JP2615639B2 - 免震構造体 - Google Patents

免震構造体

Info

Publication number
JP2615639B2
JP2615639B2 JP62187290A JP18729087A JP2615639B2 JP 2615639 B2 JP2615639 B2 JP 2615639B2 JP 62187290 A JP62187290 A JP 62187290A JP 18729087 A JP18729087 A JP 18729087A JP 2615639 B2 JP2615639 B2 JP 2615639B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
damper
seismic isolation
cavity
isolation structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62187290A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6429541A (en
Inventor
明彦 荻野
弘 小島
重信 鈴木
美英 深堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP62187290A priority Critical patent/JP2615639B2/ja
Publication of JPS6429541A publication Critical patent/JPS6429541A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2615639B2 publication Critical patent/JP2615639B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Springs (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、機器及び構造物等に地震力を伝えないよう
にするための免震構造体に係り、特に免震効果とダンピ
ング効果を兼備する改良された免震改造体に関する。
[従来の技術及び先行技術] 複数個の鋼板とゴム板とを交互に積層した構造体(免
震ゴム)が、地震時の防振性を満たす支承部材として、
最近注目をあびている。
このような免震ゴムは、コンクリートのような剛体建
築物と基礎土台との間に介在されると、横方向に柔らか
い、即ち剪断剛性率が小さいので、建築物の固有周期を
地震の周期からずらす作用を有し、地震により建物が受
ける加速度が非常に小さくなる。
このような免震ゴムにおいては、地震による変形後は
再び元の位置へ戻る弾性変形を行なうことが大きな特徴
とされており、しかも、免震ゴムのクリープ現象による
建物の沈下を極力小さくするために、免震ゴム自体のエ
ネルギー吸収能力(減衰効果)は極めて小さいものとな
っている。このため、従来、免震ゴムは、その材料特性
としてヒステリシスロスの小さいゴム材料を用いて構成
されている。
しかしながら、このような低減衰の免震ゴムのみを用
いる免震装置では、地震時の建物のゆっくりした横揺れ
は、地震が治まった後も長時間にわたって残るため、こ
の横揺れ量が大きいと、免震ゴム自身の破損はもとよ
り、建物と他の構造物との衝突や水管、ガス管、配線な
どの備品の破壊をもたらす危険性がある。
そこで、従来においては、この横揺れ変位をできるだ
け早く減少させるために、地震力が加わった際に直ちに
塑性変形をする軟質金属などでできた塑性ダンパーを併
用する方法がとられている。例えば、免震ゴムの内部に
空洞部を設け、この部分に鉛を埋め込み、地震時の塑性
変形を利用して、免震ゴムにダンピング効果を付与する
ことによって、免震効果とダンパー(ダンピング効果)
を兼備したものとすることが提案されている。
しかしながら、このような免震装置では、地震エネル
ギーの吸収機能は増大されるものの、塑性ダンパーが高
弾性であることに起因する新たな共震現象が高周波領域
に現われる。
また、鉛入り免震ゴムにおいては、大地震の際の免震
ゴムの大変形時に、鋼板の硬質板が鉛を傷つけ、更に傷
ついた鉛がゴム等の軟質板を傷つけるため、免震ゴム全
体の破断を引き起こし易い。しかも、傷ついた鉛は、繰
り返しの大変形によって容易に破断する。
本発明は上記従来の問題点を解決し、免震効果とダン
ピング効果を兼備する改良された免震装置として、複数
