JP5038142B2 - 移動床技術及びエーテル化工程を利用したアルコール性オキシジェネートのプロピレンへの転化 - Google Patents

移動床技術及びエーテル化工程を利用したアルコール性オキシジェネートのプロピレンへの転化 Download PDF

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Description

本発明は、全体として、アルコール性オキシジェネートの供給において実施される前処理ステップでのエーテル化反応の利用、及びオキシジェネートをプロピレンに転化する(OTP)プロセスの炭化水素合成反応帯における移動床技術の利用に関するものである。これらの特徴は、相対的に短いOTP触媒オンストリームサイクル時間と組み合わされ、その結果として、OTP触媒のコークスのレベルは、このOTPプロセスにおいて用いられる二元機能触媒の活性及びプロピレン選択率を著しく低下させることがないレベルに維持される。これら3つの要素の提供により、オキシジェネートから炭化水素への転化反応のための固定床技術を用い、より長い触媒サイクル時間で稼動する先行技術のプロセスによって達成される平均サイクルプロピレン収率に比べ、そのオンストリーム触媒サイクル時間に、このプロセスによって達成される平均的なプロピレン収率には飛躍的な向上がもたらされる。
世界中の石油化学産業の大部分が、軽質オレフィン物質の製造、そして重合化、オリゴマー化、アルキル化及び同様の周知の化学反応を利用した、多くの重要な化学製品の生産におけるそれらの物質の利用について関心を寄せている。軽質オレフィンにはエチレン、プロピレン及びそれらの混合物が含まれる。当業界は長らく、石油以外で、これら軽質オレフィン物質の需要を満たすために必要とされる大量の原料のソースとなる物質を探求してきた。オキシジェネートは、石炭、天然ガス、再生プラスチック、種々の炭素系産業廃棄物、及び農産業からの種々の生成物又は副生成物等の幅広く流通した物質からの製造が可能でもあり、代替的ソースとして特に魅力ある物資である。この種の原料からのメタノール及びその他のオキシジェネートの製造技術は十分に確立されている。先行技術において、メタノールから軽質オレフィンへの転化(MTO)を検討する実質的に2つの主要な技術が開示されている。これらMTOプロセスの第1のものは、米国特許-A-4,387,263号明細書において述べられている。米国特許-A-4,587,373号明細書においては、適正な規模の業務用設備の構築のために十分な圧力下での稼動が必要であること、また洗浄帯の小型化のためにメタノール供給の一部をDME吸着帯へ転用することについて開示されている。
ZSM-5触媒系によって生成される好ましくないC4 +炭化水素生成物の量を制御するために、後者の先行技術においては、非ゼオライト系モレキュラーシーブ触媒物質が用いられる。米国特許-A-5,095,163号、同-A-5,126,308号及び同-A-5,191,141号各明細書において、金属アルミノホスフェート(ELAPO)、そしてより具体的にはシリコアルミノホスフェートモレキュラーシーブ(SAPO)が開示されており、この中でSAPO-34が特に好ましい。
従来のオキシジェネートからオレフィンへの転化(OTO)技術では、種々の高沸点オレフィンとともに、主としてエチレン及びプロピレンから成る軽質オレフィンの混合物が生成される。従来のOTOプロセス技術においては、反応帯で維持される条件の種々の調整によって、エチレンから回収される主要なオレフィン生成物をプロピレンへ転化することが可能であったが、当業界では、従来のOTO技術に比べてプロピレンのより高い収率を実現できるOTP技術が長らく求められてきた。
2003年7月24日公開の米国特許公開2003/0139635A1号明細書においては、メタノールをプロピレンへ選択的に転化(MTP)及び/又はDMEをプロピレンへ転化するためのプロセスについて述べられており、ここではオキシジェネート供給原料に対しては平行流れ配置で、また第1反応器及び第2反応器の流出物に対しては直列流れ配置で、オキシジェネート転化触媒の固定床を含む3つの反応器が利用される。前記明細書において、アルカリ含有量が380 ppm未満、酸化亜鉛含有量が0.1重量%未満であり、且つ酸化カドミウムの含有量を同量に制限したペンタシル型(つまりZSM-5型)の二元機能OTP触媒が教示されている。このMTPプロセスは、Rothaemelらによる、in situ 再生が必要となり、また最初の5サイクルと比較して著しく転化活性が低下するようになるまでに、ほぼ500〜700時間の循環プロセスのオンストリーム部分を有していることを示す『新しいメタノールからプロピレンへの転化(MTP)プロセス』(2003年3月、仏国パリにて開催されたERTC石油化学会議にて提示)においてさらに述べられている。触媒作用における活性の低下を補うための従来の手順には、反応器の平均温度を高め、転化率をオキシジェネート供給の94%を上回る目標範囲内に保つという方法も含まれる。
発明の概要
本発明によって取り扱う課題は、OTPプロセスの平均的なプロピレン選択率を、そのオンストリームサイクル時間に対して向上させ、それによってプロピレン選択率の低下を補うためにプロピレン以外のオレフィン生成物を再循環させる必要性を減少させることである。
現在、プロピレンの選択性は、反応条件のみならず、循環プロセスのオンストリーム部分でのOTP転化触媒上へのコークスの平均堆積レベルの作用でもあることが確認されている。個々のOTP反応におけるΔT(つまり反応器の出口でのTマイナス入口でのT)がきめ細かく制御されていない場合、コーク析出は加速する。これは、400〜500℃で、オキシジェネートの転化率を7〜11 kcal/moleのレベルに到達させ、且つ反応器の末端の温度を、コーク析出を加速させ、またそれによってプロピレンの選択率を著しく低下させるレベルに到達させ得る、所望のOTP反応に伴う強い発熱性のために生じる。現在、循環プロセスのオンストリーム部分においての触媒上への有害な炭素の蓄積量を、OTP触媒の活性が大きく減ずることなく、オキシジェネート転化率が、循環プロセスを通じて実質的に循環開始時のレベルまたはその近傍に維持される、程度に維持できるならば、OTPプロセスにおける平均的なプロピレン選択率は著しく向上するということが確認されている。『大きく減ずることなく』とは、一定の条件下での転化率がオンストリーム触媒サイクルの過程において2〜3%より大きく下降しないということを意味する。驚くべきことに、この条件をOTPプロセスに適用すると、前記循環プロセスを通じての平均的なプロピレンの選択率が1.5%〜5.5%又はそれ以上向上するということが確認されている。つまり、先行技術のOTPプロセスの貫流プロピレンの選択率が前記OTP反応からの炭素含有生成物の30〜40%の範囲内である場合、本発明を利用することによってこの範囲を少なくとも31.5〜41.5%又はそれ以上に向上させ、それによって前記プロセスの経済性を大幅に改善できることが予想される。先行技術のOTPプロセスとは際立って対照的に、本発明においては、メタノールなどのアルコール性オキシジェネートがプロピレンに転化される際に前記OTP転化ステップから放出される反応熱の少なくとも10%、好ましくは20〜30%又はそれ以上を、メタノールなどのアルコール性オキシジェネートをそれらに対応するエーテル(つまり、メタノールの場合はDME)に転化し、その結果として、放出されるエネルギーが個々のOTP反応器におけるコーク析出を加速させるよりもむしろ供給原料の予備加熱及び/又は気化に利用されるように構成されるエーテル化反応を含む供給前処理ステップにシフトすることを想定している。この方法によって、各OTP反応器におけるΔTのよりきめ細かい制御が可能となり、その結果として、OTP触媒上の有害なコーク析出を低減させ、また反応器の温度が高くなると加速するスチーム脱アルミニウム化に起因する永久失活を低下させることができる。このΔT制御方法と、先行技術のオレフィン合成反応器における固定床技術を移動床技術と置き換える本発明のコンセプトとを組み合わせると、各反応器を通じて、触媒オンストリームサイクル時間が300時間以下となる触媒循環速度で稼動しつつ、開始時のOTP触媒活性及びプロピレン選択率を大幅に低下させないという目標を達成できるOTPプロセスが提供される。これらの条件に基づいて、OTPプロセスの開始時のオンストリームアルコール性オキシジェネート転化率は2〜3%を超えて下降することはなく、これによってプロピレンの選択率を実質的に循環開始時の状態に維持することが可能となる。
