JP3205393U - 免震装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動減衰体が中空部に密に配され、積層体の剪断変形でも、中空部に配された振動減衰体を所定に隙間なしに積層体で拘束され、安定な免震特性を得ることができる免震装置を提供する。【解決手段】免震装置1は、交互に積層された複数の弾性層2及び剛性層3を有する積層体7と、積層体7の積層方向Vに伸びた中空部14に、弾性層2の内周面15及び剛性層3の内周面16並びに上板10の下面12及び下板11の上面13に対して8MPa以上の応力を持って隙間なしに配された振動減衰体(鉛プラグ17)とを具備している。【選択図】図1

Description

本考案は、二つの構造物間に配されて両構造物間の相対的な水平振動のエネルギを吸収し、構造物への振動加速度を低減するための装置、特に地震エネルギを減衰して地震入力加速度を低減し、建築物、橋梁等の構造物の損壊を防止する免震装置に関する。
交互に積層された弾性層及び剛性層並びにこれら弾性層及び剛性層の内周面で規定された中空部を有する積層体と、この積層体の中空部に配された鉛プラグ(鉛支柱)とを具備した免震装置は、知られている。
斯かる免震装置は、構造物の鉛直荷重を積層体及び鉛プラグで支持すると共に地震に起因する積層体の積層方向の一端に対しての構造物の水平方向の振動を鉛プラグの塑性変形(剪断変形)で減衰させる一方、同じく地震に起因する積層体の積層方向の一端の水平方向の振動の構造物への伝達を積層体の弾性変形(剪断変形)で抑制するようになっている。
特開2009−8181号公報
ところで、この種の免震装置では、鉛プラグを得るべく積層体の中空部に鉛が隙間なしに充填されるが、充填されて積層体の剛性層及び弾性層の内周面に取り囲まれた鉛プラグは、弾性層の弾性により部分的に押し戻されることになるが、この押し戻しにより鉛プラグには応力(内力)が発生する。
この発生した鉛プラグの応力が弾性層の剛性との関連で充分でないと、例えば低荷重下での免震装置の免震動作において、鉛プラグの外周面と剛性層及び弾性層の内周面との間に隙間が生じて、鉛プラグで効果的に振動を減衰させることができなくなる虞が生じる。
斯かる問題は、鉛プラグにおいて顕著に生じるのであるが、斯かる鉛プラグに限らず、塑性変形で振動エネルギを吸収する鉛、錫又は非鉛系低融点合金等の減衰材料からなる振動減衰体でも生じ得る。
本考案は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、積層体の中空部に配された振動減衰体を所定に隙間なしに拘束し得る結果、安定な免震特性を得ることができる免震装置を提供することを目的とする。
加えて、本考案は、免震効果及び製造性に特に優れた免震装置を提供することを目的とする。
本考案による免震装置は、交互に積層された弾性層及び剛性層を有する積層体と、この積層体内に当該積層体の積層方向に伸びて形成された中空部に8MPa以上の応力をもって充填された振動減衰体とを具備している。
本考案は、振動減衰体による弾性層の内周面への押圧に起因する弾性層の弾性反力に基づく振動減衰体に生じる応力が一定以上である免震装置では、中空部に配された振動減衰体を所定に隙間なしに拘束し得るという知見に基づいてなされたものである。
斯かる知見に基づく本考案は、振動減衰体が8MPa以上の応力をもって中空部に密に配されていると、積層体の剪断変形でも、中空部に配された振動減衰体を所定に隙間なしに積層体で拘束し得る結果、安定な免震特性を得ることができる免震装置を提供できる。
本考案の免震装置は、橋桁等の一方の構造物の鉛直荷重を支持することなしに当該橋桁等の一方の構造物を橋軸方向に関して免震するように、橋桁等の一方の構造物と橋脚に設置された側壁等の他方の構造物との間に設置されてもよく、これに代えて、ビル、橋桁等の一方の構造物の鉛直荷重を支持すると共に当該ビル、橋桁等の一方の構造物を免震するように、ビル、橋桁等の一方の構造物と基礎、橋脚等の他方の構造物との間に設置されてもよく、従って、本考案の免震装置は、無荷重下で使用される場合もあり、荷重下で使用される場合もあり、いずれに使用される場合の免震装置でも、振動減衰体は、積層体に対しての積層方向の無荷重下で又は荷重下、好ましい例では、積層体に対しての当該積層体に対して面圧0.5MPaに相当する積層方向の荷重下で、8MPa以上の応力をもって中空部に充填されているとよい。
