JP4604521B2 - エネルギ吸収装置 - Google Patents

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Description

本発明は地震、風等の自然現象又は人工的な地殻変動によって建物に伝達される振動エネルギを吸収するエネルギ吸収装置に関する。
特許第3277604号公報
この種のエネルギ吸収装置としては、特許文献1に記載されているようなものが知られており、これに記載のエネルギ吸収装置は、鉛を収容したシリンダと、このシリンダ内に配される凹所を有したロッドとを具備し、ロッドのシリンダに対する相対的な移動で生じる凹所の開口の仮想剪断面での鉛の剪断変形により、地震、風等の自然現象に起因して建物に伝達される振動エネルギを吸収するようになっている。斯かるエネルギ吸収装置では、鉛の塑性流動を生じさせるシリンダ内圧が抵抗力として主として用いられていないため、鉛の封入度合はロッドの移動の抵抗特性にそれほど影響を与えず、シリンダ内に鉛が密に封入、封止されていなくても所望の特性を得ることができる結果、鉛をシリンダ内に密に封入、封止する必要はないが、いずれにしてもシリンダの両端を閉塞して鉛をシリンダ内に保持する必要がある。
またより確実な凹所の開口の仮想剪断面での鉛の剪断変形を得て鉛の再結晶を確実に得るためには、鉛をシリンダ内に密に封入、封止するのが好ましいのであるが、特許文献1に実施例として記載されている限りのエネルギ吸収装置では、ロッドとシリンダとの間の隙間については何らの考慮が払われていなく、鉛をシリンダ内に密に封入、封止した場合において鉛の塑性流動又は温度上昇で鉛に内圧が生じると、ロッドとシリンダとの間の隙間から鉛が漏出する虞がある。
加えて、特許文献1に記載のエネルギ吸収装置では、ロッドのシリンダに対する軸方向の相対移動においてはロッドはシリンダの両端の貫通孔面を摺動するのであるが、この摺動抵抗が大きすぎると、建物等の原点復帰機能が阻害される上に、凹所の開口の仮想剪断面での鉛の剪断変形による本来的な振動エネルギ吸収作用が得られ難くなる。
また建物の振動はロッドの軸方向成分のみに限らずそれに直交する直交方向成分も存在するために、通常、ロッド及びシリンダは玉継手等を介して建物若しくは基礎又は建物梁(桁)若しくは建物柱に連結されるのであるが、斯かる玉継手等を用いる場合でも、建物の振動においてロッドが摺動するシリンダの両端の貫通孔面には軸方向成分に直交する直交方向成分の力が加わり、ロッド表面又は貫通孔面に傷又は摩耗を生じさせる虞があり、傷又は摩耗が大きくなると鉛の漏出を招来することとなる。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、鉛を含む塑性体、粘性体又は粘弾性体をシリンダ内に保持できてその漏出をも確実に回避できる上に、建物等の原点復帰機能を阻害しないのみならず原点復帰機能を補助でき、加えて、ロッドのシリンダに対する相対的な多少の揺動(軸方向に直交する方向の変位)を許容するエネルギ吸収装置を提供することにある。
本発明の第一の態様のエネルギ吸収装置は、シリンダと、このシリンダに対して軸方向に相対移動自在に配されているロッドと、シリンダの内周面及びロッドの外周面のうちの少なくとも一方に形成された凹所及び膨出部のうちの少なくとも一方と、軸方向において凹所及び膨出部のうちの少なくとも一方を間にして配されており且つ夫々が外周面ではシリンダの内周面に固着されていると共に内周面ではロッドの外周面に固着された一対の弾性変形自在部材と、一対の弾性変形自在部材間であってシリンダ及びロッド間の空間に充填された塑性体、粘性体又は粘弾性体とを具備しており、ここで、ロッドは、一対の弾性変形自在部材の軸方向の弾性剪断変形によりシリンダに対する軸方向の相対的移動が許容される一方、一対の弾性変形自在部材の軸方向に直交する方向の弾性伸縮変形によりシリンダに対する軸方向に直交する方向の相対的移動が許容されるように、一対の弾性変形自在部材を介してシリンダに支持されている。
