JP2012077892A - 免震構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】中空部にプラグを圧入した後、当該プラグへの加圧力を微調整可能であり、かつ、プラグに捩れが生じること無しに、所望の減衰性能を実現し得る免震構造体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】剛性板2と弾性板3とを交互に積層し、これらの板を貫通して積層方向に延びる中空部を形成した積層体4と、中空部に圧入されたプラグ5とを、積層方向の両側からフランジ板6,7にて挟持してなる免震構造体1であって、フランジ板の少なくとも一方の側において、プラグの端面を覆う内蓋10を設け、該内蓋と当接しかつフランジ板から該内蓋に向かって積層方向に進退する螺子13を少なくとも一本設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、減衰性能を微調整可能な免震構造体、及びかかる免震構造体の製造方法に関する。
従来、ゴム等の粘弾性的性質を有する軟質板と、鋼板等の硬質板とを交互に積層した免震構造体が、免震装置の支承等として使用されている。このような免震構造体の中には、例えば、軟質板と硬質板とからなる積層体の中心に中空部を形成し、この中空部にプラグを圧入したものがある。
図8に、この種の免震構造体101の例を示す。図示の免震構造体は、略ドーナツ板状の硬質板102及び軟質板103が交互に積層されてなり、該積層方向(設置時鉛直方向)に延びる円筒状の中空部を中心部に有する積層体104と、該積層体の中空部に設けられたプラグ105と、積層体の両端(上端及び下端)に固定された略ドーナツ状のフランジ板106、107とを備えている。
かかる免震構造体では、主に、軟質板と硬質板とからなる積層体104が復元機能を有し、中空部内のプラグ105が、減衰機能を有することが知られている。すなわち、地震等が発生した場合、フランジ板106、107が水平方向に相対移動するため、積層体104はこれに伴って、せん断方向に変形することで復元力を得る。一方、プラグ105は、震動により積層体104がせん断変形する際に、その変形に伴って塑性変形することで震動のエネルギーを吸収して、建物等へ伝わる水平地震力を減衰させるのである。
ここで、従来、プラグ素材としては鉛が広く使用されていた。しかしながら、鉛は環境負荷が大きく、また、廃却時等に要するコストが大きい。このため、鉛の代替材料を用いて、十分な減衰性能、変位追従性等を有するプラグの開発が進められつつある。
このような鉛代替プラグを用いた免震構造体は、通常、図5に示すように、プラグ105の両端に装着された円盤状の封止部材108を備えており、封止部材108によって、中空部に圧入されたプラグ105を加圧する。このように、プラグが加圧力によって圧接されている為、震動時のプラグの塑性変形の際、より大きな摩擦力が発生して震動のエネルギーを吸収し、水平地震力が大きく減衰される。
例えば特許文献1には、外周面に螺子溝が形成された封止部材を、中空部に連通するフランジの貫通孔に螺着させ、当該封止部材の螺子込み量を調整する構成が提案されている。かかる構成によれば、封止部材の螺子込み量を調整することでプラグの加圧力を変化させ、摩擦力の発生を調整すること、すなわち、プラグの減衰性能を調整することができる。
特開平11−257426号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成は、プラグに対する加圧力を調整することはできるものの、封止部材全体を一つの螺子としてフランジ板の貫通孔に螺着させ、当該封止部材の螺子込み量を調整しているため、特に封止部材がプラグの断面幅全体に及ぶことから、該封止部材とプラグ材との接触面積が大きくなってプラグに加わるトルクも大きくなってしまい、プラグへの加圧力を微調整して、プラグに対して所望の加圧力を付与することは難しかった。
また、封止部材の螺子込みの際に、プラグ自体に捩れを生じさせるおそれがあり、その結果、プラグ材にひび割れが発生し、減衰能の低下や繰り返し入力時の性能低下が懸念されることも、問題であった。
