JP2011149476A - 制振ダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】オイル及び鉛を使用せず、大掛かりな設備を必要とすることなく十分な減衰性能を発揮する制振ダンパを提供する。
【解決手段】シリンダー2及び該シリンダーの長さ方向に沿って延びるピストンロッド3を具え、エラストマー成分に補強性充填剤を配合してなるエラストマー組成物と粉体とを含有する減衰材料4を、前記シリンダー内面と前記ピストンロッド外面との間に圧入し、弾性材料6を含み前記シリンダー内面と前記ピストンロッド外面との間に跨るシール材5により、前記減衰材料のシリンダー長さ方向両端を拘束することを特徴とする制振ダンパである。前記シール材は、前記ピストンロッドの長さ方向軸を一周する筒状形状の、弾性材料6と剛性材料7とを、交互に積層してなることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、建造物や自動車等の振動を抑制する制振ダンパに関し、より詳細には、オイル及び鉛を使用せず、十分な減衰性能及び変位追従性能を発揮する制振ダンパに関するものである。
従来、建造物や自動車等の制振及び免震構造として用いられる制振ダンパとしては、例えば特許文献1に記載の発明のように、シリコーンオイル等の粘弾性材料の変形による粘性抵抗を利用して振動を減衰させる構造のものが一般的である。また、粘弾性材料として、この他、鉛を使用したもの等がある。
しかしながら、オイルや鉛等の粘弾性材料の粘性抵抗を利用する上記構造では、十分に減衰力を発生させるために流路を細くする、いわゆるオリフィス構造が必要となるため、構造が複雑である。
また、オイルを用いるとオイル漏れ防止のためのシール構造の複雑化、火災に備えた防火区域の設定等が必要となり、設備が大掛かりになってしまう。また、鉛は、環境上使用できなくなってきており、これらに代わる材料が求められている。
特開2002−106631
従って、本発明の目的は、オイル及び鉛を使用せず、大掛かりな設備を必要とすることなく十分な減衰性能及び変位追従性能を発揮することが可能な制振ダンパを提供することにある。
本発明者らは、オイル及び鉛を使用せずに十分な減衰性能、変位追従性等を有する制振ダンパを開発する方途につき鋭意検討していたところ、エラストマー成分に補強性充填剤を配合してなるエラストマー組成物と、粉体とを含有する組成物から減衰材料を作製し、該減衰材料を制振ダンパに使用することで、十分な減衰性能、変位追従性能等が得られることを見出した。
即ち、本発明に従う制振ダンパは、シリンダー及び該シリンダーの長さ方向に沿って延びるピストンロッドを具え、エラストマー成分に補強性充填剤を配合してなるエラストマー組成物と粉体とを含有する減衰材料を、前記シリンダー内面と前記ピストンロッド外面との間に圧入し、弾性材料を含み前記シリンダー内面と前記ピストンロッド外面との間に跨るシール材により、前記減衰材料のシリンダー長さ方向両端を拘束することを特徴とする。
本発明の制振ダンパの好適例においては、前記シール材が、前記ピストンロッドの長さ方向軸を一周する筒状形状の弾性材料と剛性材料とを、シリンダー径方向に交互に積層した構造である。ここで、上記筒状形状は、断面形状を限定されるものではなく、円筒形状の他、例えば、多角形断面を持ったものも含む。この構造によれば、例えば、ゴムシートのみで前記シール材を構成した場合に比べて、減衰材料をより強く拘束することができ、且つ、シリンダーとピストンロッドとの間の大きな軸方向相対変位にも追従することができる。
本発明の制振ダンパの好適例においては、前記エラストマー成分の少なくとも一部が未架橋である。この場合、減衰材料が大変形の履歴を受けた後、減衰材料の位置が再び原点に戻った際に、減衰材料が元の形状に戻ることができ、その結果、初期と同等の性能を長期に渡って維持することが可能となる。
