JP4605068B2 - 車両用通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の通信方式により外部機器との間で無線通信を行う車両用通信装置に関する。
従来より、車両に搭載される機器として、複数の通信方式により外部機器との間で無線通信を行う車両用通信装置が知られている。
このような車両用通信装置は、各通信方式に応じたアンテナを備えることで、外部機器との間で無線通信を行うよう構成されている(特許文献1、特許文献2)。
たとえば、特許文献1では、VICS(Vehicle Information and Communication System)、GPS(Global Positioning System )、ETC(Electronic Toll Collection)の各アンテナを備える車載統合アンテナ装置が開示されている。また、特許文献2では、GPS、VICS、ETC、Bluetoothの各アンテナを備える車両用複合アンテナ装置が開示されている。
また、アンテナの技術としては、指向性を制御可能な構成のETC路側機のアンテナ装置が提案されている(特許文献3)。つまり、このアンテナ装置は、ETCゲート直前の車両位置を検出し、アンテナの指向性を車両に向けることで、反射波の影響を低減するよう構成されている。
特開2004−328330号公報(図1) 特開2004−128940号公報(図1) 特開2001−243512号公報(図5)
しかしながら、上記従来技術のうち、各通信方式に応じて複数のアンテナを備える構成の装置においては、通信方式が増加する従いアンテナ素子の物理的な個数が増加するため、製造コストが高くなり、また、車両におけるアンテナ設置スペースを大きく確保する必要がある、という問題がある。
また、上記従来技術においては、複数のアンテナを備えるにあたり、通信電波に対応する通信信号の伝送経路と、アンテナの切替えを行うための指令信号の伝送経路とを、それぞれ個別に設ける構成であることから、伝送経路を形成するケーブルの材料コストが高くなるという問題がある。
そこで、本発明はこうした問題に鑑みなされたものであり、複数の通信方式により外部機器との間で無線通信を行うにあたり、アンテナ素子の増加や伝送経路ケーブルの増加に伴うコスト増大を抑制すると共に、アンテナ設置スペースの拡大を抑制できる車両用通信装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、複数の通信方式により外部機器との間で無線通信を行う車両用通信装置であって、アンテナモジュール部、通信制御部、通信信号経路部を備えている。
複数の通信方式には、少なくとも、送受信される通信電波の偏波が異なる2種類の通信方式が含まれている。そして、アンテナモジュール部は、複数の通信方式で共用される複数のアンテナ素子とアンテナ切替制御部とを有しており、アンテナ切替制御部が複数のアンテナ素子に対してそれぞれ振幅および位相の異なる信号を給電することで、アンテナの指向性や偏波を切替制御できるよう構成されている。
このアンテナモジュール部は、複数のアンテナ素子に給電する信号の組合せを変化させることで、アンテナモジュール部の全体としての指向性や偏波を変更できることから、アンテナ素子の個数を増やすことなく、給電信号の組合せを増加させることで、多種類のアンテナとしての機能を果たすことができる。
また、通信制御部は、通信方式選択判定部および切替指令出力部を備えており、通信方式選択判定部が複数の通信方式の中から外部機器の種類に応じた通信方式を選択し、選択された通信方式に対応する切替指令信号を、切替指令出力部がアンテナ切替制御部に対して出力することで、アンテナモジュール部の指向性や偏波を制御している。
このように、通信制御部がアンテナモジュール部を制御することで、アンテナモジュール部の指向性や偏波を外部機器の種類に応じて切替制御することができるため、アンテナの物理的な個数の増加を抑制しつつ(換言すれば、アンテナモジュール部の設置スペースの拡大を抑制しつつ)、多種類の外部機器との間で無線通信を行うことができる。
また、通信信号経路部は、アンテナモジュール部と通信制御部との間に配置されて、通信電波に対応する通信信号の伝送経路を構成する。なお、通信電波に対応する通信信号とは、車両用通信装置から外部機器に対して送信するにあたりアンテナ素子にて通信電波に変換される通信信号、および、車両用通信装置が外部機器から受信するにあたりアンテナ素子にて通信電波から変換された通信信号、を含む概念である。
そして、切替指令出力部が切替指令信号を通信信号経路部を介して出力する構成であると共に、アンテナ切替制御部が、通信信号経路部に流れる信号の中から切替指令信号を抽出する切替指令信号抽出部を備えている。つまり、切替指令信号が通信信号経路部を介して通信制御部からアンテナ切替制御部に送信されることから、通信信号経路部(通信電波に変換される通信信号の伝送経路)とは別に、切替指令信号の伝送経路としての伝送経路ケーブルを備える必要がない。
このように、本発明は、通信信号経路部が通信信号の伝送経路を形成するとともに切替指令信号の伝送経路を形成する構成であるため、伝送経路を形成するケーブルの材料コストの増加を抑制することができる。
よって、本発明によれば、複数の通信方式により外部機器との間で無線通信を行うにあたり、アンテナ素子の増加や伝送経路ケーブルの増加を抑制できることから、コスト増大を抑制することができる。また、本発明によれば、複数の通信方式により外部機器との間で無線通信を行うにあたり、アンテナ素子の増加を抑制できることから、アンテナ設置スペースの拡大を抑制できる。
次に、上述の車両用通信装置においては、請求項2に記載のように、アンテナモジュール部が複数の通信方式の1つとしてETC通信方式での通信電波の送受信を行い、通信制御部が車両位置判定部を備える、という構成を採用することができる。
そして、車両位置判定部が車両位置を判定し、通信方式選択判定部が、車両位置判定部により判定された車両位置が有料道路出入口であるか否かを判定し、車両位置が有料道路出入口であるときにはETC通信方式を選択するのである。
このように構成された車両用通信装置は、車両位置が有料道路出入口となる場合に、ETC通信方式で外部機器との無線通信を行うことで、ETC路側機との間での無線通信を適切に行うことが可能となる。
