JP2638892B2 - 内燃機関用排気系部品の温度推定装置 - Google Patents

内燃機関用排気系部品の温度推定装置

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関の排気系に配設された、例えば、
酸素濃度センサ等の排気系部品の温度を推定するのに有
効な内燃機関用排気系部品の温度推定装置に関する。
[従来の技術] 通常の空燃比フィードバック制御装置、所謂、シング
ル酸素濃度センサシステムでは、酸素濃度を検出する空
燃比センサとしての酸素濃度センサを燃焼室近傍に配設
するため、触媒コンバータの上流側である排気マニホー
ルドに設けている。しかし、酸素濃度センサの出力特性
の固体差により、空燃比の制御精度向上には限界があっ
た。そこで、上記酸素濃度センサの出力特性の固体差、
さらに、燃料噴射弁等の構成部品の固体差、経時変化、
経年変化等に起因する制御精度低下に対する対策とし
て、触媒コンバータの下流側に下流側酸素濃度センサを
配設し、上記触媒コンバータの上流側に配設された上流
側酸素濃度センサを使用した空燃比フィードバック制御
に加えて、上記下流側酸素濃度センサを用いた空燃比フ
ィードバック制御を実行する、所謂、ダブル酸素濃度セ
ンサシステムが知られている。該ダブル酸素濃度センサ
システムでは、下流側酸素濃度センサの応答性は、上流
側酸素濃度センサの応答性より低いが、次のような理由
により、出力特性が比較的安定している。
(a) 触媒コンバータの下流側の排気温度は上流側に
比べて低いので、下流側酸素濃度センサに対する熱的悪
影響が比較的少ない、 (b) 酸素濃度センサの出力特性に悪影響を及ぼす排
気中の有害物質は、触媒コンバータ内部で吸着されるの
で、下流側の排気から酸素濃度センサが悪影響を受ける
ことは比較的少ない。
(c) 触媒コンバータの下流側の排気は、充分混合さ
れているため、排気中の酸素濃度はほぼ平衡状態に近い
ので、酸素濃度センサにより比較的正確に検出できる。
このため、2つの酸素濃度センサの出力に基づく空燃
比フィードバック制御(所謂、ダブル酸素濃度センサシ
ステム)は、上流側酸素濃度センサの出力特性の悪化
を、下流側酸素濃度センサの検出信号により補正でき
る。すなわち、第23図に黒塗で示すように、ダブル酸素
濃度センサシステムでは、上流側酸素濃度センサの出力
特性が悪化しても、排気中の有害成分(HC,CO,NOx)の
排出量はほとんど増加せず、排気特性の悪化は見られな
い。一方、同図に白抜きで示すように、出力特性悪化時
のシングル酸素濃度センサシステムでは、排気中の有害
成分がかなり増加し、排気特性の悪化が顕著に現れる。
このように、ダブル酸素濃度センサシステムでは、下流
側酸素濃度センサの出力が安定していれば、良好な排気
特性が補償される。
上述のようなダブル酸素濃度センサシステムで、下流
側酸素濃度センサの検出信号による空燃比フィードバッ
ク制御実行中に、上流側酸素濃度センサの検出信号に基
づいて求めた空燃比補正係数FAFの制御定数、例えば、
リッチスキップ量RSR、リーンスキップ量RSL等を下流側
酸素濃度センサの検出信号に基づいて変更する技術が提
案されている。例えば、 (1) 下流側空燃比センサの出力に応じて空燃比フィ
ードバック制御定数であるスキップ量を演算し、該スキ
ップ量を用いて上流側空燃比センサの出力に応じた空燃
比補正量を演算して機関の空燃比を調整し、上流側空燃
比センサの劣化に伴う応答速度の低下を防止する「内燃
機関の空燃比制御装置」(特開昭61−234241号公報)。
(2) 触媒の劣化が検出されたときには、下流側空燃
比センサによる空燃比フィードバック制御定数の演算を
停止し、空燃比制御の乱れを防止する「内燃機関の空燃
比制御装置」(特開昭61−286550号公報)。
さらに、下流側酸素濃度センサの出力が安定する時
期、すなわち、始動時から所定時間経過後、下流側酸素
濃度センサが充分活性化した時期以降に、空燃比フィー
ドバック制御を開始する改良技術も知られている。この
ような改良技術は、始動時から所定時間(例えば、100
[sec])経過後に、吸入空気量に応じて定められた所
定補正値ずつ、カウンタの計数値を更新し、該カウンタ
の計数値が、所定判定値以上まで増加すると、下流側酸
素濃度センサの検出信号による空燃比フィードバック制
御を開始するよう構成されている。ここで、上記所定時
間、所定補正値および所定判定値等、下流側酸素濃度セ
ンサの活性化を判定する各値は、内燃機関の運転環境と
無関係に、予め定められた一定値に設定されていた。
[発明が解決しようとする課題] ところで、一般に、内燃機関の排気系部品の温度は、
該内燃機関が運転される環境の外気温度の影響を受け
る。例えば、排気系部品である、下流側酸素濃度センサ
を一例として説明すると、第24図に示すように、酸素濃
度センサ素子温度TOは、内燃機関の始動時刻TIG以後の
経過時間に応じて上昇する。ここで、外気温度が高い場
合は、同図に実線で示すように、酸素濃度センサ素子温
度TOは、時間経過に応じて比較的速やかに高温度まで上
昇するが、外気温度が低い場合は、同図に破線で示すよ
うに、酸素濃度センサ素子温度TOは、時間が経過しても
徐々にしか上昇せず、しかも、上記外気温度が高い場合
に比較して低い温度までしか上昇しない。しかし、上記
従来技術では、酸素濃度センサの活性化を推定するため
の計時禁止時間は、外気温度が変化しても常時一定時間
に設定されていた。このため、外気温度の変化時、特
に、低下時には、酸素濃度センサ等の排気系部品の温度
上昇および温度降下の推定精度が低下するという問題点
があった。
このことは、例えば、排気系部品である酸素濃度セン
サの温度上昇も、外気温度の変化を考慮することなく推
定しており、該酸素濃度センサが活性状態にあるか否か
を正確に判定できなかった。したがって、外気温度の低
下に起因して酸素濃度センサの素子温度TOが低く、未だ
正確な検出信号を出力できない時期でも、該酸素濃度セ
ンサの活性化の早期誤判定により、上記酸素濃度センサ
の検出結果に基づく空燃比フィードバック制御が開始さ
れてしまう。このため、制御精度の低下により、空燃比
の過濃側(Rich)への過補正を招き易いので、内燃機関
の排気特性が悪化すると共に、触媒排気臭気が発生する
という問題もあった。
このように、排気系部品の温度の推定が不正確である
と、特に、下流側酸素濃度センサの活性化不充分による
不正確な検出信号により、ダブル酸素濃度センサシステ
ムの高い制御精度を充分に発揮できないという問題点も
あった。
本発明は、外気温度の変化時にも、排気系部品の温度
を好適な精度で推定可能な、内燃機関用排気系部品の温
度推定装置の提供を目的とする。
発明の構成 [課題を解決するための手段] 上記目的を達成するためになされた本発明は、第1図
に例示するように、 内燃機関M1の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手
段M2と、 少なくとも、上記吸入空気量検出手段M2の検出した吸
入空気量に応じて定まる補正値を時間の経過に伴って積
算し、積算値を算出する積算手段M3と、 上記内燃機関M1の排気系部品M4の温度が、上記積算手
段M3の算出した積算値が所定値以上のときは上昇した
と、一方、積算値が所定値未満のときは降下したと推定
する推定手段M5と、 を具備した内燃機関用排気系部品の温度推定装置におい
て、 さらに、上記内燃機関M1の外気温度を検出する気温検
出手段M6と、 該気温検出手段M6の検出した外気温度の低下に伴っ
て、上記積算手段M3の積算する積算値の減少補正、もし
くは、上記推定手段M5の所定値の増加補正の少なくとも
一方の補正を行なう補償手段M7と、 を備えたことを特徴とする内燃機関用排気系部品の温度
推定装置を要旨とするものである。
吸入空気量検出手段M2とは、内燃機関M1の吸入空気量
を検出するものである。例えば、周知のエアフロメー
タ、カルマン渦センサ、熱線式センサ等の各種流量セン
サにより実現できる。また、例えば、内燃機関M1の吸気
管圧力を測定する吸気管圧力センサと回転速度を検出す
る回転速度センサとの両検出結果に基づいて、吸入空気
量を検出するよう構成できる。
積算手段M3とは、少なくとも、吸入空気量検出手段M2
の検出した吸入空気量に応じて定まる補正値を時間の経
過に伴って積算し、積算値を算出するものである。例え
ば、吸入空気の体積流量、あるいは、重量流量と内燃機
関M1の負荷とに基づいて補正値を決定し、該補正値を所
定時間経過毎に積算値に加算し、もしくは、減算して積
