JP2001027283A - 積層ゴム支承体 - Google Patents

積層ゴム支承体

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JP2001027283A
JP2001027283A JP11198017A JP19801799A JP2001027283A JP 2001027283 A JP2001027283 A JP 2001027283A JP 11198017 A JP11198017 A JP 11198017A JP 19801799 A JP19801799 A JP 19801799A JP 2001027283 A JP2001027283 A JP 2001027283A
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hole
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laminated
cap plate
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Masami Ota
雅己 太田
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製品高さのばらつき等に起因して該空洞の容積
が変化する場合でも、圧縮状態で充填される鉛の充填率
を容易に最適値に調整することができ、もって、容易に
かつ常に鉛の周囲を積層ゴムでしっかりと所定の緊締状
態で圧迫保持することができる積層ゴム支承体を提供す
る。 【構成】積層ゴム部25に形成された貫通孔26に鉛3
0を充填し、フランジ部材23、24の貫通孔26と対
応する位置に開口27、28を形成し、該開口を着脱可
能なキャッププレート31、31を開口27、28部に
ボルト止めすることにより、該キャッププレートの内面
に形成された所定高さの凸部31A、31Aにより貫通
孔26内の鉛を上下方向に圧縮した状態で充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム層と補強板と
を交互に積層しかつ上下端面にフランジ部材を接合して
成る積層ゴム支承体に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の構造物を免震又は除振可能に支持
する支承体として、積層ゴム支承体が使用されている。
基礎上に構築される建物や据付け台上に設置される精密
機器等においては、地震や通行車両等による外部からの
振動の伝達を極力低減したり、伝達された振動を早期に
減衰することを要求される。また、構築物を地震から保
護したり、さらには、原子力設備、コンピューター、半
導体製造装置あるいは電子顕微鏡など、高い安全性や精
密さを要求される構造体を振動から保護するに際して
は、広い周波数にわたって、振動の大きい地震を遮断す
る他、微振動までを遮断することも要請される。
【0003】このような要請に応じつつ各種の構造物を
免震又は除振可能に弾性支持するために、積層ゴム支承
体が使用されている。この免震支持用の積層ゴム支承体
は、ゴム層と金属や硬質プラスチック板などの補強板と
を交互に一体的に積層した構造を有しており、その上下
の端面には取り付け用のフランジ部材が固着されてい
る。このような積層ゴム支承体は、通常、交互に積層し
たゴム材料と補強板、さらに前記フランジをモールド内
に組み込んで加硫成形することにより一体化する方法で
製造される。前記積層ゴム支承体は、縦方向には高いば
ね定数を有し、横方向には低いばね定数を有しており、
通常、縦横ばね定数比は800以上という大きな値とな
る。
【0004】一方、前記積層ゴム支承体では、減衰特性
がゴム層自体の内部粘性減衰作用のみであるため、ゴム
種や使用条件によっては振動減衰能が過小になることが
ある。そこで、振動減衰能を向上させるために、ゴム層
及び補強板を上下方向に貫通する孔(空洞)を形成し、
その内部に粘弾性材などの充填材を封入することによ
り、支承体の自由表面積の増大を防いで変形を拘束し、
縦ばね定数の過度の低下を防止しながら、振動減衰能を
