JP4775618B2 - エアバッグシステムの設定切替装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車ないし車両に搭載されている各種の車載システムに施された設定を、地域の種別や道路の種別などに基づいて適切に切り換える技術に関する。
(通常技術)
現在の自動車に搭載された車載システムとしては、たとえばエアバッグシステムやエンジン制御システムなどがあり、これらの車載システムには、それぞれのECU(電子制御ユニット)が装備されている。
ところで、搭載車両の出荷先の国別あるいは地域別に、保安基準などの法律、気候および地形、道路事情、燃料価格、ユーザー嗜好などが異なるので、現況では、それらに合わせて前述の車載システムの設定を変えて工場から出荷していることが多い。具体的には、搭載車両の出荷先が日本国内である場合と、北米向けである場合と、EU各国である場合とでは、エアバッグの作動判定をする保安基準が異なるなどの理由で、エアバッグの作動判定基準にあたるソフトウェアを変えている。すなわち、エアバッグシステム用ECUのROMに書き込まれるソフトウェアを、出荷先によって書き分けるようにしている。
また、車両が走行する道路の種別(高速道路であるか否かとか、舗装路であるか否かなど)によって、車載システムの設定を変えていく方が合理的な場合もあるが、そこまでは対応していないのが普通である。
(文献開示技術)
ただし、車両が走行している道路の勾配をナビゲーション装置で読みとり、道路勾配によって変速段数の選定を変えたり、下り坂ではフューエルカットしたりする自動変速機の制御装置の技術については、特許文献1に開示されている。
特開平9−229173号公報
しかしながら、前述の背景技術のうち通常技術では、前述のように出荷先(仕向け)によって車載システムを制御するECUのROMに書き込むソフトウェアが異なっている。それゆえ、車載システムのECUを製造するにあたっては、複数種類のソフトウェアを用意しておき、車両の出荷先に適合したソフトウェアをECUのROMに書き込む必要があった。その結果、ハードウェアは同一の車載システムないしそのECUであっても、製品の種類が増えて製造コストが高まるばかりでなく、製品を出荷先別に管理しなければならないので管理コストも高まり、コストアップを招いてしまっていた。また、車載システムないし搭載車両の予定していた出荷先が変更された場合にも、柔軟な対応をすることは難しかった。
また、前述の通常技術には、車両が走行する道路の種別によって車載システムの設定を適正に変える機能はない。すなわち、高速道路と普通道路とでエアバッグシステムの作動判定基準を変更する機能がないし、舗装路と悪路とで可変サスペンションシステムの固さを変更することもできない。
一方、前述の文献開示技術によっては、出荷先によって設定が異なる車載システムの製造コストや管理コストを低減し、出荷先の変更に対する柔軟な対応をすることは難しい。また、道路の勾配に合わせて自動変速機を制御することはできても、道路の種別によって各種の車載システムの設定を変えることはできないであろう。
そこで本発明は、次の第一課題および第二課題のうち、少なくとも一方を解決することができる車載システムの設定切替手段を提供することを解決すべき課題とする。
・第一課題:出荷先によって設定が異なる車載システムの製造コストや管理コストを低減しつつ、出荷先の変更に対しても柔軟に対応できるようにすること。
・第二課題:搭載車両が走行する道路の種別によって、各種の車載システムの設定がそれぞれ適正に変更されるようにすること。
前記課題を解決するために、発明者は以下の手段を発明した。
(第1手段)
本発明の第1手段は、所定の車両に搭載された装置一式であって、受信装置と、判定手段と、少なくとも一つの車載システムとを有することを特徴とする「車載システムの設定切替装置」である。ここで、受信装置は、外部からの電波を受信する装置であり、判定手段は、この受信装置からもたらされる情報に基づき、所定の分類に従ってこの車両の位置種別を判定する手段である。また、車載システムのうち少なくとも一つは、この位置種別に基づいて設定が切り替えられる装置である。ここで、判定手段は、受信装置および各車載システムのうち一方に付帯していても良いし、両者から独立していてもよい。
本手段では、先ず、受信装置が外部からの電波を受信して、位置種別の判定に必要な何らかの情報を提供する。ここで、受信装置としては、ナビゲーション装置(いわゆるカーナビ)のGPS受信装置に限定されることはなく、その他の受信装置によっても、位置種別の判定に必要な何らかの情報を引き出すことができる。例示するならば、ETC(登録商標であり、一般的には「有料道路自動料金支払いシステム」とする。以下同様。)受信装置や、ITS(高度道路交通システム)受信装置、車載電話装置、ラジオ放送受信装置などがある。
次に、判定手段は、この受信装置からもたらされた情報に基づき、所定の分類に従ってこの車両の位置種別を判定する。位置種別としては、たとえば、車両の現在位置が各国ないし各地域のうちどこにあるかを示す地域種別や、車両が位置している道路ないし路面の種別を示す道路種別などがある。
そして、この位置種別を含む信号が少なくとも一つの車載システムに伝達され、これらの車載システムのうちいずれかは、この位置種別に基づいて、自らの設定を適切に切り替える。ここで、車載システムとしては、エアバッグシステムや、エンジン制御システム、可変サスペンションシステムなどがある。これらの車載システムの設定のうち、具体的にどこがどのように変更されるかは、実施形態の項で後述する。
したがって、本手段の「車載システムの設定切替装置」によれば、次の第一課題および第二課題のうち少なくとも一方を解決することができるという効果がある。ここで、第一課題は、エアバッグシステムのように車載システムの設定が出荷先によって異なる場合にも、車載システムの製造コストや管理コストを低減しつつ、出荷先の変更に対しても柔軟に対応できるようにすることである。一方、第二課題は、各種の車載システムが、搭載車両が走行する道路の種別によって、自らの設定を適切に変更することができるようにすることである。
(第2手段)
本発明の第2手段は、前述の第1手段において、前記受信装置は、前記車両の位置を地図データの上で特定するナビゲーション装置ないしその受信装置であり、前記位置種別は、前記車両が各国ないし各地域のうちどこにあるかを示す地域種別と、前記車両が位置している道路ないし路面の種別を示す道路種別とのうち、少なくとも一方であることを特徴とする。
本手段では、受信装置が、その搭載車両の位置を地図データの上で特定するナビゲーション装置ないしその受信装置であるから、精密な位置の特定をすることができる。この際、地図データに、領域の属性として地域種別や、道路の属性としての道路種別を付帯させておけば、判定手段で判定する位置種別を、車両が各国ないし各地域のうちどこにあるかを示す地域種別や、前記車両が位置している道路ないし路面の種別を示す道路種別などとすることができる。もちろん、判定手段は、位置種別として地域種別と道路種別との両方を提供するようになっていても良い。
したがって、本手段によれば、位置種別に地域種別が含まれれば前述の第一課題を解決することができ、位置種別に道路種別が含まれれば前述の第二課題を解決することができるという効果がある。もちろん、本手段の構成によれば、ナビゲーション装置の測位情報を利用することによって、最も精密かつ適正に、第一課題と第二課題との両方を解決できるという効果がある。
(第3手段)
本発明の第3手段は、前述の第1手段において、前記受信装置は、ETC受信装置であり、前記位置種別は、前記車両が有料道路上にあるか否かを示す道路種別と、前記車両が通過した料金ゲートが各国ないし各地域のうちどこにあるかを示す地域種別とのうち、すくなくとも一方であることを特徴とする。