算値を算出するよう構成できる。なお、上記積算は、例
えば、内燃機関M1の始動時から所定禁止時間経過後に開
始するよう構成しても良い。
推定手段M5とは、内燃機関M1の排気系部品M4の温度
が、積算手段M3の算出した積算値が所定値以上のときは
上昇したと、一方、積算値が所定値未満のときは降下し
たと推定するものである。ここで、排気系部品とは、例
えば、排気通路に配設された三元触媒を内蔵した触媒コ
ンバータ、三元触媒の上流側、または、下流側の排気通
路に配設されて排気中の酸素濃度、一酸化炭素等の特定
成分濃度を検出する各種のガスセンサ等である。上記推
定手段M5は、例えば、積算値が予め定められた計数判定
値以上のときは空燃比センサ等が活性化したと推定し、
一方、積算値が計数判定値未満のときは空燃比センサ等
が未だ活性化していないと推定するよう構成できる。
気温検出手段M6とは、内燃機関M1の外気温度を検出す
るものである。例えば、内燃機関M1の吸入系に配設され
た吸気温センサにより実現できる。また、例えば、外気
温度測定専用に配設された、サーミスタ、半導体等から
成る各種の温度センサにより構成しても良い。
補償手段M7とは、気温検出手段M6の検出した外気温度
の低下に伴って、積算手段M3の積算する積算値の減少補
正、もしくは、推定手段M5の所定値の増加補正の少なく
とも一方の補正を行なうものである。例えば、積算開始
時期を遅延する積算禁止時間を、外気温度の低下に応じ
て延長するよう構成できる。また、例えば、吸入空気量
に応じて定まり、積算値に積算される補正値を、外気温
度の低下に応じて減少更新するよう構成しても良い。さ
らに、例えば、判定時に積算値と比較される所定値を、
外気温度の低下に応じて増加更新する構成であっても良
い。
上記積算手段M3、推定手段M5および補償手段M7は、例
えば、各々独立したディスクリートな論理回路により実
現できる。また、例えば、周知のCPUを始めとしてROM,R
AMおよびその他の周辺回路素子と共に論理演算回路とし
て構成され、予め定められた処理手順に従って上記各手
段を実現するものであってもよい。
[作用] 本発明の内燃機関用排気系部品の温度推定装置は、第
1図に例示するように、吸入空気量検出手段M2の検出し
た内燃機関M1の吸入空気量に応じて定まる補正値を、時
間の経過に伴って積算する積算手段M3により算出された
積算値が、所定値以上のときは、該内燃機関M1の排気系
部品M4の温度は上昇したと、一方、上記積算値が所定値
未満のときは、上記温度は降下したと、推定手段M5が推
定するに際し、気温検出手段M6の検出した外気温度の低
下に伴って、上記積算手段M3の積算する積算値の減少補
正、もしくは、上記推定手段M5の所定値の増加補正の少
なくとも一方の補正を、補償手段M7が行なうよう働く。
すなわち、内燃機関M1の排気系部品M4の温度上昇およ
び温度降下の推定に際し、吸入空気量に応じた補正値を
積算した積算値が、該積算値に対して設定した所定値以
上まで増加するときの増加時間を、外気温度の低下に伴
って延長補正し、上記排気系部品M4の温度が上昇したと
推定されるまでの時間を、外気温度の低下に応じて遅延
するのである。
従って、本発明の内燃機関用排気系部品の温度推定装
置は、外気温度が変化しても、排気系部品M4の温度を正
確に推定するよう働く。
以上のように本発明の各構成要素が作用することによ
り、本発明の技術的課題が解決される。
[実施例] 次に本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。本発明の第1実施例であるエンジンの空燃比制
御装置のシステム構成を第2図に示す。
同図に示すように、エンジンの空燃比制御装置1は、
エンジン2およびこれを制御する電子制御装置(以下、
単にECUと呼ぶ。)3から構成されている。
エンジン2は、シリンダ4、ピストン5およびシリン
ダヘッド6から燃焼室7を形成し、該燃焼室7には点火
プラグ8が配設されている。
該エンジン2の吸気系は、上記燃焼室7と吸気バルブ
9を介して連通する吸気ポート10、吸気管11、吸入空気
の脈動を吸収するサージタンク12、アクセルペダル13に
連動して吸入空気量を調整するスロットルバルブ14およ
びエアクリーナ15から構成されている。
上記エンジン2の排気系は、上記燃焼室7と排気バル
ブ16を介して連通する排気ポート17、排気マニホールド
18、触媒コンバータ19および排気管20から構成されてい
る。
上記エンジン2の点火系は、点火に必要な高電圧を出
力するイグニッションコイルを備えたイグナイタ21およ
び図示しないクランク軸に連動して上記イグナイタ21で
発生した高電圧を点火プラグに分配供給するディストリ
ビュータ22より構成されている。
上記エンジン2の燃料系統は、燃料を貯蔵するための
フューエルタンク23、該燃料を圧送するフューエルポン
プ24、圧送された燃料を上記吸気ポート10近傍に噴射す
る電磁式の燃料噴射弁25から構成されている。
エンジンの空燃比制御装置1は検出器として、上述し
た吸気管11のスロットルバルブ14上流側に設けられて吸
入空気量を計測するエアフロメータ31、該エアフロメー
タ31内部に設けられて吸入空気温度を測定する吸気温セ
ンサ32、上記スロットルバルブ14に連動して該スロット
ルバルブ14の開度を検出するスロットルポジションセン
サ33、上記スロットルバルブ14の全閉状態を検出するア
イドルスイッチ34、シリンダブロック4aの冷却系統に配
設されて冷却水温度を検出する水温センサ35、排気マニ
ホールド18内に設けられて活性化促進用ヒータ36aを内
蔵し、上記触媒コンバータ19に流入する前の排気中の残
存酸素濃度を検出する上流側酸素濃度センサ36、排気管
20内に設けられて活性化促進用ヒータ37aを内蔵し、上
記触媒コンバータ19から流出した排気中の残存酸素濃度
を検出する下流側酸素濃度センサ37、上述したディスト
リビュータ22のカムシャフトの1回転毎に、すなわち、
図示しないクランク軸の2回転毎に基準信号を出力する
気筒判別センサ38、上記ディストリビュータ22のカムシ
ャフトの1/24回転毎に、すなわち、クランク角0゜から
30゜の整数倍毎に回転角信号を出力する回転速度センサ
を兼ねた回転角センサ39を備えている。
上記各センサおよびスイッチの検出信号はECU3に入力
され、該ECU3はエンジン2を制御する。ECU3は、CPU3a,
ROM3b,RAM3c,バックアップREA3d,タイマ3eを中心に論理
演算回路として構成され、コモンバス3fを介して入出力
ポート3gに接続されて外部との入出力を行なう。CPU3a
は、上述したエアフロメータ31、吸気温センサ32、スロ
ットルポジションセンサ33の検出信号をA/D変換器3hお
よび入出力ポート3gを介して、アイドリスイッチ34の検
出信号を入出力ポート3gを介して、気筒判別センサ38、
回転角センサ39の検出信号を波形整形回路3iおよび入出
力ポート3gを介して、水温センサ35、上流側酸素濃度セ
ンサ36、下流側酸素濃度センサ37の検出信号をA/D変換
器3jおよび入出力ポート3gを介して、各々入力する。一
方、CPU3aは、入出力部3aおよび駆動回路3kを介してヒ
ータ36a,36bを駆動制御する。また、CPU3aは、入出力部
3gおよび駆動回路3mを介してイグナイタ21を駆動制御す
る。さらに、CPU3aは入出力部3g、ダウンカウンタ3n、
フリップフロップ回路3pおよび駆動回路3rを介して燃料
噴射弁25を駆動制御する。すなわち、CPU3aで算出され
た燃料噴射量TAUに相当する値がダウンカウンタ3nにプ
リセットされると共に、フリップフロップ回路3pもセッ
トされる。このため、駆動回路3rが燃料噴射弁25を開弁
し、燃料噴射が開始される。一方、ダウンカウンタ3nが
クロック信号を計数し、最後にそのキャリアウト端子が
ハイレベル(1)になると、フリップフロップ回路3pが
セットされて駆動回路3rは燃料噴射弁25を閉弁し、燃料
噴射が終了する。このように、燃料噴射量TAUに応じた
量の燃料がエンジン2に供給される。なお、上記ECU3
は、イグニッションスイッチ40を介して車載バッテリ41
から電力の供給を受けて作動する。
次に、上記ECU3の実行する計時処理を第3図の、活性
化推定処理を第5図の、第1の空燃比フィードバック制
御装置を第7図(1),(2)の、第2の空燃比フィー
ドバック制御装置を第9図(1),(2)の、燃料噴射
制御装置処理を第10図の、各フローチャートに基づいて
説明する。
第3図に示す計時処理は、ECU3の起動後、所定時間毎