加えて、本考案の免震装置では、その免震作用中においては、主に弾性層の弾性変形に起因して積層体に剪断変形が生じるのであるが、本考案の免震装置に係る振動減衰体は、斯かる剪断変形が生じてない状態において、8MPa以上の応力をもって中空部に充填されている。
本考案の免震装置の好ましい例では、振動減衰体は、15MPa以上の応力をもって中空部に充填されており、斯かる例では、積層体の小さな剪断変形でも、中空部に配された振動減衰体を所定に隙間なしに積層体で拘束し得る結果、更に安定な免震特性を得ることができる。
ところで、本考案では、振動減衰体が中空部に8MPa以上の応力をもって充填されていればよいのであるが、振動減衰体が55MPaを超える応力をもって中空部に充填されている免震装置では、振動減衰体が大きく弾性層に食い込んで、弾性層の内周面が過度に凹面になり、この部位の近傍での弾性層と剛性層との間の剪断応力が大きくなり過ぎ、斯かる応力をもった振動減衰体を得るには、振動減衰体の中空部への圧入力を極めて大きくしなければならず、免震装置の製造が困難であることも判った。
従って、振動減衰体が中空部に8MPa以上であって、55MPa以下の応力をもって充填されている免震装置では、積層体の剪断変形でも、中空部に配された振動減衰体を所定に隙間なしに積層体で拘束し得る結果、安定な免震特性を得ることができ、しかも、免震効果及び製造性に特に優れている。
振動減衰体が中空部に8MPa以上の応力をもって充填されている本考案の免震装置では、好ましい例では、中空部を規定する積層体の内周面は、振動減衰体が弾性層に食い込んで、当該弾性層の位置で凹面になっており、他の好ましい例では、中空部を規定する積層体の内周面は、振動減衰体が弾性層に食い込んで、剛性層の位置で凸面になっている。
本考案において、振動減衰体は、好ましい例では、塑性変形で振動エネルギを吸収する減衰材料からなり、斯かる減衰材料は、鉛、錫又は非鉛系低融点合金(例えば、錫−亜鉛系合金、錫−ビスマス系合金及び錫−インジウム系合金より選ばれる錫含有合金であって、具体的には、錫42〜43重量%及びビスマス57〜58重量%を含む錫−ビスマス合金等)からなっていてもよく、最も好ましい例では、純度99.9%以上の純鉛の単体からなる。
本考案では、弾性層の素材としては、天然ゴム、シリコンゴム、高減衰ゴム、ウレタンゴム又はクロロプレンゴム等を挙げることができるが、好ましくは天然ゴムであり、弾性層の各層は、好ましくは、無荷重下において1mm〜30mm程度の厚みを有しているが、これに限定されず、また、剛性層の素材としては、鋼板、炭素繊維、ガラス繊維若しくはアラミド繊維等の繊維補強合成樹脂板又は繊維補強硬質ゴム板等を挙げることができ、剛性層の各層は、1mm〜6mm程度の厚みを有していても、また、積層方向の一端及び他端の剛性層は、10mm〜50mm程度の厚みを有していてもよいが、これらに限定されず、加えて、弾性層及び剛性層は、その枚数においても特に限定されず、予測される構造物への振動加速度の大きさ、支持する構造物の荷重、剪断変形量(水平方向歪量)、弾性層の弾性率等の観点から、安定な免震特性を得るべく、弾性層及び剛性層の枚数を決定すればよい。
また、本考案では、積層体及び振動減衰体は、円環状体及び円柱状体が好ましいが、他の形状のもの、例えば楕円若しくは方形体及び楕円若しくは方形体のものであってもよく、中空部は、一つでもよいが、これに代えて、免震装置は、複数の中空部を有していてもよく、この複数の中空部にそれぞれ振動減衰体を配して免震装置を構成してもよい。なお、これら複数の中空部の夫々に関して、振動減衰体の応力が同一である必要はなく、応力がそれぞれ異なっていてもよく、また、これら複数の中空部の夫々に関して振動減衰体の応力が上記の通り、8MPa以上であることが好ましいが、複数の中空部の一部に関してのみ振動減衰体の応力が8MPa以上であってもよい。
本考案によれば、積層体の中空部に配された振動減衰体を所定に隙間なしに拘束し得る結果、安定な免震特性を得ることができる免震装置を提供することができる。
加えて本考案によれば、免震効果及び製造性に特に優れた免震装置を提供することができる。
