードバック補正係数FAFをリッチスキップ量Sb(Sb>0)減少する(S122)。なおリッチスキップ量Sbはリッチ積分量dbに比較して十分に大きな値に設定されている。
【0081】
次に状態維持フラグXOXOをセット(XOXO←1)して(S124)、本処理を一旦終了する。
ステップS100で条件が1つでも満足されていない場合(S100で「NO」)には、次に前述したステップS100の条件の内で、空燃比フィードバック制御の基礎的条件(1)〜(3)のみ満足しているか否かが判定される(S126)。すなわち、空燃比フィードバック制御の基礎的条件(1)〜(3)は満足されているが、(4)「燃料カット制御などの空燃比フィードフォワード制御中ではない(燃料カット制御ならば、例えば、後述するXFC(1〜4)のすべてが「OFF」である状態)」との条件が満足されていない状態であるか否かが判定される。
【0082】
ここで、空燃比フィードバック制御の基礎的条件が満足されていない場合には(S126で「NO」)、空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxに「1.0」を設定し(S128)、空燃比フィードバック補正係数FAFに「1.0」を設定して(S132)、本処理を一旦終了する。
【0083】
一方、空燃比フィードバック制御の基礎的条件が満足されている場合には(S126で「YES」)、空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxに次式1のごとく設定する(S130)。
【0084】
【数1】
FAFx ← 1.0/ekrich … [式1]
ここで、燃料増量補正係数ekrich(燃料濃度補正量に相当する)は、図4のフローチャートに示す増量補正係数設定処理により設定される燃料を増量するための係数である。なお、この式1は、空燃比フィードバック補正係数FAFの初期値である「1.0」を燃料増量補正係数ekrichに基づいて補正したものである。
【0085】
そして、ステップS130の次には空燃比フィードバック補正係数FAFに「1.0」を設定して(S132)、本処理を一旦終了する。
図4の増量補正係数設定処理について説明する。本増量補正係数設定処理は、一定時間毎に周期的に実行される処理である。まず水温センサ94にて検出されている冷却水温THWが読み込まれ(S154)、更に始動後経過時間Tが読み込まれる(S156)。この始動後経過時間Tはエンジン4の始動後にカウントアップするタイマーカウンタ(図示略)により計時されている時間である。
【0086】
次に、ステップS158にて、図5に傾向を示す関数f1により、エンジン回転数NEに応じた冷却水温THW分の補正係数f1(THW,NE)[冷間時燃料増量に相当する]を算出する。そして、図6に傾向を示す関数f2によりエンジン回転数NEに応じた始動後経過時間T分の補正係数f2(T,NE)[始動後燃料増量に相当する]を算出する。そして、これらの値を用いて、次式2に示すごとく、燃料増量補正係数ekrichを設定する。
【0087】
【数2】
ekrich ← 1.0 +f1(THW,NE)+f2(T,NE) … [式2]
こうして本処理を一旦終了する。
【0088】
図7は、空燃比フィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVの演算処理(以下、「FAFAV演算処理」と略す)のフローチャートである。本処理は、図3のFAF算出処理にてXOX≠XOXOであった場合(S108で「NO」またはS118で「NO」)毎に実行される。
【0089】
FAFAV演算処理では、まず、次式3により空燃比フィードバック補正係数FAFの前回の値FAFBとの平均値FAFAVを演算する(S202)。
【0090】
【数3】
FAFAV←(FAFB + FAF)/2 … [式3]
そして、次回の演算に備えてFAFBの値を、今回の空燃比フィードバック補正係数FAFの値で置き換える(S204)。こうして、本処理を一旦終了する。
【0091】
図8は学習制御処理のフローチャートであって、学習値としてベース空燃比フィードバック補正係数KGを求める処理である。本処理も一定時間毎に周期的に実行される。
【0092】
本処理が開始されると、まず、エアフローメータ68で検出される吸入空気量GAを読み込み(S300)、この吸入空気量GAの値に基づいて、エンジン4の運転領域を示すインデックスmを決定する。すなわち、最大吸入空気量の0%から100%までをM分割してエンジン4の運転領域を定め、現在の吸入空気量GAが、どの領域にあるかを判断してインデックスmを決定する(S310)。ベース空燃比フィードバック補正係数KGは、エンジン4の運転領域毎に学習して求められるものであり、インデックスmは、ベース空燃比フィードバック補正係数KGが、いずれの領域に属しているかを決定するものである。
【0093】