に開始される。まず、ステップ100では、既述した各セ
ンサ検出結果を読み込む処理が行われる。続くステップ
110では、上記ステップ100で読み込んだアイドルスイッ
チ信号、回転角信号、冷却水温度THW等に基づいて、エ
ンジン2が始動時に有るか否かを判定し、肯定判断され
るとステップ120に、一方、否定判断されるとステップ1
50に、各々進む。始動時にあるときに実行されるステッ
プ120では、吸入空気温度THAを読み込む処理が行われ
る。続くステップ130では、予めROM3b内部に記憶されて
いる、第4図に示すマップに従って、吸入空気温度THA
に基づき、カウントアップ禁止時間相当値Aを算出する
処理が行われる。第4図に示すように、カウントアップ
禁止時間相当値Aは、吸入空気温度THAの低下に伴って
増加するよう規定されている。次にステップ140に進
み、カウント開始ディレイカウンタCTHACUTを値0にリ
セットする処理を行った後、一旦、本計時処理を終了す
る。一方、上記ステップ110で、始動時でないと判定さ
れたときに実行されるステップ150では、カウント開始
ディレイカウンタCTHACUTの計数値に値1を加算する処
理が行われる。続くステップ160では、上記ステップ150
で加算されたカウント開始ディレイカウンタCTHACUTの
計数値を、予め定められた最大値と最小値との範囲内に
制限する処理を行った後、一旦、本計時処理を終了す
る。以後、本計時処理は、上記ステップ100〜ステップ1
60を、所定時間毎に繰り返して実行する。
次に、活性化推定処理を第5図に示すフローチャート
に基づいて説明する。本活性化推定処理は、ECU3の起動
後、所定時間毎に実行される。まず、ステップ200で
は、既述した各データを読み込む処理が行われる。続く
ステップ210では、上述した計時処理でカウントアップ
されるカウント開始ディレイカウンタCTHACUTの計数値
が、上記計時処理で算出されたカウントアップ禁止時間
相当値A以上であるか否かを判定し、肯定判断されると
ステップ230に、一方、否定判断されるとステップ220
に、各々進む。カウント開始ディレイカウンタCTHACUT
の計数値が、未だカウントアップ禁止時間相当値A未満
であるときに実行されるステップ220では、下流側酸素
濃度センサ活性化フラグXSFBを値0にリセットする処理
を行った後、一旦、本活性化推定処理を終了する。一
方、上記ステップ210で、カウント開始ディレイカウン
タCTHACUTの計数値が、既に、カウントアップ禁止時間
相当値A以上であると判定されたときに実行されるステ
ップ230では、吸入空気量Qを読み込む処理が行われ
る。続くステップ240では、予めROM3b内部に記憶されて
いる、第6図に示すマップに従い、吸入空気量Q、エン
ジン負荷Q/Ne、エンジン回転速度Neに基づいて補正値△
CSOXTを算出する処理が行われる。次にステップ250に進
み、活性化推定カウンタCSOXTの計数値に上記ステップ2
40で算出した補正値△CSOXTを加算して更新する処理が
行われる。続くステップ260では、上記ステップ250で加
算更新された活性化推定カウンタCSOXTの計数値が、活
性化判定値B以上であるか否かを判定し、肯定判断され
るとステップ270に、一方、否定判断されると、上述し
たステップ220を経て、一旦、本活性化推定処理を終了
する。上記ステップ260で、始動後の充分な時間経過に
より下流側酸素濃度センサ37が活性化したと判定された
ときに実行されるステップ270では、下流側酸素濃度セ
ンサ活性化フラグXSFBを値1にセットする処理を行った
後、一旦、本活性化推定処理を終了する。以後、本活性
化推定処理は、上記ステップ200〜ステップ270を、所定
時間毎に繰り返して実行する。
次に、第1の空燃比フィードバック4制御処理を第7
図(1),(2)に示すフローチャートに基づいて説明
する。本第1の空燃比フィードバック制御装置は、ECU3
の起動後、所定時間(例えば、[4msec])毎に実行さ
れる。まず、ステップ302では、既述した各センサの検
出信号に基づく各データを読み込む処理が行われる。続
くステップ306では、第1の空燃比フィードバック制御
実行条件が成立するか否かを判定し、肯定判断されると
ステップ308に進み、一方、否定判断されると、空燃比
補正計数FAFの値を前回の制御終了時の値とし、一旦、
本第1の空燃比フィードバック制御処理を終了する。な
お、空燃比補正計数FAFの値を、一定値、前回の制御終
了までの平均値、バックアップRAM3dに記憶されている
学習値等に設定しても良い。ここで、例えば、冷却水温
度THWが所定温度(例えば、60[℃])以下のとき、始
動状態、始動後増量中、暖機増量中、加速増量(非同期
噴射)中、パワー増量中、上流側酸素濃度センサ36の出
力信号V1が一度も第1の比較電圧VR1を横切っていない
とき、等は何れも第1の空燃比フィードバック制御実行
条件不成立である。上記各条件に該当しない、第1の空
燃比フィードバック制御実行条件成立時に実行されるス
テップ308では、上流側酸素濃度センサ36の検出信号V1
をA/D変換して読み込む処理が行われる。続くステップ3
10では、上流側酸素濃度センサ36の検出信号V1が第1の
比較電圧VR1(例えば、0.45[V])以下であるか否か
を判定し、肯定判断されると空燃比が希薄側(Lean)で
あるとしてステップ312に、一方、否定判断されると空
燃比が過濃側(Rich)であるとしてステップ324に各々
進む。空燃比が希薄側(Lean)であるときに実行される
ステップ312では、ディレイカウンタCDLYの計数値の正
負を判定し、正のときはステップ314でディレイカウン
タCDLYの計数値を値0にリセットした後のステップ316
に進み、一方、負のときは、そのままステップ316に進
む。ステップ316では、ディレイカウンタCDLYの計数値
を値1だけ減算し、続くステップ318,320で該ディレイ
カウンタCDLYの計数値を最小値TDLに制限し、ディレイ
カウンタCDLYの値が最小値TDLまで減少したときは、ス
テップ322で空燃比フラグF1を値0{希薄側(Lean)}
にリセットした後、ステップ340に進む。なお、最小値T
DLは、上流側酸素濃度センサ36の検出信号V1が過濃側
(Rich)から希薄側(Lean)に変化しても、過濃側(Ri
ch)であるとの判断を保持するためのリーン遅延時間で
あって、負の値に定義されている。一方、上記ステップ
310で、空燃比が過濃側(Rich)であると判定されたと
きに実行されるステップ324では、ディレイカウンタCDL
Yの計数値の正負を判定し、負のときはステップ326でデ
ィレイカウンタCDLYの計数値を値0にリセットした後ス
テップ328に進み、一方、正のときは、そのままステッ
プ328に進む。ステップ328では、ディレイカウンタCDLY
の計数値を値1だけ加算し、続くステップ330,332で該
ディレイカウンタCDLYの計数値を最大値TDRに制限し、
ディレイカウンタCDLYの計数値が最大値TDRまで増加し
たときは、ステップ334で空燃比フラグF1を値1{過濃
側(Rich)}にセットした後、ステップ340に進む。な
お、最大値TDRは、上流側酸素濃度センサ36の検出信号V
1が希薄側(Lean)から過濃側(Rich)に変化しても、
希薄側(Lean)であるとの判定を保持するためのリッチ
遅延時間であって、正の値に定義されている。
続くステップ340では、空燃比フラグF1の値が反転し
たか否かを判定し、肯定判断されるとステップ342に、
一方、否定判断されるとステップ348に、各々進む。空
燃比フラグF1の値が反転したときに実行されるステップ
342では、過濃側(Rich)から希薄側(Lean)への反転
か、希薄側(Lean)から過濃側(Rich)への反転かを判
定する処理が行われる。過濃側(Rich)から希薄側(Le
an)への反転時に実行されるステップ344では、空燃比
補正係数FAFにリッチスキップ量RSRを加算してステップ
的に増加させ、一方、希薄側(Lean)から過濃側(Ric
h)への反転時に実行されるステップ346では、空燃比補
正係数FAFからリーンスキップ量RSLを減算してステップ
的に減少させ、各々ステップ356に進む。また、上記ス
テップ340で空燃比フラグF1の値が反転しないときに実
行されるステップ348では、希薄側(Lean)であるか、
過濃側(Rich)であるかを判定する処理が行われる。希
薄側(Lean)であるときに実行されるステップ350で