第一の態様のエネルギ吸収装置によれば、外周面ではシリンダの内周面に固着されていると共に内周面ではロッドの外周面に固着された一対の弾性変形自在部材間であってシリンダ及びロッド間の空間に塑性体、粘性体又は粘弾性体が充填されているために、一対の弾性変形自在部材によりシリンダ内に塑性体、粘性体又は粘弾性体を保持できる上に、塑性体、粘性体又は粘弾性体の空間からの漏出を阻止、回避でき、しかも、一対の弾性変形自在部材の軸方向の弾性剪断変形によりシリンダに対するロッドの軸方向の相対的移動が許容されるように一対の弾性変形自在部材を介してシリンダにロッドが支持されているために、建物等の原点復帰機能を阻害しないのみならず原点復帰機能を補助できる上に、ロッドのシリンダに対する軸方向の相対的移動においてロッドとシリンダとの摺動をなくし得る結果、摺動に伴う傷又は摩耗の発生をなくし得、加えて、一対の弾性変形自在部材の軸方向に直交する方向の弾性伸縮変形によりシリンダに対するロッドの軸方向に直交する方向の相対的移動が許容されるように一対の弾性変形自在部材を介してシリンダにロッドが支持されているために、ロッドのシリンダに対する相対的な多少の揺動を許容できる結果、ロッド表面又は貫通孔面の傷又は摩耗に起因する不都合を全く生じなくし得る。
少なくとも一方の弾性変形自在部材は、好ましい例では本発明の第二の態様のエネルギ吸収装置のように、円筒状の弾性部材を具備しており、この弾性部材の外周面でシリンダの内周面に固着されていると共に弾性部材の内周面でロッドの外周面に固着されており、この場合、弾性部材は、好ましくは本発明の第三の態様のエネルギ吸収装置のように、その外周面でシリンダの内周面に加硫接着により直接に固着されていると共に弾性部材の内周面でロッドの外周面に加硫接着により直接に固着されており、第二又は第三の態様のエネルギ吸収装置の場合、少なくとも一方の弾性変形自在部材は、本発明の第四の態様のエネルギ吸収装置のように、弾性部材の軸方向における環状の端面と塑性体、粘性体又は粘弾性体との間に介在されていると共に弾性部材の弾性率よりも大きな弾性率を有した環状の弾性板を具備しており、この場合、この環状の弾性板は、その外周面でシリンダの内周面に固着されていると共にその内周面でロッドの外周面に固着されているとよい。
また、少なくとも一方の弾性変形自在部材は、他の好ましい例では本発明の第五の態様のエネルギ吸収装置のように、円筒状の外周側の弾性部材と、円筒状の内周側の弾性部材と、外周側の弾性部材と内周側の弾性部材との間に介在された円筒状の剛性部材とを径方向において積層した積層体を具備しており、最外周側の弾性部材の外周面でシリンダの内周面に固着されていると共に最内周側の弾性部材の内周面でロッドの外周面に固着されており、第五の態様のエネルギ吸収装置でも、少なくとも一方の弾性変形自在部材は、本発明の第六の態様のエネルギ吸収装置のように、積層体の軸方向における環状の端面と塑性体、粘性体又は粘弾性体との間に介在されていると共に弾性部材の弾性率よりも大きな弾性率を有した環状の弾性板を具備しているとよく、この場合も、この環状の弾性板は、その外周面でシリンダの内周面に固着されていると共にその内周面でロッドの外周面に固着されているとよい。
環状の弾性板は、本発明の第七の態様のエネルギ吸収装置のように、その外周面でシリンダの内周面に加硫接着により直接に固着されていると共にその内周面でロッドの外周面に加硫接着により直接に固着されているとよい。
本発明における凹所及び膨出部のうちの少なくとも一方は、本発明の第八の態様のエネルギ吸収装置のように、ロッドを取り巻く方向に環状に伸びていても、本発明の第九の態様のエネルギ吸収装置のように、ロッドの移動自在方向に直交する垂直側壁によって規定されていても、本発明の第十の態様のエネルギ吸収装置のように、ロッドの移動自在方向に斜交する斜側壁によって規定されていても、本発明の第十一の態様のエネルギ吸収装置のように、外方に向かうに従って徐々に幅又は径が大きくなっていても、本発明の第十二の態様のエネルギ吸収装置のように、外方に向かうに従って徐々に幅又は径が小さくなっていても、そして、本発明の第十三の態様のエネルギ吸収装置のように、複数個設けられていてもよい。