増大させる技術が提案されている。このような技術は、
例えば特開昭63−293340号公報に開示されてい
る。その場合、前記貫通孔に封入する充填材として鉛を
使用することが提案されている。この充填材として鉛を
使用するものは、例えば「鉛プラグ入り積層ゴム支承
体」とも呼ばれる。
【0005】この鉛を充填する積層ゴム支承体(鉛プラ
グ入り積層ゴム)の場合、前記貫通孔から成る空洞に対
して、該空洞の容積より若干(例えば1%程度)大きい
体積の鉛を圧入(充填率1.0以上)することにより、
該鉛の周囲を積層ゴムでしっかりと所定の緊締状態で圧
迫保持することで所定のばね性能及び減衰性能を発揮で
きる製品(積層ゴム支承体)を得ることが行われてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記鉛プラ
グ入り積層ゴム支承体、つまり上下方向の貫通孔から成
る空洞に鉛を圧入状態で充填するタイプの積層ゴム支承
体にあっては、その製品高さが一定の公差(例えば、製
品高さの±1.5%)内でばらつくため、その分前記貫
通孔(空洞)の容積が変化し、鉛の充填率にばらつきが
生じてしまうことがある。しかしながら、従来のこの種
の積層ゴム支承体では、前述のような製品高さに起因す
る鉛の充填率のばらつきが生じた場合、その調整を行う
ことが不可能、もしくは非常に困難であるため、鉛の周
囲を積層ゴムでしっかりと所定の緊締状態で圧迫保持す
ることができず、所定のばね性能及び減衰性能を発揮さ
せることが難しくなるという技術的課題があった。
【0007】本発明はこのような技術的課題に鑑みてな
されたものであり、本発明の目的は、上下方向の貫通孔
から成る空洞に鉛を圧入状態で充填するタイプの積層ゴ
ム支承体において、製品高さのばらつき等に起因して該
空洞の容積が変化する場合でも、鉛の充填率を容易に最
適値に調整することができ、もって、容易にかつ常に鉛
の周囲を積層ゴムでしっかりと所定の緊締状態で圧迫保
持することができ、所定のばね性能及び減衰性能を容易
にかつ確実に発揮させることができる積層ゴム支承体を
提供することである。
【0008】
【課題解決のための手段】本発明は、上記目的を達成す
るため、ゴム層と補強板とを交互に積層しかつ上下端面
にフランジ部材を接合して成る積層ゴム支承体におい
て、前記ゴム層及び前記補強板を上下方向に貫通する貫
通孔が形成されるとともに、前記上下のフランジ部材の
少なくとも一方の前記貫通孔と対応する位置に開口が形
成され、前記貫通孔内に鉛が充填され、前記開口は着脱
可能なキャッププレートで密閉され、前記キャッププレ
ートの内面には所定高さの凸部が形成され、該キャップ
プレートを取り付けて該凸部を前記鉛に圧接することに
より該鉛を前記貫通孔内に圧入状態で充填することを特
徴とする。
【0009】また、請求項2及び3の発明は、上記請求
項1の構成に加えて、前記キャッププレートの凸部の高
さを変更することにより、前記貫通孔内の鉛の充填率を
調整する構成、あるいは、前記キャッププレートの凸部
と前記貫通孔内の鉛との間に少なくとも1個の調整用ス
ペーサを挿入することにより、前記貫通孔内の鉛の充填
率を調整する構成とすることにより、一層効率よく上記
目的を達成するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明を適用した積層ゴム
支承体の一実施例を示す縦断面図であり、図2は図1中
の線2−2から見た平面図(上面図)であり、図3は図
1中のキャッププレートを示す斜視図である。図1及び
図2において、積層ゴム支承体50はゴム層21と補強
板22とを交互に積層するとともに、上下端面にフラン
ジ部材23、24を接合し、これらを加硫成形で一体化
した構造を有する。
【0011】上下のフランジ部材23、24には、積層
ゴム支承体50を上下の構造物や基台等にボルト等で締
結するための複数の取り付け孔33が設けられている。
前記ゴム層21は所望の硬度及び弾性係数を有するゴム
状弾性材で形成されており、前記補強板22及び前記上
下のフランジ部材23、24は、金属や硬質プラスチッ
クなどの固くて強度の高い材質で作られる。前記ゴム層
21は、後述するように生ゴム等のゴム材料を加硫成形
