JP2002106635A - 免震ゴム支承及びその製造方法 - Google Patents

免震ゴム支承及びその製造方法

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JP2002106635A
JP2002106635A JP2000297183A JP2000297183A JP2002106635A JP 2002106635 A JP2002106635 A JP 2002106635A JP 2000297183 A JP2000297183 A JP 2000297183A JP 2000297183 A JP2000297183 A JP 2000297183A JP 2002106635 A JP2002106635 A JP 2002106635A
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rubber
rubber layer
layer
seismic isolation
spew
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JP2000297183A
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English (en)
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Zenichi Matsushita
善一 松下
Masabumi Yamamoto
正文 山本
Fumio Sekido
文雄 関堂
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最外周の被覆ゴム層のゴム組成物の加硫速度
と、余剰ゴム排出用の金型のスピュー孔とを適正化する
ことにより製品不良の発生を防止し、生産性及び品質を
向上しうる免震ゴム支承、及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 上下両端に配した設置用の取付硬質板の
向き合う面間に、ゴム層と内部硬質板とを交互に接して
積層してなる積層体を設け、かつ少なくとも前記積層体
の外周面を覆う被覆ゴム層を有する免震ゴム支承であっ
て、前記被覆ゴム層が110℃における加硫速度指数t
c(10)が90〜600分としたゴム組成物からな
り、かつ加硫金型の前記積層体に接する金型胴部の外面
に前記被覆ゴム層の外表面に通じる複数のスピュー孔を
有する金型で加硫されたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、最外周の被覆ゴム
層のゴム組成物の加硫速度と、余剰ゴム排出用の金型の
スピュー孔とを適正化することにより製品不良の発生を
防止し、生産性及び品質を向上しうる免震ゴム支承、及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地震に際してビル等の構造物を免震する
ための免震支承装置として、例えば図4に示すようなゴ
ム層aと内部硬質板bとを交互に積層した積層体の外周
を被覆ゴムcで被覆した免震ゴム支承dが知られてい
る。図4の免震ゴム支承dの場合には、設置用の上下の
取付硬質板b0、b0の側周面をも被覆ゴム層cが被覆
している。
【0003】このような免震ゴム支承dは、一般に、円
筒状などの筒状胴部22と上金型23Uと下金型23L
とからなる加硫金型21を用いて、前記内部硬質板b
0、未加硫(本明細書では、加硫前の生ゴム、及び半加
硫ゴムを含め、本加硫完了前の状態を未加硫と称してい
る)のゴム層a1および内部硬質板bを一体に接着して
形成してなる積層体に未加硫の被覆ゴム層c1により被
覆してなる未加硫の免震ゴム支承d1を加熱加硫し一体
化することによって形成している。
【0004】かかる未加硫の免震ゴム支承d1におい
て、加硫成形時にゴムが不足してエアが残留すると、外
観不良が生じ、又この残留エアは、その断熱効果により
加硫不足が発生する。このために、通常、最終仕上がり
製品のゴムよりも一定量の余剰ゴムを見込むことにより
不足を防ぐとともに、加硫金型21では、筒状胴部22
に、余剰ゴムを流出させるための貫通孔であるスピュー
孔を設けてこの余剰ゴムを排出するように構成されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、加硫金型21
