(実施の形態1の内容に至る経緯)
昨今、高度道路交通システムITS(Intelligent Transport Systems)の一種として、例えば高速道路および一般道路等の路側に設置された路側機と車両に設置された車載器との間で無線通信を行うシステムがある。高度道路交通システムの1つとして、自動料金収受システムで使用されるETC(Electronic Toll Collection)(登録商標)と、従来の自動料金収受システムに加えて高速道路および一般道路等の路側に設置されたITSスポット(登録商標)から安全運転支援等を可能としたETC2.0(登録商標)とがある。ETC2.0(登録商標)およびITSスポット(登録商標)は、無線通信方式としてDSRC(Dedicated Short Range Communications)を使用しており、高速かつ大容量の情報伝送を可能としている。ETC2.0(登録商標)が使用するDSRCは、路側機と車載器との間で行われる狭域通信であり、信号伝送範囲は数m~30mである。また、DSRCは、周波数帯5.8GHz帯を利用している。
上述した特許文献1では、ETCゲートの通過時の安全運転支援を行う車両制御装置および車載用情報通信装置が提供されている。しかし、車両制御装置および車載用情報通信装置は、ETCゲートの通過時の車両速度に関する安全運転支援を目的としており、車両が走行する道路の制限速度に関しての安全運転支援を行うことは想定されていない。
そこで、以下の各実施の形態では、車両が走行する道路に定められた制限速度が変化した場合であっても車両が走行する道路の制限速度を適応的に報知して、安全運転を支援できる車載器および安全運転支援方法の例を説明する。
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る車載器および安全運転支援方法を具体的に開示した各実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長化することを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
図1は、車両1内の一例を示す図である。車両1内には、フロントガラス2と、ダッシュボード3と、車載器CN1の本体部CN1aと、車載器CN1のアンテナ部CN1bと、ケーブル4とが備えられている。
図1において、本体部CN1aはダッシュボード3の上面に設置され、アンテナ部CN1bはフロントガラス2に設置されている。なお、本体部CN1aおよびアンテナ部CN1bのそれぞれの設置場所は図1に示す例に限らない。例えば、本体部CN1aおよびアンテナ部CN1bのそれぞれは、ともにフロントガラス2に設置されてもよいし、ともにダッシュボード3の上面に設置されてもよい。また、本体部CN1aは他の設置場所として、例えば、運転席の足元またはコンソール等に設置されてもよい。また、本体部CN1aおよびアンテナ部CN1bは一体に形成されてもよい。
図2は、実施の形態1に係る車載器CN1の一例を示す外観図である。図2に示す車載器CN1は、本体部CN1aと、アンテナ部CN1bと、これらを接続するケーブル4とによって構成される。また、本体部CN1aは、筐体5と、ICカード挿入部6とを備える。アンテナ部CN1bは、アンテナAnt1と、スピーカ40とを備える。
筐体5は、樹脂により形成され、立方体形状を有する。なお、筐体5の形状は図2に示す直方体形状を構成する各角部分に丸みを帯びた形状または立方体形状等であってもよい。
ICカード挿入部6は、ETC(登録商標)の自動料金収受システムに利用されるIC(Integrated cuircuit)カードを挿入するための挿入口である。
アンテナAnt1は、ETC2.0で使用されるDSRCによる無線通信によって信号を受信可能なアンテナである。また、アンテナAnt1は、例えばGPS衛星等の人工衛星(不図示)から送信される衛星測位信号を受信可能なアンテナである。また、アンテナAnt1は、例えば高速道路および一般道路等の路側に設置された路側機との間で無線通信を行い、車両1に対する安全運転支援に関する情報を受信する。
スピーカ40は、例えば自動料金収受システムを利用した高速道路等の有料道路の通行料に関する情報および車両1が走行する道路に定められた制限速度に関する情報等を音声出力する。また、スピーカ40は、後述する警告生成部19によって生成される警告情報を出力する。
ケーブル4は、本体部CN1aとアンテナ部CN1bとを有線接続するケーブルである。なお、ケーブル4は必須の構成ではなく、車載器CN1が本体部CN1aとアンテナ部CN1bとが一体に形成される場合には省略することができる。
図3は、実施の形態1に係る車載器CN1の内部構成例を示すブロック図である。図3に示す車載器CN1は、アンテナAnt1と、制御部10と、DSRC通信部11と、GPS受信部15と、メモリ20と、出力部30と、スピーカ40とを含む構成であり、表示装置Sc1と外部接続される。
アンテナAnt1は、ETCゲートおよびITSスポット(登録商標)のそれぞれとの間で無線通信可能なDSRC用アンテナAnt1aと、例えばGPS衛星等の人工衛星(不図示)から送信される衛星測位信号を受信可能なGPS用アンテナAnt1bとで構成される。
GPS用アンテナAnt1bが受信可能な信号は、米国のGPS(Global Positioning System)の信号に限らず、例えばロシアのGLONASS(Global Navigation Satellite System)または欧州のGalileo等の衛星測位サービスを提供可能な人工衛星から送信される信号であってもよい。また、GPS用アンテナAnt1bは、上述した衛生測位サービスを提供する人工衛星が送信する衛星測位信号を、補強あるいは補正可能な衛星測位信号を送信する準天頂衛星の信号を受信可能であってもよい。
