JP6432271B2 - 免震支持装置 - Google Patents

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本発明は、ビル等の建物、橋若しくは高速道路等の橋桁等々の構造物を支持すると共に、地震等の振動を構造物に伝達させない上に、構造物の振動を早期に減衰させるために、構造物と橋脚若しくは地面との間に配される免震支持装置に関する。
補強層と弾性層とを交互に積層してなる積層体と、この積層体の補強層及び弾性層を貫通した円柱状中空部に配された鉛プラグとを具備した鉛プラグ入り免震支持装置は知られている。
特開2000−8640号公報
特許文献1には、鉛直剛性を維持しながら水平剛性のみを低下させるべく、非圧縮性流体が封入された空間部を有した複数のゴムシートと複数の鋼板とを交互に積層して一体化した免震用積層ゴムが提案されている。
ところで、特許文献1で提案されている免震用積層ゴムでは、ゴムシートの空間部に非圧縮性流体が封入されているために、免震支持する構造物からの鉛直方向の荷重で空間部の非圧縮性流体が過度に押圧されると、空間部が破裂して非圧縮性流体が流失する虞があり、空間部の破裂に至らない場合にも、過度に加圧された非圧縮性流体がゴムシートと鋼板との間の接着を剥がしてその隙間から非圧縮性流体が流失したり、ゴムシートと鋼板との間の接着剤による接着が解除されて繰り返しての剪断変形を行い得なくなる虞がある。
更に、特許文献1に記載の免震用積層ゴムでは、ゴムシートの空間部に非圧縮性流体が封入されるために、ゴムシートと鋼板との間の接着に対して加圧下における加硫接着を適用し難く、記載の通り、接着剤を用いてゴムシートと鋼板とを一枚づつ接着せざるを得なく、製造工数が莫大となって費用高となる虞れがある。
加えて、特許文献1に記載の免震用積層ゴムでは、単に、ゴムシートに、内周と外周の中間部で円周方向に等間隔に、4箇所に偏平な円柱状の空間部、3箇所に半径方向に延在する細長状の空間部又は4箇所に円周方向に延在する細長状の空間部が夫々形成され、各空間部に非圧縮性流体が封入されているだけであるために、水平面内での全方向に関して水平剛性を低下させているわけではなく、水平面内での特定の方向に関してのみ水平剛性を低下させており、従って、斯かる免震用積層ゴムでは、水平面内での全方向の震動に対して同等の免震効果が得られ難い。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、破裂の虞がない上に、剛性層と弾性層との間の接合の解除の虞もなく、長期に亘って安定に水平剛性(剪断剛性)を低下させることができて、長周期の地震等に対して効果的に構造物を免震支持でき、加えて、製造費用を低減させることができる免震支持装置を提供することにある。
本発明による免震支持装置は、複数の剛性層及び複数の弾性層を交互に積層して当該複数の剛性層と複数の弾性層とを互いに接合してなる積層体を具備しており、弾性層には、少なくとも一つの一の貫通孔が設けられており、少なくとも一つの一の貫通孔には、空気又は空気を含んだ圧縮変形自在な多孔体が配されている。
本免震支持装置によれば、弾性層には、積層体内に少なくとも一つの一の貫通孔が設けられているために、積層体の水平剛性を低下させることができて長周期の地震等に対して効果的に構造物を免震支持できる上に、少なくとも一つの一の貫通孔には、空気又は空気を含んだ圧縮変形自在な多孔体が配されているために、免震支持する構造物からの鉛直方向の荷重で空気又は多孔体が適度に圧縮される結果、少なくとも一つの一の貫通孔の破裂及び弾性層と剛性層との間の接合の解除を回避でき、長期に亘って安定に水平剛性を低下させることができて、しかも、複数の弾性層と複数の剛性層との間の互いの接合に対して加圧下における加硫接着を適用し得る結果、製造費用を低減させることができる。
