JPH09151988A - 免震構造体 - Google Patents

免震構造体

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JPH09151988A
JPH09151988A JP25689996A JP25689996A JPH09151988A JP H09151988 A JPH09151988 A JP H09151988A JP 25689996 A JP25689996 A JP 25689996A JP 25689996 A JP25689996 A JP 25689996A JP H09151988 A JPH09151988 A JP H09151988A
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JP
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seismic isolation
isolation structure
ring
plate
structure according
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JP25689996A
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Koji Kubo
孝治 久保
Isao Hagiwara
萩原  勲
Yoshihide Fukahori
美英 深堀
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、地震、交通振動に効果があり、且
つ通常時の風揺れなどにも影響されない免震構造体の耐
久性を向上させることが課題である。 【解決手段】上面板11と下面板14の間に剛性を有し
た硬質板3と粘弾性的性質を有した軟質板4とを、それ
ぞれ複数個、交互に積層した複合積層体の内部に該複合
積層体を貫通するように封入した柱状の塑性物6の外側
に保護リング7を積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は免震装置に係り、特に風
揺れ等の影響を受けやすい戸建住宅等の軽負荷用として
好適に用いられる免震装置に用いられる免震構造体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数個の鋼板等の剛性を有した硬
質板と、粘弾性的性質を有したゴム等の軟質板とを交互
に積層した免震構造体が、中層、低層のビルや橋梁等の
免震装置のゴム支承片として広く用いられている。この
ような免震構造体の軟質板を構成するゴム等の弾性体
は、下記のようなばね特性を有するように設計されるの
が一般である。即ち、ゴム等の弾性体の横ばね定数KH
、搭載質量をMとして、水平方向の固有振動数fH は
次の条件を満たすように設計する。 fH =(1/2π)√(KH /M)=0.5(Hz) この固有振動数fH は、建物や橋梁などの重量と、ゴム
などの弾性体の横ばね定数KH との比で決まるので、ビ
ルや橋梁など搭載重量Mの大きいものの免震装置の軟質
板を構成する弾性体はばね剛性の大きい材料、高弾性材
料が用いられることが一般的である。これを戸建住宅な
どの軽負荷のものにに適用すると、戸建住宅等は搭載重
量Mが小さいので、軟質板の材料はばね剛性の小さい、
低弾性のものが必要であった。このような免震装置は、
地震に対しては効果があるが、風揺れなどの影響を受け
てしまう。これらを防ぐために、免震構造体の積層部分
に鉛等の塑性物を併用したものが一般的に用いられてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような例えば鉛を
併用した免震構造体は、低歪みにおける高弾性及び高歪
みにおける低弾性と、高減衰性とを合わせ持つので、地
震や交通振動、風揺れなどに効果を発揮することができ
る。しかしながら、剪断歪み200%などという大きな
地震の場合は、もちろん免震の効果は発揮できるが、一
回大きな地震が起きると内部に用いた鉛が切断破壊され
