JP2007170488A - 積層ゴム支承体 - Google Patents

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【課題】プラグピンを不要にして製造工程の簡略化を図るだけでなく、ゴムシートと薄肉金属板との接着安定性を向上させたり、せん断変形時に鉛支柱の一部がゴムシートと薄肉金属板との間に押出されるのを防止したりすることで面圧依存性を向上させ、より優れた減衰性能を備えた積層ゴム支承体の提供を目的とする。
【解決手段】ゴムシート3と薄肉鋼板4とを交互に積層した積層体2の上下両端にフランジ6・7をそれぞれ配設し、積層体2内の中心軸線s回りに鉛プラグ5を周方向に間隔をあけて上下方向に沿って配置するとともに、各鉛プラグ5を積層体2の高さよりも低く形成し、かつ各鉛プラグの少なくとも一端を積層体2内に臨ませる。
【選択図】図1

Description

本発明は建造物や構造物などを免震支持するための積層ゴム支承体に関し、詳しくは鉛支柱が積層体内に装填された積層ゴム支承体に関するものである。
従来、地震が発生した場合に、ビルなどの建造物や橋などの構造物等が受ける影響を小さくするため、ゴムシートと薄肉金属板との積層体を備えた積層ゴム支承体が用いられている。また、積層体内に鉛などを装填することによって本来の荷重支持や振動絶縁機能に加えて、振動減衰機能を付加させた積層ゴム支承体が実用に供されている。
積層体の中心軸部に鉛支柱が装填されている積層ゴム支承体(以下、LRBともいう)21は、図12(a)に示すように、上下をフランジ26・27で狭持されている積層体22の中心軸部に、円柱状の鉛支柱25が積層体22を貫通した状態で配置されており、地震などによって上下方向の圧縮荷重や水平方向のせん断荷重が作用すると、積層体の変形に伴って鉛支柱が塑性変形を起こし、この塑性変形によって建造物や構造物などの被支承物の振動エネルギーを吸収し減衰させるのである。このような積層ゴム支承体21の荷重履歴曲線を求めると、通常は図12(b)のようになる。
しかし、このような積層ゴム支承体は、未加硫の積層体の中心軸部に設けられている上下方向の貫通孔に、プラグピンを挿入した状態で加硫し、その後プラグピンを引き抜いた後の貫通孔に、鉛支柱を嵌入して製造されているため、プラグピンの準備やプラグピンの挿抜に手間がかかることから、これらの工程を省略することができる積層ゴム支承体が提案されている。
それは、未加硫の積層体の貫通孔にプラグピンの代わりに鉛支柱をあらかじめ挿入しておいて、この状態で金型にセットし、上下方向から圧力を加えながら加熱して加硫するというもので、こうすることによって、プラグピンが不要となり、加硫後にプラグピンを引き抜く必要もなく製造工程の簡略化を図ることができるというものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−343040号公報(第1〜5頁および第1〜8図)
しかしながら上述の積層ゴム支承体のように、鉛支柱を、積層体の中心軸部を貫通させた状態で配置していると、積層体を加硫する際、上下方向に圧力を加えた場合、鉛支柱がつっかえ棒のようになり、ゴムシートと薄肉金属板とに圧力が十分に加わわらず接着不良を生じるおそれがある。
また、このような接着不良を防止する手段として、鉛支柱の長さを未加硫の積層体の厚みに相当する長さよりも短い長さに設定し、金型の上型と塑性変形部材との間にあらかじめクリアランスを設けておいて、加硫の圧力による積層体の縮み代を吸収し、ゴムシートと薄肉金属板とに十分な圧力が作用するようにしているものもあるが、実際はクリアランスの部分にゴムシートのゴムが侵入するなどして圧力が十分にかからず、特に塑性変形部材の上部とゴムシートのゴムとの間に接着不良が生じ一体成型できない場合がある。