そして、本免震支持装置によれば、少なくとも一つの一の貫通孔には、空気又は空気を含んだ圧縮変形自在な多孔体が配されているために、円柱状金属体を具備しない態様の場合には、鉛直方向の剛性を低下させることができ、空気又は多孔体の圧縮変形で、構造物の鉛直方向の震動の起因となる交通振動等を低減できる。
本免震支持装置において、空気を含んだ圧縮変形自在な多孔体としては、具体的には、天然スポンジ又はポリウレタン等の合成樹脂を発泡成形して作られる合成スポンジ等のスポンジを一例として挙げることができる。
空所に多孔体が配されている本発明の免震支持装置では、複数の剛性層と複数の弾性層との互いの接合を加圧下の加硫接着で行わせる場合において、斯かる多孔体を少なくとも一つの一の貫通孔に予め配することにより、少なくとも一つの一の貫通孔の形状を維持でき、弾性層を形成する弾性素材が少なくとも一つの一の貫通孔に充填されて、少なくとも一つの一の貫通孔が消失されてしまうような事態を避けることができる。
本発明による免震支持装置では、弾性層には、一つ又は複数、即ち、少なくとも一つの一の貫通孔が設けられているのであるが、例えば、一つだけの貫通孔が弾性層に設けられる場合には、斯かる貫通孔は、好ましくは、積層体の中央において、弾性層に設けられており、また、少なくとも一つの一の貫通孔は、複数の弾性層の全てに設けられていてもよいが、複数の弾性層のうちの少なくとも一つの弾性層に設けられていてもよい。
本発明による免震支持装置は、剛性層及び弾性層を貫通して積層体に配されている少なくとも一つの塑性変形自在な円柱状金属体を更に具備していてもよく、斯かる円柱状金属体を更に具備していると、水平面内での全方向の震動に対して円柱状金属体による減衰効果を期待でき、斯かる震動による積層体の水平方向の剪断変形を可及的速やかに減衰させることができる。
円柱状金属体は、一個でも複数個でも積層体に配されてもよく、本発明の好ましい例では、円柱状金属体は、鉛を主成分とした鉛プラグ及び錫を主成分とした錫プラグのうちの少なくとも一方からなり、鉛プラグの場合には、純度99.9%以上の鉛を、錫プラグの場合にも、純度99.9%以上の錫を用いるとよいが、本発明は、これらに限定されず、塑性変形でき、しかも、塑性変形において高い変形エネルギー吸収性を呈する上に、塑性変形後の元の形状への復帰において、常温下で再結晶可能な金属又は合金からなっていてもよい。
好ましい例では、複数の剛性層の夫々は、鋼板からなり、複数の弾性層の夫々は、ゴム板からなるが、剛性層は、鋼板に限定されず、例えば、炭素繊維、ガラス繊維若しくはアラミド繊維等の繊維補強合成樹脂板又は繊維補強硬質ゴム板等からなってもよく、更に剛性層の層数においても特に限定されず、一方、弾性層のゴム板は、天然ゴム及び合成ゴムのうちの少なくとも一つ又は天然ゴム及び合成ゴムのうちの少なくとも一つにカーボンブラックや樹脂系材料を充填した高減衰ゴムからなっていてもよい。
本発明の好ましい他の例では、複数の剛性層は、最上位及び最下位の鋼板と、これら最上位及び最下位の鋼板より薄肉であって最上位及び最下位の鋼板間において弾性層間に鉛直方向に積層された複数枚の薄肉の鋼板とを具備しており、この場合、最上位及び最下位の鋼板の夫々には、当該最上位及び最下位の鋼板の夫々に鉛直方向において隣接する弾性層の少なくとも一つの一の貫通孔に連通する他の一の貫通孔が設けられていてもよく、複数枚の薄肉の鋼板の夫々には、当該複数枚の薄肉の鋼板の夫々に鉛直方向において隣接する弾性層の少なくとも一つの一の貫通孔に連通する更に他の一の貫通孔が設けられてもよく、更には、弾性層に設けられた少なくとも一つの一の貫通孔、最上位及び最下位の鋼板の夫々に設けられた少なくとも一つの他の一の貫通孔並びに複数の薄肉の鋼板の夫々に設けられた少なくとも一つの更に他の一の貫通孔により鉛直方向に伸びた円柱状空所が積層体に形成されていてもよい。