てしまう恐れがあり、耐久性の点で問題があった。
【0004】本発明は、このような従来の技術に鑑みて
なされたものであり、免震装置をビルや橋梁等重量の大
きいものをのみを対象とするばかりでなく、特には戸建
住宅用等の軽重量物に応用展開を図った場合でも、高性
能で且つ耐久性の高い免震構造体を提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、免震構造体
の上下の面板の間に剛性を有した硬質板と粘弾性的性質
を有した軟質板とを、それぞれ複数個、交互に積層した
複合積層体を設け、該複合積層体の内部に、該複合積層
体を貫通する柱状の塑性物を封入した免震構造体の柱状
塑性物と該複合積層体との間に保護リングを積層するこ
とにより、上記のような問題点の解決を図った。
【発明の実施の形態】
【0006】本発明の免震構造体の軟質板に用いられる
材料としては、熱可塑ゴム、ウレタンゴム、各種の加硫
ゴム、未加硫ゴム、微架橋ゴム、プラスチックス等の有
機材料、これらの発泡体、アスファルト、粘土等の無機
材料、これらの混合材料など各種の物を用いることがで
きる。これらのものを単独で用いても良いが、内側部分
に高ダンピング材、外側部分にクリープ性能の良くかつ
柔らかい材料等と二種類以上を組み合わせて使用しても
良い。また、本発明における硬質板としては、金属、セ
ラミックス、プラスチックス、FRP、ポリウレタン、
木材、紙板、スレート板、化粧板等所要の剛性を有する
各種の材料を使用することが出来る。
【0007】本発明の免震装置に用いる免震構造体に耐
候性を付与するために免震構造体の外側を耐候性の優れ
た材料で被覆しても良い。この被服材料としては、例え
ば、ブチルゴム、アクリルゴム、ポリウレタン、シリコ
ンゴム、フっ素ゴム、多硫化ゴム、エチレンプロピレン
ゴム(ERP及びEPDM)、ハイパロン、塩素化ポリ
エチレン、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴム
などを用いることが出来る。これらの材料は単独でも二
種類以上をブレンドしても良い。また、天然ゴム、イソ
プレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴ
ム、ニトリルゴムなどとブレンドしても良い。
【0008】本発明に用いられる柱状の塑性物として
は、鉛、錫など塑性変形する金属や、高分子材料が用い
られる。中でも、鉛が好ましく用いられる。本発明に用
いられる保護リングは、柱状の塑性物に傷を与えないよ
うに、柱状の塑性物の材質より低弾性、且つ十分に柱状
の塑性物を拘束できる材料が好ましい。柱状の塑性物の
材質の弾性率をE0 、保護リングの材質の弾性率をEと
したとき、 E/E0 ≦1 好ましくは、 E/E0 ≦0.7 更に好ましくは、 E/E0 ≦0.3 である。例え
ば、柱状の塑性物に鉛を用いた場合は、鉛の弾性率は、 E0 =1.45×105 Kgf/cm2 であって、保護リングにジアリルフタレートを用いた場
合の弾性率は、E=1.1×105 Kgf/cm2
なり、E/E0 =0.76 となる。又、保護リングに
ガラス繊維補強(30%)の66ナイロンを用いた場合
の弾性率は、 E=8.5×104 Kgf/cm2
なり、E/E0 =0.59 となる。又、保護リングに
66ナイロンを用いた場合の弾性率は、E=2.9×1
4 Kgf/cm2 となり、E/E0 =0.2 とな
る。
【0009】本発明に用いる保護リングの材料は、金
属、セラミック、高分子化合物、ガラス繊維、カーボン
繊維、金属繊維から選択される強化繊維により補強され
た高分子化合物をコーティングした金属板から選択して
用いられ、特に高分子材料が好ましい。高分子材料とし
ては、熱可塑性プラスチックや熱硬化性プラスチックが
好ましく用いられる。例えば熱可塑性プラスチックとし
て、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、ガラス繊維強化ポリスチレン、
ポリ−P−キシレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリレー
ト、ポリメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、フッ素系プラスチック、ポリアクリロニト
リル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエ
ーテル、ポリカーボネイト、熱可塑性ポリエステル、ジ
エン系プラスチック、ポリウレタン系プラスチック、芳
香族ポリアミド、ポリフェニレン、シリコーンなどを用
いることができる。これらのプラスチックは単体で用い
ても又は、可塑剤や充填剤、ガラス繊維やカーボン繊維
などの補強材を混合して用いても良い。又、これらのプ
ラスチックを単独で用いても、複数の種類を複合して用
いても良い。
【0010】また、塑性物及び保護リング積層体を封入
する圧力は、面圧5 Kgf/cm2以上150 Kgf/cm2以下で
実施される。好ましくは、面圧10 Kgf/cm2以上 15
0Kgf/cm2以下、更に好ましくは、面圧10 Kgf/cm2
上60 Kgf/cm2以下で好適に用いられる。面圧5 Kgf/c
m2未満では保護リングを押える力が不足して鉛など塑性
物の剪断変形が正常に行われず、十分な減衰性能が得難
い。また、面圧150 Kgf/cm2を越えると中央の保護リ
ングの部分のみが圧縮され、反対に周辺部は垂直方向に
引き延ばされるという不自然な変形が生じ、免震性能に
影響を与える虞がでてくることになり、150 Kgf/cm2
が実用の限度である。
【0011】この塑性物及び保護リング積層体の押込み
力は、塑性物及び保護リング積層体の上部に設けられた
ネジ山を有するフタのネジの締めつけトルクを調整する
ことによってコントロールすることができる。即ち、上
面板にネジ切り、そこに適合するネジ山を有するフタを
設けて、そのネジの締めつけトルクを一定にすることに
より塑性物及び保護リング積層体に加わる封入力を一定
になるように調整するものである。ネジの大きさは、保
護リング積層体と同じかあるいはそれ以下の直径を有す
るものが好ましい。
【0012】本発明の免震構造体は、特に面圧150 K
gf/cm2以下、更には面圧100 Kgf/cm2、更には面圧5
0 Kgf/cm2以下、更に好ましくは面圧30 Kgf/cm2以下
の軽負荷用免震構造体として好適に用いられる。
【0013】本発明の複合積層体に柱状の塑性物として
用いられる鉛、錫などの金属の大きさは、横断面積が、
複合積層体の横断面積の0.04%以上、25%以下で
用いられる。好ましくは、0.16%以上、9%以下、
更には0.3以上、4%以下である。鉛、錫などの塑性
物に保護リングを配置した積層体の大きさは、0.1≦
(DOUT /D)≦0.8であり、好ましくは、0.1≦
(DOUT /D)≦0.5であり、更に好ましくは0.1
≦(DOUT /D)≦0.3である。
【0014】本発明の構成は、免震構造体の上下の面板
の間に剛性を有した硬質板と粘弾性的性質を有した軟質
板とを、それぞれ複数個、交互に積層した複合積層体を
設け、該複合積層体の内部に、該複合積層体を貫通する
柱状の塑性物を封入し、更に該柱状塑性物の外側に保護
リングを積層するものである。地震時などには、この保
護リングは免震構造体の剪断変形に合わせて移動し、鉛
に喰い込む。その時の喰い込み量が柱状の塑性物の直径
L の25%を越えると柱状の塑性物に対するダメージ
が大きく、,柱状の塑性物が切断してしまう。好ましい
喰い込み量は柱状の塑性物の直径DL の25%以内、好
ましくは15%以内、更に好ましくは10%以内であ
る。よって、そのような喰い込み量となるように保護リ
ングの厚さを設計することが好ましい。剪断歪み200
%の地震の場合、変形するのは軟質板であるので軟質板
の総厚さをhとしたとき、2hずれることになる。よっ
て、保護リング1枚あたりのずれは、積層する保護リン
グの枚数をk、複合積層体の高さをHとしたとき、2h
/k となり、これが柱状の塑性物の直径DL の25%
以下であることが望ましい。すなわち (2h/k)≦0.25DL このとき、 H=ktリングであるので、
(2h/(H/tリング ))≦0.25DLとなる。よっ