次に、ベース空燃比フィードバック補正係数学習条件が成立しているか否かが判定される(S330)。ベース空燃比フィードバック補正係数学習条件としては、たとえば、ステップS100にて述べた条件も含めてもよいが、これ以外に、エンジン4の運転領域が変化してから十分な時間が経過したかなどにより、安定した空燃比フィードバック制御状態となっている条件が挙げられる。
【0094】
ベース空燃比フィードバック補正係数学習条件が成立していれば(S330で「YES」)、現在のエンジン4の運転領域mについて、後述するベース空燃比フィードバック補正係数の学習が行われ(S340)、そして本処理を一旦終了する。
【0095】
一方、ベース空燃比フィードバック補正係数学習条件が不成立の場合(S330で「NO」)には、このまま一旦、本処理を終了する。
ベース空燃比フィードバック補正係数学習処理(S340)を図9のフローチャートに示す。本処理では、まず、前述した空燃比フィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVが「0.98」より小さいか否かを判定する(S410)。FAFAV<0.98であれば(S410で「YES」)、運転領域mのベース空燃比フィードバック補正係数KG(m)を変動量β(>0)だけ減少させ(S420)、本処理を一旦終了する。
【0096】
FAFAV≧0.98であれば(S410で「NO」)、平均値FAFAVが「1.02」より大きいか否かを判定する(S430)。FAFAV>1.02であれば(S430で「YES」)、ベース空燃比フィードバック補正係数KG(m)を変動量βだけ増加させ(S440)、本処理を一旦終了する。
【0097】
0.98≦FAFAV≦1.02の場合(S410で「NO」、S430で「NO」)は、運転領域mのベース空燃比フィードバック補正係数KG(m)はその値を維持して、本処理を一旦終了する。
【0098】
なお、ECU50の電源オン時において初期設定されるベース空燃比フィードバック補正係数KG(m)の初期値としては「0.00」が設定されている。
上述したごとく算出された燃料増量補正係数ekrich、空燃比フィードバック補正係数FAFおよびベース空燃比フィードバック補正係数KG(m)に基づいて、図10のフローチャートに示す燃料噴射処理が行われる。この処理は、一定クランク角毎の割り込みで周期的に実行され、各気筒8〜14毎に実行される処理である。なお、図10では#nの気筒について説明しているが、#1から#4の各気筒8〜14を#nで表したものであり、各気筒8〜14はそれぞれ同じ処理が行われる。
【0099】
本燃料噴射処理が開始されると、まず、#nの気筒に対して設定されている燃料カットフラグXFC(n)が「OFF」か否かが判定される(S510)。XFC(n)=「OFF」であれば(S510で「YES」)、次に、エンジン4の回転数NEおよび吸入空気量GAに基づいて、ROM50bに記憶されているエンジン回転数NEと吸入空気量GAとをパラメータとするマップMTP(図示略)から基本燃料噴射弁開弁時間TPを求める(S520)。
【0100】
次に、FAF算出処理(図3)で算出される空燃比フィードバック補正係数FAF、図4の燃料増量補正係数ekrich設定処理にて算出される燃料増量補正係数ekrich、図9のベース空燃比フィードバック補正係数学習処理で算出されるベース空燃比フィードバック補正係数KG(m)、およびその他の係数に基づいて燃料噴射弁開弁時間TAUを次式4により演算する(S530)。
【0101】
【数4】
TAU ← K3・ekrich・TP・{FAF+KG(m)}+K4… [式4]
ここでK3およびK4は燃料増量補正係数ekrich以外の補正係数である。次に燃料噴射弁開弁時間TAUを出力して(S540)、本処理を一旦終了する。
【0102】
一方、XFC(n)=「ON」であった場合(S510で「NO」)には、燃料噴射弁開弁時間TAUに「0」を設定して(S550)、#nの気筒に対しての燃料噴射処理を一旦終了する。このようにしてXFC(n)=「ON」の場合に#nの気筒に対しては燃料噴射を停止する。
【0103】
次に、図11のフローチャートに基づいて燃料カットフラグXFC(1〜4)の設定処理について説明する。本処理は一定時間周期で繰り返される。
この燃料カットフラグ設定処理では、燃料カット条件が成立した場合に(S610で「YES」)、XFC(1〜4)に「ON」を設定する(S640)。このことにより、前記ステップS510(図10)にて「NO」と判定させて、燃料噴射弁開弁時間TAUに「0」を設定させること(S550)で、燃料カットを実行させる。一方、燃料カット条件が成立していない場合に(S610で「NO」)、XFC(1〜4)に「OFF」を設定する(S650)。このことにより、前記ステップS510にて「YES」と判定させて、ステップS520,S530の処理により燃料噴射を実行させる。
【0104】
