JP2600772B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP2600772B2 JP5903488A JP5903488A JP2600772B2 JP 2600772 B2 JP2600772 B2 JP 2600772B2 JP 5903488 A JP5903488 A JP 5903488A JP 5903488 A JP5903488 A JP 5903488A JP 2600772 B2 JP2600772 B2 JP 2600772B2
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【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関の排気系に介装された三元触媒の
上流側および下流側に酸素濃度センサ等の空燃比センサ
を配設し、上流側空燃比センサの検出結果に基づく空燃
比フィードバック制御に加えて、下流側空燃比センサの
検出結果に基づく空燃比フィードバック制御を実行する
内燃機関の空燃比制御装置に関する。
[従来の技術] 通常の空燃比フィードバック制御装置、所謂、シング
ル酸素濃度センサシステムでは、酸素濃度を検出する空
燃比センサとしての酸素濃度センサを燃焼室近傍に配設
するため、触媒コンバータの上流側である排気マニホー
ルドに設けている。しかし、酸素濃度センサの出力特性
の固体差により、空燃比の制御精度向上には限界があっ
た。そこで、上記酸素濃度センサの出力特性の固体差、
さらに、燃料噴射弁等の構成部品の固体差、経時変化、
経年変化等に起因する制御精度低下に対する対策とし
て、触媒コンバータの下流側に下流側酸素濃度センサを
配設し、上記触媒コンバータの上流側に配設された上流
側酸素濃度センサの検出信号に基づく空燃比フィードバ
ック制御に加えて、上記下流側酸素濃度センサの検出信
号に基づく空燃比フィードバック制御を実行する、所
謂、ダブル酸素濃度センサシステムが知られている。該
ダブル酸素濃度センサシステムでは、下流側酸素濃度セ
ンサの応答性は、上流側酸素濃度センサの応答性より低
いが、次のような理由により、出力特性が比較的安定し
ている。
(a)触媒コンバータの下流側の排気温度は、上流側に
較べて低いので、下流側酸素濃度センサに対する熱的悪
影響が比較的少ない。
(b)酸素濃度センサの出力特性に悪影響を及ぼす排気
中の有害物質は、触媒コンバータ内部で吸着されるの
で、下流側の排気から酸素濃度センサが悪影響を受ける
ことは比較的少ない。
(c)触媒コンバータの下流側の排気は、充分混合され
ているため、排気中の酸素濃度はほぼ平衡状態に近いの
で、酸素濃度センサにより比較的正確に検出できる。
このため、2つの酸素濃度センサの検出信号に基づく
空燃比フィードバック制御(所謂、ダブル酸素濃度セン
サシステム)は、上流側酸素濃度センサの出力特性の悪
化を、下流側酸素濃度センサの検出信号により補正でき
る。すなわち、第9図に黒塗で示すように、ダブル酸素
濃度センサシステムでは、上流側酸素濃度センサの出力
特性が悪化しても、排気中の有害成分(HC,CO,NOx)の
排出量はほとんど増加せず、排気特性の悪化は見られな
い。一方、同図に白抜きで示すように、出力特性悪化時
のシングル酸素濃度センサシステムでは、排気中の有害
成分がかなり増加し、排気特性の悪化が顕著に現れる。
このように、ダブル酸素濃度センサシステムでは、下流
側酸素濃度センサの出力特性が安定していれば、良好な
排気特性が補償される。
上述のようなダブル酸素濃度センサシステムでは、第
10図に示すように、従来より使用されている上流側酸素
濃度センサ検出信号V1に応じて空燃比補正係数FAFを算
出する際に使用する空燃比フィードバック制御定数(例
えば、リーンスキップ量RSL、リッチスキップ量RSR)
を、下流側酸素濃度センサ検出信号に基づいて補正して
いる。しかし、例えば、機関暖機時等、下流側酸素濃度
センサ検出信号に基づく制御定数の補正演算が停止さ
れ、上流側酸素濃度センサの検出信号に応じた空燃比フ
ィードバック制御のみを実行する場合もある。このよう
なときには、同図に示すように、制御定数、例えば、リ
ッチスキップ量、リーンスキップ量等は、予め定められ
た一定値(RSR0,RSR0)、あるいは、上記補正演算実行
中に学習記憶されていた値を使用し、上記側酸素濃度セ
ンサの検出信号に応じた空燃比フィードバック制御のみ
を実行する技術が知られている。このようなものとし
て、例えば、「内燃機関の空燃比制御装置」(特開昭61
−234241号公報)等が提案されている。すなわち、下流
側空燃比センサの出力に応じて空燃比フィードバック制
御定数であるスキップ量を予め定められた一定の補正量
づつ増減補正し、該補正されたスキップ量を用いて上流
側空燃比センサの出力に応じた空燃比補正量を演算して
機関の空燃比を調整し、上流側空燃比センサの劣化に伴
う応答速度の低下を防止する技術である。この技術で
は、下流側空燃比センサの出力に応じて空燃比フィード
バック制御定数であるスキップ量を補正しないときは、
スキップ量を予め定められた一定値に設定していた。
[発明が解決しようとする課題] しかし、下流側空燃比センサの出力に応じて空燃比フ
ィードバック制御定数を算出しないで、一定値、あるい
は、学習値に設定し、上流側酸素濃度センサの検出信号
に応じた空燃比フィードバック制御のみを実行する場
合、例えば、内燃機関が暖機過程にあるときは、希薄側
(Lean)へのスキップ量が大きい値に設定されている
と、空燃比は希薄側(Lean)に過補正され、ドライバビ
リティが悪化するという問題点があった。
また、下流側空燃比センサの出力に応じた空燃比フィ
ードバック制御定数の算出を行なわない場合で、内燃機
関が暖機過程にあるときは、各種制御定数の制限幅を、
下流側空燃比センサの出力に応じて空燃比フィードバッ
ク制御定数を算出する場合の所定制限幅よりも狭く設定
した非算出時制限幅に変更する改良技術も考案された。
ところが、全暖機過程に亘って、非算出時制限幅が一定
であったため、該非算出時制限幅に規制される空燃比フ
