JP4604509B2 - プロピレンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エチレンとメタノール又は/及びジメチルエーテルを原料とするプロピレンの製造方法に関し、更に詳しくは、ナフサの熱分解によるオレフィン類製造設備の中に組み込まれたそのプロピレンの製造方法に関する。
従来より、C1、C2からプロピレンを製造する方法として、メタノール又は/及びジメチルエーテルからプロピレンを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)が、この方法は、例えばメタノール3分子からプロピレン1分子が生成するものであるため、選択率100%で反応したと仮定しても、理論上、原料メタノールを基準としたプロピレンの収率は最大で33%にしかならず、又、エチレンとメタノールからプロピレンを得る方法も知られている(非特許文献1参照。)が、この方法でも原料メタノールを基準としたプロピレンの収率は40%に到らず未だ不十分であったことに対して、本発明者等は、先に、エチレンとメタノール又は/及びジメチルエーテルから原料メタノール又は/及びジメチルエーテルを基準としたプロピレンの収率を40%以上とし得る方法を、特願2003−415367号として特許出願した。
特開昭59−222429号公報 特開平4−217928号公報 Appl.Catal.A 218(2001).241−250
ところで、エチレン、プロピレン等のオレフィン類の製造方法として慣用されている、ナフサの熱分解による方法においては、エチレンとプロピレンの需要バランスに応じて両者の収率バランスを変えるには限界があり、それに対して各種の熱分解方法等が検討されているものの、いずれも収率バランスを大幅に変えることは困難であった。
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、エチレンからプロピレンを高収率で、且つ効率的に製造することができると共に、ナフサの熱分解によりオレフィン類を製造するにおいて、エチレンとプロピレンの収率バランスを大幅に変え得てプロピレン/エチレン量比を上げることができ、且つナフサ熱分解におけるスチームコストを低減化することができるプロピレンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ナフサの熱分解によるオレフィン類製造設備で得られたエチレンとメタノール又は/及びジメチメエーテルを含むガスとを、触媒の存在下に反応させてプロピレンを製造すると共に、副生した水をナフサ熱分解におけるスチーム発生源として用い、かつ反応に使用するエチレンのモル数が、メタノールのモル数、又はジメチルエーテルのモル数の1/2、又は両者の合計モル数、に対して1超過であることを特徴とするプロピレンの製造方法、を要旨とする。
本発明によれば、エチレンからプロピレンを高収率で、且つ効率的に製造することができると共に、ナフサの熱分解によりオレフィン類を製造するにおいて、エチレンとプロピレンの収率バランスを大幅に変え得てプロピレン/エチレン量比を上げることができ、且つナフサ熱分解におけるスチームコストを低減化することができるプロピレンの製造方法を提供することができる。
本発明のプロピレンの製造方法は、エチレンとメタノール又は/及びジメチルエーテルを原料とするプロピレンの製造方法が、ナフサの熱分解によるオレフィン類製造設備の中に組み込まれてなる。
本発明におけるナフサの熱分解によるオレフィン類製造設備として、エチレン、プロピレン等のオレフィン類の製造設備として慣用され、その代表的な管式加熱炉プロセス、所謂、スチームクラッキング法についてその概略のフローを説明すると、その一法としてのフロントエンド脱メタンプロセスにおいては、ナフサをスチームと共に加熱分解炉に導入し、760〜900℃程度の温度で加熱分解して得られた炭化水素類を急冷した後、精留塔に導き、塔底部よりタール、塔側部よりガスオイル、塔頂留分より炭化水素類を得る。塔頂留分としての炭化水素類は、急冷して、主として炭素数5以下の炭化水素類と、スチームに由来する水及び主として炭素数6以上の炭化水素類の混合物とに分離する。水及び主として炭素数6以上の炭化水素類の混合物は、水と主として炭素数6以上の炭化水素類とに分離される。尚、ここで分離された水は、スチーム発生槽を経て、加熱分解炉に導入するスチームとして再利用されるが、分離された水は不揮発性の炭化水素を含有するため、該不揮発性炭化水素を除去すめために水の一部は廃棄され、廃棄された分の新たな水が供給される。
前述の塔頂留分を急冷して得られた主として炭素数5以下の炭化水素類は、圧縮機で圧縮し、次いで、アルカリ洗浄部で硫黄化合物を除去し、乾燥部を経た後の分解生成物を、脱メタン塔に導き、塔頂留分としてのメタン、水素を回収すると共に、塔底留分を脱エタン塔に導き、塔頂留分としてのエタン/エチレン混合物中のアセチレンを水添反応器でエタン/エチレンとなしてエチレン精留塔に送ると共に、塔底留分を脱プロパン塔に導き、塔頂留分としてのプロパン/プロピレン混合物中のメチルアセチレン、プロパジエンを水添反応器でプロパン/プロピレンとなしてプロピレン精留塔に送ると共に、塔底留分を脱ブタン塔に導く。エチレン精留塔では、塔側部より製品エチレンを回収すると共に、塔底留分としてのエタンを分解炉にリサイクルし、又、プロピレン精留塔では、塔側部より製品プロピレンを回収すると共に、塔底留分としてのプロパンを分解炉にリサイクルする。これによれ、99.95%程度の高純度のエチレン、99.0%程度の高純度のプロピレン等を分離回収する。
又、別法としてのフロントエンド脱プロパンプロセスにおいては、前述の如くして前記乾燥部を経た後の分解生成物を、脱プロパン塔に導き、塔頂留分としてのエタン/エチレン、プロパン/プロピレン混合物中のアセチレン、及びメチルアセチレン、プロパジエンを水添反応器でエタン/エチレン、及びプロパン/プロピレンとなして脱メタン塔に導くと共に、塔底留分を脱ブタン塔に導く。脱メタン塔では、塔頂留分としてのメタン、水素を回収すると共に、塔底留分を脱エタン塔に導き、脱エタン塔の塔頂留分としてのエタン/エチレンをエチレン精留塔に送ると共に、塔底留分をプロピレン精留塔に導く。エチレン精留塔では、塔側部より製品エチレンを回収すると共に、塔底留分としてのエタンを分解炉にリサイクルし、又、プロピレン精留塔では、塔側部より製品プロピレンを回収すると共に、塔底留分としてのプロパンを分解炉にリサイクルする。
又、前記フロントエンド脱プロパンプロセスの他のバリエーションとして、脱プロパン塔の塔頂留分を脱メタン塔ではなく脱エタン塔に導く方法もある。脱プロパン塔の塔頂留分中にはアセチレン、及びメチルアセチレンが含まれるが、メチルアセチレンが多く含まれる場合には、前記と同様に水添反応器を経た後、脱エタン塔に導いてもよいし、メチルアセチレン含有量が少ない場合には、水添反応器を経ずに脱エタン塔に導いた後に脱エタン塔の塔頂留分であるメタン、水素、及びエタン/エチレン混合物中のアセチレンを水添反応器に通してエタン/エチレンとなしてもよい。脱エタン塔の塔頂留分は必要に応じて設置される水添反応器に続いて水素分離器を通した後に脱メタン塔に送ると共に、塔底留分をプロピレン精留塔に送る。脱メタン塔では塔頂留分であるメタンを回収すると共に、塔底留分としてのエタン/エチレンをエチレン精留塔に導く。プロピレン精留塔では、塔側部より製品プロピレンを回収すると共に、塔底留分としてのプロパンを分解炉にリサイクルする。エチレン精留塔では、塔側部より製品エチレンを回収すると共に、塔底留分としてのエタンを分解炉にリサイクルする。
又、更に別法として、前述の如くして前記乾燥部を経た後の分解生成物を、脱エタン塔に導くフロントエンド脱エタンプロセスもある。
本発明は、ナフサの熱分解による前記オレフィン類製造設備で得られたエチレンと、メタノール又は/及びジメチルエーテルを含むガスとを反応させてプロピレンを製造すると共に、副生した水をナフサ熱分解におけるスチーム発生源として用いることを特徴とする。これにより、ナフサの熱分解によりオレフィン類を製造するにおいて、エチレンとプロピレンの収率バランスを大幅に変え得てプロピレン/エチレン量比を上げることができ、且つナフサ熱分解におけるスチームコストを低減化することができる。
尚、ここで、ナフサの熱分解によるオレフィン類製造設備で得られたエチレンとは、前記フロントエンド脱メタンプロセス、フロントエンド脱プロパンプロセス、及びフロントエンド脱エタンプロセス等におけるエチレン精留塔を経て得られたエチレンのみならず、前記フロントエンド脱メタンプロセスにおける脱エタン塔の塔頂留分としてのエタン/エチレン混合物中のアセチレンを水添反応器でエタン/エチレンとなした後のエタン/エチレン混合物、前記フロントエンド脱プロパンプロセスにおける脱エタン塔の塔頂留分としてのエタン/エチレン混合物、前記フロントエンド脱プロパンプロセスの他のバリエーションにおける、脱エタン塔の塔頂留分としてのメタン、水素、及びエタン/エチレン混合物中のアセチレンを必要に応じて水添反応器でエタン/エチレンとなした後のエチレンを含む混合物、及び、前記フロントエンド脱エタンプロセスにおける脱エタン塔の塔頂留分としてのメタン、水素、及びエタン/エチレン混合物中に混在するアセチレンを水添反応器でエタン/エチレンとなした後の、エチレンを含む混合物等も含めて言うこととする。尚、前記フロントエンド脱プロパンプロセスの他のバリエーション、及び前記フロントエンド脱エタンプロセスにおけるエチレンを含む混合物は、必要に応じてこれら混合物に含まれる水素又は/及びエタンの少なくとも一部を分離したものであってもよい。
一方、前記エチレンとメタノール又は/及びジメチルエーテルとを、触媒の存在下に反応させてプロピレンを製造するにおいて、メタノール及びジメチルエーテルとしては特に限定されないが、水素/一酸化炭素の混合ガスの水素化反応により得られたメタノール及びジメチルエーテルを用いるのが好ましい。
又、前記エチレンとメタノール又は/及びジメチルエーテルとの混合ガスは、気体状態のエチレンとメタノール及び/又はジメチルエーテルとの他に、ヘリウム、アルゴン、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、水、パラフィン類、メタン等の炭化水素類、芳香族化合物類、及び、それらの混合物等の不活性ガスを任意に、例えば、混合ガス中の濃度として1モル%〜99モル%の量でキャリアとして存在させることができるが、このうちでも少なくとも水分(即ち、水蒸気)を共存させるのが好ましい。従って、前記フロントエンド脱メタンプロセス、及び前記フロントエンド脱プロパンプロセスにおける脱エタン塔の塔頂留分を用いる場合には、塔頂留分中のエタンに、又、前記フロントエンド脱プロパンプロセスの他のバリエーション、及び前記フロントエンド脱エタンプロセスにおける脱エタン塔の塔頂留分を用いる場合には、塔頂留分中のエタン、メタン、及び水素に、それぞれキャリアとしての機能を負わせることができる。
又、該混合ガスは反応の時点で混合されていれば反応装置内への導入形態としては特に限定されず、エチレンとメタノール及び/又はジメチルエーテル、更には、必要に応じて用いられるその他の不活性ガスをそれぞれ反応装置内に供給してもよいし、予めこれらの混合ガスとした上で、反応装置内に供給してもよい。
又、反応に用いられる触媒としては、ブレンステッド酸点を有する固体状のものであれば特に限定されず、従来公知の触媒が用いられ、具体的には、例えば、カオリン等の粘土鉱物;粘土鉱物等の担体に硫酸、燐酸等の酸を含浸・担持させたもの;酸性型イオン交換樹脂;燐酸アルミニウム類;ゼオライト類;Al−MCM41等のメソポーラスシリカアルミナ;ITQ−2等の層状ゼオライト、等の固体酸触媒が挙げられる。
これらの固体酸触媒としては、分子篩効果を有するものが好ましく、又、酸強度があまり高くないものが好ましい。前記固体酸触媒のうち、分子篩効果を有する燐酸アルミニウム類やゼオライト類の構造としては、International Zeolite Association (IZA)が規定するコードで表すと、例えば、AEI、AET、AEL、AFI、AFO、AFS、AST、ATN、BEA、CAN、CHA、EMT、ERI、EUO、FAU、FER、LEV、LTL、MAZ、MEL、MFI、MOR、MTT、MTW、MWW、OFF、PAU、RHO、STT、TON等が挙げられ、好ましくは、AEI、BEA、CHA、MFIである。
更に、該固体酸触媒としてより好ましくは、結晶性燐酸アルミニウム類、SiO2 /Al23 のモル比が10より大きく、中でも、細孔径が3〜9Åのミクロ細孔を有する結晶性アルミノシリケート類、又はメタロシリケート類等が挙げられる。
その結晶性燐酸アルミニウム類としては好ましくは、結晶性シリコアルミノ燐酸塩であり、SAPO34、SAPO44等のCHA型構造を有するもの、SAPO18等のAEI構造を有するもの、SAPO5等のAFI構造を有するもの、SAPO41等のAFO構造を有するもの、SAPO11等のAEL構造を有するもの、SAPO16等のAST構造を有するもの、SAPO37等のFAU構造を有するもの、SAPO17等のERI構造を有するもの等が挙げられ、好ましくはCHA型構造を有するものであり、特に好ましくはSAPO34である。これらは各種市販品の他、前記IZA発行の"Verified Syntheses Of Zeolitic Materials" (2 ndRevised Edition 2001 Elsevier)等に記載の公知の方法で合成したものを用いることができる。又、該結晶性燐酸アルミニウムとしては、BET比表面積が200〜700m2 /g、細孔容積が0.1〜0.5g/ccのものが好ましい。
又、これらの燐酸アルミニウム類としては、これを構成するAl原子やP原子の一部がSi原子やその他の金属原子で置換されたものであってもよく、更にはH型のものであっても塩交換により得られるアルミノ燐酸塩であってもよい。そのSi原子以外の他の金属原子としては、同型置換可能な3価の金属原子;Ni、Co、Sn、及びアルカリ土類金属から選ばれる2価の金属原子、が挙げられ、このうち好ましくは同型置換可能な3価の金属原子であり、より好ましくはB、Ga、Fe、Cr、Mn、Y、La、又はCeが挙げられる。
又、その結晶性アルミノシリケート類として好ましくは、SSZ−24等のAFI構造を有するもの、β等のBEA構造を有するもの、Cancrinite等のCAN構造を有するもの、Chabazite、SSZ−13等のCHA構造を有するもの、EMC−2等のEMT構造を有するもの、エリオナイト等のERI構造を有するもの、EU−1等のEUO構造を有するもの、USY等のFAU構造を有するもの、フェリエライト、ZSM35等のFER構造を有するもの、Levyne等のLEV構造を有するもの、L型ゼオライト等のLTL構造を有するもの、Mazzite等のMAZ構造を有するもの、ZSM5等のMFI構造を有するもの、ZSM11等のMEL構造を有するもの、モルデナイト等のMOR構造を有するもの、ZSM23等のMTT構造を有するもの、ZSM12等のMYW構造を有するもの、MCM22等のMWW構造を有するもの、オフレタイト等のOFF構造を有するもの、ECR18等のPAU構造を有するもの、Rho等のRHO構造を有するもの、SSZ23等のSTT構造を有するもの、ZSM22等のTON構造を有するものが挙げられ、好ましくはBEA構造を有するもの、又はMFI構造を有するものであり、特に好ましくはZSM5、又はβである。これらは各種市販品の他、前記IZA発行の"Verified Syntheses Of Zeolitic Materials" (2 ndRevised Edition 2001 Elsevier)等に記載の公知の方法で合成したものを用いることができる。又、該結晶性アルミノシリケート類としては、BET比表面積が200〜700m2 /g、細孔容積が0.1〜0.5g/ccのものが好ましい。
又、これらの結晶性アルミノシリケートとしては、これを構成するAl原子の一部が、前記燐酸アルミニウム類において挙げたと同様の他の金属原子で置換されたものであってもよい。又、これらのアルミノシリケート類を構成するAl原子の一部をスチーミングや酸処理等により脱Alさせ、高シリカアルミナ比にしたものも用いることができるが、このうち、SiO2 /Al23 のモル比が80以上のものが好ましく、より好ましくは100以上のものであり、更に好ましくは150以上のものであり、特に好ましくは200以上のものである。又、上限としては、SiO2 /Al23 のモル比が通常1000以下、より好ましくは750以下、特に好ましくは500以下である。尚、ZSM5等のゼオライトは上記の方法以外にも、合成時にAl量をコントロールすることで、含有Al量を調節することができる。
又、そのメタロシリケート類としては、アルミノシリケート類、特に好ましくは上記結晶性アルミノシリケート類において、これを構成するAl原子の全部が、前記燐酸アルミニウム類において挙げたと同様の他の金属原子で置換されたものが挙げられる。
前記触媒は、そのまま反応に用いてもよいし、反応に不活性な物質やバインダーを用いて、造粒、成形して反応に用いてもよい。その反応に不活性な物質やバインダーとしては、アルミナ、アルミナゾル、シリカ、シリカゲル、石英、及び、それらの混合物等が挙げられる。これらの物質との混合により、触媒全体のコスト削減、触媒再生時の熱遮蔽補助用熱シンクとして有効であり、又、触媒の高密度化、触媒強度増加に効果的でもある。
本発明のプロピレンの製造方法における反応様式としては、供給原料が反応域において気相であれば特に限定されず、流動床反応装置、移動床反応装置、又は固定床反応装置を用いた公知の気相反応プロセスを適用することができる。又、バッチ式、半連続式、又は連続式のいずれの形態でも行われ得るが、連続式で行うのが好ましく、その方法は、単一の反応器を用いた方法でもよいし、直列、又は並列に配置された複数の反応器を用いた方法でもよい。
又、本発明のプロピレンの製造方法においては、エチレンの使用量が、反応系全体として、メタノール又は/及びジメチルエーテルに対して過剰量とするのが好ましく、具体的には、エチレンのモル数を、メタノールのモル数、又はジメチルエーテルのモル数の1/2、又は両者の合計モル数、に対して1超過とするのが好ましく、更に好ましくは1.8以上、特に好ましくは3以上とする。又、エチレンが過剰すぎると、コスト、副生物の生成、及び操作上の煩雑性等の点で問題を生じる傾向となるので、上限としては前記モル比を、20以下とするのが好ましく、更に好ましくは10以下、特に好ましくは6以下である。
ここで、反応系からの流出成分に未反応メタノール又は/及びジメチルエーテルが多量に存在すると、メタノール又は/及びジメチルエーテルの利用率が下がり、コストメリットがなくなるばかりでなく、目的生成物であるプロピレンとの分離、プロピレン精製工程の負荷が大きくなり、更に、本反応は発熱反応であり、多量のメタノールが一度に反応すると、生成する反応熱により温度制御が困難になるばかりでなく、目的生成物の収量低下、或いは触媒寿命が短くなる等の悪影響がでるため、メタノール又は/及びジメチルエーテルは分割供給するのが好ましい。
分割供給の方法としては、単一の反応器を用いるか、複数の反応器を直列に配置するか、又は並列に配置するか等の反応系の設計に応じて異なるが、例えば、1つの反応器に複数のメタノール又は/及びジメチルエーテル導入口を設けて分割供給する方法や複数の反応器のそれぞれにメタノール又は/及びジメチルエーテルの導入口を設けて分割供給する方法等が挙げられる。ここで分割供給する場合には、先に導入したメタノール又は/及びジメチルエーテルが9割以上消費されてから、追加のメタノール又は/及びジメチルエーテルを供給するのが好ましい。
又、本発明のプロピレンの製造方法において、反応圧力としては、2MPa未満とするのが好ましく、更に好ましくは1MPa以下であり、特に好ましくは0.7MPa以下である。又、下限としては特に制限されないが、0.1kPa以上とするのが好ましく、更に好ましくは7kPa以上、特に好ましくは50kPa以上である。
又、反応温度としては、使用する触媒の種類にもよるが、通常、約200℃以上、好ましくは約250℃以上、より好ましくは約300℃以上で行われ、上限としては、通常、約700℃以下、好ましくは約600℃以下、より好ましくは約500℃以下である。反応温度が低すぎると、反応速度が小さく、目的生成物の形成速度が著しく遅くなり未反応原料が多く残る傾向となり、一方、反応温度が高すぎると目的生成物の収量が低下する傾向となる。
又、重量空間速度(WHSV)としては、通常、約50時間-1以下、好ましくは約20時間-1以下、より好ましくは約10時間-1以下である。下限としては、WHSVが小さすぎると副生物の増加により目的物の収量が下がり分離が困難となる傾向となることから、通常、約0.01時間-1以上、好ましくは約0.05時間-1以上、より好ましくは約0.1時間-1以上である。
又、本発明の製造方法においては、反応を継続するにしたがって、触媒が反応器内でコーキングを起こし反応活性が低下することとなる。この場合には触媒を反応器から抜き出し、例えば酸素含有雰囲気中で蓄積したコークを酸化することにより、その全て又は一部を取り除き、触媒を再生することができる。このように再生された触媒は、再び反応器に再導入されるが、こういった触媒の抜き出し及び再導入という観点からは、固定床より移動床型反応器、又は流動床型反応器を用いたプロセスの方が操作が簡便である。
又、反応系内では反応の進行と共に水が副生するが、反応原料に水を添加し、反応の初期からに水分(即ち、水蒸気)を共存させておくことが好ましい。系中に水を存在させることにより、触媒の失活の原因となるコーク生成を抑制する働きがあり触媒寿命を延命する効果、及びパラフィン類の生成や生成オレフィン類のオリゴマー化を抑制し、目的とするプロピレン選択性を上げる効果等がある。反応系内に共存する水分の量としては、使用する固体酸触媒の種類やその他の反応条件にもよるが、通常、原料エチレンのモル数に対するモル比で0.025以上とするのが好ましく、更に好ましくは0.1以上、特に好ましくは0.5以上である。上限としては、あまり水が多量過ぎると反応速度が低下し、目的生成物の収量が低下する場合や触媒自身が水と反応し変質する等の問題が生じる傾向となるため、通常、15以下、好ましくは10以下、更に好ましくは5以下とする。
本発明において、前記反応により得られる反応生成混合物は、プロピレンを主成分として含むものであり、又、未反応原料のエチレンやC4以上の成分も含まれるものであるが、C4以上のパラフィン類、オレフィン類、及び芳香族炭化水素類といった副生物の生成量としては、反応器出口炭化水素成分中のモル濃度として好ましくは30%以下、更に好ましくは15%以下であり、且つ、少なくとも原料メタノールのモル数、又はジメチルエーテルのモル数の1/2、又は両者の合計モル数、に対するモル比で好ましくは0.40以上、更に好ましくは0.50以上の収率でプロピレンを含有するものである。
尚、反応生成混合物から目的とするプロピレンを単離するには、例えば、ナフサの熱分解プロセスにあるような脱エタン塔、脱プロパン塔等の分離、精製設備に導入し、それぞれの成分に応じ、回収、精製、リサイクル、排出等の処理をすればよい。
更に、本発明においては、エチレンとメタノール又は/及びジメチルエーテルを含むガスとを触媒の存在下に反応させてプロピレンを製造する際に副生した水をナフサ熱分解におけるスチーム発生源として用いるものである。前述した通り、ナフサ熱分解プロセスにおける加熱分解炉は、ナフサの希釈ガスとして水を用いるが、再利用する際に回収した水の一部を廃棄する必要があり、又、加熱分解炉の運転条件によっては水が不足することもあるのに対して、エチレンとメタノール又は/及びジメチルエーテルとからプロピレンを製造する際にエチレン1モル当たり1モルの水が副生するので、その副生した水により、スチーム発生源で不足する分の水を補うことができる。
又、例えば、プロピレンを製造する際に副生した水の一部を、そのプロピレンを製造する反応におけるエチレンとメタノール又は/及びジメチルエーテルを含むガスの希釈剤として利用し、残りの水をナフサ熱分解におけるスチーム発生装置に供給する等の利用方法を採ってもよく、又、ナフサの熱分解で用いたスチームを回収した水の一部を、エチレンとメタノール又は/及びジメチルエーテルとの反応におけるエチレンとメタノール又は/及びジメチルエーテルを含むガスの希釈剤として利用してもよい。
本発明によれば、エチレンからプロピレンを高収率で、且つ効率的に製造することができると共に、ナフサの熱分解によりオレフィン類を製造するにおいて、エチレンとプロピレンの収率バランスを大幅に変え得てプロピレン/エチレン量比を上げることができ、且つナフサ熱分解におけるスチームコストを低減化することができるプロピレンの製造方法を提供することができ、近年の安価なエチレンの国内への流入等に伴うプロピレン/エチレン量比の上昇の要求に対応したオレフィン類の製造を可能とすることができる。

Claims (5)

  1. ナフサの熱分解によるオレフィン類製造設備で得られたエチレンとメタノール又は/及びジメチルエーテルを含むガスとを、触媒の存在下に反応させてプロピレンを製造すると共に、副生した水をナフサ熱分解におけるスチーム発生源として用い、かつ反応に使用するエチレンのモル数が、メタノールのモル数、又はジメチルエーテルのモル数の1/2、又は両者の合計モル数、に対して1超過であることを特徴とするプロピレンの製造方法。
  2. エチレンとメタノール又は/及びジメチルエーテルを含むガスの希釈剤として、ナフサの熱分解で用いたスチームを回収した水の一部を用いる請求項1に記載のプロピレンの製造方法。
  3. 触媒を固体酸触媒とする請求項1または2に記載のプロピレンの製造方法。
  4. 固体酸触媒を、結晶性燐酸アルミニウム類、SiO/Alのモル比が10超過の結晶性アルミノシリケート類、及びメタロシリケート類からなる群より選択されたいずれかとする請求項3に記載のプロピレンの製造方法。
  5. 反応系中に、エチレンのモル数に対するモル比で0.025以上の水分を存在させる請求項1〜のいずれかに記載のプロピレンの製造方法。
JP2004045918A 2003-12-12 2004-02-23 プロピレンの製造方法 Expired - Lifetime JP4604509B2 (ja)

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