JP2701336B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP2701336B2
JP2701336B2 JP63177566A JP17756688A JP2701336B2 JP 2701336 B2 JP2701336 B2 JP 2701336B2 JP 63177566 A JP63177566 A JP 63177566A JP 17756688 A JP17756688 A JP 17756688A JP 2701336 B2 JP2701336 B2 JP 2701336B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関の排気系に介装された三元触媒
の、上流側および下流側に酸素濃度センサ等の空燃比フ
ィードバック制御に加えて、下流側空燃比センサの検出
結果に基づく空燃比フィードバック制御も併せて実行す
る内燃機関の空燃比制御装置に関する。
[従来の技術] 通常の空燃比フィードバック制御装置、所謂、シング
ル酸素濃度センサシステムでは、酸素濃度を検出する空
燃比センサとしての酸素濃度センサを燃焼室近傍に配設
するため、触媒コンバータの上流側である排気マニホル
ドに設けている。しかし、酸素濃度センサの出力特性の
固体差により、空燃比の制御精度向上には限界があっ
た。そこで、上記酸素濃度センサの出力特性の固体差、
さらに、燃料噴射弁等の構成部品の固体差、経時変化、
経年変化等に起因する制御精度低下に対する対策とし
て、触媒コンバータの下流側に下流側酸素濃度センサを
配設し、上記触媒コンバータの上流側に配設された上流
側酸素濃度センサの検出信号に基づく空燃比フィードバ
ック制御に加えて、上記下流側酸素濃度センサの検出信
号に基づく空燃比フィードバック制御を実行する、所
謂、ダブル酸素度センサシステムが知られている。この
ようなダブル酸素濃度センサシステムでは、下流側酸素
濃度センサの応答性は、上流側酸素濃度センサの応答性
より低いが、次のような理由により、出力特性が比較的
安定している。
(a) 触媒コンバータの下流側の排気温度は上流側に
比べて低いので、下流側酸素濃度センサに対する熱的悪
影響が比較的少ない。
(b) 酸素濃度センサの出力特性に悪影響を及ぼす排
気中の有害物質は、触媒コンバータ内部で吸着されるの
で、下流側の排気から酸素濃度センサが悪影響を受ける
ことは比較的少ない。
(c) 触媒コンバータの下流側の排気は、充分混合さ
れているため、排気中の酸素濃度はほぼ平衡状態に近い
ので、酸素濃度センサにより比較的正確に検出できる。
このため、2つの酸素濃度センサの検出信号に基づく
空燃比フィードバック制御(所謂、ダブル酸素濃度セン
サシステム)は、上流側酸素濃度センサの出力特性の悪
化を、下流側酸素濃度センサの検出信号により補正でき
る。すなわち、第17図に黒塗で示すように、ダブル酸素
濃度センサシステムでは、上流側酸素濃度センサの出力
特性が悪化しても、排気中の有害成分(HC,CO,NOx)の
排出量はほとんど増加せず、排気特性の悪化は見られな
い。一方、同図に白抜きで示すように、出力特性悪化時
のシングル酸素濃度センサシステムでは、排気中の有害
成分がかなり増加し、排気特性の悪化が顕著に現れる。
このように、ダブル酸素濃度センサシステムでは、下流
側酸素濃度センサの出力特性が安定していれば、良好な
排気特性が補償される。
ところで、上記のようなダブル酸素濃度センサシステ
ムでは、非フィードバック制御からフィードバック制御
への移行時には要求空燃比が大きく相違し、運転性能、
排気特性の悪化を招く場合もあった。このような不具合
点を解決する技術として、例えば、「内燃機関の空燃比
制御装置」(特開昭62−60941号公報)等が提案されて
いる。すなわち、機関が所定の学習条件を満足している
ときに、下流側空燃比センサの出力に応じて算出された
空燃比制御量の中心値を演算して記憶しておき、下流側
空燃比センサによる空燃比フィードバック制御開始時に
は、この記憶された空燃比制御量の中心値から制御を開
始するものである。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上記従来技術では、制御開始時の空燃比制
御量を、下流側空燃比センサによる空燃比フィードバッ
ク制御実行時に算出された空燃比制御量の中心値に設定
していた。ここで、空燃比制御量の中心値とは、空燃比
フィードバック制御実行時の空燃比制御量の最大値と最
小値との算術平均値である。ところが、例えば、三元触
媒の酸素ストレージ効果が低下すると、三元触媒下流側
空燃比センサは過濃側(Rich)信号を出力し易い。この
ため、空燃比制御量は希薄側(Lean)に補正される。こ
のような場合、空燃比制御量の最大値と最小値とから算
術平均により算出した空燃比制御量の中心値は、希薄側
(Lean)に移行する。これにより、下流側空燃比センサ
の非活性時、下流側空燃比センサによる空燃比フィード
バック制御非実行時には、空燃比制御量が希薄側(Lea
n)に設定され、内燃機関の空燃比の希薄化(Lean)を
招致する。したがって、下流側空燃比センサによる空燃
比フィードバック制御開始以前には、希薄側(Lean)に
初期設定された空燃比制御量を使用するので、排気中の
窒素酸化物(NOx)等、有害物質排出量が増加する場合
もあるという不具合点があった。
このような不具体点を解決するために、例えば、下流
側空燃比センサによる空燃比フィードバック制御開始以
前は、空燃比制御量を過濃側(Rich)に補正した値を使
用する改良技術も考案された。
しかし、例えば、内燃機関の始動・停止を繰り返すよ
うな運転状態では、下流側空燃比センサによる空燃比フ
ィードバック制御が開始される以前に機関が停止し、下
流側空燃比センサによる空燃比フィードバック制御の実
行機会が無くなる。このため、始動時毎に、空燃比制御
量は過濃側(Rich)に補正される。従って、補正の累積
により、初期時の空燃比制御量が過濃側(Rich)に過剰
移行し、下流側空燃比センサによる空燃比フィードバッ
ク制御開始以前および制御開始後の空燃比が過度に過濃
側(Rich)へ移行するので、排気中の有害成分(HC,C
O)排出量の増加や、触媒排気臭気の発生を招くという
問題点が判明し、上記改良技術も未だ充分なものではな
かった。
また、上述のように算出した空燃比制御量を、下流側
空燃比センサによる空燃比フィードバック制御開始以前
の初期値だけでなく、例えば、内燃機関の運転状態や車
両の走行状態に応じて区分した領域後に、各々独立に算
出するような場合にも、過濃側(Rich)に補正した初期
値を使用すると、同様に空燃比が過濃側(Rich)へ過度
に移行して排気特性の悪化を招到するという問題もあっ
た。
このように、下流側空燃比センサによる空燃比フィー
ドバック制御開始以前に、空燃比制御量を過濃側(Ric
h)に補正するだけでは、各種の運転状態において、排
気特性を規制範囲内に維持できない。このため、三元触
媒の上流側および下流側に各々独立に空燃比センサを備
えた空燃比制御装置の制御精度が悪化していた。
本発明は、下流側空燃比センサに基づく空燃比フィー
ドバック制御開始前に、過濃側に補正された空燃比制御
量の初期設定値により、次回の空燃比制御量の初期設定
値が過剰に過濃側補正されるのを好適に防止する内燃機
関の空燃比制御装置の提供を目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するたになされた本発明は、第1図に
例示するように、 内燃機関M1の排気通路に配設された三元触媒M2と、 該三元触媒M2の上流側の排気中の特定成分濃度を検出
する上流側空燃比検出手段M3と、 上記三元触媒M2の下流側の排気中の特定成分濃度を検
出する下流側空燃比検出手段M4と、 上記内燃機関M1の運転状態が、少なくとも下流側空燃
比検出手段M4の活性化を含む所定空燃比フィードバック
制御実行条件に該当するか否かを判定する判定手段M5
と、 該判定手段M5により所定空燃比フィードバック制御実