ここで、ステップS610で行われる燃料カット条件としては、例えば、変速機におけるシフトアップまたはシフトダウンといった変速動作中にアクセルペダル38が完全に戻された状態(アイドルON)となった場合が挙げられる。これ以外の燃料カット条件としてはエンジン4の運転状態に基づいて算出される前記燃料噴射弁開弁時間TAUがインジェクタ24〜30が噴射できる最低限の燃料噴射時間TAUMIN以下となった場合等が挙げられる。
【0105】
なお、燃料カット条件が成立しても、すべての気筒8〜14について燃料カットを実行するのではなく、エンジン4の運転状態に応じて燃料カットする気筒数を調整してもよい。
【0106】
そして、#1〜#4気筒のいずれかにおいて燃料カットが実行されている期間では、前述した空燃比フィードバック補正係数FAF算出処理(図3)ではステップS100にては「NO」と判定され、次に空燃比フィードバック制御の基礎的条件が成立していれば、ステップS126にて「YES」と判定される。このことによりステップS130の処理にて前記式1に示した計算により空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxには「1.0/ekrich」の値が設定されることになる。一方、空燃比フィードバック制御の基礎的条件が成立していなければ、ステップS126にて「NO」と判定される。このことによりステップS128の処理にて空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxには「1.0」の値が設定されることになる。
【0107】
上述した構成の空燃比制御装置における処理の一例を図12のタイミングチャートに示す。ここで時刻t1前はエンジン4が始動直後であり前述した空燃比フィードバック制御の基礎的条件が成立していない(S100で「NO」かつS126で「NO」)ものとする。したがって、空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxには「1.0」が設定され(S128)、空燃比フィードバック補正係数FAFには「1.0」が設定されている(S132)。
【0108】
次に、時刻t1にて空燃比フィードバック制御の基礎的条件が成立する(S100で「YES」およびS101で「YES」)。このことにより、空燃比フィードバック補正係数FAFには空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxの値、すなわちこの時には「1.0」が設定される(S102)。そして、燃料増量補正係数ekrichが「1.0」より大きいことにより、過剰な燃料濃度となっている空燃比を理論空燃比に調整するために(S104で「NO」かつS118で「YES」)、空燃比フィードバック補正係数FAFをリッチ積分量dbの減算(S120)により徐々に低下させる。
【0109】
そして、このリッチ積分量dbによる減算途中においてアクセルペダル38が完全に戻されてシフトアップが手動によりなされて変速中となる(時刻t2)。この時、図11の処理にて燃料カットが行われて、空燃比フィードバック制御条件は不成立となる(S100で「NO」)。ただし、燃料カットが成立したのみであり、空燃比フィードバック制御の基礎的条件は満足されているので(S126で「YES」)、空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxには前記式1により「1.0/ekrich」の値が設定される(S130)。すなわち、空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxには燃料増量補正係数ekrichの増量分に応じて減少された値が設定され、また空燃比フィードバック補正係数FAFは「1.0」が設定されている(S132)。
【0110】
以後、燃料カットが終了するまで(時刻t3)、空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxは燃料増量補正係数ekrichの値に応じて変化する「1.0/ekrich」の値に設定され(S130)、空燃比フィードバック補正係数FAFは「1.0」に設定され続ける(S132)。
【0111】
次に燃料カットが終了すると(時刻t3)、空燃比フィードバック制御条件が成立する(S100で「YES」)。そして前回は空燃比フィードバック制御条件が不成立であったことから(S101で「YES」)、次に空燃比フィードバック補正係数FAFには空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxの値、すなわちこの時には直前の制御周期にて算出されている「1.0/ekrich」の値が設定される(S102)。
【0112】
したがって、時刻t3以後は、空燃比フィードバック補正係数FAFは燃料増量補正係数ekrich分、小さい値から空燃比フィードバック制御が開始される。このため迅速に空燃比を理論空燃比に適合させることができる。
【0113】
