JP2004028129A - 貫通孔を有する積層ゴム構造体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貫通孔に鉛プラグを挿入する時の挿入抵抗を低減して内周保護層の損傷を防止し、また、前記貫通孔の内周保護層の厚さ精度を向上して内部鋼板の位置精度を向上させて免震、支承機能に優れた積層ゴム構造体を提供する。
【解決手段】ゴム弾性体層4と内部鋼板3とが上下方向に交互に積層され、かつ、ゴム弾性体層4によって内部鋼板3が被覆一体化されたゴム鋼板積層体11と、上連結板1と、下連結板2とを備えた積層ゴム構造体10であって、この積層ゴム構造体10は上下方向に貫通する貫通孔5を有し、貫通孔5の内周面を被覆する内周保護層6として、短繊維を混入したゴム状弾性体を使用している。
【選択図】 図1
【解決手段】ゴム弾性体層4と内部鋼板3とが上下方向に交互に積層され、かつ、ゴム弾性体層4によって内部鋼板3が被覆一体化されたゴム鋼板積層体11と、上連結板1と、下連結板2とを備えた積層ゴム構造体10であって、この積層ゴム構造体10は上下方向に貫通する貫通孔5を有し、貫通孔5の内周面を被覆する内周保護層6として、短繊維を混入したゴム状弾性体を使用している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は免震構造物の免震装置に使用される免震ゴム、または、道路、橋梁等に使用される支承ゴムとして好適に用いられ、鉛プラグを挿入する貫通孔を有する積層ゴム構造体とその製造方法に関する。なお、この積層ゴム構造体は、建物等の上部構造物と基礎など下部構造物との間に取り付けられ、地震動や交通振動などに関わる振動障害を低減するために、上下の連結鋼板の間に内部鋼板とゴム弾性体層とを交互に積層している。
【0002】
【従来の技術】
このような従来の建物の免震装置などに使用される免震ゴム、橋梁などに使用される支承ゴム等では、鉛プラグを嵌挿するため積層ゴム構造体の中央部に貫通孔を設けることが多い(複数の貫通孔を設けることもある)。まず、貫通孔を有する積層ゴム構造体を作成し、この貫通孔に鉛プラグを嵌挿して免震ゴムなどを形成するが、この鉛プラグ入り積層ゴム構造体では次のような問題があった。
【0003】
鉛プラグ入りの免震ゴム等はその性能を発揮するために、鉛プラグは積層ゴム構造体の貫通孔に密着するように嵌め込まれる必要がある。そのため従来の積層ゴム構造体の貫通孔に鉛プラグを挿入するときには、貫通孔に内周面と鉛プラグとの摩擦力が大きく、特に、鉛プラグが細長い場合等では、鉛プラグが座屈したり「ちぎれ」を生じることがある。更に、鉛プラグを強く押し込むと貫通孔の内周面を傷つけることがあり、鉛プラグと積層ゴム構造体の貫通孔の内周面との密着性を低下させ、免震性能を低下する恐れがある。
【0004】
この問題を解決するために、▲1▼特開平11−201227号公報には、中心孔(貫通孔)の内径を一方側より他方側に至るに従って漸減するテーパ形状とし、この中心孔形状に対応して、一方側から他方側に外径が漸減するテーパ形状の鉛プラグを前記中心孔に嵌挿することが記載されている。スムーズに挿入され強く嵌め合わされる。
【0005】
また、前記鉛プラグ入り積層ゴム構造体の改良型として、▲2▼特開平8−82012号公報には、中心孔に嵌挿された円柱状の鉛プラグを上下方向より強く加圧して上下端部を楔形に変形させて、三次元の免震性能を出そうとするものが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の記載より、免震ゴム等として用いられる鉛プラグ入り積層ゴム構造体では、中心孔(貫通孔ともいう)の内周部、詳しくは、ゴム弾性体層の貫通孔に面する内周端部と内部鋼板の内周端部とを被覆するゴム弾性体層(内周保護層ともいう)に、鉛プラグを密着させると共に、鉛プラグを貫通孔にスムーズに挿入することが、免震ゴム、支承ゴムなどの機能を十分に発揮させるために非常に重要であることが明らかである。
【0007】
上記従来の技術▲1▼に記載の積層ゴム構造体では、中心孔と鉛プラグとを対応させてテーパ状に形成することは高度な技術が必要であり、従来の技術▲2▼に記載の積層ゴム構造体では、鉛プラグを上下より強く加圧するので、内周保護層のゴム弾性体層の内周端部に相当する部分で水平方向(ゴム鋼板積層体の外周方向)に押し拡げられることがあり、これを抑えるために、挟みプレートをゴム弾性体層に介在させることが必要になる問題がある。
【0008】