行条件に該当すると判定されると、上記下流側空燃比検
出手段M4の検出結果に基づいて、上記内燃機関M1の空燃
比フィードバック制御定数を算出する制御定数算出手段
M6と、 該制御定数算出手段M6の算出した空燃比フィードバッ
ク制御定数を用い、上記上流側空燃比検出手段M3の検出
結果に基づいて空燃比制御量を算出する空燃比フィード
バック制御手段M7と、 該空燃比フィードバック制御手段M7の算出した空燃比
制御量に従って、上記内燃機関M1の空燃比を調節する空
燃比調整手段M8と、 を具備した内燃機関の空燃比制御装置において、 さらに、上記判定手段M5により上記下流側空燃比検出
手段M4が非活性状態であると判定されたときは、上記空
燃比フィードバック制御手段M7の使用する前記空燃比フ
ィードバック制御定数を、空燃比フィードバック制御実
行条件に該当するときに上記制御定数算出手段M6の算出
した空燃比フィードバック制御定数に基づいて、該空燃
比フィードバック制御定数の中心値よりも空燃比の過濃
側に補正した過濃側制御定数に変更設定する制御定数設
定手段M9と、 上記判定手段M5の所定空燃比フィードバック制御実行
条件該当判定に応じて、上記制御定数算出手段M9の算出
した空燃比フィードバック制御定数が、前記過濃側制御
定数よりさらに過濃側に設定された上限値と前記中心値
とを両境界値とする更新禁止領域から一旦離脱すると、
上記制御定数設定手段M9に、上記過濃側制御定数または
該過濃側制御定数の演算に使用するパラメータの更新を
開始させる更新手段M10と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置
を要旨とするものである。
[作用] 本発明の内燃機関の空燃比制御装置は、第1図に例示
するように、内燃機関M1の運転状態が、内燃機関M1の排
気通路に配設された三元触媒M2の下流側の排気中の特定
成分濃度を検出する下流側空燃比検出手段M4の活性化
を、少なくとも含む所定空燃比フィードバック制御実行
条件に該当すると判定手段M5が判定する。このとき、下
流側空燃比検出手段M4の検出結果に基づいて、内燃機関
M1の空燃比フィードバック制御定数を制御定数算出手段
M6が算出する。すると、制御定数算出手段M6の算出した
空燃比フィードバック制御定数を用い、三元触媒M2の上
流側の排気中の特定成分濃度を検出する上流側空燃比検
出手段M3の検出結果に基づいて、空燃比制御量を空燃比
フィードバック制御手段M7が算出する。空燃比フィード
バック制御手段M7の算出した空燃比制御量に従って、空
燃比調節手段M8は、内燃機関M1の空燃比を調節する。こ
れに際し、判定手段M5におり下流側空燃比検出手段M4が
非活性状態であると判定されたときは、空燃比フィード
バック制御手段M7の使用する空燃比フィードバック制御
定数を、空燃比フィードバック制御実行条件に該当する
ときに制御定数算出手段M6の算出した制御定数に基づい
て、空燃比フィードバック制御定数の中心値よりも空燃
比の過濃側に補正した過濃側制御定数に制御定数設定手
段M9が変更設定する。そして、判定手段M5の所定空燃比
フィードバック制御実行条件該当判定に応じて、制御定
数算出手段M6の算出した空燃比フィードバック制御定数
が、過濃側制御定数よりさらに過濃側に設定された上限
値と中心値とを両境界値とする更新禁止領域から一旦離
脱すると、更新手段M10は、制御定数設定手段M9に、過
濃側制御定数または過濃側制御定数の演算に使用するパ
ラメータの更新を開始させるように働く。
すなわち、下流側空燃比検出手段M4の非活性時は、空
燃比フィードバック制御定数を、空燃比フィードバック
制御実行条件該当時に算出した空燃比フィードバック制
御定数に基づいて補正した過濃側制御定数に一旦設定し
て内燃機関M1の空燃比希薄化を抑制し、空燃比フィード
バック制御実行条件該当時に到ると、算出された空燃比
フィードバック制御定数が、過濃側制御定数よりさらに
過濃側に設定された上限値と中心値とを両境界値とする
更新禁止領域から一旦離脱したときに、過濃側制御定数
また過濃側制御定数の演算に使用するパラメータの更新
を開始する。過濃側制御定数の演算に使用するパラメー
タの更新は過濃側制御定数に反映されるから、結局、過
濃側制御定数が更新される。このように、空燃比フィー
ドバック定数が更新禁止領域から離脱したときに限って
過濃側制御定数を更新することによって、過濃側制御定
数の累積による内燃機関M1の空燃比の過濃化を抑制する
のである。
従って、本発明の内燃機関の空燃比制御装置は、下流
側空燃比検出手段M4の非活性状態時には空燃比フィード
バック制御定数を過濃側補正し、補正後の空燃比フィー
ドバック制御実行条件該当時以降は、空燃比フィードバ
ック制御定数への過濃側補正の影響を防止し、内燃機関
M1の空燃比を運転状態に応じた要求空燃比に維持するよ
うに働く。
[実施例] 次に本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。本発明の第1実施例であるエンジンの空燃比制
御装置のシステム構成を第2図に示す。
同図に示すように、エンジンの空燃比制御装置1は、
エンジン2およびこれを制御する電子制御装置(以下、
単にECUと呼ぶ。)3から構成されている。
エンジン2は、シリンダ4、ピストン5およびシリン
ダヘッド6から燃焼室7を形成し、この燃焼室7には点
火プラグ8が配設されている。
エンジン2の吸気系は、上記燃焼室7と吸気バルブ9
を介して連通する吸気ポート10、吸気管11、吸入空気の
脈動を吸収するサージタンク12、アクセルペダル1に連
動して吸入空気量を調節するスロットルバルブ14および
エアクリーナ15から構成されている。
上記エンジン2の排気系は、上記燃焼室7と排気バル
ブ16を介して連通する排気ポート17、排気マニホルド1
8、三元触媒を充填した触媒コンバータ19および排気管2
0から構成されている。
上記エンジン2の点火系は、点火に必要な高電圧を出
力するイグニッションコイルを備えたイグナイタ21およ
び図示しないクランク軸に連動して上記イグナイタ21で
発生した高電圧を点火プラグに分配供給するディストリ
ビュータ22より構成されている。
上記エンジン2の燃料系統は、燃料を貯蔵するための
フューエルタンク23、燃料を圧送するフューエルポンプ
24、圧送された燃料を上記吸気ポート10近傍に噴射する
電磁式の燃料噴射弁25から構成されている。
エンジンの空燃比制御装置1は検出器として、上述し
た吸気管11のスロットルバルブ14上流側に設けられて吸
入空気量を計測するエアフロメータ31、エアフロメータ
31内部に設けられて吸入空気温度を測定する吸気温セン
サ32、スロットルバルブ14に連動してスロットルバルブ
14の開度を検出するスロットルポジションセンサ33、ス
ロットルバルブ14の全閉状態を検出するアイドルスイッ
チ34、シリンダブロック4aの冷却系統に配設されて冷却
水温度を検出する水温センサ35、排気マニホルド18内に
設けられて触媒コンバータ19に流入する上流側の排気中
の残存酸素濃度を検出する上流側酸素濃度センサ36、排
気管20内に設けられて触媒コンバータ19から流出した下
流側の排気中の残存酸素濃度を検出する下流側酸素濃度
センサ37、上述したディストリビュータ22のカムシャフ
トの1回転毎に、すなわち、図示しないクランク軸の2
回転毎に基準信号を出力する気筒判別センサ38、上記デ
ィストリビュータ22のカムシャフトの1/24回転毎に、す
なわち、クランク角0゜から30゜の整数倍毎に回転角信
号を出力する回転速度センサを兼ねた回転角センサ39を
備えている。
上記各センサおよびスイッチの検出信号はECU3に入力
され、該ECU3はエンジン2を制御する。ECU3は、CPU3a,
ROM3b,RAM3c,バックアップRAM3d,タイマ3eを中心に理論
演算回路として構成され、コモンバス3fを介して入出力
ポート3gに接続されて外部との入出力を行なう。CPU3a
は、上述したエアフロメータ31、吸気温センサ32、スロ
ットルポジションセンサ33の検出信号をA/D変換器3hお
よび入出力ポート3gを介して、アイドルスイッチ34の検