ィードバック制御定数が必ずしも最適値にはならず、特
に、暖機初期時等、冷却水温度が低い場合には、ドライ
バビリティの低下を招き易く、上記改良技術も未だ充分
なものではなかった。
さらに、各種制御定数の制限幅を狭く設定すると、空
燃比補正係数による空燃比補正能力の低下により、空燃
比の制御中心値が大きく変動し、排気特性の悪化を生じ
るという問題もあった。
本発明は、下流側空燃比センサの出力に応じた空燃比
フィードバック制御定数の算出を中止し、上流側空燃比
センサの検出信号に応じた空燃比フィードバック制御の
みを実行する場合、暖機過程における空燃比の希薄側
(Lean)への大きな移行による運転性能(ドライバビリ
ティ)の悪化を好適に抑制する内燃機関の空燃比制御装
置の提供を目的とする。
発明の構成 [課題を解決するための手段] 上記目的を達成するためになされた本発明は、第1図
に例示するように、 内燃機関M1の排気通路に介装され、排気を浄化する三
元触媒M2と、 該三元触媒M2の上流側の排気通路に配設され、排気中
の特定成分濃度を検出する上流側空燃比検出手段M3と、 上記三元触媒M2の下流側の排気通路に配設され、排気
中の特定成分濃度を検出する下流側空燃比検出手段M4
と、 外部から指令される制御量に従って、上記内燃機関M1
の空燃比を調節する空燃比調節手段M5と、 上記内燃機関M1の、少なくとも暖機状態を含む運転状
態を検出する運転状態検出手段M6と、 該運転状態検出手段M6の検出した運転状態に基づい
て、上記内燃機関M1の運転状態が、上記内燃機関M1の暖
機完了状態を含む上記下流側空燃比検出手段M4の検出結
果に基づく空燃比フィードバック制御定数算出可能な算
出可能運転状態にあるか否かを判定する判定手段M7と、 該判定手段M7により算出可能運転状態にあると判定さ
れたときに、上記下流側空燃比検出手段M4の検出結果に
応じて、空燃比フィードバック制御定数を算出する制御
定数算出手段M8と、 該制御定数算出手段M8の算出した空燃比フィードバッ
ク制御定数を所定制限幅以内に制限し、更新記憶する学
習手段M9と、 上記判定手段M7により算出可能運転状態にあると判定
されたときは、上記制御定数算出手段M8により算出され
た空燃比フィードバック制御定数および上記上流側空燃
比検出手段M3の検出結果に応じて決定した制御量を上記
空燃比調節手段M5に指令し、上記判定手段M7により算出
可能運転状態にないと判定されたときは、上記学習手段
M9の記憶している空燃比フィードバック制御定数および
上記上流側空燃比検出手段M3の検出結果に応じて決定し
た制御量を上記空燃比調節手段M5に指令する空燃比フィ
ードバック制御手段M10と、 を具備した内燃機関の空燃比制御装置であって、 さらに、上記内燃機関M1の暖機完了以前で、上記判定
手段M7により算出可能運転状態にないと判定されたとき
は、上記学習手段M9の記憶している空燃比フィードバッ
ク制御定数の制限幅をさらに制限するべく、上記運転状
態検出手段M6の検出した暖機状態の暖機完了への進行過
程に応じて、上記所定制限幅より狭い初期制限幅から該
所定制限幅までの範囲で増加補正する補正手段M11を備
え、 上記空燃比フィードバック制御手段M10は、上記内燃
機関M1の暖機完了以前で、上記判定手段M7により算出可
能運転状態にないと判定されたときは、上記補正手段M1
1によりさらに制限された空燃比フィードバック制御定
数および上記上流側空燃比検出手段M3の検出結果に応じ
て決定した制御量を上記空燃比調節手段M5に指令するこ
とを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置を要旨とする
ものである。
上流側空燃比検出手段M3とは、三元触媒M2の上流側の
排気中の特定成分濃度を検出するものである。例えば、
排気中の、酸素、一酸化炭素等の特定成分濃度を検出す
るガスセンサやリーンミクスチャセンサにより実現でき
る。
下流側空燃比検出手段M4とは、三元触媒M2の下流側の
排気中の特定成分濃度を検出するものである。例えば、
上記上流側空燃比検出手段M3と同様な構成により実現で
きる。
空燃比調節手段M5とは、外部から指令される制御量に
従って、内燃機関M1の空燃比を調節するものである。例
えば、燃料噴射量制御可能な燃料噴射弁、ブリードエア
流量制御可能な気化器、流量制御可能な2次空気導入装
置等により実現できる。
運転状態検出手段M6とは、内燃機関M1の、少なくとも
暖機状態を含む運転状態を検出するものである。例え
ば、機関温度を測定可能な機関温度センサ、あるいは、
水温センサ、潤滑用オイル温度センサ、その他、回転速
度センサ、スロットルポジションセンサ、始動時からの
経過時間を計測するタイマ等により実現できる。
判定手段M7とは、運転状態検出手段M6の検出した運転
状態に基づいて、内燃機関M1の運転状態が、上記内燃機
関M1の暖機完了状態を含む下流側空燃比検出手段M4の検
出結果に基づく空燃比フィードバック制御定数算出可能
な算出可能運転状態にあるか否かを判定するものであ
る。例えば、冷却水温度、各種燃料増量の有無、スロッ
トルバルブ開度、下流側酸素濃度センサの状態およびエ
ンジン負荷等に基づいて判定するよう構成できる。
制御定数算出手段M8とは、判定手段M7により算出可能
運転状態にあると判定されたときに、下流側空燃比検出
手段M4の検出結果に応じて、空燃比フィードバック制御
定数を算出するものである。例えば、下流側酸素濃度セ
ンサ検出信号に基づいて、スキップ量、積分定数、ディ
レイ時間、上流側酸素濃度センサ検出信号の比較電圧等
を増減補正して算出するよう構成できる。
学習手段M9とは、制御定数算出手段M8の算出した空燃
比フィードバック制御定数を所定制限幅以内に制限し、
更新記憶するものである。例えば、上記各種の制御定数
を、各々上限値と下限値とで定まる制限幅内に制限する
処理を実行する演算器および学習記憶する記憶素子によ
り構成できる。
空燃比フィードバック制御手段M10とは、判定手段M7
により算出可能運転状態にあると判定されたときは、制
御定数算出手段M8により算出された空燃比フィードバク