なお、車両位置判定部により判定された車両位置が有料道路出入口以外である場合には、通信方式選択判定部は、ETC通信方式とは異なる通信方式を選択する。
また、上述の車両用通信装置においては、請求項3に記載のように、アンテナモジュール部が複数の通信方式の1つとしてDSRC通信方式での通信電波の送受信を行い、通信制御部が車両位置判定部および走行状態判定部を備える、という構成を採用することができる。
そして、車両位置判定部が車両位置を判定すると共に、走行状態判定部が車両の走行状態を判定し、通信方式選択判定部が、走行状態判定部により判定された走行状態が停車状態であるか否かを判定すると共に、車両位置判定部により判定された車両位置が自宅または自動車ディーラであるか否かを判定する。このとき、走行状態が停車状態であり、かつ、車両位置が自宅および自動車ディーラのいずれでも無いと判定される場合には、通信方式選択判定部は、DSRC通信方式を選択するのである。
このように構成された車両用通信装置は、走行状態が停車状態であり、かつ、車両位置が自宅および自動車ディーラのいずれでも無い場合に、DSRC通信方式で外部機器との無線通信を行うことで、自宅および自動車ディーラ以外に設置されたDSRC路側機との間での無線通信を適切に行うことが可能となる。なお、このようなDSRC路側機としては、例えば、有料駐車場の料金収受を行うDSRC路側機を挙げることができる。
なお、走行状態が停車状態であり、かつ、車両位置が自宅または自動車ディーラのいずれかである場合には、通信方式選択判定部は、DSRC通信方式とは異なる通信方式を選択する。
さらに、上述の車両用通信装置においては、請求項4に記載のように、アンテナモジュール部が複数の通信方式の1つとしてDSRC通信方式での通信電波の送受信を行い、通信制御部が車両位置判定部および走行状態判定部を備える、という構成を採用することができる。
そして、車両位置判定部が車両位置を判定すると共に、走行状態判定部が車両の走行状態を判定し、通信方式選択判定部が、走行状態判定部により判定された走行状態が移動状態であるか否かを判定すると共に、車両位置判定部により判定された車両位置が有料道路入口であるか否かを判定する。このとき、走行状態が移動状態であり、かつ、車両位置が有料道路出入口では無いと判定される場合には、通信方式選択判定部は、DSRC通信方式を選択するのである。
このように構成された車両用通信装置は、走行状態が移動状態であり、かつ、車両位置が有料道路出入口では無い場合に、DSRC通信方式で外部機器との無線通信を行うことで、有料道路出入口以外に設置されたDSRC路側機との間での無線通信を適切に行うことが可能となる。なお、このようなDSRC路側機としては、例えば、道路交通情報(渋滞情報や道路規制情報など)を送受信するためのDSRC路側機を挙げることができる。
なお、走行状態が移動状態であり、かつ、車両位置が有料道路出入口である場合には、通信方式選択判定部は、DSRC通信方式とは異なる通信方式を選択する。
次に、上述の車両用通信装置においては、請求項5に記載のように、アンテナモジュール部が複数の通信方式の1つとして無線LAN通信方式での通信電波の送受信を行い、通信制御部が車両位置判定部を備える、という構成を採用することができる。
そして、車両位置判定部が車両位置を判定し、通信方式選択判定部が、車両位置判定部により判定された車両位置が自宅または自動車ディーラであるか否かを判定し、車両位置が自宅または自動車ディーラであるときには無線LAN通信方式を選択するのである。
このように構成された車両用通信装置は、車両位置が自宅または自動車ディーラとなる場合に、無線LAN通信方式で外部機器との無線通信を行うことで、無線LAN路側機との間での無線通信を適切に行うことが可能となる。なお、このような無線LAN路側機としては、例えば、インターネット接続や音楽ファイルダウンロード、カーナビゲーション用地図データの更新等を行うための無線LAN路側機を挙げることができる。
なお、車両位置が自宅および自動車ディーラのいずれでもない場合には、通信方式選択判定部は、無線LAN通信方式とは異なる通信方式を選択する。
以下に、本発明が適用された実施形態を図面を用いて説明する。
なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
本発明を適用した実施形態として、ETC(Electronic Toll Collection)通信方式、DSRC(Dedicated Short Range Communication )通信方式、無線LAN通信方式のいずれかの通信方式により、外部機器との間で無線通信を行う車両用通信装置1について説明する。
なお、車両用通信装置1は、ETC通信方式で無線通信を行う際には、例えば、有料道路出入口に備えられるETC路側機との間で通信電波の送受信を行うことで、有料道路の料金決済に関する処理を実行することができる。図7(a)に、ETC通信方式での無線通信の概要を表した説明図を示す。図に示すとおり、ICカードが挿入されたETC車載器(本実施形態における車両用通信装置1に相当する装置)が、ETC路側機に備えられる路側アンテナとの間でETC通信方式による双方向無線通信を行い、料金決済に関する処理を行うことで、車両はETCゲートを通過することができる。
また、車両用通信装置1は、DSRC通信方式で無線通信を行う際には、例えば、道路近傍や有料駐車場出入口等に備えられるDSRC路側機との間で通信電波の送受信を行うことで、道路交通情報受信、キャッシュレス決済、入場管理などの各種サービス処理を実行することができる。図7(b)に、DSRC通信方式の一例として、DSRC−VICS通信方式での無線通信の概要を表した説明図を示す。図に示すとおり、DSRC車載器(本実施形態における車両用通信装置1に相当する装置)が、DSRC路側機に備えられる路側アンテナとの間でDSRC通信方式による双方向無線通信を行い、道路交通情報の送受信処理を行うことで、渋滞情報などの詳細な道路情報を受信することができる。なお、VICS(Vehicle Information and Communication System)とは、VICSセンターで編集、処理された渋滞や交通規制などの道路交通情報をリアルタイムに送信し、車載器等に文字・図形で表示する情報通信システムを意味する。