更に、内周保護層については、鉛プラグを嵌挿する前の積層ゴム構造体についても、次のことが、性能低下の不安要素として挙げられる。
【0009】
▲1▼ 積層ゴム構造体の内部に挟み込んだ内部鋼板の位置精度(上下に重ねられた内部鋼板の水平方向の位置精度)が悪い場合には、前記内周保護層の被覆厚さにバラツキを生じ、被覆厚さの薄い部分が、加硫金型からの脱型する時に破損する恐れがある。積層ゴム構造体を加硫するとき貫通孔部分に鉛プラグの形状に対応するダミーを挿入し、加硫後これを抜き取るからである。
【0010】
▲2▼ 積層ゴム構造体を加硫する時に、内部鋼板の位置のバラツキや、加熱・加圧のバラツキにより未加硫ゴムの流れが不均一になり、貫通孔の内周部にゴム状弾性体が被覆されず内部鋼板の内側端部が露出することがある。
【0011】
▲3▼ 積層ゴム構造体のゴム弾性体層の層厚が厚い場合には、加硫条件によって、加硫後の収縮が大きくなり、かつ、この収縮が前記ゴム弾性体層の内周部分に発生すれば、ゴム弾性体層に内周側から外周側に向けて半円形に窪み部が発生し、積層ゴム構造体としてのばね常数がバラツクことがある(ゴム弾性体層の収縮が内部鋼板の収縮より大きいためと考えられる)。
【0012】
特に、支承ゴムについては、使用する未加硫のゴム弾性体が一般に粘度が高く、前記▲1▼、▲2▼の不安要素が強く見られる。
【0013】
本発明の積層ゴム構造体は、前記の課題を解決するために、前記内周保護層と鉛プラグとの摩擦抵抗を減少させて内周保護層の変形を抑え、また、貫通孔の内周面に厚さの均一な内周保護層を形成した積層ゴム構造体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために本発明の積層ゴム構造体は、ゴム弾性体層と内部鋼板とが上下方向に交互に積層され、かつ、前記ゴム弾性体層によって前記内部鋼板が被覆一体化されたゴム鋼板積層体と、このゴム鋼板積層体の上面と上部構造物とを連結する上連結板と、前記ゴム鋼板積層体の下面と下部構造物とを連結する下連結板とを設けた積層ゴム構造体であって、この積層ゴム構造体の上下方向に貫通する貫通孔を有する積層ゴム構造体において、前記貫通孔の内周面を被覆する内周保護層として、短繊維を混入したゴム状弾性体を使用していることを特徴とする。
【0015】
この短繊維としてはナイロン繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、天然繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維などであって長さが0.1〜8.0mm、太さ1〜20d(デニール)のものが用いられ、一般にゴム組成物に混入して使用されるものであればよい。なお、ゴムとの接着性を改善するために、RFL処理を行うことが好ましい。
【0016】
この短繊維を混入したゴム状弾性体は、鉛プラグとの摩擦抵抗が小さく、また、引き裂きに強く、伸びが小さいので、内部鋼板の貫通孔に面する内周面(内周保護層を設ける面)の様に局部的に強い引裂き力や延伸力が掛かる部位に用いることにより、鉛プラグの挿入などによる摩擦力は低減され、また、引き伸ばされても、亀裂、擦り傷などが生じ難い。
【0017】
また、短繊維の高い抗張力により、内周保護層に高い弾性率を確保することができ、鉛プラグの圧入の際に、ゴム弾性体層の部分においても窪みを生じない。
【0018】
請求項2に記載の積層ゴム構造体は、前記内周保護層の短繊維の混合量が原料ゴム100重量部に対して1〜10重量部であることを特徴とする。
【0019】
内周保護層として用いる短繊維を混入するゴム状弾性体としては、ゴム弾性体層に用いられるゴム状弾性体と同じでも良い。このゴム状弾性体の原料ゴム100重量部に対して短繊維の配合量が1重量部未満であれば、摩擦力の低減効果が少なく、また、剛性が低く引き裂きに対する抵抗力が弱い。10重量部を超えると、短繊維がゴム組成物に十分に分散できず、圧延加工によりゴムシートを成形するとき、短繊維の固まりなどによりシート表面に凹凸を生じて所定寸法のゴムシートが得られない。
【0020】
請求項3に記載の積層ゴム構造体は、前記内周保護層の厚さが0.3〜1.0mmであることを特徴とする。0.3mm未満であれば、加硫中のゴムの流動によって内周保護層を破壊してゴム弾性体層が貫通孔の内周表面に露出することがあり、このため内部鋼板の位置決め効果が不十分となり、かつ、内周保護層の剛性が低くなって内部鋼板を保護する効果を充分に発揮することができなくなる。1.0mmを超えるとゴム弾性体シートや内部鋼板の貫通孔に挿入することが難しくなる。
