JPH09296845A - 免震構造体 - Google Patents

免震構造体

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JPH09296845A
JPH09296845A JP10980696A JP10980696A JPH09296845A JP H09296845 A JPH09296845 A JP H09296845A JP 10980696 A JP10980696 A JP 10980696A JP 10980696 A JP10980696 A JP 10980696A JP H09296845 A JPH09296845 A JP H09296845A
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JP
Japan
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plate
seismic isolation
isolation structure
friction
plates
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Application number
JP10980696A
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English (en)
Inventor
Koji Kubo
孝治 久保
Isao Hagiwara
萩原  勲
Yoshihide Fukahori
美英 深堀
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦板の積層体を内部に封入してなる免震構
造体に所望の免震性能や復元力を付与することができ、
安定した免震性能を有する免震構造体を提供する。 【解決手段】 免震構造体10は、上面板12と下面板
14の間に硬質板16としての銅板20枚、軟質板18
としてのゴム板を21層を交互に積層し、その積層体部
分の中央に設けた中空部20にガラス繊維強化不飽和ポ
リエステル樹脂製の摩擦板22を43枚積層したものが
封入されてなる。摩擦板22の積層体の上に押さえ板2
4として鉄板を配置し、中央部にM27のメネジを切っ
た上ブタ26を配置し、上ブタ26を150kg−cm
のトルクで締め付けて摩擦板22積層体に封入力を掛け
る。封入力は上ブタのトルクにより調整しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は免震構造体に関し、詳し
くは、内部に摩擦板を積層してなり、摩擦板に掛かる圧
力を調整することにより、安定な免震性能を得ることが
できる免震構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数個の鋼板等の剛性を有した硬
質板と、粘弾性的性質を有したゴム等の軟質板とを交互
に積層した免震構造体が、中層、低層のビルや橋梁等の
免震装置のゴム支承片として広く用いられている。この
ような免震構造体の軟質板を構成するゴム等の弾性体
は、下記のようなばね特性を有するように設計されるの
が一般である。即ち、ゴム等の弾性体の横ばね定数KH
、搭載質量をMとして、水平方向の固有振動数fH は
次の条件を満たすように設計する。
【0003】
【数1】
【0004】この固有振動数fH は、建物や橋梁などの
重量と、ゴムなどの弾性体の横ばね定数KH との比で決
まるので、ビルや橋梁など搭載重量Mの大きいものの免
震装置の軟質板を構成する弾性体はばね剛性の大きい材
料、高弾性材料が用いられることが一般的である。これ
を戸建住宅などの軽負荷のものに適用すると、戸建住宅
などは搭載重量Mが小さいので、軟質板の材料はばね剛
性の小さい、低弾性のものが必要であった。このような
免震装置は地震に対しては効果があるが、風揺れなどの
影響を受けてしまう。これを防ぐために、免震構造体の
積層部分に空孔を設けて、その空孔の中に複数枚の摩擦
板を積層したものが特開昭62−141330号等で提
案されていた。
【0005】このような摩擦板を併用した免震構造体
は、低剪断歪み即ち風揺れ等における高弾性、及び高剪
断歪み即ち地震時における低弾性と高減衰性とを合わせ
持つので、地震や交通振動、風揺れなどに効果を発揮す
ることができ、その中空部に積層された摩擦板を所定の
圧力で封じ込め、得られる摩擦力を減衰力として周囲の
ゴム積層体に復元力をもたせる働きをしている。免震構
造体において、この摩擦板を所望の圧力に調整して封入
する方法として、(1)一定の厚さの摩擦板を、封入さ