斯かる円柱状空所であると、複数の剛性層の他の一の貫通孔及び更に他の一の貫通孔と複数の弾性層の一の貫通孔とを鉛直方向に配列させて、当該複数の剛性層及び複数の弾性層を交互に積層した後に、鉛直方向に配列された複数の剛性層の他の一の貫通孔及び更に他の一の貫通孔と複数の弾性層の一の貫通孔とに棒状の型棒(中子に相当)を挿入し、斯かる型棒が当該貫通孔に挿入されて積層された複数の剛性層及び複数の弾性層に対して加圧下で加硫接着を施すことにより又は無孔の複数の剛性層及び無孔の複数の弾性層を交互に積層して当該複数の剛性層と複数の弾性層とを互いに加硫接着により接合した後に、複数の弾性層及び複数の剛性層にドリル等により一括して当該貫通孔を形成することにより、容易に当該貫通孔からなる円柱状空所をもった積層体を製造でき、安価な免震支持装置を提供できる。
本発明では、弾性層に設けられた少なくとも一つの一の貫通孔と各剛性層に設けられた少なくとも一つの他の一の貫通孔及び更に他の一の貫通孔とを互いに連通させて積層体に円柱状空所を形成する代わりに、弾性層に設けられた少なくとも一つの一の貫通孔は、鉛直方向の各一端で、当該弾性層に鉛直方向において隣接して当該鉛直方向において弾性層を挟んだ剛性層で閉じられていてもよい。
本発明では、鉛直方向の最上位及び最下位の剛性層は、当該鉛直方向の最上位及び最下位の剛性層を除く鉛直方向の最上位及び最下位の剛性層間の剛性層の鉛直方向の厚みよりも大きな厚みを有し、鉛直方向の最上位及び最下位の剛性層は、その一方の面で開口した一方の円柱状凹所と、その他方の面で開口していると共に一方の円柱状凹所に連通し、しかも、一方の円柱状凹所の径よりも小さな径をもった他方の円柱状凹所とを有し、円柱状金属体が圧入される積層体内の円柱状中空部は、鉛直方向の最上位及び最下位の剛性層を除く鉛直方向の最上位及び最下位間の剛性層及び弾性層の円環状内面で規定された貫通孔と、他方の円柱状凹所とからなっていてもよく、この場合、他方の円柱状凹所は、貫通孔の径と同一の径を有していてもよく、また、鉛直方向の最上位及び最下位の剛性層を除く鉛直方向の最上位及び最下位の剛性層間の剛性層の円環状内面及び弾性層の円環状内面並びに他方の円柱状凹所を規定する最上位及び最下位の剛性層の円環状内面は、円柱状金属体の円筒状表面に接触しているとよい。
本発明の好ましい例では、弾性層に設けられた少なくとも一つの一の貫通孔は、鉛直方向に直交する水平方向における積層体の水平剛性の大きさに関して当該積層体に無方向性を与えるべく、積層体の外縁と内縁との間で、積層体の中心を通るいずれの水平方向線に対しても、それに交差するように、配されている。
斯かる例の免震支持装置によれば、積層体の外縁と内縁との間で、積層体の中心を通るいずれの水平方向線に対しても、それに交差するように、弾性層に設けられた少なくとも一つの一の貫通孔が配されているために、水平面内での全方向に関して略同等に積層体の水平剛性を低下させことができ、水平面内での全方向の震動に対して略同等の免震効果を得ることができる。
本発明において、積層体は、円柱状、楕円柱状、角柱状、特に四角柱状であってもよく、積層体が円柱状である場合には、弾性層に設けられた少なくとも一つの一の貫通孔は、円柱状の積層体の中心線に関して対称又は非対称に配されていてもよいが、好ましくは、対称に配されている。
本発明は、剛性層に対する腐食防止用、特に、防錆用として積層体の外周面を被覆する被覆層を更に有していてもよい。
本発明によれば、破裂の虞がない上に、剛性層と弾性層との間の接合の解除の虞もなく、長期に亘って安定に水平剛性(剪断剛性)を低下させることができて、長周期の地震等に対して効果的に構造物を免震支持でき、加えて、製造費用を低減させることができる免震支持装置を提供し得る。