の熱は積層体の外周囲から加えられ、前記被覆ゴム層c
の外周面から積層体の中心部に向かって伝導されるの
で、先に加熱される外周面側のゴムが先に加硫され、次
第に内部に伝達される熱によって膨張した内部のゴムが
圧力を高めるため、余剰のゴムがスピュー孔から流出し
ようとするときに、スピュー孔が流動性をなくした加硫
ゴムにより阻止されて余剰ゴムが排出されない状態が生
じやすい。
【0006】かかる状態が生じると、被覆ゴム層cが上
下両端の取付硬質板b0の側周面と先行して加硫され互
いに接着していても、ゴム層bの余剰ゴムが後から進入
して、前記加硫接着部分を剥離させる。又前記加硫接着
した部分から余剰ゴムが流出できないときには内圧が高
まり、内部硬質板bを押し上げ、上金型23Uを押し開
き、変形を生じさせ、又は内部硬質板bとゴム層aとの
接着不良を生じさせる原因となる。
【0007】このように、前記したゴム不足による加硫
不足、外観不足、乃至余剰ゴムによる外観不良、剥離、
接着不良等を防止するために、仕込むゴム材料の量を聖
女しているが、それだけでは十分に防止し難い。
【0008】そこで本発明は、免震ゴム支承の被覆ゴム
層の加硫速度を遅くすることを基本として前記問題を解
決しうる免震ゴム支承、及びその製造方法の提供を目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願請求項1記載の発明は、上下両端に配した設置
用の取付硬質板の向き合う面間に、ゴム層と内部硬質板
とを交互に接して積層してなる積層体を設け、かつ少な
くとも前記積層体の外周面を覆う被覆ゴム層を有する免
震ゴム支承であって、前記被覆ゴム層が110℃におけ
る加硫速度指数tc(10)が90〜600分のゴム組
成物からなり、かつ加硫金型の前記積層体に接する金型
胴部の外面に前記被覆ゴム層の外表面に通じる複数のス
ピュー孔を有する金型で加硫されたことを特徴とする。
【0010】かかる構成を具備することにより、免震ゴ
ム支承の被覆ゴム層の加硫速度を遅くすることにより、
内部のゴム圧力が増大したとき、余剰ゴムのスピュー孔
からの流出を円滑とでき、かつ加硫後の被覆ゴム層の物
性を適正に保持し、内部硬質板とゴム層との接着不良の
発生を防止し、ゴム量の厳しい管理を不要にし、生産性
を大幅に向上させうる。
【0011】又請求項2記載の発明は、前記ゴム組成物
は、その前記加硫速度指数tc(10)が180〜53
0分であること、請求項3記載の発明は、前記スピュー
孔は、その合計周長Lcと、前記被覆ゴム層の外表面積
Scとの比Lc/Scが0.010〜0.300(cm/
cm2 )であること、請求項4記載の発明は、前記スピュ
ー孔の一個当りの周長が0.16〜3.77cmであり、
前記Lc/Scが0.015〜0.200(cm/cm2
であることを特徴としている。
【0012】また請求項5記載の発明は、下の設置用の
取付硬質板にゴム弾性板からなるゴム層を配し、その上
に内部硬質板を重ね、ゴム層と内部硬質板を交互に積層
しかつ上の取付硬質板を重ねた後、少なくとも該積層体
の外周面に、110℃における加硫速度指数tc(1
0)が90〜600分であるゴム組成物を用いてゴム被
覆層を形成し、かつ被覆ゴム層の外周面と内側で接する
加硫金型の金型胴部の外周面に、前記被覆ゴム層の外表
面に通じる複数のスピュー孔を形成することを特徴とす
る免震ゴム支承の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下発明の一実施の形態を図面に
基づき説明する。図1は、加硫金型10内に装着された
加硫された免震ゴム支承1、及び未加硫の免震ゴム支承
1Aを共に例示する縦断面図であり、図2はスリーブ状
の金型胴部12に内に配された未加硫の免震ゴム支承1
Aを例示する部分拡大断面図である。
【0014】未加硫の免震ゴム支承1Aは、例えば鋼板
からなる下の設置用の取付硬質板2に、本例では未加硫
(半加硫を含む)のゴム弾性板からなるゴム層4Aを配
し、その上に内部硬質板5を重ね、ゴム層4Aと、内部
硬質板5を交互に積層した未加硫の積層体6Aを形成す
るとともに、該積層体6A最上段のゴム層4Aに、上の
取付硬質板3を重ねている。さらにその周囲を未加硫乃
至半加硫(本例では未加硫)ゴムからなる被覆ゴム層7
Aにより覆っている。なお前記取付硬質板2、3は、後
記する実施例のように、前記内部硬質板5よりも外径を