さらに、車両用通信装置1は、無線LAN通信方式で無線通信を行う際には、例えば、自宅や自動車ディーラ等に備えられる無線LAN路側機との間で通信電波の送受信を行うことで、インターネット接続などの各種サービス処理を実行する。図7(c)に、無線LAN通信方式での無線通信の概要を表した説明図を示す。図に示すとおり、無線LAN車載器(本実施形態における車両用通信装置1に相当する装置)が、無線LAN路側機に備えられる路側アンテナとの間で無線LAN通信方式による双方向無線通信を行い、各種データの送受信処理を行うことで、音楽ファイルやカーナビゲーション用地図などのダウンロード処理を実行することができる。
次に、図1に、車両用通信装置1の概略構成を表す構成図を示す。
車両用通信装置1は、アンテナモジュール11と、通信制御装置13と、通信ケーブル15と、を備えている。
アンテナモジュール11は、6個のアンテナ素子(第1アンテナ素子23,第2アンテナ素子25,第3アンテナ素子27,第4アンテナ素子29,第5アンテナ素子31,第6アンテナ素子33)と、各アンテナ素子に対して振幅・位相の異なる信号を給電する位相偏波切替器21と、を備えている。
そして、6個のアンテナ素子は、第1アンテナ素子23と第2アンテナ素子25とが直角に交差して配置されており、第3アンテナ素子27と第4アンテナ素子29とが直角に交差して配置されており、第5アンテナ素子31と第6アンテナ素子33とが直角に交差する状態で配置されている。
6個のアンテナ素子(第1アンテナ素子23,第2アンテナ素子25,第3アンテナ素子27,第4アンテナ素子29,第5アンテナ素子31,第6アンテナ素子33)に関する配置状態の一例を表す説明図を図2に示す。
アンテナモジュール11は、ETC通信方式あるいはDSRC通信方式で無線通信を行う際には、第1アンテナ素子23および第2アンテナ素子25にて右旋円偏波を発生させると共に、第3アンテナ素子27および第4アンテナ素子29を反射器として動作させ、さらに、第5アンテナ素子31および第6アンテナ素子33を反射器として動作させる。
詳細には、位相偏波切替器21が、第1アンテナ素子23および第2アンテナ素子25に対して、互いの位相が90°異なる信号を給電することで、右旋円偏波を発生することができる。また、位相偏波切替器21が、第3アンテナ素子27および第4アンテナ素子29に対して、反射器となるように定められた位相の異なる信号をそれぞれ給電することで、第3アンテナ素子27および第4アンテナ素子29を反射器として動作させる。同様に、位相偏波切替器21が、第5アンテナ素子31および第6アンテナ素子33に対して、反射器となるように定められた位相の異なる信号をそれぞれ給電することで、第5アンテナ素子31および第6アンテナ素子33を反射器として動作させる。
このとき、第3アンテナ素子27および第4アンテナ素子29からなる反射器と、第5アンテナ素子31および第6アンテナ素子33からなる反射器とについて、それぞれの反射強度を変更することで、アンテナモジュール11(換言すれば、6個のアンテナ素子全体)としての指向性を変更することができる。
例えば、ETC通信方式で無線通信を行う際には、第3アンテナ素子27および第4アンテナ素子29からなる反射器よりも、第5アンテナ素子31および第6アンテナ素子33からなる反射器の反射強度を強くすることで、アンテナモジュール11(アンテナ素子全体)としての指向性をETC通信方式に適した上方寄り(水平から60°上向き)に設定することができる。
また、DSRC通信方式で無線通信を行う際には、第3アンテナ素子27および第4アンテナ素子29からなる反射器を、第5アンテナ素子31および第6アンテナ素子33からなる反射器よりも反射強度を強くすることで、アンテナモジュール11(アンテナ素子全体)としての指向性をDSRC通信方式に適した前方寄り(水平から30°上向き)に設定することができる。
また、アンテナモジュール11は、無線LAN通信方式で無線通信を行う際には、第3アンテナ素子27および第4アンテナ素子29にて直線偏波(垂直偏波)を発生させると共に、第1アンテナ素子23および第2アンテナ素子25を反射器として動作させ、第5アンテナ素子31および第6アンテナ素子33を導波器として動作させる。これにより、アンテナモジュール11(アンテナ素子全体)としての指向性が水平方向に設定される。
詳細には、位相偏波切替器21が、第3アンテナ素子27および第4アンテナ素子29に対して、同位相の信号をそれぞれ給電することで、直線偏波(垂直偏波)を発生することができる。また、位相偏波切替器21が、第1アンテナ素子23および第2アンテナ素子25に対して、反射器となるように定められた位相の異なる信号をそれぞれ給電することで、第1アンテナ素子23および第2アンテナ素子25を反射器として動作させる。さらに、位相偏波切替器21が、第5アンテナ素子31および第6アンテナ素子33に対して、導波器となるように定められた位相の異なる信号をそれぞれ給電することで、第5アンテナ素子31および第6アンテナ素子33を導波器として動作させる。
なお、車両に搭載されたアンテナモジュール11に関して、ETC通信方式(水平から60°上向き)、DSRC通信方式(水平から30°上向き)、無線LAN通信方式(水平方向)に設定されたときのそれぞれの指向性を表す説明図を、図3に示す。
次に、位相偏波切替器21について説明する。
位相偏波切替器21は、通信制御装置13からの切替指令信号に基づき、6個のアンテナ素子(第1アンテナ素子23,第2アンテナ素子25,第3アンテナ素子27,第4アンテナ素子29,第5アンテナ素子31,第6アンテナ素子33)にそれぞれ給電する各信号の振幅(V1,V2,V3,V4,V5,V6)および位相(φ1,φ2,φ3,φ4,φ5,φ6)を制御して、6個のアンテナ素子による総合的な指向性や偏波を切り替えるよう構成されている。図4に、位相偏波切替器21の概略構成を表す構成図を示す。
位相偏波切替器21は、位相偏波切替手段51と、6個の振幅位相制御手段(第1振幅位相制御手段53,第2振幅位相制御手段55,第3振幅位相制御手段57,第4振幅位相制御手段59,第5振幅位相制御手段61,第6振幅位相制御手段63)と、送受信用通信線65と、切替信号用通信線67と、を備えている。