【0021】
請求項4に記載の積層ゴム構造体の製造方法は、ゴム弾性体層と内部鋼板とが上下方向に交互に積層され、かつ、前記ゴム弾性体層によって前記内部鋼板が被覆一体化されたゴム鋼板積層体と、このゴム鋼板積層体の上面と上部構造物とを連結する上連結鋼板と、前記ゴム鋼板積層体の下面と下部構造物とを連結する下連結鋼板とを備えて、上下方向に貫通する貫通孔を有する積層ゴム構造体の製造方法であって、
前記貫通孔の内側形状に対応する外側面形状を有するダミープラグを鉛直に支持し、前記下連結鋼板をこの貫通孔を前記ダミープラグの下端部に嵌挿して水平に支持して、前記ダミープラグの外周面に未加硫の内周保護用ゴムシートを巻き付け、つづけて前記下連結鋼板の上面に、所定の位置に貫通孔を有する未加硫のゴム弾性体層と内部鋼板とを交互に積層して未加硫のゴム鋼板積層体を形成した後、この未加硫のゴム鋼板積層体の上面に前記上連結板を重ね合わせて加圧、加熱して加硫することを特徴とする。
【0022】
この製造方法はゴム鋼板積層体の内周保護層の厚さを均一にすることを主な狙いとするものであって、まず、貫通孔の形状に対応する形状を有するダミープラグを、例えば作業台の上に鉛直に支持する。このダミープラグの下端部に下連結鋼板の貫通孔を嵌挿して下連結鋼板を水平に支持する。つづいて前記ダミープラグの外周面に未加硫の内周保護用ゴムシートを巻き付ける。このゴムシートは薄いゴムシートであるが、広い空間で巻付け作業ができるので容易に均一に巻き付けることができる。ゴムシートをダミープラグに直接巻き付けるので、加硫時にゴム弾性体層のゴムの流れが少なく、内部鋼板の位置が安定する。更に前記一方の連結鋼板の上面に、所定の位置に貫通孔を有する未加硫のゴム弾性体層と内部鋼板とを交互に積層して未加硫のゴム鋼板積層体を形成する。内周保護などの貫通孔を前記ダミープラグに嵌挿することにより容易に位置決めができる。この未加硫のゴム鋼板積層体の上面に上連結鋼板を重ね合わせて、金型を組み込み、加硫プレスにより加圧、加熱して加硫する。加硫後は金型とダミープラグを取り外し、貫通孔に鉛プラグを嵌挿して免震ゴム等として使用される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る積層ゴム構造体について実施の形態を図面を参考にして説明する。
【0024】
本発明に係る積層ゴム構造体は図1に断面図で示すように、図示しない下部構造物(橋脚、基礎構造など)に連結される下連結板2の上面に、ゴム弾性体層4と内部鋼板3とが上下方向に交互に積層され、かつゴム弾性体層4によって内部鋼板3が被覆一体化されたゴム鋼板積層体11と、このゴム鋼板積層体11の上面に図示しない上部構造物(橋桁、建造物など)と連結される上連結板1を設けている積層ゴム構造体10に関する。
【0025】
この積層ゴム構造体10は、その中央部を上下方向に貫通する貫通孔5を有し、この貫通孔5を形成する内部鋼板3とゴム弾性体層4との内周面(貫通孔5に面する面)もゴム状弾性体に被覆されている。この内周面を被覆するゴム状弾性体の部分を内周保護層(内周保護層6)ともいう。実施例1では、この内周保護層6を構成するゴム状弾性体として、短繊維を混入したゴム状弾性体を使用する。
【0026】
〔実施例1〕
前記上連結板1と下連結板2とは共に円板状であって、材料はSS400を使用し、寸法は外径=1000mmで、内径=110mmの貫通孔を中央部に形成し、厚さ=27mmのものを用いた。内部鋼板3は、材質としてSPCCを使用し、寸法は外径=600mmで内径=110mmの貫通孔を中央部に形成し、厚さ=2.5mmのものを49枚使用した。
【0027】
ゴム弾性体層4は、材料として天然ゴムを主体として、静的剪断弾性率が0.42MPaであるゴム弾性体を用いた。寸法は厚さ=約4mm、外径=1015mmの円板状のゴムシートに成形され、中央部に内径=115mmの貫通孔を形成している。ゴム弾性体層4を内部鋼板3と交互に50層を積層してゴム鋼板積層体11とした。
【0028】
また、内周保護層6は、上記ゴム弾性体層4と同じゴム状弾性体100重量部に、繊維長1mmのナイロン繊維を5重量部を混合し、厚さ0.3mmのシート状に成形され、貫通孔5の内周面を覆う内周保護層6を形成している。なお、このナイロン繊維は太さ2dであって、RFL処理されている。
【0029】
この積層ゴム構造体10は、次の手順で成形された(図1参照)。