また、凹所の開口面で当該凹所を規定する壁は、本発明の第十四の態様のエネルギ吸収装置のように、テーパ付けされて滑らかに形成されていてもよく、膨出部の基部は、本発明の第十五の態様のエネルギ吸収装置のように、丸み付けされて滑らかに形成されていていてもよい。
塑性体は、好ましい例では本発明の第十六の態様のエネルギ吸収装置のように、鉛からなるが、鉛の他、錫、亜鉛、アルミニウム、銅又は鉛−錫合金若しくは亜鉛−アルミニウム−銅合金等の鉛合金からなっていてもよく、鉛の場合でも、純粋鉛に限らずにその他の物質との混合物であってもよい。粘性体としては、シリコーン系の粘性体が好ましく、粘弾性体としては、好ましくはエポキシ系高分子材料、シリコーン系高分子材料、アスファルト材料を挙げることができる。
本発明では凹所及び膨出部のうちの少なくとも一方がシリンダの内周面及びロッドの外周面のうちの少なくとも一方に形成されていればよいのであるが、シリンダに対するロッドの軸方向の相対移動において、凹所の場合には、凹所の開口面における塑性体、粘性体又は粘弾性体に対する仮想剪断面において塑性体、粘性体又は粘弾性体に剪断変形を生じさせ、この塑性体、粘性体又は粘弾性体の剪断変形でロッドの軸方向移動のエネルギを吸収するようにし、膨出部の場合、空間の塑性体、粘性体又は粘弾性体に塑性流動を生じさせる程度の体積を有してシリンダの内周面及びロッドの外周面のうちの少なくとも一方に形成し、斯かる塑性流動により建物に伝達される又は建物に生じる振動エネルギを吸収するようにするとよい。
本発明では弾性変形自在部材は、シリンダの内周面及びロッドの外周面に直接に固着されている必要はなく、例えばシリンダの内周面と弾性変形自在部材の外周面との間及びロッドの外周面と弾性変形自在部材の内周面との間の夫々に介在部材を配置して斯かる介在部材を介して弾性変形自在部材をシリンダの内周面及びロッドの外周面に固着してもよく、弾性変形自在部材としては、天然ゴム又は合成ゴムを代表例として挙げることができ、斯かるゴムが高減衰ゴムであってもよい。また本発明において、弾性変形自在部材のシリンダの内周面及びロッドの外周面への固着は、上記のように加硫接着により行うのが好ましいのであるが、接着剤を用いて行ってもよい。
本発明によれば、鉛を含む塑性体、粘性体又は粘弾性体をシリンダ内に保持できてその漏出をも確実に回避できる上に、建物等の原点復帰機能を阻害しないのみならず原点復帰機能を補助でき、加えて、ロッドのシリンダに対する相対的な多少の揺動を許容するエネルギ吸収装置を提供することができる。
以下本発明を、図に示す好ましい具体例に基づいてさらに詳述する。なお、本発明はこれら具体例に何等限定されないのである。
図1及び図2において、本例のエネルギ吸収装置1は、円筒状のシリンダ2と、シリンダ2に対して軸方向Xに相対移動自在に配されている円柱状のロッド3と、シリンダ2の円筒状の内周面4及びロッド3の円筒状の外周面5のうちの少なくとも一方、本例ではロッド3の円筒状の外周面5に形成された凹所及び膨出部のうちの少なくとも一方、本例では凹所6と、軸方向Xにおいて凹所6を間にして配されており且つ夫々が円筒状の外周面7ではシリンダ2の内周面4に固着されていると共に内周面8ではロッド3の外周面5に固着された天然ゴム製であって円筒状の一対の弾性変形自在部材9及び10と、一対の弾性変形自在部材9及び10間であってシリンダ2及びロッド3間の空間11に密に充填された塑性体としての鉛12とを具備している。
ロッド3は、円筒状の小径外周面15を有した円柱状の小径部16と、小径部16を間にして小径部16に一体に形成されていると共に小径部16よりも大径の外周面5を有した円柱状の一対の大径部17及び18と、一方の大径部17に一体に形成されていると共に外周面にねじが切られたねじ部19とを具備している。