れる積層体よりも高くなるように定められた所定の枚数
で積層し、加圧しながら封入して蓋をしめることによ
り、周囲の複合積層体、特に、その軟質板部分に引張力
を働かせてその引張力を封入力とする方法、(2)摩擦
板の積層体上の中空部の末端に、オーバーボリュームと
なる様にゴム弾性体を封じ込め、ゴム弾性体の圧縮力を
利用する方法、(3)摩擦板の積層体上の中空部の末端
にサラバネを封じ込めその反撥力を利用する方法等が挙
げられる。これらの方法は、いずれも一定の変位を与え
ることにより得られる圧縮力又は引張力を利用して圧力
を調整するものであり、この変位を好適に調整しなけれ
ば、所望の圧力をえることはできない。一方、封入する
摩擦板は通常の使用でも100枚にも達しており、僅か
な厚みの誤差により積層した摩擦板の高さが変位し、封
入する圧力にもばらつきが生じて、摩擦板に掛かる封入
力を所望の大きさに調整することは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の技術に鑑みてなされたものであり、摩擦板の積層
体を内部に封入してなる免震構造体に所望の免震性能や
復元力を付与することができ、安定した免震性能の免震
構造体を得ることができる、耐久性に優れ、且つ、所望
の免震性能得ることができる免震構造体の提供を目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
免震構造体は、剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有
する軟質板とが交互に積層されてなる免震構造体であっ
て、その内部に貫通する空孔が設けられ、該空孔の中に
弾性率1.5×105 Kgf/cm2 以下の高分子材料
からなる複数枚の摩擦板を積層して配置し、該摩擦板の
上部に摩擦板を封入するためのネジ山を有するフタを設
けた、ことを特徴とする。
【0008】本発明の請求項2に係る免震構造体は、前
記ネジ山を有するフタの直径が、前記摩擦板の直径以下
であることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項3に係る免震構造体は、前
記ネジ山を有するフタの締めつけトルクを調整すること
によって、前記摩擦板にかかる圧力を調整することを特
徴とする。
【0010】本発明の請求項4に係る免震構造体は、前
記ネジ山を有するフタと前記摩擦板との間に、高硬度の
材料からなる押さえ板が配置されていることを特徴とす
る。
【0011】また、ここで用いられる前記摩擦板は、前
記複合積層体の内部に貫通する空孔の中に押込み力75
Kgfから550Kgfで封入されており、前記摩擦板
の厚さtマサツ は、前記軟質板1枚の厚さをtR としたと
きに、tマサツ ≦tR であり、且つ前記摩擦板の直径d
は、前記複合積層体の高さをH、前記軟質板の総厚さを
h、前記硬質板の直径をDとしたときに、d≧10(h
/H)tマサツ 、且つ、0.1≦(d/D)≦0.8の条
件をみたすことが好ましく、さらに、前記摩擦板が、ナ
イロン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、又は、熱硬化性プラスチック及び
それをマトリックスとした繊維強化樹脂(FRP:例え
ば、不飽和ポリエステル樹脂のFRP)を1種あるいは
2種以上組み合わせた材料からなることが好ましい。
【0012】本発明の免震構造体においては、その内部
に貫通する空孔が設けられ、該空孔の中に弾性率1.5
×105 Kgf/cm2 以下の高分子材料からなる複数
枚の摩擦板を積層して配置し、該摩擦板の上部に摩擦板
を封入するためのネジ山を有するフタを設けているた
め、ネジ山を有するフタのトルクに摩擦板に掛かる封入
力を任意に調整することができ、所望の免震特性を有す
る免震構造体を簡単に得ることができる。さらに、積層
体の厚みの誤差に起因する免震特性の変動を抑えて安定
した免震性能の免震構造体を得ることができる。
【0013】また、前記フタと摩擦板との間に、鋼板な
どの高硬度材料からなる押さえ板を配置することによ
り、フタの締めつけトルクによる圧力(封入力)を摩擦
板の表面に均一に分散することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に用いる免震構造体の構造
は、前記に示したように、上下の面板の間に剛性を有し
た硬質板と粘弾性的性質を有した軟質板とを、それぞれ
複数個、交互に積層した複合積層体の内部に孔を設け、
その中に複数の摩擦板を積層してなるものである。
【0015】ここで、本発明の免震構造体に用いられる
摩擦板について詳細に説明する。摩擦板は、弾性率1.