送受信用通信線65は、通信ケーブル15(詳細には、後述する芯線71)と6個の振幅位相制御手段53,55,57,59,61,63とを電気的に接続すると共に、通信信号および切替指令信号の伝送経路を形成する。
なお、通信ケーブル15は、通信信号の伝送経路となる芯線71と、芯線71の周囲を取り囲む外部導体73と、を備えて構成されている。そして、通信ケーブル15は、外部導体73がグランド電位に接地されることで、芯線71に流れる通信信号に対して外部ノイズなどの影響が及ぶのを抑制できるよう構成されている。
切替信号用通信線67は、一端がコイル49を介して送受信用通信線65に接続され、他端が位相偏波切替手段51に接続されており、送受信用通信線65に流れる通信信号のうち直流電圧信号を位相偏波切替手段51に伝達する。なお、コイル49は、通信信号のうち高周波成分の通過を妨げ、低周波成分(直流電圧信号など)の通過を許容する。このことから、切替信号用通信線67は、通信制御装置13から送信される切替指令信号を位相偏波切替手段51に伝達するための伝送経路を構成する。
位相偏波切替手段51は、受信した切替指令信号により定められる通信方式で通信電波の送受信を行うように、6個の振幅位相制御手段53,55,57,59,61,63に対して、それぞれの振幅および位相を特定するための振幅位相指令信号を出力する。
6個の振幅位相制御手段53,55,57,59,61,63は、位相偏波切替手段51からの振幅位相指令信号に応じて、それぞれ第1アンテナ素子23,第2アンテナ素子25,第3アンテナ素子27,第4アンテナ素子29,第5アンテナ素子31,第6アンテナ素子33に給電する信号を制御する。
このように、アンテナモジュール11は、6個のアンテナ素子(第1アンテナ素子23,第2アンテナ素子25,第3アンテナ素子27,第4アンテナ素子29,第5アンテナ素子31,第6アンテナ素子33)に給電する信号の組合せを変化させることで、総合的な指向性や偏波を通信制御装置13からの切替指令信号に応じて切替設定できるように、構成されている。
次に、通信制御装置13について説明する。
図5に、通信制御装置13の概略構成を表す構成図を示す。
通信制御装置13は、通信信号送受信回路41と、制御回路43と、アンテナ制御信号送出回路45と、送受信通信線46と、切替信号通信線48と、を備えている。
送受信通信線46は、通信ケーブル15(詳細には、芯線71)と通信信号送受信回路41とを電気的に接続すると共に、通信信号および切替指令信号の伝送経路を形成する。
切替信号通信線48は、一端がコイル47を介して送受信通信線46に接続され、他端がアンテナ制御信号送出回路45に接続されており、アンテナ制御信号送出回路45が出力する切替指令信号を送受信通信線46に伝達するための伝送経路を構成する。
通信信号送受信回路41は、送受信通信線46を介して通信ケーブル15(芯線71)に接続されており、各種通信方式(本実施形態では、ETC通信方式、DSRC通信方式、無線LAN通信方式のいずれか)に基づいて通信信号の送受信を行うよう構成されている。そして、通信信号送受信回路41での通信方式は、制御回路43からの指令に基づき決定される。
なお、車両用通信装置1が外部機器(路側機など)から受信する受信電波の周波数帯域、および車両用通信装置1から路側機に対して送信する送信電波の周波数帯域は、各種通信方式(ETC通信方式、DSRC通信方式、無線LAN通信方式)毎の規格に基づいて定められている。
通信信号送受信回路41は、外部機器(路側機など)から通信信号を受信する場合には、通信ケーブル15に流れる通信信号のうち、制御回路43からの指令に基づき定められる通信方式で用いる受信周波数帯域の信号を検出することで、外部機器からの通信信号を受信するよう構成されている。なお、通信信号送受信回路41は、外部機器から受信した通信信号を制御回路43に伝達する。
また、通信信号送受信回路41は、外部機器(路側機など)に対して通信信号を送信する場合には、制御回路43からの指令に基づき定められる通信方式で用いる送信周波数帯域の信号を通信ケーブル15に対して送信することで、外部機器に対して通信信号を送信するよう構成されている。なお、通信信号送受信回路41は、制御回路43からの送信指令に基づき外部機器に対して通信信号を送信する。
アンテナ制御信号送出回路45は、制御回路43からの指令に基づいて、位相偏波切替器21に対して直流電圧信号としての切替指令信号を出力する。なお、アンテナ制御信号送出回路45は、切替信号通信線48、コイル47、送受信通信線46を介して、通信ケーブル15に接続されており、直流電圧信号としての切替指令信号を通信ケーブル15を介して位相偏波切替器21に出力するよう構成されている。
なお、コイル47は、通信信号のうち高周波成分の通過を妨げ、低周波成分(直流電圧信号など)の通過を許容する。このことから、アンテナ制御信号送出回路45から出力される切替指令信号は、コイル47を介して通信ケーブル15に送信されると共に、通信ケーブル15を介して位相偏波切替器21に送信される。
そして、切替指令信号は、6個のアンテナ素子による総合的な指向性や偏波を特定するための信号であり、選択可能な通信方式の種類数(本実施形態では、ETC通信方式、DSRC通信方式、無線LAN通信方式の3種類)に応じた複数種類の直流電圧信号(たとえば、電圧値が0V、3V、5Vの3種類)のいずれかとして送信される。
次に、制御回路43は、通信制御装置13における各種制御処理を実行するものであり、図示しない周知のCPU,ROM,RAM,入出力回路(I/O)、これらの構成を接続するバスライン等を備えている。
なお、CPUは、ROMおよびRAMに記憶された制御プログラムおよびデータを用いて各種制御処理を実行する。ROMは、プログラム格納領域とデータ記憶領域とを有している。プログラム格納領域には制御プログラムが格納され、データ記憶領域には制御プログラムの動作に必要なデータが格納されている。また、制御プログラムは、RAM上にてワークメモリを作業領域とする形で動作する。
また、制御回路43は、通信信号送受信回路41にて受信した通信信号を信号処理によって受信データに変換する処理や、送信データを信号処理によって送信信号へ変換して通信信号送受信回路41を介してアンテナモジュール11から外部機器(路側機など)に送信する処理や、通信方式を選択する処理や、送受信データや記憶部から読み出したデータ等を基にした演算処理などを実行する。