個の剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有する軟質板
とを交互に貼り合わせてなる免震ゴムと、プラスチック
よりなるダンパーとが並列して設けられてなることを特
徴とする免震装置、例えば、免震ゴム内にダンパーを内
蔵する免震装置について先に特許出願した(特願昭61−
217689号。以下、「先願」という。) [発明が解決しようとする問題点] 上記先願に開示されるダンパー内蔵積層ゴムは、小変
形から大変形において、優れた減衰性を示すが、微小振
動の減衰には効果が小さいという欠点がある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、小変形から大変形にも優れた減衰性を示す
と共に、微小振動に対しても優れた効果を発揮すること
のできる免震構造体を提供するものである。
本発明の免震構造体は、複数個の剛性を有する硬質板
と粘弾性的性質を有する軟質板とを交互に積層してなる
積層ゴムに空洞部を設け、この空洞部の中に粘弾性材料
で主に構成されるダンパーを配置したものである。
本発明の第1の発明に係る免震構造体は、該ダンパー
と積層ゴムの空洞内壁との間に、空間部形成部材を介在
させることにより空間部を設けてなる免震構造体であっ
て、 25℃、5Hz、0.01%歪で動的に測定された貯蔵弾性率
Eに関して、該空間部形成部材を構成する材料のEを
EL、前記ダンパーの粘弾性材料のEをEVとしたとき、 であることを特徴とする。
本発明の第2の発明に係る免震構造体は、該ダンパー
の外周面に空間部を設けてなる免震構造体であって、前
記軟質板の内周は硬質板の内周よりも内方に突出し、そ
の先端が該ダンパーの外周面に当接しており、前記空間
部は、この軟質板の内周部分と、硬質板の内周部分とダ
ンパーの外周部分とで囲まれていることを特徴とする。
本発明の第3の発明に係る免震構造体は、該ダンパー
と積層ゴムの空洞内壁との間に、空間部を設けてなる免
震構造体であって、該ダンパーの前記積層方向の両端面
にそれぞれスライディングプレートが重ね合わされてお
り、該スライディングプレートの外周面が該空洞内壁面
に当接していることを特徴とする。
[作用] 本発明者らは前述の如く、従来の問題点を解決し、免
震効果とダンピング効果を兼備する免震装置について研
究を重ねた結果、免震ゴムの内部に空洞を設けこの部分
に優れたヒステリシス特性を有する特定の粘弾性物質を
ダンパーとして配置することによって、小変形から大変
形に到る幅広い領域で、極めて高減衰の免震構造体を得
ることができた。
しかしながら、この場合、上記特定の粘弾性物質でさ
えも減衰性を大きくしようとすればする程、微小変形に
おいては周囲をとりまく免震ゴムよりも弾性率が高くな
る。勿論、鉛や鋼材で出来た塑性体に比べるとその上昇
率ははるかに小さいが、高ロス性を発揮させるには、一
般的には、高弾性率とならざるを得ない。
ところで、現代社会の要求として精密加工を必要とす
るIC工場、バイオ工場、レーザー工場及び鉄道、道路沿
線の家屋などに対する微振動対策が挙げられる。一般の
免震ゴムの場合、その横方向の弾性率が低いため、これ
らの微振動に対しても防振効果を発揮し、優れた振動減
衰効果を発揮する。
しかしながら前述の如く、粘弾性物質を配置した免震
ゴムの場合、この粘弾性物質の微小変位における弾性率
が高いため、結果として免震構造体としての弾性率が粘
弾性物質を配置しない一般の免震ゴムに比べて高くな
る。このため、微小振動に対する減衰効果が低下する傾
向があり、現在の要求特性を満足し得ないものとなる。
そこで、本発明者らは、このように微小振動に対し
て、ダンパーが免震ゴムの減衰作用を阻外することを防
止するべく、更に検討を重ね、免震ゴムの積層ゴムと内
蔵ダンパーとの間に空間部を緩衝材として設けることに
より、このような阻外作用が有効に防止されることを見
出し、本発明を完成させた。即ち、免震ゴムの積層ゴム
と内蔵ダンパーとの間の空間部は、ダンパーが微小変形
によって弾性変形しても、この弾性変形が免震ゴムに直
に伝達されることを微小にする効果がある。
[実施例] 以下図面を参照して実施例について説明する。
第1図〜第4図は各々本発明の一実施例に係る免震構
造体を示す縦断面図である。なお、第1〜第4図におい
て、同一の機能を有する部材は同一符号を付し、その説
明を省略する。
第1図に示す実施例の免震構造体1は、本発明の第1
の発明の実施例であり、複数個の剛性を有する硬質板11
と粘弾性的性質を有する軟質板12とを交互に貼り合わせ
てなる積層円柱状のゴム2の中心部に円筒状の空間を設