は、空燃比補正係数FAFにリッチ積分定数KIRを加算して
徐々に増加させ、一方、過濃側(Rich)であるときに実
行されるステップ352では、空燃比補正係数FAFからリー
ン積分定数KILを減算して徐々に減少させ、各々ステッ
プ356に進む。ここで、両積分定数KIR,KILは、両スキッ
プ量RSR,RSLに比較して充分小さく設定されている。従
って、ステップ344,346では燃料噴射量は迅速に増減補
正され、一方、ステップ350,352では燃料噴射量は徐々
に増減補正される。続くステップ356,358では、上記空
燃比補正係数FAFの値を、例えば、最大値1.2以下に制限
し、さらに、続くステップ360,362では、最小値0.8以上
に制限し、空燃比補正係数の値FAFが何等かの原因によ
り過大、あるいは、過小になった場合でも、空燃比のオ
ーバリッチ状態、もしくは、オーバリーン状態への移行
を防止する。次にステップ364に進み、上記のように算
出された空燃比補正係数FAFをRAM3cに記憶した後、一
旦、本第1の空燃比フィードバック制御処理を終了す
る。以後、本第1の空燃比フィードバック制御処理は所
定時間毎に、上記ステップ302〜364を繰り返して実行す
る。
次に、上記制御の様子の一例を、第8図のタイミング
チャートに従って説明する。時刻t1に、上流側酸素濃度
センサ検出信号に基づく空燃比信号A/Fが希薄側(Lea
n)から過濃側(Rich)に変化すると、ディレイカウン
タCDLYの計数値はリセット後、カウントアップされ、リ
ッチ遅延時間TDR経過後の時刻t2に最大値TDRに到着す
る。すると、遅延処理後の空燃比信号A/Fd(空燃比フラ
グF1の値)が、希薄側(Lean)から過濃側(Rich)に変
化する。また、時刻t3に、上流側酸素濃度センサ検出信
号に基づく空燃比信号A/Fが過濃側(Rich)から希薄側
(Lean)に変化すると、ディレイカウンタCDLYの計数値
はリセット後、カウントダウンされ、リーン遅延時間
(ーTDL)経過後の時刻t4に最小値TDLに到着する。する
と、遅延処理後の空燃比信号A/Fd(空燃比フラグF1の
値)が、過濃側(Rich)から希薄側(Lean)に変化す
る。しかし、例えば、上流側酸素濃度センサ検出信号に
基づく空燃比信号A/Fが、時刻t5,t6,t7のようにリッチ
遅延時間TDRより短い期間で反転すると、ディレイカウ
ンタCDLYの計数値が最大値TDRへ到達する時間が延長さ
れ、時刻t8に至って遅延処理後の空燃比信号A/Fdが反転
する。すなわち、遅延処理後の空燃比信号A/Fd(空燃比
フラグF1の値)は、上流側酸素濃度センサ検出信号に基
づく空燃比信号A/Fよりも安定した値となる。このよう
に、比較的安定した遅延処理後の空燃比信号A/Fdに基づ
いて、空燃比補正係数FAFが決定される。
次に、第2の空燃比フィードバック制御装置について
説明する。第2の空燃比フィードバック制御処理は、第
1の空燃比フィードバック制御処理の制御定数であるス
キップ量RSR,RSL、積分定数KIR,KIL、遅延時間TDR,TDL
および第1の比較電圧VR1を変更する制御を行なうもの
と、第2の空燃比補正係数FAF2を算出する制御を行なう
ものがある。
制御定数であるスキップ量RSR,RSL、積分定数KIR,KI
L、遅延時間TDR,TDLおよび第1の比較電圧VR1を変更す
る制御では、例えば、リッチスキップ量RSRの増加補
正、あるいは、リーンスキップ量RSLの減少補正により
空燃比を過濃側(Rich)に制御でき、一方、リッチスキ
ップ量RSRの減少補正、あるいは、リーンスキップ量RSL
の増加補正により空燃比を希薄側(Lean)に制御でき
る。従って、下流側酸素濃度センサ37の検出信号に応じ
てリッチスキップ量RSR、あるいは、リーンスキップ量R
SLの少なくとも一方を補正すると空燃比を制御できる。
また、例えば、リッチ積分定数KIRの増加補正、あるい
は、リーン積分定数KILの減少補正により空燃比を過濃
側(Rich)に制御でき、一方、リッチ積分定数KIRの減
少補正、あるいは、リーン積分定数KILの増加補正によ
り空燃比を希薄側(Lean)に制御できる。このように、
下流側酸素濃度センサ37の検出信号に応じてリッチ積分
定数KIR、あるいは、リーン積分定数KILの少なくとも一
方を補正すると空燃比を制御できる。さらに、例えば、
リッチ遅延時間TDRをリーン遅延時間(ーTDR)より相対
的に大きく設定すると、空燃比を過濃側(Rich)に制御
でき、一方、リッチ遅延時間TDRをリーン遅延時間TDLよ
り相対的に小さく設定すると、空燃比を希薄側(Lean)
に制御できる。すなわち、下流側酸素濃度センサ37の検
出信号に応じてリッチ遅延時間TDR、あるいは、リーン
遅延時間TDLの少なくとも一方を補正すると空燃比を制
御できる。また、例えば、第1の比較電圧VR1を低下補
正すると、空燃比を希薄側(Lean)に制御できる。そこ
で、下流側酸素濃度センサ37の検出信号に応じて第1の
比較電圧VR1を補正しても、空燃比を制御できる。とこ
ろで、上記スキップ量RSR,RSL、積分定数KIR,KIL、遅延
時間TDR,TDLおよび第1の比較電圧VR1を下流側酸素濃度
センサ37の検出信号に応じて変更すると、例えば、遅延
時間TDR,TDLの補正は非常に微妙な空燃比制御を可能に
し、スキップ量RSR,RSLは、上記遅延時間TDR,TDLのよう
に空燃比フィードバック制御周期の延長を伴うことなく
高い応答性を保持した制御が可能になる。従って、複数
の上記制御定数を組み合わせた制御が有効である。
次に、第2の空燃比フィードバック制御処理を第9図
(1),(2)に示すフローチャートに基づいて説明す
る。本第2の空燃比フィードバック制御処理は、ECU3の
起動後、所定時間(例えば、512[msec])毎に実行さ
れ、スキップ量RSR,RSLを補正演算する。まず、ステッ
プ402では、既述した各センサの検出信号に基づく各デ
ータを読み込む処理が行われる。続くステップ404で
は、第2の空燃比フィードバック制御処理実行条件が成
立するか否かを判定し、肯定判断されるとステップ406
に進み、一方、否定判断されると、スキップ量RSR,RSL
の値を前回の制御終了時の値とし、一旦、本第2の空燃
比フィードバック制御処理を終了する。なお、スキップ
量RSR,RSLの値を、前回の制御終了までの平均値、バッ
クアップRAM3dに記憶されている学習値等に設定しても
良い。ここで、例えば、冷却水温度THWが所定温度(例
えば、60[℃])以下のとき、始動状態、始動後増量
中、暖機増量中、加速増量(非同期噴射)中、パワー増
量中、上流側酸素濃度センサ36の検出信号V1が一度も第
1の比較電圧VR1を横切っていないとき、等は何れも第
2の空燃比フィードバック制御処理実行条件不成立であ
る。上記各条件に該当しない、第2の空燃比フィードバ
ック制御処理実行条件成立時にはステップ406〜ステッ
プ414に進み、冷却水温度THWが70[℃]を上回るか否か
(ステップ406)、スロットルバルブ非全閉状態である
か否か(ステップ408)、下流側酸素濃度センサ活性化
フラグXSFBが値1にセットされているか否か{既述した
計時処理および活性化推定処理の実行により、始動後、
吸入空気温度THAに応じて定まるカウントアップ禁止時
間と活性化推定カウンタの計数値が活性化判定値B以上
になるまでの時間とを加えた時間が経過し、下流側酸素
濃度センサ37が活性化したと判定されたとき}(ステッ
プ410)、下流側酸素濃度センサ37が正常であるか否か
{すなわち、下流側酸素濃度センサ37のダイアグノーシ
ス信号が正常を示すとき}(ステップ412)、エンジン
2の負荷が所定負荷以上であるか否か(ステップ41
4)、を各々判定し、すべて肯定判断されると第2の空
燃比フィードバック制御を実行するためにステップ420
以下に進み、一方、何れかのステップで否定判断される
と、スキップ量RSR,RSLの値を前回の制御終了時の値と
し、一旦、本第2の空燃比フィードバック制御処理を終
了する。
上記第2の空燃比フィードバック制御処理実行条件成
立時に実行されるステップ420では、下流側酸素濃度セ
ンサ37の検出信号V2をA/D変換して読み込む処理が行わ
れる。続くステップ421では、前回算出されたスキップ
量RSR,RSLを読み込む処理が行われる。続くステップ422
では、下流側酸素濃度センサ37の検出信号V2が第2の比
較電圧VR2(例えば、0.55[V])以下であるか否かを
判定し、肯定判断されると空燃比が希薄側(Lean)であ
るとしてステップ424に、一方、否定判断されると空燃