さらに、制御回路43は、車両各部の状態データを取得しており、少なくとも車速情報、パーキングブレーキ情報、現在地情報、シフトレバー情報を取得している。
車速情報は、スピードメータ等から送信される情報であり、車両の走行速度を判断できる。パーキングブレーキ情報は、パーキングブレーキに備えられる状態検出センサなどから送信される情報であり、パーキングブレーキがON状態であるかOFF状態であるかを判断できる。現在地情報は、GPS(Global Positioning System )等により特定される車両の現在位置情報であると共に、カーナビゲーション装置などから送信される情報であり、車両の現在位置を判断できる。シフトレバー情報は、シフトレバーに備えられる状態検出センサ等から送信される情報であり、選択されているシフトレバー位置(パーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジN、ドライブレンジDなど)を判断できる。
次に、制御回路43が実行する各種制御処理の1つとして、外部機器との間で無線通信を行うための通信制御処理について説明する。
なお、通信制御処理では、3種類の通信方式(ETC通信方式、DSRC通信方式、無線LAN通信方式)のうちいずれか1つを選択し、選択した通信方式により外部機器との間で無線通信を行う処理を実行する。
図6に、制御回路43で実行される通信制御処理の処理内容を表すフローチャートを示す。なお、通信制御処理は、車両のイグニッションキーがON状態またはACC状態になり、車両用通信装置1に電源が供給されて車両用通信装置1が起動すると、制御回路43での内部処理として実行される。
通信制御処理が開始されると、まず、S110(Sはステップを表す)では、車速情報を読み込む処理を実行する。
次のS120では、車速情報に基づいて車両の走行速度が0[km/h]であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS130に移行し、否定判定する場合にはS230に移行する。つまり、S120では、車両が移動状態であるか停車状態であるかを判断しており、停車状態と判定する場合にはS130に移行し、移動状態と判定する場合にはS230に移行する。
S120で肯定判定されてS130に移行すると、S130では、パーキングブレーキ情報を読み込む処理を実行する。
次のS140では、パーキングブレーキ情報に基づいてパーキングブレーキがON状態であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS150に移行し、否定判定する場合にはS230に移行する。つまり、車両が停車状態(パーキングブレーキがON状態)と判定する場合にはS150に移行し、車両が移動状態(パーキングブレーキがOFF状態)と判定する場合にはS230に移行する。
S140で肯定判定されてS150に移行すると、S150では、シフトレバー情報を読み込む処理を実行する。
次のS160では、シフトレバー情報に基づいてシフトレバー位置がパーキングレンジPであるか否かを判断し、肯定判定する場合にはS170に移行し、否定判定する場合にはS230に移行する。つまり、車両が停車状態(シフトレバー位置がパーキングレンジP)と判定する場合にはS170に移行し、車両が移動状態(パーキングレンジP以外のレンジ)と判定する場合にはS230に移行する。
S160で肯定判定されてS170に移行すると、S170では、現在地情報を読み込む処理を実行する。
次のS180では、現在地情報に基づいて車両の現在位置が自宅であるか否かを判断し、肯定判定する場合にはS200に移行し、否定判定する場合にはS190に移行する。つまり、車両の現在位置が自宅である場合にはS200に移行し、車両の現在位置が自宅以外である場合にはS190に移行する。
S180で否定判定されS190に移行すると、S190では、現在地情報に基づいて車両の現在位置が自動車ディーラであるか否かを判断し、肯定判定する場合にはS200に移行し、否定判定する場合にはS190に移行する。つまり、車両の現在位置が自動車ディーラである場合にはS200に移行し、車両の現在位置が自動車ディーラ以外である場合にはS250に移行する。
S180で肯定判定されるかS190で肯定判定されてS200に移行すると、S200では、アンテナモジュール11を無線LAN通信方式による通信電波の送受信を行う状態に設定する処理を実行する。
つまり、S200では、無線LAN通信方式に切り替えるための指令信号をアンテナ制御信号送出回路45に対して出力する。すると、アンテナ制御信号送出回路45は、アンテナモジュール11(詳細には、位相偏波切替器21)に対して無線LAN通信方式に切り替えるための切替指令信号を出力する。そして、アンテナモジュール11は、この切替指令信号を受信すると、無線LAN通信方式での送受信を行うように指向性および偏波を設定する。
次のS210では、無線LAN路側機から送信される通信電波が有るか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS220に移行し、否定判定する場合には再びS110に移行する。
なお、無線LAN路側機からの通信電波が検出される場合には、無線LAN路側機の通信エリアであると判断でき、無線LAN路側機との間で無線通信が可能であると判断できる。
S210で肯定判定されてS220に移行すると、S220では、無線LAN路側機との間で通信電波の送受信を行うための通信処理を実行する。
つまり、S220では、無線LAN通信方式に切り替えるための指令信号を通信信号送受信回路41に対して出力し、通信信号送受信回路41を介して無線LAN路側機との間で通信信号を送受信して、各種データ(音楽データなど)のダウンロード処理やインターネット接続処理などを実行する。
そして、S220での処理が終了すると、再びS110に移行する。
他方、S120で否定判定されるか、S140で否定判定されるか、S160で否定判定されてS230に移行すると、S230では、現在地情報を読み込む処理を実行する。
次のS240では、現在地情報に基づいて車両の現在位置が有料道路出入口であるか否かを判断し、肯定判定する場合にはS280に移行し、否定判定する場合にはS250に移行する。つまり、車両の現在位置が有料道路出入口である場合にはS280に移行し、車両の現在位置が有料道路出入口以外である場合にはS250に移行する。