第1の通信部の一例としてのDSRC通信部11は、ETCゲートまたはITSスポットから送信される道路情報信号の一例の信号をDSRC用アンテナAnt1aによって受信する。道路情報信号は、ETCゲートまたはITSスポットの設置位置と、ETCゲートまたはITSスポットの識別情報と、これらの設置位置を含む道路の交通情報(例えば、渋滞中,工事中等)とを含む信号である。DSRC通信部11は、受信された信号情報を制御部10のETCゲート通過判定部12およびITSスポット通過判定部13のそれぞれに出力する。なお、DSRC通信部11は、ETCゲートの通過時に車両1が走行した有料道路の通行料に関する情報を受信した場合には、ETSゲートから受信した信号情報および車両1が走行した有料道路の通行料に関する情報を制御部10に出力してもよい。
第2の通信部の一例としてのGPS受信部15は、人工衛星(不図示)から送信された衛星測位信号をGPS用アンテナAnt1bによって受信する。GPS受信部15は、受信された衛星測位信号に基づいて、車両1の走行速度および走行位置の情報を演算によって算出し、制御部10に出力する。なお、衛星測位信号に基づく車両1の走行速度および走行位置の情報の演算は、制御部10によって実行されてもよい。
なお、DSRC用アンテナAnt1aおよびGPS用アンテナAnt1bのそれぞれは、後述する制御部10に含まれる構成であってもよい。
制御部10は、メモリ20と協働して、制御部10内の各部の処理および制御をそれぞれ統括的に実行する。制御部10は、例えば電子回路制御装置であるECU(Electronic Control Unit)を用いて構成される。具体的には、制御部10は、メモリ20に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、制御部10内の各部の機能を実現する。制御部10内の各部は、ETCゲート通過判定部12と、ITSスポット通過判定部13と、道路種別判定部14と、エリア判定部16と、警告速度設定部17と、速度判定部18と、警告生成部19とを含む。
メモリ20は、例えば制御部10の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、制御部10の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROM(Read Only Memory)とを有する。RAMには、制御部10により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、制御部10の動作(例えば、GPS受信部15が受信した衛星測位情報から車両1の走行位置に応じたエリア情報および走行速度情報を取得する方法、または車両1の走行位置に対応する緯度経度情報に基づくエリアおよび制限速度を判定する方法)を規定するプログラムが書き込まれている。また、メモリ20は、予め設定された車両1の車種情報を記憶している。
また、メモリ20は、道路種別ごとに生成されたエリア情報およびエリア内の緯度経度情報ごとに設定された制限速度情報を記憶する。
ETCゲート通過判定部12は、DSRC通信部11によって受信された受信信号に基づいて、車両1がETCゲートを通過したか否かを判定する。ETCゲート通過判定部12は、車両1がETCゲートを通過したと判定した場合には、その判定結果と、DSRC通信部11によって受信された受信信号とに基づいて、車両1が走行した有料道路の通行料に関する情報を算出して、道路種別判定部14に出力する。
ITSスポット通過判定部13は、DSRC通信部11によって受信された受信信号に基づいて、車両1が道路の路側に設置されたITSスポットの傍を通過したか否かを判定する。ITSスポット通過判定部13は、車両1がITSスポットの傍を通過したと判定した場合には、判定結果を道路種別判定部14に出力する。
道路判定部の一例としての道路種別判定部14は、ETCゲート通過判定部12から入力される判定結果および後述するエリア判定部16から入力される車両1の走行しているエリアと後述する制限速度判定データT2(図5C参照)とに基づいて、車両1がETCゲートを通過する前の道路種別と、車両1がETCゲートを通過した後の道路種別を判定する。また、道路種別判定部14は、ITSスポット通過判定部13から入力される判定結果および後述するエリア判定部16から入力される車両1の緯度経度情報を含む判定結果と後述するエリア判定データT1(図5B参照)とに基づいて、車両1が走行している道路種別を判定してもよい。また、道路種別判定部14は、判定されたエリアと、道路種別とに基づいて、その道路の制限速度を判定する。道路種別判定部14は、これらの判定結果を警告速度設定部17に出力する。
制限速度判定データT2は、エリアごとの道路の種別および制限速度を示すデータである。制限速度判定データT2は、メモリ20に予め記憶されている。
検出部の一例としてのエリア判定部16は、GPS受信部15によって受信された衛星測位信号に基づく車両1の走行位置に応じた緯度経度情報を取得する。エリア判定部16は、取得した車両1の緯度経度情報とメモリ20に記憶されたエリア判定データT1(図5B参照)とに基づいて、車両1が現在走行しているエリアを判定する。エリア判定部16は、この判定結果を道路種別判定部14および警告速度設定部17に出力する。
エリア判定データT1は、エリアごとの緯度経度情報のデータを集約したデータであり、例えば高速道路の種別ごとまたは一般道路の所定区間ごとの区分を示すエリアのそれぞれに対して予め設定されたデータである。エリア判定データT1は、メモリ20に予め記憶されている。