してゴム状弾性体にされたものであり、加硫成形により
各補強板22及び上下のフランジ部材23、24と一体
化されたものである。
【0012】前記ゴム層21及び前記補強板22から成
る積層ゴム部25の中心部には上下方向に貫通する貫通
孔26が形成されており、前記上側のフランジ部材23
の前記貫通孔26と対応する位置には開口27が形成さ
れ、前記下側のフランジ部材24の前記貫通孔26と対
応する位置には開口28が形成されている。
【0013】前記貫通孔26で形成された空洞内には柱
状の鉛(鉛プラグ)30が充填されている。この鉛30
は、前記開口27、28を密閉するように上下のフラン
ジ部材23、24に外側から複数本のボルト32で着脱
可能に締結されたキャッププレート31、31により、
前記貫通孔26内に圧入状態で充填されている。図1及
び図2の第1実施例では、図3に示すように各キャップ
プレート31、31の内面(鉛30側)に所定高さの凸
部31A、31Aが形成されており、これらのキャップ
プレート31、31を上下のフランジ部材23、24に
ボルト32で固定して前記凸部31A、31Aを鉛30
の上下端面に所定圧力で圧接することにより、該鉛30
は前記貫通孔26内に所定の圧入状態(所定の充填率)
で充填されている。
【0014】図示の例では、前記開口27、28を段付
き開口にし、その段部の環状面27A、28Aを利用し
て前記キャッププレート31、31をボルト締結するこ
とにより、該キャッププレートはフランジ部材23、2
4の表面から突出しないようなインロー状態で固定され
ている。また、各段付き開口27、28の通孔部27
B、28Bは前記積層ゴム25の貫通孔26と略同じ径
寸法を有し、前記柱状の鉛30の長さは、その両端部が
上下の通孔部27B、28B及び前記貫通孔26から成
る空洞の内部に位置するような長さ、つまり該空洞の長
さより短い寸法に選定されている。
【0015】そこで、上下のキャッププレート31、3
1の凸部31A、31Aの高さT(図3)は、該キャッ
ププレートを図1に示すように各段付き開口27、28
にボルト止めしたとき、前記貫通孔26内の鉛30の上
下の端面に所定の圧力で圧接され、該鉛30を貫通孔2
6内に所定の圧入状態(所定の充填率)で充填するよう
な寸法に設定されている。つまり、鉛30の体積は、上
下のキャッププレート31、31で開口27、28を閉
塞した貫通孔26(あるいは、該貫通孔と通孔部27
B、28B)で形成される空洞の容積より若干大きくさ
れており、上下のキャッププレート31、31をボルト
止めすることにより、それらの凸部31A、31Aで該
鉛30を上下から加圧して圧縮状態で充填するように構
成されている。
【0016】前記鉛30の充填率としては、1.0より
大きい値の約1.1程度の値、すなわち、前記鉛30の
体積を前記貫通孔26内の空洞の容積より1%程度大き
くした充填率1.1の状態に選定される。そこで、前記
積層ゴム26の製品高さ、従って上下のフランジ部材2
3、24を含めた積層ゴム支承体50の製品高さは、一
定の公差(例えば、製品高さの1.5%)内でばらつく
傾向があり、この製品高さのばらつきにより前記貫通孔
26内の空洞の容積が変化するため、前記鉛30の充填
率にもばらつきが生じることになる。そこで、図1〜図
3の第1実施例では、上下のキャッププレート31、3
1の前記凸部31A、31Aの高さT(図3)を適宜変
更して前記空洞の容積を調整することにより、鉛の充填
率を一定の最適値(最適な範囲内)に調整できるように
構成されている。
【0017】以上説明した実施例は、ゴム層21と補強
板22とを交互に積層しかつ上下端面にフランジ部材2
3、24を接合して成る積層ゴム支承体50において、
前記ゴム層21及び前記補強板22を上下方向に貫通す
る貫通孔26が形成されるとともに、前記上下のフラン
ジ部材23、24の少なくとも一方の前記貫通孔26と
対応する位置に開口27(又は28)が形成され、前記
貫通孔26内に鉛30が充填され、前記開口27(又は
28)は着脱可能なキャッププレート31で密閉され、
前記キャッププレート31の内面には所定高さの凸部3
1Aが形成され、該キャッププレート31を取り付けて
該凸部31Aを前記鉛30に圧接することにより該鉛3