制御定数および上流側空燃比検出手段M3の検出結果に応
じて決定された制御量を空燃比調節手段M5に指令し、判
定手段M7により算出可能運転状態にないと判定されたと
きは、学習手段M9の記憶している空燃比フィードバック
制御定数および上流側空燃比検出手段M3の検出結果に応
じて決定した制御量を空燃比調節手段M5に指令するもの
である。例えば、下流側酸素濃度に基づいて算出され
る、リーン・リッチ両スキップ量、積分定数、リーン・
リッチ両遅延時間および空燃比信号比較電圧等と上流側
酸素濃度とから求めた空燃比フィードバック補正係数に
応じて燃料噴射量を決定して指令するよう構成できる。
補正手段M11とは、内燃機関M1の暖機完了以前で、判
定手段M7により算出可能運転状態にないと判定されたと
きは、学習手段M9の記憶している空燃比フィードバック
制御定数の所定制限幅を、運転状態検出手段M6の検出し
た暖機状態の暖機完了への進行過程に応じて、所定制限
幅より狭い初期制限幅から所定制限幅までの範囲で増加
補正するものである。例えば、冷却水温度、あるいは、
機関温度、もしくは、潤滑油温度と制限幅境界値との関
係を規定した演算式やマップにより構成できる。
上記判定手段M7、制御定数算出手段M8、学習手段M9、
空燃比フィードバック制御手段M10および補正手段M11
は、例えば、各々独立したディスクリートな論理回路に
より実現できる。また、例えば、周知のCPU,ROM、RAM等
を中心に、その他の周辺回路素子と共に論理演算回路と
して構成され、予め定められた処理手順に従って、上記
各手段を実現するよう構成しても良い。
[作用] 本発明の内燃機関の空燃比制御装置は、第1図に例示
するように、運転状態検出手段M6の検出した、内燃機関
M1の、少なくとも暖機状態を含む運転状態に基づいて、
上記内燃機関M1の運転状態が、上記内燃機関M1の暖機完
了状態を含む該内燃機関M1の排気通路に介装された三元
触媒M2の下流側の排気中の特定成分濃度を検出する下流
側空燃比検出手段M4の検出結果に基づく空燃比フィード
バック制御定数算出可能な算出可能運転状態にあると判
定手段M7により判定されたときに、上記下流側空燃比検
出手段M4の検出結果に応じて、制御定数算出手段M8の算
出した空燃比フィードバック制御定数を学習手段M9は所
定制限幅以内に制限して更新記憶する一方、上記判定手
段M7により算出可能運転状態にないと判定されたときに
おいて、上記学習手段M9の記憶している空燃比フィード
バック制御定数および上記三元触媒M2の上流側の排気中
の特定成分濃度を検出する上流側空燃比検出手段M3の検
出結果に応じて決定した制御量を空燃比フィードバック
制御手段M10が、上記内燃機関M1の空燃比を調節する空
燃比調節手段M5に指令するに際し、上記内燃機関M1の暖
機完了以前で、上記判定手段M7により算出可能運転状態
にないと判定されたときは、上記学習手段M9の記憶して
いる空燃比フィードバック制御定数の所定制限幅を、上
記運転状態検出手段M6の検出した暖機状態の暖機完了へ
の進行過程に応じて、上記所定制限幅より狭い初期制限
幅から該所定制限幅までの範囲で、補正手段M11が増加
補正するよう働く。
すなわち、暖機完了以前で、上流側空燃比に基づく空
燃比フィードバック制御のみを実行し、下流側空燃比に
応じて空燃比フィードバック制御定数を算出しないとき
は、学習記憶されている空燃比フィードバック制御定数
の制限幅を暖機過程の進行に伴って拡大し、過大な空燃
比フィードバック制御定数に起因する暖機中の空燃比の
希薄側への大きな変動を抑制するのである。
従って、本発明の内燃機関の空燃比制御装置は、暖機
完了以前で、上流側空燃比に基づく空燃比フィードバッ
ク制御のみを実行し、下流側空燃比に応じて空燃比フィ
ードバック制御定数を算出しないときでも、該空燃比フ
ィードバック制御定数を暖機状態に応じた適切な値に制
限するよう働く。
以上のように本発明の各構成要素が作用することによ
り、本発明の技術的課題が解決される。
[実施例] 次に本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。本発明の一実施例であるエンジンの空燃比制御
装置のシステム構成を第2図に示す。
同図に示すように、エンジンの空燃比制御装置1は、
エンジン2およびこれを制御する電子制御装置(以下、
単にECUと呼ぶ。)3から構成されている。
エンジン2は、シリンダ4、ピストン5およびシリン
ダヘッド6から燃焼室7を形成し、該燃焼室7には点火
プラグ8が配設されている。
該エンジン2の吸気系は、上記燃焼室7と吸気バルブ
9を介して連通する吸気ポート10、吸気管11、吸入空気
の脈動を吸収するサージタンク12、アクセルペダル13に
連動して吸入空気量を調節するスロットルバルブ14およ
びエアクリーナ15から構成されている。
上記エンジン2の排気系は、上記燃焼室7と排気バル
ブ16を介して連通する排気ポート17、排気マニホールド
18、三元触媒を充填した触媒コンバータ19および排気管
20から構成されている。
上記エンジン2の点火系は、点火に必要な高電圧を出
力するイグニッションコイルを備えたイグナイタ21およ
び図示しないクランク軸に連動して上記イグナイタ21で
発生した高電圧を点火プラグに分配供給するディストリ
ビュータ22より構成されている。
上記エンジン2の燃料系統は、燃料を貯蔵するための
フューエルタンク23、該燃料を圧送するフューエルポン
プ24、圧送された燃料を上記吸気ポート10近傍に噴射す
る電磁式の燃料噴射弁25から構成されている。
エンジンの空燃比制御装置1は検出器として、上述し
た吸気管11のスロットルバルブ14上流側に設けられて吸
入空気量を計測するエアフロメータ31、該エアフロメー
タ31内部に設けられて吸入空気温度を測定する吸気温セ
ンサ32、上記スロットルバルブ14に連動して該スロット
ルバルブ14の開度を検出するスロットルポジションセン
サ33、上記スロットルバルブ14の全閉状態を検出するア
イドルスイッチ34、シリンダブロック4aの冷却系統に配
設されて冷却水温度を検出する水温センサ35、排気マニ