従ってこの発明の目的は、プラグへの加圧構造を改良することにより、当該プラグへの加圧力を微調整して、プラグに捩れが生じることの無い、所望の減衰性能を実現する免震構造体及びその製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、第一発明は、
剛性板と弾性板とを交互に積層し、これらの板を貫通して積層方向に延びる中空部を形成した積層体と、前記中空部に圧入されたプラグとを、前記積層方向の両側からフランジ板にて挟持してなる免震構造体であって、
前記フランジ板の少なくとも一方の側において、前記プラグの端面を覆う内蓋を設け、該内蓋と当接しかつ前記フランジ板から該内蓋に向かって前記積層方向に進退する螺子を少なくとも一本設けた
ことを特徴とする免震構造体である。
また、第一発明において、螺子は複数本であって、同一円周上において等間隔に配置されることが好ましい。
ここで「同一円周上において等間隔に配置される」とは、後の図3及び4に示すように、フランジ板と同心の径円周上に複数の螺子を等間隔に配置することを言い、フランジ板の中心に一本の螺子を配置する場合も含める。
更に、第一発明において、プラグは、塑性流動材及び硬質充填材であることが好ましい。
第二発明は、
剛性板と弾性板とを交互に積層し、これらの板を貫通して積層方向に延びる中空部を形成した積層体と、
前記中空部に圧入されたプラグと、
前記プラグの少なくとも一端面を覆う内蓋と、
これら積層体、プラグ及び内蓋を積層方向の両側から挟持するフランジ板とを有する免震構造体を製造するに当たり、
前記フランジ板の少なくとも一方の側に、該フランジ板から前記内蓋に向かって進退する螺子を少なくとも一本配置し、該螺子を内蓋に向けて回転移動させて該内蓋を介して前記プラグに押圧力を付与する
ことを特徴とする免震構造体の製造方法である。
また、第二発明において、螺子を複数本、同一円周上において等間隔に配置することが好ましい。
更に、第二発明において、プラグは、塑性流動材及び硬質充填材であることが好ましい。
この発明によれば、中空部にプラグを圧入した後、螺子の螺子込み量を調整することで、プラグへの加圧力を微調整することができる。また、螺子で内蓋全体をプラグに対して積層方向に押圧するため、プラグが捩れることが無い。従って、プラグへの加圧力付与における、従来の種々の問題を解決し、所望の減衰性能を実現する免震構造体及びその製造方法を提供することが可能となる。
(a)は本発明の免震構造体の上面図であり、(b)は(a)の線分A−Aに沿った切断面図である。 螺子の螺子込み量の調整により、プラグへの加圧力を調整するメカニズムを示す図である。 本発明の免震構造体の螺子の配置を示す図である。 本発明の免震構造体の螺子の他の配置を示す図である。 従来の封止部材を示す図である。 本発明の蓋構造を示す図である。 試験結果を示す図である。 従来の免震構造体を示す図である。
次に、図面を参照しつつ、この発明の実施形態を説明する。図1(a)は、本実施形態に係る免震構造体の上面図であり、(b)は、(a)の線分A−Aに沿った切断面図である。図2は、螺子の螺子込み量の調整により、プラグへの加圧力を調整するメカニズムを示す図である。図3は、本実施形態の免震構造体の螺子の配置を示す図である。図4は、本実施形態の免震構造体の螺子の他の配置を示す図である。
本実施形態に係る免震構造体1は、略ドーナツ板状の剛性板2と、略ドーナツ形状の弾性板3とが交互に積層されてなり、該積層方向(鉛直方向)に延びる円筒状の中空部を中心部に有する積層体4と、該積層体の中空部に圧入されたプラグ5と、積層体4及びプラグ5の積層方向両端面(上端及び下端)に固定された、略ドーナツ状の第1のフランジ板6及び第2のフランジ板7を備えている。
積層体4を構成する剛性板2と弾性板3とは、例えば、加硫接着により、或いは接着剤により強固に貼り合わされている。なお、加硫接着においては、剛性板2と未加硫ゴム組成物とを積層してから加硫を行い、未加硫ゴム組成物の加硫物が弾性板3となる。ここで、剛性板2としては、鋼板等の金属板、セラミックス板、FRP等の強化プラスチック板等を使用することができる。一方、弾性板3としては、加硫ゴム製の板等を使用することができる。
また、本発明の免震構造体を構成する積層体4は、外周面が積層体被覆材8で覆われており、積層体4への外部からの雨や光を遮断し、酸素や、オゾン、紫外線による積層体4の劣化を防止することができる。被覆材8としては、例えば、弾性板3と同一の材料である加硫ゴム等を使用することができる。なお、積層体4は、必ずしも積層体被覆材8で覆われていなくてもよい。