け、この空間内に粘弾性材料で主に構成されるダンパー
3を配置したものであって、ダンパー3の周囲にはロー
プやワイヤのような長い部材41が巻かれており、この部
材41によりダンパー3と積層ゴム2との間に一定の空間
(空気層)40が形成されている。即ち、第1図の実施例
においては、長い部材41とこれにより形成される空間40
により、空間部を含む層4が形成されている。なお、図
中、符号13、14はフランジ、20は建物、30は基礎であ
る。
第2図に示す免震構造体1は本発明の第2の発明の実
施例であり、この免震構造体1は、積層ゴム2の空洞内
壁から突出する軟質板12の突出部42が、空間40を生み出
しており、空間部を含む層4を形成している。第3図に
示す免震構造体1は本発明の第1の発明の実施例であ
り、この免震構造体1では、ダンパー3の周囲に装入さ
れた球状体43が空間40を生み出している。また、第4図
は、本発明の第3の発明の実施例を示し、この免震装置
ではダンパー3の上面と下面にそれぞれスライディング
プレート(摩擦係数の低いすべり板)44が設けられ、ダ
ンパー1の周囲に空間40を生み出しており、それぞれ空
間部を含む層4が形成されている。
図示のものは、本発明の実施例であり、本発明におい
ては、第1図〜第4図に示すものの他、様々な態様を採
用することができる。
例えば、空間部形成部材としての第1図における長い
部材41や第3図における球状体43の代わりに、ネット、
独立気泡を有する発泡体、その他第5図に示すような孔
のあいたシート46、第6図に示すようの凹凸付きのシー
ト47、第7図に示すような凹凸と空洞49を有するシート
48等も採用することができる。これらのものは、2以上
を組み合わせて採用することもできる。本発明において
は、このように空間部を含む層を形成するためにダンパ
ー3と積層ゴム2との間に装入する部材を「空間部形成
部材」という。
本発明において、積層ゴム2の形状、その空洞の形状
やダンパー3の形状は免震効果、ダンピング効果を有効
に発揮し得る形状であれば良く、形状的には何ら拘束さ
れないが、一般的には、柱状体が適している。
また、空間部を含む層4は、ダンパー3の側面のみに
設けても良く、側面と上面又は下面のみに設けても、あ
るいは、ダンパー3の周囲全体に設けるようにしても良
い。
なお、第1図〜第4図に示すような免震構造体1にお
いて、積層ゴム2の大きさ、ダンパー3の大きさ、空間
部を含む層4の厚さ等にも特に制限はなく、免震構造体
の使用目的等に応じて適宜選定されるが、例えば、第1
図における積層ゴムの空洞の直径lと積層ゴムの直径L
との比、l/Lは、 好ましくは 更に好ましくは であることが望ましい。
また、空間部を含む層4の厚さl0と積層ゴム2の空洞
の直径lとの比、l0/lは、 好ましくは であることが望ましい。
以下に、本発明の免震構造体の積層ゴム2、ダンパー
3及び第1図における長い部材41や第3図における球状
体43のような、ダンパー3の周囲に装入される空間部形
成部材の各々の構成材料について説明する。
積層ゴム2の硬質板11の材質としては、金属、セラミ
ックス、プラスチックス、FRP、ポリウレタン、木材、
紙板、スレート板、化粧板などを用いることができる。
また軟質板12としては、各種の加硫ゴム、プラスチック
などの有機材料、これらの発泡体、アスファルト、粘土
等の無機材料、これらの混合材料など各種のものを用い
ることができる。これらの硬質板11及び軟質板12の形状
は、円形、方形、その他、五角形、六角形等の多角形と
しても良い。
一方、ダンパー3の主構成材料である粘弾性材料とし
ては、25℃、50%引張変形時のヒステリシス比(h50
が0.2以上、好ましくは0.3以上であるものが好ましい。
なお、引張速度200mm/minで、h50は、第8図の応力−歪
曲線において の面積比で与えられる。
また、粘弾性材料の弾性率は、周波数5Hz、歪0.01%
で動的に測定された貯蔵弾性率Eの25℃における値が 1≦E≦2×104(kg/cm2) 好ましくは 5≦E≦1×104(kg/cm2) であることが望ましい。
更に、粘弾性材料の引っ張り破断時における伸びは1
%以上あることが好ましく、より好ましくは5%以上、
更に好ましくは10%以上、特に20%以上あることが好ま
しい。
一方、ダンパー3の周囲に装入される空間部形成部材
は、ダンパーと接触している面の単位面積当りの圧縮弾
性率がダンパーのそれよりも低くあるべきである。これ
により、微小振動に対して、ダンパー3が積層ゴム2の
減衰作用を妨害する働きを有効に低減させることができ