図1は、本発明の好ましい例における図3に示すI−I線矢視断面説明図である。 図2は、図1に示す例における図3に示すII−II線矢視断面説明図である。 図3は、図1に示す例の平面説明図である。 図4は、図1に示す例の積層体の一部破断斜視説明図である。 図5は、本発明の好ましい他の例のゴム板の平面説明図である。 図6は、本発明の好ましい他の例のゴム板の平面説明図である。 図7は、図5及び図6に示すゴム板を用いた断面説明図である。 図8は、図5及び図6に示すゴム板を用いた断面説明図である。 図9は、本発明の好ましい更に他の例のゴム板の平面説明図である。
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
図1から図4において、本例の免震支持装置1は、複数の剛性層としての複数枚の鋼板2及び複数の弾性層としての複数枚のゴム板3を鉛直方向Vに交互に積層して互いに加硫接着をもって接合してなる円柱状の積層体としての円柱状の積層ゴム4と、複数の鋼板2及び複数のゴム板3の夫々の中央部を鉛直方向Vに貫通して積層ゴム4に配されている塑性変形自在な円柱状金属体としての鉛を主成分とした円柱状の鉛プラグ5と、積層ゴム4の外縁としての円筒状の外周面6を被覆すると共にゴム板3と同一のゴム材からなって鋼板2及びゴム板3の外周面に加硫接着されて当該鋼板2及びゴム板3に一体形成された円筒状の被覆層7と、複数の鋼板2のうちの鉛直方向Vにおいて最上位の鋼板8にボルト等により固着されていると共にビル等の建物、橋若しくは高速道路等の橋桁等の上部構造物9の下面10に同じくボルト等により固着される円盤状の鋼板からなる上取付板11と、複数の鋼板2のうちの鉛直方向Vにおいて最下位の鋼板12にボルト等により固着されていると共に地盤上の基礎等の下部構造物13の上面14に同じくボルト等により固着される円盤状の鋼板からなる下取付板15と、最上位の鋼板8及び上取付板11間に配された上剪断キー16と、最下位の鋼板12及び下取付板15間に配された下剪断キー17とを具備している。
複数枚の鋼板2は、鉛直方向Vにおいて最上位及び最下位の一対の鋼板8及び12と、一対の鋼板8及び12より薄肉であって一対の鋼板8及び12間においてゴム板3間に鉛直方向Vに積層された複数枚の薄肉の鋼板21とを具備しており、鋼板8、12及び21の中央部には、鉛プラグ5が貫通される貫通円孔22が形成されている。
鉛プラグ5が貫通される貫通円孔30が夫々の中央部に形成されている各ゴム板3には、空気が配されている複数の円柱状の貫通孔31及び32が設けられており、各ゴム板3において一のゴム板3の貫通孔31と他の一のゴム板3の貫通孔31とは、同一の径と同一の個数をもって当該ゴム板3の内周側で同一の位置に設けられており、斯かる複数の円柱状の貫通孔31は、各ゴム板3において積層ゴム4の鉛直方向Vに伸びる軸心線(中心線)Cの周りである円周方向Rに等間隔(等角度間隔)に配列されており、各ゴム板3において一のゴム板3の貫通孔32と他の一のゴム板3の貫通孔32とは、同一の径と同一の個数をもって当該ゴム板3の外周側で同一の位置に設けられており、斯かる複数の円柱状の貫通孔32も、各ゴム板3において積層ゴム4の鉛直方向Vに伸びる軸心線(中心線)Cの周りである円周方向Rに等間隔(等角度間隔)に配列されている。