さらに、鉛支柱が積層体の中心軸部を貫通するように配置されていると、積層ゴム支承体が上下方向の圧縮応力を受け横方向にせん断変形した場合、積層体上面の下方延長領域と下面の上方延長領域との重なり部分に大きな応力が作用し、積層体上部の変形方向と反対側では、鉛支柱の一部がゴムシートと薄肉金属板との界面に押出されて侵入する現象が生じる。一方、積層体下部においては、変形方向側で鉛支柱の一部がゴムシートと薄肉金属板との界面に押出されて侵入する現象が生じる。したがって、減衰に寄与している鉛支柱の体積が減少するために、積層ゴム支承体の減衰性能が低下するという問題も生じている。
そこで本発明は、プラグピンを不要にして製造工程の簡略化を図るだけでなく、ゴムシートと薄肉金属板との接着安定性を向上させたり、せん断変形時に鉛支柱の一部がゴムシートと薄肉金属板との間に押出されるのを防止したりすることで面圧依存性を向上させ、より優れた減衰性能を備えた積層ゴム支承体の提供を目的としている。
上記の課題を解決するため請求項1記載の積層ゴム支承体は、ゴムシートと薄肉金属板とを交互に積層した積層体の上下両端に厚肉金属板からなるフランジを配設してなる積層ゴム支承体であって、前記積層体内の中心軸線回りに鉛支柱を周方向に間隔をあけて上下方向に沿って配置するとともに、前記各鉛支柱を前記積層体の高さよりも低く形成し、かつ各鉛支柱の少なくとも一端を前記積層体内に臨ませることを特徴としている。
請求項1記載の積層ゴム支承体によれば、前記鉛支柱を前記積層体の高さよりも低く形成し、かつ少なくとも一端を前記積層体内に臨ませるようにしているため、加硫時に前記積層体が上下方向の圧力を受けたとしても、前記鉛支柱がつっかえ棒のように作用することがなく、前記積層体全体に所定の圧力をかけることができる。したがって、前記ゴムシートと前記薄肉金属板および前記鉛支柱との間で接着不良が生じにくくなる。
さらに、前記鉛支柱が前記ゴムシートとの間で接着不良を生じることなく前記積層体内に一体成形されているため、プラグピンを用いて鉛支柱用の挿入孔を設けた従来の積層ゴム支承体のように、前記積層体の面圧依存性が低下することがない。したがって、前記積層体が圧縮力を受けせん断変形した場合に、前記鉛支柱に作用する応力が緩和されるため、前記鉛支柱の一部が前記ゴムシートと前記薄肉金属板との間に押出される現象が生じにくくなる。
また、前記鉛支柱の少なくとも一端を前記積層体内に臨ませることで、前記鉛支柱と前記フランジとの間に間隔が設けらるため、前記積層体の変形によって前記ゴム弾性層にハードニングが生じた場合でも座屈が起こりにくい。
請求項2記載の積層ゴム支承体は、各鉛支柱について、直径を5〜350mm、高さを積層体高さの0.2〜0.95倍、個数を2〜30個にすることを特徴としている。 請求項2記載の積層ゴム支承体によれば、低減衰のものから高減衰のものまで、様々な積層ゴム支承体に対応することができる。なお、この積層ゴム支承体は、鉛の総量に応じた減衰性能が発揮される。例えば、前記鉛支柱の数を多くすれば、減衰力が増す。
請求項3記載の積層ゴム支承体は、各鉛支柱を、積層体内の上下方向の中間位置に同中心軸線に対して対称的に配置することを特徴としている。請求項3記載の積層ゴム支承体によれば、初期剛性が小さくなり、前記積層体が有している水平弾性機能や復元機能を、より効果的に発揮できるようになる。なお、この積層ゴム支承体は、鉛の総量に応じた減衰性能が発揮される。