本発明の制振ダンパにおいて、前記補強性充填剤としては、カーボンブラック及びシリカが好ましい。カーボンブラック及びシリカは、エラストマー成分との相互作用によってエラストマー組成物の粘度を向上させる効果が大きいため、減衰材料の流動抵抗が大きくなり、結果として、減衰材料の減衰効果が大きくなる。
本発明の制振ダンパにおいて、前記粉体としては、金属粉及び金属化合物粉が好ましく、鉄粉が特に好ましい。鉄粉は、安価である上、破壊強度が高く、また、鉄粉を使用することで、減衰材料が優れた減衰性能を長期に渡って発揮することが可能となる。
本発明の制振ダンパの他の好適例においては、前記減衰材料100体積%中における前記粉体の含有量が、50〜74体積%であることが好ましく、60〜74体積%であることが更に好ましい。この場合、変形時の粉体同士の摩擦及び粉体と他の成分の間の流動抵抗が十分大きいため、十分な減衰効果が得られる上、繰り返し安定性も十分確保されており、更には、成形加工性も良好である。
本発明の制振ダンパの他の好適例においては、前記エラストマー組成物における前記補強性充填剤の配合量が、前記エラストマー成分100質量部に対して60〜150質量部である。この場合、エラストマー組成物の粘度及び流動抵抗が十分高く、減衰材料が十分な減衰効果を発揮できる上、混練が容易で、均一な組成物を容易に得ることができ、また、減衰材料の繰り返し安定性も良好である。
本発明の制振ダンパにおいては、前記粉体の粒径が0.1μm〜2mmであることが好ましく、1μm〜150μmであることが更に好ましい。この場合、粉体の取り扱いが容易である上、減衰材料の減衰性能も十分に高い。ここで、粉体の粒径は、レーザー回折による粒子径測定(JIS Z8825−1)で求められ、該レーザー回折による方法において、粉体の粒子の長軸−短軸の平均(球形と捉えられる)を測定して得られる値である。
本発明の制振ダンパの他の好適例においては、前記粉体の形状が不定形である。この場合、減衰材料の減衰性能が良好である。
本発明によれば、オイル及び鉛を使用することなく、十分な減衰性能及び変位追従性を発揮することが可能な制振ダンパを提供することができる。本発明による制振ダンパは、オイルを使用していないため、オイル漏れの心配がなく、また、いわゆるオリフィス構造を必要としないため、構造が簡易である。また、本発明による制振ダンパは、鉛を使用していないため、環境的かつ安全である。
本発明の制振ダンパの一実施例を示す断面図である。 振動を受けた際の本発明の制振ダンパの一実施例を示す断面図である。 本発明の制振ダンパの他の実施例を示す断面図である。 積層ゴム構造体を示す半断面図である。 図4の積層ゴム構造体を加振した場合の水平方向の変形変位(mm)と水平方向荷重(kN)との関係を示すグラフである。 本発明の制振ダンパの他の実施例を示す断面図である。 本発明の制振ダンパを加振した場合の水平方向の変形変位(mm)と水平方向荷重(kN)との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照に、本発明の制振ダンパ1について詳細に説明する。図1に示した制振ダンパ1は、シリンダー2及び該シリンダー2の長さ方向に沿って延びるピストンロッド3を具える。
ここで、本発明に従う制振ダンパ1は、エラストマー成分に補強性充填剤を配合してなるエラストマー組成物と粉体とを含有する減衰材料4を、前記シリンダー2内面と前記ピストンロッド3外面との間に圧入し、弾性材料6を含み前記シリンダー2内面と前記ピストンロッド3外面との間に跨るシール材5により、前記減衰材料4のシリンダー長さ方向両端を拘束することを特徴とする。
エラストマー成分に補強性充填剤を配合してなるエラストマー組成物と粉体とを含有する上記減衰材料4は、従来、ダンパの抵抗として利用していたオイルや鉛等の粘弾性材料よりも、流動抵抗が大きく、エネルギーを減衰させる性能に優れている。これにより、いわゆるオリフィス構造を必要とすることなく十分な減衰性能を発揮することが可能である。