なお、従来のごとく、燃料カットから空燃比フィードバック制御に復帰した場合(時刻t3)に空燃比フィードバック補正係数FAFに「1.0」を設定した場合を考える。この場合には、再度空燃比フィードバック制御に戻っても、空燃比フィードバック補正係数FAF=「1.0」から空燃比フィードバック制御を開始するので、破線で示すごとく燃料増量補正係数ekrich分を吸収するのに時間d(時刻t3〜t4)がかかり、この間、空燃比がリッチ側にずれることになる。
【0114】
なお、上述したごとく、空燃比フィードフォワード制御処理の1つである燃料カット処理は、空燃比フィードバック制御とは相互に排他的に実行される。すなわち、燃料カット処理が実行される時は空燃比フィードバック制御は実行されず、空燃比フィードバック制御が実行される時は燃料カット処理は実行されないという関係にある。
【0115】
上述した実施の形態1においては、ステップS103〜S124,S520,S530が空燃比フィードバック制御手段としての処理に、ステップS510,S550,S610,S640が空燃比フィードフォワード制御手段(燃料カット制御手段)としての処理に、ステップS154〜S158,S530が燃料濃度補正手段(冷間時燃料増量手段および始動後燃料増量手段)としての処理に、ステップS101,S102,S130が空燃比フィードバック補正値設定手段としての処理に相当する。
【0116】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).ステップS101,S102の処理により、燃料カット処理から空燃比フィードバック制御に復帰する時に、ステップS154〜S158により設定されている燃料増量補正係数ekrichに基づいて空燃比フィードバック補正係数FAFを設定している。このため、図4に示した燃料増量補正係数ekrich設定処理によって行われる冷間時燃料増量用の補正係数f1(THW,NE)や始動後燃料増量用の補正係数f2(T,NE)のような燃料濃度補正量による空燃比のずれを、最初から空燃比フィードバック補正係数FAFに反映させた状態で空燃比フィードバック制御を開始することができる。
【0117】
したがって、図12に示したごとく、空燃比フィードバック制御に復帰した直後において、空燃比フィードバック補正係数FAFが燃料増量補正係数ekrich分のずれを吸収する期間を無くすことができる。こうして空燃比フィードバック制御時に混合気が理論空燃比よりも濃厚な燃料濃度状態が長期に継続することがなく長期にわたってエミッションを悪化させるおそれがない。
【0118】
更に、空燃比フィードバック制御に復帰したときには、空燃比フィードバック補正係数FAFは燃料増量補正係数ekrichに基づいて設定されており、燃料カット前の空燃比フィードバック制御時に得られている空燃比フィードバック補正係数FAFを用いているわけではない。したがって燃料カット前の空燃比フィードバック制御が長期に安定していない場合、あるいは燃料カット前に空燃比フィードバック制御がなされていない場合にも、適切な空燃比フィードバック補正係数FAFを問題なく適用することができる。
【0119】
したがって暖機直後などで未だ空燃比フィードバック制御が長期間安定して行われていない場合や、空燃比フィードバック補正係数FAFが変化している過渡時などにおいても、適切な空燃比フィードバック補正係数FAFを適用することができ、広い範囲でエミッションの悪化を防止することができる。
【0120】
また、燃料カット制御から空燃比フィードバック制御に移行する時点における燃料増量補正係数ekrichに基づいて空燃比フィードバック補正係数FAFを設定している。このため燃料カット制御中における燃料増量補正係数ekrichの変化にも対応できる。
【0121】
したがって広い範囲で適切な空燃比フィードバック補正係数FAFを適用することができ、広い範囲でエミッションの悪化を防止することができる。
(ロ).燃料増量補正係数ekrichに依存している空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxは、燃料カット処理中においても繰り返し計算されている。しかし、燃料カット制御の間は空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxは空燃比フィードバック補正係数FAFに反映されることがなく、かつ燃料カット制御自体が燃料を噴射させない処理なので、空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxの値の変化は燃料カット制御には影響しない。
【0122】
そして、空燃比フィードバック制御が再開されれば、継続的に計算されていた空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxが空燃比フィードバック補正係数FAFに反映される。このため最新の燃料増量補正係数ekrichが空燃比フィードバック補正係数FAFに反映されて、確実に空燃比のずれを抑制できる。
【0123】