る。空間部形成部材を構成する材料としては、25℃、5H
z、0.01%歪で動的に測定された貯蔵弾性率Eに関し
て、空間部形成部材を構成する材料のEをEL、上記ダン
パーの粘弾性材料のEをEVとすれば 好ましくは より好ましくは である。
このような、空間部形成部材としては、上記特性を満
たすものであれば何れでも良く、各種加硫、未加硫ゴ
ム、プラスチック、その他、後述する粘弾性材料として
例示したもののうち上記特性を有するものを用いること
ができる。また、ポリウレタン等のフォーム状発泡体、
金属、プラスチック、FRP、アスファルト、粘土、ゴム
等のバネ体、天然繊維、毛布、織物、ワラクズ等を用い
ることもできるが、特に加硫ゴムとプラスチックが好適
である。
本発明において、ダンパーの粘弾性材料としては、前
述の特性を有する未加硫ゴム、加硫ゴム、その他前述の
特性を有する樹脂、可塑性物質等が挙げられる。
本発明において、粘弾性材料としては、前述のような
ヒステリシス比、弾性率特性を有する未加硫ゴム、加硫
ゴム又はその類似物であることが好ましく、例えば、エ
チレンプロピレンゴム(EPR、EPDM)、ニトリルゴム(N
BR)、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレ
ンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(I
R)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム
(BR)、アクリルゴム、エチレン−酢ビゴム(EVA)、
ポリウレタン等の一般ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴ
ム、エチレンアクリルゴム、ポリエステルエラストマ
ー、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン等の
特殊ゴム、又は熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
なお、粘弾性材料が未加硫ゴムの場合には、100℃にお
けるムーニー粘度ML1+4が10以上であることが好まし
い。
これらのゴム材料は単独で用いても、2種以上をブレ
ンドして用いても良く、また、これらのゴム材料には、
各種充填剤、粘着付与剤、滑剤、老化防止剤、可塑剤、
軟化剤、低分子量ポリマー、オイル等、ゴム材料に一般
的な配合剤を混合することにより、目的に応じた硬さ、
ロス特性、耐久性を付与することもできる。特に長期間
に亙り所定の性能を維持するために上記のゴム材料に適
切な老化防止剤、重合禁止剤、スコーチ防止剤等の安定
剤を加えたり、ポリマー自身を水添、その他の変性を行
なうことにより安定化を図ることは極めて有効である。
なお、粘弾性材料と他の構成材料との接着を行う場
合、一般的には粘弾性材料の粘着性を利用した粘着によ
るのが有利であるが、この粘着性による接着のために、
接着部に必要な化学結合又は物理結合による網目を導入
しても良い。
本発明の粘弾性材料としては、上記の特性を有する未
加硫ゴム、加硫ゴムの他に、上記の特性を有する次のよ
うな物質を利用することもできる。例えばポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、ポリ塩化ビ
ニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポ
リアセタール、ナイロン、塩化ポリエーテル、ポリ四フ
ッ化エチレン、アセチルセルロース、エチルセルロース
等の熱可塑性プラスチック及びこれらのプラスチックに
必要に応じて、次に示す充填剤、可塑剤、軟化剤、粘着
付与剤、オリゴマー滑剤等を配合したものが挙げられ
る。
充填剤:クレー、珪藻土、カーボンブラック、シリ
カ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化
アルミニウム等の鱗片状無機充填剤、各種の金属粉、木
片、ガラス粉、セラミックス粉、粒状ないし粉末ポリマ
ー等の粒状ないし粉体状固体充填剤、その他各種の天然
又は人工の短繊維、長繊維(例えば、ワラ、毛、ガラス
ファイバー、金属ファイバー、その他各種のポリマーフ
ァイバー等)等のゴム用あるいは樹脂用充填剤。
充填剤の配合割合は、ゴム100重量部に対し30〜250重
量部とするのが好ましい。
なお、短繊維としては、ガラス、プラスチック、天然
物等の一般の短繊維が用いられる。これらの短繊維には
次のような特殊な短繊維補強物も含む。例えば短繊維の