複数の貫通孔32の夫々は、円周方向Rにおいて複数の貫通孔31の夫々の間に配されており、これにより、積層ゴム4の中心線Cに関して対称となるように設けられている複数の貫通孔31及び32は、鉛直方向Vに直交する水平方向Hにおける積層ゴム4の水平剛性の大きさに関して無方向性をもつべく、外周面6と積層ゴム4の内縁としての円筒状の内周面33との間で、積層ゴム4の軸心線C上の中心Oを通るいずれの水平方向線に対しても、それに交差する少なくとも一つの貫通孔31及び32が位置するように、積層ゴム4に配されている。即ち、複数の貫通孔31及び32は、例えば、積層ゴム4の外周面6と内周面33との間で、積層ゴム4の中心Oを通る一つの水平方向線H1では、貫通孔31が、積層ゴム4の中心Oを通る他の一つの水平方向H2では、貫通孔32が、そして、積層ゴム4の中心Oを通る更に他の一つの水平方向H3では、貫通孔31及び32が位置するように、積層ゴム4に配されている。
鋼板8及び12並びに鋼板21の夫々にも、当該鋼板8及び12並びに鋼板21の夫々に鉛直方向Vにおいて隣接するゴム板3の複数の貫通孔31及び32の夫々に連通する貫通孔41及び42が設けられており、貫通孔41は、貫通孔31と同様に、同一の径と同一の個数をもって当該鋼板8及び12並びに鋼板21の夫々の内周側で同一の位置に設けられており、斯かる複数の貫通孔41は、鋼板8及び12並びに鋼板21の夫々において積層ゴム4の鉛直方向Vに伸びる軸心線Cの周りである円周方向Rに等間隔(等角度間隔)に配列されており、貫通孔42は、貫通孔32と同様に、同一の径と同一の個数をもって当該鋼板8及び12並びに鋼板21の夫々の外周側で同一の位置に設けられており、斯かる複数の円柱状の貫通孔42も、鋼板8及び12並びに鋼板21の夫々において積層ゴム4の鉛直方向Vに伸びる軸心線Cの周りである円周方向Rに等間隔(等角度間隔)に配列されている。
而して、積層ゴム4には、各ゴム板3に設けられた複数の貫通孔31及び32並びに鋼板8、12及び鋼板21の夫々に設けられた複数の貫通孔41及び42により鉛直方向に伸びた円柱状空所45及び46が、即ち、貫通孔31及び41により円柱状空所45が、そして、貫通孔32及び42により円柱状空所46が夫々形成されている。
鉛プラグ5は、複数の鋼板2及び複数のゴム板3の夫々の中央部を規定する積層ゴム4の内周面33に隙間なしにぴたりと接触して、当該中央部に嵌装されている。
以上の免震支持装置1では、上部構造物9の鉛直方向Vの荷重を積層ゴム4で支持する一方、地震等による上部構造物9に対する下部構造物13の水平方向Hへの振動をゴム板3の水平方向Hの剪断変形により許容して下部構造物13の水平方向Hへの振動の上部構造物9への伝達を抑制して上部構造物9の免震を達成し、下部構造物13の水平方向Hへの振動に基づいて生じる上部構造物9の水平方向Hへの振動のエネルギーを、積層ゴム4の水平方向Hの剪断変形に伴って生じる鉛プラグ5の水平方向Hの剪断変形により吸収して、上部構造物9の水平方向Hへの振動を早期に減衰させるようになっている。
そして、免震支持装置1では、各ゴム板3には、複数の貫通孔31及び32が設けられているために、積層ゴム4の水平剛性を低下させることができて長周期の地震等に対して効果的に上部構造物9を免震支持できる上に、貫通孔31及び32の夫々には、空気が配されているために、免震支持する上部構造物9からの鉛直方向Vの荷重で貫通孔31及び32の空気が適度に圧縮される結果、貫通孔31及び32の破裂及びゴム板3と鋼板2との間の接合の解除、換言すれば、鋼板2からのゴム板3の剥離を回避でき、長期に亘って安定に水平剛性を低下させることができて、しかも、複数のゴム板3と複数の鋼板2との間の互いの接合に対して加圧下における加硫接着を適用し得る上に、貫通孔31及び41と貫通孔32及び42との夫々をドリル等により一括して形成することができる結果、製造費用を低減させることができ、更に、積層ゴム4の外周面6と内周面33との間で、積層ゴム4の中心Oを通るいずれの水平方向線H1、H2、H3・・・に対しても、それに交差する貫通孔31及び32が位置するように、複数の貫通孔31及び32が積層ゴム4に配されているために、水平面内での全方向に関して略同等に積層ゴム4の水平剛性を低下させることができ、水平面内での全方向の震動に対して略同等の免震効果が得られ、その上、鉛プラグ5が積層ゴム4内に配されているため、水平面内での全方向の震動に対して鉛プラグ5による減衰効果を期待でき、斯かる震動による積層ゴム4の水平方向Hの剪断変形を可及的速やかに減衰させることができる。