そして積層体4は、震動により水平方向のせん断力を受けた際には、せん断変形して、震動のエネルギーを吸収する。また積層体4は、剛性板2と弾性板3とが交互に積層されている為、積層方向に荷重が作用した場合も、圧縮が抑制される。
また、プラグ5の端面上に、プラグ5と接触する円盤状の内蓋10が備えられている。該円盤状の内蓋10は、中空部の径と同じ半径rを有する。更に、本実施形態の免震構造体1においては、該内蓋10上に、外蓋11が備えられている。該外蓋11は、水平方向の断面形状が、内蓋と同じ半径r及び半径rよりも大きな半径Rの2つの円盤の組み合わせになり、且つ、半径r部分が中空部内に収まることによって、中空部に対して位置決めされる。そして外蓋11は、取付ボルト12(図示例では、六角孔付ボルト)を介して、第1のフランジ板6に一体に固定されることによって、フランジ板の一部を構成している。
なお、図1に示すこの例では、第1のフランジ板6へ外蓋11を固定することでフランジ板全体を形成する例を示したが、外蓋11を別体として固定させることなく、フランジ板のみで全体を形成することも可能である。
一方、外蓋11の半径rの領域内には、内蓋10に向かって貫通する複数の雌螺子が形成されており、押圧力調整螺子13(図示例では、六角孔付全螺子)が螺合される。
そして本発明は、この押圧力調整螺子13の螺子込み量を調整することで、内蓋10の積層方向位置を決定し、内蓋10によるプラグ5への押圧力、すなわちプラグ5への加圧力を調整することができる。
ここで、押圧力調整螺子13の螺子込み量の調整によって、プラグへの加圧力を調整するメカニズムについて、図2(a)、(b)を用いて詳細に説明する。
図示例において、押圧力調整螺子13は、フランジ板の一部を構成する外蓋11の積層方向長さよりも大きな軸長を有している。そして、外蓋11に螺合された押圧力調整螺子13を更に螺子込んで、押圧力調整螺子13の先端部を内蓋10に当接させ、外蓋11から内蓋10までの間隔(以下、「間隔L」と言う)を変化させることによって、内蓋10をプラグ側へ押圧する。つまり、押圧力調整螺子13によって押圧される内蓋10は、外蓋11とプラグ5との間を積層方向に自在に進退可動であり、この内蓋10の積層方向位置を変化させて間隔Lを調整することによって、プラグ5への加圧力が調整される。
従って、間隔LがL1の図2(a)の状態から、押圧力調整螺子13を積層方向下側(図の矢印方向)へ螺子込んで、間隔LがL2である図2(b)の状態にした場合、内蓋10は距離Δ(L2−L1)分だけ積層方向下側に押付けられ、この間隔Lの変化に伴って
、プラグ5も距離Δ(L2−L1)分だけ積層方向下側に押圧されることになる。
このように、本実施形態では、内蓋10及び外蓋11の間隔Lを変化させて内蓋10を押圧することによって、内蓋10に接触するプラグ5への加圧力を調整する構成を採用している。
かかる構成とすれば、内蓋に当接する押圧力調整螺子のみを螺子込むことによって、プラグに対して加圧力を付与することができる。また、複数の螺子を少しずつ螺子込むことにより、プラグへの加圧力を微調整することも可能となる。更に、封止部材全体を螺子込むことなく、押圧力調整螺子を当接した内蓋を介してプラグを押圧するため、プラグに捩れが生じることが無い。
更に、上記構成とすれば、積層方向に可動な内蓋によってプラグを積層方向に加圧するため、プラグが捩れることが無い。従って、プラグの捩れによる性能低下が回避されるため、良好な減衰性能を有する免震プラグを提供することが可能となる。
上述の通り、地震等が発生した場合、震動により水平方向のせん断力を受けた積層体4はせん断変形を生じるが、この変形と共に、中空部内のプラグ5もせん断変形を生じることになる。つまり、このプラグ5の変形時に、プラグを形成する粉体材料(後述するように、塑性流動材及び硬質充填材)も移動することになる。そして、この際にプラグが所定の加圧力で圧接されている為、水平方向の地震力は、粉体材料の移動に伴って生じる摩擦による熱エネルギーに変換されて、空気中に放出されることになる。このように、プラグを所定の力で加圧して摩擦力を発生させることによって、水平方向の地震力を大きく減衰させることができる。