凹所6は、小径部16の小径外周面15と、ロッド3の移動自在方向、即ち軸方向Xに直交する垂直側壁を構成する大径部17及び18の夫々の環状の端面21及び22とによって規定されていると共にロッド3を取り巻く方向に環状に伸びる環状凹所として形成されている。端面21及び22を軸方向Xに対して傾斜させてこの傾斜させた端面21及び22でもって軸方向Xに斜交する斜側壁を構成してもよく、斯かる斜側壁で規定された凹所6の場合には、斜側壁の軸方向Xに対する傾斜方向(斜交方向)をいずれかにすることによって、外方に向かうに従って徐々に軸方向Xの凹所6の幅が大きくなるようにしてもよく、これとは反対に外方に向かうに従って徐々に軸方向Xの凹所6の幅が小さくなるようにしてもよい。
凹所6としては、本例に示すような環状凹所に代えて又はこれと共に外方に向かうに従って徐々に径が大きく又は小さくなる例えば円形穴若しくは楕円穴又は外方に向かうに従って徐々に幅が大きく又は小さくなる例えば矩形穴であってもよい。
また仮想剪断面となる凹所6の環状の開口面23で当該凹所6を規定する壁である端面21及び22をテーパ付けして滑らかに形成してもよく、いずれの凹所6も一個に限らず複数個設けてもよい。
弾性変形自在部材9及び10の夫々は、天然ゴム製の円筒状の弾性部材25を具備しており、一方の弾性部材25は、その外周面7でシリンダ2の内周面4に加硫接着により直接に固着されていると共にその内周面8でロッド3の大径部17の外周面5に加硫接着により直接に固着されており、他方の弾性部材25は、その外周面7でシリンダ2の内周面4に加硫接着により直接に固着されていると共にその内周面8でロッド3の大径部18の外周面5に加硫接着により直接に固着されており、而して、弾性変形自在部材9は、対応の弾性部材25の外周面7でシリンダ2の内周面4に固着されていると共に対応の弾性部材25の内周面8でロッド3の対応の大径部17の外周面5に固着されており、弾性変形自在部材10は、対応の弾性部材25の外周面7でシリンダ2の内周面4に固着されていると共に対応の弾性部材25の内周面8でロッド3の対応の大径部18の外周面5に固着されており、こうして夫々弾性部材25からなる一対の弾性変形自在部材9及び10は空間11を規定して鉛12を空間11に保持している。
以上のエネルギ吸収装置1では、例えばシリンダ2がシリンダ2に溶接又はボルトにより固定された連結部材及び球面継手を介して基礎又は建物柱に連結され、ロッド3がねじ部19及び球面継手を介して建物又は建物梁に連結されて、建物に生じる振動エネルギを吸収するように動作する。即ち、地震等により建物又は建物梁に対して基礎又は建物柱が軸方向Xに相対的に振動されると、シリンダ2に対してロッド3もまた相対的に軸方向Xに振動され、こうしてロッド3が移動されると、シリンダ2内に配された鉛12が凹所6にも延在されているため、凹所6の開口面23において鉛12に対する仮想剪断面が形成され、この仮想剪断面において鉛12に剪断変形が生じ、鉛12の剪断変形でロッド3の軸方向Xの移動のエネルギは吸収され、吸収されたエネルギの一部は直ちに熱として放出され、残りは剪断変形された鉛12に蓄えられてそれの回復、再結晶に寄与する。そして仮想剪断面における鉛12からの剪断抵抗力がロッド3の軸方向Xの移動に抗する抵抗力として主として現れることとなる。
エネルギ吸収装置1では、シリンダ2に対するロッド3の相対的な軸方向Xの振動において、夫々弾性部材25からなる一対の弾性変形自在部材9及び10は、図3に示すように軸方向Xに弾性剪断変形される結果、ロッド3の相対的な軸方向Xの振動においても空間11を規定して鉛12を空間11に保持する。
またエネルギ吸収装置1では、シリンダ2に対してロッド3に相対的に軸方向Xに直交する方向Yの力が加わると、例えば図4に示すように弾性変形自在部材9及び10の夫々の弾性部材25がその径方向(軸方向Xに直交する方向Y)において伸縮し、ロッド3がシリンダ2に対して相対的に軸方向Xに直交する方向Yに変位、換言すれば、ロッド3の軸心がシリンダ2の中心軸に対して斜交する。