警告速度設定部17は、入力された道路種別判定部14およびエリア判定部16のそれぞれの判定結果に基づいて、車両1が現在走行している道路に定められた制限速度を設定する。警告速度設定部17は、設定された道路の制限速度を警告生成部19に出力する。また、警告速度設定部17は、以前に設定された道路の制限速度と現在設定された道路の制限速度とが異なる場合には、現在設定された道路の制限速度に関する情報を警告生成部19に出力する。
また、警告速度設定部17は、道路種別判定部14から入力された車両1が走行した有料道路の通行料に関する情報を算出して、出力部30に出力する。
検出部の一例としての速度判定部18は、GPS受信部15によって受信された衛星測位信号に基づく車両1の衛星測位速度(言い換えると、車両1の走行速度)を判定する。速度判定部18は、車両1の走行速度に関する判定結果を警告生成部19に出力する。
警告生成部19は、警告速度設定部17および速度判定部18のそれぞれから入力された判定結果を比較する。警告生成部19は、車両1の走行速度が道路の制限速度を上回ると、車両1の走行速度に関する警告情報を生成する。警告生成部19は、生成した警告情報を出力部30に出力する。
出力部30は、警告速度設定部17から入力された車両1が走行した有料道路の通行料に関する情報と、警告生成部19から入力された警告情報および道路の制限速度に関する情報とをスピーカ40によって出力する。これにより、車両1内のドライバーに警告情報を報知することができる。
出力部30は、同時に複数の警告情報のそれぞれを入力されると、予め設定された情報ごとの優先順位に基づいて、警告情報を順次報知する。また、出力部30は、優先度が低い警告情報を報知している時に優先順位が高い警告情報が入力されても、現在報知している警告情報の報知が完了するまで次の警告情報を報知しない。これにより、車載器CN1は、車両1内のドライバーに警告情報をより確実に報知することができる。また、優先順位を設定することにより、車載器CN1は車両1内のドライバーにより重要な警告情報を優先して報知することができる。これにより、車両1内のドライバーは、重要な警告情報の報知のタイミングが固定的に報知されるため、警告情報を聞き漏らす可能性を低減することができる。
なお、出力部30は、予め設定された順位に基づいて警告情報を順次報知してもよい。これにより、車両1内のドライバーは、重要な警告情報の報知のタイミングがより固定的に報知されるため、警告情報を聞き漏らす可能性を低減することができる。
また、図3に示すように出力部30は、表示装置Sc1と外部接続されていてもよい。出力部30は、表示装置Sc1が接続されている場合には、画像情報からなる警告情報を生成し、表示装置Sc1に表示させる。
表示装置Sc1は、例えばカーナビゲーション装置が備えるモニタである。表示装置Sc1は、入力された警告情報を表示して、車両1内のドライバーに警告情報を報知する。
図4を参照して、実施の形態1に係る車載器CN1の動作手順例を説明する。図4は、実施の形態1に係る車載器CN1の動作手順例を示すフローチャートである。
ETCゲート通過判定部12は、DSRC通信部11から入力された受信信号に基づいて、車両1がETCゲートを通過したか否かを判定する(St1)。
道路種別判定部14は、ETCゲート通過判定部12から入力される車両1がETCゲートを通過した情報(判定結果)と、エリア判定部16から入力されるエリアの判定結果とに基づいて(St1,Yes)、車両1がETCゲートを通過する前の道路の種別が一般道路か否かを判定する(St2)。
道路種別判定部14は、ステップSt2において車両1がETCゲートを通過する前の道路の種別が一般道路であると判定した場合には(St2,Yes)、車両1がETCゲートを通過した後の道路(言い換えると、現在車両1が走行している道路)の種別を高速道路と判定する(St3)。
一方で、道路種別判定部14は、ステップSt2において車両1がETCゲートを通過する前の道路の種別が一般道路ではないと判定した場合には(St2,No)、車両1がETCゲートを通過した後の道路の種別を一般道路と判定する(St4)。道路種別判定部14は、この判定結果を警告速度設定部17に出力する。
警告速度設定部17は、ステップSt4において車両1がETCゲートを通過した後の道路の種別が一般道路である場合には、エリア判定部16のエリアの判定結果に応じた制限速度判定データT2(図5C参照)に設定された道路の制限速度に関する情報に基づいて、この一般道路に定められた制限速度を設定する(St5)。ステップSt5の処理が実行された後、道路種別判定部14は、DSRC通信部11から入力された受信信号に基づいて、ITSスポット通過判定部13から車両1がITSスポットの傍を通過したか否かを判定する(St9)。
道路種別判定部14は、ステップSt3において車両1がETCゲートを通過した後の道路の種別が高速道路と判定された場合には、エリア判定部16のエリアの判定結果に応じたエリア情報と制限速度判定データT2とに基づいて、車両1がETCゲートを通過した後の高速道路が都市高速道路か否かを判定する(St6)。道路種別判定部14は、この判定結果を警告速度設定部17に出力する。
警告速度設定部17は、道路種別判定部14から入力された判定結果により、車両1がETCゲートを通過した後の道路が都市高速道路である場合には(St6,Yes)、エリア判定部16のエリアの判定結果に応じた制限速度判定データT2に設定された道路の制限速度に関する情報に基づいて道路の制限速度を設定する(St7)。ステップSt7の処理が実行された後、道路種別判定部14は、DSRC通信部11から入力された受信信号に基づいて、ITSスポット通過判定部13から車両1がITSスポットの傍を通過したか否かを判定する(St9)。