但し、上記減衰材料4には形状保持性が無いため、図示例のように、上記シール材5を用いて上記減衰材料4の両端を拘束する必要がある。上記減衰材料4をシリンダー2内面とピストンロッド3外面との間に圧入し、弾性材料6を含む上記シール材5によって両端を拘束することにより、減衰性能及び変位追従性能に優れた制振ダンパ1を提供することが可能である。なお、弾性材料6としては、特に限定されず、加硫ゴム等を挙げることができる。
図2は、振動を受けた際の本発明の制振ダンパ1を示す断面図である。図2に示すように、ピストンロッド3は、ピストンロッド3の長さ方向(以下、単に長さ方向と略記する場合がある)に可動であり、本発明の制振ダンパ1は、該長さ方向成分を含む振動を減衰させることが可能である。ピストンロッド3が長さ方向に動く際、減衰材料4が図のようにせん断変形してエネルギーを損失させることにより、振動を速やかに減衰させることができる。
ここで、本発明の制振ダンパ1は、上記減衰材料4の幅w及び高さdを変化させることにより、減衰力を調節することが可能である。
なお、減衰性能を正確に発揮させる観点から、上記ピストンロッド3は、長さ方向にのみ可動であり、傾きやシリンダー径方向の動き等は拘束されていることが好ましい。これにより、長さ方向の振動に対する減衰効果がシリンダー径方向に分散するのを防ぐことが可能である。
また、本発明に従う制振ダンパ1は、オイルを使用していないため、従来のダンパのようにオイル漏れを生じることが無く、火災等の危険性を回避することが可能である。更に、本発明の制振ダンパ1は、鉛を使用していないため、環境性に優れ、安全である。
なお、図1及び2に示した例では、前記シール材5が、前記ピストンロッド3の長さ方向軸を一周する筒状形状(図示例では、円筒形状)の弾性材料6と剛性材料7とをシリンダー径方向に交互に積層した構造である。また、図示例では、前記シール材5は、径の異なる3層の円筒形状の弾性材料6と、該弾性材料6相互間に介在させた径の異なる2層の剛体材料7とから成る。
本発明の制振ダンパ1においては、上記のように、前記シール材5が、前記ピストンロッド3の長さ方向軸を一周する筒状形状の弾性材料6と剛性材料7とを、シリンダー径方向に交互に積層した構造であることが好ましい。即ち、例えば、図1の制振ダンパ1のようにシリンダー2が円筒形である場合、図1に示すようないわゆるバームクーヘン形の積層構造とすることができる。
前記シール材5を、上記の積層構造とすることにより、上記ピストンロッド3がシリンダー径方向に動くのを抑制することが可能である。先述したように、ピストンロッド3を長さ方向の動きのみに拘束することにより、所望の方向への減衰効果を正確に得ることが可能である。
前記弾性材料6としては、特に限定されず、加硫ゴム等を使用することができ、また、剛性材料7としては、特に限定されず、鋼等の金属、セラミック、FRP等の強化プラスチック等を使用することができる。ここで、上記シール材5を構成する弾性材料6及び剛性材料7とは、例えば、加硫接着により、或いは接着剤により強固に張り合わされている。なお、加硫接着においては、剛性材料7と未加硫ゴム組成物とを積層してから加硫を行い、未加硫ゴム組成物の加硫物が弾性材料6となる。
なお、本発明の制振ダンパに適用するシリンダー2の断面形状としては、図1に示す制振ダンパ1の円形断面形状に特に限定されず、例えば、図3に示す本発明の制振ダンパ101のように、四角形断面形状のシリンダー2を適用することも可能であり、同様の減衰性能及び変位追従性能を得ることができる。
以下に、本発明の制振ダンパに用いる減衰材料について、詳細に説明する。本発明の制振ダンパの減衰材料に、補強性充填剤を含まないエラストマー組成物を使用すると、減衰材料による減衰効果が小さいため、本発明の制振ダンパは、補強性充填剤を含む減衰材料を用いることを要する。
本発明の制振ダンパの減衰材料に用いるエラストマー成分としては、室温でゴム弾性を呈するもの、例えば、天然ゴムや合成ゴム等のゴム、熱可塑性エラストマーを使用することができ、これらの中でも、天然ゴムや合成ゴム等のゴムを使用することが好ましい。