請求項4記載の積層ゴム支承体は、各鉛支柱の一端を上部フランジまたは下部フランジに取り付け、他端を前記積層体内に臨ませ相対峙させることを特徴としている。この請求項4記載の積層ゴム支承体によれば、前記積層体の横方向の変形を、一端を上部フランジまたは下部フランジに取り付けた前記鉛支柱で拘束することができるため、請求項3のような積層ゴム支承体に比べて剛性がアップし、減衰性能を向上させることができる。なお、この積層ゴム支承体は、鉛の総量に応じた減衰性能が発揮される。
請求項5記載の積層ゴム支承体は、複数組の鉛支柱を積層体の中心軸線に対称的に配置するとともに、各組の一方の前記鉛支柱を前記積層体内の上下方向の中間位置に配置し、他方の前記鉛支柱を上下一対の鉛支柱で構成しかつ上下の各フランジから延設して積層体内側端を相対峙させ配置することを特徴としている。
請求項5の積層ゴム支承体によれば、滑らかなせん断変形(前記積層体の横方向の変形)を示すようになるため、大きな垂直荷重を受けた場合でも面圧依存性が低下しにくくなる。つまり、垂直荷重による横方向へのせん断変形に対する水平剛性の低下を抑えることができる。
請求項6記載の積層ゴム支承体は、各鉛支柱の少なくとも一端側に連通する空気抜き孔を、上部フランジまたは下部フランジあるいは上部フランジまたは下部フランジと積層体とに設けることを特徴としている。
請求項6記載の積層ゴム支承体によれば、前記各鉛支柱に連通する空気抜き穴を設けることで、積層体を加硫する際に、前記鉛支柱とゴムシートとの間の空気を前記積層体の外部へ排出することができるため、前記鉛支柱と前記ゴムシートとの間に空気溜りが生じにくくなり接着不良を防止することができる。
本発明の積層ゴム支承体は上記の構成からなるので、下記のような優れた効果を奏する。すなわち、
鉛支柱を積層体のゴムシートの未加硫状態で内蔵し加硫して一体成形するため、従来のように積層体加硫時にプラグピンを用いて形成した挿入孔に鉛支柱を挿入するのに比べて製造工程が簡略化され、製造が容易になる。
また、鉛支柱の高さを積層体より低くして積層体内に装填しているので、加硫する際に積層体全体に所定の圧力を加えることができ、ゴムシートと上下のフランジおよび薄肉金属板が確実に接着される。さらに、鉛支柱の塑性変形特性(塑性履歴減衰)を最大限に活用できるため減衰性能に優れている。
請求項5の積層ゴム支承体のようにして積層体に鉛支柱を配置すれば、積層ゴム支承体が上下方向の圧力によって横方向にせん断変形する場合、積層体の変形が滑らかに行なわれるため、より優れた減衰性能を発揮するようになる。
以下に、本発明に係る積層ゴム支承体の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は積層ゴム支承体の第1実施例を示す中央縦断面図、図2は図1のB−B線断面図である、図3は図1の積層ゴム支承体の平面図、図4は図1のA部を拡大して示す部分拡大断面図である。
図1〜3に示すように、本実施例の積層ゴム支承体(LRB)1は、積層体2の上下に厚肉鋼板からなるフランジ6・7を一体に備えている。
積層体2内には、鉛支柱として複数本の円柱状鉛プラグ5が装填されている。各鉛プラグ5の高さ(長さ)は本例では積層体2の高さの1/2程度(50mm)と短く形成し、また直径も従来のLRB(直径300mmで中心部に直径60mm×長さ125mmの鉛プラグ(鉛支柱)が装填されている。)の略1/2と縮径し、全てを同一の大きさに統一している。ただし、本例では、9本分の鉛プラグ5の合計体積を従来のLRBの1本分の鉛プラグの体積に概ね一致させている。
これらの鉛プラグ5は、積層体2の中心軸線sに対し対称に配置されており、各組の一方は積層体2内の上下方向の中間位置に配置される1本の鉛プラグ5からなり、他方は相対峙させて積層体2内に配置される上下一対の2本の鉛プラグ5・5からなる。これらの上下一対の鉛プラグ5は、上下のフランジ6・7に設けた凹部6a・7a内に一端部が嵌着され、他端を積層体2内へ臨ませて相対峙するようにし配置されている。