0を前記貫通孔26内に圧入状態で充填する構成を有
し、さらに、前記キャッププレート31の凸部31Aの
高さTを変更することにより、前記貫通孔26内の鉛3
0の充填率を調整するように構成されている。
【0018】図1〜図3の実施例によれば、上下のフラ
ンジ部材23、24にボルト止めされるキャッププレー
ト31、31の凸部31A、31Aにより貫通孔26か
ら成る空洞内に充填される鉛30を上下方向に圧縮して
充填するように構成するので、製品高さのばらつきに起
因して該空洞の容積が変化する場合でも、前記凸部31
A、31Aの高さを変更するだけで、施工後においても
鉛30の充填率を容易に最適値に調整することができ、
もって、鉛30の周囲を積層ゴムでしっかりと所定の緊
締状態で圧迫保持する状態を確保することができ、もっ
て、所定のばね性能及び減衰性能を容易にかつ確実に発
揮させることができる積層ゴム支承体が提供される。
【0019】また、前記凸部31Aを有しない平板状の
キャッププレートを使用する場合には、該キャッププレ
ートで鉛30を貫通孔26内に圧入する際に、該鉛30
の端面周縁部が張り出し、該張り出し部がキャッププレ
ートの内面と前記開口27(又は28)の段部の環状面
27A(又は28A)との間に挟まって鉛30を正常に
圧入できないという不都合が生じることがある。これに
対し、上記実施例によれば、キャッププレート31の内
面に形成した凸部31Aで鉛30の加圧充填するので、
前述のような不都合を解消することができ、鉛を正常な
状態で圧縮充填することが可能になった。
【0020】図4は本発明を適用した積層ゴム支承体の
別の実施例を示す縦断面図であり、図5は図4中のキャ
ッププレート及び調整用スペーサを示す斜視図である。
図4及び図5に示す実施例では、図1〜図3の実施例に
加えて、前記キャッププレート31の凸部31Aと前記
貫通孔26内の鉛30との間に少なくとも1個の調整用
スペーサ35を挿入することにより、前記貫通孔26内
の鉛の充填率を調整するように構成されている。図4及
び図5の実施例は、前記調整用スペーサ35を追加して
使用する点で図1〜図3の実施例と相違し、その他の点
では実質的に同じ構成を有しており、それぞれ対応する
部分を同一符号で示し、それらの詳細説明は省略する。
【0021】図4及び図5の実施例によれば、図1〜図
3の実施例による上記効果に加えて、調整用スペーサ3
5の挿入のみでも鉛30の充填率を調整できることか
ら、前記キャッププレート31の凸部31Aの高さ変更
を無くしても、あるいは変更の頻度を減らしても、該鉛
30の充填率を最適値に容易に調整することができると
いう効果が得られる。
【0022】なお、以上の実施例では、積層ゴム支承体
50の中心部に1個の鉛プラグ30を圧入充填する場合
を例示したが、これは、積層ゴム支承体の内部であれ
ば、例えば4本の柱状の鉛を所定位置に充填するなど、
任意の位置に任意の数の鉛プラグを充填する構成にして
もよく、このような構成も本発明の範囲内であり、前述
の実施例と同様の作用効果が得られるものである。この
場合は、鉛プラグの配置に応じた位置及び数の開口及び
キャッププレートが使用されることになる。
【0023】また、以上の実施例では、上下のフランジ
部材23、24に開口27、28及びキャッププレート
31、31を設ける場合を説明したが、これは、貫通孔
26に充填された鉛30を上下方向に加圧して圧入充填
できる構成であれば、上側のフランジ部材23又は下側
のフランジ部材24のいずれか一方のみに前記開口及び
キャッププレートと同様な構造を設ける構成としてもよ
く、このような構成も本発明の範囲内であり、前述の実
施例と同様の作用効果が得られるものである。さらに、
前記調整用スペーサ35を上下のいずれに挿入するか、
あるいは挿入枚数についても、本発明の範囲内で必要に
応じて任意に選定できるものである。
【0024】次に、図6〜図10を参照して本発明を適
用した積層ゴム支承体50の製造工程の一例を説明す
る。以下の製造工程では、キャッププレート31を下側
のフランジ部材24のみに締結する場合を例に挙げて説
明する。図6は積層ゴム支承体50を製造するための加
硫成形用のモールドの一例を示す模式的縦断面図であ
