JP4603657B2 - ノズル付きのボトルキャップ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
近時、ペットボトル等のボトル内に詰められた自然水や清涼飲料等の中味を、ストローで飲む,所謂ゆる“ストロー飲み”を可能にするノズル付きのボトルキャップが開発されている。ノズル付きのボトルキャップを利用すればコップが不要で、しかも何回にも飲み分ける際に、その都度キャップの蓋ネジを回して開閉することなく、詰められた中身をノズルの飲み口で飲むことができて極めて都合がよい。
本発明は上述したようなノズル付きのボトルキャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の類似キャップを用いた物品として、例えば実公平3−8090号公報と実公平3−18362号記載の容器が知られている。図4において、101は容器本体、102は注入注出用口部、104は注入注出用口部102の閉塞部材、105は閉塞部材104に設けられたストロー導出用の小口部、106は小栓、106bはその嵌合部、109は保持筒である。また、110は螺着手段、111はストロー、112はストッパー、113はスプリングである。
【0003】
容器本体101の内部の飲料を飲むときは、閉塞部材104の小口部105に嵌着した小栓106の嵌合部106bを外せば、小口部105の筒状縁105aに螺着手段110で固着した保持筒109内のスプリング113の弾発力によりストロー111がストッパー112と小口部105の下端との当接位置まで持ち上げられる。そして、ストロー上端部が小口部105から突出することになり、突出したストロー111により内部飲料を吸飲することができる。また、スプリング113の弾発力に抗してストロー111を押し込むようにして小栓106を小口部105に嵌着すれば、ストロー111を容器本体101内に保持した元の状態に戻るようになっている。
【0004】
図5は上記した実公平3−18362号公報に掲載の図面で、(a)は全体の縦断面図、(b)はキャップ部分の分解斜視図である。図5において、201は液体容器、202はキャップ、203はストロー、204はキャップ202の突出口、205はストロー203を突出させるバネ、206はレバー、207は開閉部材、208は内蓋、209は筒部、210はバネ205の下端部が嵌着された凹部である。また、211はストロー203に嵌めたパッキング、212は内蓋208と容器201との間のパッキング、213はキャップ202の側面に形成した凹部、214はレバー206が凹部210に飛び出す上下方向の孔、216は押しばねである。
【0005】
図5に示した液体容器201の構成において、開閉部材207はストロー203の突出方向と交叉方向へスライドし、その先端部でストロー203の上端を抑えているので、ストロー203は突出口204から直ちに突出し、飲用後は押下げレバー206を押下げれば自動的に開閉部材207が突出口204を閉じる。また、ストロー203の上端に当接する開閉部材207は、漏液も防止する。また、開閉部材207をスライド操作すれば突出ばね205によりストロー203が突出口204から直ちに突出し、飲用後は押下げレバー206を押下れば自動的に突出口204が閉じられるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4と図5の従来装置は何れも角形や円筒形の固有の容器101と201に適合させて作られており、自然水や飲料水等の容器に共通的に利用できる汎用的な構造には構成されていない。また、キャップに相当する閉蓋部材104やキャップ202には帯状板部106aを枢着させた小栓106や半球面内に沿ってスライドする開閉部材207等が設けられていて、両者はその構造が極めて複雑である。しかも、樹脂と異なる金属のスプリング113やバネ205,216を利用しているので、部品点数と資材の手配先の業種が増えるばかりか設計に当たって腐食対策を配慮しなければならない等の問題点があった。
【0007】