ホールド18内に設けられて上記触媒コンバータ19に流入
する前の排気中の残存酸素濃度を検出する上流側酸素濃
度センサ36、排気管20内に設けられて上記触媒コンバー
タ19から流出した排気中の残存酸素濃度を検出する下流
側酸素濃度センサ37、上述したディストリビュータ22の
カムシャフトの1回転毎に、すなわち、図示しないクラ
ンク軸に2回転毎に基準信号を出力する気筒判別センサ
38、上記ディストリビュータ22のカムシャフトの1/24回
転毎に、すなわち、クランク角0°から30°の整数倍毎
に回転角信号を出力する回転速度センサを兼ねた回転角
センサ39を備えている。
上記各センサおよびスイッチの検出信号はECU3に入力
され、該ECU3はエンジン2を制御する。ECU3は、CPU3a,
ROM3b,RAM3c,バックアップRAM3d,タイマ3eを中心に論理
演算回路として構成され、コモンバス3fを介して入出力
ポート3gに接続されて外部との入出力を行なう。CPU3a
は、上述したエアフロメータ31、吸気温センサ32、スロ
ットルポジションセンサ33の検出信号をA/D変換器3hお
よび入出力ポート3gを介して、アイドルスイッチ34の検
出信号を入出力ポート3gを介して、気筒判別センサ38、
回転角センサ39の検出信号を波形整数回路3iおよび入出
力ポート3gを介して、水温センサ35、上流側酸素濃度セ
ンサ36、下流側酸素濃度サン37の検出信号をA/D変換器3
jおよび入出力ポート3gを介して、各々入力する。一
方、CPU3aは、入出力部3gおよび駆動回路3mを介してイ
グナイタ21を駆動制御する。さらに、CPU3aは入出力部3
g、ダウンカウンタ3n、フリップフロップ回路3pおよび
駆動回路3rを介して燃料噴射弁25を駆動制御する。すな
わち、CPU3aで算出された燃料噴射量TAUに相当する値が
ダウンカウンタ3nにプリセットされると共に、フリップ
フロップ回路3pもセットされる。このため、駆動回路3r
が燃料噴射弁25を開弁し、燃料噴射が開始される。一
方、ダウンカウンタ3nがクロック信号を計数し、最後に
そのキャリアウト端子がハイレベル(1)になると、フ
リップフロップ回路3pがセットされて駆動回路3rは燃料
噴射弁25を閉弁し、燃料噴射が終了する。このように、
燃料噴射量TAUに応じた量の燃料がエンジン2に供給さ
れる。なお、上記ECU3は、イグニッションスイッチ40を
介して車載バッテリ41から電力の供給を受けて作動す
る。また、上記バックアップRAM3dは、上記イグニッシ
ョンスイッチ40を介さず、図示しない経路より電力が与
えられ、該イグニッションスイッチ40の状態にかかわら
ずメモリ内容が保持される様に構成されている。
次に、上記ECU3の実行する第1の空燃比フィードバッ
ク制御処理を第3図(1),(2)の、第2の空燃比フ
ィードバック制御処理を第5図(1),(2)の、燃料
噴射制御処理を第7図の、各フローチャートに基づいて
説明する。
まず、第1の空燃比フィードバック制御処理を第3図
(1),(2)に示すフローチャートに基づいて説明す
る。本第1の空燃比フィードバック制御処理は、ECU3の
起動後、所定時間(例えば、4[msec])毎に実行され
る。まず、ステップ102では、既述した各センサの検出
信号に基づく各データを読み込む処理が行われる。続く
ステップ106では、第1の空燃比フィードバック制御実
行条件が成立するか否かを判定し、肯定判定されるとス
テップ108に進み、一方、否定判断されると、空燃比補
正係数FAFの値を前回の制御終了時の値とし、一旦、本
第1の空燃比フィードバック制御処理を終了する。な
お、空燃比補正係数FAFの値を、一定値、前回の制御終
了までの平均値、バックアップRAM3dに記憶されている
学習値等に設定しても良い。ここで、例えば、冷却水温
度THWが所定温度(例えば、60[℃])以下のとき、始
動状態、始動後増量中、暖機増量中、加速増量(非同期
噴射)中、パワー増量中、上流側酸素濃度センサ36の出
力信号V1が一度も第1の比較電圧VR1を横切っていない
ときは、等は何れも第1の空燃比フィードバック制御実
行条件不成立である。上記各条件に該当しない、第1の
空燃比フィードバック制御実行条件成立時に実行される
ステップ108では、上流側酸素濃度センサ36の検出信号V
1をA/D変換して読み込む処理が行われる。続くステップ
110では、上流側酸素濃度センサ36の検出信号V1が第1
の比較電圧VR1(例えば、0.45[V])以下であるか否
かを判定し、肯定判断されると空燃比が希薄側(Lean)
であるとしてステップ112に、一方、否定判断されると
空燃比が過濃側(Rich)であるとしてステップ124に各
々進む。空燃比が希薄側(Lean)であるときに実行され
るステップ112では、ディレイカウンタCDLYの計数値の
正負を判定し、正のときはステップ114でディレイカウ
ンタCDLYの計数値を値0にリセットした後ステップ116
に進み、一方、負のときは、そのままステップ116に進
む。ステップ116では、ディレイカウンタCDLYの計数値
を値1だけ減算し、続くステップ118,120で該ディレイ
カウンタCDLYの計数値を最小値TDLに制限し、ディレイ
カウンタCDLYの値が最小値TDLまで減少したときは、ス
テップ122で空燃比フラグF1を値0{希薄側(Lean)}
にリセットした後、ステップ140に進む。なお、最小値T
DLは、上流側酸素濃度センサ36の検出信号V1が過濃側
(Rich)から希薄側(Lean)に変化しても、過濃側(Ri
ch)であるとの判断を保持するためのリーン遅延時間で
あって、負の値に定義されている。一方、上記ステップ
110で、空燃比が過濃側(Rich)であると判定されたと
きに実行されるステップ124では、ディレイカウンタCDL
Yの計数値の正負を判定し、負のときはステップ126でデ
ィレイカウンタCDLYの計数値を値0にリセットした後ス
テップ128に進み、一方、正のときは、そのままステッ
プ128に進む。ステップ128では、ディレイカウンタCDLY
の計数値を値1だけ加算し、続くステップ130,132で該
ディレイカウンタCDLYの計数値を最大値TDRに制限し、