て、保護リングの厚さtリング が、 tリング ≦0.25DL H/2h 好ましくは、 tリング ≦0.15DL H/2h 更に好ましくは、 tリング ≦0.10DL H/2hと
なることが望ましい。
【0015】この保護リングの幅((DOUT −DIN)/
2 DOUT :外径、DIN:内径)は、免震構造体が剪断
変形した時にも、上下に隣り合う保護リングが必ず重な
り合う部分を持たねばならない。そのためには、 (DOUT −DIN)/2tリング ≧2 好ましくは、 (DOUT −DIN)/2tリング ≧3 更に好ましくは、 (DOUT −DIN)/2tリング ≧7
である。使用する保護リングの厚さtリング が、複合
積層体の軟質板の1枚の厚さより小さく、又保護リング
の幅も小さいと、地震時のように大きく剪断変形したと
き、保護リングが複合積層体の軟質板の中に飛び出して
しまう場合がある。
【0016】保護リングの飛び出しを防ぐためには、保
護リングのすぐ外側の複合積層体の軟質板の部分にスぺ
ーサーを設けることが好ましい。本発明に用いられるス
ペーサーは、ステンレスなどの金属あるいは高弾性の高
分子材料が好ましい。このスペーサーの厚さtS は、複
合積層体の硬質板と硬質板の間に設けられるので、複合
積層体の軟質板1枚の厚さtR と同じ厚さ以下が好まし
い。即ち、 tR ≧mtS (m=1〜10) が好ましい。スペーサーは、1枚でも十分に機能する
が、好ましくは2枚以上、更に好ましくは5枚以上用い
る。又、スペーサーの幅は、 (DSOUT−DSIN )/2mtS ≧2 好ましくは、 (DSOUT−DSIN )/2mtS ≧3 更に好ましくは、(DSOUT−DSIN )/2mtS ≧5
である。
【0017】また、保護リングの飛び出しを防ぐため
に、保護リングと複合積層体の間に高硬度のゴム保護層
を設けても良い。高硬度のゴム保護層としては、JIS
A硬度60°以上のものが好ましい。更に好ましくは、
JISA硬度80°以上の加硫ゴムである。このゴム保
護層の厚さWは、 W≧tリング 好ましくは、 W≧2tリング である。このように
本発明の免震構造体により、通常時の風揺れ、交通振
動、さらには地震時にも免震の効果を発揮することがで
きる耐久性に優れた免震構造体を得ることができた。
【0018】
【実施例】以下に本発明を図面を参照して実施例につい
て具体的に説明する。表1に実施例と比較例の条件と試
験結果をまとめて示している。
【表1】
【0019】
【実施例1】図1は本発明の実施例1に係る免震構造体
1の断面図を示している。複合積層体2として、硬質板
3(内部鋼板)(外径250mmΦ、内径46mmΦ、
厚さ1.6mm)を30枚、軟質板4(50%モジュラ
ス2.7Kgf/cm、引張り強度90Kgf/cm
、破断時の伸びが760%のゴム材料を用い厚さ
2.5mmで平面形状は硬質板と同様)を31枚(総ゴ
ム厚78mm) 交互に積層して用いた。複合積層体2
の中空部に、鉛の棒(外径20mm、高さ148mm、
99.99%純度の鉛製)を充填し、その周囲に保護リ
ング7(外径46mΦ、内径20mm、厚さ1.5mm
のナイロン板(6,6ナイロン製)を97層積層した。
この複合積層体2の周囲を外皮ゴム5で被覆した。鉛の
棒6は約0.7tonf/cm2 の圧力で押し込み、鉛
の棒6と積層した保護リング7の上に外径46mm、厚
さ5mmの鋼板(押え板)10を配置した。また、フラ
ンジ11の中央部に設けた凹部にM30のネジを切った
鋼板9を配置してボルトで固定し、この鋼板9からM3
0の押込ボルト8で締め付けトルク400Kgf−cm
でボルト8を押し込んで押え板10を固定した。このと
きの締め付け力は、50Kgf/cm2 であった。この
ように、フランジ11に直接ネジを切らず、ネジを切っ
た鋼板9を別に作成してフランジ11に固定すれば、所
望の直径のネジを切った鋼板9を準備することにより、
単一のフランジ11に所望の直径の押込みボルト8を容
易に適用することができる。鉛の棒6の、鉛の弾性率E
0 は1.45×105 Kgf/cm2 であり、保護リン
グ7のナイロン板の6,6ナイロンの弾性率Eは、2.
9×104 Kgf/cm2 であるので、E/E0 =0.