比が過濃側(Rich)であるとしてステップ444に各々進
む。空燃比が希薄側(Lean)であるときに実行されるス
テップ424では、リッチスキップ量RSRの値を一定値△RS
だけ加算し、続くステップ426,428で該リッチスキップ
量RSRの値を最大値RMAX以下の量に制限し、さらに、ス
テップ430では、リーンスキップ量RSLの値を一定値△RS
だけ減算し、続くステップ432,434で該リーンスキップ
量RSLの値を最小値LMIN以上の量に制限する。ここで、
例えば、最大値は7.5[%]、最小値は2.5[%]であ
る。なお、最大値は空燃比の変動によりドライバビリテ
ィが悪化しない範囲の値であり、最小値は過渡追従性が
低下しない範囲の値である。このように、リッチスキッ
プ量RSRを増加補正すると共に、リーンスキップ量RSLを
減少補正して空燃比を過濃側(Rich)に移行させ易くす
る。次にステップ436に進み、上記のように補正したリ
ッチスキップ量RSRおよびリーンスキップ量RSLをRAM3c
およびバックアップRAM3dに記憶した後、一旦、本第2
の空燃比フィードバック制御処理を終了する。
一方、上記ステップ422で、空燃比が過濃側(Rich)
であると判定されたときに実行されるステップ444で
は、リッチスキップ量RSRの値を一定値△RSだけ減算
し、続くステップ446,448で該リッチスキップ量RSRの値
を最小値RMIN以上の量に制限し、次にステップ450に進
み、リーンスキップ量RSLの値を一定値△RSだけ加算
し、続くステップ452,454で該リーンスキップ量RSLの値
を最大値LMAX以下の量に制限する。このように、リッチ
スキップ量RSRを減少補正すると共に、リーンスキップ
量RSLを増加補正して空燃比を希薄側(Lean)に移行し
易くする。その後、上述したステップ436を経て、一
旦、本第2の空燃比フィードバック制御処理を終了す
る。以後、本第2の空燃比フィードバック制御処理は所
定時間毎に、上記ステップ402〜454を繰り返して実行す
る。
次に、燃料噴射制御処理を第10図に示すフローチャー
トに基づいて説明する。本燃料噴射制御処理は、ECU3の
起動後、所定クランク角度毎(例えば、360[℃A])
に実行される。まず、ステップ500では、既述した各デ
ータを読み込む処理が行われる。続くステップ510で
は、基本燃料噴射量TAU0を、定数α、吸入空気量Qおよ
び回転速度Neから、次式(1)のように算出する処理が
行われる。
TAU0=α×Q/Ne ……(1) 続くステップ520では、暖機増量係数FWLを、冷却水温
度THWに応じて、ROM3bに記憶されている、第11図に示す
マップに従った補間計算により算出する処理が行われ
る。次に、ステップ530に進み、実燃料噴射量TAUを次式
(2)のように算出する処理が行われる。但し、β,γ
は、他の運転状態パラメータに従って定まる補正係数で
ある。
TAU=TAU0・FAF・(FWL+β+1)+γ ……(2) 続くステップ540では、上記ステップ530で算出された
実燃料噴射量TAUを、ダウンカウンタ3nにセットすると
共に、フリップフロップ回路3pをセットする制御信号を
出力して燃料噴射を開始させた後、一旦、本燃料噴射制
御処理を終了する。なお、既述したように、実燃料噴射
量TAUに相当する時間が経過すると、ダウンカウンタ3n
のキャリアウト信号により、フリップフロップ3pがリセ
ットされて燃料噴射は終了する。以後、本燃料噴射制御
処理は所定クランク角度毎に、上記ステップ500〜540を
繰り返して実行する。
なお本第1実施例において、エンジン2が内燃期間M1
に、エアフロメータ31が吸入空気量検出手段M2に、各々
該当し、ECU3および該ECU3の実行する処理(ステップ23
0〜ステップ250)が積算手段M3として機能し、下流側酸
素濃度センサ37が排気系部品M4に該当し、ECU3およびEC
U3の実行する処理(ステップ220、ステップ260、ステッ
プ270)が推定手段M5として機能する。また、吸気温セ
ンサ32が気温検出手段M6に該当し、ECU3およびECU3の実
行する処理(ステップ100〜ステップ160、ステップ21
0)が補償手段M7として機能する。
以上説明したように本第1実施例によれば、外気温度
に相当する吸入空気温度THAが低下すると、下流側酸素
濃度センサ37の活性化を判定する活性化推定カウンタCS
OXTの計数を開始するまでの禁止時間を計時するカウン
ト開始ディレイカウンタCTHACUTの計数値を判定するカ
ウントアップ禁止時間相当値Aを増加補正するため、外
気温度が低下しても、下流側酸素濃度センサ37の活性化
を高精度で推定できる。
すなわち、第12図のタイミングチャートに示すよう
に、外気温度(吸入空気温度THA)が常温である時刻t11
にエンジン2を始動すると、下流側酸素濃度センサ活性
化フラグXSFBは値0にリセットされており、同時刻t11
からカウント開始ディレイカウンタCTHACUTの計数が開
始される。やがて、該カウント開始ディレイカウンタCT
HACUTの計数値が、常温である吸気温度THAに対応するカ
ウントアップ禁止時間相当値A1まで増加する時刻t12
(上記時刻t11からカウントアップ禁止時間AT1経過後)
に、活性化推定カウンタCSOXTの計数が開始される。そ
の後、該活性化推定カウンタCSOXTの計数値が活性化判
定値Bを上回る時刻t13に、下流側酸素濃度センサ37は
活性化したものと推定され、該時刻t13に活性化酸素濃
度センサ活性化フラグXSFBが値1にセツトされる。同図
に示すように、下流側酸素濃度センサ素子温度T0は始動
時(時刻t11)から上昇し始め、上記時刻t13には、活性
化温度T0Aに到達する。したがって、下流側酸素濃度セ
ンサ37は、同時刻t13から正確な検出信号を出力する。
一方、外気温度(吸入空気温度THA)が低温である時刻t
14にエンジン2を始動すると、下流側酸素濃度センサ活
性化フラグXSFBは値0にリセットされており、同時刻t1
4からカウント開始ディレイカウンタCTHACUTの計数が開
始される。やがて、該カウント開始ディレイカウンタCT
HACUTの計数値が、低温である空気温度THAに対応するカ
ウントアップ禁止時間相当値A2まで増加する時刻t16
(上記時刻t14からカウントアップ禁止時間AT2経過後)
に、同図に実線で示すように、活性化推定カウンタCSOX
Tの計数が開示される。その後、該活性化推定カウンタC
SOXTの計数値が活性化判定値Bを上回る時刻t18に、下
流側酸素濃度センサ37は活性化したものと推定され、該
時刻t18に活性化酸素濃度センサ活性化フラグXSFBが値
1にセットされる。同図に示すように、下流側酸素濃度
センサ素子温度T0は始動時(時刻t14)から上昇し始
め、上記時刻t18には、活性化温度T0Aに到達する。した
がって、下流側酸素濃度センサ37は、同時刻t18から正
確な検出信号を出力する。ちなみに、従来技術では、外
気温度に無関係にカウントアップ禁止時間が一定に定め
られていたので、低温時には、時刻t15にカウント開始
ディレイカウンタCTHACUTの計数値が、一定値であるカ
ウントアップ禁止時間相当値A1まで増加し(上記始動時
刻t14からカウントアップ禁止時間AT1経過後)、同図に
破線で示すように、活性化推定カウンタCSOXTの計数が
開始される。やがて、該活性化推定カウンタCSOXTの計
数値が活性化判定値Bを上回る時刻t17に、下流側酸素
濃度センサ37は活性化したものと推定されてしまってい
た。しかし、同図に示すように、下流側酸素濃度センサ
素子温度T0は同時刻t17には、未だ、活性化温度TOAに到
達しない。したがって、下流側酸素濃度センサ37は、同
時刻t17からは正確な検出信号を出力できなかった。
このように、下流側酸素温度センサ37の活性化を、外
気温度の変化に影響されることなく正確に推定できるた
め、該下流側酸素濃度センサ37に基づく第2の空燃比フ
ィードバック制御処理の精度向上により、空燃比補正計
数FAFの制御定数であるスキップ量RSL,RSRを最適な値に
設定できるので、外気温度低下時に、空燃比A/Fの過濃
側(Rich)への過補正が無くなり、エンジン2の排気中
の有害成分排出量を低減できると共に、触媒排気臭気の
発生も防止できる。
なお、上記第1実施例では、計時処理によりカウント
アップ禁止時間相当値Aを吸入空気温度THAの低下に応
じて延長補正した。しかし、例えば、カウントアップ禁
止時間相当値Aを一定値に定め、活性化推定処理の活性