5×105 Kgf/cm2 以下の高分子材料、好ましく
は1.1×105 Kgf/cm2 以下、更に好ましく
は、8.5×104 Kgf/cm2 以下の高分子材料で
形成される。
【0016】例えば、摩擦板にジアリルフタレートを用
いた場合の弾性率の1例は、1.1×105 Kgf/c
2 、ガラス繊維補強(30%)の66ナイロンを用い
た場合の弾性率の1例は、8.5×104 Kgf/cm
2 、実施例1に示した66ナイロン単体を用いた場合の
弾性率の1例は、2.9×104 Kgf/cm2 であ
る。
【0017】本発明に用いる摩擦板の材料は高分子材料
に限られる。高分子材料としては、具体的には、例え
ば、熱可塑性プラスチックとして、ポリアミド(ナイロ
ン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ガラス繊維強化ポリスチレン、ポリ−P−キシレン、ポ
リ酢酸ビニル、ポリアクリレート、ポリメタアクリレー
ト、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素系プ
ラスチック、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテ
ル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリカーボネイ
ト、熱可塑性ポリエステル、ジエン系プラスチック、ポ
リウレタン系プラスチック、芳香族ポリアミド、ポリフ
ェニレン、シリコーンなどを用いることができる。なか
でも、材料特性及び入手の容易性の観点から、ナイロ
ン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、熱硬化性プラスチック等が好ましい。ま
た、前記の熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチッ
クをマトリックスとしたFRP(例えば、不飽和ポリエ
ステル樹脂のFRP)等も用いることができる。これら
の材料は単体で用いても、複数の種類を複合して用いて
もよく、また、可塑剤や充填剤を添加してもよく、FR
Pの如くガラス繊維やカーボン繊維などの補強材を混合
して用いてもよい。
【0018】本発明の摩擦板の厚さをtマサツとし、軟質
板1枚の厚さをtR としたとき、t サツはtR 以下であ
ることが好ましい。また、この時の摩擦板の直径dは、
複合積層体の高さをH、軟質板の総厚さをhとしたとき
に、d≧10(h/H)tマサツとなることが好ましい。
【0019】即ち、硬質板1枚の厚さをtS 、硬質板の
枚数をn枚としたときに、 H=(n+1)tR +ntS h=(n+1)tR このとき、上下の面板間の摩擦板の枚数をm枚とする
と、 H=mtマサツ となる。剪断歪み200%時における摩擦板の重なり部
分は、摩擦板の直径dの80%以上あることが望ましい
ので、 2h/m≦d/5 d≧10(h/m)=10(h/H)tマサツ となる。更に好ましくは、剪断歪200%時における摩
擦板の重なり部分は、摩擦板の直径dの90%以上ある
ことが望ましく、 d≧20(h/m)tマサツ である。また、摩擦板の直径dは、硬質板の直径をDと
すると、 0.1≦(d/D)≦0.8 であることが好ましい。更に好ましくは、 0.1≦(d/D)≦0.6 である。d/Dが0.8を越えると摩擦力が大きくなり
過ぎ、免震構造体のバネ剛性とのバランスがくずれ、復
元力が損なわれてしまう。d/Dが0.1未満になる
と、初期剛性が不足し、風揺れの防止ができなくなって
しまう。
【0020】本発明の摩擦板は、複合積層体を貫通する
孔の中に押込み力75Kgfから550Kgfで封入す
ることが好ましい。更に好ましくは、100Kgfから
550Kgfである。封入する圧力が550Kgfを超
えると、免震構造体が垂直方向に大きく引き伸ばされる
ことになり、使用時即ち載荷時の初期の沈み込み量を勘
案しても550Kgfが限度である。又、押込み力75
Kgf未満では圧縮力が不十分であり、免震構造体とし
て十分な摩擦力を得ることができない。
【0021】この摩擦板の封入力(押込み力)は、摩擦
板の上部に設けられたネジ山を有するフタのネジの締め
つけトルクを調整することによってコントロールするこ
とができる。即ち、上面板にネジを切り、そこに適合す