本発明の主目的は、先行技術の固定床OTPプロセスのオンストリームサイクルにおけるプロピレン選択率ロスの問題に対し、実際的で、技術的に実現可能な解決法を提供することである。本発明の第2の目的は、プロピレンの選択率を目標水準に維持するため再循環しなければならないプロピレン以外のオレフィンの量を減らして、先行技術のOTPプロセスの経済性を改善することである。本発明の第3の目的は、メタノールなどのアルコール性オキシジェネートをプロピレンに転化する際に前記OTP反応ステップから放出される反応熱の少なくとも10%を、供給アルコール性オキシジェネートを接触エーテル化し、DME及び同様のエーテル類を選択的に生成する供給前処理ステップにシフトすることによってOTP反応器の温度差動を制御することである。本発明のもう1つの目的は、フレッシュ触媒活性を回復させるために必要な再生ステップの苛酷度を最小化するため、本発明のOTPプロセスに用いられる二元機能OTP触媒の苛酷な不活性化を防ぎ、それによって熱水ダメージを最小化し、触媒の寿命を長持ちさせることである。
第1の実施の形態において、本発明は、アルコール性オキシジェネート供給原料からプロピレンへの選択的転化のための連続的プロセスである。前記プロセスの第1のステップにおいて、アルコールを含むオキシジェネート供給原料が、第1の反応帯で所定のエーテル化条件下で酸性エーテル化触媒と接触する。このエーテル化条件下で、エーテル含有流出ストリームが生成され、また供給原料がプロピレンに転化される際に、後続のプロピレン合成ステップから放出される反応熱の少なくとも10%が、このエーテル化ステップにシフトされ、それによって前記エーテル含有流出ストリームが約250〜450℃の温度まで加熱され、転化されたアルコール性オキシジェネート1モルに対して少なくとも0.5モルの量の副生水が生成される。第2のステップにおいては、生成されるエーテル含有流出ストリームの温度を約375〜525℃の温度に調節し、そしてそこに十分な量の希釈剤を加え、エーテル、未反応アルコール性オキシジェネート及び希釈剤の加熱混合物を生成する。この生成される加熱混合物は、そこに含まれるオキシジェネートの少なくとも一部をプロピレンに転化する機能及びC2及びC4 +オレフィンをC3オレフィンに相互転換する機能を有することで知られる、モレキュラーシーブを含んだ二元機能触媒と接触する。このOTP反応ステップは、少なくとも1つの移動床反応器を含む第2反応帯にて実施され、前記加熱混合物に含まれるオキシジェネートをプロピレンに転化するのに有効なオキシジェネート転化条件で、また結果的にOTP触媒オンストリームサイクル時間が300時間以下となるように選択された、その第2反応帯を通じての触媒循環速度で稼動する。続いて流出ストリームが、前記第2反応帯より回収され、それは、多量のC3オレフィン生成物及び副生成物としての水、それよりも少ない量のC2オレフィン、C4 +オレフィン、C1〜C4 +飽和炭化水素及び少量の未反応オキシジェネート、副生成物オキシジェネート及び芳香族炭化水素を含む。続くステップにおいて、この流出ストリームは、分離帯へと通過し、ここで冷却され、そしてC3オレフィン含有量の多い気体留分、未反応オキシジェネート及び副生成物オキシジェネートを含む水分、及び重質オレフィン、重質飽和炭化水素及び少量の芳香族炭化水素を含む液状炭化水素留分へと分離される。次にこの分離ステップで回収された水留分の少なくとも一部が、前記第2のステップへと再循環され、そこで用いられる希釈剤の少なくとも一部を提供する。さらにこの分離ステップで回収された気体留分が、第2分離帯で、C2オレフィンを豊富に含んだ留分、C3オレフィンを豊富に含んだ生成物留分及びC4 +オレフィンを豊富に含んだ留分に分離される。続いて前記C3オレフィンを豊富に含んだ生成物留分を、主生成物ストリームとして本プロセスから回収し、そして前記C2オレフィンを豊富に含んだ留分又は前記C4 +オレフィンを豊富に含んだ留分又はこれらの留分の混合物の少なくとも一部を、前記プロピレン合成ステップへと再循環させ、これらの物質を所望のプロピレン生成物の追加量へと相互転換する。前記プロセスのもう1つのステップにおいて、コークス含有二元機能触媒粒子のストリームが、前記第2反応帯より回収され、再生帯において酸素含有ストリームで酸化再生処理され、そして再生された触媒粒子のストリームは前記第2反応帯へと再循環され、そこを通じての循環のための再生触媒を提供する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態に述べられるアルコール性オキシジェネート供給原料をプロピレンへ選択的に転化するための連続的プロセスを含んでおり、さらに、二元機能触媒がZSM-5に相当する構造を有するゼオライト系モレキュラーシーブ、又はSAPO-34に相当する構造を有するELAPOモレキュラーシーブ、又はこれらの物質の混合物を含んでいることを特徴とする。
もう1つの実施の形態は、前記第1の実施の形態に述べられるアルコール性オキシジェネート供給原料をプロピレンへ選択的に転化するための連続的プロセスを含んでおり、さらに、第2反応帯が、そこに供給される加熱混合物に対しては直列流れ又は平行流れ配置で、またそこを通過する触媒粒子のストリームに対しては直列流れ配置で接続された少なくとも3つの移動床反応器を含んでいることを特徴とする。
本発明のきわめて好ましいもう1つの実施の形態は、前記第1の実施の形態に述べられるアルコール性オキシジェネート供給原料をプロピレンへ選択的に転化するための連続的プロセスを含んでおり、さらに、前記アルコール性オキシジェネート供給原料がメタノールを主成分としていることを特徴とする。
本プロセスの高プロピレン収率の実施の形態は、前記実施の形態の内のいずれかに述べられたアルコール性オキシジェネート供給原料をプロピレンへ選択的に転化するための連続的プロセスを含んでおり、また第1分離ステップで回収された液状炭化水素留分が、さらにC4〜C6オレフィンを豊富に含んだ留分及びナフサ生成物留分に分離され、そして前記C4〜C6オレフィンを豊富に含んだ留分の少なくとも一部が前記OTP転化ステップへと再循環され、これらの重質オレフィンがプロピレンへ相互転換されることを特徴とする。
以下の用語及び条件は、以下に示す意味において、本明細書に用いられる。すなわち、(1)ストリームの『一部』とは、ストリーム全体と同じ組成を有する画分、又は容易に分離可能な1つ又は複数の成分をそこから除去することによって得られる部分のいずれかを意味する。(2)『塔頂』ストリームとは、還流又はその他の何らかの理由のためにいずれかの部分を特定の帯域へ再循環した後、前記特定の帯域から回収される正味の塔頂ストリームを意味する。(3)『塔底』ストリームとは、再加熱及び/又は再沸騰のためにいずれかの部分を再循環した後、及び/又はいずれかの相分離の後に得られる、特定の帯域からの正味の塔底ストリームを意味する。(4)『軽質オレフィン』という用語は、エチレン、プロピレン、及びそれらの混合物を意味する。(5)『OTP』プロセスという表現は、アルコール性オキシジェネートをプロピレンに転化するためのプロセスを意味し、また好ましい実施の形態において、前記アルコール性オキシジェネートがメタノールである場合、前記OTPプロセスはここでMTPプロセスと称される。(6)『触媒オンストリームサイクル時間』という用語は、触媒粒子が、再生のために反応帯から回収される前の転化条件下で供給原料に曝される時間の長さを意味する。(7)『プロピレンの平均サイクル収率』という用語は、触媒オンストリームサイクル時間中の総プロピレン収率を、前記触媒オンストリームサイクル時間中に転化されたオキシジェネート供給原料の総量で除した数値を意味する。(8)『二元機能』という用語は、前記OTP触媒が、OTP反応及びC2及びC4 +オレフィンのプロピレンへの転化に必要なオレフィン相互転換反応の両方を触媒する、ということを意味する。