本発明は、上述のような従来の問題点を解消するためになされたもので、ボトルの内液の注ぎ口に装着された固有の栓と取り替えて汎用的に利用することができ、簡単な構成で部品点数を少なくしてコストアップを押さえると共に、取り扱いが便利でコンパクトなノズル付きのボトルキャップを実現することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ボトルの内液の注ぎ口に雌ネジを螺合して着脱自在に装着されるノズル付きのボトルキャップにおいて、ボトルの内液の注ぎ口にボトルキャップを装着し、ボトルを立設した状態でボトルキャップを見た場合、先端に吸い口が設けられて基部の端部に接続部を設けたノズルと、雌ネジ、及び上部が開口した有底円筒形状で底面に挿通孔が形成されており、内部にノズルを往復動可能に収容する収容部が設けられた本体と、ノズルの基部に着脱自在に接続されて挿通孔を介して先端を内液に浸漬されるストローと、本体にヒンジを介して開閉可能に取り付けられて本体の上面を覆って閉蓋時にノズルを押圧する蓋部材とを備え、ストローには、弾性を有する軟質材が用いられ、挿通孔には、蓋部材がノズルに付与する押圧力に対してストローの移動を抑制する抑制手段が設けられ、蓋部材が閉じられたときには、蓋部材によりノズルが押圧され、ストローがノズルと挿通孔の間で屈曲して内液の流路を遮断し、蓋部材が開かれたときには、ストローのみの復元力によりノズルを押し上げ、ノズルは、引き出し自在に収容部に収容されているノズル付きのボトルキャップを構成したものである
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は実施の形態1の構成を示す断面図、図2は実施の形態1の動作を示す断面図である。実施の形態1では前記の従来例と同様に吸い口32を垂直方向に突出させる突出型が採用されているが、構造面において著しく簡素化された特徴を有する。図1と図2において、1はボトルキャップである。ボトルキャップ1の素材にはポリプロピレン等が用いられ、破損し難いやや軟質な樹脂材で成型されている。2はボトルキャップ1の本体、3はノズル、4は蓋である。
【0010】
また、11はシリコーンチューブのようなゴム状の弾性樹脂を用いたストロー、12はペットボトル、13はペットボトル12に詰められた内液である。2aはキャップ型の本体2の内面側、2bは外面側である。2cは内面側2aに設けられた雌ネジ、2eはリング状の平パッキンである。雌ネジ2cは垂直方向のキャップ軸Y0−Y0を中心に螺設されている。22はノズル3を収容する収容部である。収容部22は有底円筒状に形成され、キャップ軸Y0−Y0上で底部を内面側2aに露出させている。
【0011】
22aは収容部22の底面に設けられたストロー11の挿通孔で、ボトルキャップ1の内面側2aから外面側2bに通じている。22bは収容部22の上端の内壁面の内側に折り曲げられた爪部、22cは折り返し部である。折り返し部22cは折り返し形状により、挿通孔22aに挿通されたストロー11の移動を抑制する滑り止め機能が与えられる。28は本体2の一端に設けられ蓋4を回動可能に支持するヒンジ部、29はキャップ軸Y0−Y0を挟んで他端側に形成された係止部である。
【0012】
一方、ノズル3は太径の基部31と、この基部31から放水筒状に延長された先細りの吸い口32とを具備する。35はノズル3の基部31の上端の外周に設けられた抜け止めを防ぐ突条、36は端部に形成された円筒溝である。円筒溝36に包囲された内筒は、ストロー11との接続部を構成する。そして、基部31に形成された円筒溝36に包囲された内筒にはストロー11の上端が差し替え自在に固く嵌め込まれて、途中が挿通孔22aに挿通されている。このため、挿通孔22aに挿通されたストロー11の挿入と引き出しに僅かな難易差を生じて、引き出し時には若干の抵抗力が加えられる。
【0013】
特に、ストロー11にはやや強いバネ性の復元力を有するシリコンチューブが用いられている。こうして、本体2の収容部22内に収納されたノズル3は、基部31が収容部22の筒内の範囲でキャップ軸Y0−Y0に沿って往復動可能になっている。41は蓋4を本体2のヒンジ部28に回動可能に連結するヒンジ軸、42は他端側の係止片である。蓋4はヒンジ軸41を支点に180度を越えて回転して本体2の上部空間を開放し、係止片42が係止部29に係止されて本体2の上空が包囲される。
