JP4603559B2 - 無線受信装置および無線受信方法 - Google Patents
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Description
図1は、実施の形態1のインパルス無線(IR)受信機100の主要構成を示すブロック図である。IR受信機100は、送信側のIR送信機(図示せず)から送信されたパルス信号を受信するものである。同図に示すように、IR受信機100は、包絡線検波部110と、同期確立ユニット120と、復調部130と、デインタリーバ135と、復号部140とを有する。
ここで、第1のパルステンプレートおよび第2のパルステンプレートは、いずれもパルス信号であるが、第1のパルステンプレートの幅(すなわち、立ち上がった状態の区間)は、第2のパルステンプレートの幅よりも長くなっている。また、「粗い同期処理」とは、長い幅(後述の第1のパルス検出ウィンドウに相当)を持つ第1のパルステンプレートを用いて、その区間に受信パルス信号があるかないかを判定する処理である。IR受信機100は、受信パルス信号がどのタイミングで到来するのか分かっていない状態であっても、長いパルス幅を持っている第1のパルステンプレートを用いることにより、受信パルス信号を検出する確率を高くすることができる。
具体的には、相関値比較部170は、同期処理が完了したと判定したときに、AND回路180に制御信号を出力する。AND回路180は、この相関値比較部170からの制御信号と、しきい値判定部164からの制御信号との両制御信号が揃って初めて、復調部130に同期が完了した旨の通知信号を送出する。
なお、ここでは相関値比較部170は、相関器154の出力信号および相関器162の出力信号の振幅について比較を行うことと、等価の処理を行うものとして説明しているが、相関器154の出力信号および相関器162の出力信号の長さについて比較を行うこともできる。第1のパルス検出ウィンドウ内にマルチパスまで含まれている場合には、当然に相関器154の出力信号の方が相関器162の出力信号よりも長くなる。また、両出力信号の長さが等しくなることが同期処理の完了条件であるため、出力信号の長さを比較基準として用いることができる。
このため、相関値比較部170は、ワイドパルステンプレート発生部153に第1のパルス検出ウィンドウを狭くさせる制御信号を出力する。そして、ワイドパルステンプレート発生部153は、第1のパルス検出ウィンドウを狭くしながら、マルチパスの影響を排除する処理は、相関値比較部170で同期処理が完了したと判定できるまで行われる。
上記同期確立ユニット120は、例えば次のように利用することができる。
実施の形態1においては、2つのDLLモジュールを直列的に連結して高速且つ正確な同期処理を行った。これに対して、実施の形態2においては、いわば2つのDLLモジュール(粗い同期処理を行うDLLモジュールと精密な同期処理を行うDLLモジュール)を並列的に連結して高速且つ正確な同期処理を行う。
以上の実施の形態では、受信信号を包絡線検波し、エンベロープ結果を用いてパルス位置を捕捉するASK変調信号の同期確立方法について記載した。これに対して、本実施の形態では、パルスの位相の同期も行なう場合について記載する。すなわち、本実施の形態は、主に、1シンボルを示す信号の、時間的な幅の短いPSK変調信号を受信するときの同期処理に関するものである。1シンボルを示す信号の、時間的な幅の短いPSK変調信号は、多くの処理でパルスと同等に扱うことが可能であるため、本実施の形態では、これをパルスと呼ぶことがある。
しかしながら、同期確立ユニット1002での位相同期の精度が、受信信号のキャリア周波数の周期と関係し、キャリア周波数が低いほど同期に必要となる精度が下がる。このため、本実施の形態では、周波数変換器1001で低周波数側にシフトした後に、同期確立を行う構成としている。また、デインタリーバ135、復号部140は、前述と同一の機能であるため、ここでは説明を割愛する。
図12(D)の相関器出力は、検波器1105で平滑化されて、出力(図12(E))される。
次に、検波器出力は、基準信号の適当なタイミング(図12では立ち下がりエッジ)を用いて形成された復調用の信号(図中の縦方向の破線矢印で表現)の打ち抜きタイミングにおいて、しきい値判定部1106にて同期状態の判定、具体的には所定のしきい値を超えているか否かによる0、1判定が行なわれる(図12(F))。