化推定カウンタCSOXTの計数値を判定する活性化判定値
Bを、第12図のタイミングチャートに二点鎖線で示すよ
うに、吸入空気温度THAの低下に応じて値B1まで増加補
正するよう構成しても、上記第1実施例と同様な効果を
奏する。あるいは、カウントアップ禁止時間相当値Aを
吸入空気温度THAの低下に応じて延長補正すると共に、
活性化判定値Bを吸入空気温度THAの低下に応じて増加
補正するよう構成するとより高水準な温度補償ができ
る。
また、補正値△CSOXTを、負荷Q/Ne、エンジン回転速
度および吸入空気量Qから算出したが、負荷として、例
えば、吸気管圧力PM、あるいは、スロットルバルブ開度
θ等を用いることもできる。
さらに、触媒コンバータ19の下流側にのみ酸素濃度セ
ンサを配設して空燃比フィードバック制御を行なう、所
謂、シングル酸素濃度センサシステムでは、上記第1の
空燃比フィードバック制御処理で算出される空燃比補正
係数FAFに代えて、第2の空燃比フィードバック制御処
理で算出されるリッチスキップ量RSRおよびリーンスキ
ップ量RSLを空燃比補正係数FAFとして空燃比フィードバ
ック制御を実行する構成、もしくは、第2の空燃比フィ
ードバック制御処理で検出される下流側酸素濃度センサ
検出信号V2に、エンジン2の運転状態に応じた周波数の
方形波を重畳して得られる空燃比補正係数に基づく空燃
比フィードバック制御を行なう構成に加えて、上記計時
処理および活性化推定処理を実行しても上記第1実施例
と同様な効果が得られる。
また、所謂、ダブル酸素濃度センサシステムであれ
ば、上流側酸素濃度センサ36による第1の空燃比フィー
ドバック制御処理で使用される他の制御定数、すなわ
ち、遅延時間TDL,TDR、積分定数KIL,KIR、第1の比較電
圧VR1等を、下流側酸素濃度センサ37の検出信号V2によ
り補正するよう構成したもの、また、第1の空燃比フィ
ードバック補正係数FAFと第2の空燃比フィードバック
補正係数FAF2とを併用する構成をなすものに対して、上
記計時処理および活性化推定処理を付加すると、同様の
効果を実現できる。
さらに、スキップ量RSR,RSL、遅延時間TDL,TDR、積分
定数KIL,KIR、第1の比較電圧VR1の内、複数の制御定数
を同時に補正するよう構成したものに対して、上記第1
実施例の計時処理および活性化推定処理を適用すると、
制御精度および応答性・追従性をより一層向上できる。
また、スキップ量RSR,RSL、遅延時間TDL,TDR、積分定
数KIL,KIR、第1の比較電圧VR1の内、過濃側(Rich)、
もしくは、希薄側(Lean)の何れか一方を一定値とし、
他方だけを下流側酸素濃度センサ37の検出信号V2に基づ
いて変更する構成に対して上記第1実施例の計時処理お
よび活性化推定処理を適用しても同様な利点が得られ
る。
さらに、上述の第1実施例では、酸素濃度センサ36,3
7を使用したが、例えば、一酸化炭素COを検出するガス
センサ、あるいは、所謂、リーンミクスチャセンサ等を
使用しても良い。
また、上述の第1実施例では、吸入空気量センサとし
て、エアフロメータを使用したが、例えば、カルマン渦
センサ、ヒートワイヤセンサ等を使用しても良い。
さらに、上述の第1実施例では、吸入空気量およびエ
ンジン回転速度に基づいて燃料噴射量を算出するよう構
成したが、例えば、吸入空気管圧力およびエンジン回転
速度、あるいは、スロットルバルブ開度およびエンジン
回転速度にしたがって燃料噴射量を算出するよう構成で
きる。
また、上述の第1実施例では、燃料噴射弁25により燃
料噴射量を制御するエンジンの空燃比制御装置1につい
て説明した。しかし、例えば、気化器を備えたエンジン
であって、エアコントロールバルブ(EACV)により吸入
空気量を制御するエンジン、ブリードエアコントロール
バルブにより気化器のブリードエア量を調節してメイン
系通路およびスロー系通路への大気の導入により空燃比
を制御するエンジン、排気系に供給される2次空気の量
を調節するエンジン等にも適用できる。このように、気
化器を備えたエンジンでは、基本燃料噴射量が気化器の
特性から定まり、所望の空燃比を実現する供給空気量を
演算により算出して空燃比制御を行なうのである。
次に本発明第2実施例を図面に基づいて、詳細に説明
する。本第2実施例と既述した第1実施例との相違点
は、酸素濃度センサ素子温度と吸入空気重量との関係を
考慮し、活性化推定処理および第1の空燃比フィードバ
ック制御処理を変更したことであり、装置構成およびそ
の他の処理は全く同一であるため、同一部分は同一符号
で示し、説明を省略する。
一般に、酸素濃度センサ素子温度と吸入空気重量と
は、第13図に示すような関係がある。すなわち、酸素濃
度センサ素子温度T0は、吸入空気重量Gaの増加に伴って
上昇する。そこで、本第2実施例では、吸入空気重量Ga
に応じて、酸素濃度センサの活性判定に使用する活性化
推定カウンタCSOXTの補正値△CSOXTを算出するよう構成
した。
次に、本第2実施例で実行される活性化推定処理を第
14図に、第1の空燃比フィードバック制御処理を第16図
(1),(2)に、各々示すフローチャートに基づいて
説明する。
第14図に示す活性化推定処理は、ECU3の起動後、所定
時間毎に開始される。まず、ステップ600では、既述し
た各データを読み込む処理が行われる。続くステップ61
0では、第1実施例で既述した計時処理でカウントアッ
プされるカウント開始ディレイカウンタCTHACUTの計数
値が、上記計時処理で算出されたカウントアップ禁止時
間相当値A以上であるか否かを判定し、肯定判断される
とステップ630に、一方、否定判断されるとステップ620
に、各々進む。カウント開始ディレイカウンタCTHACUT
の計数値が、未だカウントアップ禁止時間相当値A未満
であるときに実行されるステップ620では、下流側酸素
濃度センサ活性化フラグXSFBを値0にリセットする処理
を行った後、一日、本活性化推定処理を終了する。一
方、上記ステップ610で、カウント開始ディレイカウン
タCTHACUTの計数値が、既に、カウントアップ禁止時間
相当値A以上であると判定されたときに実行されるステ
ップ630では、吸入空気体積流量Qを読み込む処理が行
われる。続くステップ640では、吸入空気堆積流量Q、
空燃比反転時の空燃比フィードバック補正計数FAFの平
均値をなまし処理したなまし処理値FAFAVS、高地学習値
FGHACから、吸入空気重量Gaを、次式(3)のように算
出する処理が行われる。
Ga=Q×(FAFAVS+FGHAC) ……(3) 次にステップ650に進み、予めROM3b内部に記憶されて
いる、第15図に示すマップに従い、吸入空気重量Gaに基
づいて補正値△CSOXTを算出する処理が行われる。続く
ステップ660に進み、活性化推定カウンタCSOXTの計数値
に上記ステップ650で算出した補正値△CSOXTを加算して
更新する処理が行われる。次にステップ670に進み、上
記ステップ660で加算更新された活性化推定カウンタCSO
XTの計数値が、活性化判定値B以上であるか否かを判定
し、肯定判断されるとステップ680に、一方、否定判断
されると、上述したステップ620を経て、一旦、本活性
化推定処理を終了する。上記ステップ670で、始動後の
充分な時間経過により下流側酸素濃度センサ37が活性化
したと判定されたときに実行されるステップ680では、
下流側酸素濃度センサ活性化フラグXSFBを値1にセット
する処理を行った後、一旦、本活性化推定処理を終了す
る。以後、本活性化推定処理は、上記ステップ600〜ス
テップ680を、所定時間毎に繰り返して実行する。
次に、第1の空燃比フィードバック制御処理を第16図
(1),(2)に示すフローチャートに基づいて説明す
る。本第1の空燃比フィードバック制御処理は、ECU3の
起動後、所定時間(例えば、4[msec])毎に実行され
る。まず、ステップ700では、既述した各センサの検出
信号に基づく各データを読み込む処理が行われる。続く
ステップ705では、第1の空燃比フィードバック制御実
行条件が成立するか否かを判定し、肯定判断されるとス
テップ710に進み、一方、否定判断されると、ステップ7
07に進んで空燃比補正係数FAFの値を値1.0とした後、ス
テップ780に進む。
ここで、例えば、冷却水温度THWが所定温度(例え
ば、60[℃])以下のとき、始動状態、始動後増量中、
暖機増量中、加速増量(非同期噴射)中、パワー増量
中、上流側酸素濃度センサ36の出力信号V1が一度も第1
の比較電圧VR1を横切っていないとき、等は何れも第1