大とすることも、同じとすることもできる。なお、前記
被覆ゴム層7は、前記積層体6の周囲面を覆う主被覆部
7aと、上下の取付硬質板2、3の側周面を被覆する上
下被覆部7b、7cとからなる。
【0015】なお加硫後の免震ゴム支承1において、そ
のボルト固定のために、前記上下の取付硬質板2、3に
は、図示しない固定板(図示せず)との連結のためにボ
ルト孔など(図示せず)を穿設し、このボルトを介して
建築物等の構造物に固定されて地震の際には構造物の水
平方向の振動を長周期化することにより免震する。
【0016】前記未加硫のゴム層4Aは、周知のゴム組
成物からなり本例では中心孔4aを有する円盤体であ
り、厚さは1.0〜10.0mm程度であって、前記取
付硬質板2、3、内部硬質体5との接着性がよく、耐ク
リープ性能、耐老化性が良好であって、巨大地震の際の
大きな変形に耐える伸びを有するものであれば、種々な
公知のゴム素材が採用できる。またゴム層4Aは、通常
ゴム層4Aの外径d4Aと、厚さt4Aとの比d4A/
t4Aを0.4〜1.2%程度、好ましくは0.5〜
1.0%程度と、デュロメータA硬度を30〜60程度
としている。
【0017】前記内部積層板5は、中央に中心孔5aを
形成した円盤状をなし、金属製、例えば鋼板からなり、
厚さt5は、前記ゴム層の厚さt4Aとの比t5/t4
Aを0.4〜1.5程度の範囲としている。
【0018】前記被覆ゴム層7は、前述の鋼板などから
なる取付硬質板2、3、内部硬質板5の腐食及び積層ゴ
ム層4の劣化を防ぐために外気を遮断し保護するもので
あり、従って、この被覆ゴム層7のゴム組成物は耐オゾ
ン性、耐老化性が良好であり、外気が積層耐内部に進入
しないように、取付硬質板2、3との間の接着を良好と
することが不可欠であり、この被覆ゴム層7と取付硬質
板2、3との間の接着不良、積層用の前記ゴム層4Aと
内部硬質板5との間の剥離不良を防止するために、前記
被覆ゴム層7を110℃における加硫速度指数tc(1
0)を90〜600分としたゴム組成物とし、かつ加硫
金型の前記積層体に接する金型胴部の外面に前記被覆ゴ
ム層の外表面に通じる複数のスピュー孔を有する金型で
加硫するのである。
【0019】即ち、本発明では、前記被覆ゴム層7Aの
加硫速度を、内部のゴム層4Aの加硫速度よりも遅くし
て、前記耐老化性等につき十分な物性を備えたものとす
ることにより、この加硫中のゴム流れのタイミングを調
節するものである。この被覆ゴム層は1層とすること
も、又2層以上であってもよく、厚さt4は2〜20mm
程度とする。
【0020】前記被覆ゴム層7の加硫速度とは、JIS
6300(未加硫ゴム物理試験方法)に準拠した試験方
法で、110℃における加硫速度指数tc(10)90
〜600分であるゴム組成物からなるように構成するこ
とにより目的が達成されるが、より好ましくは、120
〜540分、さらに好ましくは、180〜530分であ
る。
【0021】この被覆ゴム層7の組成物として使用でき
るゴムは例えば、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン
ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、ハ
ロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、EPDM、E
PT、α−メチルスチレンハロゲン化ポリイソブチレ
ン、クロルスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロル
ヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エチレン酢酸
ビニルゴム、ポリウレタンゴム等であり、これらは単独
又は、2種以上のブレンドとすることができる。そし
て、補強剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、加硫助剤、老化
防止剤、オゾン劣化防止剤、加硫促進剤、加硫剤、加硫
遅延剤、加工助剤等、これらの配合薬品の中で加硫促進
剤、加硫剤、は必須として、その他、必要に応じて前記
ゴムに配合される。
【0022】補強剤としては、効果及びコストの面から
カーボンブラックが適しており、ヨウ素吸着量が125
〜20g/kg、DBP吸油量が105〜35ml/1
00gであるものが好ましい。その配合量はゴム100