S190で否定判定されるか、S240で否定判定されてS250に移行すると、S250では、アンテナモジュール11をDSRC通信方式による通信電波の送受信を行う状態に設定する処理を実行する。
つまり、S250では、DSRC通信方式に切り替えるための指令信号をアンテナ制御信号送出回路45に対して出力する。すると、アンテナ制御信号送出回路45は、アンテナモジュール11(詳細には、位相偏波切替器21)に対してDSRC通信方式に切り替えるための切替指令信号を出力する。そして、アンテナモジュール11は、この切替指令信号を受信すると、DSRC通信方式での送受信を行うように指向性および偏波を設定する。
次のS260では、DSRC路側機から送信される通信電波が有るか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS270に移行し、否定判定する場合には再びS110に移行する。
なお、DSRC路側機からの通信電波が検出される場合には、DSRC路側機の通信エリアであると判断でき、DSRC路側機との間で無線通信が可能であると判断できる。
S260で肯定判定されてS270に移行すると、S270では、DSRC路側機との間で通信電波の送受信を行うための通信処理を実行する。
つまり、S270では、DSRC通信方式に切り替えるための指令信号を通信信号送受信回路41に対して出力し、通信信号送受信回路41を介してDSRC路側機との間で通信信号の送受信処理を実行して、道路交通情報を取得する処理や、有料駐車場でのキャッシュレス料金決済処理などを実行する。
そして、S270での処理が終了すると、再びS110に移行する。
他方、S240で肯定判定されてS280に移行すると、S280では、アンテナモジュール11をETC通信方式による通信電波の送受信を行う状態に設定する処理を実行する。
つまり、S280では、ETC通信方式に切り替えるための指令信号をアンテナ制御信号送出回路45に対して出力する。すると、アンテナ制御信号送出回路45は、アンテナモジュール11(詳細には、位相偏波切替器21)に対してETC通信方式に切り替えるための切替指令信号を出力する。そして、アンテナモジュール11は、この切替指令信号を受信すると、ETC通信方式での送受信を行うように指向性および偏波を設定する。
次のS290では、ETC路側機から送信される通信電波が有るか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS300に移行し、否定判定する場合には再びS110に移行する。
なお、ETC路側機からの通信電波が検出される場合には、ETC路側機の通信エリアであると判断でき、ETC路側機との間で無線通信が可能であると判断できる。
S290で肯定判定されてS300に移行すると、S300では、ETC路側機との間で通信電波の送受信を行うための通信処理を実行する。
つまり、S300では、ETC通信方式に切り替えるための指令信号を通信信号送受信回路41に対して出力し、通信信号送受信回路41を介してETC路側機との間で通信信号の送受信処理を実行して、通行料金の決済処理を実行する。
そして、S300での処理が終了すると、再びS110に移行する。
上記のような通信制御処理を実行することで、車両用通信装置1は、車両の状態に応じて通信方式を判定し、選択された通信方式に対応する外部機器との間で通信電波の送受信を行う。
なお、本実施形態においては、アンテナモジュール11が特許請求の範囲に記載のアンテナモジュール部に相当し、通信制御装置13が通信制御部に相当し、通信ケーブル15が通信信号経路部に相当している。
また、位相偏波切替器21がアンテナ切替制御部に相当し、通信制御処理を実行する制御回路43が通信方式選択判定部に相当し、制御回路43およびアンテナ制御信号送出回路45が切替指令出力部に相当し、位相偏波切替手段51,切替信号用通信線67、コイル49が切替指令信号抽出部に相当している。
さらに、S170およびS230の処理を実行する制御回路43が車両位置判定部に相当し、S110、S130、S150の処理を実行する制御回路43が走行状態判定部に相当している。
以上説明したように、本実施形態の車両用通信装置1においては、アンテナモジュール11が、6個のアンテナ素子に給電する信号の組合せを変化させることで、アンテナモジュール11の全体としての指向性や偏波を変更できるよう構成されている。このことから、アンテナモジュール11は、アンテナ素子の個数を増やすことなく、給電信号の組合せを増加させることで、多種類のアンテナとしての機能を果たすことができる。
また、通信制御装置13の制御回路43は、通信制御処理を実行することで、複数の通信方式の中から外部機器の種類に応じた通信方式を選択し、選択された通信方式に対応する切替指令信号をアンテナモジュール11に対して出力する処理を実行する。なお、通信制御装置13のアンテナ制御信号送出回路45は、制御回路43からの指令に基づいて、切替指令信号を送出する。
つまり、通信制御装置13は、通信方式を選択すると共に、選択した通信方式に応じてアンテナモジュール11の指向性や偏波を制御している。
このように、車両用通信装置1は、通信制御装置13がアンテナモジュール11を制御することで、アンテナモジュール11の指向性や偏波を外部機器の種類に応じて切替制御できるように構成されている。このため、車両用通信装置1は、アンテナの物理的な個数の増加を抑制し、アンテナモジュール11の設置スペースの拡大を抑制しつつ、多種類の外部機器との間で無線通信を行うことができる。
また、アンテナ制御信号送出回路45は、直流電圧信号としての切替指令信号を出力する構成であり、切替指令信号は、通信ケーブル15を介してアンテナモジュール11に送信される。さらに、アンテナモジュール11の位相偏波切替器21は、コイル49、切替信号用通信線67、位相偏波切替手段51を備えることで、通信ケーブル15に流れる信号の中から直流電圧信号としての切替指令信号を抽出するよう構成されている。