積層体2は、ゴムシート3と薄肉鋼板4とを交互に積層した構造からなるが、前記鉛プラグ5を装填するゴムシート3と薄肉鋼板4の位置には、あらかじめ挿入孔2a・2b・2cが穿設されている。
また、挿入孔2aの上端に連通する空気抜き孔8が上部フランジ6および積層体2上部のゴムシート3と薄肉鋼板4に、上部フランジ6の凹部6aに連通する空気抜き孔9が上部フランジ6に、下部フランジ7の凹部7aに連通する空気抜き孔10が下部フランジ7にそれぞれ穿設されている。本例の場合、空気抜き孔8は口径が9mmと、他の空気抜き孔9・10の口径3mmに比べて大きくしている。これは、鉛プラグ5とゴムシート3のゴムとの間の空気を排出し、空気溜りが生じないようにするためである。これにより、空気溜りによる接着不良を防止することができる。
図1のように、積層体2および上下のフランジ6・7の周囲はゴムシート11にて被覆されているが、図4に示すように上部フランジ6の下端周縁部および各薄肉鋼板4の上下周縁部はそれぞれ丸く形成され、とくにフランジ6の下端周縁部は断面が半径3mmの円弧に形成されている。図示は省略するが、下部フランジ7の上端周縁部も断面が半径3mmの円弧に形成されている。これは、応力集中を避けて被覆ゴムシート11などのゴム層に亀裂が入ることを防止するためである。
この積層ゴム支承体1に上下方向の圧力が作用し、積層体2が水平方向にせん断変形すると、図11(a)に示すように、薄肉鋼板4が鉛プラグ5の側面に食い込むことによって鉛プラグ5に塑性変形が生じる。こうして、鉛プラグ5が塑性変形することによって水平方向のエネルギーを吸収し、被支承物の振動を減衰させるのである。
なお、図11(b)に示すような、鋼材の弾性を利用した免震支承体が既に提案されているが、本発明の積層ゴム支承体とは、減衰の仕組みが全く異なっている。
つまり、この免震支承体100は、ゴムと薄肉鋼板との積層体120を上部フランジ115と下部フランジ116とで狭持したもので、積層体120の中心軸部に2本の円柱形状の鋼材124・125が装填されている。これらの鋼材124・125は、一端を相対峙させた状態で縦向きに配置され、他端部は上側フランジ111と下側フランジ112とにそれぞれ固定されている。そして、積層体120の中心軸部には、鋼材124・125の外側面を覆うようにしてアクリル系ゴムなどの減衰剤層129が設けられている。この免震支承体100には、上部フランジ115と下部フランジ116とにそれぞれ、連結用フランジ111・112が取付けられている。
このような免震支承体100の場合は、図11(c)に示すように、積層体120が水平方向にせん断変形すると、各薄肉鋼板131が水平移動し、その端で鋼材側面を押すことによって鋼材125を弾性変形させる。このように、鋼材124・125が弾性変形することによってエネルギーを吸収するのである。
したがって、免震支承体100の場合は、薄肉鋼板131が鋼材124・125に食い込むと意味がなく、一方、本発明の積層ゴム支承体は、薄肉鋼板が鉛プラグに食い込まないと、目的とする減衰効果を得ることができないのである。
次に、上記の構成からなる本実施例に係る積層ゴム支承体1について、製造方法を説明する。未加硫ゴムシート3と薄肉鋼板4を交互に積層して積層体2とし、この積層体2の挿入孔2a〜2c内に鉛プラグ5が挿入されるが、挿入孔2b・2cに挿入される鉛プラグ5の一端部は上下のフランジ6または7の凹部6a・7aに嵌着され、積層体2の上下にフランジ6・7を取り付けた状態で鉛プラグ5が挿入される。
この状態で、積層体2および上下のフランジ6・7の外周に未加硫ゴムシート11が巻装され、金型(図示せず)内に挿入される。そして、上下から加圧力が加えられ加熱されて加硫される。このとき、空気抜き孔8〜10から余分な空気が抜け出す。