本手段では、位置種別が道路種別である場合、ETC(有料道路自動料金支払いシステム)受信装置からの情報に基づいて、搭載車両が走っているのは有料道路であるか否かという道路種別を、判定手段が判定する。ふつう、有料道路では、無料の一般道路よりも、制限速度が高く設定されており、路面の凹凸が少なく、カーブも緩やかで整備されているから、路面の凹凸による衝撃や旋回加速度が小さくなるほか、衝突時の衝撃の立ち上がりが短時間になりやすい。そこで、このような有料道路の特性に適合するように、エアバッグシステム、可変サスペンションシステム、エンジン制御システムなどの車載システムの設定を切り替えれば、有料道路でより適切な設定で車載システムを運用することができるようになる。
また、ETC受信装置には、搭載車両がどこのインターチェンジから有料道路に進入したか、あるいはどこのインターチェンジから有料道路を降りたかを識別する能力もある。そこで、ETC受信装置からの情報によって、判定手段は、搭載車両の通過した料金ゲートが、各国ないし各地域のうちどこにあるかを示す地域種別を判定することもできる。すなわち、位置種別が地域種別である場合には、車載システムの設定が出荷先によって異なる場合にも、車載システムの製造コストや管理コストを低減しつつ、出荷先の変更に対しても柔軟に対応することができるようなる。
したがって、本手段によれば、ナビゲーション装置が車両に搭載されていなくても、ETC受信装置さえ搭載されていれば、第一課題と第二課題とのうちいずれかないし両方を解決することができるという効果がある。
(第4手段)
本発明の第4手段は、前述の第1手段において、前記受信装置は、ラジオ放送受信装置および車載電話装置のうちいずれかであり、前記位置種別は、前記車両が各国ないし各地域のうちどこにあるかを示す地域種別であることを特徴とする。
本手段では、受信装置がラジオ放送受信装置である場合には、受信したラジオ放送の電波から何らかの情報を引き出し、その情報に基づいて判定手段が、各国ないし各地域のうちどこにいるかを示す地域種別を判定する。たとえば、ラジオ放送受信装置で受信できる電波のうちから、電波強度が強い順に周波数を並べ、その周波数のラジオ放送を行う放送局の組み合わせから、搭載車両の現在位置はだいたいどの国のどの位置にあるかを、割り出すことができる。
あるいは、受信装置が車載電話装置である場合には、通信を中継している無線中継局がどこにあるかという情報を引き出せるようにしておけば、それをもって搭載車両の現在位置はだいたいどの国のどの位置にあるかを、割り出すことができる。
このようにして、測位精度が粗くても、搭載車両の大まかな現在位置さえ分かってしまえば、その現在位置は地域種別のうちどれに相当するかを、判定手段は判定できるようになる。そして、この地域種別に基づいて、車載システムは自らの設定を適正に変更する。その結果、エアバッグシステムのように車載システムの設定が出荷先によって異なる場合にも、車載システムの製造コストや管理コストを低減しつつ、出荷先の変更に対しても柔軟に対応できるようにすることができる。
したがって、本手段によれば、ナビゲーション装置やETC受信装置など比較的高価な装置がなくても、比較的安価なラジオ放送受信装置か車載電話装置を利用して、前述の第一課題を解決することができるという効果がある。特に、ラジオ放送受信装置はほとんど全ての自動車に装備されているので、本手段はコスト的にも極めて有利である。
(第5手段)
本発明の第5手段は、前述の第1手段において、前記車両には、車内ネットワークが設けられており、前記位置種別に関する情報を含んだ信号は、前記判定手段からこの車内ネットワークを通じて前記車載システムに伝達されることを特徴とする。
本手段では、判定手段で判定された位置種別を含む信号が、車内ネットワークを利用して車載システムに配信されるので、車載システムが複数個あっても、配信される信号が増えたり信号を配信する手間が増えたりすることがない。また、この信号を伝達するために新たに配線を付設する必要もなくなり、重量、コスト、信頼性のいずれの面でも合理的である。さらに、位置種別を含む信号を配信すべき車載システムの個数が増えても、なんらコストアップを伴うことなく対応できるようになる。
したがって、本手段によれば、前述の第1手段の効果に加えて、位置種別を含む信号が車内ネットワークによって各車載システムに配信されるので、車載システムの個数が増えても対応が容易であるという効果がある。
(第6手段)
本発明の第6手段は、前述の第1手段において、前記車載システムは、その設定を変更するにあたって参照するソフトウェアを記憶したROMを内蔵したECUをもち、このROMの記憶領域には、共通部分および選択部分のうち少なくとも後者が設けられていることを特徴とする。ここで、ROMの記憶領域のうち、共通部分とは、前記位置種別に拘わらず共通して使用されるソフトウェアを記憶した部分のことであり、逆に選択部分は、前記位置種別によって複数の中から選択して使用されるソフトウェアの一式を記憶した部分のことである。
ここで、ROMの記憶領域に共通部分を必須としなかったのは、いくつかの選択部分はあっても共通部分はないという構成もあり得るからである。すなわち、仕様によって全く異なるソフトウェアを使用するECUがあって、そのROMの記憶領域には選択部分の一式があっても共通部分がないことがあり得る。あるいは、何らかの理由で、基本仕様のソフトウェアが重複して別個の選択部分に格納されており、ROMの記憶領域に共通部分がないということもあり得る。
本手段では、判定手段によって供給される位置種別に変更があると、新たな位置種別に対応する選択部分から、適正な仕様のソフトウェアが読み出され、新たな設定でECUが作動するようになる。本手段を実施するには、目下ふつうに作られている車載システムのECUを改修し、ソフトウェア一式をも格納できるようにROMの記憶容量を拡大するとともに、位置種別が変わったら、新たに位置種別に対応する選択部分から適合した仕様のソフトウェアを読み出すことができるようにすればよい。
一般に、ROMの価格はすでにかなり低下しており、その記憶容量は増える一方であって、今後もその傾向は続くものと考えられるから、ROMの容量増大に伴うコストアップは小さい。一方、出荷先によって異なった種別のソフトウェアをROMに書き込む前述の通常技術とは異なって、本手段では、一種類の車載システムについて複数種類のROMを用意する必要はなくなり、一種類のROMだけで事足りるようになる。その結果、本手段によれば、前述の第一課題を解決することが極めて容易になるという効果がある。また、道路種別によって車載システムの設定を変更できるようにして前述の第二手段を解決するためにも、ROMは一種類を製造するだけで事足りるので、やはりコストダウンの効果がある。
したがって、本手段によれば、前述の第1手段の効果に加えて、現在のECUを改修して本発明を実施することが容易になるという効果がある。
(第7手段)
本発明の第7手段は、車内ネットワークと、信号供給手段と、複数の車載システムとを有することを特徴とする「車載システムの設定切替装置」である。車内ネットワークは、所定の車両に配設されたネットワークである。信号供給手段は、この車内ネットワークに所定の位置種別を示す信号を供給する手段である。車載システムは、この車内ネットワークから配信された信号に含まれるこの位置種別に従って、それぞれに自らの設定を切り替える装置である。
ここで、信号供給手段は、常設の車載装置であってもよいし、そうでなくてもよい。すなわち、信号供給手段が常設の車載装置である場合には、前述の第1手段では、その受信装置および判定手段が、おおむね本手段の信号供給手段に相当する。逆に、信号供給手段が常設の車載装置ではない場合には、信号供給手段は、車内ネットワークに接続可能な外付けの信号生成装置であったり、車内ネットワークに接続されたナビゲーション装置などの再生機に位置種別を含む記録媒体を載せたものであったりする。
たとえば、信号供給手段が車載装置ではなく、作業員が外部から車内ネットワークにアクセスして信号を流すための装置であれば、工場出荷時に車載システムの設定ができている必要はない。すると、車載システムの設定は、搭載車両を貨物船に搬入する際や、逆に搭載車両を貨物船から降ろす際、あるいは、搭載車両が貨物船の船内にある間や、カーディーラーからユーザーに車両を販売する際にもできるようになる。こうすれば、信号供給手段が車両に付帯していない分だけ、車両の価格や重量が低減される。