出信号を入出力ポート3gを介して、気筒判別センサ38、
回転角センサ39の検出信号を波形整形回路3iおよび入出
力ポート3gを介して、水温センサ35、上流側酸素濃度セ
ンサ36、下流側酸素濃度センサ37の検出信号をA/D変換
器3jおよび入出力ポート3gを介して、各々入力する。一
方、CPU3aは、入出力ポート3gおよび駆動回路3mを介し
てイグナイタ21を駆動制御する。さらに、CPU3aは入出
力ポート3g、ダウンカウンタ3n、フリップフロップ回路
3pおよび駆動回路3rを介して燃料噴射弁25を駆動制御す
る。すなわち、CPU3aで算出された燃料噴射量TAUに相当
する値がダウンカウンタ3nにプリセットされると共に、
フリップフロップ回路3pもセットされる。このため、駆
動回路3rが燃料噴射弁25を開弁し、燃料噴射が開始され
る。一方、ダウンカウンタ3nがクロック信号を計数し、
最後にそのキャリアウト端子がハイレベル(1)になる
と、フリップフロップ回路3pがセットされて駆動回路3r
は燃料噴射弁25を閉弁し、燃料噴射が終了する。このよ
うに、燃料噴射量TAUに応じた量の燃料がエンジン2に
供給される。なお、上記ECU3は、イグニッションスイッ
チ40を介して車載バッテリ41から電力の供給を受けて作
動する。また、バックアップRAM3dは、イグニッション
スイッチ40を介さず、バックアップバッテリ等の、図示
しない経路より電力が与えられ、イグニッションスイッ
チ40の状態にかかわらず記憶内容が保持される様に構成
されている。
次に、初期化処理を第3図に示すフローチャートに基
づいて説明する。本初期化処理は、イグニッションスイ
ッチ40の投入時に起動される。まず、ステップ100で
は、リッチスキップ量RSRに、バックアップRAM3dに記憶
されている中心値FGRSRと適合係数Kとの和を設定する
処理が行われる。ここで、適合係数Kとは、中心値FGRS
Rを過濃側(Rich)に補正するために予め定められた定
数であって、本第1実施例では値0.5[%]に設定され
ている。また、バッテリバックアップ不良等によりバッ
クアップRAM3dの記憶内容が消滅した場合には、予め定
められている中心値FGRSRの初期値が設定される。続く
ステップ110では、空燃比補正係数FAFに初期値1.0を設
定する処理が行われる。次にステップ120に進み、下流
側酸素濃度センサ活性化カウンタCOUNT1を値0にリセッ
トする処理が行われる。続くステップ140では、中心値F
GRSRの学習が初回であるか否かを示す学習フラグFGを値
0にリセットする処理を行った後、本初期化処理を終了
する。以後、本初期化処理は、イグニッションスイッチ
40が投入されたときに実行される。
次に、計時処理を第4図のフローチャートにしたがっ
て説明する。本計時処理はECU3の起動に伴い、所定時間
毎に繰り返して実行される。まず、ステップ200では、
下流側酸素濃度センサ活性化カウンタCOUNT1の計数値に
値1を加算する処理が行われる。続くステップ210,220
では、ステップ200で加算された下流側酸素濃度センサ
活性化カウンタCOUNT1の計数値を最大値50以下に制限す
る処理を行った後、一旦、本計時処理を終了する。以
後、本計時処理は、所定時間毎に繰り返して実行され
る。
次に、第1の空燃比フィードバック制御処理を第5図
(1),(2)に示すフローチャートに基づいて説明す
る。本第1の空燃比フィードバック制御処理は、ECU3の
起動後、所定時間(例えば、4[msec])毎に実行され
る。まず、ステップ302では、既述した各センサの検出
信号に基づく各データを読み込む処理が行われる。続く
ステップ304では、第1の空燃比フィードバック制御実
行条件が成立するか否かを判定し、肯定判断されるとス
テップ308に進み、一方、否定判断されると、ステップ3
06に進んで空燃比補正係数FAFを値1.0に設定した後、一
旦、本第1の空燃比フィードバック制御処理を終了す
る。なお、空燃比補正係数FAFの値は、前回の制御終了
までの平均値、バックアップRAM3dに記憶されている学
習値、予め定められている初期値等に設定しても良い。
ここで、例えば、冷却水温度THWが所定温度(例えば60
[℃])以下のとき、始動状態、始動後増量中、暖機増
量中、加速増量(非同期噴射)中、パワー増量中、上流
側酸素温度センサ36の出力信号V1が一度も第1の比較電
圧VR1を横切っていないとき、等は何れも第1の空燃比
フィードバック制御実行条件不成立である。上記各条件
に該当しない、第1の空燃比フィードバック制御実行条
件成立時に実行されるステップ308では、上流側酸素濃
度センサ36の検出信号V1をA/D変換して読み込む処理が
行われる。続くステップ310では、上流側酸素濃度セン
サ36の検出信号V1が第1の比較電圧VR1(例えば、0.45
[V])以下であるか否かを判定し、肯定判断されると
空燃比が希薄側(Lean)であるとしてステップ312に、
一方、否定判断されると空燃比が過濃側(Rich)である
としてステップ324に、各々進む。空燃比が希薄側(Lea
n)であるときに実行されるステップ312では、ディレイ
カウンタCDLRYの計数値の正負を判定し、正のときはス
テップ314でディレイカウンタCDLYの計数値を値0にリ
セットした後ステップ316に進み、一方、負のときは、
そのままステップ316に進む。ステップ316では、ディレ
イカウンタCDLYの計数値を値1だけ減算し、続くステッ
プ318,320でディレイカウンタCDLYの計数値を最小値TDL
に制限し、ディレイカウンタCDLYの値が最小値TDLまで
減少したときは、ステップ322で空燃比フラグF1を値0
{希薄側(Lean)}にリセットした後、ステップ340に
進む。なお、最小値TLDは、上流側酸素濃度センサ36の
検出信号V1が過濃側(Rich)から希薄側(Lean)に変化
しても、過濃側(Rich)であるとの判断を保持するため
のリーン遅延時間であって、負の値に定義されている。
一方、上記ステップ310で、空燃比が過濃側(Rich)で
あると判定されたときに実行されるステップ324では、
ディレイカウンタCDLYの計数値の正負を判定し、負のと
きはステップ326でディレイカウンタCDLYの計数値を値
0にリセットした後ステップ328に進み、一方、正のと
きは、そのままステップ328に進む。ステップ328では、
ディレイカウンタCDLYの計数値を値1だけ加算し、続く
ステップ330,332でディレイカウンタCDLYの計数値を最
大値TDRに制限し、ディレイカウンタCDLYの計数値が最
大値TDRまで増加したときは、ステップ334で空燃比フラ
グF1を値1{過濃側(Rich)}にセットした後、ステッ
プ340に進む。なお、最大値TDRは、上流側酸素濃度セン
サ36の検出信号V1が希薄側(Lean)から過濃側(Rich)
に変化しても、希薄側(Lean)であるとの判断を保持す
るためのリッチ遅延時間であって、正の値に定義されて
いる。
続くステップ340では、空燃比フラグF1の値が反転し
たか否かを判定し、肯定判断されるとステップ342に、
一方、否定判断されるとステップ348に、各々進む。空
燃比フラグF1の値が反転したときに実行されるステップ
342では、過濃側(Rich)から希薄側(Lean)への反転
か、希薄側(Lean)から過濃側(Rich)への反転かを判
定する処理が行われる。過濃側(Rich)から希薄側(Le
an)への反転時に実行されるステップ344では、空燃比
補正係数FAFにリッチスキップ量RSRを加算してスキップ
的に増加させ、一方、希薄側(Lean)から過濃側(Ric
h)への反転時に実行されるステップ346では、空燃比補
正係数FAFからリーンスキップ量RSLを減算してスキップ
的に減少させ、各々ステップ356に進む。また、上記ス
テップ340で空燃比フラグF1の値が反転しないときに実
行されるステップ348では、希薄側(Lean)であるか、
過濃側(Rich)であるかを判定する処理が行われる。希
薄側(Lean)であるときに実行されるステップ350で