一方で、警告速度設定部17は、道路種別判定部14から入力された道路の種別の判定結果により、車両1がETCゲートを通過した後の道路が他の高速道路である場合には(St6,No)、エリア判定部16のエリアの判定結果に応じた制限速度判定データT2に設定された道路の制限速度に関する情報に基づいて、車両1が走行している高速道路に固有の制限速度を設定する(St8)。ステップSt8の処理が実行された後、道路種別判定部14は、DSRC通信部11から入力された受信信号に基づいて、ITSスポット通過判定部13から車両1がITSスポットの傍を通過したか否かを判定する(St9)。
道路種別判定部14は、ステップSt1においてETCゲート通過判定部12から車両1がETCゲートを通過した情報が入力されない場合には(St1,No)、DSRC通信部11から入力された受信信号に基づいて、ITSスポット通過判定部13から車両1がITSスポットの傍を通過したか否かを判定する(St9)。
道路種別判定部14は、ITSスポット通過判定部13から入力される車両1がITSスポットの傍を通過した情報(判定結果)と、エリア判定部16から入力されるエリアの判定結果とに基づいて(St9,Yes)、車両1が走行している道路の種別は高速道路であると判定し、ステップSt3の処理に移行する。道路種別判定部14は、この判定結果を警告速度設定部17に出力する。
一方、道路種別判定部14は、ステップSt9において車両1がITSスポットの傍を通過したことを示す信号を受信していない場合には(St9,No)、ITSスポットの傍を通過したことを示す信号を受信しない状態が所定距離以上続いているか否かを判定する(St10)。
道路種別判定部14は、ステップSt10においてITSスポットの傍を通過したことを示す信号を受信しない状態が所定距離以上続いている場合には(St10,Yes)、車両1が現在走行している道路の種別は一般道路であると判定し、ステップSt4の処理に移行する。道路種別判定部14は、この道路の種別の判定結果を警告速度設定部17に出力する。
一方、道路種別判定部14は、ステップSt10においてITSスポットの傍を通過したことを示す信号を受信しない状態が所定距離以上続いていない場合には(St10,No)、ステップSt1の処理に戻る。ステップSt1の処理に戻った後は、ETCゲート通過判定部12は、DSRC通信部11から入力された受信信号に基づいて、車両1がETCゲートを通過したか否かを判定する(St1)。
次に、図5A、図5Bおよび図5Cを参照して、エリア判定部16の判定結果に基づく道路種別判定部14の道路の種別の判定方法および道路の制限速度の判定方法について説明する。図5Aは、エリアデータの一例を示す図である。図5Bは、エリア判定データT1例を示す図の一例を示す図である。また、図5Cは、制限速度判定データT2例を示す図である。なお、図5Aにはエリアの例として、エリアCo1,Co2のそれぞれを示しているが、エリアは2つに限らない。また、図5Aに示すエリアCo1,Co2のそれぞれは高速道路を示すエリアであるが、エリアは高速道路だけでなく一般道路または私道等であってもよい。
図5Aに示すエリアCo1は都市高速道路を示すエリアである。また、エリアCo2は、他の高速道路を示すエリアである。図5Aに示すエリアCo1,Co2のそれぞれは、各高速道路における複数の緯度経度情報のそれぞれからなるエリアデータである。また、図5Aに示す座標(X,Y)は、Xは緯度情報を示し、Yは経度情報を示す。なお、エリアデータは、所定のエリアごとに区分したエリアCo1,Co2,…のそれぞれのエリア内に含まれる緯度情報および経度情報からなる座標のデータであり、道路に関する情報と道路に沿って配置される各種のノード(例えば、公園,住宅,街,企業,向上,店舗等)に関する情報とが集約された地図データとは異なる。また、図5Aには都市高速道路および他の高速道路のそれぞれを示すエリアのみを示しているが、エリアは高速道路だけでなく、一般道路を示すエリアであってもよい。
エリアCo1は、緯度経度情報が(X1,Y1)で示される座標Co11と、緯度経度情報が(X2,Y2)で示される座標Co12と、緯度経度情報が(X3,Y3)で示される座標Co13と、緯度経度情報が(X4,Y4)で示される座標Co14と、緯度経度情報が(X5,Y5)で示される座標Co15と、緯度経度情報が(X6,Y6)で示される座標Co16とを含むエリアデータを有する。なお、エリアCo1が有する座標の数および位置は図5Aに示すものに限らない。
エリアCo2は、緯度経度情報が(X7,Y7)で示される座標Co21を含むエリアデータを有する。なお、エリアCo2では説明を簡単にするために他の座標を省略している。
ここで、座標について説明する。座標Co11~Co16のそれぞれは、例えばエリア内の道路の所定距離ごとまたは道路の制限速度が変化する位置ごとに設定されてもよいし、他の高速道路または一般道路に接続される場所に設定されてもよい。
図5Bに示すエリア判定データT1は、緯度経度情報のそれぞれが位置するエリアを示すデータである。エリア判定部16は、受信した衛星測位信号に基づいて、車両1の走行位置を算出する。エリア判定部16は、算出された走行位置に基づく緯度経度情報から車両1が走行しているエリアを、エリア判定データT1を参照して判定する。
図5Cに示す制限速度判定データT2は、緯度経度情報ごとのエリアおよび制限速度を示すデータである。道路種別判定部14は、エリア判定部16の判定結果により取得する車両1の走行しているエリアに基づいて、車両1が走行している道路の種別およびその道路の制限速度を判定する。