なお、本手段での位置種別などの用語の定義は、その用語が第1手段の用語と同じである場合には、第1手段の用語の定義に準ずるものとする。
さて、本手段では、各構成要素が次のように作用する。すなわち、先ず、信号供給手段が、車内ネットワークに所定の位置種別を示す信号を供給する。すると次に、車内ネットワークが、この信号を複数の車載システムに配信する。そして、車載システムは、配信された信号に含まれるこの位置種別に従って、それぞれに自らの設定を切り替える。
この際、車載システムが複数個あっても、位置種別を示す信号は車内ネットワークを通じて接続された全ての車載システムに配信され、各車載システムがそれぞれに自らの設定を切り替える。それゆえ、車載システムの個数が多数になっても、各車載システムへの信号配信に要するコストアップはほとんどなく、いっぺんに多数の車載システムの設定を切り替えることができる。
その結果、配信される信号に地域種別が含まれている場合には、前述の第一課題を解決することができるようになり、この信号に道路種別が含まれている場合には、前述の第二課題が解決されるようになる。
したがって、本手段の「車載システムの設定切替装置」によれば、前述の第一課題および第二課題のうち少なくとも一方を解決できるばかりではなく、多数の車載システムの設定を簡単に切り替えることができるという効果がある。また、設定を変更すべき車載システムの個数が増えても、位置種別を含む信号の配信に要するコストアップがほとんどないという効果もある。さらに、信号供給手段が常設の車載装置ではない場合には、信号供給手段が車両に付帯していない分だけ、前述の第1手段よりも車両の価格や重量が低減されるという効果も生じる。
(第8手段)
本発明の第8手段は、信号生成過程と配信過程と設定切替過程とを有することを特徴とする「車載システムの設定切替方法」である。ここで、信号生成過程は、所定の位置種別を示す信号が生成される過程であり、配信過程は、この信号が車内ネットワークを通じて複数の車載システムに配信される過程である。さらに、設定切替過程は、この位置種別に従って、これらの車載システムのうち少なくとも一つが、自らの設定を切り替える過程である。
ここで、本手段での位置種別などの用語の定義は、その用語が第7手段の用語と同じである場合には、第7手段の用語の定義に準ずるものとする。
本手段では、先ず、信号生成過程で、地域種別や道路種別などの所定の位置種別を示す信号が生成され、続いて配信過程では、この信号が車内ネットワークを通じて複数の車載システムに配信される。そして設定切替過程では、この位置種別に従って、これらの車載システムのうち少なくとも一つが、自らの設定を適正に切り替える。
本手段によれば、前述の第7手段とほぼ同様の効果が得られる。
本発明の「車載システムの設定切替装置」および「車載システムの設定切替方法」がもつ実施形態については、当業者に実施可能な理解が得られるように、以下の実施例で明確かつ十分に説明する。なお、本発明の出願時点では、これらの実施例のうちいずれかが最良の実施形態に相当する可能性があるものと、発明者は考えている。
(実施例1の全体構成)
本発明の実施例1としての「車載システムの設定切替装置」は、所定の車両(図略)に搭載された装置一式ないしシステムである。本実施例の「車載システムの設定切替装置」は、図1に示すように、受信装置および判定手段としてのナビゲーション装置1と、車内ネットワーク6と、車載システムとしてのエアバッグシステム7、エンジン制御システム8および可変サスペンションシステム9とを有する。
ナビゲーション装置1は、外部のGPS衛星から電波を受信して搭載車両の位置を地図データの上で特定し、位置種別としての地域種別および道路種別を判定する装置である。ナビゲーション装置1は、一組のGPS受信アンテナ11が接続されたGPS測位手段12と、DVD−ROM13を載せたデッキと、測位信号や地図データなどを処理するマイクロコンピュータ14などが、一つのケース(図略)に格納されてなる。これらのうち、GPS測位手段12は、外部からの電波を受信する受信装置であり、マイクロコンピュータ14は、この受信装置からもたらされる測位信号に基づき、所定の分類に従って搭載車両の位置種別(地域種別および道路種別)を判定する判定手段である。
ナビゲーション装置1に挿置されるDVD−ROM13には、地図データに付帯して、地域種別および道路種別の二種類のカテゴリー分けが、位置種別として格納されている。すなわち、DVD−ROM13に格納されている位置種別は、搭載車両が各国ないし各地域のうちどこにあるかを示す「地域種別」と、搭載車両が位置している道路ないし路面の種別を示す「道路種別」とである。
ここで、地域種別は、GPS測位手段12およびマイクロコンピュータ14によって特定された位置が、日本国内、北米地域(米国およびカナダ)、EU領域、あるいはその他の地域のうちいずれにあるかを示す地域の類別である。一方、道路種別は、特定された位置が、高速道路、舗装済みの普通道路、未舗装の普通道路、道路外(オフロード)のうち何処にあるかを示す道路の類別である。なお、このような地域種別や道路種別の内容は設計事項に属し、実情に合わせて適宜に設定されるべきものである。
ナビゲーション装置1のマイクロコンピュータ14は、受信装置としてのGPS測位手段12からもたらされる測位情報に基づいて、DVD−ROM13から読み出される地図データ上で搭載車両の現在位置を特定する。そしてマイクロコンピュータ14は、判定手段として、前述した所定の分類に従って搭載車両の位置種別(地域種別および道路種別)を判定する。なお、ナビゲーション装置1のマイクロコンピュータ14は、図示しないインターフェースを介して、車内ネットワーク6に接続されている。
同じく図1に示すように、車内ネットワーク6は、搭載車両に設けられた一種の車内LANである。位置種別に関する情報を含んだ信号S1,S2は、受信装置および判定手段としてのナビゲーション装置1から、車内ネットワーク6を通じて、各車載システム7,8,9に伝達されるようになっている。
エアバッグシステム7、エンジン制御システム8および可変サスペンションシステム9は、それぞれ、判定手段4から車内ネットワーク6を介して配信された位置種別信号S1,S2に基づいて設定が切り替えられる車載システムである。これらの車載システム7,8,9は、それぞれ、その設定を変更するにあたって参照するソフトウェアを記憶したROM(後述)を内蔵したECU70,80,90をもっている。そして、各車載システム7,8,9は、それぞれのECU70,80,90を介して前述の車内ネットワーク6に接続されている。
(実施例1のROM構成)
ここで、各車載システム7,8,9のECU70,80,90には、それぞれ異なるソフトウェアを格納したROMが内蔵されており、このROMの構成にも本実施例の特徴がある。そこで、各車載システム7,8,9を代表してエアバッグシステム7のECU70を例に取り、その構成を示して具体的に説明する。
すなわち、エアバッグシステム7のECU70は、図2に示すように、マイクロコンピュータ72を中核として構成されており、各種のインターフェース71,74,75をもつ。すなわち、ECU70のインターフェースには、マイクロコンピュータ72が車内ネットワーク6と信号をやりとりするためのインターフェース71と、各種センサ76からセンサ出力を取り込むためのインターフェース74と、ガス発生器77に作動信号を送るためのインターフェース75とがある。
マイクロコンピュータ72は、フラッシュメモリーからなるROM73と、図示しないプロセッサなどとをもつ。ROM73の記憶領域には、同じく図2に示すように、前述の位置種別に拘わらず共通して使用されるソフトウェアを記憶した共通部分Cと、位置種別によって複数の中から選択して使用されるソフトウェアの一式を記憶した二種類の選択部分A1〜A4,B1〜B4とが設けられている。ここで、二種類の選択部分のうち一方は、地域種別によって選択される選択部分A1〜A4であり、他方は、道路種別によって選択される選択部分である。