(ハ).エンジン4の始動後に最初に行われる空燃比フィードバック制御は、空燃比フィードバック補正係数FAFが初期値である「1.0」から開始される。すなわち、燃料増量補正係数ekrichが反映されていない空燃比フィードバック補正係数FAFを用いて最初の空燃比フィードバック制御は開始する。
【0124】
空燃比センサ80が活性化した後に最初に行われる空燃比フィードバック制御は、混合気の燃料濃度が理論空燃比よりも濃厚な状態から開始されることがエンジン4の安定回転上好ましい。したがって最初の空燃比フィードバック制御について(時刻t1〜t2)ではエンジン4を十分に安定化させることができる。
【0131】
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1の空燃比フィードバック補正係数FAF算出処理(図3)において、空燃比フィードバック制御の基礎的条件が成立していない場合(S126で「NO」)では、空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxに「1.0」を設定していた(S128)。変形例として、図13のフローチャートに示したごとく、ステップS128の代わりに、ステップS128aとして、空燃比フィードバック補正係数予備値FAFxに1.0/(ekrich−α)を設定することとしても良い。この減少値αは、「(ekrich−α)>1.0」となる関係にある正の値である。
【0132】
このことにより、図14のタイミングチャートに示すごとく、最初の空燃比フィードバック制御(時刻t21〜t22)は、わずかに理論空燃比よりも燃料濃度が濃い側から開始される。しかも、空燃比フィードバック補正係数FAFが燃料増量補正係数ekrich分のずれを吸収する期間を短くすることができる。
こうして最初の空燃比フィードバック制御時からエミッションの悪化を抑制しつつ、エンジンの不安定化を防止することができる。
【0133】
・前記実施の形態1および変形例はエンジン始動後に変速時の燃料カット処理により空燃比フィードバック制御が中断した例を示したが、これ以外に、加速時の燃料増量処理あるいはその他の空燃比フィードフォワード制御が行われることにより空燃比フィードバック制御が中断した場合も同様な効果を生じる。
【0134】
・前記実施の形態1および変形例では吸入空気量GAを内燃機関の負荷として検出していたが、これ以外に吸気圧を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1としてのガソリンエンジンおよび制御系統の概略構成を表すブロック図。
【図2】実施の形態1の制御系統の構成を示すブロック図。
【図3】実施の形態1にて実行される空燃比フィードバック補正係数FAF算出処理のフローチャート。
【図4】実施の形態1にて実行される燃料増量補正係数ekrich設定処理のフローチャート。
【図5】冷却水温THWから補正係数f1(THW,NE)を算出する関数f1の説明図。
【図6】始動後経過時間Tから補正係数f2(T,NE)を算出する関数f2の説明図。
【図7】実施の形態1にて実行される空燃比フィードバック補正係数FAFの平均値FAFAV演算処理のフローチャート。
【図8】実施の形態1にて実行される学習制御処理のフローチャート。
【図9】実施の形態1にて実行されるベース空燃比フィードバック補正係数学習処理のフローチャート。
【図10】実施の形態1にて実行される#n気筒燃料噴射処理のフローチャート。
【図11】実施の形態1にて実行される燃料カットフラグ設定処理のフローチャート。
【図12】実施の形態1の作用効果を示すタイミングチャート。
【図13】実施の形態1の変形例にて実行される空燃比フィードバック補正係数FAF算出処理のフローチャート。
【図14】実施の形態1の変形例の作用効果を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
4…エンジン、6…シリンダブロック、6a…シリンダヘッド、8…第1気筒、10…第2気筒、12…第3気筒、14…第4気筒、16…インテークマニホールド、18…サージタンク、20…吸気通路、22…エアクリーナ、24,26,28,30…インジェクタ、32…スロットルバルブ、34…スロットルモータ、36…スロットルセンサ、38…アクセルペダル、40… アクセルセンサ、50…ECU、50a…CPU、50b… ROM、50c…RAM、50d…バックアップRAM、50e…入力回路、50f…出力回路、50g…双方向バス、60…エグゾーストマニホールド、62…排気通路、64…触媒コンバータ、66…マフラ、68…エアフローメータ、70,72,74,76…点火プラグ、70a,72a,74a,76a…イグニッションコイル、80…空燃比センサ、90…回転数センサ、92…気筒判別センサ、94…水温センサ、96…シフトポジションセンサ。
Claims (8)