ところで、上記の免震支持装置1では、各ゴム板3には、複数の貫通孔31及び32が設けられており、鋼板8及び12並びに21の夫々にも、貫通孔41及び42が設けられているが、図5から図8に示すように、複数枚のゴム板3のうち半数のゴム板3には、貫通孔31を、残る半数のゴム板3には、貫通孔32を夫々設け、積層ゴム4の中心Oを通る一つの水平方向線H1では、貫通孔31が、積層ゴム4の中心Oを通る他の一つの水平方向H2では、貫通孔32が、そして、積層ゴム4の中心Oを通る更に他の一つの水平方向H3では、貫通孔31及び32が位置するように、貫通孔31を設けたゴム板3に対して貫通孔32を設けたゴム板3を円周方向Rに関して配して、これら複数枚のゴム板3と、貫通孔41及び42を設けない鋼板8及び12並びに21からなる複数の鋼板2とを鉛直方向Vに交互に積層して積層ゴム4を形成してもよく、この場合、各ゴム板3に設けられた複数の貫通孔31及び32は、鉛直方向Vの各一端で、鋼板2で閉じられるようになる。
図5から図8に示す免震支持装置1でも、積層ゴム4の水平剛性を低下させることができて長周期の地震等に対して効果的に上部構造物9を免震支持できる上に、貫通孔31及び32の夫々には、空気が配されているために、免震支持する上部構造物9からの鉛直方向Vの荷重で貫通孔31及び32の空気が適度に圧縮される結果、貫通孔31及び32の破裂及びゴム板3と鋼板2との間の接合の解除、換言すれば、鋼板2からのゴム板3の剥離を回避でき、長期に亘って安定に水平剛性を低下させることができて、しかも、複数のゴム板3と複数の鋼板2との間の互いの接合に対して加圧下における加硫接着を適用し得る上に、積層ゴム4の外周面6と内周面33との間で、積層ゴム4の中心Oを通るいずれの水平方向線H1、H2、H3・・・に対しても、それに交差する貫通孔31及び32が位置するように、複数の貫通孔31及び32が積層ゴム4に配される結果、水平面内での全方向に関して略同等に積層ゴム4の水平剛性を低下させることができ、水平面内での全方向の震動に対して略同等の免震効果、言い換えると、無方向性の免震効果が得られ、しかも、鉛プラグ5が積層ゴム4内に配されているため、水平面内での全方向の震動に対して鉛プラグ5による減衰効果を期待でき、斯かる震動による積層ゴム4の水平方向Hの剪断変形を可及的速やかに減衰させることができる。
更に、上記の免震支持装置1では、内周側の貫通孔31と外周側の貫通孔32とをゴム板3に設けたが、図9に示すように、複数枚のゴム板3の夫々に、円周方向Rに等間隔に配列された複数個の貫通孔51を設け、一のゴム板3の複数個の貫通孔51と他の一のゴム板3の複数個の貫通孔51とが円周方向Rに部分的に重なるように、一のゴム板3と他の一のゴム板3とを鋼板2と共に鉛直方向Vに積層して積層ゴム4を形成してもよく、図9に示す複数枚のゴム板3で形成された積層ゴム4を具備する免震支持装置1でも、貫通孔51の夫々には、空気が配されているために、免震支持する上部構造物9からの鉛直方向Vの荷重で貫通孔5の空気が適度に圧縮される結果、貫通孔51の破裂及びゴム板3と鋼板2との間の接合の解除、換言すれば、鋼板2からのゴム板3の剥離を回避でき、長期に亘って安定に水平剛性を低下させることができて、しかも、複数のゴム板3と複数の鋼板2との間の互いの接合に対して加圧下における加硫接着を適用し得る上に、水平面内での全方向に関して略同等に積層ゴム4の水平剛性を低下させことができ、水平面内での全方向の震動に対して略同等の免震効果、言い換えると、無方向性の免震効果が得られる。