配合状態は、加硫可能なゴムに分子中に を有する熱可塑性ポリマーの短繊維が、フェノールホル
ムアルデヒド系樹脂の初期縮合物を介してグラフトして
いる強化ゴム組成物のように、短繊維がゴムに化学的に
結合して配合されているものが好ましい。上記熱可塑性
ポリマーの微細な短繊維は、融点が190〜235℃、好まし
くは190〜225℃、特に好ましくは200℃〜220℃である、
ナイロン6、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン611、
ナイロン612等のナイロン、ポリヘプタメチレン尿素、
ポリウンデカメチレン尿素等のポリ尿素やポリウレタン
等のポリマー分子中に−CONH−基を有する熱可塑性ポリ
マー、特にはナイロンから形成することが好ましく、平
均径が0.05〜0.8μであり、かつ円形断面を有し、最短
繊維長が好ましくは1μm以上で、繊維軸方向に分子が
配列された微細な短繊維の形態で埋封されていることが
好適である。
軟化剤:アロマティック系、ナフテン系、パラフィ
ン系等の各種ゴム用あるいは樹脂用軟化剤。
軟化剤の好ましい配合割合は、ゴム100重量部に対し
5〜150重量部である。
可塑剤:フタル酸エステル、フタル酸混基エステ
ル、脂肪族二塩基酸エステル、グリコールエステル、脂
肪酸エステル、リン酸エステル、ステアリン酸エステル
等の各種エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、その他
プラスチック用可塑剤又は、フタレート系、アジペート
系、セバケート系、フォスフェート系、ポリエーテル
系、ポリエステル系等のNBR用可塑剤。
可塑剤の好ましい配合割合は、ゴム100重量部に対し
5〜150重量部である。
粘着付与剤:クマロン樹脂、クマロン−インデン樹
脂、フェノールテルペン樹脂、石油系炭化水素、ロジン
誘導体等の各種粘着付与剤(タッキファイヤー)。
粘着付与剤の好ましい配合割合は、ゴム100重量部に
対し1〜50重量部である。
オリゴマー:クラウエーテル、含フッ素オリゴマ
ー、ポリブテン、キシレン樹脂、塩化ゴム、ポリエチレ
ンワックス、石油樹脂、ロジンエステルゴム、ポリアル
キレングリコールジアクレート、液状ゴム(ポリブタジ
エン、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリ
ロニトリルゴム、ポリクロロプレン等)、シリコーン系
オリゴマー、ポリ−α−オレフィン等の各種オリゴマ
ー。
オリゴマーの好ましい配合割合は、ゴム100重量部に
対し5〜100重量部である。
滑剤:パラフィン、ワックス等の炭化水素系滑剤、
高級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑剤、脂肪酸ア
ミド、アルキレンビス脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド系
滑剤、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アル
コールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル等のエ
ステル系滑剤、脂肪アルコール、多価アルコール、ポリ
グリコール、ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、
金属石鹸、混合系滑剤等の各種滑剤。
滑剤の好ましい配合割合は、ゴム100重量部に対し1
〜50重量部である。
本発明において、粘弾性体材料としては、ビチューメ
ン、粘土等の天然物等を用いることもできる。
なお、本発明において、ダンパー3は、前述のような
粘弾性材料で主に構成されるものであれば、どのような
構成のものであっても良いが、例えば、 (A) 網状構造体、波状構造体、ハニカム状構造体及
び織物の少なくとも一つの骨格体と粘弾性材料とを複合
してなるもの。
(B) 粘弾性材料中に球状体、柱状体、又は粘弾性材
料中にセルを形成するような仕切部材(第9図(a)〜
(e)に示したようなもの)のような固体物質を封入し
たもの。
とすることができる。
上記(A)の場合、具体的な構成としては、例えば次
のようにして作製されるものが挙げられる。
I 骨格体と粘弾性体とを加圧一体化する。
II 骨格体と粘弾性体とを交互に重ねる。
III 骨格体と粘弾性体とを加圧一体化したものを、骨
格体及び/又は粘弾性体と交互に重ねる。
IV 上記I〜IIIで作製されるものに、更に板状材又は
線状材を積層するなどして組み合せる。