つまり、車両用通信装置1は、通信信号および切替指令信号が通信ケーブル15を介して通信制御装置13からアンテナモジュール11(詳細には、位相偏波切替器21)に送信されるように構成されている。このように、通信信号および切替指令信号を同一ケーブル(通信ケーブル15)を介して送信する構成を採ることで、通信電波に対応する通信信号の伝送経路としての伝送ケーブルとは別に、切替指令信号の伝送経路としての伝送経路ケーブルを備える必要がなくなる。
このため、車両用通信装置1は、通信ケーブル15が通信信号の伝送経路を形成するとともに切替指令信号の伝送経路を形成する構成であるため、伝送経路を形成するケーブルの材料コストの増加を抑制できる。
よって、本実施形態の車両用通信装置1によれば、ETC通信方式、DSRC通信方式、無線LAN通信方式のいずれかの通信方式により、外部機器(路側器など)との間で無線通信を行うにあたり、アンテナ素子の増加や伝送経路ケーブルの増加を抑制できることから、コスト増大を抑制できる。
また、本実施形態の車両用通信装置1によれば、複数の通信方式により外部機器との間で無線通信を行うにあたり、アンテナモジュール11におけるアンテナ素子の増加を抑制できることから、アンテナモジュール11の大型化を防止でき、アンテナモジュール11の設置スペースが拡大することを抑制できる。
次に、本実施形態の車両用通信装置1は、通信制御処理において、車両の現在位置が有料道路出入口であると判定される場合(S240で肯定判定される場合)に、ETC通信方式での通信電波の送受信を行うよう構成されている。つまり、車両用通信装置1は、車両位置が有料道路出入口となる場合には、ETC路側機との間での無線通信を適切に行うことが可能となる。
なお、車両用通信装置1は、車両の現在位置が有料道路出入口では無いと判定される場合(S240で否定判定される場合)には、ETC通信方式ではなくDSRC通信方式を選択して、DSRC通信方式によりDSRC路側機との間で無線通信を行う。
さらに、車両用通信装置1は、通信制御処理において、走行状態を判定し(S110,S130,S150)、走行状態が停車状態であるか否かを判定する(S120,S140,S160)と共に、車両の現在位置を判定し(S170)、車両位置が自宅または自動車ディーラであるか否かを判定する(S180,S190)。
このとき、走行状態が停車状態であると判定され(S120,S140,S160でそれぞれ肯定判定され)、かつ、車両位置が自宅および自動車ディーラのいずれでも無いと判定される場合(S180,S190でそれぞれ否定判定される場合)には、制御回路43は、通信方式としてDSRC通信方式を選択する(S250)。
このように構成された車両用通信装置1は、走行状態が停車状態であり、かつ、車両位置が自宅および自動車ディーラのいずれでも無い場合には、自宅および自動車ディーラ以外に設置されたDSRC路側機との間での無線通信を適切に行うことが可能となる。なお、このようなDSRC路側機としては、例えば、有料駐車場の料金収受を行うDSRC路側機などを挙げることができる。
また、車両用通信装置1は、通信制御処理において、走行状態を判定し(S110,S130,S150)、走行状態が停車状態であるか否かを判定する(S120,S140,S160)と共に、車両の現在位置を判定し(S230)、車両位置が有料道路出入口であるか否かを判定する(S240)。
このとき、走行状態が移動状態であると判定され(S120,S140,S160でそれぞれ否定判定され)、かつ、車両位置が有料道路出入口では無いと判定される場合(S240で否定判定される場合)には、制御回路43は、通信方式としてDSRC通信方式を選択する(S250)。
このように構成された車両用通信装置1は、走行状態が移動状態であり、かつ、車両位置が有料道路出入口で無い場合には、有料道路出入口以外に設置されたDSRC路側機との間での無線通信を適切に行うことが可能となる。なお、このようなDSRC路側機としては、例えば、道路交通情報を送信するDSRC路側機などを挙げることができる。
さらに、車両用通信装置1は、通信制御処理において、走行状態を判定し(S110,S130,S150)、走行状態が停車状態であるか否かを判定する(S120,S140,S160)と共に、車両の現在位置を判定し(S170)、車両位置が自宅または自動車ディーラであるか否かを判定する(S180,S190)。
このとき、走行状態が停車状態であると判定され(S120,S140,S160でそれぞれ肯定判定され)、かつ、車両位置が自宅または自動車ディーラのいずれかであると判定される場合(S180,S190のいずれかで肯定判定される場合)には、制御回路43は、通信方式として無線LAN通信方式を選択する(S200)。
このように構成された車両用通信装置1は、走行状態が停車状態であり、かつ、車両位置が自宅または自動車ディーラのいずれかである場合には、自宅または自動車ディーラに設置された無線LAN路側機との間での無線通信を適切に行うことが可能となる。なお、このような無線LAN路側機としては、例えば、各種データ(音楽データなど)のダウンロード処理やインターネット接続処理などを実行する無線LAN路側機などを挙げることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、選択可能な通信方式として、3種類の通信方式(ETC通信方式、DSRC通信方式、無線LAN通信方式)が挙げられているが、通信方式はこれらに限定されることはない。他の通信方式としては、GPS人工衛星からの電波を受信するGPS通信方式や、2.45GHz帯の電波を利用するBluetooth通信方式などを挙げることができる。
また、1台の車両用通信装置において選択可能な通信方式の種類は、3種類に限られることはなく、アンテナモジュール11での指向性や偏波を適宜設定すると共に、通信制御装置13での通信制御処理を適宜変更することで、4種類以上とすることが可能である。
さらに、アンテナモジュール11におけるアンテナ素子の個数は、6個に限られることはなく、車両用通信装置で実行するべきすべての通信方式に対応して指向性および偏波を切替制御が可能な構成であれば、5個以下のアンテナ素子を備えるアンテナモジュールを用いることもできる。また、アンテナモジュール11は、複数のアンテナ素子が図2に示すような配置構成となるものに限られることはなく、車両用通信装置で実行するべきすべての通信方式に対応して指向性および偏波を切替制御が可能な構成であれば、他の配置構成を採ることもできる。