【0014】
次に、図2を主にして、実施の形態1の動作を説明する。図2では、本考案のボトルキャップ1をペットボトルに適用した場合が例示されている。ペットボトル12の注ぎ口に被された専用のキャップを取り除いてから、ノズル3の基部31に接続されたストロー11を注ぎ口に差し込む。図1に示されたような閉蓋状態のボトルキャップ1の雌ネジ2cを注ぎ口の雄ネジに螺入して、注ぎ口との接触面に介装されたパッキン2eを締め付けて装着する。この結果、図示されていないが、ペットボトル12の中に挿入されたストロー11の下端が内液13内に余裕をもって沈められる。
【0015】
内液13を飲むときは、係止片42と係止部29との係止を解除し、蓋4をヒンジ軸41を中心に時計方向に回転して本体2の上方を開放する。蓋4を解放すると、ストロー11の復元力が作用して基部31がストロー11の上限位置又は突条35が爪部22bに当接する位置に押し上げられて吸い口32が突出する。突出した吸い口32内の空気を吸い込めば、連通された流路が負圧になって内液13を飲むことができる。図2に示すように、突出した吸い口32が垂直方向に保持されているので内液13の吸飲に支障を来すことがない。
【0016】
吸飲後、蓋4を閉めると吸い口32の先端が蓋4の内壁に押圧されることにより、ノズル3は収納部22内に押し下げられる。このとき、ノズル3に接続されたストロー11は挿通孔22aの内周面に設けられた折り返し部22cにより移動が抑制されているために圧縮されることになる。このとき、圧縮されたストロー11は挿通孔22aにより外部に押し出されることなく、図1に示すように横方向に撓んで“つの字型”に屈曲することになり、この屈曲部により内液13の流路が自動的に封鎖されて遮断される。
【0017】
図1のように、ストロー11は収容部22の底面上で“つの字型”に屈曲して密着して流路を封鎖しているので、たとえ振動等が加わってペットボトル12が倒れても内液13が澪ぼれ出るようなことがない。実施の形態1によればノズル3を突出させるためのバネが不必要で面倒な組立操作が省け、部品点数と組立工数を減少させてコストの低減に寄与することが可能になる。
【0018】
また、収納状態でノズル3は蓋4で覆われるので、衣類等との接触や塵埃の付着がなくなり衛生状態を保つことができる。ゴミ等が付着して汚れたときはノズル3を本体2の収容部22から引き出して、汚れ易いノズル3を分離状態で簡単且つ綿密に洗浄することができる。同様に、必要があればストロー11とパッキン2eも本体2から分解して洗浄可能である。このように、分解して洗浄を行うことにより、ボトルキャップ1を清潔に保つことができ、新たなペットボトル12への使用も可能になる。
【0019】
実施の形態2.
図3は実施の形態2の構成を示す要部の断面図である。図3において、43は蓋4の内面でキャップ軸Y0−Y0上に形成された凹陥部、44は板パッキンである。板パッキン44には弾性を持つシリコンのような素材が用いられて、直径がやや小さく穿設された凹陥部43内に取り外し自在に圧入されている。圧入された板パッキン44は、蓋4の内面と同一面か或いは面より若干落ち込んで嵌入されている。そして、図示のように閉蓋時にノズル3の先端の吸い口32が板パッキン44に圧着して、流路の開口が封鎖されて内液13の漏洩が防止されるようになっている。この場合、必ずしもストロー11の“つの字型”の屈曲部が流路を封鎖していなくてもよい。
【0020】
なお、上述の両実施の形態では本発明を自然水等を詰めたペットボトルの雄ネジを設けた注ぎ口に適用した場合を例示して説明したが、雌ネジの代替え構造を用いれば水筒や哺乳瓶等の他のボトルにも適用することができる。また、本体やノズルの形状等についても、同等の機能を果たす限りでは必ずしも実施の形態に限定するものではない。