【0030】
まず、図示しない作業台にダミープラグを貫通孔5の位置に立設して、このダミープラグの下端部に下連結鋼板2を嵌挿する。ダミープラグの外周面に未加硫の内周保護用ゴムシート内部保護層6の位置に巻き付ける。つづけて下連結鋼板2の上面に、所定の位置に貫通孔を有する所定枚数の未加硫のゴム弾性体4と内部鋼板3とを交互に積層して未加硫のゴム鋼板積層体11を形成する。この未加硫のゴム鋼板積層体11(最上部はゴム弾性体4とする)の上面に上連結鋼板を重ね合わせて、図示しない金型を組み込み、図示しない加硫プレスにより加圧、加熱して加硫する。加硫後は金型とダミープラグとを取り外して加硫済みの積層ゴム構造体とする。
【0031】
〔比較例1〕
上連結鋼板1,下連結鋼板2,内部鋼板3は実施例1と同じものを使用し、ゴム弾性体層としては実施例1と同じゴム組成物を用いて厚さは内周保護層6を形成するに必要なゴム量を勘案して厚さ=4mm、外径=1015mm、内径=115mmとし、内周保護層として専用のゴムシートは使用していない。
【0032】
〔評価〕
実施例1と比較例1とを対比して、加硫後の貫通孔5の内周保護層6の表面状態と、鉛プラグ(図示せず)を貫通孔に挿入する困難さ(挿入抵抗ともいう)を評価した。
【0033】
加硫後の内周保護層の内周面の表面状態は、棒状体の先端に鏡と照明具とを取り付けて貫通孔に挿入し、上から下まで全周面を目視で観察し、更に、手を差し込んで手触り(触感)でゴム部分の厚さむらや、ゴム弾性体層部分の凹凸の程度を確認した。
【0034】
実施例1では、内周保護層6の内周面にはゴム弾性体層部分の窪みが少なく、かつ、内部鋼板の内周面に相当する位置のゴム厚さも均一であると認められた。比較例1では、内周保護層6の内周面にはゴム弾性体層部分の窪みが認められ、かつ、貫通孔の底部近くの内部鋼板の内周面に相当する位置で僅かなゴムを被覆されていない部分が認められた。
【0035】
鉛プラグを貫通孔5に挿入する挿入抵抗の評価は、加硫後の積層ゴム構造体の貫通孔5に、図示しない円柱状である鉛プラグを挿入して評価した。
【0036】
実施例1の挿入抵抗は、比較例1に比して少ない加重で、スムーズに挿入でき、内部鋼板の内周面の位置においても擦り傷の発生が認められなかったが、比較例1では内部鋼板の位置で傷入りが認められた。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明の積層ゴム構造体には、次のような効果がある。
【0038】
請求項1に記載の積層ゴム構造体では、積層ゴム構造体の内周保護層として短繊維を混入したゴム状弾性体を使用することにより、鉛プラグの挿入時の摩擦抵抗が低減され鉛プラグが座屈したり、内周保護層に傷を付けることがない。また、内周保護層の弾性率が増加されることにより、内周保護層のゴム弾性体層の部分が窪むことがなくなるとともに、内部鋼板の内周面の内周保護層の厚みの均一性が向上される。
【0039】
請求項2に記載の積層ゴム構造体では、内周保護層に短繊維を1〜10重量部配合することにより、内周保護層の剛性を向上すると共に鉛プラグの挿入時の抵抗を減少し、かつ、内周保護層の厚さ精度を低下させることがない。
【0040】
請求項3に記載の所定の厚さを有するゴム弾性体層では、内部鋼板のわずかな位置ずれにより内周保護層が破壊されることがなく、鉛プラグと内部鋼板との間の一体化が弱くなることもなく、鉛プラグの機能を十分に発揮できる。
【0041】
請求項4に記載の積層ゴム構造体の製造方法では、内周保護層に使用される短繊維入りのゴム状弾性体を予めシート状に成形して、未加硫のゴム鋼板積層体の貫通孔に装着されるダミープラグの外周面に貼り付けて成型するので、加圧、加熱によるゴムの流れは少なく、内部鋼板の位置や厚さの均一性は極めて向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層ゴム構造体の断面図である。
【符号の説明】
1:上連結板
2:下連結板
3:内部鋼板
4:ゴム状弾性体
5:貫通孔
6:内周保護層
10:積層ゴム構造体
11:ゴム鋼板積層体
【発明の属する技術分野】
この発明は免震構造物の免震装置に使用される免震ゴム、または、道路、橋梁等に使用される支承ゴムとして好適に用いられ、鉛プラグを挿入する貫通孔を有する積層ゴム構造体とその製造方法に関する。なお、この積層ゴム構造体は、建物等の上部構造物と基礎など下部構造物との間に取り付けられ、地震動や交通振動などに関わる振動障害を低減するために、上下の連結鋼板の間に内部鋼板とゴム弾性体層とを交互に積層している。