本OTPプロセスに供給される供給ストリームは、水性希釈剤と混合した1つ又は複数のアルコール性オキシジェネートより構成されている。前記供給ストリーム中の前記1つ又は複数のアルコール性オキシジェネートの濃度は、少なくとも70重量%であるのが好ましいが、90%以上の濃度であればさらに好ましく、前記供給ストリーム中のアルコール性オキシジェネートのレベルが95重量%以上である場合に最良の結果が得られる。前記供給ストリーム中に存在するアルコール性オキシジェネートは、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子及び約1〜6個の炭素原子を含んでおり、通常、1〜4個の炭素原子を含む脂肪族アルコール性オキシジェネートで最良の結果が得られる。本プロセスにおける使用のために好ましいアルコール性オキシジェネートには、直鎖又は分岐鎖飽和脂肪族アルコール、及びそれらの不飽和相当物が含まれる。好ましい脂肪族アルコールの典型例には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、アミルアルコール及びそれらの脂肪族アルコールの混合物が含まれる。メタノールは供給原料で用いるのに最も好ましいアルコール性オキシジェネートであって、特に好ましい結果はメタノールの濃度が比較的高い供給ストリームによって得られる。いわゆる『粗』メタノールストリームの工業用供給ストリームは、通常、水と混合した70〜80重量%のメタノールを含んでおり、また精製メタノールストリームの工業用供給ストリームは、通常、微量の水と混合したメタノールを95重量%以上の濃度で含んでいる。
本プロセスの第1反応ステップにおいて、供給ストリームを、第1反応帯で、前記供給ストリーム中に存在するアルコール性オキシジェネートに対応する少なくとも1つのエーテルを含む流出ストリームを生成するのに有効なエーテル化条件下で酸性エーテル化触媒と接触させる。供給ストリームがメタノールのみを含んでいる場合、前記エーテル化反応においてはジメチルエーテル(DME)が生成され、また前記供給ストリームがエタノールのみを含んでいる場合、対応する単純型エーテル及び前記供給ストリームがアルコール性オキシジェネートの混合物を含んでいる場合に生成される混合エーテルと共にジエチルエーテル(DEE)が生成される。エーテル化ステップは、本発明の顕著な特徴に従って、供給原料がプロピレンに転化される際に、後続のプロピレン合成ステップから放出される反応熱の少なくとも10%、好ましくは20〜30%又はそれ以上を、このエーテル化ステップにシフトするのに十分な転化レベルで実施される。熱統合の観点から、前記エーテル化反応を操作して、供給ストリームの少なくとも一部を予備加熱及び/又は気化し、またプロピレン合成(OTP)反応帯において、生成された、エーテルを豊富に含んだストリームの下流プロセスに伴う発熱を遮断するのがきわめて好ましい。プロピレン及びその他のオレフィン類を生成するDMEなどのエーテルの反応は、OTP反応帯におけるアルコールからオレフィンへの直接転化と比較して、著しく発熱性に乏しい。従って、エーテル化の供給前処理ステップは、アルコール性オキシジェネートから所望のオレフィン炭化水素への転化全体において放出される発熱の大部分を捕捉し、それにより前記供給ストリームをプロピレン合成ステップのための所望の反応に供し、及び/又は前記供給ストリームの大部分を気化してオレフィン合成ステップにおける気相反応を円滑化するための好適な熱源が提供される。明白ではないが、このアルコールからオレフィン炭化水素への高発熱転化の際に放出される熱の大部分のシフトによるもう1つの利点として、前記オレフィン合成反応ステップにおいて経験される前記ΔTと比較して、よりきめ細かい制御を提供できる前処理ステップが可能になるということがある。コークス形成副作用は温度の上昇に伴って加速し、また触媒脱アルミニウム化反応も同様に加速するので、OTP反応帯における温度の上昇を制御する機能は、高いプロピレン選択率を低下させるこのコークス形成副作用のみならず、この触媒脱アルミニウム化反応をも抑制する。従って、本発明の顕著な利点は、所望のプロピレンオレフィンに対するOTP反応の選択率が、オレフィン合成反応帯において経験される平均的な温度上昇に対してきめ細かい制御の維持が可能である、という事実によって向上することである。
本発明の供給前処理ステップ又はエーテル化ステップは触媒的であって、反応を加速させるため、弱酸性不均一系触媒の存在を必要とする。本発明のエーテル化ステップのために好適な触媒は、約10〜500 m2/gの表面積を有する弱酸性多孔質固体であって、そして以下の物質を含んでいる。(1)例えば、アタパルガスクレイ、陶土、珪藻土、フラー土、カオリン、ベントナイト、キーゼルグール等の、酸処理された又はされていない、合成及び天然のものを含むシリカ又はシリカゲル、クレイ(粘土)及びシリケート、(2)アルミナ、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化ベリリウム、酸化バナジウム、酸化セシウム、酸化ハフニウム、酸化亜鉛、マグネシア、ボリア、トリア、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、クロミア−アルミナ、アルミナ−ボリア、シリカ−ジルコニア等の耐火性無機酸化物、(3)水素形態又は多価カチオンで処理された形態の、天然又は合成のモルデナイト及び/又はフォージャサイト、ZSM-5、ZSM-11、又はZSM-12等の結晶質ゼオライトアルミノシリケート、及び(4)これらの群の内の1つ又は複数の結合物質。本発明において用いるのに好適な多孔質触媒は耐火性無機酸化物であり、またアルミナ物質によって最良の結果が得られる。
好適なアルミナ物質は、γ−アルミナ、η−アルミナ、及びθ−アルミナとして知られる結晶質アルミナであり、この内γ−アルミナ又はη−アルミナによって最良の結果が得られる。さらに、いくつかの実施の形態においては、前記アルミナ担体物質が、シリカ、ジルコニア、マグネシア等のその他のよく知られた耐火性無機酸化物を少ない割合で含んでいる場合もある。しかし、好ましい触媒は、実質的に純粋なγ−アルミナ又はη−アルミナである。好ましい触媒は、約0.3〜約0.9 g/ccの見掛け嵩密度、及び平均細孔径が約20〜300Å、細孔容積が約0.1〜約1 cc/g、そして表面積が約100〜約500 m2/gといった表面積特性を有している。通常、最良の結果は、比較的小さい直径(通常、約1/16インチ)、約0.3〜約0.8 g/ccの見掛け嵩密度、約0.4 ml/gの細孔容積、及び約150〜約250 m2/gの表面積を有する球状粒子の形態で用いられるγ−アルミナ担体物質によって得られる。