ディレイカウンタCDLYの計数値が最大値TDRまで増加し
たときは、ステップ134で空燃比フラグF1を値1{過濃
側(Rich)}にセットした後、ステップ140に進む。な
お、最大値TDRは、上流側酸素濃度センサ36の検出信号V
1が希薄側(Lean)から過濃側(Rich)に変化しても、
希薄側(Lean)であるとの判断を保持するためのリッチ
遅延時間であって、正の値に定義されている。
続くステップ140では、空燃比フラグF1の値が反転し
たか否かを判定し、肯定判断されるとステップ142に、
一方、否定判断されるとステップ148に、各々進む。空
燃比フラグF1の値が反転したときに実行されるステップ
142では、過濃側(Rich)から希薄側(Lean)への反転
か、希薄側(Lean)から過濃側(Rich)への反転かを判
定する処理が行われる。過濃側(Rich)から希薄側(Le
an)への反転時に実行されるステップ144では、空燃比
補正係数FAFにリッチスキップ量RSRを加算してスキップ
的に増加させ、一方、希薄側(Lean)から過濃側(Ric
h)への反転時に実行されるステップ146では、空燃比補
正係数FAFからリーンスキップ量RSLを減算してスキップ
的に減少させ、各々ステップ156に進む。また、上記ス
テップ140で空燃比フラグF1の値が反転しないときに実
行されるステップ148では、希薄側(Lean)であるか、
過濃側(Rich)であるかを判定する処理が行われる。希
薄側(Lean)であるときに実行されるステップ150で
は、空燃比補正係数FAFにリッチ積分定数KIRを加算して
徐々に増加させ、一方、過濃側(Rich)であるときに実
行されるステップ152では、空燃比補正係数FAFからリー
ン積分定数KILを減算して徐々に減少させ、各々ステッ
プ156に進む。ここで、両積分定数KIR,KILは、両スキッ
プ量RSR,RSLに比較して充分小さく設定されている。従
って、ステップ144,146では燃料噴射量は迅速に増減補
正され、一方、ステップ150,152では燃料噴射量は徐々
に増減補正される。続くステップ156,158では、上記空
燃比補正係数FAFの値は、例えば、最大値1.2以下に制限
し、さらに、続くステップ160,162では、最小値0.8以上
に制限し、空燃比補正係数の値FAFが何等かの原因によ
り過大、あるいは、過小になった場合でも、空燃比のオ
ーバリッチ状態、もしくは、オーバリーン状態への移行
を防止する。次にステップ164に進み、上記のように算
出された空燃比補正係数FAFをRAM3cおよびバックアップ
RAM3dに記憶した後、一旦、本第1の空燃比フィードバ
ック制御処理を終了する。以後、本第1の空燃比フィー
ドバック制御処理は所定時間毎に、上記ステップ102〜1
64を繰り返して実行する。
次に、上記制御の様子の一例を、第4図のタイミング
チャートに従って説明する。時刻t1に、上流側酸素濃度
センサ検出信号に基づく空燃比信号A/Fが希薄側(Lea
n)から過濃側(Rich)に変化すると、ディレイカウン
タCDLYの計数値はリセット後、カウントアップされ、リ
ッチ遅延時間TDR経過後の時刻t2に最大値TDRに到達す
る。すると、遅延処理後の空燃比信号A/Fd(空燃比フラ
グF1の値)が、希薄側(Lean)から過濃側(Rich)に変
化する。また、時刻t3に、上流側酸素濃度センサ検出信
号に基づく空燃比信号A/Fが過濃側(Rich)から希薄側
(Lean)に変化すると、ディレイカウンタCDLYの計数値
はリセット後、カウントダウンされ、リーン遅延時間
(−TDL)経過後の時刻t4に最小値TDLに到達する。する
と、遅延処理後の空燃比信号A/Fd(空燃比フラグF1の
値)が、過濃側(Rich)から希薄側(Lean)に変化す
る。しかし、例えば、上流側酸素濃度センサ検出信号に
基づく空燃比信号A/Fが、時刻t5,t6,t7のようにリッチ
遅延時間TDRより短い期間で反転すると、ディレイカウ
ンタCDLYの計数値が最大値TDRへ到達する時間が延長さ
れ、時刻t8に至って遅延処理後の空燃比信号A/Fdが反転
する。すなわち、遅延処理後の空燃比信号A/Fd(空燃比
フラグF1の値)は、上流側酸素濃度センサ検出信号に基
づく空燃比信号A/Fよりも安定した値となる。このよう
に、比較的安定した遅延処理後の空燃比信号A/Fdに基づ
いて、空燃比補正計数FAFが決定される。
次に、第2の空燃比フィードバック制御処理について
説明する。第2の空燃比フィードバック制御処理は、第
1の空燃比フィードバック制御処理の制御定数であるス
キップ量RSR,RSL、積分定数KIR,KIL、遅延時間TDR,TDL
および第1の比較電圧VR1を変更する制御を行なうもの
がある。
制御定数であるスキップ量RSR,RSL、積分定数KIR,KI
L、遅延時間TDR,TDLおよび第1の比較電圧VR1を変更す
る制御では、例えば、リッチスキップ量RSRの増加補
正、あるいは、リーンスキップ量RSLの減少補正により
空燃比を過濃側(Rich)に制御でき、一方、リッチスキ
ップ量RSRの減少補正、あるいは、リーンスキップ量RSL
の増加補正により空燃比を希薄側(Lean)に制御でき
る。従って、下流側酸素濃度センサ37の検出信号に応じ
てリッチスキップ量RSR、あるいは、リーンスキップ量R
SLの少なくとも一方を補正する空燃比を制御できる。ま
た、例えば、リッチ積分定数KIRの増加補正、あるい
は、リーン積分定数KILの減少補正により空燃比を過濃
側(Rich)に制御でき、一方、リッチ積分定数KIRの減
少補正、あるいは、リーン積分定数KILの増加補正によ
り空燃比を希薄側(Lean)に制御できる。このように、
下流側酸素濃度センサ37の検出信号に応じてリッチ積分
定数KIR、あるいは、リーン積分定数KILの少なくとも一
方を補正すると空燃比を制御できる。さらに、例えば、
リッチ遅延時間TDRをリーン遅延時間(−TDL)より相対
的に大きく設定すると、空燃比を過濃側(Rich)に制御
でき、一方、リッチ遅延時間TDRをリーン遅延時間TDLよ
り相対的に小さく設定すると、空燃比を希薄側(Lean)