重量部に対して、5〜70重量部である。
【0023】又充填剤としては、ケイ酸、カオリンクレ
ー、焼成クレー、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウ
ム、ケイ酸マグネシウム、等が使用され、中でもPHが
4〜7の範囲にある含水ケイ酸、無水ケイ酸、カオリン
クレー、焼成クレーが適しており、その配合量はゴム1
00重量部に対して5〜100重量部である。この被覆
層ゴムに適したこれらの充填剤は単独もしくは2種以上
のものを使用でき、PHが酸性側にあるため加硫を遅延
させる機能も有している。
【0024】前記軟化剤としては、アロマチック系、ナ
フテン系、パラフィン系等の石油系ゴム用軟化剤が適
し、ゴム100重量部に対して2〜120重量部配合さ
れる。
【0025】老化防止剤又はオゾン劣化防止剤として
は、アミン・ケトン縮合生成物、ジアリルアミン系、ジ
アリル−P−フェニレンジアミン系、アルキルアリル−
P−フェニレンジアミン系、モノフェノール系、ビス又
はポリフェノール系、ヒドロキノン系老化防止剤、オゾ
ン劣化防止剤及びワックスが好ましい。ただし、ワック
スはオゾン劣化防止機能を持つが、老化防止機能はな
い。これらの中でも、アルキルアリル−P−フェニレン
ジアミン系、ジアリル−P−フェニレンジアミン系、及
びワックスが好ましい。アルキルアリル−P−フェニレ
ンジアミン系の老化防止剤としては、例えばN−1.3
ジメチルブチル−N’−フェニル−P−フェニレンジア
ミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−P−フェニ
レンジアミン、等があり、ジアリル−P−フェニレンジ
アミン系、のものとしては、混合ジアリル−P−フェニ
レンジアミン、ジナフチル−P−フェニレンジアミン等
がある。その添加量はゴム100重量部に対して0.5
〜8重量部の範囲で単独又は2種以上使用する。
【0026】加硫促進剤としては、チアゾール系、チウ
ラム系、グアニジン系、ジチオカルバメート系等が好ま
しく、中でも、N−ter−ブチル−2−ベンゾチアジ
ルスルフェンアミド、N−N’−ジシクロヘキシル−2
−ベンゾチアジルスルフェンアミド、ジベンゾチアジル
スルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチ
アジルスルフェンアミド、テトラメチルチウラムジサル
ファイド、テトラエチルチウラムジサルファイド、テト
ラブチルチウラムジサルファイド、テトラ−2−エチル
ヘキシルチウラムジサルファイド、ジンクジ−n−ブチ
ルジチオカルバメート、ジ−o−トリグアニジン、ジフ
ェニルグアニジンがより好ましく、さらには、N−te
r−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N
−N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフ
ェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル
スルフェンアミド、テトラ−2−エチルヘキシルチウラ
ムジサルファイド、ジフェニルグアニジンがより好まし
い。その添加量はゴム100重量部当り0.05〜4重
量部である。
【0027】被覆ゴム層7の加硫速度を積層体6のゴム
層4Aよりも遅く、前記の範囲に調節することにより加
硫の進行につれて膨張するゴム層4Aの余剰ゴムが、外
周を被覆する被覆ゴム層6Aによりスピュー孔11をブ
ロックされず、ゴム層4A全体の加硫の進行に合わせて
加硫させるのである。そのようなゴム組成物として前記
の110℃における加硫速度指数tc(10)が90〜
600分であるものが適している。加硫速度指数tc
(10)が90分より短いと内部ゴム層まで加硫の熱が
十分伝達されるまでの間に外層の被覆ゴム層が加硫又は
半加硫して流動性を失う恐れがある。また、600分よ
りも長いと加硫が遅すぎて加硫不足となる恐れがある。
【0028】この加硫速度指数tc(10)はJISK
6300の8.3.5(1)の加硫曲線の解析に記載さ
れている誘導時間(加硫開始点)に基づく。また、被覆
ゴム層7Aが2層以上の場合は各被覆層の加硫時間は1
種又は2種以上の異なる加硫時間であってもよいが、い
ずれの場合においても流出を阻止しない程度とする。
【0029】なお、積層体6をなすゴム層4Aの110