このときの同期判定結果が、同期状態信号として復調部130に出力される。同期の判定方法については、検波器出力の信号を複数の打ち抜きタイミングでその振幅を抽出し、これを比較するアーリ・レート等の様々な提案がなされており、いずれの方法も利用可能である。
本実施例では、打ち抜きタイミングを1点とし、これがしきい値を上回ることを同期条件として制御をした例について記載している。また、同期確立には、同期引き込み用に決められたデータ列を用いることが一般的に行なわれており、決められたデータ列としては、例えば0と1を交互に続けるデータ列等がある。
図12(F)では、最初と2番目のパルスについては、打ち抜きタイミングでの信号振幅がしきい値以下なので、可変遅延部1103の遅延量を制御している。その制御の結果、3番目のパルスでは、打ち抜きタイミングでの信号振幅がしきい値を超え、1段目の同期確立に至っている。
受信PSK変調信号の概略の位置は、前述の図12のステップで判明しているので、第2の同期回路では、第1の同期回路にて得られた同期タイミング(基準信号)に基づいて、第2の同期回路における基準信号(図13(A))のタイミングおよびテンプレートの初期位相を設定し、その初期位相から正弦波の位相同期のみを行なえばよい。
具体的には、クロック信号に可変遅延部1103にて所定の遅延量が与えられた信号が、第1の同期回路における基準信号である。このため、第2の同期回路では、第1の同期回路にて同期確立できたときの可変遅延部1103における遅延量に基づいて、可変遅延部1109における遅延量が設定されると共に、テンプレート発生部1108にて発生されるテンプレートの初期位相が設定されることになる。
最初と2番目のパルス(図13(C))では、打ち抜きタイミングでの信号振幅(相関器出力(図13(D))が、検波器1110で平滑化された出力(図13(E)))が、しきい値以下である。
このため、可変遅延部1109の遅延量を制御した結果、3番目のパルスでは、打ち抜きタイミングでの信号振幅がしきい値を超え、2段目の同期確立に至っている(図13(F))。
さらに、第2の同期回路においては、第1の同期回路にて得られた同期タイミングに基づいて初期位相を設定し、正弦波成分を持つ信号をテンプレートとして用いて、その初期位相から位相同期を行うことにより、短時間に且つ正確に同期を確立することができる。
別の言い方をすれば、ASK変調信号の復調に必要な同期とPSK変調信号の復調に必要な同期とを段階的に確立することで、PSK変調信号を同期する場合でも、短い時間での同期引き込みを実現することができる。
さらに、ASK変調信号の復調に必要な同期とPSK変調信号の復調に必要な同期とを段階的に確立することで、ASK変調信号の復調に必要な同期が確立するまでは、第2の同期回路は電源をオフすることで作動せず、ASK変調信号の復調に必要な同期が確立した場合にのみ作動する。
逆に、ASK変調信号の復調に必要な同期が確立していない場合にのみ、第1の同期回路は作動し、ASK変調信号の復調に必要な同期が確立した後は、作動しないという制御が可能となる。
つまり、第1の同期回路および第2の同期回路のいずれか一方のみを作動させる制御が可能となる。別の言い方をすれば、同期状態に応じて、両同期回路を選択する制御が可能となる。このような制御により、消費電力を削減することができる。
しかし、所定の時間、PSK同期用の回路での同期調整を行なっても同期確立できない場合、再度ASK同期用の回路で同期調整を行なった後に、PSK同期用回路での同期調整を行なうように実施してもよい。
例えば、急な位置変動による信号到達時間の変化や、通信経路の瞬断による同期タイミング調整の誤作動等が、同期タイミングの大きな変化につながる。
しかし、例えば、PSK変調信号の他に、ASK変調信号も伝送されるようなシステムにおいて、ASK変調信号を受信する場合には、2段目の同期確立処理は行わずに、1段目の同期確立処理にて得られた同期タイミングのみに基づいて復調を行うこともできる。
なぜならば、PSK変調信号に比べると、ASK変調信号は、比較的粗い同期でも変調することが可能であるからである。この場合には、第2の同期回路は電源をオフすることにより作動しないという制御を行うことができる。これにより消費電力を削減することができる。