は、空燃比補正係数FAFにリッチ積分定数KIRを加算して
徐々に増加させ、一方、過濃側(Rich)であるときに実
行されるステップ352では、空燃比補正係数FAFからリー
ン積分定数KILを減算して徐々に減少させ、各々ステッ
プ356に進む。ここで、両積分定数KIR,KILは、両スキッ
プ量RSR,RSLに比較して充分小さく設定されている。従
って、ステップ344,346では燃料噴射量は迅速に増減補
正され、一方、ステップ350,352では燃料噴射量は徐々
に増減補正される。続くステップ356,358では、上記空
燃比補正係数FAFの値を、例えば、最大値1.2以下に制限
し、さらに、続くステップ360,362では、最小値0.8以上
に制限し、空燃比補正係数の値FAFが何等かの原因によ
り過大、あるいは、過小になった場合でも、空燃比の過
濃側への過度な移行(オーバリッチ状態)、もしくは、
希薄側への過度の移行(オーバリーン状態)を防止す
る。次にステップ364に進み、上記のように算出された
空燃比補正係数FAFをRAM3cおよびバックアップRAM3dに
記憶した後、一旦、本第1の空燃比フィードバック制御
処理を終了する。以後、本第1の空燃比フィードバック
制御処理は所定時間毎に、上記ステップ302〜364を繰り
返して実行する。
次に、上記制御の様子の一例を、第6図のタイミング
チャートに従って説明する。時刻t1に、上流側酸素濃度
センサ検出信号に基づく空燃比信号A/Fが希薄側(Lea
n)から過濃側(Rich)に変化すると、ディレイカウン
タCDLYの計数値はリセット後、カウントアップされ、リ
ッチ遅延時間TDR経過後の時刻t2に最大値TDRに到達す
る。すると、遅延処理後の空燃比信号A/Fd(空燃比フラ
グF1の値)が、希薄側(Lean)から過濃側(Rich)に変
化する。また、時刻t3に、上流側酸素濃度センサ検出信
号に基づく空燃比信号A/Fが過濃側(Rich)から希薄側
(Lean)に変化すると、ディレイカウンタCDLYの計数値
はリセット後、カウントダウンされ、リーン遅延時間
(−TDL)経過後の時刻t4に最小値TDLに到達する。する
と、遅延処理後の空燃比信号A/Fd(空燃比フラグF1の
値)が、過濃側(Rich)から希薄側(Lean)に変化す
る。しかし、例えば、上流側酸素濃度センサ検出信号に
基づく空燃比信号A/Fが、時刻t5,t6,t7のようにリッチ
遅延時間TDRより短い期間で反転すると、ディレイカウ
ンタCDLYの計数値が最大値TDRへ到達する時間が延長さ
れ、時刻t8に至って遅延処理後の空燃比信号A/Fdが反転
する。すなわち、遅延処理後の空燃比信号A/Fd(空燃比
フラグF1の値)は、上流側酸素濃度センサ検出信号に基
づく空燃比信号A/Fよりも安定した値となる。このよう
に、比較的安定した遅延処理後の空燃比信号A/Fdに基づ
いて、空燃比補正係数FAFが決定される。
次に、第2の空燃比フィードバック制御処理について
説明する。第2の空燃比フィードバック制御処理は、第
1の空燃比フィードバック制御処理の制御定数であるス
キップ量RSR,RSL、積分定数KIR,KIL、遅延時間TDR,TDL
および第1の比較電圧VR1を変更する制御を行なうもの
と、第2の空燃比補正係数FAF2を算出する制御を行なう
ものがある。
制御定数であるスキップ量RSR,RSL、積分定数KIR,KI
L、遅延時間TDR,TDLおよび第1の比較電圧VR1を変更す
る制御では、例えば、リッチスキップ量RSRの増加補
正、あるいは、リーンスキップ量RSLの減少補正により
空燃比を過濃側(Rich)に制御でき、一方、リッチスキ
ップ量RSRの減少補正、あるいは、リーンスキップ量RSL
の増加補正により空燃比を希薄側(Lean)に制御でき
る。従って、下流側酸素濃度センサ37の検出信号に応じ
てリッテスキップ量RSR、あるいは、リーンスキップ量R
SLの少なくとも一方を補正すると空燃比を制御できる。
また、例えば、リッチ積分定数KIRの増加補正、あるい
は、リーン積分定数KILの減少補正により空燃比を過濃
側(Rich)に制御でき、一方、リッチ積分定数KIRの減
少補正、あるいは、リーン積分定数KILの増加補正によ
り空燃比を希薄側(Lean)に制御できる。このように、
下流側酸素濃度センサ37の検出信号に応じてリッチ積分
定数KIR、あるいは、リーン積分定数KILの少なくとも一
方を補正すると空燃比を制御できる。さらに、例えば、
リッチ遅延時間TDRをリーン遅延時間(−TDL)より相対
的に大きく設定すると、空燃比を過濃側(Rich)に制御
でき、一方、リッチ遅延時間TDRをリーン遅延時間TDLよ
り相対的に小さく設定すると、空燃比を希薄側(Lean)
に制御できる。すなわち、下流側酸素濃度センサ37の検
出信号に応じてリッチ遅延時間TDR、あるいは、リーン
遅延時間TDLの少なくとも一方を補正すると空燃比を制
御できる。また、例えば、第1の比較電圧VR1を低下補
正すると、空燃比を希薄側(Lean)の制御できる。そこ
で、下流側酸素濃度センサ37の検出信号に応じて第1の
比較電圧VR1を補正しても、空燃比を制御できる。とこ
ろで、上記スキップ量RSR,RSL、積分定数KIR,KIL、遅延
時間TDR,TDLおよび第1の比較電圧VR1を下流側酸素濃度
センサ37の検出信号に応じて変更すると、例えば、遅延
時間TDR,TDLの補正は非常に微妙な空燃比制御を可能に
し、スキップ量RSR,RSLは、上記遅延時間TDR,TDLのよう
に空燃比フィードバック制御周期の延長を伴うことなく
高い応答性を保持した制御が可能になる。従って、複数
の上記制御定数を組み合わせた制御が有効である。
次に、第2の空燃比フィードバック制御処理を第7図
(1),(2)に示すフローチャートに基づいて説明す
る。本第2の空燃比フィードバック制御処理は、ECU3の
起動後、所定時間(例えば、512[msec])毎に実行さ
れ、スキップ量RSR,RSLを補正演算する。まず、ステッ
プ402では、既述した各セサの検出信号に基づく各デー
タを読み込む処理が行われる。続くステップ404では、
第1の空燃比フィードバック制御処理実行条件が成立す
るか否かを判定し、肯定判断されるとステップ406に進
み、一方、否定判断されると、一旦、本第2の空燃比フ
ィードバック制御処理を終了する。第1の空燃比フィー
ドバック制御処理実行条件成立時に実行されるステップ
406では、冷却水温度THWが70[℃]を上回るか否かを判
定し、肯定判断されるとステップ408に進み、一方、否
定判断されると、一旦、本第2の空燃比フィードバック
制御処理を終了する。ステップ408では、スロットルバ
ルブ非全閉状態であるか否かを判定し、否定判断される
と、ステップ409に進んでアイドル信号LLがロウレベル
(0)に変化した後の経過時間を計時する経過時間カウ
ンタCOUNT3を値0にリセットした後、一旦、本第2の空
燃比フィードバック制御処理を終了し、一方、肯定判断
されるとステップ410に進む。スロットルバルブ14が非
全閉状態のときに実行されるステップ410では、経過時
間カウンタCOUNT3の計数値に値1を加算する処理が行わ
れる。続くステップ412では、経過時間カウンタCOUNT3
の計数値が値20以上であるか否か、すなわち、アイドル
信号LLが値0に変化後10[sec]以上経過したか否かを
判定し、肯定判断されるとステップ414に進み、一方、
否定判断されると、一旦、本第2の空燃比フィードバッ
ク制御処理を終了する。アイドル信号LLが値0に変化後
10[sec]以上経過したときに実行されるステップ414で
は、経過時間カウンタCOUNT3の計数値を上限値20に制限
する処理が行われる。続くステップ416では、下流側酸
素濃度センサ活性化カウンタCOUNT1の計数値が50以上で
あるか否か、すなわち、下流側酸素濃度センサ37が活性
化したか否かを判定し、肯定判断されるとステップ420
に進み、一方、否定判断されると、一旦、本第2の空燃
比フィードバック制御処理を終了する。下流側酸素濃度
センサ37が活性化したときに実行されるステップ420で
は、空燃比補正係数FAFが最大値1.2、あるいは最小値0.