本発明において利用されるエーテル化転化条件には、約200〜375℃、好ましくは275〜350℃の範囲内の温度、そして約136〜1136 kPa(5〜150 psig)、最良の結果を得るには約136〜791 kPa(5〜100 psig)の入口圧力といった条件が含まれる。メタノール及びエタノール等の低沸アルコール性オキシジェネートについては、前記エーテル化ステップにおける温度及び圧力は、通常、実質的気相状態又は混合液体/気体状態が維持されるように選択される。前記エーテル化ステップにおいて利用される重量時間空間速度 (WHSV)は、供給ストリームに含まれるアルコール性オキシジェネート物質の質量と、再循環ストリームに含まれる任意のアルコール性オキシジェネート物質の質量との合計を、前記エーテル化転化帯に存在するエーテル化触媒の質量で除し、その結果出た質量の単位時間当たりの質量流量に基づいて計算される。通常、好ましい結果は約0.1〜10 hrs-1のWHSVで得られ、最良の結果は通常0.5〜5 hrs-1の範囲内で達成される。本発明に基づいて、これらの転化条件は、供給物に含まれるアルコール性オキシジェネートがプロピレン及び前述のその他のオレフィンに転化する際に発生する反応熱の少なくとも10%、好ましくは約20〜30%又はそれ以上の放出が達成されるように調整される。
エーテル化ステップにおいて発生する反応熱の結果として、そこから回収される流出ストリームは、約250〜450℃の温度で回収され、前記エーテル化ステップにおいて転化されるアルコール性オキシジェネート1モル当たり少なくとも0.5モルの分量の副生水を含んでいる。また前記エーテル化ステップから回収されるこの流出ストリームは、前記供給ストリーム中に存在する1つ又は複数のアルコール性オキシジェネートに対応する1つ又は複数のエーテルを実質的な量分含んでいる。例えば、好ましい、メタノールのアルコール性オキシジェネートについては、このステップから回収される流出ストリームには、実質的な量のジメチルエーテルが含まれている。
本発明の続くステップにおいて、前記生成されたエーテル含有流出ストリームの温度は、当業者には周知の好適な加熱及び/又は冷却手段を利用して、この流出ストリームの必要な熱エネルギーを加減することによって、約375〜525℃の範囲に調整される。また、この流出物温度調整ステップに際しての好ましい方法として、この流出ストリームに十分な希釈剤を加え、その結果として希釈剤対オキシジェネート相当物(つまり、未反応アルコール性オキシジェネートと流出ストリームのエーテル含量とを加えたもの)のモル比を約0.5:1〜5:1とする。最良の結果は、通常、約1:5〜2:1の希釈剤比で達成される。添付図面に示すような多重床プロピレン合成スキームを利用した場合に、前記エーテル含有流出ストリームがダウンストリームプロピレン合成反応帯の1つ又は複数を通過した後に、この希釈剤調整ステップを少なくとも部分的に実施することは、もちろん本発明の範囲内である。前記エーテル化ステップから回収された流出ストリームの温度及び希釈剤含量の調整が完了した後、エーテル、未反応アルコール性オキシジェネート及び希釈剤の生成された加熱混合物は、本発明のプロピレン合成反応ステップ(OTP転化ステップ)へと通過し、所望のプロピレン生成物が選択的に調製される。
本発明のOTP転化ステップにおいて、前記生成された加熱混合物は、前記加熱混合物を二元機能OTP触媒と接触させることによって、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブチレン、及び一定限度の量のその他の高級脂肪族等の脂肪族部分を含んだ炭化水素に接触転化される。希釈剤の存在は、OTP触媒の選択性を維持し、軽質オレフィン、特にプロピレンを生成するために有用である。水蒸気のような希釈剤を用いることによって、一定の設備費用、熱効率の面での利点が提供され、またオキシジェネート反応物質の分圧を低下させ、それによってオレフィンに対する選択性を高めることが可能となる。また気液間の相変化によって、OTP反応帯への供給物及びOTP反応器流出物間の熱伝達を有利に行うことができ、そして生成物からの水蒸気希釈剤の分離処理には、炭化水素生成物から水を分離するための単純な凝縮ステップのみを必要とする。
上に述べたように、OTP反応ステップにおいて使用される希釈剤の量は、好ましくは、オキシジェネート相当物1モル当たり希釈剤が約0.5:1〜5:1モルの範囲内であり、オキシジェネートの分圧をプロピレン生成にとって好適なレベルまで低下させるためには、好ましくは、0.5:1〜2:1モルの範囲内である。本発明の実施の形態の中には、プロピレン以外の有意な量のオレフィン、及び飽和炭化水素を含む特定のオレフィンストリームの再循環を想定しているものもある。これらの再循環ストリームは前記OTP反応帯に希釈剤を供給し、一旦前記OTP反応帯が始動すると、希釈剤対オキシジェネートの目標のモル比を達成するために前記OTP反応帯に加えなければならない希釈剤の量を減少させる。水が主要な希釈剤として使用される最も好ましい例においては、起動中のOTP反応帯に供給される水の量は、この反応帯に再循環されるその他の希釈剤の量に比例して減少する。
前記OTP反応帯で用いられる転化条件は、オキシジェネートからのプロピレンの生成にとって有利となるように慎重に選択される。周知のオキシジェネート転化触媒でのオキシジェネートの転化のためには、約350℃〜600℃の範囲のオキシジェネート転化温度が有効である。この範囲内での低い温度は、プロピレンの生成にとって有利であり、一方この範囲内での高い温度はエチレンの生成にとって有利である。従って、前記OTP反応帯にとって好ましい入口温度は、375℃〜525℃、より好ましくは400℃〜500℃の範囲内である。各OTP反応器にわたる温度の上昇は、熱水不活性化を最小限化するため、また個々の反応器の末端部の温度が本発明において考慮されている温度を超えたレベルにまで達する際に起こる触媒上へのコーク析出の加速を防ぐため、好ましくは、10℃〜60℃の範囲内に保たれる。反応帯における温度の上昇を制御するための方法の殆どは、適切な熱交換手段及び/又は再循環ストリームの比較的冷たい量分、又はオキシジェネート供給原料及び/又は前記帯域で用いられる希釈剤の一部の追加を利用した内部床(inner-bed)又は床間(inter-bed)冷却を伴う、別々の反応器内の触媒の複数床を利用している。本発明によって検討される具体例においては、軽い吸熱性を有することで知られる軽質及び重質オレフィン相互転換反応を利用することで、反応器内の温度の上昇を特定の範囲内に制御するための一助とする。本発明の工程の好ましい実施態様は、少なくとも部分的に、比較的冷たい再循環ストリームの使用によって達成される床間冷却を伴い、少なくとも3つの移動床反応器を利用し、追加の反応物質及び希釈剤を生成することである。
オキシジェネートをプロピレンへ転化するステップは、約0.1〜100 atm(10.1 kPa〜10.1 mPa)の範囲、より通常には約136〜1136 kPa(5〜150 psig)の範囲内の、入口総圧力を含む広範囲の圧力下で効率的に行われる。しかしプロピレンのような軽質オレフィンの生成は、低圧力条件下で行うのが好ましい。従って、好ましい入口圧力は、136〜343 kPa(5〜35 psig)の範囲内である。
反応物質と二元機能触媒との接触時間は、通常、OTP転化帯域へと通過するオキシジェネート反応物質の質量と、供給ストリーム中に存在する任意の反応性炭化水素物質又は任意の再循環ストリームの質量との合計を、前記OTP転化帯域に存在する二元機能触媒の質量で除し、その結果出た質量の単位時間当たりの質量流量に基づいて計算される重量時間空間速度(WHSV)の関連語を用いて計測される。本発明のOTP転化帯域においてのWHSVは0.1〜100 hr-1、好ましくは0.5〜20 hr-1の範囲であり、最良の結果は通常0.5〜10 hr-1の範囲で達成される。