り、図7は図6中の線7−7に沿って見た下型の平面図
である。図6及び図7において、モールド40は、上下
方向に移動可能な可動型から成る上型41と基台上に固
定される固定型から成る下型42とで構成されており、
上型41を下降させて下型42の上端面(合わせ面)に
圧接することにより内部に密閉された加硫成形室(モー
ルド室)を形成するようになっている。
【0025】前記加硫成形室は製造される積層ゴム支承
体50とほぼ同じ形状をしており、上型41には、上側
のフランジ部材23が配置される大径部45と積層ゴム
部25の上半部が嵌合される胴径部46が形成されてお
り、下型42には、下側のフランジ部材24が配置され
る大径部17と前記積層ゴム部25の下半部が嵌合され
る胴径部48とが形成されている。
【0026】図8は図6のモールド内に柱状の鉛(鉛プ
ラグ)30と下側のフランジ部材24を配置した状態を
示す模式的縦断面図であり、図9は図8の柱状の鉛30
の周りに補強板22とゴム材料21Aを配置する状態を
示す模式的縦断面図であり、図10は図9の状態から上
側のフランジ部材23を配置した後にモールド40を密
閉して加硫成形している時の状態を示す模式的縦断面図
である。なお、前記ゴム材料21Aは加硫成形により前
記補強板22及び上下のフランジ部材23、24と一体
化される前記ゴム層21となる部分である。
【0027】積層ゴム支承体50の製造に際しては、先
ず、下側のフランジ部材24に凸部31Aを有するキャ
ッププレート31をねじ止めして前記開口28を密閉し
た状態にし、次いで、図8に示すように、図6の開放状
態のモールド40において、下型42の大径部47内に
この下側のフランジ部材24を配置し、柱状の鉛30を
所定の姿勢で(図示のように所定位置に垂直に立てた姿
勢)位置決めして配置する。図示の例では、この鉛30
は、その下端部をフランジ部材24の開口28の通孔部
28Bに嵌合させるとともに前記キャッププレート31
の凸部31Aに当接させた状態で位置決めされる。
【0028】次いで、図9に示すように、前記鉛30に
対応する位置(図示の例では前記開口28の通孔部28
Bの位置)に貫通孔26が形成された複数の補強板22
及びゴム材料(加硫成形前)の層21Aから成る積層ゴ
ム部を、前記柱状の鉛30の周りに嵌合させるととも
に、各補強板22の開口は前記柱状の鉛30の外径より
若干大きい内径を有している。
【0029】こうして下側のフランジ部材24上で鉛3
0に嵌合させて交互に積み重ねたゴム材料の層21Aと
補強板22とから成る積層部の外径寸法は図9に示すよ
うに下型42の胴径部48の内径と略同じ寸法になって
いる。なお、上型41の胴径部46は前記下型42の胴
径部48と同じ内径寸法を有している。次いで、上型4
1の大径部45内に上側のフランジ部材23を配置した
後、該上型41を下降させながら、下型42内に配置さ
れたゴム材料の層21Aと補強板22とから成る積層部
25の外径部に上型41の胴径部46を嵌合させ、上型
41の下端面(合わせ面)を下型42の上端面(合わせ
面)に圧接させることによりモールド40を閉じ(密閉
し)、図10の状態にする。なお、図9及び図10に示
すように、本実施例では、前記積層部の最上層及び最下
層はゴム材料の層21Aで形成され、これらのゴム材料
の層21Aに隣接して(当接した状態で)上側のフラン
ジ部材23及び下側のフランジ部材24が配置されてい
る。
【0030】続いて、図10に示すように型締めをした
状態で、前記ゴム材料の層21Aを含む積層部の加硫成
形を行う。この加硫成形は、モールド40内を所定温度
まで加熱するとともに加圧することにより行われる。こ
の加硫成形により、前記ゴム材料(その層21A)は、
柱状の鉛30の周りで前記複数の補強板22及び上下の
フランジ部材23、24と一体化され、ゴム状化(ゴム
状弾性体に固化)される。こうして、上下端面にフラン
ジ部材23、24を有する一体化構造を有し、下側のフ
ランジ部材24にボルト止めされるキャッププレート3
1の凸部31Aの内面と上側のフランジ部材23の内面
中央部との間で貫通孔26内の鉛30を加圧することに
より、該鉛30が圧縮充填される積層ゴム支承体50が
製造されることになる。