【0002】
【従来の技術】
このような従来の建物の免震装置などに使用される免震ゴム、橋梁などに使用される支承ゴム等では、鉛プラグを嵌挿するため積層ゴム構造体の中央部に貫通孔を設けることが多い(複数の貫通孔を設けることもある)。まず、貫通孔を有する積層ゴム構造体を作成し、この貫通孔に鉛プラグを嵌挿して免震ゴムなどを形成するが、この鉛プラグ入り積層ゴム構造体では次のような問題があった。
【0003】
鉛プラグ入りの免震ゴム等はその性能を発揮するために、鉛プラグは積層ゴム構造体の貫通孔に密着するように嵌め込まれる必要がある。そのため従来の積層ゴム構造体の貫通孔に鉛プラグを挿入するときには、貫通孔に内周面と鉛プラグとの摩擦力が大きく、特に、鉛プラグが細長い場合等では、鉛プラグが座屈したり「ちぎれ」を生じることがある。更に、鉛プラグを強く押し込むと貫通孔の内周面を傷つけることがあり、鉛プラグと積層ゴム構造体の貫通孔の内周面との密着性を低下させ、免震性能を低下する恐れがある。
【0004】
この問題を解決するために、▲1▼特開平11−201227号公報には、中心孔(貫通孔)の内径を一方側より他方側に至るに従って漸減するテーパ形状とし、この中心孔形状に対応して、一方側から他方側に外径が漸減するテーパ形状の鉛プラグを前記中心孔に嵌挿することが記載されている。スムーズに挿入され強く嵌め合わされる。
【0005】
また、前記鉛プラグ入り積層ゴム構造体の改良型として、▲2▼特開平8−82012号公報には、中心孔に嵌挿された円柱状の鉛プラグを上下方向より強く加圧して上下端部を楔形に変形させて、三次元の免震性能を出そうとするものが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の記載より、免震ゴム等として用いられる鉛プラグ入り積層ゴム構造体では、中心孔(貫通孔ともいう)の内周部、詳しくは、ゴム弾性体層の貫通孔に面する内周端部と内部鋼板の内周端部とを被覆するゴム弾性体層(内周保護層ともいう)に、鉛プラグを密着させると共に、鉛プラグを貫通孔にスムーズに挿入することが、免震ゴム、支承ゴムなどの機能を十分に発揮させるために非常に重要であることが明らかである。
【0007】
上記従来の技術▲1▼に記載の積層ゴム構造体では、中心孔と鉛プラグとを対応させてテーパ状に形成することは高度な技術が必要であり、従来の技術▲2▼に記載の積層ゴム構造体では、鉛プラグを上下より強く加圧するので、内周保護層のゴム弾性体層の内周端部に相当する部分で水平方向(ゴム鋼板積層体の外周方向)に押し拡げられることがあり、これを抑えるために、挟みプレートをゴム弾性体層に介在させることが必要になる問題がある。
【0008】
更に、内周保護層については、鉛プラグを嵌挿する前の積層ゴム構造体についても、次のことが、性能低下の不安要素として挙げられる。
【0009】
▲1▼ 積層ゴム構造体の内部に挟み込んだ内部鋼板の位置精度(上下に重ねられた内部鋼板の水平方向の位置精度)が悪い場合には、前記内周保護層の被覆厚さにバラツキを生じ、被覆厚さの薄い部分が、加硫金型からの脱型する時に破損する恐れがある。積層ゴム構造体を加硫するとき貫通孔部分に鉛プラグの形状に対応するダミーを挿入し、加硫後これを抜き取るからである。
【0010】
▲2▼ 積層ゴム構造体を加硫する時に、内部鋼板の位置のバラツキや、加熱・加圧のバラツキにより未加硫ゴムの流れが不均一になり、貫通孔の内周部にゴム状弾性体が被覆されず内部鋼板の内側端部が露出することがある。
【0011】
▲3▼ 積層ゴム構造体のゴム弾性体層の層厚が厚い場合には、加硫条件によって、加硫後の収縮が大きくなり、かつ、この収縮が前記ゴム弾性体層の内周部分に発生すれば、ゴム弾性体層に内周側から外周側に向けて半円形に窪み部が発生し、積層ゴム構造体としてのばね常数がバラツクことがある(ゴム弾性体層の収縮が内部鋼板の収縮より大きいためと考えられる)。
【0012】
特に、支承ゴムについては、使用する未加硫のゴム弾性体が一般に粘度が高く、前記▲1▼、▲2▼の不安要素が強く見られる。
【0013】