座標Co11を例にして、道路種別判定部14およびエリア判定部16のそれぞれの処理を説明する。エリア判定部16は、図5Bに示すエリア判定データT1に基づいて、緯度経度情報が(X1,Y1)で示される座標Co11が位置するエリアをエリアCo1であると判定する。エリア判定部16は、エリアの判定結果を道路種別判定部14に出力する。道路種別判定部14は、エリア判定部16のエリアの判定結果と制限速度判定データT2とを参照して、エリアCo1の道路の種別とその道路の制限速度とを判定する。この時、道路種別判定部14は、エリアCo1の道路の種別は都市高速道路であり、この都市高速道路の制限速度は60km/hであると判定する。
また、座標Co21においても同様に、エリア判定部16は、エリア判定データT1を、道路種別判定部14は制限速度判定データT2をそれぞれ参照して、緯度経度情報が(X7,Y7)で示される座標Co21のエリア、道路の種別および道路の制限速度のそれぞれを判定する。この場合、エリア判定部16は、算出された緯度経度情報(X7,Y7)がエリアCo2に位置すると判定する。道路種別判定部14は、エリア判定部16によって判定されたエリアCo2の道路の種別が他の高速道路であって、この高速道路の制限速度は80km/hであると判定する。
図6は、道路種別ごとの制限速度データT3例の説明図である。図6に示す制限速度データT3は、一般道路、都市高速道路および他の高速道路のそれぞれに対する車種ごとの制限速度を示す。図6に示すように、同じ高速道路である都市高速道路と他の高速道路とは、車種ごとの制限速度がそれぞれ異なる。例えば、都市高速道路における大型貨物自動車と、中型貨物自動車と、三輪普通自動車と、牽引自動車と、大型特殊自動車とは制限速度が60km/hであるが、他の高速道路においては80km/hである。また、例えば上述した自動車以外は、都市高速道路においては60km/hであるが、他の高速道路においては100km/hである。
なお、図6には説明を簡単にするために代表的な制限速度を示しているが、メモリ20に記憶されたエリアデータおよび制限速度判定データT2のそれぞれには、例えば都市高速道路は道路の幅または片側車線の数に応じて異なる制限速度が識別可能に記憶されていてもよい。
一般道路についても同様に、図6には代表的な制限速度を示す。一般道路は、道路の環境(例えば、道路の幅または片側車線の数)に応じて制限速度は異なることがある。
以下、車載器CN1による安全運転支援例について、図7~図10のそれぞれを参照して説明する。なお、図7~図10のそれぞれに示す高速道路は、他の高速道路を示し、都市高速道路以外の他の高速道路として定義される。
図7は、インターチェンジにおける安全運転支援例の説明図である。図7において、車両1は、一般道路からETC入口ゲートG1を通過して高速道路を走行し、高速道路からETC出口ゲートG2を通過して一般道路を走行する様子を示す。また、図7に示す一般道路における制限速度はxkm/hであり、高速道路における制限速度はykm/hである。
シーンP1において、車両1は一般道路の制限速度を上回る走行速度で走行している。シーンP1において、車載器CN1は、車両1の走行速度が一般道路の制限速度を上回ったと判定する。車載器CN1は、車両1の走行速度が制限速度を上回ったことを示す「警告、速度超過です。」という警告情報Ar1を生成して、警告情報Ar1を音声出力する。これにより、車載器CN1は、車両1内のドライバーに車両1の走行速度が速度超過状態であることを警告して、安全運転を支援できる。
シーンP2において、車両1は一般道路からETC入口ゲートG1を通過した後、高速道路を走行しようとしている。シーンP2において、車載器CN1は、ETC入口ゲートG1からDSRCを用いた無線通信によりETC入口ゲートG1から車両1の通過信号を受信する。車載器CN1は、ETC入口ゲートG1から通過信号を受信すると、衛星測位信号に基づく車両1の走行位置に関する緯度経度情報を算出する。車載器CN1は、算出した緯度経度情報に基づいて、エリア判定データT1と制限速度判定データT2とのそれぞれから車両1が走行している高速道路の制限速度を判定する。なお、シーンP2において車載器CN1が実行する処理は、図4に示すステップSt2からステップSt8に移行する処理である。
車載器CN1は、車両1が走行している高速道路の判定結果に基づいて、道路の制限速度の変化を伝える「高速道路に乗りました。警告速度をyキロに変更します。」という警告情報Ar2を生成して、警告情報Ar2を音声出力する。これにより、車載器CN1は、車両1内のドライバーに現在走行している道路の制限速度が変化したことを警告して、安全運転を支援できる。
シーンP3において、車両1は高速道路の制限速度を上回る走行速度で走行している。シーンP3において、車載器CN1は、車両1の走行速度が高速道路の制限速度を上回ったと判定する。車載器CN1は、車両1の走行速度が制限速度を上回ったことを示す「警告、速度超過です。」という警告情報Ar3を生成して、警告情報Ar3を音声出力する。これにより、車載器CN1は、車両1内のドライバーに車両1の走行速度が速度超過状態であることを警告して、安全運転を支援できる。
シーンP4において、車両1は高速道路からETC出口ゲートG2を通過した後、一般道路を走行しようとしている。シーンP3において、車載器CN1は、ETC出口ゲートG2からDSRCを用いた無線通信によりETC出口ゲートG2から車両1の通過信号を受信する。車載器CN1は、ETC出口ゲートG2から通過信号を受信すると、衛星測位信号に基づく車両1の走行位置に関する緯度経度情報を算出する。車載器CN1は、算出した緯度経度情報に基づいて、エリア判定データT1と制限速度判定データT2とのそれぞれから車両1が走行している一般道路の制限速度を判定する。なお、シーンP4において車載器CN1が実行する処理は、図4に示すステップSt2からステップSt4に移行する処理である。