図1は、本考案の好ましい実施の形態の例の図2のI−I線矢視断面説明図である。 図2は、図1に示す例の一部断面平面説明図である。 図3は、図1に示す例の一部拡大断面説明図である。 図4は、本考案の好ましい実施例1の無荷重下での水平変位と水平力との履歴特性の試験結果説明図である。 図5は、本考案の好ましい実施例2の荷重下での水平変位と水平力との履歴特性の試験結果説明図である。 図6は、本考案の好ましい実施例3の荷重下での水平変位と水平力との履歴特性の試験結果説明図である。 図7は、比較例の荷重下での水平変位と水平力との履歴特性の試験結果説明図である。
以下、本考案及びその実施の形態を、図に示す好ましい具体例に基づいて説明する。なお、本考案は本具体例に何等限定されないのである。
図1から図3に示す本例の免震装置1は、交互に積層された複数の弾性層2及び剛性層3に加えて、弾性層2及び剛性層3の円筒状の外周面4及び5を被覆した円筒状の被覆層6を有する円筒状の積層体7と、積層体7の積層方向(本例では、鉛直方向でもある)Vの円環状の上端面8及び下端面9に取付けられた上板10及び下板11と、弾性層2及び剛性層3並びに上板10及び下板11で取り囲まれていると共に上板10の下面12から下板11の上面13まで積層方向Vに伸びた中空部14に、当該弾性層2の内周面15及び剛性層3の円筒状の内周面16並びに上板10の下面12及び下板11の上面13に対して隙間なしに配された振動減衰体としての鉛プラグ17とを具備している。
厚さt1=2.5mmの天然ゴム製の円環状のゴム板からなる弾性層2の夫々は、積層方向Vにおいて対面する剛性層3の積層方向Vの上面及び下面に加硫接着されている。
剛性層3において、積層方向Vにおいて最上位及び最下位の剛性層3の夫々は、厚さt2=20mmの円環状の互いに同一の鋼板からなり、最上位の剛性層3は、その上面21で開口していると共に円筒状の内周面22で規定された凹所23と、同じく上面21で開口していると共に円周方向Rにおいて等角度間隔に配された複数個の螺子穴24とを有しており、積層方向Vにおける中空部14の上部25を規定する最上位の剛性層3の内周面16の径よりも大きな径をもった内周面22で規定された凹所23は、当該中空部14の上部25に連通しており、最下位の剛性層3は、その下面26で開口していると共に内周面22と同径の円筒状の内周面27で規定された凹所28と、同じく下面26で開口していると共に円周方向Rにおいて等角度間隔に配された複数個の螺子穴29とを有しており、積層方向Vにおける中空部14の下部30を規定する最下位の剛性層3の内周面16の径よりも大きな径をもった内周面27で規定された凹所28は、当該中空部14の下部30に連通しており、積層方向Vにおいて最上位の剛性層3と最下位の剛性層3と間に配された剛性層3の夫々は、最上位及び最下位の剛性層3よりも薄い厚さt3=1.6mmの円環状の互いに同一の鋼板からなる。
厚さ2mm程度であって弾性層2と同一の天然ゴムからなると共に円筒状の外周面31並びに円環状の上端面32及び下端面33を有した被覆層6は、その円筒状の内周面34で外周面4及び5に加硫接着されている。
上板10は、凹所23の径と同一の径をもって積層方向Vにおいて凹所23に対面した凹所41を下面42に有した円板状の上部フランジ板43と、凹所41において上部フランジ板43に嵌着されている一方、凹所23において最上位の剛性層3に嵌着されていると共に円形の下面44を有した上部剪断キー45とを具備しており、円筒状の外周面46を有した上部フランジ板43は、凹所41に加えて、積層方向Vにおいて複数個の螺子穴24に対応して円周方向Rにおいて等角度間隔に配された複数個の貫通孔47と、外周面46の近傍に円周方向Rにおいて等角度間隔に配された複数個の貫通孔48とを有しており、貫通孔47の夫々に挿入されて螺子穴24の夫々において最上位の剛性層3に螺合されたボルト49を介して最上位の剛性層3に固定される一方、支持する上部の構造物に貫通孔48に挿入されるアンカーボルトを介して固定されるようになっている。
而して、上部フランジ板43と上部剪断キー45とを具備した上板10の下面12は、下面42と下面44とからなり、上面21と上端面32とからなる上端面8は、下面12における下面42に隙間なしに接触しており、鉛プラグ17は、その円形の上端面51で下面12における下面44に隙間なしに接触しており、上部25に配された鉛プラグ17の積層方向Vの上端部52の外周面53は、最上位の剛性層3の内周面16に隙間なしに接触している。