また、骨格体は、網状構造体、波状構造体、ハニカム
状構造体及び織物(例えばストッキング状のもの)のい
ずれか一つであるが、これらの骨格体の材質としては、
特に制限はないが、金属、セラミックス、プラスチック
ス、FRP、ポリウレタン、綿、絹等の天然系、ポリアミ
ド、ポリエステル等の合成繊維が挙げられる。
一方、(B)の場合、球状体、柱状体あるいはセル形
成仕切部材等の固体物質の材質としては、特に制限され
ないが、例えば金属、セラミックス、ガラス、FRP、プ
ラスチックス、ポリウレタン、高硬度ゴム、木材、岩
石、砂、砂利等が適している。また、仕切部材には、こ
れらの他に比較的硬度の低いゴム材料や紙、革等を用い
ることもできる。
なお、第9図(a)〜(e)に示す仕切部材8は、い
ずれも、ダンパーの軟質体に、垂直方向に細長いセルの
集合体を形成するようなものであって、(a)は同心円
状、(b)は放射状、(e)は(a)と(b)との組合
せ、(d)は放射状、(e)は螺旋状に仕切部材8を設
けたものである。第9図(a)〜(e)において最外円
筒はダンパーの加硫ゴムの内壁を示す。
ゴム材料としては、前述の未加硫ゴム、加硫ゴムに用
いられるゴム材料が挙げられる。
勿論、本発明において、ダンパーの構成は前記
(A)、(B)に限定されるものではない。
なお、本発明の免震構造体は、その耐候性等の向上を
目的として、外表面部を耐候性に優れたゴム材料で被覆
するなどの改良を加えることもできる。
この場合、被覆ゴム材料としては、耐候性の優れたゴ
ム状ポリマーが望ましく、例えば、ブチルゴム、アクリ
ルゴム、ポリウレタン、シリコンゴム、フッ素ゴム、多
硫化ゴム、エチレンプロピレンゴム(ERP及びEPDM)、
ハイパロン、塩素化ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル
ゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム等が
挙げられる。これらのうち、特にブチルゴム、ポリウレ
タン、エチレンプロピレンゴム、ハイパロン、塩素化ポ
リエチレン、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴ
ムが耐候性の面からは効果的である。更に、軟質板を構
成するゴムとの接着性を考慮した場合には、ブチルゴ
ム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴムが望ま
しく、とりわけエチレンプロピレンゴムを用いるのが最
も好ましい。
これらのゴム材料は単独で用いても、2種以上をブレ
ンドして用いても良い。また、伸び、その他の物性を改
良するために市販ゴム、例えば、天然ゴム、イソプレン
ゴム、エチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニト
リルゴム等とブレンドしても良い。更に、これらのゴム
材料には、各種充填剤、老化防止剤、可塑剤、軟化剤、
オイル等、ゴム材料に一般的な配合剤を混合しても良
い。
このような本発明の免震装置を製造するには、例え
ば、硬質板と軟質板とを交互に積層して加硫成形した免
震ゴムをくり抜いたり、あらかじめ中心部の空洞部がで
きるよう加硫成形された免震ゴムの空洞部に予め成形し
たダンパー及び空間部形成部材を挿入するか、予め成形
したダンパー及び空間部形成部材に中心部をくり抜いた
硬質板と軟質板材料とを交互にはさみ込みこれを共加硫
する方法が採用される。
[発明の効果] このような本発明の免震構造体は、免震効果と共にダ
ンパー効果を具備するため、地震発生時の揺れは免震構
造体に吸収され、建物に伝えられる揺れの程度が減少さ
れる。このため大地震の発生時においても、建物と他の
構造物とが衝突したり、水管、ガス管、配線等の備品か
破壊することが防止される。しかも、積層ゴムとダンパ
ーとの間又はダンパーの外周の空間部の緩衝効果によ
り、微小振動において、ダンパーが免震作用を阻外する
のを効果的に防止することができるため、微小振動か
ら、小変形〜大変形に到る広範な領域において、極めて
優れた減衰効果が発揮される。
なお、本発明の免震構造体は免震効果の他に、除振
(防振、抑振)等の優れた効果も十分に期待できるもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は各々本発明の一実施例に係る免震構造
体を示す縦断面図、第5図〜第7図は各々本発明で採用
し得る空間部形成部材の例を示す斜視図、第8図は材料
の応力−歪曲線である。第9図(a)〜(e)は各々仕