車載器CN1は、車両1が走行している一般道路の判定結果に基づいて、道路の制限速度の変化を伝える「一般道路に降りました。警告速度をxキロに変更します。」という警告情報Ar4を生成して、警告情報Ar4を音声出力する。これにより、車載器CN1は、車両1内のドライバーに現在走行している道路の制限速度が変化したことを警告して、安全運転を支援できる。
図8は、インターチェンジ(入口のみ)における安全運転支援例の説明図である。図8に示す高速道路または車両1が走行する経路には、ETC出口ゲートが設けられておらず、車両1はETC出口ゲートを通過しないまま高速道路から一般道路を走行する。また、図8に示す一般道路における制限速度はxkm/hであり、高速道路における制限速度はykm/hである。
シーンP5において、車両1は一般道路からETC入口ゲートG3を通過した後、道路の路側に複数のITSスポット(登録商標)R1,R2,R3,…,RNのそれぞれが設置された高速道路を走行している。シーンP5において、車載器CN1は、ETC入口ゲートG3からDSRCを用いた無線通信によりETC入口ゲートG3から車両1の通過信号を受信する。車載器CN1は、ETC入口ゲートG3から通過信号を受信すると、衛星測位信号に基づく車両1の走行位置に関する緯度経度情報を算出する。車載器CN1は、算出した緯度経度情報に基づいて、エリア判定データT1と制限速度判定データT2とのそれぞれから車両1が走行している高速道路の制限速度を判定する。なお、シーンP5において車載器CN1が実行する処理は、図4に示すステップSt2からステップSt3に移行する処理である。
車載器CN1は、車両1が走行している高速道路の判定結果に基づいて、道路の制限速度の変化を伝える「高速道路に乗りました。警告速度をyキロに変更します。」という警告情報Ar5を生成して、警告情報Ar5を音声出力する。これにより、車載器CN1は、車両1内のドライバーに現在走行している道路の制限速度が変化したことを警告して、安全運転を支援できる。
また、シーンP5において、車載器CN1は道路の路側に設置された複数のITSスポットR1~RNのそれぞれからDSRCを用いた無線通信により、車両1がITSスポットの傍を通過したことを示す通過信号を受信する。車載器CN1は、ITSスポットから通過信号を受信すると、衛星測位信号に基づく車両1の走行位置に関する緯度経度情報を算出する。車載器CN1は、算出した緯度経度情報に基づいて、エリア判定データT1と制限速度判定データT2とのそれぞれから車両1が走行している高速道路の制限速度を判定する。このとき、車載器CN1は、車両1が走行している道路の制限速度が変化した場合には、道路の制限速度の変化を伝える警告情報を生成して、車両1内のドライバーに対して警告情報を音声出力する。
シーンP6において、車両1はETCゲートを通過しないまま高速道路の走行を終えて、一般道路を走行している。シーンP6において、車載器CN1は、ITSスポットから通過信号を受信しない状態が所定距離以上続くか否かを判定する。シーンP6において、一般道路にはITSスポットがされていないため、車載器CN1は、ITSスポットから通過信号を受信しない状態が所定距離以上続くと、車両1が現在走行している道路の種別は一般道路であると判定する。なお、シーンP6において車載器CN1が実行する処理は、図4に示すステップSt10からステップSt4に移行する処理である。
車載器CN1は、判定結果に基づいて、高速道路から一般道路へと道路が変わったことによる道路の制限速度の変化を伝える「一般道路に降りた可能性があります。警告速度をxキロに変更します。」という警告情報Ar6を生成して、警告情報Ar6を音声出力する。これにより、車載器CN1は、車両1内のドライバーに現在走行している道路の制限速度が変化したことを警告して、安全運転を支援できる。
図9は、インターチェンジ(出口のみ)における安全運転支援例の説明図である。図9に示す高速道路または車両1が走行する経路には、ETC入口ゲートが設けられておらず、車両1はETC入口ゲートを通過しないまま一般道路から高速道路を走行する。また、図9に示す一般道路における制限速度はxkm/hであり、高速道路における制限速度はykm/hである。
シーンP7において、車両1は一般道路からETC入口ゲートを通過しないまま、道路の路側に複数のITSスポット(登録商標)R1,R2,R3,…,RNのそれぞれが設置された高速道路を走行している。シーンP7において、車載器CN1は、複数のITSスポットR1~RNのそれぞれからDSRCを用いた無線通信により、車両1がITSスポットR1の傍を通過したことを示す通過信号を受信する。車載器CN1は、ITSスポットR1から車両1の通過信号を受信すると、衛星測位信号に基づく車両1の走行位置に関する緯度経度情報を算出する。車載器CN1は、算出した緯度経度情報に基づいて、エリア判定データT1と制限速度判定データT2とのそれぞれから車両1が走行している高速道路の制限速度を判定する。なお、シーンP7において車載器CN1が実行する処理は、図4に示すステップSt9からステップSt3を経由して、ステップSt8に移行する処理である。
車載器CN1は、車両1が走行している高速道路の判定結果に基づいて、道路の制限速度の変化を伝える「高速道路に乗った可能性があります。警告速度をyキロに変更します。」という警告情報Ar7を生成して、警告情報Ar7を音声出力する。これにより、車載器CN1は、車両1内のドライバーに現在走行している道路の制限速度が変化したことを警告して、安全運転を支援できる。