また、ASK変調信号を扱う場合には、PSK変調信号を扱う場合に比べて高速な同期処理が可能となる。なお、いずれにしても、復調部130は、各同期回路から同期が確立された状態を示す同期状態信号を取得した後の各同期回路における基準信号に基づいて、受信信号を復調することになる。
しかし、受信アンテナ出力端や、周波数変換器1001の出力端で分岐し、分岐された信号のそれぞれを、ASK同期用回路とPSK同期用回路との入力信号とすることで、ASK同期用回路による受信波形の歪の影響が出ない構成としたり、さらにいずれか一方の同期回路のみを動作させることで、消費電力を減らすように制御したりすることが可能となる。
また、送信側で変調方式を指定し、本実施の形態に記載の受信側で送信側の指定を判断し、適宜同期部を切替るようなシステムも利用環境として考えられる。なお、送信側が指定する変調方式の判定は復調部130で行なわれ、その詳細は公知技術の組み合わせであるため、ここでは記載を割愛する。
実施の形態1においては、粗い同期処理を行うDLLモジュール150は常に作動しているものとして説明を行った。しかしながらこれに限定されるものではなく、DLLモジュール150および精密な同期処理を行うDLLモジュール160は、常に作動状態である必要はない。
例えば、IR受信機が通常より広いパルス幅を有する信号を受信することもでき、そのパルス幅が、粗い同期DLLモジュール150における広いパルス幅と一致する場合には、粗い同期DLLモジュール150は正確な同期をとるのに十分であるため、IR受信機100は、精密な同期DLLモジュール160を停止することができる。
そのため、当初の捕捉の終了後、粗い同期DLLモジュール150は所定の時間、非作動状態とすることができる。そのとき、精密な同期DLLモジュール160だけがトラッキングを続けることになる。そして、上記の所定の時間後、粗い同期DLLモジュールを再度作動状態にすることにより、チャネル特性における何らかの変化を検査することができる。
110 包絡線検波部
120、210、1002 同期確立ユニット
130 復調部
135 デインタリーバ
140 復号部
150、160 DLLモジュール
151、290、1104 クロック
152、165、1103、1109 可変遅延部
153 ワイドパルステンプレート発生部
154、162、1101、1107 相関器
155、163 ローパスフィルタ
156、164、1106、1111 しきい値判定部
161 ナローパルステンプレート発生部
166 遅延値記憶部
167 遅延値推定部
170 相関値比較部
180 AND回路
190 比較部
215 遅延T部
220、250、320、350 比較部
225、255、325、355 積分部
230、260、330、360 積算部
235、265、335、365 保持部
240、270、340、370 遅延調整部
245 アーリーT部
275 加算器
280、2801、2802 同期確定制御部
285 パルステンプレート発生部
310 遅延T2部
315 遅延T1部
345 アーリーT2部
375 アーリーT1部
1000 無線受信機
1001 周波数変換器
1102、1108 テンプレート発生部
1105、1110 検波器
1531 フレームドメインテンプレート発生部
1611 シンボルドメインテンプレート発生部
Claims (22)
- 受信信号と第1の基準信号を同期させる第1の同期回路と、
前記受信信号と前記第1の同期回路における同期確立時の前記第1の基準信号に基づく第2の基準信号を同期させる第2の同期回路と、
前記第1の同期回路の同期情報および前記第2の同期回路の同期情報の少なくともいずれか一方に基づいて、前記受信信号を復調する復調部と、
を具備する無線受信装置であって、
前記第1の同期回路は、前記第1の基準信号に応じたタイミングで入力される第1のパルステンプレートと前記受信信号との相関をとる第1の相関手段を有し、
前記第2の同期回路は、入力信号と前記第2の基準信号に応じたタイミングで入力される第2のパルステンプレートとの相関をとる第2の相関手段を有し、
前記第1の相関手段にて得られる相関結果と前記第2の相関手段にて得られる相関結果とを比較する比較手段、をさらに具備する無線受信装置。 - 前記第1の同期回路および前記第2の同期回路のそれぞれは、前記同期情報として同期状態を示す同期状態信号を出力する請求項1に記載の無線受信装置。