に制御できる。すなわち、下流側酸素濃度センサ37の検
出信号に応じてリッチ遅延時間TDR、あるいは、リーン
遅延時間TDLの少なくとも一方を補正すると空燃比を制
御できる。また、例えば、第1の比較電圧VR1を低下補
正すると、空燃比を希薄側(Lean)に制御できる。そこ
で、下流側酸素濃度センサ37の検出信号に応じて第1の
比較電圧VR1を補正しても、空燃比を制御できる。とこ
ろで、上記スキップ量RSR,RSL、積分定数KIR,KIL、遅延
時間TDR,TDLおよび第1の比較電圧VR1を下流側酸素濃度
センサ37の検出信号に応じて変更すると、例えば、遅延
時間TDR,TDLの補正は非常に微妙な空燃比制御を可能に
し、スキップ量RSR,RSLは、上記遅延時間TDR,TDLのよう
に空燃比フィードバック制御周期の延長を伴うことなく
高い応答性を保持した制御が可能になる。従って、複数
の上記制御定数を組み合わせた制御が有効である。
次に、第2の空燃比フィードバック制御処理を第5図
(1),(2)に示すフローチャートに基づいて説明す
る。本第2の空燃比フィードバック制御処理は、ECU3の
起動後、所定時間(例えば、512[msec])毎に実行さ
れ、スキップ量RSR,RSLを補正演算する。
まず、ステップ202では、既述した各センサの検出信
号に基づく各データを読み込む処理が行われる。続くス
テップ204では、空燃比フィードバック制御処理実行条
件が成立するか否かを判定し、肯定判断されるとステッ
プ206に進み、一方、否定判断されるとステップ230に進
む。
上記ステップ204では、例えば、冷却水温度THWが所定
温度(例えば、60[℃])以下のとき、始動状態、始動
後増量中、暖機増量中、加速増量(非同期噴射)中、パ
ワー増量中、上流側酸素濃度センサ36の検出信号V1が一
度も第1の比較電圧VR1を横切っていないとき、等は何
れも空燃比フィードバック制御処理実行条件不成立であ
る。上記各条件に該当しない、空燃比フィードバック制
御処理実行条件成立時にはステップ206以下に進む。ス
テップ206では、冷却水温度THWが70[℃]を上回るか否
か、ステップ208ではスロットルバルブ14が非全閉状態
にあるか否か、ステップ210では下流側酸素濃度センサ3
7が活性状態にあるか否か、ステップ212では下流側酸素
濃度センサが正常であるか否か、ステップ214ではエン
ジン2の負荷が所定負荷X1以上であるか否かを各々判定
し、全てのステップで肯定判断されると、第2の空燃比
フィードバック制御実行条件成立と見なしてステップ21
6以下に進み、一方、何れか一つのステップで否定判断
されると、第2の空燃比フィードバック制御実行条件不
成立と見なしてステップ230以下に進む。
第2の空燃比フィードバック制御実行条件成立時に実
行されるステップ216では、前回算出して記憶されてい
るリッチスキップ量およびリーンスキップ量の両学習値
BRSR,BRSLを各々リッチスキップ量RSR、リーンスキップ
量RSLに設定する処理が行われる。続くステップ218で
は、下流側酸素濃度センサ37の検出信号V2をA/D変換し
て読み込む処理が行われる。次にステップ220に進み、
下流側酸素濃度センサ37の検出信号V2が第2の比較電圧
VR2(例えば、0.55[V])を上回るか否かを判定し、
肯定判断されると空燃比が過濃側(Rich)であるとして
ステップ222に、一方、否定判断されると空燃比が希薄
側(Lean)であるとしてステップ224に各々進む。空燃
比が過濃側(Rich)であるときに実行されるステップ22
2では、リッチステップ量RSRの値からスキップ補正量KR
Sを減算すると共にリーンスキップ量RSLの値にスキップ
補正量KRSを加算した後、ステップ226に進む。一方、空
燃比が希薄側(Lean)であるときに実行されるステップ
224では、リッチスキップ量RSRの値にスキップ補正量KR
Sを加算すると共に、リーンスキップ量RSLの値からスキ
ップ補正量KRSを減算した後、ステップ226に進む。ステ
ップ226では、上記ステップ222、もしくは、ステップ22
4で算出されたリッチスキップ量RSRおよびリーンスキッ
プ量RSLの値を予め定められた下限値a以上、上限値b
以下の値に制限する処理が行われる。続くステップ228
では、次回の処理に備えて、上記リッチスキップ量RSR
およびリースキップ量RSLの値を、リッチスキップ量お
よびリーンスキップ量の両学習値BRSR,BRSLに各々設定
すると共に、該学習値BRSR,BRSLをRAM3cおよびバックア
ップRAM3dに記憶した後、一旦、本第2の空燃比フィー
ドバック制御処理を終了する。
一方、第2の空燃比フィードバック制御実行条件不成
立時に実行されるステップ230では、リーンスキップ量R
SLの上限値cを、第6図に示す、予めROM3b内に記憶さ
れているマップに基づき、冷却水温度THWに応じて算出
する処理が行われる。同図に示すように、リーンスキッ
プ量RSLの上限値cは、冷却水温度THWの上昇に伴って増
加し、冷却水温度THWがd[℃]に到ると、上限値cは
既述した上限値bに等しい一定値bとなる。続くステッ
プ232では、前回算出して記憶されているリッチスキッ
プ量およびリーンスキップ量の両学習値BRSR,BRSLを各
々リッチスキップ量RSR、リーンスキップ量RSLに設定す
る処理が行われる。次にステップ234に進み、リッチス
キップ量RSRの値を予め定められた下限値a以上、上限
値b以下の値に制限すると共に、リーンスキップ量RSL
の値を予め定められた下限値a以上、上記ステップ230
で算出した上限値c以下の量に制限する処理を行った
後、一旦、本第2の空燃比フィードバック制御処理を終
了する。以後、本第2の空燃比フィードバック制御処理
は所定時間毎に、上記ステップ202〜234を繰り返して実
行する。
次に、燃料噴射制御処理を第7図に示すフローチャー
トに基づいて説明する。本燃料噴射制御処理は、ECU3の
起動後、所定クランク角度毎(例えば、360[℃A])
に実行される。まず、ステップ300では、既述した各デ
ータを読み込む処理が行われる。続くステップ320で
は、基本燃料噴射量TAU0を、定数α、吸入空気量Qおよ