るネジ山を有するフタを設けて、そのネジの締め付けト
ルクを一定にすることにより摩擦板に加わる封入力を一
定になるよう調整するものである。ネジの大きさは、摩
擦板と同じかあるいはそれ以下の直径を有するものが好
ましい。即ち、摩擦板より大きいネジを使用すると、押
さえ板を厚くして、上フランジに均等に応力が掛かるよ
うにしなければならず、そのため、上方のメネジを切っ
たフランジの厚さを厚くする必要があり、コストの観点
から好ましくない。例えば、摩擦板が直径50mmの場
合、M50メネジを上面板(上フランジ)に切り、M5
0のオネジで押し込むことにより好適な封入力の制御が
なしうる。あるいは、摩擦板が直径50mmの場合、摩
擦板の上部に直径50mmで厚さ1mm以上の高硬度の
板(例えば鉄板)を押さえ板として重ね、上面板にM1
6〜M24のメネジを切り、M16〜M24のオネジを
上ブタとして一定のトルクで押し込み、押し込み圧を前
記直径50mmで厚さ1mm以上の鉄板(押さえ板)で
受けて、その押込み力を摩擦板に均等に伝達することに
よっても、好適な封入力の制御を行うことができる。こ
のとき、押込み力を伝達するために設けられる高硬度の
板からなる押さえ板は、トルクによる圧力を均等に伝達
するに十分な剛性を保持する程度の厚みが必要であり、
例えば、押さえ板として鉄板や鋼板を使用する場合に
は、その厚さは好ましくは、1mm〜10mm程度であ
り、1mm未満であると、オネジを押し込んだ時に押さ
え板の端部がそり返って均等な封入力が得られず、一
方、押さえ板を10mmを超えて厚くすることは封入力
の観点からは問題はないが、その押さえ板を保持するた
めに上面板を厚くなす必要が生じて、実用的ではなくな
る。
【0022】また、所望の免震性能を得るために、例え
ば、直径が100mm程度の広い表面積を有する摩擦板
を使用する場合には、上面板に複数のネジを切ったフタ
を設けて、摩擦板上に押さえ板を配置し、前記複数のフ
タを同一のトルクで締め込むことにより、均一な封入力
を得ることができる。
【0023】ここで用いるネジの材料としては、通常市
販されているクロム−モリブデン鋼(SCM)、一般構
造用圧延鋼材(SS)の各グレード品、ステンレス鋼な
どの鋼材を任意に使用し得る。
【0024】また、フタに形成されるネジ山には特に制
限はなく、上面板の厚みによって並目ネジ、細目ネジの
何れをも選択することができる。
【0025】次に、本発明の免震構造体を構成する他の
材料について説明するが、本発明の免震構造体において
軟質板を構成する粘弾性的性質を有した材料としては、
50%モジュラスが1.5〜3kgf/cm2 、25℃
における動的剪断弾性率Gが、1.5〜3kgf/cm
2 の特性を有するものが好ましく、50%モジュラスが
1.5〜2.5kgf/cm2 、動的剪断弾性率Gが、
1.5〜2.5kgf/cm2 のものが好ましい。
【0026】各種材料の50%モジュラス及び動的剪断
弾性率Gは、例えば、JIS K6301、K6394
に準拠して測定することができる。
【0027】ここで、粘弾性的性質を有する材料の具体
例としては、熱可塑ゴム、ウレタンゴム、各種の加硫ゴ
ム、未加硫ゴム、微架橋ゴム、プラスチックス等の有機
材料、これらの発泡体、アスファルト、粘土等の無機材
料、これらの混合材料など各種の材料であって、上記粘
弾性的性質を有するものを選択して用いることができ
る。
【0028】これらの材料は、平板状に成形され、軟質
板として用いられる。軟質板の形状は特に制限はない
が、本発明の免震構造体においては、摩擦板を封入する
柱状の中空部を有することが必要であり、中央に中空部
を有する所謂円柱状のものが使用され、個々の軟質板は
ドーナツ盤状の形状を有する。軟質板の厚みには特に制
限はなく、使用される材料及び所望の免震性能によって
選択できるが、一般には、1〜4mm程度の厚みのもの
が使用される。
【0029】これらの材料は単独で用いても、複数種を
混合して用いてもよく、全体が均一な材料で形成されて
いてもよいが、内側部分に高ダンピング材料、外側部分
にクリープ性能の良くかつ柔らかい材料等と二種類以上
を組み合わせて使用してもよい。
【0030】また、硬質板としては、金属、セラミック
ス、プラスチックス、FRP、ポリウレタン、木材、紙
板、スレート板、化粧板等所要の剛性を有する各種の材