- 前記復調部は、各同期回路から同期が確立された状態を示す前記同期状態信号を取得した後の前記各同期回路における前記基準信号に基づいて、前記受信信号を復調する請求項2に記載の無線受信装置。
- 前記無線受信装置は、前記同期状態に応じて動作させる同期回路を選択する請求項2に記載の無線受信装置。
- 前記第1の同期回路は、
前記第1の相関手段による相関結果のレベルに応じて同期の成否を判断し、同期が取れていないと判断する場合に、前記第1の相関手段が相関をとるタイミングをずらす第1の同期制御手段をさらに有する請求項1に記載の無線受信装置。 - 前記第1のパルステンプレートとして、前記受信信号より信号時間の長い信号を用いる請求項1に記載の無線受信装置。
- 前記第1の同期制御手段は、前記第1の相関手段が相関をとるタイミングをずらした場合に、そのタイミングを示すタイミング情報を前記第2の同期回路に出力し、
前記第2の同期回路は、前記タイミング情報に基づいて前記第2の基準信号のタイミングを調整する請求項5に記載の無線受信装置。 - 前記第2の同期回路は、
前記第2の相関手段による相関結果のレベルに応じて同期の成否を判定し、同期が取れていないと判断する場合に、前記第2のパルステンプレートとの相関をとるタイミングをずらす第2の同期制御手段と、
を有する請求項1に記載の無線受信装置。 - 前記第2のパルステンプレートとして、受信信号とほぼ等しい信号時間の信号を用いる請求項8に記載の無線受信装置。
- 前記第2の同期回路の前記入力信号は、前記第1の同期回路における前記受信信号と前記第1の基準信号との相関結果である請求項8に記載の無線受信装置。
- 前記第1の同期回路及び第2の同期回路の内で選択されなかった同期回路は、電源をオフされることにより非作動状態となる、請求項4記載の無線受信装置。
- 前記比較手段は、両相関結果が等しいと判断される場合に、前記復調部に同期確立完了情報を出力する請求項1に記載の無線受信装置。
- 前記比較手段は、前記第1の相関手段にて得られる相関結果と前記第2の相関手段にて得られる相関結果とが異なると判断される場合に、前記第1のパルステンプレートの長さを短くする制御を行なう請求項1に記載の無線受信装置。
- 前記比較手段は、信号の長さを基準として、両相関結果を比較する請求項13に記載の無線受信装置。
- 前記比較手段は、信号の振幅を基準として、両相関結果を比較する請求項13に記載の無線受信装置。
- 前記第2の同期制御手段は、前記第2の相関手段が相関をとるタイミングをずらした場合に、そのタイミングを示すタイミング情報を前記第1の同期回路に出力し、
前記第1の同期回路は、前記タイミング情報に基づいて前記第1の基準信号のタイミングを調整する請求項8に記載の無線受信装置。 - 前記第1の同期回路がASK信号である前記受信信号の同期を行ない、第2の同期回路がPSK信号である前記受信信号の同期を行なう請求項1に記載の無線受信装置。
- 前記第1の同期回路は、前記受信信号のエンベロープ結果を用いて同期をとる請求項17に記載の無線受信装置。
- 前記第2の同期回路は、前記受信信号の位相同期を行なう請求項17に記載の無線受信装置。
- 前記第2の同期回路は、前記位相同期を行なう際に、前記第1の同期回路の同期情報をもとに初期位相を設定する請求項19に記載の無線受信装置。
- 前記受信信号の変調方式に応じて、前記第1および第2の同期回路を切り替える請求項1に記載の無線受信装置。
- 受信信号と第1の基準信号を同期させる第1の同期確立ステップと、
前記受信信号と前記第1の同期確立ステップにおける同期確立時の前記第1の基準信号に基づく第2の基準信号を同期させる第2の同期確立ステップと、
前記第1の同期確立ステップの同期情報および前記第2の同期確立ステップの同期情報の少なくともいずれか一方に基づいて、前記受信信号を復調するステップと、
前記第1の基準信号に応じたタイミングで入力される第1のパルステンプレートと前記受信信号との相関をとる第1の相関ステップと、
入力信号と前記第2の基準信号に応じたタイミングで入力される第2のパルステンプレートとの相関をとる第2の相関ステップと、
前記第1の相関ステップにて得られる相関結果と前記第2の相関ステップにて得られる相関結果とを比較するステップと、
を具備する無線受信方法。
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