JP4602460B1 - 細胞培養容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】細胞培養容器は、培地保持部と蓋部と、培地保持部への流路と蓋部との間に弁材を有し、蓋部には管状部材を挿入可能な穴部を備える。弁材は所定領域に切り欠き部を形成し、切り欠き部を含む領域が前記穴部を介して挿入される管状部材を接触可能に配置される。さらに、容器の開口部付近の培地流路には管状部材受部が設けられ、管状部材が切り欠き部を貫通しないように位置規制されている。これにより、管状部材接合、非接合時に関わらず、培地保持部が密閉に保たれる構造となっている。
【選択図】図7
Description
<細胞培養装置の構成>
図1は、本発明による細胞培養装置であって、細胞培養容器21が内部に配置され、管状部材を保持する継手部材を有する細胞培養装置36の全体の構成を示す図である。この細胞培養装置の全体構成については第1及び第2の実施形態で共通のものである。
図3は、本発明による細胞培養容器の構造を示す図である。図3(a)は上面図、図3(b)は図3(a)のA−A断面図、図3(c)は図3(a)のB−B断面図である。細胞培養容器21は、1辺が例えば46mmの正方形で扁平形状の容器であって、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの可塑性と共に剛性有するプラスチックで構成される。枠体22は、射出成形などにより円部23及び24(23が円部の上部、24がその下部)が形成され、その円部23及び24にはそれぞれガス透過膜25及び26が形成されている。ガス透過膜の円部への溶着は、細胞の生存に影響を及ぼす接着剤を使用しない熱溶着や超音波溶着が好ましい。ガス透過膜の素材は、ポリカーボネートやポリスチレンといったガス透過性を有するものであればよいが、これに限定されるものではない。ただし、熱溶着、超音波溶着で対象物を接合させる場合、融点の関係で枠体22とガス透過膜の材質は同一がよい。
図7は、本発明の第1の実施形態による細胞培養容器と細胞培養装置の継ぎ手の接続関係を示す図である。詳しくは、図7(a)は、細胞培養容器における弁材を保持する部分と細胞培養装置における管状部材の拡大図および弁材の下面図を示している。また、図7(b)は、弁材と管状部材を接合させ、弁材の切れ欠き部が開口した時の拡大図および弁材の下面図である。
図9は、本発明の第2の実施形態による、細胞培養容器と細胞培養装置の継手部材の接続関係を示す図である。詳しくは、図9(a)は細胞培養容器における弁材を保持する部分と細胞培養装置における管状部材の拡大図および弁材の下面図、図9(b)は弁材と管状部材を接合させ、弁材の切れ欠き部が開口した時の拡大図および弁材の下面図である。
本発明の第1の実施形態においては、細胞培養容器が、培地を保持する培地保持部と、培地を供給又は排出するための開口部と、開口部から培地保持部まで通ずる培地流路と、開口部に固定され、切り欠き部が形成された弁材と、を備えている。そして、細胞培養装置の管状部材が開口部から挿入され、培地を細胞培養容器に供給、又はそこから排出される。このとき、管状部材の挿入深さを規制する管状部材受部が、培地流路の開口部付近に設けられている。このようにすることで、管状部材を弁材に貫通させることがなくなり、管状部材とスリットが形成されたシール部材との間に空間(通気口)が形成されることを防止することができる。よって、培地流路及び培地保持部内を密閉状態に保つことができ、弁材切り欠き部からの培地漏洩あるいは微生物の混入を防止することができるようになる。また、弁材に管状部材を貫通させないために、細胞培養中に弁材と管状部材の脱着を繰り返す場合や、長時間管状部材を弁材に接合させる場合において、弁材の切り欠け部を劣化させるおそれがない。従って、培養容器を管状部材から外した際に、開口した当該弁材が元の形状に戻り、培養工程途中あるいは培養工程終了後における培地保持部の密閉性が確保できる。
Claims (9)