本発明におけるオキシジェネートからプロピレンへの転化ステップにおいては、オキシジェネートをプロピレンに転化する能力、またプロピレン以外のオレフィンをプロピレンに相互転化する能力を有する二元機能触媒の使用が好ましい。これら2つの反応を触媒する能力を有する、当業界で周知の任意の触媒物質は、本発明での使用にとって好適な触媒である。前記好適な二元機能触媒には、活性成分としてのモレキュラーシーブが含まれ、そしてより具体的には、前記モレキュラーシーブは比較的小さな孔を有している。前記好ましい小孔触媒は、その少なくとも一部、好ましくは主要部が、その吸着量(任意の吸着分子を用いた標準的McBain-Bakr重量吸着法によって測定)が、酸素の十分な吸着量(平均運動直径約0.346 nm)及びイソブタンのごく僅かな吸着量(平均運動直径約0.5 nm)を示すことを特徴とする平均有効径を有する小孔、を有しているものと定義される。より好ましくは、前記平均有効径は、キセノン(平均運動直径約0.4 nm)の十分な吸着量及びイソブタンのごく僅かな吸着量、最も好ましくは、n−ヘキサン(平均運動直径約0.43 nm)の十分な吸着量及びイソブタンのごく僅かな吸着量によって特徴付けられる。任意の吸着物のごく僅かな吸着量は、触媒の重量の3%未満の吸着量であって、前記吸着物のよい吸着量は、前記触媒の重量に基づいた前記吸着物の重量の3%を超える吸着量である。本発明において有用な触媒のいくつかは、平均有効径が5Å未満の小孔を有している。好ましい触媒の小孔の平均有効径は、D. W. Breck, ZEOLITE MOLECULAR SIEVES by John Wiley & Sons, New York (1974) に述べられている測定法によって測定される。『有効径』という用語は、前記小孔がしばしば不規則に、例えば楕円形状に成形されるので、孔寸法は実際の寸法よりも吸着される分子によって特徴付けられる、ということを意味する。好ましくは、前記小孔触媒は実質的に均一な孔構造を有している。好適な二元機能触媒は、ゼオライト系モレキュラーシーブ及び非ゼオライト系モレキュラーシーブの中から選択されてもよい。
焼成形態のゼオライト系モレキュラーシーブは、以下の一般式によって表される。
Figure 0005038142
ここでMeはカチオンであって、xは約2〜無限大の値を有し、nはカチオン価数、そしてyは約2〜100以上、より通常には約2〜25の値を有する。
用いられるゼオライトは、ゼオライトDとも称される菱沸石、クリノプチロライト、エリオナイト、フェリエライト、モルデナイト、ゼオライトA、ゼオライトP、ZSM-5、ZSM-11、及びMCM-22を含んでいる。ゼオライトはシリカ含有量が多い(つまり、シリカ対アルミナ比が10よりも大きい値、通常100よりも大きい値であり、シリカ対アルミナのモル比が約250:1〜1000:1で最良の結果が得られるゼオライトが特に好ましい)。ZSM-5の構造を有する1つのそうした高シリカゼオライトはシリカライトである。ここで用いられる用語には、米国特許-A-4,061,724号明細書に述べられているシリカ多形体、また米国特許-A-4,073,865号明細書に述べられているF−シリケートの両方が含まれる。
非ゼオライト系モレキュラーシーブは、適度な有効孔径を有し、無水換算で、以下の実験式で表される実験的化学組成を有するモレキュラーシーブを含んでいる。
Figure 0005038142
ここでELはシリコン、マグネシウム、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、クロミウム及びそれらの混合物から成る群から選択される元素であって、xはELのモル分率であり、少なくとも0.005であって、yはアルミニウムのモル分率であり、少なくとも0.01であって、zはリンのモル分率であり、少なくとも0.01であって、そしてx + y + z = 1である。ELが金属の混合物である場合、xは存在する元素混合物の総量を表す。好ましい元素(EL)はシリコン、マグネシウム及びコバルトであって、シリコンは特に好ましい。
種々のELAPOの調製については、米国特許-A-5,191,141号明細書(ELAPO)、米国特許-A-4,554,143号明細書(FeAPO)、米国特許-A-4,440,871号明細書(SAPO)、米国特許-A-4,853,197号明細書(MAPO, MnAPO, ZnAPO, CoAPO)、米国特許-A-4,793,984号明細書(CAPO)、米国特許-A-4,752,651号明細書及び米国特許-A-4,310,440号明細書に述べられている。
本発明の1つの好ましい実施の形態において、元素(EL)含有量はモル分率約0.005〜約0.05の範囲で変化する。ELが2つ以上の元素である場合、全ての元素の総濃度はモル分率約0.005〜0.05の範囲内である。1つの特に好ましい実施の形態において、ELはシリコン(通常SAPOと称される)である。本発明において用いられる前記SAPOは、米国特許-A-4,440,871号明細書、米国特許-A-5,126,308号明細書、及び米国特許-A-5,191,141号明細書に述べられているものの内のいずれかである。SAPO-34が好ましい。
前記好ましいOTP転化触媒は、好ましくは、多孔質固体粒子に組み込まれる。前記粒子中には、所望のOTP反応を促進できるだけの量の触媒が存在している。一形態において、前記多孔質固体粒子は、触媒として有効な量のモレキュラーシーブ触媒、並びに好ましくは結合材、充填材及びそれらの混合物から成る群より選択される少なくとも1つのマトリクス材によって構成され、所望の特性、又は例えば所望の触媒希釈、機械的強度等の特性を前記固体粒子に対して提供する。そうしたマトリクス材は本来多孔性であり、所望のOTP転化の促進にとって有効であったりなかったりする。充填材及び結合材には、例えば、金属酸化物、クレイ(粘土)、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−ベリリア、シリカ−チタニア、シリカ−アルミナ−トリア、シリカ−アルミナ−ジルコニア、アルミノホスフェート、及びそれらの混合物等の合成物質及び天然物質が含まれる。
マトリクス材、例えば結合材及び/又は充填材が前記触媒組成物に含まれている場合、前記非ゼオライト系及び/又はゼオライト系モレキュラーシーブ触媒は、好ましくは全組成物の重量の約1%〜99%、より好ましくは約5%〜約90%、さらにより好ましくは約5%〜約50%の量を含んでいる。
本発明のOTP反応ステップにおいて用いるのに最も好ましいゼオライト系二元機能触媒は、しばしば文字どおり『ペンタシル型』構造を有していると称され、また米国特許公開2003/0139635 A1号明細書においても述べられているZSM-5の構造形状を有するゼオライトである。前記ZSM-5構造形状を有するボロシリケートゼオライトが、米国特許-A-4,433,188号明細書において、特に好ましい二元機能触媒として述べられている。前記モルデナイト系構造形状を有するゼオライト系触媒の使用については、英国特許公開-A-2171718号明細書に述べられている。
本発明で用いるのに特に好ましいもう1つの種類の二元機能触媒は、ELAPOモレキュラーシーブである。これらの物質は、米国特許-A-4,677,243号及び-A-4,527,001号明細書において教示されているように、オキシジェネートから軽質オレフィンへの直接転化及びオレフィンから所望の生成オレフィンへの相互転化の両方を触媒する。米国特許-B-6,455,749号明細書においては、シリコアルミノホスフェート触媒(SAPO)の二元機能触媒としての利用について教示されており、そしてSAPO-34の有効性が具体的に述べられており、そしてまたC4オレフィンからその他のオレフィンへの相互転化において利用される、SAPO-34型触媒系及びシリカライトとZSM-5が結合した型の触媒系の両方の利用法が教示されている。
非ゼオライト系触媒系での最良の結果は、SAPO-34を二元機能触媒として利用した場合に得られる。ゼオライト系物質での最良の結果は、ZSM-5型の物質によって得られる。本発明の特に好ましい特徴の1つは、ゼオライト系触媒系と非ゼオライト系触媒系との混合物の利用である。この混合触媒の実施形態は、ゼオライト系物質を含む粒子と非ゼオライト系物質を含む粒子との物理的混合物、又は触媒、又は前記2つのタイプの物質を結合材内に混合し、その内に存在する両方の成分を有する粒子を生成する調製方法のいずれかを利用する。いずれの場合でも、好ましい組み合わせは、ZSM- 5とSAPO-34との混合物であって、その相対量においてSAPO-34が前記混合物のモレキュラーシーブ成分の30〜70重量%であるのが好ましく、また約45〜55重量%であるのが特に好ましい。