の空燃比フィードバック制御実行条件不成立である。上
記各条件に該当しない、第1の空燃比フィードバック制
御実行条件成立時に実行されるステップ710では、上流
側酸素濃度センサ36の検出信号V1をA/D変換して読み込
む処理が行われる。続くステップ715では、上流側酸素
濃度センサ36の検出信号V1が第1の比較電圧、本実施例
では0.45[V]以上であるか否かを判定し、肯定判断さ
れると空燃比が過濃側(Rich)であるとしてステップ72
0に、一方、否定判断されると空燃比が希薄側(Lean)
であるとしてステップ730に、各々進む。空燃比が過濃
側(Rich)であるときに実行されるステップ720では、
上流側酸素濃度センサ36の前回の検出信号V1Bが第1の
比較電圧、本実施例では0.45[V]以上であるか否かを
判定し、肯定判断されると空燃比が継続して過濃側(Ri
ch)にあるとしてステップ725に、一方、否定判断され
ると空燃比が希薄側(Lean)にから過濃側(Rich)に反
転したとしてステップ740に各々進む。空燃比が継続し
て過濃側(Rich)にあるときに実行されるステップ725
では、空燃比補正係数FAFからリーン積分定数KILを減算
して徐々に減少させる処理を行った後、ステップ780に
進む。一方、上記ステップ715で空燃比が希薄側(Lea
n)であると判定されたときに実行されるステップ730で
は、上流側酸素濃度センサ36の前回の検出信号V1Bが第
1の比較電圧、本実施例では0.45[V]未満であるか否
かを判定し、肯定判断されると空燃比が継続して希薄側
(Lean)にあるとしてステップ735に、一方、否定判断
されると空燃比が過濃側(Rich)から希薄側(Lean)に
反転したとしてステップ770に、各々進む。空燃比が継
続して希薄側(Lean)にあるときに実行されるステップ
735では、空燃比補正係数FAFにリーン積分定数KILを加
算して徐々に増加させる処理を行った後、ステップ780
に進む。
上記ステップ720で、空燃比が希薄側(Lean)から過
濃側(Rich)に反転したときに実行されるステップ740
では、前回反転時の空燃比補正係数FAF0と今回反転時の
空燃比補正係数FAFとの平均値FAFAVEを算出する処理が
行われる。続くステップ745では、上記ステップ740で算
出した平均値FAFAVEと前回算出したなまし処理値FAFAVS
との重み付き平均演算により、今回のなまし処理値FAFA
VSを算出する処理が行われる。次にステップ750に進
み、過濃側(Rich)への反転回数を計数する反転カウン
タCGAの計数値に値1を加算する処理が行われる。続く
ステップ752では、上記反転カウンタCGAの計数値が値4
以上か否かを判定し、肯定判断されるとステップ756
に、一方、否定判断されるとステップ754に、各々進
む。未だ、過濃側(Rich)への反転回数が4回未満であ
るときに実行されるステップ754では、空燃比補正係数F
AFからリーンスキップ量RSLを減算してスキップ的に減
少させた後、ステップ780に進む。一方、上記ステップ7
52で、過濃側(Rich)への反転回数が4回以上であると
きに実行されるステップ756では、反転カウンタCGAを値
0にリセットする処理が行われる。続くステップ758で
は、平均値FAFAVEが1.0+α1(定数)以上であるか否
かを判定し、肯定判断行されるとステップ760に、一
方、否定判断されるとステップ762に進む。平均値FAFAV
Eが1.0+α1(定数)以上であるときに実行されるステ
ップ760では、高地学習値FGHACに定数γ1を加算して増
加補正する処理を行った後、既述したステップ754を経
てステップ708に進む。一方、上記ステップ758で、平均
地FAFAVEが1.0+α1(定数)未満であると判定された
ときに実行されるステップ762では、平均地FAFAVEが1.0
−β1(定数)以下であるか否かを判定し、肯定判断さ
れるとステップ764に、一方、否定判断されると上述し
たステップ754を経てステップ780に進む。平均値FAFAVE
が1.0−β1(定数)以下であるときに実行されるステ
ップ764では、高地学習値FGHACから定数γ1を減算して
減少補正する処理を行った後、既述したステップ754を
経てステップ780に進む。
また、上記ステップ30で、空燃比が過濃側(Rich)か
ら希薄側(Lean)に反転したと判定されたときに実行さ
れるステップ770では、前回反転時の空燃比補正係数FAF
0を今回反転時の空燃比補正係数FAFに更新する処理が行
われる。続くステップ775では、空燃比補正係数FAFにリ
ッチスキップ量RSRを加算してスキップ的に増加させた
後、ステップ780に進む。ステップ780では、空燃比フィ
ードバック補正係数FAFの値を予め定められた最大値と
最小値との範囲内に制限する処理が行われる。続くステ
ップ785では、次回の処理に備えて、前回の検出信号V1B
を今回検出した上流側酸素濃度センサ検出信号V1に更新
する処理が行われる。次にステップ790に進み、上記の
ように算出された空燃比補正係数FAFをRAM3c、バックア
ップRAM3dに記憶した後、一旦、本第1の空燃比フィー
ドバック制御処理を終了する。以後、本第1の空燃比フ
ィードバック制御処理は、所定時間毎に、上記ステップ
700〜ステップ790を繰り返して実行する。
なお本第2実施例において、ECU3および該ECU3の実行
する処理のうちステップ(630〜660)が積算手段M3とし
て、ステップ(670,680)が推定手段M5として、ステッ
プ(610,620)が補償手段M7として、各々機能する。
以上説明したように本第2実施例によれば、既述した
第1実施例の各効果に加えて、次のような効果を奏す
る。すなわち、吸入空気重量Gaに応じて、補正値△CSOX
Tを算出する構成をなしているので、吸入空気密度が変
化する場合にも、下流側酸素濃度センサ37の活性化を正
確に判定できる、所謂、高度補償が可能になる。
次に、本発明の第3実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。本第3実施例と既述した第1実施例との相違点
は、計時処理および活性化推定処理が異なることで、装
置構成およびその他の処理は全く同一であるため、同一
部分は同一符号で示し、説明を省略する。
本第3実施例で実行される活性化推定処理を第17図に
示すフローチャートに基づいて説明する。第17図に示す
活性化推定処理は、ECU3の起動後、所定時間毎に開始さ
れる。
まず、ステップ800では、既述した各データを読み込
む処理が行われる。続くステップ805では吸入空気体積
流量Qを算出する処理が行われる。次にステップ810に
進み、吸入空気体積流量Q、空燃比反転時の空燃比補正
係数FAFの平均値をなまし処理したなまし処理値FAFAV
S、高地学習値FGHACから、吸入空気重量Gaを、次式
(4)のように算出する処理が行われる。
Ga=Q×(FAFAVS+FGHAC) ……(4) 次にステップ815に進み、予めROM3b内部に記憶されて
いる、第18図に示すマップに従い、吸入空気重量Gaに基
づいて補正値△CSOXTを算出する処理が行われる。続く
ステップ820に進み、上記ステップ815で算出した補正値
△CSOXTの値が正であるか否かを判定し、肯定判断され
るとステップ825に、一方、否定判断されるとステップ8
40に、各々進む。補正値△CSOXTの値が正であるときに
実行されるステップ825では、予めROM3b内部に記憶され
ている、第19図に示すマップに従い、吸入空気温度THA
に基づいて補正係数f1を算出する処理が行われる。続く
ステップ830では、上記ステップ815で算出された補正値
△CSOXTに上記補正係数f1を掛けて温度補償用に増加補
正した補正値△CSOXTを算出する処理を行った後、ステ
ップ850に進む。一方、上記ステップ820で、補正値△CS
OXTの値が負であるときに実行されるステップ840では、
予めROM3b内部に記憶されている、第20図に示すマップ
に従い、吸入空気温度THAに基づいて補正係数f2を算出
する処理が行われる。続くステップ845では、上記ステ
ップ815で算出された補正値△CSOXTに上記補正係数f2を
掛けて温度補償用に減少補正した補正値△CSOXTを算出
する処理を行った後、ステップ850に進む。ステップ850
では、活性化推定カウンタCSOXTの計数値に上記ステッ
プ830、または、ステップ845で補正演算した補正値△CS
OXTを加算して更新する処理が行われる。次にステップ8