8に継続して維持されていないか否かを判定し、肯定判
断されるとステップ422に進み、一方、否定判断される
と、一旦、本第2の空燃比フィードバック制御処理を終
了する。空燃比補正係数FAFが最大値1.2と最小値0.8と
の間にあるときに実行されるステップ422では、下流側
酸素濃度センサ37が正常であるか否か、すなわち、下流
側酸素濃度センサ37のダイアグノーシス信号が正常を示
すが否かを判定し、肯定判断されるとステップ424に進
み、一方、否定判断されると、一旦、本第2の空燃比フ
ィードバック制御処理を終了する。下流側酸素濃度セン
サ37が正常であるときに実行されるステップ424では、
燃料系統、排気系等の障害による空燃比異常状態に無い
か否かを判定し、空燃比正常と判断されるとステップ43
0に進み、一方、否定判断されると、一旦、本第2の空
燃比フィードバック制御処理を終了する。すなわち、燃
料噴射弁25等燃料系統の動作不良や、排気マニホルド1
8、触媒コンバータ19、排気管20から成る排気系の亀裂
等機械的損傷に起因する空燃比の異常変動が無いか否か
を判定する。上記各第2の空燃比フィードバック制御処
理実行条件成立時に実行されるステップ430では、下流
側酸素濃度センサ37の検出信号V2をA/D変換して読み込
む処理が行われる。続くステップ432では、前回算出さ
れたスキップ量RSR,RSLを読み込む処理が行われる。続
くステップ434では、下流側酸素濃度センサ37の検出信
号V2が第2の比較電圧VR2(例えば、0.55[V])以下
であるか否かを判定し、肯定判断されると空燃比が希薄
側(Lean)であるとしてステップ436に、一方、否定判
断されると空燃比が過濃側(Rich)であるとしてステッ
プ450に各々進む。空燃比が希薄側(Lean)であるとき
に実行されるステップ436では、リッチスキップ量RSRの
値を一定値△RSだけ加算し、続くステップ438,440でリ
ッチスキップ量RSRの値を最大値RMAX以下の量に制限
し、さらに、ステップ442では、リーンスキップ量RSLの
値を一定値′だけ減算し、続くステップ444,446でリー
ンスキップ量RSLの値を最小値LMIN以上の量に制限す
る。ここで、最大値は7.5[%]、最小値は2.5[%]で
ある。なお、最大値は空燃比の変動によりドライバビリ
ティが悪化しない範囲の値であり、最小値は過渡追従性
が低下しない範囲の値である。このように、リッチスキ
ップ量RSRを増加補正すると共に、リーンスキップ量RSL
を減少補正して空燃比を過濃側(Rich)に移行させ易く
する。続くステップ448では、上記のように補正したリ
ッチスキップ量RSRおよびリーンスキップ量RSLをRAM3c
およびバックアップRAM3dに記憶する処理が行われる。
次にステップ500に進み、後述する学習処理を実行した
後、一旦、本第2の空燃比フィードバック制御処理を終
了する。
一方、上記ステップ434で、空燃比が過濃側(Rich)
であると判定されたときに実行されるステップ450で
は、リッチスキップ量RSRの値を一定値△RSだけ減算
し、続くステップ452,454でリッチスキップ量RSRの値を
最小値RMIN以上の量に制限し、次にステップ456に進
み、リーンスキップ量RSLの値を一定値△RSだけ加算
し、続くステップ458,460でリーンスキップ量RSLの値を
最大値LMAX以下の量に制限する。このように、リッチス
キップ量を減少補正すると共に、リーンスキップ量RSL
を増加補正して空燃比を希薄側(Lean)に移行し易くす
る。その後、上述したステップ448,500を経て、一旦、
本第2の空燃比フィードバック制御処理を終了する。以
後、本第2の空燃比フィードバック制御処理は所定時間
毎に、上記ステップ402〜500を繰り返して実行する。
次に第2の空燃比フィードバック制御処理のステップ
500で実行される学習処理を第8図のフローチャートに
従って説明する。本学習処理は、第2の空燃比フィード
バック制御処理の実行に伴い、繰り返して実行される。
まずステップ502では、今回算出されたリッチスキップ
量RSRが前回処理時に算出され記憶されている中心値FGR
SR以下であるか否かを判定し、肯定判断されると学習可
能領域にあるものとして、ステップ506に進み、一方、
否定判断されるとステップ504に進む。ステップ504で
は、今回算出されたリッチスキップ量RSRが、中心値FGR
SRと適合定数Kとオフセット量OS2との加算値以上であ
るか否かを判定し、肯定判断されると学習可能領域にあ
るものとして、ステップ506に進み、一方、否定判断さ
れると未だ学習可能領域にないものとして、一旦、本学
習処理を終了する。続くステップ506では、学習フラグF
Gが値0にリセットされているか否かを判定し、否定判
断されると既に初期化されているものとしてステップ51
2に、一方、肯定判断されると未だ初期化されていない
ものとしてステップ508に、各々進む。未だ初期化され
ていないときに実行されるステップ508では、学習フラ
グFGを値1にセットする処理が行われる。続くステップ
510では、リッチスキップ量最大値RSRMAXおよびリッチ
スキップ量最小値RSRMINに、今回算出されたリッチスキ
ップ量RSRを設定する処理を行った後、ステップ512に進
む。ステップ512では、今回算出されたリッチスキップ
量RSRがリッチスキップ量最大値RSRMAX以上であるか否
かを判定し、肯定判断されるとステップ514に進んでリ
ッチスキップ量最大値RSRMAXを今回算出されたリッチス
キップ量RSRで更新した後ステップ516に進み、一方、否
定判断されるとそのままステップ516に進む。ステップ5
16では、今回算出されたリッチスキップ量RSRがリッチ
スキップ量最小値RSRMIN以下であるか否かを判定し、肯
定判断されるとステップ518に進んでリッチスキップ量
最小値RSRMINを今回算出されたリッチスキップ量RSRで
更新した後ステップ520に進み、一方、否定判断される
と、中心値FGRSRは更新されないものとして、一旦、本
学習処理を終了する。ステップ520では、リッチスキッ
プ量最大値RSRMAXと、リッチスキップ量最小値RSRMINと
の算術平均値を次式(1)のように算出し、学習値であ
る中心値FGRSRを求める処理が行われる。
FGRSR=(RSRMAX+RSRMIN)/2 …(1) 続くステップ525では、ステップ520で算出した中心値
FGRSRを所定範囲内にガードする処理が行われる。本第
1実施例では、適合定数Kが値0.5[%]であるため、
ガード加減値は値(3.5−0.5)[%]、ガード上限値は
値(6.2−0.5)[%]である。次にステップ530に進
み、ステップ520で算出し、ステップ525でガード処理し
た中心値FGRSRをRAM3c、バックアップRAM3dに記憶する
処理を行った後、一旦、本学習処理を終了する。以後、
本学習処理は第2の空燃比フィードバック制御処理の実
行に伴い、繰り返して実行される。
次に上記制御の様子を第9図のタイミングチャートに
従って説明する。エンジン2が停止状態にあるときは、
以前に学習されている中心値FGRSRがECU3のバックアッ
プRAM3dに記憶されている。この状態で、時刻T1にイグ
ニッションスイッチ40が投入されると、下流側酸素濃度
センサ37非活性の為、第2の空燃非フィードバック制御
処理は実行されず、リッチスキップ量RSRは更新されな
い。このため、初期化処理により、リッチスキップ量RS
Rは時刻T1以前に学習されている中心値FGRSRと適合定数
Kとの和に初期設定される。すなわち、中心値FGRSRよ
りも過濃側(Rich)に適合係数Kだけ増加補正されてい
る。やがて、下流側酸素濃度センサ37が活性化し、その
他の各実行条件も成立すると、時刻T2から、第2の空燃
比フィードバック制御処理が開始される。これにより、
下流側酸素濃度センサ37の検出信号に基づいて、リッチ
スキップ量RSRは増減補正される。この第2の空燃比フ
ィードバック制御処理開始時刻T2以後、時刻T3に到る
と、リッチスキップ量RSRは、中心値FGRSRと適合定数K
とオフセット量OS2との加算値以上の値まで増加補正さ
れる。このように、もはや適合定数Kの影響によらず、
第2の空燃比フィードバック制御処理により、明らかに
過濃側(Rich)に補正されているときは、同時刻T3から
学習処理が開始され、中心値FGRSRが演算記憶される。
また、例えば、時刻T4におけるリッチスキップ量RSR
は、中心値FGRSR以下の値まで減少補正されている。こ
のように、もはや適合定数Kの過濃側(Rich)補正の影
響を受けず、下流側酸素濃度センサ37の検出信号に基づ
き、増加、あるいは、減少補正の何れかによりリッチス
キップ量RSRが学習禁止領域から離脱したと判別される
場合も、同時刻T4から学習処理が開始され、中心値FGRS