下板11は、凹所28の径と同一の径をもって積層方向Vにおいて凹所28に対面した凹所61を上面62に有した円板状の下部フランジ板63と、凹所61において下部フランジ板63に嵌着されている一方、凹所28において最下位の剛性層3に嵌着されていると共に円形の上面64を有した下部剪断キー65とを具備しており、円筒状の外周面66を有した下部フランジ板63は、凹所61に加えて、積層方向Vにおいて複数個の螺子穴29に対応して円周方向Rにおいて等角度間隔に配された複数個の貫通孔67と、外周面66の近傍に円周方向Rにおいて等角度間隔に配された複数個の貫通孔68とを有しており、貫通孔67の夫々に挿入されて螺子穴29の夫々において最下位の剛性層3に螺合されたボルト69を介して最下位の剛性層3に固定される一方、載置される下部の構造物に貫通孔68に挿入されるアンカーボルトを介して固定されるようになっている。
而して、下部フランジ板63と下部剪断キー65とを具備した下板11の上面13は、上面62と上面64とからなり、下面26と下端面33とからなる下端面9は、上面13における上面62に隙間なしに接触しており、鉛プラグ17は、その円形の下端面71で上面13における上面64に隙間なしに接触しており、下部30に配された鉛プラグ17の積層方向Vの下端部72の外周面73は、最下位の剛性層3の内周面16に隙間なしに接触している。
塑性変形で振動エネルギを吸収する減衰材料である鉛からなる鉛プラグ17は、下面44、内周面15及び16並びに上面64によって規定された中空部14に圧入、充填されており、斯かる圧入、充填で鉛プラグ17は、支持する上部の構造物からの積層方向Vの荷重Wが上板10に加えられていない状態(無荷重下)でも、当該下面44、外周面4及び5並びに上面64に対して隙間なしに配されていると共に弾性層2の弾性力に抗して弾性層2に向って水平方向(剪断方向)Hに張り出して弾性層2に若干食い込み、弾性層2の内周面15を凹面81にする結果、内周面15及び16からなる積層体7の内周面82は、当該弾性層2の内周面15の位置で凹面81になっている一方、剛性層3の位置で凸面83になっており、支持する上部の構造物からの積層方向Vの荷重Wが上板10に加えられた状態(荷重下)では、弾性層2が積層方向Vにおいて圧縮されて弾性層2の厚みtが2.5mmよりも小さくなって免震装置1の高さhが低くなる結果、中空部14に圧入、充填された鉛プラグ17は、弾性層2の弾性力に抗して当該弾性層2により水平方向Hに張り出して弾性層2に食い込み、弾性層2の内周面15をより大きく水平方向(剪断方向)Hに凹んだ凹面81にする。
鉛プラグ17は、支持する上部の構造物からの積層方向Vの荷重(積層方向Vの下向きの力)W下で、上部剪断キー45への反力(積層方向Vの上向きの力)Frを生じさせる応力Pr(=Fr/(鉛プラグ17の上端面51の面積)N/m、但しNはニュートン、以下、同じ)が8MPa以上、本例では、566KNの荷重Wで39MPaの応力が生じるように充填、中空部14に密に配されている。
以上の免震装置1は、下部フランジ板63が貫通孔68に挿入されたアンカーボルトを介して下部の構造物に、上部フランジ板43が貫通孔48に挿入されたアンカーボルトを介して上部の構造物に夫々固定されて下部及び上部の構造物間に配され、上部の構造物の荷重Wを受けて、上板10に加わる積層方向Vの荷重Wを積層体7及び鉛プラグ17で支持すると共に下板11に対しての上板10の水平方向Hの振動を鉛プラグ17の塑性変形で減衰させる一方、下板11の水平方向Hの振動の上板10への伝達を積層体7の水平方向Hの剪断弾性変形で抑制するようになっている。