55に進み、上記ステップ850で加算更新された活性化推
定カウンタCSOXTの計数値が、活性化判定値B以上であ
るか否かを判定し、肯定判断されるとステップ865に、
一方、否定判断されると、ステップ860に、各々進む。
未だ、活性化推定カウンタCSOXTの計数値が、活性化判
定値B未満のときに実行されるステップ860では、下流
側酸素濃度センサ活性化フラグXSFBを値0にリセットす
る処理を行った後、一旦、本活性化推定処理を終了す
る。一方、上記ステップ855で、始動後の充分な時間経
過により下流側酸素濃度センサ37が活性化したと判定さ
れたときに実行されるステップ865では、下流側酸素濃
度センサ活性化フラグXSFBを値1にセットする処理を行
った後、一旦、本活性化推定処理を終了する。以後、本
活性化推定処理は、上記ステップ800〜ステップ865を、
所定時間毎に繰り返して実行する。
なお本第3実施例において、ECU3および該ECU3の実行
する処理のうちステップ(800〜815,850)が積算手段M3
として、ステップ(855〜865)が推定手段M5として、ス
テップ(820〜845)が補償手段M7として、各々機能す
る。
以上説明したように本第3実施例によれば、吸入空気
重量Gaに応じて算出した補正値△CSOXTの正負に基づい
て、吸入空気温度THAに応じた補正係数f1,f2を決定し、
該補正係数f1,f2により補正値△CSOXTを増減補正して活
性化推定カウンタCSOXTの計数値を更新するので、計時
処理を行なうことなく、吸入空気温度THAを考慮した活
性化推定を実現できる。
なお、本第3実施例のエンジンの空燃比制御装置1
は、第21図に示すように、下流側酸素濃度センサ37にヒ
ータ37aを内蔵すると共に、ECU3の駆動回路3k内部に駆
動用トランジスタ51を備えて構成されている。したがっ
て、上記活性化推定処理で更新される下流側酸素濃度セ
ンサ37の活性化推定カウンタCSOXTの計数値に基づいて
上記ヒータ37aを駆動制御し、下流側酸素濃度センサ37
を加熱することにより、活性化を促進することができ
る。このような活性化の促進は、ECU3が、第22図のフロ
ーチャートに示すヒータ制御処理を実行することにより
実現される。該ヒータ制御処理は、ECU3の起動に伴っ
て、所定時間毎に繰り返して実行される。
まず、ステップ900では、各データを読み込む処理が
行われる。続くステップ910では、上述した活性化推定
処理で更新される活性化推定カウンタCSOXTの計数値
が、加熱判定値Zを上回るか否かを判定し、肯定判断さ
れるとステップ930に、一方、否定判断されるとステッ
プ920に、各々進む。上記ステップ910で、活性化推定カ
ウンタCSOXTの計数値が加熱判定値Z以下であると判定
されたときに実行されるステップ920では、未だ、下流
側酸素濃度センサ37が活性化されていないので、加熱に
より活性化を促進するために、上述した駆動用トランジ
スタ51に制御信号を出力し、ヒータ37aに通電する処理
を行った後、一旦、本ヒータ制御処理を終了する。一
方、上記ステップ910で、活性化推定カウンタCSOXTの計
数値が加熱判定値Zを上回ると判定されたときに実行さ
れるステップ930では、既に、下流側酸素濃度センサ37
が活性化したので、加熱する必要が無くなったものとし
て、上述した駆動用トランジスタ51に制御信号を出力
し、ヒータ37aへの通電を停止する処理を行った後、一
旦、本ヒータ制御処理を終了する。以後、本ヒータ制御
処理は、所定時間毎に、上記ステップ900〜ステップ930
を繰り返して実行する。
上記ヒータ制御処理の実行によれば、下流側酸素濃度
センサ37を迅速に活性化できるので、外気温度(吸入空
気温度THA)が低い場合等、環境条件が悪化したときで
も、高い制御精度を発揮するダブル酸素濃度センサシス
テムによる空燃比フィードバック制御を速やかに開始で
きるという利点も生じる。
以上本発明のいくつかの実施例について説明したが、
本発明はこのような実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる
態様で実施し得ることは勿論である。
発明の効果 以上詳記したように本発明の内燃機関用排気系部品の
温度推定装置は、内燃機関の排気系部品の温度上昇およ
び温度降下の推定に際し、吸入空気量に応じた補正値を
積算した積算値が、該積算値に対して設定した所定値以
上まで増加するときの増加時間を、外気温度の低下に伴
って延長補正し、上記排気系部品の温度が上昇したと推
定されるまでの時間を、外気温度低下に応じて遅延する
よう構成されている。このため、外気温度が変化して
も、排気系部品の温度上昇および温度降下を高精度で推
定できるという優れた効果を奏する。
従って、例えば、排気系部品である空燃比検出器の温
度上昇も、外気温度の変化に影響されることなく高精度
で推定し、該空燃比検出器が活性状態にあるか否かを正
確に推定できるため、上記空燃比検出器の検出結果に基
づく空燃比フィードバック制御の精度向上により、空燃
比の過濃側(Rich)への過補正が無くなるので、内燃機
関の排気特性の改善および触媒排気臭気の発生防止が、
より一層確実に達成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の内容を概念的に例示した基本的構成
図、第2図は本発明第1実施例のシステム構成図、第3
図は同じくその制御を示すフローチャート、第4図は同
じくそのマップを示すグラフ、第5図は同じくその制御
を示すフローチャート、第6図は同じくそのマップを示
すグラフ、第7図(1),(2)は同じくその制御を示
すフローチャート、第8図は同じくその制御の様子を示
すタイミングチャート、第9図(1),(2)、第10図
は同じくその制御を示すフローチャート、第11図は同じ
くそのマップを示すグラフ、第12図は同じくその制御の
様子を示すタイミングチャート、第13図は酸素濃度セン
サ素子温度と吸入空気重量との関係を示すグラフ、第14
図は本発明第2実施例の制御を示すフローチャート、第
15図は同じくそのマップを示すグラフ、第16図(1),
(2)は同じくその制御を示すフローチャート、第17図
は本発明第3実施例の制御を示すフローチャート、第18
図、第19図、第20図は同じくそのマップを示すグラフ、
第21図は同じくその主要部の概略装置構成図、第22図は
同じくその制御を示すフローチャート、第23図は従来技
術の排気特性を示すグラフ、第24図は酸素濃度センサ素
子温度と時間との関係を示すグラフである。 M1……内燃機関 M2……吸入空気量検出手段 M3……積算手段 M4……排気系部品 M5……推定手段 M6……気温検出手段 M7……補償手段 1……エンジンの空燃比制御装置 2……エンジン 3……電子制御装置(ECU) 3a……CPU 31……エアフロメータ 32……吸気温センサ 33……スロットルポジションセンサ 34……アイドルスイッチ 36……上流側酸素濃度センサ 37……下流側酸素濃度センサ 37a……ヒータ 39……回転角センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−87504(JP,A) 特開 昭52−90725(JP,A) 特開 昭59−3136(JP,A) 特開 昭63−46363(JP,A) 特開 昭63−173830(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気
    量検出手段と、 少なくとも、上記吸入空気量検出手段の検出した吸入空
    気量に応じて定まる補正値を時間の経過に伴って積算
    し、積算値を算出する積算手段と、 上記内燃機関の排気系部品の温度が、上記積算手段の算
    出した積算値が所定値以上のときは上昇したと、一方、
    積算値が所定値未満のときは降下したと推定する推定手
    段と、 を具備した内燃機関用排気系部品の温度推定装置におい
    て、 さらに、上記内燃機関の外気温度を検出する気温検出手
    段と、 該気温検出手段の検出した外気温度の低下に伴って、上
    記積算手段の積算する積算値の減少補正、もしくは、上
    記推定手段の所定値の増加補正の少なくとも一方の補正
    を行なう補償手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関用排気系部品の温度
    推定装置。
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