本発明の積層ゴム構造体は、前記の課題を解決するために、前記内周保護層と鉛プラグとの摩擦抵抗を減少させて内周保護層の変形を抑え、また、貫通孔の内周面に厚さの均一な内周保護層を形成した積層ゴム構造体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために本発明の積層ゴム構造体は、ゴム弾性体層と内部鋼板とが上下方向に交互に積層され、かつ、前記ゴム弾性体層によって前記内部鋼板が被覆一体化されたゴム鋼板積層体と、このゴム鋼板積層体の上面と上部構造物とを連結する上連結板と、前記ゴム鋼板積層体の下面と下部構造物とを連結する下連結板とを設けた積層ゴム構造体であって、この積層ゴム構造体の上下方向に貫通する貫通孔を有する積層ゴム構造体において、前記貫通孔の内周面を被覆する内周保護層として、短繊維を混入したゴム状弾性体を使用していることを特徴とする。
【0015】
この短繊維としてはナイロン繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、天然繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維などであって長さが0.1〜8.0mm、太さ1〜20d(デニール)のものが用いられ、一般にゴム組成物に混入して使用されるものであればよい。なお、ゴムとの接着性を改善するために、RFL処理を行うことが好ましい。
【0016】
この短繊維を混入したゴム状弾性体は、鉛プラグとの摩擦抵抗が小さく、また、引き裂きに強く、伸びが小さいので、内部鋼板の貫通孔に面する内周面(内周保護層を設ける面)の様に局部的に強い引裂き力や延伸力が掛かる部位に用いることにより、鉛プラグの挿入などによる摩擦力は低減され、また、引き伸ばされても、亀裂、擦り傷などが生じ難い。
【0017】
また、短繊維の高い抗張力により、内周保護層に高い弾性率を確保することができ、鉛プラグの圧入の際に、ゴム弾性体層の部分においても窪みを生じない。
【0018】
請求項2に記載の積層ゴム構造体は、前記内周保護層の短繊維の混合量が原料ゴム100重量部に対して1〜10重量部であることを特徴とする。
【0019】
内周保護層として用いる短繊維を混入するゴム状弾性体としては、ゴム弾性体層に用いられるゴム状弾性体と同じでも良い。このゴム状弾性体の原料ゴム100重量部に対して短繊維の配合量が1重量部未満であれば、摩擦力の低減効果が少なく、また、剛性が低く引き裂きに対する抵抗力が弱い。10重量部を超えると、短繊維がゴム組成物に十分に分散できず、圧延加工によりゴムシートを成形するとき、短繊維の固まりなどによりシート表面に凹凸を生じて所定寸法のゴムシートが得られない。
【0020】
請求項3に記載の積層ゴム構造体は、前記内周保護層の厚さが0.3〜1.0mmであることを特徴とする。0.3mm未満であれば、加硫中のゴムの流動によって内周保護層を破壊してゴム弾性体層が貫通孔の内周表面に露出することがあり、このため内部鋼板の位置決め効果が不十分となり、かつ、内周保護層の剛性が低くなって内部鋼板を保護する効果を充分に発揮することができなくなる。1.0mmを超えるとゴム弾性体シートや内部鋼板の貫通孔に挿入することが難しくなる。
【0021】
請求項4に記載の積層ゴム構造体の製造方法は、ゴム弾性体層と内部鋼板とが上下方向に交互に積層され、かつ、前記ゴム弾性体層によって前記内部鋼板が被覆一体化されたゴム鋼板積層体と、このゴム鋼板積層体の上面と上部構造物とを連結する上連結鋼板と、前記ゴム鋼板積層体の下面と下部構造物とを連結する下連結鋼板とを備えて、上下方向に貫通する貫通孔を有する積層ゴム構造体の製造方法であって、
前記貫通孔の内側形状に対応する外側面形状を有するダミープラグを鉛直に支持し、前記下連結鋼板をこの貫通孔を前記ダミープラグの下端部に嵌挿して水平に支持して、前記ダミープラグの外周面に未加硫の内周保護用ゴムシートを巻き付け、つづけて前記下連結鋼板の上面に、所定の位置に貫通孔を有する未加硫のゴム弾性体層と内部鋼板とを交互に積層して未加硫のゴム鋼板積層体を形成した後、この未加硫のゴム鋼板積層体の上面に前記上連結板を重ね合わせて加圧、加熱して加硫することを特徴とする。
【0022】