本発明においては、OTP転化ステップにおいて移動床技術を利用し、プロピレン生成のためのプロセスの選択性を向上させる。移動床技術の利用については、米国特許-A-5,157,181号明細書に述べられている。好適な移動床反応器及び再生システムは、例えば、オクタン価を高め、またオレフィンを生成するための軽質パラフィンの脱水素化処理を円滑化するためのナフサ留分の接触改質処理において、幅広く工業的に利用されてきた。
移動床反応帯はいく通りかの方法で構成される。例えば、触媒粒子が前記反応帯の上位部へと導入され、重力によって前記反応帯体積全体を通じて供給され、ここで前記触媒は、触媒の動きに対して逆方向又は同方向である供給ストリームと接触する。本発明の1つの好ましい態様において、前記供給ストリームは、触媒の流れに対して逆方向、つまり、前記供給ストリームは反応帯の下位部へと導入され、そしてその上位部より回収される。これによって前記供給ストリームは、駆動力が高い転化の最初の段階で部分的に失活した触媒と接触し、そして駆動力が低い転化のその後の段階でより活性の高い触媒と接触するので、この好ましい構成によってOTP転化反応に実質的利点が提供される。
より通常には、前記触媒粒子は、前記反応帯を貫通する同心触媒担持スクリーンによって画定されるアニュラスへと導入され、ここで、前記触媒粒子は前記アニュラスを通じて流下し、そして前記OTP反応帯の下位部から回収される。前記供給ストリームは、前記反応帯の上位部又は下位部のどちらかに導入され、そして通常、触媒の流れを横切る方向にアニュラスを横切って通過する。放射状の床構成によって、前記反応帯に亙って圧力損失を低下させ、それによって良好な流れ配分の提供が可能となる。
OTP転化帯域を通過する間、炭素質物質、つまりコークスが、反応帯を通じて下方に移動する際に触媒上に堆積される。前記炭素質堆積物質は触媒上の活性点を減少させる効果を有し、これが転化の程度及びプロピレンに対する選択性に影響を及ぼす。従って、前記移動床転化プロセス中、前記コークス化した触媒の一部が前記OTP反応帯から回収され、再生帯で再生されて前記炭素質物質の少なくとも一部が除去される。
好ましくは、前記炭素質物質は酸化再生によって前記触媒より除去され、ここで、反応器から回収される触媒は、十分な温度及び酸素濃度の酸素含有ガスと接触し、所望の量の炭素質物質が前記触媒から除去されることを可能にする。特定の触媒及び転化に基づいて、前記炭素質物質を実質的に除去、例えば1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満になるまで除去するのが望ましい。一部の例では、前記触媒を部分的にのみ再生、例えば前記炭素質物質の約30〜80重量%を除去するのが望ましい。好ましくは、前記再生触媒は、約0〜20重量%の炭素質物質、より好ましくは約0〜10重量%の炭素質物質を含んでいる。殆どの例において、触媒上の炭素質物質(つまり、コークス)の濃度が比較的高い、つまり触媒上の炭素質物質が約1重量%を上回る場合、酸素濃度が比較的低い酸素含有ガスストリームで炭素焼失を生じさせることが好ましい。好ましくは、前記酸素含有ガスの酸素含有量は不活性ガスの使用又は排ガス物質の再循環を通じて調節され、約0.5〜2容量%の初期の酸素レベルが維持される。酸素の低濃度を利用することによって、触媒上の炭素質物質の酸化を、過度の温度上昇を引き起こすことなく合理的に制御し、これにより前記モレキュラーシーブ触媒に回復不能な熱水的ダメージを与える可能性を排除することができる。再生処理中の温度は約400℃〜700℃の範囲内であり、最良の結果は約500℃〜650℃の範囲内で得られる。再生帯は、好ましくは、OTP反応帯において利用される移動床構成と同様に移動床帯域として構成され、ここで前記コークス化した触媒は前記再生帯の上位部へと供給され、重力供給方式で前記再生帯を通過する。ここで前記炭素質物質が除去され、そして前記再生触媒が再生帯の下位部から回収され、前記OTP反応帯へと再循環される。
添付図面は、本発明のフロー構成の略図を示している。ここで第1反応帯30はエーテル化触媒の固定床を含んでおり、また反応器1、2及び3を含む第2反応帯は、移動床構成で、二元機能OTP転化触媒を含んでいる。3つの移動床反応器1、2及び3が、各反応器を通じてのオキシジェネート供給原料及び触媒の流れの両方に対して直列に配置されている。前記反応器の垂直断面が示されており、適合した同心触媒担持スクリーンで保持されるアニュラス33を通じて下降する触媒を示している。3つ全ての移動床反応器は、触媒粒子の下降ストリームに対して向流方向に流れる、反応器への供給物の流れと共に動作する。好ましくは、3つ全ての移動床反応器は、触媒アニュラス33の外側から、流出ストリームが回収される中心部分へと流れ込むオキシジェネート含有供給原料ストリームを有している。図面において用いられている仕様として、供給物質、中間物質及び生成物質の流れは実線で示し、そして反応帯から、または反応帯への触媒の流れは点線で示してある。好ましくは、水蒸気、窒素又はその他の任意の利用可能な不活性希釈剤である搬送媒体によって触媒が搬送される。好ましい触媒搬送媒体は、OTP反応帯におけるその実質的存在の理由から、水蒸気である。
第1反応帯、帯域30において用いられるエーテル化触媒は、約1.6 mm(0.0625 in)の直径を有し、γ−アルミナを含み、そして約180 m2/gの表面積を有する球状粒子の形態で用いられる酸性多孔性アルミナ物質である。
反応器1、2及び3を含む第2反応帯において用いられる触媒は、前述の二元機能触媒から選択され、0.5〜5 mmの有効径を有する球形状で用いられる。1.6 mmの直径が特に好ましい。用いられるOTP触媒の総量は、好ましくは、3つの反応器に均等に分配される。
第2反応帯の反応器の数は、個々の反応器における転化条件を、前記個々の反応器に亙る温度差動を60℃以下に維持し、それによって収率構造のエチレンへのシフトを防止し、同時に上に述べたように急激に加速する触媒上へのコークスの形成を最小限化することによってプロピレンの収率を向上させる状態、に維持できるように選択される。
ライン8は、95重量%のメタノールを含み、5重量%の水と混合したメタノールを豊富に含むストリームを前記プロセスに供給する。
プロセスの開始時、循環開始のために十分な生成物質が得られるまでの間、循環ライン14、17、21及び22は遮断される。同様に、ライン13、28及び29を通じて流れる水希釈剤循環流も遮断され、その代わりに、水又は水蒸気の外部ソースが、ライン31との相互接続の直前に、ここには図示されていない手段によってライン13に注入される。従って開始時に、アルコール性オキシジェネート供給ストリームはライン8を経由して帯域30へと流れ、ここで前記アルコール性オキシジェネートの少なくとも約10〜70%又はそれ以上を対応するエーテルに選択的に転化するのに有効なエーテル化条件下で、そこに含まれる酸性多孔性アルミナ触媒と接触する。帯域30内のエーテル化条件には、200〜375℃の温度、約136〜1136 kPa(5〜150 psig)の入口圧力及び約0.5〜5 hr-1の重量時間空間速度(WHSV)が含まれる。これらの条件で、発熱反応によって供給ストリーム中のメタノールの約10〜70%又はそれ以上がジメチルエーテル(DME)及び水に転化される。前記発熱反応によって、エーテル含有流出ストリーム31が約375〜525℃の温度まで加熱され、移動床反応器1、2及び3を含む第2反応帯から生じる反応熱の少なくとも10%、好ましくは20〜30%又はそれ以上がこのエーテル化ステップへシフトされ、これによって前記供給ストリームが予備加熱され、第2反応帯における有害な温度エクスカーションを防止する。