このように本エネルギ吸収装置1においては、ロッド3は、一対の弾性変形自在部材9及び10の夫々の弾性部材25の軸方向Xの弾性剪断変形によりシリンダ2に対する軸方向Xの相対的移動が許容される一方、一対の弾性変形自在部材9及び10の夫々の弾性部材25の軸方向Xに直交する方向Yの弾性伸縮変形によりシリンダ2に対する軸方向Xに直交する方向Yの相対的移動(揺動)が許容されるように、一対の弾性変形自在部材9及び10の夫々の弾性部材25を介してシリンダ2に支持されている。
而して、エネルギ吸収装置1によれば、外周面7ではシリンダ2の内周面4に固着されていると共に内周面8では大径部17及び18の夫々の外周面5に固着された一対の弾性部材25間であってシリンダ2及びロッド3間の空間11に鉛12が充填されているために、一対の弾性変形自在部材9及び10の夫々の弾性部材25によりシリンダ2内に鉛12を保持できる上に、鉛12の空間11からの漏出を阻止、回避でき、しかも、一対の弾性部材25の軸方向Xの弾性剪断変形によりシリンダ2に対するロッド3の軸方向Xの相対的移動が許容されるように一対の弾性部材25を介してシリンダ2にロッド3が支持されているために、建物等の原点復帰機能を阻害しないのみならず原点復帰機能を補助できる上に、ロッド3のシリンダ2に対する軸方向Xの相対的移動においてロッド3とシリンダ2との摺動をなくし得る結果、摺動に伴う傷又は摩耗の発生をなくし得、加えて、一対の弾性部材25の軸方向Xに直交する方向Yの弾性伸縮変形によりシリンダ2に対する軸方向Xに直交する方向Yのロッド3の相対的移動が許容されるように一対の弾性部材25を介してシリンダ2にロッド3が支持されているために、ロッド3のシリンダ2に対する相対的な多少の揺動を許容できる結果、ロッド3表面又は貫通孔面の傷又は摩耗に起因する不都合を全く生じなくし得る。
ところで、上記のエネルギ吸収装置1では、弾性変形自在部材9及び10の夫々を弾性部材25をもって構成したが、これに代えて、図5に示すように、天然ゴム製の円筒状の外周側の弾性部材31と、同じく天然ゴム製の円筒状の内周側の弾性部材32と、外周側の弾性部材31と内周側の弾性部材32との間に介在された鋼製の円筒状の剛性部材33とを径方向において積層した積層体34をもって弾性変形自在部材9及び10の夫々を構成してもよく、この場合、弾性変形自在部材9及び10の夫々は、最外周側の弾性部材31の外周面35でシリンダ2の内周面4に加硫接着により固着されていると共に最内周側の弾性部材32の内周面36でロッド3の大径部17及び18の夫々の外周面5に加硫接着により固着されており、剛性部材33は、その円筒状の外周面37で弾性部材31の円筒状の内周面38に、その円筒状の内周面39で弾性部材32の円筒状の外周面40に夫々加硫接着により固着されている。
図5に示すエネルギ吸収装置1でも、シリンダ2が連結部材及び球面継手を介して基礎又は建物柱に固定され、ロッド3がねじ部19及び球面継手を介して建物又は建物梁に連結されて、建物に生じる振動エネルギを凹所6の開口面23における鉛12の剪断変形で吸収するように動作し、シリンダ2に対するロッド3の相対的な軸方向Xの振動において、夫々積層体34からなる一対の弾性変形自在部材9及び10は軸方向Xに弾性剪断変形される結果、ロッド3の相対的な軸方向Xの振動においても空間11を規定して鉛12を空間11に保持し、しかも、シリンダ2に対してロッド3に相対的に軸方向Xに直交する方向Yの力が加わっても弾性変形自在部材9及び10の夫々の積層体34が方向Yにおいて伸縮してロッド3のシリンダ2に対する相対的な方向Yの変位を許容する。
図5に示す例では、積層体34は弾性部材31及び32並びに剛性部材33の三層からなっているが、より多層の積層体34でもって弾性変形自在部材9及び10を構成してもよい。