2となる。この免震構造体に±200%(±156m
m)の剪断変形を15回繰り返して与えた後、免震構造
体を垂直方向に切断して、内部の状況を調べた。鉛の棒
6は切断されていない。
【0020】
【実施例2】図2は本発明の実施例2に係る免震構造体
21の断面図を示している。複合積層体2として、硬質
板3(内部鋼板)(外径250mmΦ、内径46mm
Φ、厚さ1.6mm)を30枚、軟質板4(50%モジ
ュラス2.7Kgf/cm2、引張り強度90Kgf/cm2 、破断
時の伸びが760%のゴム材料を用い厚さ2.5mmで
外径250mm、内径66mm)を31枚(総ゴム厚7
8mm)交互に積層して用いた。複合積層体2の中空部
に、実施例1と同様に鉛の棒6(外径20mm、高さ1
48mm、99.99%純度の鉛製)を充填し、その周
囲に保護リング7(外径46mΦ、内径20mm、厚さ
1.5mmのナイロン板(6,6ナイロン製)を97層
積層した。さらにスペーサー13として、外径66m
m、内径46mm、厚さ0.5mmのステンレス板5枚
を、複合積層体2の硬質板3と硬質板3との間で保護リ
ング7のすぐ外側に設置した。この複合積層体2の周囲
を外皮ゴム5で被覆した。鉛の棒6は約0.7tonf
/cm2 の圧力で押し込み、鉛の棒6と積層した保護リ
ング7の上に外径46mm、厚さ5mmの鋼板(押え
板)10を配置した。また、フランジ11の中央部に設
けた凹部にM30のネジを切った鋼板9を配置してボル
トで固定し、この鋼板9からM30の押込ボルト8で締
め付けトルク400Kgf−cmでボルト8を押し込ん
で押え板10を固定した。このときの締め付け力は、5
0Kgf/cm2 であった。この免震構造体に±200
%(±156mm)の剪断変形を15回繰り返して与え
た後、免震構造体を垂直方向に切断して、内部の状況を
調べた。鉛の棒6は切断されていない。
【0021】
【実施例3】図3は本発明の実施例3に係る免震構造体
31の断面図を示している。複合積層体2として、硬質
板3(内部鋼板)(外径250mmΦ、内径50mm
Φ、厚さ1.6mm)を30枚、軟質板4(50%モジ
ュラス2.7Kgf/cm2、引張り強度90Kgf/cm2 、破断
時の伸びが760%のゴム材料を用い厚さ2.5mmで
平面形状は硬質板と同様)を31枚(総ゴム厚78m
m)交互に積層して用いた。複合積層体2の中空部に、
実施例1と同様に鉛の棒6(外径20mm、高さ148
mm、99.99%純度の鉛製)を充填し、その周囲に
保護リング7(外径46mΦ、内径20mm、厚さ1.
5mmのナイロン板(6,6ナイロン製)を97層積層
した。さらに高硬度ゴム保護層14として、厚さ2mm
で、JISA硬度80°の加硫ゴムを用いた。この複合
積層体2の周囲を外皮ゴム5で被覆した。鉛の棒6は約
0.7tonf/cm2 の圧力で押し込み、鉛の棒6と
積層した保護リング7の上に外径46mm、厚さ5mm
の鋼板(押え板)10を配置した。また、フランジ11
の中央部に設けた凹部にM30のネジを切った鋼板9を
配置してボルトで固定し、この鋼板9からM30の押込
ボルト8で締め付けトルク400Kgf−cmでボルト
8を押し込んで押え板10を固定した。このときの締め
付け力は、50Kgf/cm2 であった。この免震構造
体に±200%(±156mm)の剪断変形を15回繰
り返して与えた後、免震構造体を垂直方向に切断して、
内部の状況を調べた。鉛の棒6は切断されていない。
【0022】
【比較例】図4は本発明の比較例に係る免震構造体41
の断面図を示している。図4に示す免震構造体におい
て、上面板11(鉄板)と下面板12(鉄板)の間に硬
質板3として外径250mm、内径20mm、厚さ1.