免震装置1を製造する場合には、まず、弾性層2となる円環状の厚さt1=2.5mmの複数枚のゴム板と最上位及び最下位の剛性層3間の剛性層3となる円環状の厚さt3=1.6mmの複数枚の鋼板とを交互に積層して、その下面及び上面に最上位及び最下位の剛性層3となる円環状の厚さt2=20mmの鋼板を配置し、型内における加圧下での加硫接着等によりこれらを相互に固定してなる積層体7を形成し、その後、下部剪断キー65及び下部フランジ板63からなる下板11をボルト69を介して最下位の剛性層3に固定し、次に、鉛プラグ17を中空部14に形成すべく、中空部14に鉛を圧入する。鉛の圧入は、鉛プラグ17が積層体7により中空部14において隙間なしに拘束されるように、鉛を中空部14に油圧ラム等により押し込んで行い、鉛の圧入後、上部フランジ板43と上部剪断キー45とからなる上板10をボルト49を介して最上位の剛性層3に固定する。なお、型内における加圧下での加硫接着による積層体7の形成において、弾性層2及び剛性層3の外周面4及び5を覆って被覆層6となるゴムシートを外周面4及び5に捲き付け、該加硫接着と同時に、弾性層2及び剛性層3の外周面4及び5に加硫接着された被覆層6を形成してもよい。また斯かる形成において、弾性層2となるゴム板の内周側の一部が流動して、剛性層3の内周面16を覆って、被覆層6の厚さ2mmよりも充分に薄い被覆層が形成されてもよい。
積層体7への無荷重を含む特定荷重下で使用するべく製造された免震装置、本例では、566KNの荷重W下で使用するべく製造された免震装置1の鉛プラグ17の応力Prが8MPa以上である39MPaであることを確認するために、言い換えると、上端面8で566KNの荷重Wを支持すると共に鉛プラグ17の応力Prが39MPaである免震装置1を製造するために、上部フランジ板43と上部剪断キー45に相当すると共に凹所41及び凹所23に嵌着された上部剪断キー45よりも薄い仮の上部剪断キーとの間にロードセル(圧力センサ)を介在させ、ロードセルからのリード線を上部フランジ板43に形成された細孔から導出して、この導出されたリード線の電気信号を測定して、この測定した電気信号から応力Prを検出し、この検出した応力Prが39MPaである場合には、上部フランジ板43を取り外し、仮の上部剪断キーを上部剪断キー45に取り換え、再び、上部フランジ板43を最上位の剛性層3にボルト49を介して固定し、検出した応力Prが積層体7への特定荷重下で8MPaよりも小さい場合には、本例では、検出した応力Prが積層体7への566KNの荷重下で39MPaよりも小さい場合には、上部フランジ板43及び仮の上部剪断キーを取り外し、中空部14に追加の鉛を圧入する。追加の鉛の中空部14への圧入は、追加の鉛を中空部14の上部に油圧ラム等により押し込んで行う。追加の鉛の中空部14への圧入後、上部フランジ板43と仮の上部剪断キーと、上部フランジ板43及び仮の上部剪断キー間のロードセル(圧力センサ)とを最上位の剛性層3にボルト49を介して固定し、ロードセルから応力Prを検出し、応力Prが積層体7への特定荷重下で8MPa以上である場合には、本例では、応力Prが積層体7への566KNの荷重W下で39MPaである場合には、上記と同様にして仮の上部剪断キーに代えて上部剪断キー45と上部フランジ板43とを最上位の剛性層3にボルト49を介して固定する一方、応力Prが積層体7への特定荷重下で8MPaよりも小さい場合には、応力Prが積層体7への特定荷重下で8MPa以上になるまで、以上の追加の鉛の中空部14への圧入を繰り返す、本例では、応力Prが積層体7への566KNの荷重W下で39MPaよりも小さい場合には、応力Prが積層体7への566KNの荷重W下で39MPaになるまで、以上の追加の鉛の中空部14への圧入を繰り返す。
なお、積層体7への無荷重下で、鉛プラグ17を55MPaを超える応力をもって中空部14に充填させようとしたが、中空部14への圧入が困難であった。
こうして製造された免震装置1では、鉛プラグ17の応力Prが積層体7への特定荷重下で8MPa以上であるために、中空部14に配された鉛プラグ17を所定に隙間なしに弾性層2及び剛性層3並びに上板10及び下板11で拘束し得る結果、安定な免震特性を得ることができ、特に優れた耐久性及び免震効果並びに製造性を得ることができる。
実施例1の免震装置1
弾性層2として、厚さt1=2.5mm、外周面4の径(外径)=250mm、変形前の円筒状の内周面15の径(内径)=50mmであって、せん断弾性率=G4の天然ゴムからなる円環状のゴム板を20枚使用し、最上位及び最下位の剛性層3として、夫々厚さt2=20mm、外周面5の径(外径)=250mm、内周面16の径(内径)=50mm及び凹所23及び28の夫々の深さ=10mmの鋼板を使用し、最上位及び最下位の剛性層3間の剛性層3として、厚さt3=1.6mm、外周面5の径(外径)=250mm、内周面16の径(内径)=50mmの鋼板を19枚使用し、無荷重(荷重W=0)下で鉛プラグ17の応力Prが8MPaとなるように中空部14に鉛を充填した免震装置1を作製した。