すなわち、ROM73の記憶領域のうち共通部分Cには、どの地域においても、また、どの種別の道路ないし路面においても、共通して使用される基本仕様のソフトウェアが格納されている。一方、初めの四つの選択部分A1〜A4には、地域種別によってそれぞれ異なる地域別仕様のソフトウェアが格納されており、次の四つの選択部分B1〜B4には、道路種別によってそれぞれ異なる仕様のソフトウェアが格納されている。
より詳しく説明すると、初めの選択部分A1〜A4のうち、A1は日本仕様に、A2は北米仕様に、A3はEU仕様に、A4はその他の仕様に、それぞれ対応する地域別仕様のソフトウェアが格納されている。また、次の選択部分B1〜B4のうち、B1には高速道路向けの仕様に、B2には舗装済みの普通道路向けの仕様に、B3にはの未舗装の普通道路向けの仕様に、B4には道路外(オフロード)向けの仕様に、それぞれ対応する道路別仕様のソフトウェアが格納されている。
そして、地域種別によって択一的に選択される選択部分(A1〜A4のうちいずれか一つ)と、道路種別によってやはり択一的に選択される選択部分(B1〜B4のうちいずれか一つ)とが、共通部分Cに組み合わされて、プロセッサ(図略)にロードされるように、マイクロコンピュータ72はプログラミングされている。
ここで、地域種別や道路種別によって、エアバッグシステム7のECU70のソフトウェアを選択的に切り替え、エアバッグシステム7の設定を切り替えるべき理由について、簡単に説明する。
まず、道路種別のうち両極端の高速道路と道路外とを比較すると、その違いが明らかになる。すなわち、正常な走行状態においては、高速道路では車両に加わる衝撃加速度が小さいのに対し、道路外では路面の凹凸が大きいので衝撃加速度が大きい。それゆえ、エアバッグの作動判定に用いる衝撃加速度の閾値は、誤動作を避けるために、高速道路よりも道路外で大きく設定されていることが望ましい。逆に、事故の衝突時においては、高速道路では車両の速度が高いので、低速で走行する道路外よりも衝撃の立ち上がりがずっと速く、ごく短時間のうちにエアバッグを展開する必要がある。それゆえ、エアバッグの展開に要する時間は、高速道路では道路外よりもずっと短くなければならない。このことは、カーブが緩く路面が平坦な高速道路を最高速度で巡航する場合と、障害物をよけながら凹凸が多い悪路を低速で走破する場合とを比較すれば、明らかである。このような理由で、道路種別によってエアバッグシステム7の設定は切り替えられるべきである。
また、地域種別によってエアバッグシステム7の設定を切り替えるべき理由には、次の二つがある。すなわち、第一の理由は、国家や地域によってエアバッグの保安基準が違うのでそれに適合するようにしなければならないということであり、第二の理由は、高速道路の制限速度や道路の整備状態など、道路事情が各国や地域によって異なるということである。
もちろん、エアバッグシステム7だけではなく、エンジン制御システム8のECU80や可変サスペンションシステム9のECU90(図1参照)においても、それぞれ図示しないROMがある。そして、それぞれのROMの記憶領域は、単一の共通部分と、一種類または二種類の選択部分とに分かれている。
すなわち、エンジン制御システム8のECU80においては、前述のエアバッグシステム7と同様に、ROMの選択部分(図略)は大きく分けて二つに分かれている。選択部分のうち、地域種別によって択一的に選択される選択部分は、主に各国別または地域別の排気ガス規制によって変わる部分である。一方、道路種別によって択一的に選択される選択部分は、主に燃費とエンジン出力との兼ね合いによって変わる部分である。
一方、可変サスペンションシステム9のECU90においては、前述のエアバッグシステム7とは異なり、選択部分(図略)は道路種別によって択一的に選択されるものがあるだけで、地域種別によって選択されるものはない。
なお、各車載システムのECUにおいて、ROMの選択部分を位置種別と道路種別とのうちいずれによって選択するようにするか、あるいは両方によって選択するようにするかは、設計事項に属し、実情に鑑みて適宜に設定すればよい。
(実施例1の作用)
本実施例の「車載システムの設定切替装置」は、以上のように構成されており、以下のように作用する(図1参照)。
先ず、ナビゲーション装置1のGPS測位手段12が、受信装置として、複数のGPS衛星からの電波を受信し、位置種別(地域種別および道路種別)の判定に必要な測位情報を提供する。そして、ナビゲーション装置1のマイクロコンピュータ14は、判定手段として、この測位情報に基づき、車両位置をDVD−ROM13の道路データと突き合わせ、前述のように所定の分類に従って搭載車両の位置種別を判定する。すなわち、搭載車両の現在位置が各国ないし各地域のうちどこにあるかを示す地域種別と、搭載車両が位置している道路ないし路面の種別を示す道路種別とが、マイクロコンピュータ14によって判定される。
次に、マイクロコンピュータ14は、これら二種類の位置種別がそれぞれいずれであるかを示す情報を含んだ信号(地域種別信号S1および道路種別信号S2)を生成し、これらの信号S1,S2を図示しないインターフェースを介して車内ネットワーク6に流す。ここで、両信号S1,S2はいつも抱き合わせで生成され定期的に配信されても良いが、地域種別に比べて道路種別の方が切替が頻繁に起こる。それゆえ、始動時に両信号S1,S2が共に生成された後は、地域種別に切替があった場合にだけ地域種別信号S1が生成され、道路種別に切り替えがあった場合にだけ道路種別信号S2が生成されて、それぞれ車内ネットワーク6に供給される。
すると、車内ネットワーク6は、地域種別信号S1および道路種別信号S2を、各車載システム7,8,9に配信する。それゆえ、本実施例のように車載システムが複数個あっても、配信される信号が増えたり信号を配信する手間が増えたりすることがない。また、この信号を伝達するために新たに配線を付設する必要もなくなり、重量、コスト、信頼性のいずれの面でも合理的である。
そして、各車載システム7,8,9が、それぞれ必要とする信号を車内ネットワーク6から読みとり、それぞれに独立してその設定を自ら適正に切り替える。すなわち、エアバッグシステム7のECU70は、車内ネットワーク6から地域種別信号S1および道路種別信号S2を読みとって、両信号S1,S2のうちいずれかが切り替わった場合には、搭載車両が走行中の地域や道路にあった設定に切り替える。
より詳しくは、再び図2に示すように、両信号S1,S2のうち地域種別信号S1に変更があると、ECU70のROM73から、選択部分A1〜A4のうち一つから、新たに適正になった仕様のソフトウェアが読み出される。あるいは、道路種別信号S2に変更があると、ROM73の選択部分A1〜A4のうち一つから、新たに指定された仕様のソフトウェアが読み出される。
そして、地域種別に関する選択部分A1〜A4のうち適正な一つのソフトウェアと、道路種別に関する選択部分B1〜B4のうち適正な一つのソフトウェアとが、共通部分Cのソフトウェアに組み合わされる。すると、地域種別にも道路種別にも適合した完全なソフトウェア(たとえば図2中に破線で示すようにC+A1+B2)が作られて、ECU70のプロセッサにロードされる。その結果、地域種別にも道路種別にも適合した新たな設定で、エアバッグシステム7が作動するようになる。
また、エンジン制御システム8のECU80も同様に、車内ネットワーク6から両信号S1,S2を読みとって、自らの設定を適正に切り替える。一方、可変サスペンションシステム9のECU90は、車内ネットワーク6から道路種別信号S2を読みとって、自らの設定を適正に切り替える。
こうして、工場作業員や整備員、運転手が何ら手を下すことなくても、各車載システム7,8,9は、搭載車両が走行中の地域や道路に自動的に適応して、それぞれの仕様の設定を適正に変更することができる。
(実施例1の効果)
したがって、本手段の「車載システムの設定切替装置」によれば、次のように、大きく分けて四つの効果がある。