料を使用することができる。ここで、所要の剛性とは、
設計条件により大きく変わるが、剪断変形した時、座屈
現象が生じにくい剛性を意味する。
【0031】硬質板の厚み、形状には特に制限はなく、
使用される材料及び所望の免震性能によって選択できる
が、その厚みは、一般には、0.5〜2mm程度の厚み
のものが使用される。また、形状は、積層される軟質板
と同様、中央に摩擦板を封入するための中空部を有して
おり、通常は、併用する軟質板と同じ形状のものが汎用
されている。
【0032】前記軟質板及び硬質板、それぞれの形状、
面積及び厚さは前記した如く要求される免震性能によっ
て適宜選択される。
【0033】本発明の免震装置に耐候性を付与するた
め、複合積層体の外側を耐候性の優れた材料で被覆して
も良い。この被覆材料としては、例えば、ブチルゴム、
アクリルゴム、ポリウレタン、シリコンゴム、フッ素ゴ
ム、多硫化ゴム、エチレンプロピレンゴム(ERP及び
EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポ
リエチレン、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴ
ムなどを用いることができる。これらの材料は単独で
も、二種類以上をブレンドしても良い。また、天然ゴ
ム、イソプレンゴムスチレンブタジエンゴム、ブタジエ
ンゴム、ニトリルゴム、熱可塑ゴム等とブレンドしても
良い。
【0034】
【実施例】
〔実施例1〕図1は本発明の実施例1に依る免震構造体
の概略断面図を示している。
【0035】図1に示す免震構造体10は、上面板(鉄
板)12と下面板(鉄板)14の間に硬質板16として
外径160mm、内径30mm、厚さ1mmの銅板20
枚、軟質板18として50%モジュラスが2.4kgf
/cm2 、引張強度が84kgf/cm2 、破断時の伸
びが740%のゴム材料を用いて成形した1枚の厚さが
1.6mmのゴム板を21層用いた。この硬質板16と
軟質板18とを交互に積層した積層体部分の中央部には
中空部20が設けられ、中空部20にガラス繊維強化不
飽和ポリエステル樹脂(以下、単にFRPと称する)製
で、直径29.6mm厚さ1.5mmの摩擦板22を4
3枚積層したものが封入されている。摩擦板22の積層
体の上に厚さ5mm、直径29.6mmの鉄板を押さえ
板24として配置し、中央部にM27のメネジを切った
六角穴付き押さえボルトを上ブタ26として配置し、上
ブタ26を150kg−cmのトルクで締め付けてFR
P製の摩擦板22積層体に封入力をかけた。
【0036】荷重3ton、振動数f=0.2Hz、断
歪100%で振動を与えた時の剪断剛性(G)及びta
nδを測定した。摩擦板の厚みの誤差による免震性能へ
の影響を検討するため、同一の免震構造体を用いて、設
計上は同様の厚みを有する同形状のFRP摩擦板43枚
を5回入れ替えて、同様の条件で上ブタを締めてトルク
を調整し、それぞれ同様の条件で剪断剛性(G)及びt
anδを測定した結果を下記表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1に明らかなように、5つの免震構造体
の剪断剛性(G)及びtanδの測定値は非常にばらつ
きが少なく、誤差の少ない安定した免震性能が得られる
ことがわかった。
【0039】〔比較例〕図2は比較例に依る免震構造体
30の断面図を示している。
【0040】図2に示す免震構造体30は、上面板(鉄
板)12の部分に、FRP製の摩擦板22積層体を封入
するため鉄製のフタ32を配置し、そのフタ32をネジ
34によって上面板12に固定したこと、及び封入する
摩擦板を45枚としたことの他は、硬質板16、軟質板
18の材料、形状、中空部20に配置されたFRP製の
摩擦板22の形状等は全て実施例と同じ構造を有する。
【0041】実施例に用いたのと同じ1.5mm厚のF
RP製摩擦板22を45枚積層し、上ブタ32をしめた
後、実施例と同様に荷重3ton、振動数f=0.2H
zで剪断歪100%で振動を与えた時の剪断剛性(G)
及びtanδを測定した。実施例と同様に、摩擦板の厚
みの誤差による免震性能への影響を検討するため、同一
の免震構造体を用いて、設計上は同様の厚みを有する同
形状のFRP摩擦板45枚を5回入れ替えて、それぞれ