この製造方法はゴム鋼板積層体の内周保護層の厚さを均一にすることを主な狙いとするものであって、まず、貫通孔の形状に対応する形状を有するダミープラグを、例えば作業台の上に鉛直に支持する。このダミープラグの下端部に下連結鋼板の貫通孔を嵌挿して下連結鋼板を水平に支持する。つづいて前記ダミープラグの外周面に未加硫の内周保護用ゴムシートを巻き付ける。このゴムシートは薄いゴムシートであるが、広い空間で巻付け作業ができるので容易に均一に巻き付けることができる。ゴムシートをダミープラグに直接巻き付けるので、加硫時にゴム弾性体層のゴムの流れが少なく、内部鋼板の位置が安定する。更に前記一方の連結鋼板の上面に、所定の位置に貫通孔を有する未加硫のゴム弾性体層と内部鋼板とを交互に積層して未加硫のゴム鋼板積層体を形成する。内周保護などの貫通孔を前記ダミープラグに嵌挿することにより容易に位置決めができる。この未加硫のゴム鋼板積層体の上面に上連結鋼板を重ね合わせて、金型を組み込み、加硫プレスにより加圧、加熱して加硫する。加硫後は金型とダミープラグを取り外し、貫通孔に鉛プラグを嵌挿して免震ゴム等として使用される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る積層ゴム構造体について実施の形態を図面を参考にして説明する。
【0024】
本発明に係る積層ゴム構造体は図1に断面図で示すように、図示しない下部構造物(橋脚、基礎構造など)に連結される下連結板2の上面に、ゴム弾性体層4と内部鋼板3とが上下方向に交互に積層され、かつゴム弾性体層4によって内部鋼板3が被覆一体化されたゴム鋼板積層体11と、このゴム鋼板積層体11の上面に図示しない上部構造物(橋桁、建造物など)と連結される上連結板1を設けている積層ゴム構造体10に関する。
【0025】
この積層ゴム構造体10は、その中央部を上下方向に貫通する貫通孔5を有し、この貫通孔5を形成する内部鋼板3とゴム弾性体層4との内周面(貫通孔5に面する面)もゴム状弾性体に被覆されている。この内周面を被覆するゴム状弾性体の部分を内周保護層(内周保護層6)ともいう。実施例1では、この内周保護層6を構成するゴム状弾性体として、短繊維を混入したゴム状弾性体を使用する。
【0026】
〔実施例1〕
前記上連結板1と下連結板2とは共に円板状であって、材料はSS400を使用し、寸法は外径=1000mmで、内径=110mmの貫通孔を中央部に形成し、厚さ=27mmのものを用いた。内部鋼板3は、材質としてSPCCを使用し、寸法は外径=600mmで内径=110mmの貫通孔を中央部に形成し、厚さ=2.5mmのものを49枚使用した。
【0027】
ゴム弾性体層4は、材料として天然ゴムを主体として、静的剪断弾性率が0.42MPaであるゴム弾性体を用いた。寸法は厚さ=約4mm、外径=1015mmの円板状のゴムシートに成形され、中央部に内径=115mmの貫通孔を形成している。ゴム弾性体層4を内部鋼板3と交互に50層を積層してゴム鋼板積層体11とした。
【0028】
また、内周保護層6は、上記ゴム弾性体層4と同じゴム状弾性体100重量部に、繊維長1mmのナイロン繊維を5重量部を混合し、厚さ0.3mmのシート状に成形され、貫通孔5の内周面を覆う内周保護層6を形成している。なお、このナイロン繊維は太さ2dであって、RFL処理されている。
【0029】
この積層ゴム構造体10は、次の手順で成形された(図1参照)。
【0030】
まず、図示しない作業台にダミープラグを貫通孔5の位置に立設して、このダミープラグの下端部に下連結鋼板2を嵌挿する。ダミープラグの外周面に未加硫の内周保護用ゴムシート内部保護層6の位置に巻き付ける。つづけて下連結鋼板2の上面に、所定の位置に貫通孔を有する所定枚数の未加硫のゴム弾性体4と内部鋼板3とを交互に積層して未加硫のゴム鋼板積層体11を形成する。この未加硫のゴム鋼板積層体11(最上部はゴム弾性体4とする)の上面に上連結鋼板を重ね合わせて、図示しない金型を組み込み、図示しない加硫プレスにより加圧、加熱して加硫する。加硫後は金型とダミープラグとを取り外して加硫済みの積層ゴム構造体とする。
【0031】
〔比較例1〕
上連結鋼板1,下連結鋼板2,内部鋼板3は実施例1と同じものを使用し、ゴム弾性体層としては実施例1と同じゴム組成物を用いて厚さは内周保護層6を形成するに必要なゴム量を勘案して厚さ=4mm、外径=1015mm、内径=115mmとし、内周保護層として専用のゴムシートは使用していない。
【0032】
〔評価〕
実施例1と比較例1とを対比して、加硫後の貫通孔5の内周保護層6の表面状態と、鉛プラグ(図示せず)を貫通孔に挿入する困難さ(挿入抵抗ともいう)を評価した。
【0033】
加硫後の内周保護層の内周面の表面状態は、棒状体の先端に鏡と照明具とを取り付けて貫通孔に挿入し、上から下まで全周面を目視で観察し、更に、手を差し込んで手触り(触感)でゴム部分の厚さむらや、ゴム弾性体層部分の凹凸の程度を確認した。
【0034】
実施例1では、内周保護層6の内周面にはゴム弾性体層部分の窪みが少なく、かつ、内部鋼板の内周面に相当する位置のゴム厚さも均一であると認められた。比較例1では、内周保護層6の内周面にはゴム弾性体層部分の窪みが認められ、かつ、貫通孔の底部近くの内部鋼板の内周面に相当する位置で僅かなゴムを被覆されていない部分が認められた。