上記のエネルギ吸収装置1では、例えば弾性変形自在部材9及び10の夫々の弾性部材25の軸方向Xにおける端面51と空間11の鉛12とを直接的に接触させたが、これに代えて図7に示すように各弾性部材25の軸方向Xにおける端面51を環状の弾性板52でもって空間11の鉛12から隔離して鉛12と直接的に接触させないようにしてもよい。即ち、図7に示す弾性変形自在部材9及び10の夫々は、弾性部材25に加えて、弾性部材25の軸方向Xにおける環状の端面51と鉛12との間に介在されていると共に弾性部材25の弾性率よりも大きな弾性率、例えば弾性部材25の弾性率がG8の場合にはG14の弾性率を有した環状の弾性板52を具備しており、この場合、環状の各弾性板52は、その環状の外周面53でシリンダ2の内周面4に加硫接着により直接に固着されていると共にその内周面54でロッド3の大径部17及び18の夫々の外周面5に加硫接着により直接に固着されている上に、軸方向Xにおけるその環状の端面55で弾性部材25の端面51に加硫接着により直接に固着されていてもよい。
図7に示すエネルギ吸収装置1によれば、弾性率の大きな弾性板52により各弾性部材25の端面51を覆うために、鉛12の各弾性部材25への食い込みを阻止でき、各弾性部材25の端面55での損傷を防止できる。
上記のいずれの例も、ロッド3の外周面5に凹所6を形成したエネルギ吸収装置1であるが、凹所6に代えて又は凹所6に加えて例えば図8に示すようにロッド3の外周面5に膨出部61を形成したエネルギ吸収装置1であってもよい。ロッド3を取り巻く方向に環状に伸びている膨出部61は、シリンダ2に対するロッド3の相対的な軸方向Xの振動において弾性部材25の剪断変形に拘わらず空間11の鉛12に軸方向Xの塑性流動を生じさせる程度の体積を有し、膨出部61の基部62は丸み付けされて滑らかに形成されているとよく、斯かる膨出部61を具備した図8に示すエネルギ吸収装置1では、シリンダ2に対するロッド3の相対的な軸方向Xの振動における鉛12の塑性変形及び塑性流動で振動エネルギが吸収される。
本発明の好ましい一具体例の断面図である。 図1に示すII−II線矢視断面図である。 図1に示す例の動作説明図である。 図1に示す例の動作説明図である。 本発明の他の好ましい具体例の断面図である。 図5に示すVI−VI線矢視断面図である。 本発明の更に他の好ましい具体例の断面図である。 本発明の更に他の好ましい具体例の断面図である。
符号の説明
1 エネルギ吸収装置
2 シリンダ
3 ロッド
4、8 内周面
5、7 外周面
6 凹所
9、10 弾性変形自在部材
11 空間
12 鉛

Claims (2)

  1. シリンダと、このシリンダに対して軸方向に相対移動自在に配されているロッドと、ロッドの外周面に形成された一つの凹所と、軸方向において凹所を間にして配されており且つ夫々が外周面ではシリンダの内周面に固着されていると共に内周面ではロッドの外周面に固着された一対の弾性変形自在部材と、一対の弾性変形自在部材間であってシリンダ及びロッド間の空間に充填された塑性体、粘性体又は粘弾性体とを具備しており、ロッドは、一対の弾性変形自在部材の軸方向の弾性剪断変形によりシリンダに対する軸方向の相対的移動が許容される一方、一対の弾性変形自在部材の軸方向に直交する方向の弾性伸縮変形によりシリンダに対する軸方向に直交する方向の相対的移動が許容されるように、一対の弾性変形自在部材を介してシリンダに支持されており、凹所はロッドを取り巻く方向に環状に伸びていると共にロッドの移動自在方向に直交する垂直側壁によって規定されており、少なくとも一方の弾性変形自在部材は、天然ゴム製の単一の円筒状の弾性部材と、この弾性部材の軸方向における環状の端面と塑性体、粘性体又は粘弾性体との間に介在されていると共に弾性部材の弾性率よりも大きな弾性率を有した環状の弾性板とを具備しており、弾性部材及び環状の弾性板は、夫々の外周面でシリンダの内周面に加硫接着により直接に固着されていると共に夫々の内周面でロッドの外周面に加硫接着により直接に固着されているエネルギ吸収装置。
  2. 塑性体は鉛からなる請求項1に記載のエネルギ吸収装置。
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