従って、プラグへの加圧力の大きさを調整すれば、プラグにおいて発生する摩擦力、すなわちプラグの減衰力を調整することになる。その結果、プラグを、免震構造体を設置する建築物等の仕様や想定する地震の大きさに適した、所望の減衰機能を有するプラグにすることが可能となる。
更に、例えば地震が発生した後や長時間経過後であっても、螺子(押圧力調整螺子)の螺子込み量を調整することによって、プラグへの加圧力を再調整することが可能となる。
なお、上記では一方のフランジ板側の構成のみを説明したが、図1に示すように、他方のフランジ板側においても、同様に、螺子により内蓋を押圧する構成とすることが好ましい。このように、プラグの両端から圧力を加えることで、積層方向においてより均等に圧力を付与することができる。その結果、プラグの積層方向に均等な減衰能を付与することが可能となる。
但し、上記構成は必ずしもフランジ板の両側に形成する必要は無く、一方のフランジ板側のみに形成してもよい。
次に、本実施形態に係る免震構造体1における、螺子の配置について詳細に説明する。
図3及び4は、外蓋11上の、螺子配置例を示している。本実施形態による免震構造体1では、外蓋11上に配置される螺子が複数本である場合、これらの螺子が、同一円周上において等間隔に配置されることが好ましい。
例えば図3には、外蓋11上に、押圧力調整螺子13が5本配置される例を示している。この例では、まず、外蓋11の中心に1つの押圧力調整螺子13aが配置されている。そして、外蓋11の同心の円周上には、4つの押圧力調整螺子13b〜13eが、隣接する押圧力調整螺子の中心間距離を等しくして配置される。
また、図4には、外蓋11上に、押圧力調整螺子13が9本配置される例を示している。この例では、まず、外蓋11の同心の比較的小さい円周上に、2つの押圧力調整螺子13f及び13gが、等間隔に(点対称に)配置されている。そして、外蓋11の同心の比較的大きい円周上に、7つの押圧力調整螺子13h〜13nが、隣接するこれら押圧力調整螺子の中心間距離を等しくして配置される。
上述の通り、本実施形態では、押圧力調整螺子13の間隔Lを変化させて内蓋10を押圧することによって、内蓋10に接するプラグ5に対して圧力を加える構成を採用している。従って、押圧力調整螺子13、すなわち内蓋10を押圧する支点を等間隔に配置することで、内蓋を積層方向に均等に押圧し、プラグへの圧力を均等に付与することが可能となるからである。なお、内蓋を積層方向に均等に押圧するためには、内蓋が水平姿勢を維持したままプラグに押し付けられることが好ましい。従って、複数個の螺子で内蓋を押圧する場合には、螺子各々の螺子込み量を調整して、間隔Lを等しくすることが好ましい。
更に、プラグ5は、塑性流動材及び硬質充填材からなる粉体材料であって、塑性流動材に含まれる物質としては、(天然ゴム、ポリブタジエンゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、ポリウレタン、ウレタン系エラストマー等の)エストラマー成分、(ロジン樹脂、フェノール樹脂等の)樹脂、カーボンブラック、(フタル酸、マレイン酸、クエン酸等の)可塑剤、(ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油等の)軟化材等が挙げられる。また、硬質充填材に含まれる物質としては、銅粉、ステンレス鋼粉、ジルコニウム粉、タングステン粉、青銅粉、アルミニウム粉、ニッケル粉、モリブデン粉、チタン粉、鉄粉等の金属粉体や金属化合物が挙げられる。
鉛の代替材料として上記の粉体材料を用いることにより、環境負荷の問題を解決することができると共に、十分な減衰性能、変位追従性等を有する免震プラグを提供することができるからである。
なお、塑性流動材と硬質充填材のそれぞれについて選定される材料の組成、含有率、組み合わせ等は、免震プラグに所望される性能に応じて適宜変更することができる。また、粉体材料は、塑性流動材及び硬質充填材からなる構成に限定されるものではなく、その他の種々の粉体材料を適用することも可能である。
また、外蓋11上の押圧力調整螺子の本数は、図3及び4に示されるように、5本以上であることが好ましい。なぜなら、内蓋10を押圧する際、螺子(押圧力調整螺子)13と内蓋10との接触点が多いほうが、プラグ5に対して十分な加圧力を安定して付与することが可能となるからである。また、同じ加圧力を要するプラグにおいて、加圧点を複数にした場合、内蓋を押圧する全体の力の螺子一本当たりの負荷が低減し、螺子13の一つ一つの大きさを比較的小さく設計することができるので、より細かい調整が可能となるからである。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えることができる。