℃における加硫速度指数tc(10)は、通常30〜1
50分程度であり、本形態で用いるゴム被覆層7は、か
かるゴム層4の加硫膨張による余剰ゴムの排出を円滑に
しうる程度までの間において、加硫硬化を完了しない程
度に遅延する。
【0030】さらに本発明では、接着不良等を防止し、
均質な安定した免震ゴム支承1を製造するため、前記の
ように、加硫金型10には、前記積層体6に接する金型
胴部12の外面12aに前記被覆ゴム層7の外表面に通
じる複数のスピュー孔11を設け、余剰ゴムを偏りなく
スムースにスピュー孔11から所定の量だけ流しうる配
置とする。
【0031】前記スピュー孔11は、積層体6が大き
く、被覆ゴム層7のトータル面積が大きいときにはスピ
ュー孔の数も多く必要である。ただし、一個の孔が大き
ければ数は少なくてもよいが、少ないとき、孔が大きく
なるため加硫ゴムの圧力にアンバランスを生じゴムの流
れの均一性を妨げやすく、この防止のために、1個当り
のスピュー孔11の周長は0.160〜3.77cm程
度、即ち、直径約0.050〜1.20cmとする。よ
り好ましくは、周長0.62〜3.14cm、さらに好
ましくは、0.62〜1.26cmである。なお円形の
他、六角形、四角形などの非円形形状とすることもでき
るが、非円形の場合は相当円形に換算した周長、直径と
する。
【0032】そして、積層体6の外周を、前記取付硬質
板2、3の側周面とともに拘束する前記のように、金型
胴部12の外周面に、前記被覆ゴム層6の外面に貫通す
るスピュー孔11を設けるのであり、またスピュー孔1
1と前記の被覆ゴム層6とは、被覆ゴム層7の単位面積
当りのスピュー孔11のトータル周長Lcの比Lc/S
c(cm/cm2 )を0.010〜0.300としている。
【0033】ここで被覆ゴム層7の総外周面面積Sc
(cm2 )とは、前記積総体6の周囲面を覆う主被覆部7
aの表面積をいい、上下の取付硬質板2、3の側周面を
被覆する上下被覆部7b、cは除外して考える。さらに
総スピュー周長さLc(cm)とは、スピュー孔の周長
×該周長のスピュー孔の数の乗数を、スピュー孔の周長
毎に合算した数値(cm)をいう。
【0034】被覆ゴム総7の単位面積当りスピュー孔の
周長比Lc/Sc(cm/cm2 )が0.010よりも小さ
いと、余剰ゴムの流れが十分確保されず効果が薄く、又
逆に0.300よりも大きいと加硫中、ゴム流れの抵抗
が小さくなり過ぎ、気泡等の排出が不足したり、内部ゴ
ム層の厚さの均一性等の面でよくないからである。しか
し、この被覆ゴム層単位面積当りスピュー孔の周長は
0.015〜0.200である方がより好ましく、さら
に好ましくは0.015〜0.030である。なお、ス
ピュー孔11はできるだけ均一に散在させるが、余剰ゴ
ムが発生しやすい中央領域などに主として分布させるこ
ともできる。
【0035】なお前記図1に示すように、圧延したゴム
シートを所定の寸法に打ち抜いた前記ゴム層4Aを内部
硬質板2の上に中心孔5aに立設した案内軸13を利用
して位置決めして貼り付け、次に内部硬質板5を同様に
貼り付け、以下繰り返すことにより上がゴム層4Aの積
層体6を形成する。
【0036】次に上の取付硬質板3を配置するととも
に、この積層体の外周を取付硬質板2、3の側周面を含
んで、被覆層用ゴム組成物からなるシートを巻き付け未
加硫の被覆ゴム層7Aを形成し、未加硫の免震ゴム支承
1Aを構成できる。
【0037】さらにこの未加硫ゴムの免震ゴム支承1A
を例えば3分割体12A、12A、10Aからなるスリ
ーブ状の金型胴部12で包む(この状態を部分的に図2
に示す)。また、その外周を熱源の例えばスチームを通
す配管を有する3分割のジャケット付の外金型22を金
型胴部12に一体化締結(図3に略示する)するととも
に、上金型23U、下金型23Lをセットし加硫金型1
0を組み立て、熱媒の循環によって加熱、加硫する。
【0038】
【実施例】被覆ゴム層7のゴムとして表1のゴム組成物
を用い、内金型のスピュー孔として表2に示す形態で免
震ゴム支承を加硫、試作した。そのときの試作品を詳細
に検査して不良の発生又はその内容を調べた。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】剥離試験は面圧100kgf/cm2
で、±400%剪断歪みを与えた後、検査を行い、実施
例1及び実施例2にはまったく異常が認められなかっ