ライン31は、生成された加熱エーテル含有流出ストリームをライン31を経由して帯域30から回収し、好適な手段(図示せず)がこのストリームの温度を375〜525℃の範囲に調整し、DME、未反応メタノール及び水蒸気希釈剤の加熱混合物を生成する。前記DME合成反応は、そこで転化されるメタノール1モル当たり少なくとも0.5モルの分量の、副生水としての水蒸気希釈剤を生成する。前記生成された加熱混合物は、ライン31を経由してライン13との交点へと流れ、ここで水又は水蒸気状の適当量の希釈剤が混合され、オキシジェネート対希釈剤の比率は約0.5:1〜約5:1の範囲内とされる。循環開始のためには、前記比率が約0.5:1〜2:1の範囲内であるのが特に好ましい。次にオキシジェネート供給原料及び希釈剤の生成された混合物は、適正な供給物と流出物との熱交換及び加熱手段(図示せず)を通過して、生成された前記ストリームを十分に気化させ、約375〜525℃の温度で、約136〜1136 kPa(5〜35 psig)の総圧力で反応器1へ流入する供給ストリームを提供する。反応器1、2及び3は十分な二元機能触媒を含んでおり、開始時に約0.5〜5 hr-1の重量時間空間速度(WHSV)を提供する。一旦オレフィン系炭化水素物質の循環が開始されると、有効WHSVは約1〜10 hr-1のレベルにまで上昇する。次に反応器1からの流出物質はライン9を通じて回収され、図示されていない1つ又は複数の冷却手段を経由して、反応器1への供給物の温度に近い温度まで冷却され、そして生成された冷却流出物ストリームは反応器2へと供給され、ここで二元機能触媒と接触し、追加量のオキシジェネート物質がプロピレンへと転化され、ライン10を経由して回収される流出ストリームが生成される。ライン10の流出物は、適正な手段(図示せず)によって反応器1への前記入口温度に近い温度まで冷却され、反応器3へと通過し、追加量の二元機能触媒と一定の条件下で接触し、その結果、未反応オキシジェネートがさらにプロピレン及びその他の種々の副生成物に転化される。第2反応帯の各反応器にわたる温度差をほぼ同じ程度に維持することによって、反応器2及び3における触媒のコークス化を反応器1での程度と同程度にまで最小限化する。
次に反応器3からの前記流出ストリームは、ライン11を経由して回収され、次に供給物/流出物熱交換器(図示せず)のような1つ又は複数の冷却手段を経由してそこに含まれる相当量の水分を液化するように構成された適正な冷却ステップにて処理され、そして帯域5の三相分離器へと通過し、ここで反応器3から流出する相当量の未反応オキシジェネートを含んだ液体炭化水素相及び水相とともに、炭化水素気相が形成される。本発明においては、二元機能触媒の活性を実質的に循環開始時の状態に維持することによって、帯域5へと通過する未反応オキシジェネートの量を最小限とし、反応器1、2及び3を通じてのオキシジェネート供給原料の総合的な転化率が、全サイクルを通じて97%以上となることを想定する。
ライン13は分離器5から水相を回収し、ライン23を経由して回収されるドラッグストリームは余剰水を処理する。ライン13は生成された純水ストリームを循環させ、ライン31を経由してオキシジェネート供給原料と混合させる。ライン28及び29は、反応器2及び3の冷却のために追加量の水を加える。水の再循環が開始されると、開始時の希釈水注入ための供給は終了する。
ライン12は分離器5から気相を回収し、またそれを分別カラム6へ供給する。カラム6は脱エタン化器として機能し、エチレンを豊富に含み、少量のエタン及び幾分かのメタンも含む塔頂留分14、及び実質的に、カラム6へと供給される物質のC3 +部分を含む塔底留分15を生成する。ライン18は、前記塔頂ストリーム14からドラッグストリームを回収し、エチレン循環ループにおけるC1及びC2パラフィンの蓄積を制御する。このエチレン循環ループは、このストリームからメタンを除去し、メタン濃度の著しい蓄積を防ぐために、前記エチレンを豊富に含んだ塔頂ストリームのさらなる処理を必要とする。任意の好適な手段を用いてもよく、この手段には脱メタン化カラム、メタン吸着帯、及びメタン選択膜帯が含まれる。ライン18は、ライン14を通じて流れる塔頂ストリームの1〜15容量%、より通常にはこのストリームの約1〜10容量%を回収する。ライン14は、前記塔頂ストリームの残留物を、ライン31を経由して、エチレンを豊富に含んだ再循環ストリームとして反応器1へと供給する。本発明においては、ライン14を流れるエチレンを豊富に含んだ再循環ストリームが3つの反応帯間に分配されるが、図面は、このエチレンの全体量を反応器1へと供給し、結果的に、前記3つの反応帯を通じて流れる際に、用いられる最大量の触媒に曝した場合に優れたエチレン転化率が得られる好ましいフロー構成を示している。
ライン15は、塔底ストリームのC3 +物質を、分別条件で、脱プロパンカラム7へと供給し、少量の副生成プロパン物質を含む本発明の主生成物ストリームとしてのプロピレンを豊富に含んだ塔頂ストリーム16を生成する。ライン17は、ごく少量のブタン及びペンタンと、主にC4、C5、及びC6オレフィン系物質から成るC4 +オレフィンを豊富に含んだ物質の塔底ストリームを、カラム7から回収する。ライン19は、約1〜15容量%、好ましくは約1〜3容量%のドラッグストリームを回収し、このC4 +オレフィン循環ループにおけるこれらのパラフィン系物質の蓄積を制御する。ライン17は、ライン21及び22と共に、前記塔底物質の残留物を反応器1、2及び3へと通過させ、C4 +オレフィン反応物質を提供する。一旦循環操作が開始されると、ライン21及び22の遮断が解除される。好ましくは、カラム7からの塔底物質の大部分を反応器1へと通過させ、小部分を反応器2及び3へと通過させ、そして、好ましくはこのC4 +オレフィンを豊富に含む再循環ストリームの総量の60〜80容量%を、ライン17を経由して反応器1へと流入させ、また同様に総量の約10〜20容量%を、ライン17、21及び9を経由して反応器2へ、そしてライン17、21、22及び10を経由して反応器3へとそれぞれ供給する。
ライン13、14及び17を通じて流れる前記3つの循環ストリームの稼動が一旦開始されると、本発明の開始時のモードが終了し、そして運転のフル循環モードが開始され、オキシジェネート転化触媒としてのみでなくオレフィン相互転化触媒としての機能も果たす前記二元機能触媒が反応器1、2、及び3へと供給される。前記フル循環モードにおいて、アルコール性オキシジェネートを豊富に含む供給ストリームはライン8を経由してこのプロセスへと流入し、帯域30において、少なくとも部分的に、対応するエーテルへと転化される。ライン31を経由して流れる前記生成されたエーテル含有混合物は、ライン14で搬送される第1のエチレンを豊富に含む再循環ストリームと混合され、続いてライン13の水希釈剤と混合される。生成された前記混合物は、ライン31の接合部へと通過し、ここでライン17からの追加量のC4 +オレフィン系物質と混合され、反応器1への供給物が生成される。この供給混合物は、適正な入口温度まで適切な加熱処理をした後、前述の形態で反応器1へと流入する。
反応器1内に保持される触媒床を通過した後、ライン9は前記生成された流出物を回収する。ライン28は比較的冷たい水希釈剤の追加量を加え、そしてライン21は比較的冷たいC4 +オレフィンを豊富に含む再循環ストリームの追加量を加える。さらに適切な冷却を行い反応器2のための前述の入口温度が得られた後、前記生成された混合物は反応器2へと供給され、ここで触媒の床を通過し、流出ストリームが生成される。ライン10は、流出物を回収し、そしてライン29を経由してそこまで流れる比較的冷たい水希釈剤の追加量及びライン22を経由してそこまで流れる比較的冷たいC4 +オレフィンを豊富に含む物質の追加量と混合させる。前記生成された混合物を前述の特定の入口温度まで冷却した後、ライン10は前記混合物を反応器3へと搬送し、そこで触媒と接触させ、適切な急冷及び冷却の後、ライン11を通じて前述の三相分離帯5へと流れる流出ストリームが生成される。