び回転速度Neから、次式(1)のように算出する処理が
行われる。
TAU0=α×Q/Ne …(1) 続くステップ330では、暖機増量係数FWLを、冷却水温
度THWに応じて、ROM3bに記憶されている、第8図に示す
マップに従った補間計算により算出する処理が行われ
る。次に、ステップ340に進み、実燃料噴射量TAUを次式
(2)のように算出する処理が行われる。但し、β,γ
は、他の運転状態パラメータに従って定まる補正係数で
ある。
TAU=TAU0・FAF・(FWL+β+1)+γ …(2) 続くステップ350では、上記ステップ340で算出された
実燃料噴射量TAUを、ダウンカウンタ3nにセットすると
共に、フリップフロップ回路3pをセットする制御信号を
出力して燃料噴射を開始させた後、一旦、本燃料噴射制
御処理を終了する。なお、既述したように、実燃料噴射
量TAUに相当する時間が経過すると、ダウンカウンタ3n
のキャリアウト信号により、フリップフロップ3pがリッ
セトされて燃料噴射は終了する。以後、本燃料噴射制御
処理は所定クランク角度毎に、上記ステップ300〜350を
繰り返して実行する。
なお本実施例において、エンジン2が内燃機関M1に、
触媒コンバータ19が三元触媒M2に、上流側酸素濃度セン
サ36が上流側空燃比検出手段M3に、下流側酸素濃度セン
サ37が下流側空燃比検出手段M4に、燃料噴射弁25が空燃
比調節手段M5に、水温センサ35が運転状態検出手段M6
に、各々該当する。また、ECU3および該ECU3の実行する
処理のうちステップ(204〜214)が判定手段M7として、
ステップ(218〜224)が制御定数算出手段M8として、ス
テップ(226,228)が学習手段M9として、ステップ(102
〜164,300〜350)が空燃比フィードバック制御手段M10
として、ステップ(230〜234)が補正手段M11として、
各々機能する。
以上説明したように本実施例によれば、暖機過程で、
第1の空燃比フィードバック制御処理のみを実行し、第
2の空燃比フィードバック制御処理を中止したときで
も、空燃比の希薄側(Lean)への大きな移行を防止し、
ドライバビリティを改善できる。
また、第2の空燃比フィードバック制御処理中止時
に、リーンスキップ量RSLの上限値cを、冷却水温度THW
に応じて、第2の空燃比フィードバック制御処理実行時
の上限値bまで、徐々に増加補正して適切な値に制限す
るので、暖機初期時等、冷却水温度THWが低い場合の上
記リーンスキップ量RSLの過大な増量の抑止により、ト
ライバビリティを向上できると共に、暖機完了直前で
は、上記リーンスキップ量RSLを適切な値に設定して空
燃比の過濃側(Rich)への大きな変動を防止し、排気中
の有害成分排出量の増加を招くことなく、空燃比補正係
数FAFによる空燃比補正能力を充分発揮できる。
さらに、例えば、フューエルカット、2次空気導入等
の解除後、三元触媒の酸素ストレージ効果による空燃比
の過補正防止のために、第1の空燃比フィードバック制
御処理のみを実行し、第2の空燃比フィードバック制御
処理を停止しているときでも、冷却水温度THWの上昇に
応じてリーンスキップ量RSLの上限値cを増加させる
と、空燃比の制御中心の過濃側(Rich)への大きな変動
を防止できる。
また、比較的短い周期で変動する上流側酸素濃度セン
サ36の検出信号V1に基づく第1の空燃比フィードバック
制御処理を4[msec]毎に、一方、比較的長い周期で変
動する下流側酸素濃度センサ37の検出信号V2に基づく第
2の空燃比フィードバック制御処理を512[msec]毎に
実行するので、制御の応答性・追従性を高水準に補償で
きる。
また、スキップ量RSR,RSL、遅延時間TDL,TDR、積分定
数KIL,KIR、第1の比較電圧VR1の内、複数の制御定数の
補正量の上限値、もしくは、下限値を冷却水温度THWに
応じて同時に変更するよう構成すると、制御精度および
応答性・追従性をより一層向上できる。
さらに、スキップ量RSR,RSL、遅延時間TDL,TDR、積分
定数KIL,KIR、第1の比較電圧VR1の内、過濃側(Ric
h)、もしくは、希薄側(Lean)の何れか一方を一定値
とし、他方だけを下流側酸素濃度センサ37の検出信号V2
に基づいて増減補正する構成においても、該増減補正す
る制御定数の上限値や下限値を冷却水温度THWの増加に
応じて変更しても良い。
また、上述した実施例では、水温センサ35の検出した
冷却水温度THWによりエンジン2の暖機状態を検出する
よう構成したが、例えば、シリンダブロック4aの温度を
検出する機関温度センサ、エンジン2のオイルの温度を
検出する油温センサ、エンジン2の始動時からの経過時
間を計測するタイマ等の検出結果に基づいて、エンジン
2の暖機状態を検出するよう構成しても良い。
さらに、上述した実施例では、エアフロメータ31の検
出する吸入空気量Qおよび回転角センサ39の検出する回
転速度Neに基づいて燃料噴射量TAUを決定するよう構成
したが、例えば、カルマン渦センサ、ホットワイヤセン
サ等により吸入空気量Qを計測しても良いし、吸気管圧
力PMと回転速度Neと、あるいは、スロットルバルブ開度
TAと回転速度Neとに基づいて燃料噴射量TAUを算出する
構成であっても良い。
また、上述の実施例では、酸素濃度センサ36,37を使
用したが、例えば、一酸化炭素COを検出するガスセン
サ、あるいは、所謂、リーンミクスチャセンサ等を使用
しても良い。
さらに、上述の実施例では、燃料噴射弁25により燃料
噴射量を制御するエンジンの空燃比制御装置1について
説明した。しかし、例えば、気化器を備えたエンジンで
あって、エアコントロールバルブ(EACV)により吸入空
気量を制御するエンジン、ブリードエアコントロールバ
ルブにより気化器のブリードエア量を調節してメイン系
通路およびスロー系通路への大気の導入により空燃比を
制御するエンジン、排気系に供給される2次空気の量を
調節するエンジン等にも適用できる。このように、気化
器を備えたエンジンでは、基本燃料噴射量が気化器の特
性から定まり、所望の空燃比を実現する供給空気量を演