6mmの鋼板30枚、軟質板4として、実施例1と同様
のものを同じ厚さで31層用いた。柱状の塑性物6とし
て鉛を用いた。鉛の直径は20mm、高さは148mm
で、約0.7ton/cm2 の圧力で、フタ15を用い
て封入した。この免震構造体に±200%(±156m
m)の剪断変形を15回繰り返して与えた後、免震構造
体を垂直方向に切断して、内部の状況を調べた。柱状の
塑性物7の鉛は数か所で切断されており、一回の大地震
で使用不能になってしまうことが判明した。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、免震構
造体の上下の面板の間に剛性を有した硬質板と粘弾性的
性質を有した軟質板とを、それぞれ複数個、交互に積層
した複合積層体を設け、該複合積層体の内部に、該複合
積層体を貫通する柱状の塑性物を封入した免震構造体の
柱状塑性物の外側に保護リングを積層することにより、
地震時だけでなく風揺れや交通振動にも効果があり、か
つ耐久性に優れた免震構造体を得ることができた。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例1に係る免震構造体の断
面図である。
【図2】図2は本発明の実施例2に係る免震構造体の断
面図である。
【図3】図3は本発明の実施例3に係る免震構造体の断
面図である。
【図4】図4は本発明の比較例に係る免震構造体の断面
図である。
【符号の説明】
3:硬質板 4:軟質板 5:外被ゴム 6:鉛の棒(柱状の塑性物) 7:保護リング 11:上面板 12:下面板 13:スペーサー 14:高硬度ゴム保護層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下の面板の間に剛性を有した硬質板と
    粘弾性的性質を有した軟質板とを、それぞれ複数個、交
    互に積層した複合積層体を設け、該複合積層体の内部
    に、該複合積層体を貫通する柱状の塑性物を封入した免
    震構造体において、該柱状の塑性物と該複合積層体との
    間に、保護リングを積層したことを特徴とする免震構造
    体。
  2. 【請求項2】 前記保護リングの厚さをtリング 、前記
    硬質板の直径をD、前記柱状の塑性物の直径をDL 、前
    記複合積層体の高さをH、前記軟質板の総厚さをh、と
    したときの関係が tリング ≦0.25DL H/2h であり、且つ前記保護リングの外径DOUT 、内径DIN
    関係が (DOUT −DIN)/2tリング ≧2 であり、且つ0.02≦(DL /D)≦0.5であり、
    且つ0.1≦(DOUT /D)≦0.8であることを特徴
    とする請求項1記載の免震構造体。
  3. 【請求項3】 前記柱状の塑性物の材質が鉛、あるいは
    錫であることを特徴とする請求項1又は2に記載の免震
    構造体。
  4. 【請求項4】 前記柱状の塑性物の材質の弾性率E0
    前記保護リングの材質の弾性率Eとの関係が、 E/E0 ≦1 であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項
    に記載の免震構造体。
  5. 【請求項5】 前記保護リングの材質が、金属、セラミ
    ック、高分子化合物、ガラス繊維、カーボン繊維、金属
    繊維から選択される強化繊維により補強された高分子化
    合物、及び表面にセラミックまたは高分子化合物をコー
    ティングした金属板から選択される1種以上であること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の免
    震構造体。
  6. 【請求項6】 前記高分子材料からなる保護リングが、
    ナイロン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレ
    ン、又はポリ塩化ビニルを一種あるいは二種以上組み合
    わせた材料からなることを特徴とする請求項5に記載の
    免震構造体。
  7. 【請求項7】 前記保護リングと、前記軟質板との間
    に、硬質のリング状のスペーサーを設けたことを特徴と
    する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の免震構造
    体。
  8. 【請求項8】 前記スペーサーの外径DSOUT、内径D
    SIN が、スペーサーの厚さをtS 、隣り合う硬質板と硬
    質板との間に積層するスペーサーの枚数をmとしたと
    き、 (DSOUT−DSIN )/2mtS ≧2 であり、且つ複合積層体の1枚の軟質板の厚さtR が、 tR ≧mtS (m=1〜10) であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項
    に記載の免震構造体。
  9. 【請求項9】 前記保護リングと、前記複合積層体の間
    に高硬度ゴムからなる保護層を設けたことを特徴とする
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の免震構造体。
  10. 【請求項10】 前記高硬度ゴムが、JIS硬度A60
    °以上であることを特徴とする請求項1乃至6及び9の
    いずれか1項に記載の免震構造体。
  11. 【請求項11】 前記柱状の塑性物及び前記保護リング
    が前記複合積層体を貫通する孔の内部に、押込み力5K
    gf/cm2 〜150Kgf/cm2 で封入されること
    を特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の
    免震構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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