切部材の例を示す斜視図である。 1……免震構造体、2……積層ゴム、 3……ダンパー、 4……空間部を含む層、11……硬質板、 12……軟質板、 13、14……フランジ、 40……空間、41……長い部材、 42……突出部、43……球状体、 44……スラィディングプレート。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個の剛性を有する硬質板を粘弾性的性
    質を有する軟質板とを交互に積層してなる積層ゴムに空
    洞部を設け、この空洞部の中に粘弾性材料で主に構成さ
    れるダンパーを配置し、かつ、該ダンパーと積層ゴムの
    空洞内壁との間に、空間部形成部材を介在させることに
    より空間部を設けてなる免震構造体であって、 25℃、5Hz、0.01%歪で動的に測定された貯蔵弾性率E
    に関して、該空間部形成部材を構成する材料のEをEL
    前記ダンパーの粘弾性材料のEをEVとしたとき、 であることを特徴とする免震構造体。
  2. 【請求項2】複数個の剛性を有する硬質板と粘弾性的性
    質を有する軟質板とを交互に積層してなる積層ゴムに空
    洞部を設け、この空洞部の中に粘弾性材料で主に構成さ
    れるダンパーを配置し、かつ、該ダンパーの外周面に空
    間部を設けてなる免震構造体であって、 前記軟質板の内周は硬質板の内周よりも内方に突出し、
    その先端が該ダンパーの外周面に当接しており、 前記空間部は、この軟質板の内周部分と、硬質板の内周
    部分とダンパーの外周部分とで囲まれていることを特徴
    とする免震構造体。
  3. 【請求項3】複数個の剛性を有する硬質板と粘弾性的性
    質を有する軟質板とを交互に積層してなる積層ゴムに空
    洞部を設け、この空洞部の中に粘弾性材料で主に構成さ
    れるダンパーを配置し、かつ、該ダンパーと積層ゴムの
    空洞内壁との間に、空間部を設けてなる免震構造体であ
    って、 該ダンパーの前記積層方向の両端面にそれぞれスライデ
    ィングプレートが重ね合わされており、 該スライディングプレートの外周面が該空洞内壁面に当
    接していることを特徴とする免震構造体。
JP62187290A 1987-07-27 1987-07-27 免震構造体 Expired - Fee Related JP2615639B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62187290A JP2615639B2 (ja) 1987-07-27 1987-07-27 免震構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62187290A JP2615639B2 (ja) 1987-07-27 1987-07-27 免震構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6429541A JPS6429541A (en) 1989-01-31
JP2615639B2 true JP2615639B2 (ja) 1997-06-04

Family

ID=16203410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62187290A Expired - Fee Related JP2615639B2 (ja) 1987-07-27 1987-07-27 免震構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2615639B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0446247U (ja) * 1990-08-27 1992-04-20
US5335463A (en) * 1991-09-16 1994-08-09 Per Reinhall Composition for vibration damping
US5321541A (en) * 1991-12-12 1994-06-14 At&T Bell Laboratories Passive optical communication network with broadband upgrade
US5438806A (en) * 1993-12-13 1995-08-08 Reinhall; Per Composition for vibration damping