【0031】つまり、図6〜図10で説明した製造工程
によれば、ゴム層21と補強板22とを交互に積層しか
つ上下端面にフランジ部材23、24を接合して成る積
層ゴム支承体50において、前記ゴム層21及び前記補
強板22を上下方向に貫通する貫通孔26が形成される
とともに、前記下側のフランジ部材24の前記貫通孔2
6と対応する位置に開口28が形成され、前記貫通孔2
6内に鉛30が充填され、前記開口28は着脱可能なキ
ャッププレート31で密閉され、前記キャッププレート
31の内面には所定高さの凸部31Aが形成され、該キ
ャッププレート31を取り付けて該凸部31Aを前記鉛
30に圧接することにより該鉛30を前記貫通孔26内
に圧入状態で充填する構成の積層ゴム支承体50が提供
される。
【0032】このような積層ゴム支承体50によれば、
鉛入り積層ゴム支承体を製造するに際し、鉛30を加圧
充填する時の不具合発生や不良品発生を防止することが
でき、また、フランジ部材23、24を接合して鉛30
を封入してしまった後でも、キャッププレート31の凸
部31Aの高さを変えるだけで、貫通孔26の容積に対
する鉛30の量の比率(鉛の充填率)を容易に調整する
ことができ、所望の減衰特性及びばね特性を容易に実現
することができる積層ゴム支承体が得られる。
【0033】図11は本発明を適用した積層ゴム支承体
であって、下側のみにキャッププレート31及び調整用
プレート35を装着した構成のものを示す縦断面図であ
る。図11の構成では、下側のフランジ部材24に着脱
可能に固定されるキャッププレート31の内面と積層ゴ
ム部25の貫通孔26内に充填される鉛30との間に、
一枚又は複数枚の調整用スペーサ35が挿入されてお
り、前記キャッププレート31を取り付けた(ボルト止
めした)状態で、前記調整用スペーサ35が前記鉛30
の下端面に圧接され、該鉛を前記貫通孔26内に圧入状
態で充填するように構成されている。図示の例では、前
記調整用スペーサ35は前記開口28の通孔部28B内
に挿入可能な所定厚さの円形板部材(ワッシャー又はシ
ム)で形成されている。
【0034】この図11の構成によっても、鉛入り積層
ゴム支承体を製造するに際し、鉛30を封入する時の不
具合発生や不良品発生を防止することができ、また、フ
ランジ部材23、24を接合して鉛30を封入してしま
った後でも、調整用スペーサ35の厚さ又は数を変えた
り、異なる高さの凸部31Aが形成されたキャッププレ
ート31に交換したりするだけで、貫通孔26の容積に
対する鉛30の量の比率(鉛の充填率)を容易に調整す
ることができ、所望の減衰特性及びばね特性を容易に実
現することができる積層ゴム支承体が得られる。
【0035】図12〜図15は以上説明した積層ゴム支
承体50の使用状況を例示する図であり、図12及び図
13は、積層ゴム支承体50を単独に使用し、1個づつ
で建築物や装置、機器などの構造物60を基礎や床など
の基台70上に弾性支持する状態を示す模式的側面図及
び模式的平面図である。また、図14及び図15は、安
定板80で複数(図示の例では4個)の積層ゴム支承体
50の上下端面を連結したものを複数段(例えば5〜2
0段)にわたって組付けた多段免震ユニット100を使
用し、建築物や装置、機器などの構造物60を、該多段
免震ユニット100を介して、基礎や床などの基台70
上に弾性支持する状態を示す模式的側面図及び模式的平
面図である。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
によれば、ゴム層と補強板とを交互に積層しかつ上下端
面にフランジ部材を接合して成る積層ゴム支承体におい
て、前記ゴム層及び前記補強板を上下方向に貫通する貫
通孔が形成されるとともに、前記上下のフランジ部材の
少なくとも一方の前記貫通孔と対応する位置に開口が形
成され、前記貫通孔内に鉛が充填され、前記開口は着脱
可能なキャッププレートで密閉され、前記キャッププレ
ートの内面には所定高さの凸部が形成され、該キャップ
プレートを取り付けて該凸部を前記鉛に圧接することに
より該鉛を前記貫通孔内に圧入状態で充填する構成とし
たので、前記キャッププレートの凸部の高さを変更した
り、異なる高さの凸部を有するキャッププレートと交換