た。比較例1と比較例3はこの試験により被覆ゴム層が
取付用鋼板の外径面で剥離している個所が認められ、比
較例2は積層ゴムと内部積層鋼板との間に剥離が生じて
いた。
【0042】
【発明の効果】本発明は上述のごとく構成しているた
め、加硫金型で免震ゴム支承を成型加硫するときに、余
剰ゴムを適正に外部に流出させることができる。したが
って、寸法精度が高まるとともに、余剰ゴムの流れ不良
に起因する内部硬質板と積層ゴム層との接着不良、取付
硬質板と被覆ゴム層との剥離不良等の不良が防止でき
る。さらに、仕込むゴム量を厳しく管理する必要もなく
なる等、生産性の効率が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を例示する断面図であ
る。
【図2】その免震ゴム支承の要部を例示する部分拡大図
である。
【図3】免震ゴム支承を上下の金型を除いて略示する斜
視図である。
【図4】従来の免震ゴム支承の加硫状態を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
1 積層ゴム支承 1A 未加硫の免震ゴム支承 2 取付硬質板 3 取付硬質板 4 ゴム層 4A 未加硫のゴム層 5 内部硬質板 6 積層体 7 被覆ゴム層 10 金型胴部 11 スピュー孔 22 外金型 23U、23L 上下金型
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04H 9/02 331 E04H 9/02 331A F16F 15/08 F16F 15/08 U // B29L 9:00 B29L 9:00 21:00 21:00 31:10 31:10 (72)発明者 関堂 文雄 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DG02 FA24 GA01 GA62 HB02 HE01 LA03 3J048 AA01 AC01 BA08 BB03 BC04 EA38 4F203 AA46 AD03 AG03 AH46 DA11 DB01 DC04 DL10 DN26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下両端に配した設置用の取付硬質板の向
    き合う面間に、ゴム層と内部硬質板とを交互に接して積
    層してなる積層体を設け、かつ少なくとも前記積層体の
    外周面を覆う被覆ゴム層を有する免震ゴム支承であっ
    て、 前記被覆ゴム層が110℃における加硫速度指数tc
    (10)を90〜600分としたゴム組成物からなり、
    かつ加硫金型の前記積層体に接する金型胴部の外面に前
    記被覆ゴム層の外表面に通じる複数のスピュー孔を有す
    る金型で加硫されたことを特徴とする免震ゴム支承。
  2. 【請求項2】前記ゴム組成物は、その前記加硫速度指数
    tc(10)が180〜530分であることを特徴とす
    る請求項1記載の免震ゴム支承。
  3. 【請求項3】前記スピュー孔は、その合計周長Lcと、
    前記被覆ゴム層の外表面積Scとの比Lc/Scが0.
    010〜0.300(cm/cm2 )であることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の免震ゴム支承。
  4. 【請求項4】前記スピュー孔の一個当りの周長が0.1
    6〜3.77cmであり、前記Lc/Scが0.015〜
    0.200(cm/cm2 )であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の免震ゴム支承。
  5. 【請求項5】下の設置用の取付硬質板にゴム弾性板から
    なるゴム層を配し、その上に内部硬質板を重ね、ゴム層
    と内部硬質板を交互に積層しかつ上の取付硬質板を重ね
    た後、 少なくとも該積層体の外周面に、110℃における加硫
    速度指数tc(10)が90〜600分であるゴム組成
    物を用いてゴム被覆層を形成し、 かつ被覆ゴム層の外周面と内側で接する加硫金型の金型
    胴部の外周面に、前記被覆ゴム層の外表面に通じる複数
    のスピュー孔を形成することを特徴とする免震ゴム支承
    の製造方法。
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