第一の効果は、エアバッグシステム7やエンジン制御システム8のように、設定が出荷先によって異なる車載システムがあっても、製造コストや管理コストを低減しつつ、出荷先の変更に対しても柔軟に対応できることである。
すなわち、それぞれのECU70,80を、出荷先の地域別に他種類に分けて設計したり製造したりする必要がなくなり、単一種類を製造するだけでよくなるので、製造コストが低減される。また、外見は同じでも仕様が異なる製品の出荷先を間違えないように管理する必要がなくなるので、管理コストも低減される。さらに、出荷先に予定外の変更があった場合にも、出荷先で自動的に車載システムの設定が適正に変更されるので、出荷先の変更に対してもより柔軟に対応できるようになる。
第二の効果は、各種の車載システム7,8,9が、搭載車両が走行する道路の種別によって、自らの設定を適切に変更することができるようになることである。
すなわち、エアバッグシステム7を例に取れば、高速道路では悪路よりも鋭敏にエアバッグを展開できるようになる。また、エンジン制御システム8は、高速道路を巡航中にはゴーストップの多い普通道路よりも、燃費を低減できるようになる。さらに、可変サスペンションシステム9は、道路種別に応じてサスペンションのバネ定数および減衰定数や、車高などを適正に切り替えることができるようになる。
第三の効果は、ナビゲーション装置1によって地図データ上で精密に搭載車両の位置を特定することができるので、位置種別に関する柔軟性が高いことである。
すなわち、地域種別および道路種別の種類は、必要に応じていかようにも増やすことができる。それゆえ、各国の法令が変わったり、道路事情が変わったりしても、比較的容易に対応することができる。また、地域種別や道路種別の他にも、たとえば制限速度種別や気圧種別などのように、新たな位置種別を設けることも比較的容易である。
第四の効果は、位置種別を含む信号S1,S2が車内ネットワーク6によって各車載システム7,8,9に配信されるので、車載システムの個数が増えても対応が容易であることである。
すなわち、すでに三つの車載システム7,8,9に対応しているが、搭載車両に新たに別の車載システムが装備されても、車内ネットワーク6を利用することにより、容易に位置種別を含む信号S1,S2を配信することができる。その結果、新たに配線を施す必要がなくなり、コストアップを抑制することができる。
(実施例1の別解釈)
本実施例の「車載システムの設定切替装置」の構成は、前述のように捉えることができるが、以下のように別の解釈で捉えることもできる。
すなわち、本実施例の「車載システムの設定切替装置」は、再び図1に示すように、車内ネットワーク6と、信号供給手段としてのナビゲーション装置1と、三つの車載システム7,8,9とを有することを特徴とする。車内ネットワーク6は、搭載車両に配設されたネットワークであり、信号供給手段としてのナビゲーション装置1は、車内ネットワーク6に所定の位置種別を示す信号S1,S2を供給する手段である。そして、三つの車載システム7,8,9は、車内ネットワーク6から配信された信号S1,S2に含まれる位置種別の情報に従って、それぞれに自らの設定を切り替える装置である。
さて、この解釈による本実施例は以上のように構成されているので、各構成要素が次のように作用する。
すなわち、先ず、信号供給手段としてのナビゲーション装置1が、車内ネットワーク6に所定の位置種別を示す地域種別信号S1および道路種別信号S2を供給する。すると、車内ネットワーク6は、両信号S1,S2を三つの車載システム7,8,9に配信する。そして、各車載システム7,8,9は、配信された地域種別信号S1および道路種別信号S2に従って、それぞれ自らの設定を切り替える。
この際、本実施例のように車載システム7,8,9が複数個あっても、位置種別を示す信号S1,S2は、車内ネットワーク6を通じて接続された全ての車載システムに配信される。その結果、各車載システム7,8,9は、それぞれに必要な信号だけを取り込んで自らの設定を切り替える。それゆえ、車載システム7,8,9以外に、位置種別に従って設定を切り替えるべき車載システムが増えても、各車載システムへの信号配信に要するコストアップはほとんどなく、いっぺんに多数の車載システムの設定を切り替えることができる。
もちろん、装置構成が同じである以上、その解釈が異なってもその効果はほぼ同様で、前述した四つの効果が得られる。
(実施例1の方法発明)
以上では本実施例を装置発明の例示として説明したが、本実施例を方法発明の例示として定義することもできる。すると本実施例は、図3に示すように、信号生成過程P1と、配信過程P2と、設定切替過程P37,P38,P39とを有することを特徴とする「車載システムの設定切替方法」である。
先ず、信号生成過程P1は、所定の位置種別を示す信号が生成される過程であり、前述のナビゲーション装置1(図1参照)の作用に相当する過程である。信号生成過程P1は、測位過程P11と、位置特定過程P12と、種別読み取り過程P13と、信号発信過程P14とからなる。
ここで、測位過程P11は、GPS測位手段12により測位される過程であり、位置特定過程P12、種別読み取り過程P13および信号発信過程P14は、マイクロコンピュータ14によって信号処理される過程である。すなわち、位置特定過程P12は地図データ上で位置が特定される過程であり、種別読み取り過程P13は、地図データから二つの位置種別(地域種別および道路種別)が読みとられる過程である。そして、信号発信過程P14は、読みとられた位置種別に相当する地域種別信号S1および道路種別信号S2が生成される過程である。
次に、配信過程P2は、この信号が車内ネットワーク6を通じて三つの車載システム7,8,9に配信される過程である。
さらに、設定切替過程P37,P38,P39は、車内ネットワーク6から配信された位置種別に従って、車載システム7,8,9が、それぞれに自らの設定を切り替える過程である。すなわち、エアバッグシステム7は、車内ネットワーク6から両信号S1,S2を受け取り、地域種別および道路種別の両位置種別に基づいて自らの設定を切り替える。同様に、エンジン制御システム8も、車内ネットワーク6から両信号S1,S2を受け取り、地域種別および道路種別に基づいて自らの設定を切り替える。また、可変サスペンションシステム9は、車内ネットワーク6から道路種別信号S2だけを車内ネットワーク6から受け取って、道路種別に基づいて自らの設定を切り替える。この際、各車載システム7,8,9は、互いに独立して位置種別に基づいて自らの設定を変更し、互いに影響されることはない。
もちろん、このように方法発明の例示として本実施例を捉えた場合にも、前述の四つの効果が得られる。
(実施例1の変形態様1)
本実施例の変形態様1として、地域種別を示すコードとして、国際電話番号の国番号を使い、さらに必要に応じて州番号や市外局番を付加して使用する形態もある。
すなわち、本変形態様において、DVD−ROM13(図1参照)に格納された地図データには、地域種別として国際電話番号の国番号などが付帯している。また、各車載システム7,8,9のECU70,80,90は、それぞれのROMに、この国番号などによる地域種別コードとソフトウェアの選択部分A1〜A4(図2参照)との対応を示す対応表(図略)を格納している。
前述の実施例1と同様に、この地域種別を示す信号は、道路種別信号S2とともにナビゲーション装置1のマイクロコンピュータ14から供給され、車内ネットワーク6を介して各車載システム7,8,9に配信される。すると、各車載システム7,8,9は、それぞれに前述の対応表を参照して、地域種別を示す国際電話番号の国番号などコードから、それぞれ自らの設定に適切な地域種別の選択部分A1〜A4選択部分を選ぶ。
したがって、本変形態様によれば、前述の第1手段の効果に加えて、次の三つの効果がある。
第一に、本変形態様では、国際電話番号の国番号などを地域種別信号S1のコードとして採用しているので、すでに確立された周知の番号コードを使用することができる。それゆえ、地域種別信号S1のコードを決める上で迷うことがなくなるうえに、長い将来にわたって改変が少なくて済むという効果がある。