【0035】
鉛プラグを貫通孔5に挿入する挿入抵抗の評価は、加硫後の積層ゴム構造体の貫通孔5に、図示しない円柱状である鉛プラグを挿入して評価した。
【0036】
実施例1の挿入抵抗は、比較例1に比して少ない加重で、スムーズに挿入でき、内部鋼板の内周面の位置においても擦り傷の発生が認められなかったが、比較例1では内部鋼板の位置で傷入りが認められた。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明の積層ゴム構造体には、次のような効果がある。
【0038】
請求項1に記載の積層ゴム構造体では、積層ゴム構造体の内周保護層として短繊維を混入したゴム状弾性体を使用することにより、鉛プラグの挿入時の摩擦抵抗が低減され鉛プラグが座屈したり、内周保護層に傷を付けることがない。また、内周保護層の弾性率が増加されることにより、内周保護層のゴム弾性体層の部分が窪むことがなくなるとともに、内部鋼板の内周面の内周保護層の厚みの均一性が向上される。
【0039】
請求項2に記載の積層ゴム構造体では、内周保護層に短繊維を1〜10重量部配合することにより、内周保護層の剛性を向上すると共に鉛プラグの挿入時の抵抗を減少し、かつ、内周保護層の厚さ精度を低下させることがない。
【0040】
請求項3に記載の所定の厚さを有するゴム弾性体層では、内部鋼板のわずかな位置ずれにより内周保護層が破壊されることがなく、鉛プラグと内部鋼板との間の一体化が弱くなることもなく、鉛プラグの機能を十分に発揮できる。
【0041】
請求項4に記載の積層ゴム構造体の製造方法では、内周保護層に使用される短繊維入りのゴム状弾性体を予めシート状に成形して、未加硫のゴム鋼板積層体の貫通孔に装着されるダミープラグの外周面に貼り付けて成型するので、加圧、加熱によるゴムの流れは少なく、内部鋼板の位置や厚さの均一性は極めて向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層ゴム構造体の断面図である。
【符号の説明】
1:上連結板
2:下連結板
3:内部鋼板
4:ゴム状弾性体
5:貫通孔
6:内周保護層
10:積層ゴム構造体
11:ゴム鋼板積層体
Claims (4)
- ゴム弾性体層と内部鋼板とが上下方向に交互に積層され、かつ、前記ゴム弾性体層によって前記内部鋼板が被覆一体化されたゴム鋼板積層体と、このゴム鋼板積層体の上面と上部構造物とを連結する上連結板と、前記ゴム鋼板積層体の下面と下部構造物とを連結する下連結板とを設けた積層ゴム構造体であって、
この積層ゴム構造体は、上下方向に貫通する貫通孔を有し、この貫通孔の内周面を被覆する内周保護層として、短繊維を混入したゴム状弾性体を使用していることを特徴とする貫通孔を有する積層ゴム構造体。 - 前記内周保護層の短繊維の混合量が原料ゴム100重量部に対して1〜10重量部である請求項1に記載の貫通孔を有する積層ゴム構造体。
- 前記内周保護層の厚さが0.3〜1.0mmである請求項1または2に記載の貫通孔を有する積層ゴム構造体。
- ゴム弾性体層と内部鋼板とが上下方向に交互に積層され、かつ、前記ゴム弾性体層によって前記内部鋼板が被覆一体化されたゴム鋼板積層体と、このゴム鋼板積層体の上面と上部構造物とを連結する上連結鋼板と、前記ゴム鋼板積層体の下面と下部構造物とを連結する下連結鋼板とを備えて、上下方向に貫通する貫通孔を有する積層ゴム構造体の製造方法であって、
前記貫通孔の内側形状に対応する外側形状を有するダミープラグを鉛直に支持し、このダミープラグの下端部に前記下連結鋼板の貫通孔を嵌挿して、前記ダミープラグの外周面に未加硫の内周保護用ゴムシートを巻き付け、つづけて前記下連結鋼板の上面に、所定の位置に貫通孔を有する未加硫のゴム弾性体層と内部鋼板とを交互に積層して未加硫のゴム鋼板積層体を形成した後、この未加硫のゴム鋼板積層体の上面に前記上連結板を重ね合わせて加圧、加熱して加硫することを特徴とする貫通孔を有する積層ゴム構造体の製造方法。
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- 2002-06-21 JP JP2002181273A patent/JP2004028129A/ja active Pending
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