反応器1、2及び3において用いられる二元機能触媒の量には変化があってもよい。反応器2及び3は、触媒がライン25を経由して反応器2へと流れる際に反応器1で、また触媒がライン26を経由して反応器2から反応器3へと流れる際に反応器2で生じる僅かな不活性を埋め合わせるために、より多量の触媒を含んでいてもよい。反応器1、2及び3は、3つの帯域において実質的に等量の触媒で、あるいは触媒の総量の約25〜30%が各反応器1及び2に、そして残りの40〜50容量%が反応器3に存在するという分配で稼動するのが好ましい。
前記OTPプロセスにおいては、反応器が稼動条件下に設定された後、触媒の循環が開始される。触媒は、ライン25及び26を経由して反応器間を、またライン27を経由して再生帯4へと循環する。再生帯4において、ライン27を経由してそこに供給されるコークス含有触媒から、前述の低苛酷度の酸化手段を用いて、コークスの堆積を除去する。また再生帯4には、図示されていない手段によって、この帯域に供給されるコークスの大部分を燃焼させるために十分な量の、約0.5〜2容量%の酸素を含む酸素含有ガスストリームも供給される。ライン24は、触媒を反応器1へと再循環させ、これによってライン25、26、27及び24によって画定される触媒循環回路は完成する。帯域4からは、添付図面には示されていないラインを経由して燃焼ガスストリームが回収される。
この触媒循環回路を流れる触媒の流速は、触媒活性、オキシジェネート転化率及びプロピレンの選択率を循環開始時の状態と同じか又はそれに近い状態に維持するための、300時間以下の触媒オンストリームサイクル時間を提供できるように選択される。すなわち、この循環回路を流れる触媒粒子の流速は、再生のために帯域4へと循環する前に、触媒粒子の反応器1、2及び3内での滞留時間が300時間を超えないように設定される。
ライン32は、三相分離帯5から炭化水素相を回収する。この物質は、通常、ガソリン範囲において沸騰し、また本発明のガソリン生成物ストリームを包含している。このガソリン生成物ストリームは、そこに存在するオレフィン物質の高含有量のため、さらなる処理を必要とする。ライン32の液体炭化水素相は、さらなる分別ステップ(図示せず)へ送られ、C4〜C6オレフィンを豊富に含む塔頂ストリームを回収し、それらは反応器1、2及び3に再循環されて重質オレフィンのプロピレンへのさらなる転化を提供するのが好ましい。そのようなC4〜C6オレフィンを豊富に含むストリームの再循環は、それをカラム7に直接供給することによって、又はそれをライン17を流れるストリームと混合させることによって生じる。
本発明の好ましい実施の態様を示す工程系統図である。
符号の説明
1、2、3 反応器(移動床反応器 反応帯)
4 再生帯(帯域)
5 三相分離器(分離器、三相分離帯、帯域)
6 分別カラム(カラム)
7 脱プロパンカラム(カラム)
30 第1反応帯(帯域)

Claims (10)

  1. メタノール供給原料をプロピレンに選択的に転化するための連続的プロセスであって、前記プロセスが:
    a) メタノール供給原料を、第1反応帯で、DME含有流出ストリームを生成し、また供給原料がプロピレンに転化される際に、後続のプロピレン合成ステップから放出される反応熱の少なくとも10%を、このエーテル化ステップにシフトし、それによって前記DME含有流出ストリームを250−450℃の温度まで加熱して、転化されたメタノール1モルに対して少なくとも0.5モルの量の副生水を生成するのに有効なエーテル化条件下で、酸性アルミナ触媒と接触させるステップと;
    b) 生成されたDME含有流出の温度を375−525℃の範囲に調整し、そしてそれに希釈剤を加えて、DME、未反応メタノール及び希釈剤の加熱混合物を生成するステップと;
    c) 生成された加熱混合物を、少なくとも3つの移動床反応器を含む第2反応帯において、モレキュラーシーブを含み、そこに含まれるオキシジェネレートをC3オレフィンに転化し、またC2及びC4+オレフィンをC3オレフィンに相互転化する能力を有する二元機能触媒粒子で反応させ、ここで前記反応帯のそれぞれが、混合物に含まれるオキシジェネレートをプロピレンに転化するのに有効なオキシジェネレート転化条件で、また結果的に第2反応帯を通じての触媒オンストリームサイクル時間が300時間以下になるように選択される触媒循環速度で稼動し、多量のC3オレフィン生成物及び水、それよりも少ない量のC2オレフィン、C4+オレフィン、及びC1−C4+飽和炭化水素及び少量の未反応オキシジェネレート、副生成物オキシジェネレート及び芳香族炭化水素を含むプロピレン含有流出ストリームを生成し、さらに前記移動床反応器がそこへの加熱混合物の流れとそこを通じて通過する前記触媒ストリームに対して直列流れ構成で接続されているステップと;
    d) プロピレン含有流出ストリームを分離帯へと通過させ、そこでこの流出ストリームを冷却し、そしてC3オレフィンを豊富に含む気体留分、未反応オキシジェネレート及び副生成物オキシジェネレートを含む水留分及び重質オレフィン、重質飽和炭化水素及び少量の芳香族炭化水素を含む液状炭化水素留分とに分離するステップと;
    e) ステップd)にて回収された水留分の少なくとも一部をステップb)へと再循環させ、そこに加えられる希釈剤の少なくとも一部を提供するステップと;
    f) 気体留分を、C2オレフィンを豊富に含んだ留分、C3オレフィンを豊富に含んだ生成物留分及びC4+オレフィンを豊富に含んだ留分に分離するステップと;
    g) 前記C2オレフィンを豊富に含んだ留分又はC4+オレフィンを豊富に含んだ留分又はこれらの留分の混合物の少なくとも一部をステップc)へと再循環させるステップと;そして
    h) 第2反応帯から、コークス含有二元機能触媒粒子を回収し、前記回収された触媒粒子を再生帯で酸化再生処理し、そして再生触媒粒子のストリームを第2反応帯へと再循環させるステップと
    で構成されることを特徴とする連続的プロセス。
  2. 前記二元機能触媒がゼオライト系モレキュラーシーブを含んでいることを特徴とする請求項1記載の連続的プロセス。
  3. 前記ゼオライト系モレキュラーシーブがZSM-5に対応する構造を有していることを特徴とする請求項2記載の連続的プロセス。
  4. 前記二元機能触媒がELAPOモレキュラーシーブを含んでいることを特徴とする請求項1記載の連続的プロセス。
  5. 前記ELAPOモレキュラーシーブが、SAPO-34に対応する構造を有するSAPO物質であることを特徴とする請求項記載の連続的プロセス。
  6. 前記二元機能触媒がゼオライト系モレキュラーシーブとELAPOモレキュラーシーブの混合物を含んでいることを特徴とする請求項記載の連続的プロセス。
  7. ステップd)で分離された前記液状炭化水素留分がさらにC 4 -C 6 オレフィンを豊富に含む留分とナフサ生成物留分に分離されることを特徴とする請求項1記載の連続的プロセス。
  8. 前記C 4 −C 6 オレフィンを豊富に含む留分の少なくとも一部がステップc)に再循環されることを特徴とする請求項記載の連続的プロセス。
  9. 前記C2オレフィンを豊富に含む留分、ステップf)で分離された前記C4+オレフィンを豊富に含む留分及び前記液状炭化水素留分を前記C4−C6オレフィンを豊富に含む留分及びナフサ生成物留分に分離することで得られるC4−C6オレフィンを豊富に含む留分の少なくとも一部が、ステップc)に再循環されることを特徴とする請求項1記載の連続的プロセス。
  10. 前記エーテル化ステップで用いられる前記酸性アルミナ触媒がガンマ・アルミナであることを特徴とする請求項1記載の連続的プロセス。
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