- 細胞培養装置に装着され、細胞を保持・培養する細胞培養容器であって、
培地を保持する培地保持部と、
培地を供給又は排出するための開口部と、
前記開口部から前記培地保持部まで通ずる培地流路と、
前記開口部に固定され、切り欠き部が形成された弁材と、を備え、
前記培地流路は、前記細胞培養装置の管状部材であって、前記開口部から挿入され、前記培地を細胞培養容器に供給、又はそこから排出するための管状部材の挿入深さを規制する管状部材受部を有することを特徴とする細胞培養容器。 - 請求項1において、
前記管状部材を前記開口部に挿入し、前記管状部材の先端部が前記管状部材受部に当接したとき、前記切り欠き部の開口箇所の最大値をL1、前記切り欠き部の一方の端部から他方の端部までの長さをL2、前記管状部材の内径をR1、前記管状部材の外径をR2とすると、R1>L1>R1/2、及び、R2>L2>R1の関係を満足することを特徴とする細胞培養容器。 - 請求項2において、
前記培地流路の直径は、前記管状部材の内径より大きく、外径より小さいことを特徴とする細胞培養容器。 - 請求項2において、
前記開口部から管状部材受部までの距離は、前記管状部材の外径の1/2に相当する長さであることを特徴とする細胞培養容器。 - 請求項1において、
さらに、前記管状部材が装着された継手部材を固定するための継手固定部材が挿入される穴部が形成されていることを特徴とする細胞培養容器。 - 請求項1において、
前記管状部材の先端部は、液漏れ防止部材と、先端管部と、を有し、
前記液漏れ防止部材が丸み形状を有し、前記管状部材を前記開口部に挿入したときに前記管状部材受部に当接し、
前記液漏れ防止部材が前記管状部材受部に当接したときに、前記先端管部は、前記管状部材受部より深く前記培地流路に挿入され、
この状態において、前記切り欠き部の長さをl1、前記管状部材の前記先端管部の直径をr1、前記液漏れ防止部材の直径をr2とすると、r2>l1>r1であることを特徴とする細胞培養容器。 - 細胞培養容器内で細胞を培養する細胞培養装置であって、
細胞培養容器を保持する培養ステージと、
培地を保管するための培地保管部と、
廃液を溜めるための廃液収容部と、
前記培地保管部から前記細胞培養容器まで前記培地を供給するための送液管と、
前記細胞培養容器から廃液を回収し、当該廃液を前記廃液収容部まで送る廃液管と、
前記送液管と前記廃液管が接続され、管状部材を有する継手部材と、を備え、
前記細胞培養容器の開口部に挿入される前記管状部材の先端部が、丸みを帯びた形状をなしていることを特徴とする細胞培養装置。 - 請求項7において、
前記細胞培養容器は、培地を保持する培地保持部と、培地を供給又は排出するための開口部と、前記開口部から前記培地保持部まで通ずる培地流路と、前記開口部に固定され、切り欠き部が形成された弁材と、を備え、前記培地流路は、前記管状部材の挿入深さを規制する管状部材受部を有し、
前記管状部材を前記開口部に挿入し、前記管状部材の先端部が前記管状部材受部に当接したとき、前記切り欠き部の開口箇所の最大値をL1、前記切り欠き部の一方の端部から他方の端部までの長さをL2、前記管状部材の内径をR1、前記管状部材の外径をR2とすると、R1>L1>R1/2、及び、R2>L2>R1の関係を満足することを特徴とする細胞培養装置。 - 請求項7において、
前記管状部材の先端部は、液漏れ防止部材と、先端管部と、によって構成され、
前記液漏れ防止部材が丸みを帯びた形状を有し、前記管状部材を前記開口部に挿入したときに前記管状部材受部に当接し、
前記液漏れ防止部材が前記管状部材受部に当接したときに、前記先端管部が、前記管状部材受部より深く前記培地流路に挿入され、
この状態において、前記切り欠き部の長さをl1、前記管状部材の前記先端管部の直径をr1、前記液漏れ防止部材の直径をr2とすると、r2>l1>r1であることを特徴とする細胞培養装置。
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