例えば、上述の実施形態では、積層体を構成する剛性板及び弾性板はドーナツ形状としたが、ドーナツ形状の外円は、四角形状、三角形状、多角形状等の任意の形状であってもよい。また、中空部を形成するドーナツ形状の内円も、四角形状、三角形状、多角形状等の任意の形状とすることができる。
次に、特許文献1に記載の、外周面に螺子溝が形成された封止部材を中空部に連通するフランジの貫通孔に圧入した免震構造体(従来例)、及び、図1に示したところに従う本発明の免震構造体(発明例)を各々試作し、それらの減衰性能評価を行ったので、以下に説明する。
すなわち、免震構造体の基本構造は従来例と発明例とは表1に示す同じ仕様とし、封止部材の構造を対比するようにした。従来例の封止部材および発明例の内、外蓋の仕様を、図5および図6に示す。なお、発明例における、すりわり付き止めねじ(いもねじ)13を介しての内蓋の押し込み量Lは、従来例における押し込み量(蓋下面からの突出代):13.6mmと図6におけるaが同じになるように、11.6mmに調整した。ちなみに、この際の各螺子13の導入トルクは、45.0N・m程度であった。
Figure 2012077892
かような免震構造体の各々に、表2に示す試験条件を同じくして減衰性能試験を行った。その結果について、表3および図7に示すように、内蓋式の発明例は、従来例と同等以上の、免震構造体としての減衰性能を含む水平性能をそなえていることがわかる。また、内蓋の押し込み量Lは、すりわり付き止めねじを介して確実に与えられていることも確認できた。
Figure 2012077892
Figure 2012077892
以上の説明から明らかなように、この発明によって、中空部にプラグを圧入した後、プラグへの加圧力を微調整することができ、かつ、プラグに捩れが生じること無しに、所望の減衰性能を実現し得る免震構造体及びその製造方法を提供することが可能となった。
1 免震構造体
2 剛性板
3 弾性板
4 積層体
5 プラグ
6 第1のフランジ板
7 第2のフランジ板
8 被覆材
10 内蓋
11 外蓋(フランジ板)
12 取付ボルト
13 螺子(押圧力調整螺子)

Claims (6)

  1. 剛性板と弾性板とを交互に積層し、これらの板を貫通して積層方向に延びる中空部を形成した積層体と、前記中空部に圧入されたプラグとを、前記積層方向の両側からフランジ板にて挟持してなる免震構造体であって、
    前記フランジ板の少なくとも一方の側において、前記プラグの端面を覆う内蓋を設け、該内蓋と当接しかつ前記フランジ板から該内蓋に向かって前記積層方向に進退する螺子を少なくとも一本設けた
    ことを特徴とする免震構造体。
  2. 前記螺子は複数本であって、同一円周上において等間隔に配置されることを特徴とする請求項1に記載の免震構造体。
  3. 前記プラグは、塑性流動材及び硬質充填材からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の免震構造体。
  4. 剛性板と弾性板とを交互に積層し、これらの板を貫通して積層方向に延びる中空部を形成した積層体と、
    前記中空部に圧入されたプラグと、
    前記プラグの少なくとも一端面を覆う内蓋と、
    これら積層体、プラグ及び内蓋を積層方向の両側から挟持するフランジ板とを有する免震構造体を製造するに当たり、
    前記フランジ板の少なくとも一方の側に、該フランジ板から前記内蓋に向かって進退する螺子を少なくとも一本配置し、該螺子を内蓋に向けて回転移動させて該内蓋を介して前記プラグに押圧力を付与する
    ことを特徴とする免震構造体の製造方法。
  5. 前記螺子を複数本、同一円周上において等間隔に配置することを特徴とする請求項4に記載の免震構造体の製造方法。
  6. 前記プラグは、塑性流動材及び硬質充填材であることを特徴とする請求項4又は5に記載の免震構造体の製造方法。
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