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、ボトルの内液の注ぎ口に雌ネジを螺合して着脱自在に装着されるノズル付きのボトルキャップにおいて、ボトルの内液の注ぎ口にボトルキャップを装着し、ボトルを立設した状態でボトルキャップを見た場合、先端に吸い口が設けられて基部の端部に接続部を設けたノズルと、雌ネジ、及び上部が開口した有底円筒形状で底面に挿通孔が形成されており、内部にノズルを往復動可能に収容する収容部が設けられた本体と、ノズルの基部に着脱自在に接続されて挿通孔を介して先端を内液に浸漬されるストローと、本体にヒンジを介して開閉可能に取り付けられて本体の上面を覆って閉蓋時にノズルを押圧する蓋部材とを備え、ストローには、弾性を有する軟質材が用いられ、挿通孔には、蓋部材がノズルに付与する押圧力に対してストローの移動を抑制する抑制手段が設けられ、蓋部材が閉じられたときには、蓋部材によりノズルが押圧され、ストローがノズルと挿通孔の間で屈曲して内液の流路を遮断し、蓋部材が開かれたときには、ストローのみの復元力によりノズルを押し上げ、ノズルは、引き出し自在に収容部に収容されているノズル付きのボトルキャップを構成した。
【0022】
この結果、ノズルの往復動の動作にストローの屈伸性と弾力性の復元力を利用した実施の形態1と2によれば、従来に比較してバネ機構や回動機構が省略されて全体構成を著しく簡素化することができる。また、ストローを直接ノズルの基部に接続するので、ボトルの深さ等に応じて適宜適切な長さのストローに交換することができ取り扱いも便利になる。さらに、バネの省略で面倒な組立操作が省け、部品点数と組立工数を減少させる等の利点もある。特に、蓋にパッキンを設けた実施形態2によれば、ノズル突出用のバネを用いずに閉蓋時における内液の漏洩を完全に防止できるボトルキャップを実現できる。
【0023】
よって、本発明によれば、ノズルを突出させて飲み易くし、簡単な構成で部品点数を少なくしてコストアップを押さえると共に、取り扱いが便利でコンパクトなノズル付きのボトルキャップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の構成を示す断面図である。
【図2】実施の形態1の動作を示す断面図である。
【図3】実施の形態2の構成を示す要部の断面図である。
【図4】従来装置の構成を示す説明図である。
【図5】従来装置の別の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ボトルキャップ
2 本体
2a 内面側
2b 外面側
2c 雌ネジ
2e 平パッキン
3 ノズル
4 蓋(蓋部材)
11 ストロー
12 ペットボトル
13 内液
22 収容部
22a 挿通孔
22b 爪部
22c 折り返し部(滑り止め手段)
28 ヒンジ部
29 係止部
31 基部
32 吸い口
35 突条
36 円筒溝
41 ヒンジ軸
42 係止片
43 凹陥部
44 板パッキン
O−O 軸心
Y0−Y0 キャップ軸

Claims (1)

  1. ボトルの内液の注ぎ口に雌ネジを螺合して着脱自在に装着されるノズル付きのボトルキャップにおいて、
    前記ボトルの内液の前記注ぎ口に当該ボトルキャップを装着し、前記ボトルを立設した状態で当該ボトルキャップを見た場合、
    先端に吸い口が設けられて基部の端部に接続部を設けたノズルと、
    前記雌ネジ、及び上部が開口した有底円筒形状で底面に挿通孔が形成されており、内部に前記ノズルを往復動可能に収容する収容部が設けられた本体と、
    前記ノズルの基部に着脱自在に接続されて前記挿通孔を介して先端を内液に浸漬されるストローと、
    前記本体にヒンジを介して開閉可能に取り付けられて本体の上面を覆って閉蓋時に前記ノズルを押圧する蓋部材とを備え、
    前記ストローには、弾性を有する軟質材が用いられ、
    前記挿通孔には、前記蓋部材が前記ノズルに付与する押圧力に対して前記ストローの移動を抑制する抑制手段が設けられ、
    前記蓋部材が閉じられたときには、該蓋部材により前記ノズルが押圧され、前記ストローが前記ノズルと前記挿通孔の間で屈曲して内液の流路を遮断し、
    前記蓋部材が開かれたときには、前記ストローのみの復元力により前記ノズルを押し上げ、
    前記ノズルは、引き出し自在に前記収容部に収容されていることを特徴とするノズル付きのボトルキャップ。
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