JP3720112B2 (ja) * 1996-03-18 2005-11-24 富士通株式会社 波長分割多重が適用されるシステム及び光パワー制御装置
JP3806492B2 (ja) * 1996-08-13 2006-08-09 横浜ゴム株式会社 免震積層体用ゴム組成物
JP2000179621A (ja) * 1998-12-14 2000-06-27 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 免震装置
JP2000193027A (ja) * 1998-12-24 2000-07-14 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 軽量構造物用免震装置
JP4600144B2 (ja) * 2005-05-16 2010-12-15 横浜ゴム株式会社 複合免震支承体
JP4618014B2 (ja) * 2005-06-24 2011-01-26 横浜ゴム株式会社 ゴム積層体
EP2039958A4 (en) * 2006-07-06 2017-02-15 Oiles Corporation Earthquake isolation device
JP4974806B2 (ja) * 2007-08-14 2012-07-11 株式会社ブリヂストン 積層免震ベアリングの製造方法およびそれに用いられるプラグ体成形装置
JP2009108200A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Bridgestone Corp 免震構造体のプラグ用エラストマー組成物、免震構造体のプラグ用組成物、免震構造体用プラグ及び免震構造体
JP5415691B2 (ja) * 2007-10-30 2014-02-12 株式会社ブリヂストン 免震構造体のプラグ用組成物、免震構造体用プラグ及び免震構造体
JP5539642B2 (ja) * 2008-04-28 2014-07-02 株式会社ブリヂストン 免震構造体のプラグ用組成物、免震構造体用プラグ及び免震構造体
JP5205145B2 (ja) * 2008-07-02 2013-06-05 東海ゴム工業株式会社 支承装置
JP5164783B2 (ja) * 2008-10-22 2013-03-21 株式会社ブリヂストン 免震構造体

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU4198985A (en) * 1985-01-24 1986-07-31 Development Finance Corporation Of New Zealand, The Improvements in or relating to energy absorbers

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6429541A (en) 1989-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2615639B2 (ja) 免震構造体
US4899323A (en) Anti-seismic device
JP2855605B2 (ja) 免震装置
JP2883219B2 (ja) 免震支持装置
JP2615626B2 (ja) 免震構造体
JPH011843A (ja) 免震構造体
JPH0784815B2 (ja) 免震装置
JP2832983B2 (ja) ダンパー
JP2570340B2 (ja) 免震構造体
JPH01190847A (ja) 免震ゴム
JP2570341B2 (ja) 免震構造体
JPH0337435A (ja) 免震支承
JP4648117B2 (ja) 構造物用弾性支承体
JPH09177367A (ja) 免震構造体
JP2658024B2 (ja) 免震装置
JP3914033B2 (ja) 建築物の防振断熱床構造
JP2836068B2 (ja) ダンパー
JPH0729395B2 (ja) 免震構造体
JP4360133B2 (ja) 免震装置用ダンパー材料
JPH09242376A (ja) 免震装置
JP3314716B2 (ja) 建築用制振装置
JP2832986B2 (ja) 建築用制振材
CN201152339Y (zh) 纤维增强橡胶隔振器
JP2001200103A (ja) 建築物振動減衰用粘弾性体
JPH1122782A (ja) 免震装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees