JP2006207680A - 積層ゴム支承体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、より信頼性の高い積層ゴム支承体を提供する。
【解決手段】 積層ゴム支承体1は、部分球殻状の薄肉鋼板2を凸面を下に向けるか、或は上に向けるかして、薄肉鋼板2と同じ曲率半径の部分球殻状で凸面の向きを同じにしたゴムシート3と交互に積層した状態の積層体4を設け、薄肉鋼板2をその高さ(a)と直径(φ)とが0<(a/φ)<0.08になるように形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 積層ゴム支承体1は、部分球殻状の薄肉鋼板2を凸面を下に向けるか、或は上に向けるかして、薄肉鋼板2と同じ曲率半径の部分球殻状で凸面の向きを同じにしたゴムシート3と交互に積層した状態の積層体4を設け、薄肉鋼板2をその高さ(a)と直径(φ)とが0<(a/φ)<0.08になるように形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は構造物や重量機器等を免震支持するための積層ゴム支承体に関し、部分球殻形状の薄肉金属板とゴムシートとの積層体を備えた積層ゴム支承体に関するものである。
従来、ビルや橋桁などの構造物や重量機器等(以下、構造物等ともいう)の地震や風対策として、免震機能を備えた積層ゴム支承体を建造物等とそれを支持する下部構造物や基礎などとの間に設けることがある。積層ゴム支承体を設けると、地盤の揺れを建造物等に伝わりにくくしたり、建造物等の揺れを減少させたりすることができ、倒壊や転倒などの被害を喰い止めることができる。
このような積層ゴム支承体101は図9(a)に示すように、薄肉金属板102とゴムシート103とが交互に積層されている積層体104を備え、この積層体104の積層方向両端に肉厚の金属板で形成された連結用のフランジ105・106がそれぞれ設けられたもので、積層体104が変形することによって、振動エネルギーを吸収して構造物等の振動を減少させたり、構造物等を地盤の揺れに追随させないようにし地震力を緩和する仕組みになっている。
このような積層ゴム支承体の積層体は、平板状の薄肉金属板とゴムシートとが交互に積層されているものが一般的であるが、減衰効果の向上を図るため球面状に反った形状の凹型、或は凸型の薄肉金属板とゴムシートとの積層体を備えた積層ゴム支承体が提案されている。
特開2003−138579号公報(第2頁、第3頁および第1図、第2図)
しかしながら、構造物のより一層の高層化や防災意識の高まり等にともなって、より信頼性の高い積層ゴム支承体が求められている。
本発明は、上記のような課題を解決すべくなされたもので、より信頼性の高い積層ゴム支承体を提供することを目的としている。
本発明にかかる請求項1記載の積層ゴム支承体は、部分球殻状の薄肉金属板が、凸面を下に向けるか、或は上に向けるかして、同薄肉金属板と同じ曲率半径の部分球殻状で、凸面の向きを同じにしたゴムシートと、交互に積層された状態になっている積層体を備え、構造物を免震支持する積層ゴム支承体において、前記薄肉金属板を、その高さ(a)と直径(φ)との比(a/φ)が0<(a/φ)<0.08になるように形成することを特徴としている。
前記薄肉金属板を、その高さ(a)と直径(φ)との比(a/φ)が0<(a/φ)<0.08になるように形成することで、変形時の残留ひずみが生じにくくなり減衰性能の低下を抑えることができる。
つまり、積層体が平板状の薄肉金属板と平板状のゴムシートとを積層したものである場合、積層ゴム支承体の横方向(薄肉金属板とゴムシートとの積層方向を縦方向とする)の
剛性は、そのひずみ量に関係なくほぼ一定の値を示す(図9(b)参照)。
剛性は、そのひずみ量に関係なくほぼ一定の値を示す(図9(b)参照)。
しかしながら、積層体を部分球殻状の薄肉金属板と、同薄肉金属板と同じ曲率半径の部分球殻状のゴムシートとを積層したものにすると、積層ゴム支承体の横方向の剛性はそのひずみ量によって変化し、ひずみ量が小さいうちは高い剛性(1次剛性)を示し、ひずみ量が大きくなると剛性(2次剛性)が低くなるバイリニア型の特性を示す。
この特性によって前記積層ゴム支承体は、風や弱い地震に対しては構造物等の支承物の揺れを拘束するトリガー機能を発揮し、大きな変形を伴う中・大地震に対してはトリガー機能が解除されて支承物の揺れを徐々に減少する減衰機能を発揮するのである。
しかしながら、薄肉金属板の高さ(a)と直径(φ)との比(a/φ)が0.1を越える範囲では、図10のグラフに示すように二次剛性を示す実線の傾きが負勾配を示し二次剛性が負の値になることから、積層ゴム支承体が二次剛性を示す変形をした場合には積層体に残留ひずみが生じる。残留ひずみが生じると、積層体の変形がスムーズに行なわれなくなり積層ゴム支承体の減衰性能が低下する。なお、図中の破線は一次剛性を表している。
また、(a/φ)が0.1以下の場合であっても(a/φ)の値が0.08以上になると、地震応答解析の応答値が1.0以上になって衰減機能を発揮しなくなる。
したがって、(a/φ)の値を0<(a/φ)<0.08に設定することによって、前記積層ゴム支承体が減衰機能を確実に発揮するようになるとともに、大変形をした場合にも前記積層体に残留ひずみが生じないため安定した減衰機能を発揮するようになる。
さらに、0<(a/φ)<0.08とすることで、一次剛性と二次剛性との差を2倍以上にすることができる。こうすることで、トリガー機能が解除された前記積層ゴム支承体の変形を滑らかにすることができるため、支承物の揺れを速やかに減衰できるようになる。一方、一次剛性と二次剛性との差が2倍未満だと、積層ゴム支承体は効果的な減衰機能を発揮できなくなる。
このように、前記薄肉金属板を部分球殻状にすると、平板状の場合に比べて積層方向のクッション性が良くなるため前記積層ゴム支承体の減衰機能を高める効果もある。
また、前記積層ゴム支承体が横方向へ変形すると縦方向の変位は、ひずみ量の増加に伴って徐々に減少するが、ある値に達すると急激に増加する。これは、部分球殻状である前記薄肉金属板どうしのずれによって上側の前記薄肉金属板が上方へ押し上げられて前記積層ゴム支承体の高さが増すためである。
これにより、前記積層ゴム支承体上の支承物に作用する横方向のエネルギーの一部を位置エネルギーに変換することができ、より少ない横方向の変形で支承物のエネルギーを吸収することが可能になる。
この機能は特に都心部等の建物が密集している地域において有効で、隣接した建物との間に十分な間隔を設けづらいなど敷地条件の厳しい都心部では、できるだけ横方向の揺れを抑えて減衰することが望ましいからである。
なお、前記薄肉金属板は部分球殻状であるため、その凸面を上下どちらの方向に向けても、上述の機能を発揮することができる。
請求項2記載の積層ゴム支承体は、部分球殻状の薄肉金属板が、凸面を下に向けるか、或は上に向けるかして、同薄肉金属板と同じ曲率半径の部分球殻状で、凸面の向きを同じにしたゴムシートと、交互に積層された状態になっている積層体を備え、構造物を免震支持する積層ゴム支承体において、前記薄肉金属板の周縁部に、半径方向外側に向かって延びるかえり板を設けることを特徴としている。
請求項2記載の積層ゴム支承体によれば、前記薄肉金属板の周縁部に、半径方向外側に向かって前記かえり板を設けることで、前記積層ゴム支承体が横方向に変形する際に生じる前記周縁部に作用する力を、前記積層ゴム支承体の変形方向と同じ方向へ分散することができるため、前記薄肉金属板とゴムとの界面に生じる剥離力を緩和することができる。したがって、前記積層ゴム支承体がより大きな横方向の変形に耐えれるようになり横方向の終局強度を高めることができる。
請求項3記載の積層ゴム支承体は、薄肉金属板のかえり板を除く部分を、その高さ(a)と直径(φ)との比(a/φ)が0<(a/φ)<0.08になるように形成することを特徴としている。
こうすると、請求項1の積層ゴム支承体と同様、二次剛性を示す変形時に残留ひずみが生じないため減衰機能の低下を防止することができる。
本発明の積層ゴム支承体は上記の構成からなるので、下記のような優れた効果を奏する。すなわち、部分球殻状の薄肉金属板をその高さ(a)と直径(φ)との比(a/φ)が0<(a/φ)<0.08となるように形成することによって、二次剛性を示す変形時に残留ひずみが生じず減衰効果を維持できる信頼性の高い積層ゴム支承体の提供が可能になる。
さらに、薄肉金属板にかえり板を設けることで積層ゴム支承体が大きく変形しても薄肉金属板とゴムとが剥離して減衰機能が低下しないため、より耐久性に優れた信頼性の高い積層ゴム支承体を提供できるようになる。
以下に、本発明に係る積層ゴム支承体の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)は積層ゴム支承体の第1実施例を示す中央縦断面図、図1(b)は平面図であり、図2(a)は図1のA部を拡大して表す部分拡大図である。
第1実施例の積層ゴム支承体1は、薄肉鋼板2(薄肉金属板)とゴムシート3とが交互に積層された状態になっている積層体4を備えており、薄肉鋼板2とゴムシート3との積層方向両端に、厚肉の鋼板からなる連結用フランジ5・6を配し、これらの外周面を被覆ゴム7で覆ったものである。
積層体4の薄肉鋼板2は、厚み2.3mmの鋼板を曲率半径553mmの球面状に曲げて部分球殻状に形成したもので、その高さ(a)と直径(φ)との寸法はその比(a/φ)が0<(a/φ)<0.08の範囲内におさまるように設定されていて、高さ(a)20.7mm、直径(φ)300mmになっている。なお、薄肉鋼板2の高さ(a)と直径(φ)との比(a/φ)は約0.069である。
積層体4のゴムシート3は薄肉鋼板2と同じ曲率半径で、且つ同じ高さと同じ直径を有する部分球殻状になっており2.0mmの厚みを有している。
積層体4は、これらのような薄肉鋼板2を29枚とゴムシート3を30枚とを、凸面を下向きにして交互に積み重ねた状態になっている。
上下フランジ5・6はそれぞれ、直径300mmの厚みのある円板状に形成されており、上フランジ5の下面は薄肉鋼板2と同じ曲率半径の凸球面状に形成されていて、下フランジ6の上面は薄肉鋼板2と同じ曲率半径の凹球面状に形成されている。
上フランジ5の上面と下フランジ6の下面との中央部にはそれぞれ、建造物等の支承物や基礎と連結するための横断面円形の嵌合凹部が形成されるとともに、ボルト穴8が周方向に等間隔で穿設されている。
被覆ゴム7は10mmの厚みを有し、積層体4と上下フランジ5・6との外周面全体を一体で覆うように設けられている。
この積層ゴム支承体1は、ゴムシート3が未加硫状態の積層体4の積層方向両端に上下フランジ5・6をそれぞれ配するとともに、中央部にズレを防止する直径30mmのピンを挿入し、外周面を未加硫の被覆ゴム7で覆ったのちに加硫することで一体にしたもので、直径320mm×高さ204.5mmの円柱状の形になっている。なお、ピンは加硫後に取除かれる。
次に、この積層ゴム支承体1の横方向(薄肉鋼板2とゴムシート3との積層方向を縦方向とする)の特性について、横方向に所定のせん断ひずみを生じさせた場合、せん断ひずみと横方向の荷重および縦方向の変位との関係を述べる。
図3は、積層ゴム支承体1を積層方向が鉛直方向に一致するように配置し、基準せん断ひずみ±300%を与える水平方向の正負繰返し交番荷重を3サイクル負荷した場合の荷重履歴曲線(実線)と、その際の鉛直方向の変位を示す鉛直変位曲線(一点鎖線)とを示すグラフである。なお、面圧はσ=10N/mm2に設定している。
このグラフの横軸はせん断ひずみ(%)を表しており、左側の縦軸は水平荷重(kN)、右側の縦軸は鉛直方向の変位(mm)を表している。なお、せん断ひずみは水平方向の変位をゴムシート3の総厚で除した値に100を乗じて百分率で表したものである。
図において荷重履歴曲線はバイリニア型になっており、積層ゴム支承体1がある程度変形すると水平方向の剛性が変化することを示している。この水平方向の剛性はグラフの破線xの傾斜からもわかるように、せん断ひずみが0〜50%近傍の範囲で高い値になっているおり(一次剛性)、それ以上になると破線yが示すように低い値になっている(二次剛性)。
一次剛性は約20kN/mm、二次剛性は約0.08kN/mmになっており、その差は250倍程度になっている。
また、荷重履歴曲線は水平荷重が0の値に近づくとせん断ひずみも0の値に近づくような曲線を示しており、元の状態に復元した積層ゴム支承体1に残留ひずみが生じていないことがわかる。
これらのことから、積層ゴム支承体1は、風や微小な地震に対しては一次剛性によるトリガー機能を発揮して建造物等の支承物の揺れを拘束するとともに、中・大地震に対しては二次剛性によって柔らかく滑らかな変形をして支承物の揺れを速やかに減衰し、しかも
、これらのトリガー機能と減衰機能とを安定して発揮することを示している。
、これらのトリガー機能と減衰機能とを安定して発揮することを示している。
一方、鉛直変位曲線から鉛直方向の変位は、せん断ひずみが200%近傍まではせん断ひずみの増加に伴って徐々に下がる傾向を示しているが、せん断ひずみが200%を超えたあたりから増える傾向を示すようになる。
このことから、積層ゴム支承体1は最大せん断ひずみ300%に達する前の200%を超えたあたりから高さが高くなる変形をし、建造物等の支承物が受ける水平方向のエネルギーの一部を鉛直方向の位置エネルギーに変換して、支承物を横方向の揺れを抑えながら減衰することを示している。
次に、図3の荷重履歴曲線をモデル化して地震応答解析を行い、得られた応答値を基準にして薄肉鋼板の高さ(a)と直径(φ)との比(a/φ)を変更した場合の応答値の変化(実線)と二次剛性の変化(破線)とについて図4に示す。図4の横軸は(a/φ)の値を示しており、左側の縦軸は剛性を示し右側の縦軸は応答値を示している。
なお、応答値の変化については便宜上、有効な範囲の値を正の数値で表すようにしたため逆数を用いて表している。したがって、応答値が高いほど減衰効果が大きいことを示しており、例えば応答値が1.5を示している場合、実際の応答値は1.5倍減少することを示している。
図に示すように、(a/φ)が約0.1以上になると二次剛性が負の値を示し積層体4に残留ひずみが生じるようになるため、積層ゴム支承体1の減衰機能が低下し設計上使用できない。また、0.08≦(a/φ)<0.1の範囲では応答値が1.0を下まわり、支承物に伝わる揺れが増幅されることがわかる。
それに対して0<(a/φ)<0.08の範囲では、応答値は1.0を上まわり支承物に伝わる揺れを減衰できることを示している。この減衰効果は(a/φ)=0.06近傍で最大になっており応答値は約1.5を示している。
次に、一次形状係数(S1=ゴムの拘束面積(受圧面積)/ゴム1層の自由表面積(側面積))および二次形状係数(S2=ゴム直径/全ゴム層厚)と面圧依存性およびひずみ依存性との関係について述べる。
図5は、一次/二次形状係数と、面圧依存性およびひずみ依存性との関係を表したグラフで、縦軸に面圧依存性とひずみ依存性とを基準の水平剛性に対する変化率で示し、横軸に一次/二次形状係数を上下二段に分けて示している。そして、安全上設計に適している範囲を四角の枠で囲んで表している。
この範囲は、現在一般に用いられている代表的な積層ゴム支承体(図6参照)について、基準面圧を10N/mm2にし、100%ひずみを基準とした場合の面圧依存性とひず
み依存性との試験を行なうとともに、各積層ゴム支承体の一次形状係数と二次形状係数とを求め安全性を考慮に入れたうえで設定したものである。
み依存性との試験を行なうとともに、各積層ゴム支承体の一次形状係数と二次形状係数とを求め安全性を考慮に入れたうえで設定したものである。
一次形状係数と二次形状係数は、面圧依存性やひずみ依存性に寄与する係数であるため、図において四角で囲まれた範囲から外れた場合、面圧依存性およびひずみ依存性の変化率が1.3を越えたり、0.7未満になったりするため不適である。
積層ゴム支承体1について一次/二次形状係数を調べると、一次形状係数S1=36.5、二次形状係数S2=5.0であるため、積層ゴム支承体1は上記範囲内に含まれてい
ることがわかる。
ることがわかる。
また、積層ゴム支承体の別の実施形態として図7に示したものがある。 図7の(a)は積層ゴム支承体の別の実施形態(第2実施例)を示す中央縦断面図、b)は平面図であり、(c)は(a)のB部を拡大して表す部分拡大図である。
この積層ゴム支承体1’は、前述の積層ゴム支承体1において薄肉鋼板2の周縁部にかえり板を設けたもので、このかえり板付き薄肉鋼板2’と、それと同形状のゴムシート3’とが交互に積層された状態の積層体4’を備えたものである。
上フランジ5’の下面は、薄肉鋼板2’の下面と同じ形状に形成されるとともに、下フランジ6’の上面は薄肉鋼板2’の上面と同じ形状に形成されている。被覆ゴムとボルト穴については特に変わりはないため積層ゴム支承体1と同一符号を付して説明する。
薄肉鋼板2’は、厚み2.3mmの薄い鋼板を曲率半径約661mmの部分球殻状に形成したもので、その高さ(a)は15mm、直径(φ1)は300mmになっており、周縁部を約10mmの幅で薄肉鋼板2’とゴムシート3’との積層方向に対し直角方向に折り曲げて半径方向外側に延びるかえり板2a’を設けたものである。
この薄肉鋼板2’の高さ(a)と部分球殻状の部分の直径(φ’)との比(a/φ’)は約0.05になっており、0<(a/φ’)<0.08の範囲内にあって二次剛性が負の値にならないようになっている。また、積層ゴム支承体1’には、中央部を積層方向に貫通する直径8mmの貫通孔が設けられている。
このような形状を備えたかえり板2a’付きの薄肉鋼板2’を用いた積層ゴム支承体1’は薄肉鋼板2’にかえり板2a’を設けたことで、横方向の変形の際に薄肉鋼板2’の周縁部に作用する力を変形方向に分散することができるため、変形に伴って薄肉鋼板2’の周縁部とゴムとの界面に生じる剥離力が小さくなり終局強度を高めることができる。
図8に、薄肉鋼板にかえり板の無い積層ゴム支承体1とかえり板付きの積層ゴム支承体1’との終局強度を比較したグラフを示す。グラフの横軸はせん断ひずみ(%)を表しており縦軸は面圧を表している。比較は面圧を30N/mm2に設定し、両方の積層ゴム支
承体1・1’を薄肉鋼板の周縁部にゴムとの剥離が生じるまで横方向に変形させ、その時のせん断ひずみの値を比べることで行なった。
承体1・1’を薄肉鋼板の周縁部にゴムとの剥離が生じるまで横方向に変形させ、その時のせん断ひずみの値を比べることで行なった。
図に示すように、薄肉鋼板にかえり板の無い積層ゴム支承体1は、せん断ひずみ約400%で剥離が生じた(黒丸)のに対し、薄肉鋼板にかえり板の付いた積層ゴム支承体2は約480%で剥離が生じ(白丸)、終局強度が20%程度向上しているのがわかる。
なお、第2実施例ではかえり板を平板状に設けているがこれに限らず、縦断面の形状がやや湾曲している形にすることもでき、また、かえり板の幅を10mmに設定しているがこの幅に限らず、薄肉鋼板2’の直径に応じて3〜100mmの範囲で設定すれば、かえり板の効果を得ることができる。
1、1’ 積層ゴム支承体
2、2’ 金属鋼板
2a’ かえり板
3、3’ ゴムシート
4、4’ 積層体
5、6 フランジ
7 被覆ゴム
8 ボルト穴
2、2’ 金属鋼板
2a’ かえり板
3、3’ ゴムシート
4、4’ 積層体
5、6 フランジ
7 被覆ゴム
8 ボルト穴
Claims (3)
- 部分球殻状の薄肉金属板が、凸面を下に向けるか、或は上に向けるかして、同薄肉金属板と同じ曲率半径の部分球殻状で、凸面の向きを同じにしたゴムシートと、交互に積層された状態になっている積層体を備え、構造物等を免震支持する積層ゴム支承体において、
前記薄肉金属板が、その高さ(a)と直径(φ)との比(a/φ)が0<(a/φ)<0.08になるように形成されていることを特徴とする積層ゴム支承体。 - 部分球殻状の薄肉金属板が、凸面を下に向けるか、或は上に向けるかして、同薄肉金属板と同じ曲率半径の部分球殻状で、凸面の向きを同じにしたゴムシートと、交互に積層された状態になっている積層体を備え、構造物を免震支持する積層ゴム支承体において、
前記薄肉金属板の周縁部に、半径方向外側に向かって延びるかえり板が設けられていることを特徴とする積層ゴム支承体。 - 前記薄肉金属板の前記かえり板を除く部分が、その高さ(a)と直径(φ)との比(a/φ)が0<(a/φ)<0.08になるように形成されている請求項2記載の積層ゴム支承体。
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2005
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