上記エラストマー成分は、少なくとも一部、好ましくは全てが未架橋であることが好ましく、より具体的には未加硫であることが好ましい。エラストマー成分が完全に架橋されている場合、大変形を受けた際には変形するものの、変形時に粉体の位置が変わることができず、ある限界点をもって変形への追従が不可能となり、架橋エラストマー部分が破断、或いは、架橋エラストマー部分の反発力で元の形状に戻ろうとする。
なお、架橋点が非常に少ない場合、又は、減衰材料の表面のみが架橋されている場合は、減衰材料が変形した後に、元の形状に戻れるため、本発明において未架橋とは、架橋反応を未だ完全には経ていない状態をさし、部分的に架橋された状態も包含する。
上記減衰材料に用いる補強性充填剤とは、エラストマー成分に対する補強を行っており、自身の凝集力とエラストマー成分との結合力を強く有する物質であり、エラストマー成分に配合されることによって、該結合力によりエラストマー組成物全体の粘度を上昇させ、その結果として減衰材料の減衰性能を向上させる作用を有する。
上記補強性充填剤としては、エラストマー成分との相互作用によってエラストマー組成物の粘度を向上させる効果が大きい点で、カーボンブラック及びシリカが好ましく、カーボンブラックが特に好ましい。ここで、カーボンブラッックとしては、SAF、ISAF、HAFグレードのもの等が挙げられ、これらの中でも、SAF、ISAFグレードのもの等の微粒子で表面積が大きいものが好ましい。また、シリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ、及びコロイダルシリカ等が挙げられる。これら補強性充填剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記エラストマー組成物における補強性充填剤の配合量は、上記エラストマー成分100質量部に対して60〜150質量部の範囲が好ましい。補強性充填剤の配合量が60質量部未満では、エラストマー組成物の粘度及び流動抵抗が低く、減衰材料の減衰性能が不十分となり易い。一方、補強性充填剤の配合量が150質量部を超えると、混練が難しく、均一な組成物を得難くなる上、減衰材料の繰り返し安定性が低下する。
上記エラストマー組成物には、上記エラストマー成分、補強性充填剤の他に、樹脂、老化防止剤、ワックス、可塑剤、軟化剤等のエラストマー組成物に一般に添加される添加剤も配合できる。エラストマー組成物に老化防止剤を配合することにより、長期間経過した後でも減衰材料の物性変化を小さく抑えることが可能となる。なおそのような目的のために、老化防止剤と共に、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、安定剤、難燃剤等を配合することはとりわけ有効である。
上記減衰材料に用いる粉体は、減衰材料の減衰性能を主として担う材料であり、具体的には、粉体同士の摩擦及び粉体とエラストマー成分との摩擦により振動を減衰させる。ここで、本発明において粉体とは、補強性充填剤以外のものを指し、例えば、金属粉、炭化ケイ素粉等を包含する。なお、制振ダンパが粉体を含まない場合、減衰材料の減衰性能が大幅に低下して、十分な減衰性能、変位追従性等を得ることができない。
上記粉体としては、金属粉が好ましく、また、該金属粉としては、環境への負荷が小さいものが好ましく、例えば、鉄粉、ステンレス粉、ジルコニウム粉、タングステン粉、青銅(CuSn)粉、アルミニウム粉、金粉、銀粉、錫粉、炭化タングステン粉、タンタル粉、チタン粉、銅粉、ニッケル粉、ニオブ粉、鉄−ニッケル合金粉、亜鉛粉、モリブデン粉等が挙げられ、これら金属粉は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、これら金属粉は、金属酸化物粉でもよいため、上記粉体としては、金属酸化物粉等の金属化合物粉も好適に使用できる。これら粉体の中でも、鉄粉が特に好ましい。鉄粉は、安価である上、他の金属粉と対比して破壊強度が高く、また、鉄粉を主成分とする減衰材料は、固すぎることも脆すぎることもないため、優れた減衰性能を長期に渡って発揮することができる。なお、鉄粉としては、還元鉄粉、電解鉄粉、噴霧鉄粉、純鉄粉、鋳鉄粉等が挙げられるが、これらの中でも、還元鉄粉が好ましい。