Rが演算記憶されるのである。このように、学習可能領
域で算出された中心値FGRSRは、適合定数Kによる過濃
側(Rich)補正の影響を受けなくなった温間運転状態要
求空燃比に相当するリッチスキップ量である。
次に、燃料噴射制御処理を第10図に示すフローチャー
トに基づいて説明する。本燃料噴射制御処理は、ECU3の
起動後、所定クランク角度毎(例えば、360[℃A])
に実行される。まず、ステップ610では、既述した各デ
ータを読み込む処理が行われる。続くステップ620で
は、基本燃料噴射量TAU0を、定数Kα、吸入空気量Qお
よび回転速度Neから、次式(2)のように算出する処理
が行われる。
TAU0=Kα×Q/Ne …(2) 続くステップ630では、暖機増量係数FWLを、冷却水温
度THWに応じて、ROM3bに記憶されている、第11図に示す
マップに従った補間計算により算出する処理が行われ
る。次に、ステップ640に進み、実燃料噴射量TAUを次式
(3)のように算出する処理が行われる。但し、Kβ,
γは、他の運転状態パラメータに従って定まる補正係数
である。
TAU=TAU0×FAF×(FWL+Kβ+1)+γ …(3) 続くステップ650では、上記ステップ640で算出された
実燃料噴射量TAUを、ダウンカウンタ3nにセットすると
共に、フリップフロップ回路3pをセットする制御信号を
出力して燃料噴射を開始させた後、一た、本燃料噴射制
御処理を終了する。なお、既述したように、実燃料噴射
量TAUに相当する時間が経過すると、ダウンカウンタ3n
のキャリアウト信号により、フリップフロップ3pがリセ
ットされて燃料噴射は終了する。以後、本燃料噴射制御
処理は所定クランク角度毎に、上記ステップ610〜650を
繰り返して実行する。
なお本第1実施例において、エンジン2が内燃機関M1
に、触媒コンバータ19が三元触媒M2に、上流側酸素濃度
センサ36が上流側空燃比検出手段M3に、下流側酸素濃度
センサ37が下流側空燃比検出手段M4に、各々該当する。
また、ECU3および害ECU3の実行する処理のうちステップ
(404〜424)が判定手段M5として、第2の空燃比フィー
ドバック制御処理が制御定数算出手段M6として、第1の
空燃比フィードバック制御処理が空燃比フィードバック
制御手段M7として、各々機能する。さらに、燃料噴射弁
25が空燃比調節手段M8に該当し、ECU3およびECU3の実行
する処理の内、ステップ(100,506〜530)が制御定数設
定手段M9として、ステップ(502,504)が更新手段M10と
して、各々機能する。
以上説明したように本第1実施例によれば、下流側酸
素濃度センサ37が非活性で第2の空燃比フィードバック
制御処理実行不能のときは、記憶されている中心値FGRS
Rに適合定数Kを加算して過濃側(Rich)に補正した値
をリッチスキップ量RSRに一旦初期設定し、第2の空燃
比フィードバック制御処理開始により算出されたリッチ
スキップ量RSRが、中心値FGRSR以下の値まで減少補正さ
れたとき以降、または、中心値FGRSRと適合定数Kとオ
フセット量OS2との加算値以上の値まで増加補正された
とき以降、リッチスキップ量RSRの中心値FGRSRを算出し
て記憶する学習処理を開始する。このため、下流側酸素
濃度センサ37が非活性状態にあるときに、中心値FGRSR
に適合定数Kを加算して過濃側(Rich)に補正してエン
ジン2の空燃比A/Fの希薄側(Lean)への移行を抑制で
きると共に、その後の学習処理で中心値FGRSRが累積増
加するといった誤学習を引き起こす弊害も生じない。
従って、下流側酸素濃度センサ37の非活性に起因する
第2の空燃比フィードバック制御処理実行不能時でも、
排気中のNOx排出量を低減でき、しかも、下流側酸素濃
度センサ37の活性化による第2の空燃比フィードバック
制御処理開始に伴う学習処理で中心値FGRSRを誤学習し
ないので、排気中のHC,CO排出量も低減でき、併せて、
触媒排気臭気の発生を抑制できる。
このことは、第2の空燃比フィードバック制御処理が
実行されない、エンジン2の始動後、始動状態、暖機状
態から暖機完了以前にエンジン2を停止させるような運
転状態を繰り返す場合に、特に顕著な効果を示す。
一般に、始動状態、暖機状態では、空燃比A/Fは希薄
側(Lean)に移行し易く、NOx排出量の増加を招到す
る。しかし、本第1実施例の構成では、空燃比A/Fの希
薄側(Lean)への移行を防止するので、排気中のNOx
出量を規制値未満に充分抑制できる。しかも、暖機完了
以前にエンジン2の運転を停止しても、中心値FGRSRの
学習が行われないため、過濃側(Rich)補正されたリッ
チスキップ量RSRの影響を受けないので、次回始動時の
リッチスキップ量RSRの中心値FGRSRに基づく過濃側(Ri
ch)補正は適切に行われる。
また、フューエルカット領域でエンジン2が運転され
ることの少ない自動変速機搭載車や、三元触媒が劣化し
ているマニュアルトランスミッション車等、酸素ストレ
ージ効果の低下している場合は、下流側酸素濃度センサ
37が過濃側(Rich)信号を出力する傾向が強く、リッチ
スキップ量RSRは希薄側(Lean)に補正され易い。しか
し、このような状況下でも、本第1実施例の構成によれ
ば、第2の空燃比フィードバック制御処理開始前には、
リッチスキップ量RSRの初期値を過濃側(Rich)に補正
するので、排気中のNOx排出量を低減でき、しかも、第
2の空燃比フィードバック制御開始時以降でも、リッチ
スキップ量RSRが補正により不安定な時期は中心値FGRSR
の学習を行わず、算出されたリッチスキップ量RSRが比
較的安定する学習可能領域に移行後、中心値FGRSRの学
習を開始するので、排気中のHC,CO排出量を減少でき
る。
さらに、下流側酸素濃度センサ37が非活性時の急発進
・急加速時や、暖機完了前の高速走行時にも、第2の空
燃比フィードバック制御処理開始以前には、リッチスキ
ップ量RSRを記憶されている中心値FGRSRより過濃側(Ri
ch)に補正するので、エンジン2の空燃比A/Fを走行状
態に要求される空燃比A/Fに適応させられ、その後の中
心値FGRSRの学習処理にも悪影響を及ぼさない。
このため、エンジン2の排気浄化率と、要求されるエ
ンジントルクの発揮とを両立できる。
このように、下流側酸素濃度センサ37が非活性状態に
あり、第2の空燃比フィードバック制御処理が実行され
なくても、高い排気浄化率や良好なエンジン2の燃焼状
態を確保でき、しかも、非活性状態の過濃側(Rich)補
正が、第2の空燃比フィードバック制御処理開始後の中
心値FGRSR学習処理に弊害を与えるのを防止するので、
ダブル酸素濃度センサシステムによる空燃比制御の制御
精度および信頼性・耐久性がより一層高まる。
さらに、第1の空燃比フィードバック補正係数FAFと
第2の空燃比フィードバック補正係数FAF2とを併用する
場合は、第2の空燃比フィードバック制御処理開始以前
に、第2の空燃比フィードバック補正係数FAF2の初期値
を記憶している中心値より過濃側(Rich)に一旦補正
し、第2の空燃比フィードバック制御処理開始時以降算
出された第2の空燃比フィードバック補正係数FAF2が、
所定学習禁止領域から離脱したとき(学習可能領域移行
時)以降に、中心値を演算記憶するよう構成すると同様
の効果を奏する。
また、スキップ量RSR,RSL、遅延時間TDL,TDR、積分定
数KIL,KIR、第1の比較電圧VR1の内、複数の制御定数の
補正量の中心値を各々独立に算出記憶し、第2の空燃比
フィードバック制御処理開始以前には、記憶している各
制御定数の補正量をその中心値より過濃側(Rich)に補
正し、第2の空燃比フィードバック制御処理開始以降算
出された各制御定数の補正量が、所定学習禁止領域から
離脱したとき(学習可能領域移行時)以降に各補正量の
中心値を算出記憶するよう構成すると、制御精度、応答
性・信頼性をより一層向上できる。
さらに、スキップ量RSR,RSL、遅延時間TDL,TDR、積分
定数KIL,KIR、第1の比較電圧VR1の内、何れか1つを下
流側酸素濃度センサ37の検出信号V2に基づいて補正し、
その中心値を算出記憶するような第2の空燃比フィード
バック制御処理を実行する場合にも、第2の空燃比フィ
ードバック制御処理開始以前に、本第1実施例と同様に
過濃側補正を伴う初期値設定を行ない、第2の空燃比フ
ィードバック制御処理開始以降に算出されたパラメータ
が、所定学習禁止領域から離脱したとき(学習可能領域
移行時)以降に、その中心値を算出記憶する構成は有効
である。
また、触媒コンバータ19の下流側の酸素濃度センサか
ら空燃比フィードバック補正量を演算する、シングル酸
素濃度センサシステムでは、上記第2の空燃比フィード
バック制御処理で算出される空燃比制御定数RSR,TDR,KI