また、アンテナ切替指令信号として複数の直流電圧を使用しているが、これは直流電圧に限るものではなく、交流信号の周波数やデジタルデータなどを用いることもできる。
車両用通信装置1の概略構成を表す構成図である。 6個のアンテナ素子に関する配置状態の一例を表す説明図である。 車両に搭載されたアンテナモジュールに関して、ETC通信方式、DSRC通信方式、無線LAN通信方式に設定されたときのそれぞれの指向性を表す説明図である。 位相偏波切替器の概略構成を表す構成図である。 通信制御装置の概略構成を表す構成図である。 制御回路で実行される通信制御処理の処理内容を表すフローチャートである。 (a)は、ETC通信方式での無線通信の概要を表した説明図であり、(b)は、DSRC−VICS通信方式での無線通信の概要を表した説明図であり、(c)は、無線LAN通信方式での無線通信の概要を表した説明図である。
符号の説明
1…車両用通信装置、11…アンテナモジュール、13…通信制御装置、15…通信ケーブル、21…位相偏波切替器、23…第1アンテナ素子、25…第2アンテナ素子、27…第3アンテナ素子、29…第4アンテナ素子、31…第5アンテナ素子、33…第6アンテナ素子、41…通信信号送受信回路、43…制御回路、45…アンテナ制御信号送出回路、46…送受信通信線、47…コイル、48…切替信号通信線、49…コイル、51…位相偏波切替手段、53,55,57,59,61,63…振幅位相制御手段。

Claims (5)

  1. 複数の通信方式により外部機器との間で無線通信を行う車両用通信装置であって、
    前記外部機器との間で無線により通信電波の送受信を行うアンテナモジュール部と、
    前記外部機器の種類に応じた通信方式により、前記アンテナモジュール部を介して通信電波を送受信するための制御を行う通信制御部と、
    前記アンテナモジュール部と前記通信制御部との間に配置されて、前記通信電波に対応する通信信号の伝送経路を構成する通信信号経路部と、
    を備えており、
    前記複数の通信方式には、少なくとも、送受信される通信電波の偏波が異なる2種類の通信方式が含まれており、
    前記アンテナモジュール部は、
    前記複数の通信方式で共用される複数のアンテナ素子と、前記複数のアンテナ素子に対してそれぞれ振幅および位相の異なる信号を給電するアンテナ切替制御部と、を有しており、
    前記通信制御部は、
    前記複数の通信方式の中から前記外部機器の種類に応じた通信方式を選択する通信方式選択判定部と、前記選択された通信方式に対応する切替指令信号を前記アンテナ切替制御部に対して出力する切替指令出力部と、を有しており、
    前記切替指令出力部は、前記切替指令信号を前記通信信号経路部を介して前記アンテナ切替制御部に対して出力し、
    前記アンテナ切替制御部は、前記通信信号経路部に流れる信号の中から前記切替指令信号を抽出する切替指令信号抽出部を備えること、
    を特徴とする車両用通信装置。
  2. 前記アンテナモジュール部は、複数の通信方式の1つとしてETC通信方式での通信電波の送受信を行う構成であり、
    前記通信制御部は、車両位置を判定する車両位置判定部を備えており、
    前記通信方式選択判定部は、前記車両位置判定部により判定された車両位置が有料道路出入口であるか否かを判定し、前記車両位置が有料道路出入口であるときにはETC通信方式を選択し、前記車両位置が有料道路出入口以外である場合には、ETC通信方式とは異なる通信方式を選択すること、
    を特徴とする請求項1に記載の車両用通信装置。
  3. 前記アンテナモジュール部は、複数の通信方式の1つとしてDSRC通信方式での通信電波の送受信を行う構成であり、
    前記通信制御部は、車両位置を判定する車両位置判定部と、車両の走行状態を判定する走行状態判定部と、を備えており、
    前記通信方式選択判定部は、前記走行状態判定部により判定された走行状態が停車状態であるか否か、および、前記車両位置判定部により判定された車両位置が自宅または自動車ディーラであるか否かを判定して、前記走行状態が停車状態であり、かつ、前記車両位置が自宅および自動車ディーラのいずれでも無い場合に、DSRC通信方式を選択し、前記走行状態が停車状態であり、かつ、前記車両位置が自宅または自動車ディーラのいずれかである場合には、DSRC通信方式とは異なる通信方式を選択すること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用通信装置。
  4. 前記アンテナモジュール部は、複数の通信方式の1つとしてDSRC通信方式での通信電波の送受信を行う構成であり、
    前記通信制御部は、車両位置を判定する車両位置判定部と、車両の走行状態を判定する走行状態判定部と、を備えており、
    前記通信方式選択判定部は、前記走行状態判定部により判定された走行状態が移動状態であるか否か、および、前記車両位置判定部により判定された車両位置が有料道路出入口であるか否かを判定して、前記走行状態が移動状態であり、かつ、前記車両位置が有料道路出入口ではない場合に、DSRC通信方式を選択し、前記走行状態が移動状態であり、かつ、前記車両位置が有料道路出入口である場合に、DSRC通信方式とは異なる通信方式を選択すること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用通信装置。
  5. 前記アンテナモジュール部は、複数の通信方式の1つとして無線LAN通信方式での通信電波の送受信を行う構成であり、
    前記通信制御部は、車両位置を判定する車両位置判定部を備えており、
    前記通信方式選択判定部は、前記車両位置判定部により判定された車両位置が自宅または自動車ディーラであるか否かを判定し、前記車両位置が自宅または自動車ディーラである場合には無線LAN通信方式を選択し、前記車両位置が自宅および自動車ディーラのいずれでもない場合には無線LAN通信方式とは異なる通信方式を選択すること、
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両用通信装置。
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