本発明の制振ダンパにおいて、前記減衰材料100体積%中における前記粉体の含有量は、50〜74体積%の範囲が好ましく、60〜74体積%の範囲が更に好ましい(即ち、エラストマー組成物/粉体の体積比は50/50〜26/74の範囲が好ましく、40/60〜26/74の範囲が更に好ましい)。
減衰材料100体積%中の粉体の含有量が50体積%未満では、粉体間の距離が広すぎ、変形時の粉体同士の摩擦、及び粉体と他の成分の間の流動抵抗が小さくなるため、減衰性能が不十分である。
一方、減衰材料100体積%中の粉体の含有量が74体積%を超えると、粉体同士の接触が増え、繰り返し安定性が低下する上、成形する際に空気を十分に除くことが難しく、減衰材料の体積が理想体積(空気の混入が無い場合の体積)より大きくなり、減衰材料の減衰性能が低下する場合がある。なお、減衰材料100体積%中の粉体の含有量が60〜74体積%であれば、減衰性能を良好に維持できる上、変位追従性、繰り返し安定性、加工性も良好となる。
上記粉体の粒径は、0.1μm〜2mmの範囲が好ましく、1μm〜150μmの範囲が更に好ましい。粉体の粒径が0.1μm未満では、取り扱いが困難であり、一方、粉体の粒径が2mmを超えると、粉体同士の摩擦が減少して減衰効果が低下する傾向がある。なお、粉体の粒径が1μm以上であれば、取り扱いが容易であり、粉体の粒径が150μm以下であれば、減衰材料の減衰性能が十分に高い。
また、上記粉体の形状は、不定形であることが好ましい。ここで、不定形とは、球状などの1種類の形状のみではなく、凹凸を有するものや突起を有するものなど、種々の形態を有する形状が混在していることを意味する。バルクを粉砕することなどによって得られる粉体の形状は当然に不定形であるが、球状の粉体を用いた場合と比較したところ、不定形の粉体を用いた方が良好な減衰効果が得られた。これは、不定形の粉体を使用すると、粉体同士、粉体−エラストマー成分間の摩擦の際に引っ掛かり効果のようなものが生じ、球状のもの等を使用した場合と比較して摩擦が大きくなって、減衰性能が良好になるためであると考えられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
ニーダーを用いて、表1に示す配合処方のエラストマー組成物を調製し、次に、該エラストマー組成物と鉄粉とを40:60の体積比で混練して減衰材料を調製した。
Figure 2011149476
*1 天然ゴム,未加硫,RSS#4
*2 ポリブタジエンゴム(低シス),未加硫,旭化成製「ジエンNF35R」
*3 カーボンブラック,ISAF,東海カーボン製「シースト6P」
*4 樹脂,日本ゼオン製「ゼオファイン」、新日本石油化学製「日石ネオポリマー140」、丸善石油化学製「マルカレッツM−890A」,「ゼオファイン」:「日石ネオポリマー140」:「マルカレッツM−890A」=40:40:20(質量比)
*5 可塑剤,ジオクチルアジペート(DOA)
*6 その他の配合剤,亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤[住友化学製「アンステージ6C]、ワックス[新日本石油製「プロトワックス1」],亜鉛華:ステアリン酸:老化防止剤:ワックス=4:5:3:1(質量比)
*7 鉄粉1,粒径=40μm,不定形還元鉄粉
この減衰材料を積層ゴムに圧入し、図4に示す構造の積層ゴム構造体8を作成した。なお、この積層ゴム構造体8の減衰材料4のサイズは、φ45×42.5mmである。
動的試験機を用いて、面圧0MPa、水平変位90mm、加振周波数0.33Hzの条件でこの積層ゴム構造体8を水平に振動させ、その際の水平方向荷重を測定した。図5に、水平方向の変形変位と積層ゴム構造体8の水平方向荷重との関係を示す。なお、図5では、積層ゴムによる剛性付与分を計算により引き、元帥材料4による減衰力のみを表示した。