第二に、各車載システム7,8,9の側で地域種別信号S1と選択部分A1〜A4との対応表を用意しておくので、互いに性格の異なる各車載システム7,8,9の仕様変更に柔軟に対応することができるようになるという効果がある。
第三に、国番号に加えて州番号や市外局番までを地域種別信号S1のコードに含めるようにすれば、極めて細やかに地域別の対応をすることができるという効果がある。たとえば、米国で州によって規制が異なる場合や、欧州で各国の規制が微妙に異なる場合、あるいは都道府県や市町村レベルで条例が異なる場合にも、きめ細やかに対応することができるようになる。
(実施例2の構成)
本発明の実施例2としての「車載システムの設定切替装置」は、図4に示すように、受信装置および判定手段としてのETC(有料道路自動料金支払いシステム)受信装置2と、車内ネットワーク6と、各車載システム7,8,9とを有する。また、本実施例での位置種別は、搭載車両が有料道路上にあるか否かを示す道路種別と、搭載車両が通過した料金ゲートが各国ないし各地域のうちどこにあるかを示す地域種別とである。
ここで、ETC受信装置2は、地域種別信号S1および道路種別信号S2を車内ネットワーク6に供給する信号供給手段でもあり、受信装置としてのETC受信回路21と、判定手段としてのマイクロコンピュータ22とをもつ。ETC受信装置2のマイクロコンピュータ22は、各料金ゲート(トールゲート)が各国ないし各地域のうちいずれに属するのかを判定することができるように、各料金ゲートから地域種別に変換する変換表(図略)を格納したメモリをもっている。
すなわち、本実施例の構成が前述の実施例1と異なっているのは、主として、ナビゲーション装置1の代わりにETC受信装置2が装備されている点と、これに伴って、地域種別および道路種別の内容が変更されている点との二点である。また、道路種別の内容変更に伴い、各車載システム7,8,9のECU70,80,90がもつROMのソフトウェアについても、道路種別によって選択される選択部分(図2のB1〜B4に相当する部分)の内容が、実施例1とは異なっている。すなわち、各ECU70,80,90の記憶領域のうち道路種別による選択部分は、四つに分かれていた実施例1とは異なって、二つの部分にしか分かれていない(図略)。
なお、本実施例の機能も前述の実施例1とは少し異なっているが、この機能的な違いについては次の作用の項で具体的に説明する。
(実施例2の作用効果)
本実施例では、位置種別は、実施例1と同様に地域種別および道路種別の二種であり、このうち地域種別の分類は実施例1と同様であるが、道路種別は実施例1と大きく異なっている。すなわち、本実施例での道路種別は、有料道路であるか否かの二者択一でしかない。
先ず、搭載車両が料金ゲートを通過する際に、位置種別としての道路種別および地域種別をETC受信装置2が判定する。すなわち、受信装置としてのETC受信回路21からの情報に基づいて、搭載車両が走っているのは有料道路であるか否かという道路種別と、搭載車両がどの地域に位置しているかという地域種別とを、判定手段としてのマイクロコンピュータ22が判定する。ここで、マイクロコンピュータ22は、やはりETC受信回路21からの情報に基づいて、搭載車両が通過した料金ゲートを特定してから、前述の変換表を参照して地域種別を判定する。そして、マイクロコンピュータ22は、地域種別および道路種別の判定結果に基づいて地域種別信号S1および道路種別信号S2を生成し、両信号S1,S2を一緒にして車内ネットワーク6に供給する。
すると、実施例1と同様に、車内ネットワーク6から配信される両信号S1,S2のうち必要なものを、各車載システム7,8,9が読みとって自らの設定を切り替える。この際、前述のように道路種別が二段階しかないので、道路種別信号S2による車載システム7,8,9の設定切替が実施例1と異なる。
すなわち、有料道路では、無料の一般道路よりも、制限速度が高く設定されており、路面の凹凸が少なく、カーブも緩やかで整備されているから、路面の凹凸による衝撃や旋回加速度が小さくなるほか、衝突時の衝撃の立ち上がりが短時間になりやすい。そこで、このような有料道路の特性に適合するように、エアバッグシステム7、エンジン制御システム8、可変サスペンションシステム9といった車載システムは、それぞれ自らの設定を高速道路向きの設定に切り替える。その結果、有料道路において、より適切な設定で車載システムを運用することができるようになる。
逆に、有料道路ではないところは、普通道路かあるいは道路外であるから、有料道路とは逆の特性があるものとして、各車載システム7,8,9の設定は、高速道路向けの設定から普通の設定に戻される。その結果、実施例1ほど細かくはないが、実施例1にそれほど劣らない程度に、車載システム7,8,9の設定を道路種別によって切り替えることができる。
また、ETC受信装置2には料金ゲートの識別能力があるから、搭載車両が料金ゲートを通過するたびに、各料金ゲートが各国ないし各地域のどこにあるかをETC受信装置2は判定することができる。そして、搭載車両がどこのインターチェンジから有料道路に進入したか、あるいはどこのインターチェンジから有料道路を降りたかを識別する能力もある。そこで、ETC受信回路21からの情報によって、ETC受信装置2のマイクロコンピュータ22は、搭載車両の通過した料金ゲートが、各国ないし各地域のうちどこにあるかを示す地域種別を判定することができる。
すなわち、本実施例によっても、実施例1とほぼ同程度の確かさで、地域種別を判定することができる。その結果、エアバッグシステム7およびエンジン制御システム8の設定が出荷先によって異なる場合にも、両車載システム7,8の製造コストや管理コストを低減しつつ、出荷先の変更に対しても柔軟に対応することができる。
したがって、本実施例によれば、実施例1と異なって、ナビゲーション装置1が車両に搭載されていなくても、ETC受信装置2が搭載されていれば実施が可能になるという効果がある。その結果、前述の実施例1にほぼ準ずる効果が得られながら、装置価格ないし搭載車両価格が、実施例1よりも安価になるという効果がある。
(実施例2の方法発明)
本実施例も、実施例1の方法発明の項で前述したように、信号生成過程P1、配信過程P2および設定切替過程P37,P38,P39(図2参照)を有する方法発明の実施例「車載システムの設定切替方法」として捉えることができる。
すると、前述の各構成要素の作用のうち、ETC受信装置2の作用は信号生成過程P1に相当し、車内ネットワーク6の作用は配信過程P2に、各車載システム7,8,9の作用は設定切替過程P37,38,39に相当する。ただし、本実施例での信号生成過程P1の内容は、本実施例の作用効果の項で前述したとおりであって、実施例1の内容を示す図2とは少し異なる。
(実施例3の構成)
本発明の実施例3としての「車載システムの設定切替装置」は、図5に示すように、受信装置および判定手段としてのラジオ放送受信装置3と、車内ネットワーク6と、車載システムとしてのエアバッグシステム7およびエンジン制御システム8とを有する。また、本実施例での位置種別は、搭載車両が各国ないし各地域のうちどこにあるかを示す地域種別である。さらに、ラジオ放送受信装置3は、地域種別を示す地域種別信号S1を車内ネットワーク6に供給する信号供給手段でもある。
ラジオ放送受信装置3は、受信装置としてのチューナー31と、判定手段としてのマイクロコンピュータ32とをもつ。チューナー31は、通常のAMラジオ放送とFM放送などを受信することができる受信回路ないし同調回路をもち、ラジオ放送の周波数帯をスキャンして受信可能なほど受信強度が強い周波数を検知する機能をもつ。マイクロコンピュータ32は、工場出荷時に登録された各放送局の位置とその放送電波の周波数および強度とを一覧表としてデータベースを格納したメモリをもつ。また、マイクロコンピュータ32には、チューナー31から受信可能なラジオ放送の周波数を取り込み、この一覧表データベースに照らし合わせてだいたいの測位をするプログラムと、測位の履歴を記憶するメモリとを内蔵している。