同様の条件で剪断剛性(G)及びtanδを測定した。
結果を表2に示す
【0042】
【表2】
【0043】表2に明らかなように、5回の測定で特に
tanδに大きな差が現れ、摩擦板の厚みの誤差により
生じたと推定される封入力のばらつきにより、tanδ
は0.3から0.6まで大きく差が生じたことがわかっ
た。免震構造体は、使用目的に応じた免震性能が要求さ
れ、剪断剛性(G)及びtanδの測定値が免震性能の
指標となることを考慮すれば、このようにtanδの測
定値に大きな差がでる構造においては免震構造体の設計
が不可能であることを示す。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
の免震構造体は、戸建住宅用等の軽重量物に適用した場
合に、高性能で、且つ、交通振動などの微小振動に対し
ても優れた防振効果を有し、かつ、耐久性に優れてい
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に係る免震構造体の断面図
である。
【図2】 本発明の比較例に係る免震構造体の断面図で
ある。
【符号の説明】
10:免震装置 12:上面板 16:硬質板 18:軟質板 22:摩擦板 24:押さえ板 26:ネジを切った上ブタ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有
    する軟質板とが交互に積層されてなる免震構造体であっ
    て、 該免震構造体は、その内部に貫通する空孔が設けられ、
    該空孔の中に弾性率1.5×105 Kgf/cm2 以下
    の高分子材料からなる複数枚の摩擦板を積層して配置
    し、該摩擦板の上部に摩擦板を封入するためのネジ山を
    有するフタを設けた、ことを特徴とする免震構造体。
  2. 【請求項2】 前記ネジ山を有するフタの直径が、前記
    摩擦板の直径以下であることを特徴とする請求項1記載
    の免震構造体。
  3. 【請求項3】 前記ネジ山を有するフタの締めつけトル
    クを調整することによって、前記摩擦板にかかる圧力を
    調整することを特徴とする請求項1記載の免震構造体。
  4. 【請求項4】 前記ネジ山を有するフタと前記摩擦板と
    の間に、高硬度の材料からなる押さえ板が配置されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の免震構造体。
  5. 【請求項5】 前記摩擦板が、前記複合積層体の内部に
    貫通する空孔の中に押込み力75Kgfから550Kg
    fで封入されていることを特徴とする請求項1乃至4記
    載の免震構造体。
  6. 【請求項6】 前記摩擦板の厚さtマサツ は、前記軟質板
    1枚の厚さをtR としたときに、 tマサツ≦tR であり、且つ前記摩擦板の直径dは、前記複合積層体の
    高さをH、前記軟質板の総厚さをh、前記硬質板の直径
    をDとしたときに、 d≧10(h/H)tマサツ 0.1≦(d/D)≦0.8 であることを特徴とする請求項1乃至5記載の免震構造
    体。
  7. 【請求項7】 前記摩擦板が、ナイロン、ポリエチレ
    ン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
    又は、熱硬化性プラスチック及びそれをマトリックスと
    した繊維強化樹脂を1種あるいは2種以上組み合わせた
    材料からなることを特徴とする請求項1乃至6に記載の
    免震構造体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000220691A (ja) * 1999-01-29 2000-08-08 Oiles Ind Co Ltd 振動エネルギ吸収装置
WO2008004475A1 (fr) 2006-07-06 2008-01-10 Oiles Corporation Dispositif d'isolation antisismique
CN102720270A (zh) * 2012-06-12 2012-10-10 北京工业大学 一种纤维—钢板橡胶组合隔震支座

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