次に、この評価により得られた積層ゴム構造体8の性能をもとに、図6に示す制振ダンパ201の性能を算出した。
この制振ダンパ201は、横56.4mm、縦85mmの長方形断面を有するシリンダー2に、先の評価と同一の減衰材料4を圧入し、ピストンロッド3を挿入するとともに、積層構造としたシール材5で該減衰材料4の両端を拘束したものであり、上記減衰材料4の幅wは、56.4mmである。
ここで、制振ダンパ201の減衰材料4を、28.2×56.4×42.5の体積の4つの部分に分割し、28.2×56.4×42.5≒π/4×45×42.5と近似すれば、制振ダンパ201は、先の積層ゴム構造体8の4本並列に置いた場合と同等であると考えることができる。
従って、この制振ダンパ201に対して、水平変位90mm、加振周波数0.33Hzの振動を与えた場合、図5のヒステリシス曲線の水平荷重(kN)を4倍した図7のようなヒステリシス曲線を得る。
図7中のヒステリシス曲線で囲まれた領域の面積が広くなるほど、振動のエネルギーを多く吸収できることを意味する。図7より、本発明に従う制振ダンパ1は、十分に優れた減衰性能を有することがわかる。
また、ピストンロッド3を振動させた際に、減衰材料がその変位に追従できるか否かを評価したところ、制振ダンパ1は、十分に優れた変位追従性を発揮した。
以上の結果から、本発明に従う制振ダンパ1は、十分に優れた減衰性能及び変位追従性能を発揮可能であることがわかった。
1 制振減衰材料
2 シリンダー
3 ピストンロッド
4 減衰材料
5 シール材
6 弾性材料
7 剛性材料
d 減衰材料の高さ
w 減衰材料の厚さ

Claims (11)

  1. シリンダー及び該シリンダーの長さ方向に沿って延びるピストンロッドを具え、エラストマー成分に補強性充填剤を配合してなるエラストマー組成物と粉体とを含有する減衰材料を、前記シリンダー内面と前記ピストンロッド外面との間に圧入し、弾性材料を含み前記シリンダー内面と前記ピストンロッド外面との間に跨るシール材により、前記減衰材料のシリンダー長さ方向両端を拘束することを特徴とする制振ダンパ。
  2. 前記シール材が、前記ピストンロッドの長さ方向軸を一周する筒状形状の、弾性材料と剛性材料とを、シリンダー径方向に交互に積層した構造であることを特徴とする請求項1に記載の制振ダンパ。
  3. 前記エラストマー成分の少なくとも一部が未架橋であることを特徴とする請求項1又は2に記載の制振ダンパ。
  4. 前記補強性充填剤がカーボンブラック及び/又はシリカであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制振ダンパ。
  5. 前記粉体が金属粉及び/又は金属化合物粉であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の制振ダンパ。
  6. 前記粉体が鉄粉であることを特徴とする請求項5に記載の制振ダンパ。
  7. 前記減衰材料100体積%中における前記粉体の含有量が、50〜74体積%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の制振ダンパ。
  8. 前記エラストマー組成物における前記補強性充填剤の配合量が、前記エラストマー成分100質量部に対して60〜150質量部であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の制振ダンパ。
  9. 前記粉体の平均粒径が0.1μm〜2mmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の制振ダンパ。
  10. 前記粉体の平均粒径が1μm〜150μmであることを特徴とする請求項9に記載の制振ダンパ。
  11. 前記粉体の形状が不定形であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の制振ダンパ。
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