算により算出して空燃比制御を行なうのである。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこ
のような実施例に何等限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施
し得ることは勿論である。
発明の効果 以上詳記したように本発明の内燃機関の空燃比制御装
置は、暖機完了以前で、上流側空燃比に基づく空燃比フ
ィードバック制御のみを実行し、下流側空燃比に応じて
空燃比フィードバック制御定数を算出しないときは、学
習記憶されている空燃比フィードバック制御定数の制限
幅を暖機過程の進行に伴って拡大し、過大な空燃比フィ
ードバック制御定数に起因する暖機中の空燃比の希薄側
への大きな変動を抑制するよう構成されている。このた
め、暖機過程で、上流側空燃比に応じた空燃比フィード
バック制御のみを実行し、下流側空燃比に応じた空燃比
フィードバック制御定数の算出を中止するときでも、空
燃比を適正に補正でき、特に、空燃比の希薄側(Lean)
への大きな移行の防止により、運転性能(ドライバビリ
ティ)を改善できるという優れた効果を奏する。
また、空燃比フィードバック制御定数を暖機状態に応
じた適切な値に制限するので、特に、暖機初期時等、冷
却水温度が低い場合にも、上記空燃比フィードバック制
御定数を最適値に設定でき、排気特性の悪化を招くこと
なく、空燃比補正係数による空燃比補正能力を高水準に
保持できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の内容を概念的に例示した基本的構成
図、第2図は本発明第一実施例のシステム構成図、第3
図(1),(2)は同じくその制御を示すフローチャー
ト、第4図は同じくその制御の様子を示すタイミングチ
ャート、第5図(1),(2)は同じくその制御を示す
フローチャート、第6図は同じくそのマップを示すグラ
フ、第7図は同じくその制御を示すフローチャート、第
8図は同じくそのマップを示すグラフ、第9図は従来技
術の排気特性を示すグラフ、第10図は従来技術の制御の
様子を示すタイミングチャートである。 M1…内燃機関 M2…三元触媒 M3…上流側空燃比検出手段 M4…下流側空燃比検出手段 M5…空燃比調節手段 M6…運転状態検出手段 M7…判定手段 M8…制御定数算出手段 M9…学習手段 M10…空燃比フィードバック制御手段 M11…補正手段 1…エンジンの空燃比制御装置 2…エンジン 3…電子制御装置(ECU) 3a…CPU 19…触媒コンバータ 25…燃料噴射弁 35…水温センサ 36…上流側酸素濃度センサ 37…下流側酸素濃度センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気通路に介装され、排気を浄
    化する三元触媒と、 該三元触媒の上流側の排気通路に配設され、排気中の特
    定成分濃度を検出する上流側空燃比検出手段と、 上記三元触媒の下流側の排気通路に配設され、排気中の
    特定成分濃度を検出する下流側空燃比検出手段と、 外部から指令される制御量に従って、上記内燃機関の空
    燃比を調節する空燃比調節手段と、 上記内燃機関の、少なくとも暖機状態を含む運転状態を
    検出する運転状態検出手段と、 該運転状態検出手段の検出した運転状態に基づいて、上
    記内燃機関の運転状態が、上記内燃機関の暖機完了状態
    を含む上記下流側空燃比検出手段の検出結果に基づく空
    燃比フィードバック制御定数算出可能な算出可能運転状
    態にあるか否かを判定する判定手段と、 該判定手段により算出可能運転状態にあると判定された
    ときに、上記下流側空燃比検出手段の検出結果に応じ
    て、空燃比フィードバック制御定数を算出する制御定数
    算出手段と、 該制御定数算出手段の算出した空燃比フィードバック制
    御定数を所定制限幅以内に制限し、更新記憶する学習手
    段と、 上記判定手段により算出可能運転状態にあると判定され
    たときは、上記制御定数算出手段により算出された空燃
    比フィードバック制御定数および上記上流側空燃比検出
    手段の検出結果に応じて決定した制御量を上記空燃比調
    節手段に指令し、上記判定手段により算出可能運転状態
    にないと判定されたときは、上記学習手段の記憶してい
    る空燃比フィードバック制御定数および上記上流側空燃
    比検出手段の検出結果に応じて決定した制御量を上記空
    燃比調節手段に指令する空燃比フィードバック制御手段
    と、 を具備した内燃機関の空燃比制御装置であって、 さらに、上記内燃機関の暖機完了以前で、上記判定手段
    により算出可能運転状態にないと判定されたときは、上
    記学習手段の記憶している空燃比フィードバック制御定
    数の制限幅をさらに制限するべく、上記運転状態検出手
    段の検出した暖機状態の暖機完了への進行過程に応じ
    て、上記所定制限幅より狭い初期制限幅から該所定制限
    幅までの範囲で増加補正する補正手段を備え、 上記空燃比フィードバック制御手段は、上記内燃機関の
    暖機完了以前で、上記判定手段により算出可能運転状態
    にないと判定されたときは、上記補正手段によりさらに
    制限された空燃比フィードバック制御定数および上記上
    流側空燃比検出手段の検出結果に応じて決定した制御量
    を上記空燃比調節手段に指令することを特徴とする内燃
    機関の空燃比制御装置。
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JP2768098B2 (ja) * 1991-12-25 1998-06-25 三菱自動車工業株式会社 エンジンの空燃比制御装置

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JPH01232142A (ja) 1989-09-18

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