シーンP8において、車両1は一般道路からETC出口ゲートG4を通過した後、一般道路を走行している。シーンP8において、車載器CN1は、ETC出口ゲートG4からDSRCを用いた無線通信によりETC出口ゲートG4から車両1の通過信号を受信する。車載器CN1は、ETC出口ゲートG4から通過信号を受信すると、衛星測位信号に基づく車両1の走行位置に関する緯度経度情報を算出する。車載器CN1は、算出した緯度経度情報に基づいて、エリア判定データT1と制限速度判定データT2とのそれぞれから車両1が走行している一般道路の制限速度を判定する。なお、シーンP8において車載器CN1が実行する処理は、図4に示すステップSt2からステップSt3に移行する処理である。
車載器CN1は、車両1が走行している高速道路の判定結果に基づいて、道路の制限速度の変化を伝える「高速道路に乗りました。警告速度をyキロに変更します。」という警告情報Ar8を生成して、警告情報Ar8を音声出力する。これにより、車載器CN1は、車両1内のドライバーに現在走行している道路の制限速度が変化したことを警告して、安全運転を支援できる。
図10は、異なる複数の高速道路間を走行する場合の安全運転支援例の説明図である。図10に示す高速道路には、ETC入口ゲートG5およびETC出口ゲートG6がそれぞれ設けられており、ETC出口ゲートG6の先には都市高速道路が続いている。一方、図10に示す都市高速道路には、ETC入口ゲートが設けられておらず、ITSスポット(登録商標)R1~RNのそれぞれが設置されている。車両1は、一般道路からETC入口ゲートG5を通過して高速道路を走行し、高速道路からETC出口ゲートG6を通過して都市高速道路を走行する。また、図10に示す一般道路における制限速度はxkm/h、高速道路における制限速度はykm/hであり、都市高速道路における制限速度はzkm/hである。
シーンP9において、車両1は一般道路を一般道路の制限速度を上回る走行速度で走行している。シーンP9において、車載器CN1は、車両1の走行速度が一般道路の制限速度を上回ったと判定する。車載器CN1は、車両1の走行速度が制限速度を上回ったことを示す「警告、速度超過です。」という警告情報Ar9を生成して、警告情報Ar9を音声出力する。これにより、車載器CN1は、車両1内のドライバーに車両1の走行速度が速度超過状態であることを警告して、安全運転を支援できる。
シーンP10において、車両1はETC入口ゲートG5を通過した後、高速道路を走行している。シーンP10において、車載器CN1は、ETC入口ゲートG5からDSRCを用いた無線通信によりETC入口ゲートG5から車両1の通過信号を受信する。車載器CN1は、ETC入口ゲートG5から通過信号を受信すると、衛星測位信号に基づく車両1の走行位置に関する緯度経度情報を算出する。車載器CN1は、算出した緯度経度情報に基づいて、エリア判定データT1と制限速度判定データT2とのそれぞれから車両1が走行している高速道路の制限速度を判定する。なお、シーンP10において車載器CN1が実行する処理は、図4に示すステップSt2からステップSt3を経由して、ステップSt8に移行するに移行する処理である。
車載器CN1は、車両1が走行している高速道路の制限速度に関する判定結果に基づいて、道路の制限速度の変化を伝える「高速道路に乗りました。警告速度をyキロに変更します。」という警告情報Ar10を生成して、警告情報Ar10を音声出力する。これにより、車載器CN1は、車両1内のドライバーに現在走行している道路の制限速度が変化したことを警告して、安全運転を支援できる。
シーンP11において、車両1は高速道路の制限速度を上回る走行速度で走行している。シーンP11において、車載器CN1は、車両1の走行速度が高速道路の制限速度を上回ったと判定する。車載器CN1は、車両1の走行速度が制限速度を上回ったことを示す「警告、速度超過です。」という警告情報Ar11を生成して、警告情報Ar11を音声出力する。これにより、車載器CN1は、車両1内のドライバーに車両1の走行速度が速度超過状態であることを警告して、安全運転を支援できる。
シーンP12において、車両1は高速道路からETC出口ゲートG6を通過した後、一般道路を走行しようとしている。シーンP12において、車載器CN1は、ETC出口ゲートG6からDSRCを用いた無線通信により、ETC出口ゲートG6から車両1の通過信号を受信する。車載器CN1は、ETC出口ゲートG6から通過信号を受信すると、衛星測位信号に基づく車両1の走行位置に関する緯度経度情報を算出する。車載器CN1は、算出した緯度経度情報に基づいて、エリア判定データT1と制限速度判定データT2とのそれぞれから車両1が走行している一般道路の制限速度を判定する。なお、シーンP12において車載器CN1が実行する処理は、図4に示すステップSt2からステップSt4に移行する処理である。
車載器CN1は、車両1が走行している一般道路の制限速度に関する判定結果に基づいて、道路の制限速度の変化を伝える「一般道路に乗りました。警告速度をxキロに変更します。」という警告情報Ar12を生成して、警告情報Ar12を音声出力する。これにより、車載器CN1は、車両1内のドライバーに現在走行している道路の制限速度が変化したことを警告して、安全運転を支援できる。
シーンP13において、車両1はETCゲートを通過しないまま高速道路の走行を終えて、都市高速道路を走行している。シーンP12において車載器CN1は図4に示すステップSt2の処理を実行したため、シーンP13における車載器CN1は、車両1が現在一般道路を走行していると判定しており、道路の制限速度を一般道路に固有の制限速度に設定している。