- 内燃機関における混合気の空燃比を検出して該空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するための空燃比フィードバック補正値を算出し、該空燃比フィードバック補正値に基づいて前記混合気の空燃比を調整する空燃比フィードバック制御手段と、
前記空燃比フィードバック制御手段による空燃比制御とは相互に排他的に実行され、燃料供給停止も含めて内燃機関の運転状態に応じて前記混合気の空燃比をフィードフォワード制御にて調整する空燃比フィードフォワード制御手段と、
前記空燃比フィードバック制御および前記空燃比フィードフォワード制御とは並行して実行され、内燃機関の運転状態に応じて混合気の燃料濃度補正量を算出し該燃料濃度補正量に基づいて混合気の燃料濃度を補正する燃料濃度補正手段と、
内燃機関の始動後に最初に行われる前記空燃比フィードバック制御については前記燃料濃度補正手段による燃料濃度補正量が反映されていない空燃比フィードバック補正値を設定し、2回目以降行われる前記空燃比フィードバック制御については前記空燃比フィードフォワード制御手段による制御から前記空燃比フィードバック制御手段による制御に移行する時に、前記燃料濃度補正手段による燃料濃度補正量に基づいて前記空燃比フィードバック補正値を設定する空燃比フィードバック補正値設定手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 内燃機関における混合気の空燃比を検出して該空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するための空燃比フィードバック補正値を算出し、該空燃比フィードバック補正値に基づいて前記混合気の空燃比を調整する空燃比フィードバック制御手段と、
前記空燃比フィードバック制御手段による空燃比制御とは相互に排他的に実行され、前記空燃比フィードバック補正値の変化に依存することなく燃料供給停止も含めて内燃機関の運転状態に応じて前記混合気の空燃比をフィードフォワード制御にて調整する空燃比フィードフォワード制御手段と、
前記空燃比フィードバック制御および前記空燃比フィードフォワード制御とは並行して実行され、内燃機関の運転状態に応じて混合気の燃料濃度補正量を算出し該燃料濃度補正量に基づいて混合気の燃料濃度を補正する燃料濃度補正手段と、
内燃機関の始動後に最初に行われる前記空燃比フィードバック制御については前記燃料濃度補正手段による燃料濃度補正量が反映されていない空燃比フィードバック補正値を設定し、前記空燃比フィードバック制御手段による制御から移行した前記空燃比フィードフォワード制御手段による制御期間に、2回目以降行われる前記空燃比フィードバック制御について前記燃料濃度補正手段による燃料濃度補正量に基づいて前記空燃比フィードバック補正値を設定する空燃比フィードバック補正値設定手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 請求項1又は2に記載の構成において、前記空燃比フィードバック補正値設定手段は、前記燃料濃度補正手段による燃料濃度補正量に基づいて、前記空燃比フィードバック補正値の初期値を補正することにより、前記空燃比フィードバック補正値を設定することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
- 請求項1〜3のいずれか記載の構成において、前記燃料濃度補正手段が前記燃料濃度補正量に基づいて混合気の燃料濃度を増加補正する場合には、前記空燃比フィードバック補正値設定手段は前記燃料濃度補正量に基づいて前記空燃比フィードバック補正値を燃料濃度が希薄化する方向へ設定することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
- 請求項1〜4のいずれか記載の構成において、前記空燃比フィードフォワード制御手段は、内燃機関の運転状態に応じて燃料カットを実行する燃料カット制御手段であることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
- 請求項1〜4のいずれか記載の構成において、前記空燃比フィードフォワード制御手段は、内燃機関の加速時に燃料増量を実行する加速時燃料増量手段であることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
- 請求項1〜6のいずれか記載の構成において、前記燃料濃度補正手段は 、内燃機関の冷間時に燃料増量を実行する冷間時燃料増量手段であることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
- 請求項1〜6のいずれか記載の構成において、前記燃料濃度補正手段は、内燃機関の始動後に燃料増量を実行する始動後燃料増量手段であることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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