R,VR2に代えて、空燃比補正係数FAFの中心値を算出して
記憶し、空燃比補正係数FAFを空燃比フィードバック制
御処理で更新しないときは、記憶している空燃比補正係
数FAFの中心値より過濃側(Rich)に補正した値を使用
し、補正の影響が無くなって空燃比補正係数FAFが安定
する学習可能領域移行後に空燃比補正係数FAFを更新記
憶して空燃比制御するよう構成することもできる。
さらに、比較的短い周期で変動する上流側酸素濃度セ
ンサ36の検出信号V1に基づく第1の空燃比フィードバッ
ク制御処理を4[msec]毎に、一方、比較的長い周期で
変動する下流側酸素濃度センサ37の検出信号V2に基づく
第2の空燃比フィードバック制御処理を512[msec]毎
に実行するので、制御の応答性・追従性を高水準に補償
できる。
なお、本第1実施例では、中心値FGRSRを、全ての走
行状態で区分しないで算出するよう構成した。しかし、
例えば、エンジン2の吸入空気量Q、回転速度Ne、車速
SPD等、各種のパラメータに応じて、各々独立に中心値F
GRSRを算出する学習領域を設け、各学習領域間移行時
に、学習された中心値に基づく過濃側(Rich)補正を行
ない、さらに、該当学習領域での下流側酸素濃度センサ
検出信号が安定する学習可能領域に移行した後、学習処
理を開始する構成としても、本第1実施例と同様な効果
を奏する。
また、本第1実施例では、中心値FGRSRを、リッチス
キップ量最大値RSRMAXとリッチスキップ量最小値RSRMIN
との算術平均により算出する構成とした。しかし、例え
ば、下流側酸素濃度センサ37の空燃比信号V2の過濃側
(Rich)と希薄側(Lean)との反転時毎の値を算術平均
して瞬時中心値を反転時毎に算出する構成としても良
い。
さらに、上述した第1実施例では、エアフロメータ31
の検出する吸入空気量Qおよび回転角センサ39の検出す
る回転速度Neに基づいて燃料噴射量TAUを決定するよう
構成したが、例えば、カルマン渦センサ、ホットワイヤ
センサ等により吸入空気量Qを計測しても良いし、吸気
管圧力PMと回転速度Neと、あるいは、スロットルバルブ
開度TAと回転速度Neとに基づいて燃料噴射量TAUを算出
する構成であっても良い。
また、上述の第1実施例では、酸素濃度センサ36,37
を使用したが、例えば、一酸化炭素COを検出するガスセ
ンサ、あるいは、所謂、リーンミクスチャセンサ等を使
用しても良い。
さらに、上述の第1実施例では、燃料噴射弁25により
燃料噴射量を制御するエンジンの空燃比制御装置1につ
いて説明した。しかし、例えば、気化器を備えたエンジ
であって、エアコントロールバルブ(EACV)により吸入
空気量を制御するエンジン、ブリードエアコントロール
バルブにより気化器にブリードエア量を調節してメイン
系通路およびスロー系通路への大気の導入により空燃比
を制御するエンジン、排気系に供給される2次空気の量
を調節するエンジン等にも適用できる。このように、気
化器を備えたエンジンでは、基本燃料噴射量が気化器の
特性から定まり、所望の空燃比を実現する供給空気量を
演算により算出して空燃比制御を行なうのである。
また、上述の第1実施例では、第2の空燃比フィード
バック制御処理で、下流側酸素濃度センサ37の活性時で
も、その他の実行条件が成立しないとリッチスキップ量
RSRを更新しないよう構成した。しかし、第12図のフロ
ーチャートに示すように下流側酸素濃度センサ37の活性
時(ステップ416a)には、その他の異常判定条件(ステ
ップ420a〜ステップ424a)に該当しなくても、リッチス
キップ量RSRに中心値FGRSRを設定する(ステップ462)
構成とすることもできる。
さらに、上述の第1実施例では、学習フラグFGを使用
して、学習処理でリッチスキップ量最大値RSRMAXおよび
リッチスキップ量最小値RSRMINの初期化を行なうよう構
成した。しかし、例えば、第13図のフローチャートに示
すように、初期化処理でリッチスキップ量最大値RSRMAX
およびリッチスキップ量最小値RSRMINに中心値FGRSRを
予め設定し(ステップ150,152)、第14図のフローチャ
ートに示すように、学習処理では、学習開始条件の判断
(ステップ502a,504a)、リッチスキップ量最大値RSRMA
Xおよびリッチスキップ量最小値RSRMINの更新(ステッ
プ512a〜518a)、中心値FGRSR算出、カード処理および
記憶(ステップ520a〜530a)のみを実行するよう構成す
ることもできる。
次に、本発明の第2実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。第2実施例と既述した第1実施例との相違点
は、初期化処理で初期値設定を行なうことと、学習処理
で中心値FGRSRに代えて過濃側(Rich)を重視した重み
付き平均値RSRAVを算出することである。その他の装置
構成や各処理は、既述した第1実施例と同様であるの
で、同一部分は同一符号で表記し、説明を省略する。
第2実施例で実行される初期化処理を第15図に示すフ
ローチャートにしたがって説明する。本初期化処理は、
イグニッションスイッチ40の投入時に実行される。ま
ず、ステップ710では、リッチスキップ量RSRに、バック
アップRAM3dに記憶されている重み付き平均値RSRAVを設
定する処理が行われる。なお、バッテリバックアップ不
良等により記憶が消滅した場合には、予め定められてい
る重み付き平均値RSRAVの初期値が設定される。続くス
テップ720では、リッチスキップ量最大値RSRMAXおよび
リッチスキップ量最小値RSRMINに、各々バックアップRA
M3dに記憶されている重み付き平均値RSRAVを設定する処
理が行われる。次にステップ730に進み、空燃比補正係
数FAFに初期値1.0を設定する処理が行われる。続くステ
ップ740では、下流側酸素濃度センサ活性化カウンタCOU
NT1を値0にリセットする処理を行った後、本初期化処
理を終了する。以後、本初期化処理は、イグニッション
スイッチ40が投入されたときに実行される。
次に、学習処理を第16図のフローチャートに基づいて
説明する。本学習処理は、第2の空燃比フィードバック
制御処理の実行に伴い、繰り返して実行される。まず、
ステップ810では、今回算出されたリッチスキップ量RSR
が中心値FGRSR以下であるか否かを判定し、肯定判断さ
れると学習可能領域にあるものとしてステップ830に進
み、一方、否定判断されるとステップ820に進む。ステ
ップ820では今回算出されたリッチスキップ量RSRが、重
み付き平均値RSRAVとオフセット量OS3との加算値以上で
さるか否かを判定し、肯定判断されると学習可能領域に
あるものとしてステップ830に進み、一方、否定判断さ
れると、未だ学習可能領域にないものとして、一旦、本
学習処理を終了する。ステップ810,820の何れか一方で
学習可能領域にあると判定されたときに実行されるステ
ップ830では、今回算出されたリッチスキップ量RSRがリ
ッチスキップ量最大値RSRMAX以上であるか否かを判定
し、肯定判断されるとステップ840に進んでリッチスキ
ップ量最大値RSRMAXを今回算出されたリッチスキップ量
RSRで更新した後ステップ850に進み、一方、否定判断さ
れるとそのままステップ850に進む。ステップ850では、
今回算出されたリッチスキップ量RSRがリッチスキップ
量最小値RSRMIN以下であるか否かを判定し、肯定判断さ
れるとステップ860に進んでリッチスキップ量最小値RSR
MINを今回算出されたリッチスキップ量RSRで更新した後
ステップ870に進み、一方、否定判断されると、重み付
き平均値RSRAVは更新されないものとして、一旦、本学
習処理を終了する。ステップ870では、リッチスキップ
量最大値RSRMAXに大きな係数αを掛けた値と、リッチス
キップ量最小値RSRMINに小さな係数βを掛けた値とを加
算して重み付き平均値RSRRAVを次式(4)のように算出
する処理が行われる。
RSRAV=α×RSRMAX+β×RSRMIN …(4) 但し、0.0<β<0.5<α<1.0の関係があり、本第2実
施例では、α:β=6:4の重み付けを行った。
続くステップ875では、リッチスキップ量最大値RSRMA
Xと、リッチスキップ量最小値RSRMINとを算術平均して
中心値FGRSRを次式(5)のように算出する処理が行わ
れる。
FGRSR=(RSRMAX+RSRMIN)/2 …(5) 次にステップ880に進み、ステップ870,875で算出した
重み付き平均値RSRAVおよび中心値FGRSRの値を各々所定
範囲内に制限するガード処理が行われる。続くステップ
885では、ステップ870,875で算出し、ステップ880でガ
ード処理した重み付き平均値RSRAVおよび中心値FGRSRの