シーンP13において、車載器CN1は、都市高速道路の路側に設置されたITSスポットR1から車両1がITSスポットR1の傍を通過したことを示す通過信号を受信する。このとき、車載器CN1は、図4に示すステップSt9の処理に基づいて、車両1が走行している道路の種別を高速道路と判定する。さらに、車載器CN1は、図4に示すステップSt6の処理に移行する。車載器CN1は、衛星測位信号に基づく車両1の走行位置に関する緯度経度情報を算出する。車載器CN1は、算出した緯度経度情報に基づいて、エリア判定データT1と制限速度判定データT2とのそれぞれから車両1が走行している道路を都市高速道路と判定し、都市高速道路の制限速度を判定する。なお、シーンP13において車載器CN1が実行する処理は、図4に示すステップSt9からステップSt3を経由して、ステップSt7に移行するに移行する処理である。
車載器CN1は、車両1が走行している都市高速道路の制限速度に関する判定結果に基づいて、道路の制限速度の変化を伝える「高速道路に乗った可能性があります。警告速度をzキロに変更します。」という警告情報Ar13を生成して、警告情報Ar13を音声出力する。これにより、車載器CN1は、車両1内のドライバーに現在走行している道路の制限速度が変化したことを警告して、安全運転を支援できる。
以上により、実施の形態1に係る車載器CN1は、ETCゲートおよび路側機の一例としての複数のITSスポットR1~RNのそれぞれから道路情報信号を受信する第1の通信部の一例としてのDSRC通信部11と、人工衛星から衛星測位信号を受信する第2の通信部の一例としてのGPS受信部15と、受信された道路情報信号に基づいて、車両が走行している道路の道路種別を判定し、受信された衛星測位信号に基づいて、車両の走行位置および走行速度を検出する道路判定部および検出部の一例としての道路種別判定部14と、判定された道路種別と検出された車両の走行位置とに基づいて、道路の制限速度を設定する警告速度設定部17と、設定された道路の制限速度に基づいて、道路の制限速度に関する警告情報を生成する警告生成部19と、生成された警告情報を出力する出力部30と、を備える。
これにより、実施の形態1に係る車載器CN1は、車両1内のドライバーに車両1が走行する道路の制限速度を適応的に報知して、安全運転を支援できる。
また、車載器CN1は、道路種別判定部14によって、ETCゲートから受信する道路情報信号に基づいて、車両がETCゲートを通過する前の道路種別と、ETCゲートを通過した後の道路種別とのそれぞれを判定することができる。これにより、車載器CN1は、車両1が一般道路から高速道路、あるいは高速道路から一般道路へと制限速度が異なる道路を走行している可能性があることを検知でき、また車両1が走行している道路の制限速度をより適応的に判定および報知することができる。
また、車載器CN1は、道路種別判定部14によって、判定された道路種別が高速道路である場合には、車両の走行位置に基づく緯度経度情報に応じて、高速道路の種別を判定する。さらに、車載器CN1は、警告速度設定部17によって、判定された高速道路の種別の判定結果に基づいて、制限速度を設定する。これにより、車載器CN1は、高速道路の種別ごとに異なる制限速度をそれぞれ判定して設定することができるため、車両1が走行している道路の制限速度をより適応的に判定および報知することができる。
また、車載器CN1は、道路種別判定部14によって、車両1の走行中の道路種別が一般道路と判定した後に、ITSスポットR1~RNのそれぞれのうちいずれかのITSスポットから道路情報信号を受信した場合には、車両1の走行中の道路種別を高速道路と判定する。これにより、車載器CN1は、車両1が出口用のETCゲートを通過してそのまま別の高速道路を走行する場合であっても、車両1が走行している高速道路を判定することができる。したがって、車載器CN1は、高速道路の種別ごとに異なる制限速度をそれぞれ判定して設定することができるため、車両1が走行している道路の制限速度をより適応的に判定および報知することができる。
また、車載器CN1は、道路種別判定部14によって、道路情報信号を受信しない時間が所定時間を超えた場合には、道路種別を一般道路と判定する。これにより、車載器CN1は、車両1が出口用のETCゲートを通過せずに高速道路から一般道路を走行した場合であっても、信号を受信しない時間に基づいて車両1が一般道路を走行していることを判定し、その一般道路に定められた制限速度を設定することができる。したがって、車載器CN1は、車両1が走行している道路の制限速度をより適応的に判定および報知することができる。
また、車載器CN1は、道路種別判定部14によって、道路情報信号を受信しない状態で車両1の走行距離が所定距離を超えて走行した場合には、道路種別を一般道路と判定する。これにより、車載器CN1は、車両1が出口用のETCゲートを通過せずに高速道路から一般道路を走行した場合であっても、車両1の走行距離に基づいて車両1が一般道路を走行していることを判定し、その一般道路に定められた制限速度を設定することができる。したがって、車載器CN1は、車両1が走行している道路の制限速度をより適応的に判定および報知することができる。
また、車載器CN1は、道路種別判定部14によって、車両1の走行位置に応じた緯度経度情報および道路種別に基づいて道路の制限速度を判定する。これにより、車載器CN1は、道路種別の異なる複数の道路が密集している場所であっても、道路種別をより確実に判定し、判定した道路の制限速度を判定して設定することができる。したがって、車載器CN1は、車両1が走行している道路の制限速度をより適応的に判定および報知することができる。
また、車載器CN1は、警告生成部19によって、車両1の走行速度が道路の制限速度を上回ると、車両1の走行速度に関する警告情報を生成する。これにより、車載器CN1は、車両1が走行する道路の制限速度を車両1内のドライバーに適応的に報知して、安全運転を支援することができる。
以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。