したりするだけで、鉛を充填した後に製品高さのばらつ
き等に起因して該空洞の容積が変化する場合でも、鉛の
充填率を容易に最適値に調整することができ、もって、
容易にかつ常に鉛の周囲を積層ゴム部でしっかりと所定
の緊締状態で圧迫保持することができ、所定のばね性能
及び減衰性能を容易にかつ確実に発揮させることができ
る積層ゴム支承体が提供される。
【0037】請求項2及び3の発明によれば、上記請求
項1の構成に加えて、前記キャッププレートの凸部の高
さを変更することにより、前記貫通孔内の鉛の充填率を
調整する構成、あるいは、前記キャッププレートの凸部
と前記貫通孔内の鉛との間に少なくとも1個の調整用ス
ペーサを挿入することにより、前記貫通孔内の鉛の充填
率を調整する構成としたので、一層効率よく上記効果を
達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した積層ゴム支承体の一実施例を
示す縦断面図である。
【図2】図1中の線2−2から見た平面図である。
【図3】図1中のキャッププレートを示す斜視図であ
る。
【図4】本発明を適用した積層ゴム支承体の別の実施例
を示す縦断面図である。
【図5】図4中のキャッププレート及び調整用スペーサ
を示す斜視図である。
【図6】本発明を適用した積層ゴム支承体を製造するた
めの加硫成形用のモールドの一例を示す縦断面図であ
る。
【図7】図6中の線7−7に沿って見た下型の平面図で
ある。
【図8】図6のモールド内に柱状の鉛と下側のフランジ
部材を配置した状態を示す縦断面図である。
【図9】図8の柱状の鉛の周りに補強板とゴム材料を配
置する状態を示す縦断面図である。
【図10】図9の状態から上側のフランジ部材を配置し
た後にモールドを密閉して加硫成形している時の状態を
示す縦断面図である。
【図11】本発明を適用した別の構成を有する積層ゴム
支承体を示す縦断面図である。
【図12】単独の積層ゴム支承体を使用して構造物を基
台上に弾性支持する状態を示す模式的側面図である。
【図13】図12の模式的平面図である。
【図14】安定板で複数の積層ゴム支承体の上下端面を
連結したものを複数段にわたって組付けた多段免震ユニ
ットを使用して構造物を基台上に弾性支持する状態を示
す模式的側面図である。
【図15】図14の模式的平面図である。
【符号の説明】
21 ゴム層 22 補強板 23 上側のフランジ部材 24 下側のフランジ部材 25 積層ゴム部 26 貫通孔 27 開口 28 開口 30 鉛(鉛プラグ) 31 キャッププレート 31A 凸部 32 ボルト 33 取り付け孔 35 調整用スペーサ 40 モールド 41 上型 42 下型 50 積層ゴム支承体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム層と補強板とを交互に積層しかつ
    上下端面にフランジ部材を接合して成る積層ゴム支承体
    において、前記ゴム層及び前記補強板を上下方向に貫通
    する貫通孔が形成されるとともに、前記上下のフランジ
    部材の少なくとも一方の前記貫通孔と対応する位置に開
    口が形成され、前記貫通孔内に鉛が充填され、前記開口
    は着脱可能なキャッププレートで密閉され、前記キャッ
    ププレートの内面には所定高さの凸部が形成され、該キ
    ャッププレートを取り付けて該凸部を前記鉛に圧接する
    ことにより該鉛を前記貫通孔内に圧入状態で充填するこ
    とを特徴とする積層ゴム支承体。
  2. 【請求項2】 前記キャッププレートの凸部の高さを
    変更することにより、前記貫通孔内の鉛の充填率を調整
    することを特徴とする請求項1に記載の積層ゴム支承
    体。
  3. 【請求項3】 前記キャッププレートの凸部と前記貫
    通孔内の鉛との間に少なくとも1個の調整用スペーサを
    挿入することにより、前記貫通孔内の鉛の充填率を調整
    することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層ゴム
    支承体。
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