一方、車内ネットワーク6は前述の実施例1と同じものであり、車載システム7,8も実施例1のものとおおむね同じである。また、車載システム7,8のECU70,80には、地域種別信号S1を受け取って地域種別に基づいて自らを再設定する機能はあるが、前述の実施例1や実施例2とは異なって、道路種別信号S2を受け取る機能はない。なお、可変サスペンションシステム9は、搭載車両に装備されてはいるが、本実施例の構成要素ではない。ただし、本実施例は、各車載システム7,8が、図示しないセンサーユニットなどから供給される何らかの情報に基づいて、自らの設定を調整することを妨げるものではない。
(実施例3の作用効果)
本実施例は、以上のように構成されているので、以下のように作用する。
先ず、車両の始動時に、自動的にラジオ放送受信装置3が機能して、地域種別を判定したうえで、地域種別信号S1を生成して車内ネットワーク6を通じて車載システム7,8に配信する。
すなわち、ラジオ放送受信装置3が、受信可能なラジオ周波数からその放送局を特定して受信可能な範囲を絞り込み、同じ絞り込みを複数の放送局に対して行えば、搭載車両の位置を大まかに推定することができる。たとえば、受信可能な複数のラジオ周波数のパターンから、搭載車両が東京付近にあるか、ロンドン付近にあるか、米国西海岸のシアトル付近にあるか程度の粗い測位は可能である。そして、この程度の粗い測位でも、エアバッグシステム7やエンジン制御システム8などの設定切替に必要な地域種別の自動判定はできる。このようにして、ラジオ放送受信装置3は地域種別を判定し、地域種別信号S1を生成して車内ネットワーク6に供給する。
なお、ラジオ放送受信装置3のマイクロコンピュータ32は、前述のように測位の履歴を記憶している。ここで、搭載車両の速度には限界があるので、マイクロコンピュータ32は、前回の地域種別と時間経過とを照らし合わせて地域種別が変更される可能性を検証し、あり得ない地域種別の変更を排除することができる。また、ラジオ放送受信装置3は、地域種別が変わる可能性が生じる時間経過の後に、あるいは定期的に、上記の測位操作および地域種別の判定操作を自動的に行う。
すると、前述の各実施例と同様に、車内ネットワーク6が地域種別信号S1を各車載システム7,8に配信する。
そして、車載システムとしてのエアバッグシステム7およびエンジン制御システム8は、車内ネットワーク6から地域種別信号S1を受け取り、この地域種別に基づいて自らの設定を適正に変更する。その結果、エアバッグシステム7およびエンジン制御システム8のように、車載システムの設定が出荷先によって異なっていても、車載システムの製造コストや管理コストを低減しつつ、出荷先の変更に対しても柔軟に対応できるようにすることができる。
したがって、本実施例によれば、前述の各実施例と異なり、ナビゲーション装置1やETC受信装置2などの比較的高価な装置がなくても、比較的安価なラジオ放送受信装置3を利用して、前述の第一課題を解決することができるという効果がある。すなわち、車載システム7,8の設定が出荷先によって異なっていても、車載システム7,8の製造コストや管理コストを低減しつつ、出荷先の変更に対しても柔軟に対応できるようにすることができる。特に、チューナー31はほとんど全ての自動車に標準装備されているので、本実施例はコスト的にも極めて有利である。
(実施例3の方法発明)
本実施例も、前述の実施例1および実施例2とおおむね同様に、信号生成過程P1、配信過程P2および設定切替過程P37,P38(図2参照)を有する方法発明の一実施例「車載システムの設定切替方法」として捉えることができる。
すると、前述の各構成要素の作用のうち、ラジオ放送受信装置3の作用は信号生成過程P1に相当し、車内ネットワーク6の作用は配信過程P2に相当する。また、車載システムとしてのエアバッグシステム7およびエンジン制御システム8の作用は、設定切替過程P37,P38に相当する。
ただし、本実施例での信号生成過程P1の内容は、本実施例の作用効果の項で前述したとおり、実施例1の内容を示す図2とは少し異なる。また、本実施例では、位置種別としての道路種別がないので(少なくともラジオ放送受信装置3からは道路種別信号S2が供給されないので)、位置種別を含む信号は地域種別信号S1であり、道路種別信号S2は生成されない。もちろん本実施例は、他の装置などによる道路種別信号S2の供給を妨げるものではない。
(実施例3の変形態様1)
本実施例の変形態様1として、ラジオ放送受信装置3の代わりに、車載電話装置(図略)が、信号供給手段(受信装置および判定手段)である「車載システムの設定切替装置」の実施が可能である。
本変形態様では、車載電話装置に付帯するマイクロコンピュータが、電話の国番号に対応する地域種別を判定し、地域種別信号S1を生成する。あるいは、車載電話装置が、通信を中継している無線中継局がどこにあるかという情報を引き出せるようにしておけば、無線中継局の位置をもって、搭載車両の現在位置はどの国のどの位置にあるかを、割り出すことができる。
本変形態様によっても、おおむね前述の本実施例と同じ効果が得られる。
(実施例4の構成)
本発明の実施例4としての「車載システムの設定切替装置」は、図6に示すように、信号供給手段としての携帯装置5と、車内ネットワーク6と、複数の車載システムとしてのエアバッグシステム7およびエンジン制御システム8とを有する。本実施例は、外部から電波を受信する受信装置や、位置種別を判定する判定手段を有さず、取り外し可能な信号供給手段としての携帯装置5を有することが、前述の各実施例と異なる。
すなわち、携帯装置5は、信号供給手段であって、車内ネットワーク6に所定の位置種別を示す地域種別信号S1を供給する携帯可能な装置である。すなわち、携帯装置5は、地域種別信号S1を生成する回路を内蔵し、地域種別により車載システム7,8の設定を切り替える際に、携帯装置5に付属したコネクタ51を通じて車内ネットワーク6に接続される。
言い換えると、信号供給手段としての携帯装置5は、前述の各実施例とは異なって、車載装置ではなく、作業員が外部から車内ネットワークにアクセスして信号を流すために使う、車両とは独立した装置である。それゆえ、本実施例では、従来の通常技術と異なり、工場出荷時に各車載システム7,8の設定ができている必要はない。
すると、車載システム7,8の設定は、搭載車両を貨物船に搬入する際や、逆に搭載車両を貨物船から降ろす際、あるいは、搭載車両が貨物船の船内にある間や、カーディーラーからユーザーに車両を販売する際にもできる。その結果、前述の各実施例に比べて、信号供給手段(受信装置および判定手段)が各搭載車両に常設されていない分だけ、当該車両の価格や重量は低減されている。
一方、車内ネットワーク6は、所定の車両に配設されたネットワークであり、おおむね前述の各実施例のものと同じであるが、車両側のコネクタ61をもつ点が異なっている。また、エアバッグシステム7およびエンジン制御システム8は、車内ネットワーク6から配信された地域種別信号S1に含まれる地域種別に従って、それぞれに自らの設定を切り替える車載システムであり、前述の実施例3のものと同様である。
(実施例4の作用効果)
本実施例は、以上のように構成されているので、以下のように作用する。
先ず、搭載車両の運用地域が確定したら、作業員が、携帯装置5のコネクタ51を車内ネットワーク6のコネクタ62に接続する。そして、作業員が携帯装置5を操作すると、携帯装置5は信号供給手段として作用し、予め選択されている地域種別信号S1を車内ネットワーク6に供給する。
すると、車内ネットワーク6は、地域種別信号S1を車載システム7,8に配信する。そして、車載システム7,8は、配信された地域種別信号S1に含まれる地域種別に従って、自動的にそれぞれの設定を切り替える。このような車内ネットワーク6および車載システム7,8の作用は、前述の実施例5と同様である。
作業員は、携帯装置5のモニターを見ていて、携帯装置5から車内ネットワーク6に正しく地域種別信号S1が配信されたことを確認したら、携帯装置5のコネクタ51を車内ネットワーク6のコネクタ61から外し、携帯装置5を当該車両から撤去する。