値を各々RAM3c、バックアップRAM3dに記憶する処理を行
った後、一旦、本学習処理を終了する。以後、本学習処
理は、第2の空燃比フィードバック制御処理の実行に伴
い、繰り返して実行される。
なお本第2実施例において、エンジン2が内燃機関M1
に、触媒コンバータ19が三元触媒M2に、上流側酸素濃度
センサ36が上流側空燃比検出手段M3に、下流側酸素濃度
センサ37が下流側空燃比検出手段M4に、各々該当する。
また、ECU3および該ECU3の実行する処理のうちステップ
(404〜424)が判定手段M5として、第2の空燃比フィー
ドバック制御処理が制御定数算出手段M6として、第1の
空燃比フィードバック制御処理が空燃比フィードバック
制御手段M7として、各々機能する。さらに、燃料噴射弁
25が空燃比調節手段M8に該当し、ECU3およびECU3の実行
する処理の内、ステップ(710,830〜885)が制御定数設
定手段M9として、ステップ(810,820)が更新手段M10と
して、各々機能する。
本第2実施例によれば、第2の空燃比フィードバック
制御処理開始後算出されたリッチスキップ量RSRが学習
禁止領域から離脱したか否かの判定値として、下限値は
中心値FGRSRを、一方、上限値は重み付き平均値RSRAVと
オフセット量OS3との加算値を、各々使用するため、重
み付き平均値RSRAVが過濃側(Rich)に移行する運転状
態でも、比較的安定している中心値FGRSRを下限値とし
ているので、学習開始時期の判定精度が向上する。
また、本第2の実施例では、係数α:β=6:4の比重
でリッチスキップ量最大値RSRMAXに重みを付けてリッチ
スキップ量RSR初期値に使用する重み付き平均値RSRAVを
算出している。従って、下流側酸素濃度センサ37の非活
性による第2の空燃比フィードバック制御処理開始以前
のリッチスキップ量RSR初期値を、実際に算出されたリ
ッチスキップ量最大値RSRMAXの値を好適に反映可能な過
不足のない適切な値に設定できる。
[発明の効果] 以上詳記したように本発明の内燃機関の空燃比制御装
置は、下流側空燃比検出手段の非活性状態時は、空燃比
フィードバック制御定数を、空燃比フィードバック制御
実行条件該当時に算出した空燃比フィードバック制御定
数に基づいて補正された過濃側制御定数に一旦設定して
内燃機関の空燃比希薄化を抑制し、空燃比フィードバッ
ク制御実行条件該当時に到ると、算出された空燃比フィ
ードバック制御定数が、過濃側制御定数より過濃側に設
定された上限値と中心値とを両境界値とする更新禁止領
域から一旦離脱したときに、過濃側制御定数または過濃
側制御定数の演算に使用するパラメータの更新を開始
し、過濃側制御定数の累積による内燃機関の空燃比の過
濃化を抑制するよう構成されている。このため、下流側
空燃比検出手段が非活性であるために制御定数算出手段
によるフィードバック制御定数の算出が行われていない
ときには、空燃比フィードバック制御定数は過濃側(Ri
ch)に補正されるので空燃比の希薄化に起因する排気中
の有害成分(NOx)排出量を低減でき、これに続く空燃
比フィードバック制御定数算出後には、空燃比フィード
バック制御定数が累積して過濃側(Rich)に補正され
ず、内燃機関の空燃比の過度な過濃側(Rich)への移行
も無くなるので、空燃比の過濃化に起因する有害成分
(HC,CO)排出量の低減が可能になると共に、触媒排気
臭気の発生を防止できるという優れた効果を奏する。
また、上述のような空燃比フィードバック制御定数
を、例えば、内燃機関の運転状態や車両の走行状態に応
じて区分した領域毎いに、各々独立に算出するような場
合で、領域変更時等に過濃側(Rich)に補正した初期値
を使用する構成でも、内燃機関の空燃比の過濃側(Ric
h)への過度な移行を防止し、排気特性を向上できる。
このように、下流側空燃比に基づく空燃比フィードバ
ック制御定数算出開始以前に、空燃比フィードバック制
御定数を過濃側(Rich)に一旦補正し、下流側空燃比検
出手段の非活性時の排気中の窒素酸化物(NOx)等、有
害物質排出量を低減し、空燃比フィードバック制御定数
算出後は、算出された空燃比フィードバック制御定数が
更新禁止領域から離脱すると、過濃側制御定数を更新す
るか、あるいは過濃側制御定数の演算に使用するパラメ
ータを更新して結果的に過濃側制御定数を更新するの
で、それ以後再び下流側空燃比検出手段が非活性状態に
陥ったときでも、空燃比フィードバック制御定数を過濃
側へ補正する際には、前回の過濃側補正定数の影響を受
けず、排気中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等、
有害物質排出量を低減でき、内燃機関の各種運転状態で
排気特性を規制範囲内に常時維持できる。このため、三
元触媒の上流側および下流側に各々空燃比検出手段を備
えた装置の制御精度がより一層高まる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の内容を概念的に例示した基本的構成
図、第2図は本発明第1実施例のシステム構成図、第3
図、第4図、第5図(1),(2)は同じくその制御を
示すフローチャート、第6図は同じくその制御の様子を
示すタイミングチャート、第7図(1),(2)、第8
図は同じくその制御を示すフローチャート、第9図は同
じくその制御の様子を示すタイミングチャート、第10図
は同じくその制御を示すフローチャート、第11図は同じ
くそのマップを示すグラフ、第12図、第13図、第14図は
同じくその他の制御の例を示すフローチャート、第15
図、第16図は本発明第2実施例の制御を示すフローチャ
ート、第17図はシングル酸素濃度センサシステムとダブ
ル酸素濃度センサシステムとの排気特性を示すグラフで
ある。 M1……内燃機関、M2……三元触媒、M3……上流側空燃比
検出手段、M4……下流側空燃比検出手段、M5……判定手
段、M6……制御定数算出手段 M7……空燃比フィードバック制御手段 M8……空燃比調節手段、9……制御定数設定手段 M10……更新手段 1……エンジンの空燃比制御装置、2……エンジン 3……電子制御装置(ECU)、3a……CPU 19……触媒コンバータ、25……燃料噴射弁 34……アイドルスイッチ、35……水温センサ 36……上流側酸素濃度センサ 37……下流側酸素濃度センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気通路に配設された三元触媒
    と、 該三元触媒の上流側の排気中の特定成分濃度を検出する
    上流側空燃比検出手段と、 上記三元触媒の下流側の排気中の特定成分濃度を検出す
    る下流側空燃比検出手段と、 上記内燃機関の運転状態が、少なくとも下流側空燃比検
    出手段の活性化を含む所定空燃比フィードバック制御実
    行条件に該当するか否かを判定する判定手段と、 該判定手段により所定空燃比フィードバック制御実行条
    件に該当すると判定されると、上記下流側空燃比検出手
    段の検出結果に基づいて、上記内燃機関の空燃比フィー
    ドバック制御定数を算出する制御定数算出手段と、 該制御定数算出手段の算出した空燃比フィードバック制
    御定数を用い、上記上流側空燃比検出手段の検出結果に
    基づいて空燃比制御量を算出する空燃比フィードバック
    制御手段と、 該空燃比フィードバック制御手段の算出した空燃比制御
    量に従って、上記内燃機関の空燃比を調節する空燃比調
    節手段と、 を具備した内燃機関の空燃比制御装置において、 さらに、上記判定手段により上記下流側空燃比検出手段
    が非活性状態であると判定されたときは、上記空燃比フ
    ィードバック制御手段の使用する前記空燃比フィードバ
    ック制御定数を、空燃比フィードバック制御実行条件に
    該当するときに上記制御定数算出手段の算出した空燃比
    フィードバック制御定数に基づいて、該空燃比フィード
    バック制御定数の中心値よりも空燃比の過濃側に補正し
    た過濃側制御定数に変更設定する制御定数設定手段と、 上記判定手段の所定空燃比フィードバック制御実行条件
    該当判定に応じて、上記制御定数算出手段の算出した空
    燃比フィードバック制御定数が、前記過濃側制御定数よ
    りさらに過濃側に設定された上限値と前記中心値とを両
    境界値とする更新禁止領域から一旦離脱すると、上記制
    御定数設定手段に、上記過濃側制御定数または該過濃側
    制御定数の演算に使用するパラメータの更新を開始させ
    る更新手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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