上記の例では、貫通孔31、32及び51を積層ゴム4の中心線Cに関して対称となるようにゴム板3に設けたが、これに代えて、貫通孔31、32及び51を積層ゴム4の中心線Cに関して非対称となるようにゴム板3に設けてもよい。
1 免震支持装置
2、8、12 鋼板
3 ゴム板
4 積層ゴム
5 鉛プラグ
6 外周面
7 被覆層
9 上部構造物
10 下面
11 上取付板
13 下部構造物
14 上面
15 下取付板
16 上剪断キー
17 下剪断キー

Claims (13)

  1. 複数の剛性層及び複数の弾性層を交互に積層して当該複数の剛性層と複数の弾性層とを互いに接合してなる積層体を具備しており、少なくとも一つの弾性層には、少なくとも一つの一の貫通孔が設けられており、少なくとも一つの一の貫通孔には、空気又は空気を含んだ圧縮変形自在な多孔体が配されており、弾性層に設けられた少なくとも一つの一の貫通孔は、積層体の中心を通るいずれの水平方向線に対しても交差するように、配されている免震支持装置。
  2. 複数の剛性層及び複数の弾性層を貫通して積層体に配されている少なくとも一つの塑性変形自在な円柱状金属体を更に具備している請求項1に記載の免震支持装置。
  3. 円柱状金属体は、鉛を主成分とした鉛プラグ及び錫を主成分とした錫プラグのうちの少なくとも一方からなっている請求項2に記載の免震支持装置。
  4. 複数の剛性層の夫々は、鋼板からなり、複数の弾性層の夫々は、ゴム板からなる請求項1から3のいずれか一項に記載の免震支持装置。
  5. 複数の剛性層は、最上位及び最下位の鋼板と、これら最上位及び最下位の鋼板より薄肉であって最上位及び最下位の鋼板間において弾性層間に鉛直方向に積層された複数枚の薄肉の鋼板とを具備している請求項1から4のいずれか一項に記載の免震支持装置。
  6. 最上位及び最下位の鋼板の夫々には、これら最上位及び最下位の鋼板の夫々に鉛直方向において隣接する弾性層の少なくとも一つの一の貫通孔に連通する他の一の貫通孔が設けられている請求項5に記載の免震支持装置。
  7. 複数の薄肉の鋼板の夫々には、当該複数の薄肉の鋼板の夫々に鉛直方向において隣接する弾性層の少なくとも一つの一の貫通孔に連通する更に他の一の貫通孔が設けられている請求項5又は6に記載の免震支持装置。
  8. 弾性層に設けられた少なくとも一つの一の貫通孔、最上位及び最下位の鋼板の夫々に設けられた少なくとも一つの他の一の貫通孔並びに複数の薄肉の鋼板の夫々に設けられた少なくとも一つの更に他の一の貫通孔により鉛直方向に伸びた円柱状空所が積層体に形成されている請求項7に記載の免震支持装置。
  9. 弾性層に設けられた少なくとも一つの一の貫通孔は、鉛直方向の各一端で、当該各弾性層に鉛直方向において隣接して当該鉛直方向において弾性層を挟んだ剛性層で閉じられている請求項1から5のいずれか一項に記載の免震支持装置。
  10. 弾性層に設けられた少なくとも一つの一の貫通孔は、鉛直方向に直交する水平方向における積層体の水平剛性の大きさに関して当該積層体に無方向性を与えるべく、積層体の外縁と内縁との間で、積層体の中心を通るいずれの水平方向線に対しても、これに交差するように、配されている請求項1から9のいずれか一項に記載の免震支持装置。
  11. 積層体は、円柱状である請求項1から10のいずれか一項に記載の免震支持装置。
  12. 弾性層に設けられた少なくとも一つの一の貫通孔は、円柱状の積層体の中心線に関して対称に配されている請求項11に記載の免震支持装置。
  13. 弾性層に設けられた少なくとも一つの一の貫通孔は、円柱状の積層体の中心線に関して非対称に配されている請求項11に記載の免震支持装置。
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