以上のように、携帯装置5は、前述の各実施例と異なって車載装置ではなく、作業員が外部から車内ネットワーク6に地域種別信号S1を流すために使う独立した装置である。それゆえ、従来の通常技術のように工場出荷時に各車載システム7,8の設定をする必要はなくなり、当該車両を輸送する際や運用の直前などに、各車載システム7,8の設定をすればよい。その結果、地域種別信号S1を生成することができる装置の搭載を必要としない分だけ、前述の各実施例に比べて当該車両のコストダウンや軽量化を実現することができる。
したがって、本実施例によれば、前述の実施例3と同様の効果がある。すなわち、出荷先によって設定が異なる車載システム7,8の製造コストおよび管理コストを低減しつつ、出荷先の変更に柔軟に対応できるようになるという効果がある。また、複数の車載システム7,8の設定を簡単に切り替えることができ、設定を変更すべき車載システムの個数が増えても、地域種別信号S1の配信に要するコストアップがほとんどないという効果もある。
そればかりではなく、本実施例によれば、前述の実施例3にはない本実施例の効果として、信号供給手段としての携帯装置5が車両に付帯していない分だけ、当該車両の価格や重量が低減されるという効果も生じる。
(実施例4の方法発明)
本実施例も、再び図3に示すように、信号生成過程P1と、配信過程P2と、設定切替過程P37,P38とを有することを特徴とする「車載システムの設定切替方法」の例示として定義することができる。ただし、その内容は、次のように実施例1のそれとは少し異なっている。
ここで、信号生成過程P1は、携帯装置5が地域種別信号S1を生成する過程であり、配信過程P2は、地域種別信号S1が車内ネットワーク6を通じて複数の車載システム7,8に配信される過程である。さらに、設定切替過程P37,P38は、各車載システム7,8が、地域種別信号S1が示す地域種別に従って、それぞれに自らの設定を切り替える過程である。
方法発明の例示としての本実施例では、先ず、信号生成過程P1で、所定の位置種別を示す地域種別信号S1が生成される。続いて配信過程P2で、地域種別信号S1が車内ネットワーク6を通じて複数の車載システム7,8に配信される。そして設定切替過程P37,P38では、各車載システム7,8が、それぞれ独立して、地域種別に従って自らの設定を適正に切り替える。
もちろん、このように本実施例を方法発明の例示として捉えても、前述した本実施例の効果が得られる。
(実施例4の変形態様1)
本実施例の変形態様1として、信号供給手段に携帯装置5を採用せず、車内ネットワーク9に接続された車載装置のうちいずれかから、地域種別信号S1を生成し、車内ネットワーク6を通じて各車載システム7,8に配信するようにしても良い。
ここで、車載装置としては、何らかの信号を車内ネットワーク6に流すための既存の装置を改造して、指定した地域種別信号S1を供給することができるようにしたものを使うこともできる。たとえば、車速センサーユニットから走行速度を示す信号を車内ネットワーク6に送ることができるようになっていれば、この車速センサーユニットを改造して、作業員が指定した地域種別を示す信号をも車内ネットワーク6に配信できるようにしてもよい。
あるいは、オーディオ装置などの再生装置に信号生成機能を付加したものを、車内ネットワーク6に接続しておいてもよい。すなわち、作業員が、所定の作業命令と地域種別信号S1とを格納した記録媒体をこの装置にかけることにより、この装置を信号供給手段として使えるようにしても良い。
本変形態様によっても、前述の本実施例とおおむね同様の効果が得られる。
実施例1としての「車載システムの設定切替装置」の構成を示す模式図 実施例1におけるECUの構成を示す模式図 実施例1としての「車載システムの設定切替方法」の構成を示す流れ図 実施例2としての「車載システムの設定切替装置」の構成を示す模式図 実施例3としての「車載システムの設定切替装置」の構成を示す模式図 実施例4としての「車載システムの設定切替装置」の構成を示す模式図
符号の説明
1:ナビゲーション装置(信号供給手段として)
11:GPS受信アンテナ
12:GPS測位手段(受信装置として測位情報を提供)
13:DVD−ROM(地域種別および道路種別を含む地図データを格納)
14:マイクロコンピュータ(判定手段として二種類の位置種別を判定)
2:ETC受信装置(信号供給手段として)
21:ETC受信回路(受信装置として)
22:マイクロコンピュータ(判定手段として)
3:ラジオ放送受信装置(信号供給手段として)
21:チューナー(受信装置として)
22:マイクロコンピュータ(判定手段として)
5:携帯装置(地域種別の信号供給手段として) 51:コネクタ
6:車内ネットワーク 61:コネクタ
7:エアバッグシステム(車載システムの一つとして)
70:ECU
71:インターフェース(車内ネットワークとエアバッグとの)
72:マイクロコンピュータ
73:ROM(ROMの記憶領域)
A1〜A4:選択部分(地域別仕様のソフトウェアを格納)
B1〜B4:選択部分(道路別仕様のソフトウェアを格納)
C:共通部分(基本仕様のソフトウェアを格納)
74:インターフェース(センサ類からマイクロコンピュータへの)
75:インターフェース(マイクロコンピュータからエアバッグへの)
76:エアバッグ用のセンサ類
77:エアバッグ用のガス発生器
8:エンジン制御システム(車載システムの一つとして) 80:ECU
9:可変サスペンションシステム(車載システムの一つとして) 90:ECU
P1:信号生成過程 P2:配信過程 P37,P38,P39:設定切替過程
S1:位置種別としての地域種別を示す信号(地域種別信号)
S2:位置種別としての道路種別を示す信号(道路種別信号)

Claims (5)

  1. 所定の車両に搭載された装置一式であって、
    外部からの電波を受信する有料道路自動料金支払いシステム受信装置と、
    この受信装置からもたらされる情報に基づき、所定の分類に従ってこの車両の位置種別を判定する判定手段と、
    この位置種別に基づいて設定が切り替えられる少なくとも一つのエアバッグシステムとを有し、
    前記位置種別は、前記車両が有料道路上にあるか否かを示す道路種別と、前記車両が通過した料金ゲートが各国ないし各地域のうちどこにあるかを示す地域種別とのうち、すくなくとも一方である、
    エアバッグシステムの設定切替装置。
  2. 前記位置種別には前記道路種別が含まれ、
    この道路種別が前記有料道路である場合には、それ以外の場合よりも、前記エアバッグシステムがエアバッグの展開に要する時間は短く設定される、
    請求項1に記載されたエアバッグシステムの設定切替装置。
  3. 前記位置種別には前記道路種別が含まれ、
    この道路種別が前記有料道路である場合には、それ以外の場合よりも、前記エアバッグシステムがエアバッグの作動判定に用いる衝撃加速度の閾値は低く設定される、
    請求項1,2のうち一方に記載されたエアバッグシステムの設定切替装置。
  4. 前記車両には、車内ネットワークが設けられており、
    前記位置種別に関する情報を含んだ信号は、前記判定手段からこの車内ネットワークを通じて前記エアバッグシステムに伝達される、
    請求項1に記載されたエアバッグシステムの設定切替装置。
  5. 前記エアバッグシステムは、その設定を変更するにあたって参照するソフトウェアを記憶したROMを内蔵したECUをもち、
    このROMの記憶領域には、前記位置種別に拘わらず共通して使用されるソフトウェアを記憶した共通部分と、前記位置種別によって複数の中から選択して使用されるソフトウェアの一式を記憶した選択部分とのうち、少なくとも後者が設けられている、
    請求項1に記載されたエアバッグシステムの設定切替装置。
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