このように、鉛プラグ5をゴムシート3・11の加硫前に組み込んで積層体2と一体に形成するので、従来の製造方法、つまり積層体2の加硫後にプラグピンを用いて形成した挿入孔に嵌入するのに比べて、製造工程が簡略され、製造に要する時間を短縮し作業を容易にする。
製造された積層ゴム支承体1は、鉛プラグ5を積層体2の中心軸線s回りの周方向および上下方向に分散させるので、大径の鉛プラグを積層体の中心軸部に装填した従来の積層ゴム支承体に比べ、その装填部分の大きな断面欠損をなくすことができ、かつ積層体2の水平方向の変形を滑らかに行なえるようになる。したがって、鉛プラグが上下方向に圧縮力を受けてせん断(水平方向に)変形する場合における面圧依存性の向上を期待できる。
また、鉛プラグの分散によって一つの鉛プラグへの応力集中を防げるので、地震エネルギー等による大変形時に積層体内のゴムシートと薄肉金属板との境界面に鉛プラグの一部がはみ出す現象を回避できる。
図5は上記実施例の積層ゴム支承体1の荷重履歴曲線と従来のLRBの荷重履歴曲線とを重ね合わせて示す線図であるが、同図に示すように上記実施例の積層ゴム支承体1の方が優れていることが分かる。
図6は、本発明の積層ゴム支承体の第2実施例を示す中央断面図で、同図に示すように、第2実施例の積層ゴム支承体1’は鉛プラグ5の高さを積層体2の高さの0.95倍とし、直径を20mm、使用本数を6本とし、鉛プラグ5の合計体積を従来のLRBの鉛プラグの体積にほぼ一致させている。
そして、上部フランジ6の下面において中心軸線s回りに凹部6aを等間隔に設け、鉛プラグ5を各凹部6aに嵌着して下向きに延設し、積層体2の上面より下向きに設けた挿入孔2dに挿入している。この状態で未加硫のゴムシート11を巻装し、上下方向から加圧力を作用させ、加熱して加硫し、鉛プラグ5を積層体2内に一体に装填する。
また図示は省略するが、上部フランジ6と下部フランジ7とに、積層体2の中心軸線sを挟んで対称になるように交互に凹部6a・7aを設け、各凹部6a・7aに鉛プラグ5を嵌着し、上部フランジ6から下向きに延設した鉛プラグ5と、下部フランジ7から上向きに延設した鉛プラグ5とを、積層体2の上面より下向きに設けた挿入孔および下面より上向きに設けた挿入孔に挿入し、上下方向から加圧して加熱することによって加硫してもよい。
その他、図7に示すように、積層体2の高さの1/3程度の低い(短い)鉛プラグ5を形成し、積層体2を組み立てて行く過程で、積層体2内の上下方向の中間位置に同中心軸線に対して上下対称となるようにし、かつ中心軸線s回りに円周方向に等間隔で設けた各挿入孔2aにそれぞれ挿入する。そして、積層体2の上下にフランジ6・7を取り付け、周囲に未加硫ゴムシート11を巻装して被覆したのち、金型内にセットして上下方向から加圧して加硫すると、鉛プラグ5を積層体2と一体にした積層ゴム支承体1”を形成することができる。
この第3実施例の積層ゴム支承体1”に、上下方向から圧力を加えてせん断変形させると、積層体2は鉛プラグ5が配されて剛性の高い中間部分が、鉛プラグ5の向きを上下方向に維持したまま水平方向にスライドするような変形を生じる。
このときの荷重履歴曲線を求めると、結果は、図8に示すとおりで、積層体2が有している水平弾性機能や復元機能などのばね特性が、より効果的に発揮されていることがわかる。なお、鉛プラグ5の径・長さ・数を変えることにより、減衰に寄与する鉛の総量を変化させ、減衰力を調節することができる。