実施例2の免震装置1
上端面8での面圧が0.5MPaとなる荷重Wを支持した時の鉛プラグ17の応力Prが17MPaとなるように中空部14に鉛を充填した以外は、実施例1と同様の免震装置1を作製した。
実施例3の免震装置1
上端面8での面圧が12MPaとなる荷重Wを支持した時の鉛プラグ17の応力Prが39MPaとなるように中空部14に鉛を充填した以外は、実施例1と同様の免震装置1を作製した。本実施例3の免震装置1では、無荷重下で鉛プラグ17の応力Prが2MPaとなるように、中空部14に鉛が充填されている。
比較例の免震装置
無荷重下(荷重W=0)で鉛プラグ17の応力Prが0MPaとなるように中空部14に鉛を充填した以外、実施例と同様の免震装置を製造した。本比較例の免震装置で上端面8での面圧が12MPaとなる荷重Wを支持した時の鉛プラグ17の応力Prは、2MPaとなる。
実施例1、2及び3の免震装置1と比較例の免震装置とについて、剪断歪γ(水平方向Hの変位)が10%、50%及び100%の場合の水平方向Hの変位(mm)と水平荷重(kN)と関係である履歴特性を測定した結果を図4から図7に示す。図4には、無荷重下(荷重W=0)での実施例1の履歴特性を、図5には、荷重下(上端面8での面圧が0.5MPaに相当する荷重W下)での実施例2の履歴特性を、図6には、荷重下(上端面8での面圧が12MPaに相当する荷重W下)での実施例3の履歴特性を、図7には、荷重下(上端面8での面圧が12MPaに相当する荷重W下)での比較例の履歴特性を夫々示し、これらから明らかであるように、鉛プラグ17の応力Prが8MPa以上、好ましくは、17MPa以上であると、安定な免震特性を得ることができる。なお、55MPa以下であれば、製造において中空部14への鉛の圧入が容易であり、それほど困難を伴わないことが判明した。また、55MPaを超えるように、中空部14へ鉛を圧入しようとしたが、弾性層2の内周面15の損壊なしに、これを行うことは困難であることが判明した。
なお、鉛プラグ17を中空部14に15MPa以上の応力をもって充填することによっても、より安定な免震特性を得ることができることを確認し得た。
1 免震装置
2 弾性層
3 剛性層
4、5 外周面
6 被覆層
7 積層体
8 上端面
9 下端面
10 上板
11 下板
12 下面
13 上面
14 中空部
15 内周面
16 内周面
17 鉛プラグ

Claims (10)

  1. 交互に積層された弾性層及び剛性層を有する積層体と、この積層体内に当該積層体の積層方向に伸びて形成された中空部に8MPa以上の応力をもって充填された振動減衰体とを具備している免震装置。
  2. 振動減衰体は、積層体に対しての積層方向の無荷重下で、8MPa以上の応力をもって中空部に充填されている請求項1に記載の免震装置。
  3. 振動減衰体は、積層体に対しての積層方向の荷重下で、8MPa以上の応力をもって中空部に充填されている請求項1に記載の免震装置。
  4. 振動減衰体は、積層体に対して面圧0.5MPaに相当する積層方向の荷重下で、8MPa以上の応力をもって中空部に充填されている請求項3に記載の免震装置。
  5. 振動減衰体は、15MPa以上の応力をもって中空部に充填されている請求項1から4のいずれか一項に記載の免震装置。
  6. 振動減衰体は、55MPa以下の応力をもって中空部に充填されている請求項1から5のいずれか一項に記載の免震装置。
  7. 振動減衰体は、塑性変形で振動エネルギを吸収する減衰材料からなる請求項1から6のいずれか一項に記載の免震装置。
  8. 減衰材料は、鉛、錫又は非鉛系低融点合金からなる請求項7に記載の免震装置。
  9. 中空部を規定する積層体の内周面は、振動減衰体が弾性層に食い込んで、当該弾性層の位置で凹面になっている請求項1から8のいずれか一項に記載の免震装置。
  10. 中空部を規定する積層体の内周面は、振動減衰体が弾性層に食い込んで、剛性層の位置で凸面になっている請求項1から9のいずれか一項に記載の免震装置。
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