さらに図9に示すように、鉛プラグ5を配置することもできる。この第4実施例の積層ゴム支承体1'''は、上下一対の鉛プラグ5・5が、積層体2の中心軸線s周りに周方向に一定の間隔で配置されているもので、上下一対の鉛プラグ5はそれぞれ、上下フランジ6・7の凹部6a・7aに一端部が嵌着され、他端を積層体2内で相対峙させた状態で配置されている。なお各フランジ6・7には、凹部6a・7aと外部とを連通する空気抜き穴9・10がそれぞれ設けられている。
この積層ゴム支承体1'''に、上下方向から圧力を与えてせん断変形させると、積層体2には、鉛プラグ5が配されて剛性の高くなっている上端部と下端部とが、鉛プラグ5の向きを上下方向に維持したまま水平方向へスライドする変形が生じ、図10のように、第3の実施例の積層ゴム支承体1”よりも優れた減衰性能を示す荷重履歴曲線になる。なお、鉛プラグ5の径・長さ・数を変えることにより、減衰に寄与する鉛の総量を変化させ、減衰力を調節することができる。
本発明にかかる積層ゴム支承体の第1実施例を示す中央縦断面図である。 図1におけるB−B線断面図である。 図1の積層ゴム支承体の平面図である。 図1のA部を拡大して示す部分拡大断面図である。 第1実施例の積層ゴム支承体1の荷重履歴曲線と、従来のLRBの荷重履歴曲線とを重ね合わせたグラフである。 本発明にかかる積層ゴム支承体の第2実施例を示す中央断面図である。 本発明にかかる積層ゴム支承体の第3実施例を示す中央断面図である。 第3実施例の積層ゴム支承体の荷重履歴曲線である。 本発明にかかる積層ゴム支承体の第4実施例を示す中央断面図である。 第4実施例の積層ゴム支承体の荷重履歴曲線である。 (a)本発明にかかる積層ゴム支承体の減衰の仕組みを示す説明図である。(b)は鋼材の弾性を利用した免震支承体の中央縦断面図で、(b)はその減衰の仕組みを示す説明図である。 (a)は、従来の鉛支柱入り積層ゴム支承体の斜視図を示し、その内部構造を示すために、一部を断面で表している。(b)は、従来の鉛支柱入り積層ゴム支承体の履歴曲線を示すグラフである。
符号の説明
1・1’・1”・1''' 積層ゴム支承体
2 積層体
2a・2b・2c 挿入孔
3 ゴムシート
4 薄肉金属板
5 鉛プラグ
6・7 フランジ
6a・7a 凹部
8・9・10 空気抜き孔
11 ゴムシート

Claims (6)

  1. ゴムシートと薄肉金属板とを交互に積層した積層体の上下両端に厚肉金属板からなるフランジを配設してなる積層ゴム支承体において、
    前記積層体内の中心軸線回りに鉛支柱を周方向に間隔をあけて上下方向に沿って配置するとともに、前記各鉛支柱を前記積層体の高さよりも低く形成し、かつ各鉛支柱の少なくとも一端を前記積層体内に臨ませたことを特徴とする積層ゴム支承体。
  2. 前記各鉛支柱について、直径を5〜350mm、高さを前記積層体高さの0.2〜0.95倍、個数を2〜30個にした請求項1記載の積層ゴム支承体。
  3. 前記各鉛支柱を、前記積層体内の上下方向の中間位置に同中心軸線に対して対称的に配置した請求項1または2記載の積層ゴム支承体。
  4. 前記各鉛支柱の一端を上部フランジまたは下部フランジに取り付け、他端を前記積層体内に臨ませ相対峙させた請求項1または2記載の積層ゴム支承体。
  5. 複数組の前記鉛支柱を前記積層体の中心軸線に対称的に配置するとともに、
    各組の一方の前記鉛支柱を前記積層体内の上下方向の中間位置に配置し、他方の前記鉛支柱を上下一対の鉛支柱で構成しかつ上下の前記各フランジから延設して積層体内側端を相対峙させ配置したことを特徴とする請求項1または2記載の積層ゴム支承体。
  6. 前記各鉛支柱の少なくとも一端側に連通する空気抜き孔を、前記上部フランジまたは下部フランジあるいは上部フランジまたは下部フランジと前記積層体とに設けた請求項1〜5のいずれか記載の積層ゴム支承体。
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